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JP2010062494A - フレキシブル回路基板およびその製造方法、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、半導体装置 - Google Patents

フレキシブル回路基板およびその製造方法、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、半導体装置 Download PDF

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JP2010062494A JP2008229473A JP2008229473A JP2010062494A JP 2010062494 A JP2010062494 A JP 2010062494A JP 2008229473 A JP2008229473 A JP 2008229473A JP 2008229473 A JP2008229473 A JP 2008229473A JP 2010062494 A JP2010062494 A JP 2010062494A
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Abstract

【課題】良好な接続が可能であるとともに実装効率の向上を図ることのできるフレキシブル回路基板およびその製造方法、高信頼性で小型化された液滴吐出ヘッド、長期的な接続信頼性を確保可能な液滴吐出装置および半導体装置を提供する。
【解決手段】本発明の液滴吐出ヘッド1は、可撓性基板71の第1面に、それぞれが一方向に配列された複数の端子からなり、互いに略平行に配置された一対の端子列と、一対の端子列の各々の端子から延出された配線パターンと、を備え、一対の端子列が可撓性基板71を貫通して形成された貫通孔80を介して対向配置されてなるフレキシブル回路基板27を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、フレキシブル回路基板およびその製造方法、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置、半導体装置に関するものである。
マイクロデバイスを製造する方法の一つとして液滴吐出法(インクジェット法)が提案されている。この液滴吐出法は、デバイスを形成するための材料を含む機能液を液滴状にして、液滴吐出ヘッドより吐出する方法である。特許文献1には、ワイヤボンディングを用いて半導体チップの上面に設けられた端子と回路基板上の端子とを電気的に配線接続する一般的な技術が記載されている。また、特許文献2には、駆動素子(圧電素子)が、駆動デバイス(ドライバIC)にワイヤボンディングで接続された液滴吐出ヘッドが記載されている。
ところで、近年、液滴吐出法に基づいてマイクロデバイスを製造する際、マイクロデバイスの更なる微細化の要求に応えるために、アウターリードとして機能する配線パターンを予め形成したフレキシブル回路基板を用いて、アウターリードボンディング(OLB:Outer Lead Bonding)接続を行うことでワイヤ同士の短絡等の不都合を生じさせることなく、駆動素子と駆動回路部(ドライバIC)との間の電気的接続を行うことが考えられている(特許文献3)。
特開2002−9235号公報 特開2003−159800号公報 特開2000−68989号公報
マイクロデバイスにおいては、駆動素子同士の間の距離が小さく(狭く)なっているため、これら複数の駆動素子の電極のそれぞれとドライバICとを異方性導電材料を介してフレキシブル回路基板によって接続する際に、異方性導電材料が流れ出して、他のフレキシブル回路基板に接続される他の複数の駆動素子の電極上を覆ってしまうという問題があった。これを解決しようと、流れ出した異方性導電材料の影響を受けないように駆動素子同士の電極間の距離を広げていた。しかしながらこれでは装置の小型化は実現できない。
また、複数のフレキシブル回路基板を対応する複数の駆動素子の電極に対して一括して実装しようとすると、それぞれのフレキシブル回路基板を別々に吸着してアライメント実装するための複雑な装置が別途必要になってしまう。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、良好な接続が可能であるとともに実装効率の向上を図ることのできるフレキシブル回路基板およびその製造方法、高信頼性で小型化された液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置および半導体装置を提供することを目的としている。
本発明のフレキシブル回路基板は、上記課題を解決するために、可撓性基板の一主面に、それぞれが一方向に配列された複数の端子からなり、互いに略平行に配置された第1及び第2の端子列と、前記第1および第2の端子列の各々の前記端子から延出された配線パターンと、を備え、前記第1の端子列と前記第2の端子列とが前記可撓性基板を貫通して形成された貫通孔を介して対向配置された構成となっている。
本発明のフレキシブル回路基板は、可撓性基板を貫通する貫通孔を介して互いに対向配置された第1の端子列と第2の端子列を備えており、これら各端子列を近接配置された一対の電極に対して一括して接続することができる。これにより、実装効率を向上させることができる。また、接続時に用いられる接着剤などによる接続不具合を防止することができるので良好な接続状態で実装することが可能である。
また、前記第1および第2の端子列の配列方向に複数の貫通孔が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、第1および第2の端子列ごとに貫通孔を設けることができる。また、各貫通孔同士の間には可撓性基板が存在することになり、これによって、フレキシブル回路基板の機械的強度を向上させることができる。
また、前記端子の配列方向に複数の貫通孔が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、第1および第2の端子列の各々の端子、あるいは複数の端子ごとに貫通孔を形成することができる。また、貫通孔同士の間には可撓性基板が存在することになり、これによって、フレキシブル回路基板の機械的強度をさらに向上させることができる。
また、1つの前記貫通孔を介して前記第1の端子列の1つの前記端子と、前記第2の端子列の1つの前記端子とが対向配置されていることが好ましい。
本発明によれば、第1および第2の端子列における各々の端子ごとに貫通孔を形成することができる。また、貫通孔同士の間には可撓性基板が存在することになり、これによって、フレキシブル回路基板の機械的強度をさらに向上させることができる。
また、めっきリード配線を有し、前記めっきリード配線と前記第1および第2の端子列とが前記貫通孔により離間されていることが好ましい。
本発明によれば、製造時において、めっきリード配線とこれに接続していた配線パターンとを切断する工程で、貫通孔を形成することができる。これにより、貫通孔を形成する際の工程数が増加することで製造効率が低下するおそれがなくなる。
本発明のフレキシブル回路基板の製造方法は、上記課題を解決するために、可撓性基板の一主面に、めっきリード配線を含む下地配線パターンを形成する工程と、前記めっきリード配線を介して前記下地配線パターンをめっき処理する工程と、前記下地配線パターンを部分的に切断するようにして、前記下地配線パターン側から前記可撓性基板を貫通する貫通孔を形成し、前記めっきリード配線から切断された配線パターンを形成する工程と、を有している。
本発明によれば、可撓性基板の一主面に形成した下地配線パターンをめっき処理した後、該下地配線パターンとめっきリード配線との接続部分を切断するようにして、下地配線パターンが形成された一主面側から可撓性基板を貫通する貫通孔を形成している。これにより、貫通孔と、めっきリード配線から切断された配線パターンとを同時に形成することができるので、製造効率が良い。
また、前記貫通孔形成工程において、1つの前記貫通孔で全ての前記下地配線パターンを前記めっきリード配線から切断することが好ましい。
本発明によれば、1つの貫通孔で全ての下地配線パターンをめっきリード配線から切断するのと同時に貫通孔形成することができるので、貫通孔の形成自体が容易である。
また、前記貫通孔形成工程において、前記第1および第2の端子列に沿う前記貫通孔の辺端が、平面視において凹凸形状となるように形成することが好ましい。
本発明によれば、貫通孔の内面における表面積を増加させることができる。これにより、フレキシブル回路基板を実装する際に用いられる接着剤(異方性導電材料)などに対する接触面積が増加し、フレキシブル回路基板の接続強度を高めることが可能となる。
本発明の液滴吐出ヘッドは、上記課題を解決するために、第1基板と、該第1基板上に並列配置された一対の駆動素子群と、前記第1基板の前記一対の駆動素子群側に設けられた第2基板と、前記一対の駆動素子群を駆動する第1および第2の駆動回路部と、を備え、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のフレキシブル回路基板における第1の端子列を介して前記第1の駆動回路部と一方の前記駆動素子群とが接続され、第2の端子列を介して前記第2の駆動回路部と他方の前記駆動素子群とが接続されている。
本発明によれば、第1および第2の端子列を有したフレキシブル回路基板によりこれら第1および第2の端子列を、並列配置された一対の駆動素子群に対して一括して接続することができる。これにより、上記した本発明のフレキシブル回路基板を用いることによって、実装効率が向上し、作業時間の短縮が図れる。また、高密度実装が可能となり、省スペース化を実現することができ、小型化された液滴吐出ヘッドが得られる。
また、前記フレキシブル回路基板の貫通孔内に、第1および第2の端子列と各前記駆動素子群との間に接着材として介在する異方性導電材料の一部が入り込んでいることが好ましい。
本発明によれば、実装時に用いられた接着剤(異方性導電材料)の一部がフレキシブル回路基板に設けられた貫通孔内に入り込んでいるので、第1および第2の端子列と各駆動素子群とが良好に接続されたものとなる。
本発明の液滴吐出ヘッドの製造方法は、上記課題を解決するために、並列配置された一対の駆動素子群が設けられた第1基板と、前記各駆動素子群を構成する複数の圧電素子の電極を露出させる開口部を有した第2基板と、を積層させる積層工程と、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のフレキシブル回路基板における第1の端子列を介して第1の駆動回路部と一方の前記駆動素子群とを接続するとともに、第2の端子列を介して第2の駆動回路部と他方の前記駆動素子群とを接続する接続工程と、を備え、前記接続工程において、前記複数の駆動素子の各々の電極と、前記フレキシブル回路基板の第1および第2の端子列の各々の端子と、を異方性導電材料を介して一括して接続する。
本発明のフレキシブル回路基板には、第1および第2の端子列がそれぞれ形成されていることから、各端子列を各駆動素子群に対して一括して接続することが可能となる。これによって、各駆動素子群と各駆動回路部とを簡単且つ確実に接続することができるようになり、実装時間の短縮が図れる。また、フレキシブル回路基板側の端子と駆動素子の電極との間に介在する異方性導電材料の一部は、実装時の圧力などによって押し出されてフレキシブル回路基板に設けられた貫通孔内に入り込む。このように、フレキシブル回路基板に余った異方性導電材料の逃げ場を設けておくことによって、異方性導電材料に含まれる導電粒子の凝集を防いで端子間でショートするのを回避することが可能である。
このように、上記した本発明のフレキシブル回路基板を用いることにより高密度実装における不具合をなくすことができる。これにより、ヘッドの小型化を実現できるとともに、良好な接続状態を確保することのできる高信頼性の液適吐出ヘッドとなる。
本発明の液滴吐出装置は、上記課題を解決するために、上記液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、高信頼性で小型化された液滴吐出ヘッドを備えていることから、液滴吐出装置自体の小型化も実現することができるとともに、その信頼性も確保されたものとなる。
本発明の半導体装置は、上記課題を解決するために、上記フレキシブル回路基板を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、フレキシブル回路基板によって、小型化を実現することができるとともに、接続信頼性も向上した半導体装置が得られる。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
本発明の液滴吐出ヘッドの第1実施形態について、図1〜図6を参照しながら説明する。図1は液滴吐出ヘッドの一実施形態に係る構成を示す外観斜視図、図2は液滴吐出ヘッドの分解斜視図、図3は液滴吐出ヘッドをノズル開口側から見た斜視図の一部破断図、図4は図1のA−A線矢視断面図、図5はフレキシブル回路基板の接続部を拡大して示す断面図、図6はフレキシブル回路基板の平面図である。
液滴吐出ヘッド1(半導体装置)は、図1〜図4に示すように、機能液の液滴を吐出するものであって、液滴が吐出されるノズル開口が形成されたノズル基板21と、ノズル基板21の上面に設けられ液滴が流れる流路を形成する流路形成基板22(第1基板)と、流路形成基板22の上面に設けられて圧電素子23(駆動素子:図3)の駆動により変位する振動板24と、振動板24の上面に設けられ、リザーバ37(図4)を形成するためのリザーバ形成基板25(第2基板)と、リザーバ形成基板25の上面側に設けられるケース部材101と、2つのドライバIC26(26A,26B:駆動回路部)がそれぞれ実装された一対のフレキシブル回路基板27,27と、を備えた基体1Aを主体に構成されている。
なお、本実施形態においては、一つの基体1Aにより液滴吐出ヘッド1を構成しているが、複数の基体1Aをユニット化することで液滴吐出ヘッドを構成するようにしてもよい。
フレキシブル回路基板27,27は、ドライバIC26A,26Bを後述の圧電素子23とを電気的に接続するもので、各ドライバIC26A,26Bの各能動面側が対向するように折り曲げられた状態で実装されている。
ケース部材101は、ステンレスによって構成されている。このケース部材101は、液滴吐出ヘッド1を後述するような液滴吐出装置に搭載する際の取付け部材として利用されるものである。
ケース部材101のX軸方向における中央部には、Y軸方向に沿って形成される開口部102が形成されている。開口部102は、図2に示されるように、少なくともリザーバ形成基板25に形成された2つの開口部60の開口領域を含む大きさとされている。この開口部102内には、フレキシブル回路基板27,27が挿入されることから、その所定箇所にドライバIC26の保持領域103が切欠状に形成されている。
ノズル基板21は、図3に示されるように、例えばステンレスやガラスセラミックスによって構成されており、ノズル基板21を貫通する貫通孔であって機能液の液滴を吐出するノズル開口31が複数形成されている。そして、Y軸方向に複数並んで形成されたノズル開口31によってノズル開口群310が構成されている。本実施形態においては、X軸方向およびY軸方向に2つずつ計4つのノズル開口群310が設けられている。
なお、図3では、各ノズル開口群310がそれぞれ6個のノズル開口31によって構成されているように示されているが、実際には、例えば720個程度のノズル開口31が形成されている。
流路形成基板22は、例えば剛体であるシリコン単結晶によって形成されており、複数の隔壁35は、流路形成基板22の母材であるシリコン単結晶基板を異方性エッチングすることで形成されている。また、流路形成基板22の下面には例えば接着剤や熱溶着フィルムなどを介してノズル基板21が固定されている一方、流路形成基板22の上面には振動板24が設けられている。
圧力発生室36は、ノズル開口31より吐出される機能液が配置される部分であって、図4に示されるように、複数の隔壁35を有する流路形成基板22と、ノズル基板21と、振動板24とで囲まれた空間によって形成されている。この圧力発生室36は、4つのノズル開口群310のそれぞれを構成する複数のノズル開口31に対応するようにして、Y軸方向に複数並んで形成されている。そして、複数の圧力発生室36によって圧力発生室群360が各ノズル開口群310に対応して4つ構成されている。
各圧力発生室群360を構成する複数の圧力発生室36の一方の端部は、それぞれリザーバ37の一部を構成する供給路38を介して連通部39によって互いに連通されている。
振動板24は、流路形成基板22とリザーバ形成基板25との間に配置され、流路形成基板22の上面を覆うように設けられた弾性膜41と、弾性膜41の上面に設けられた下電極膜42とを備えている。弾性膜41は、例えば厚さ1〜2μm程度の二酸化シリコンによって形成されており、下電極膜42は、例えば厚さ0.2μm程度の白金などによって形成されている。なお、本実施形態において、下電極膜42は、複数の圧電素子23に共通する電極となっている。
圧電素子23は、振動板24を変位させるための駆動素子であって、下電極膜42の上面に設けられた圧電体膜45と、圧電体膜45の上面に設けられた上電極膜46と、上電極膜46の引出配線であるリード電極47とを備えている。
圧電体膜45は、例えば厚さ1μm程度の金属酸化物によって構成されている。また、上電極膜46は、例えば厚さ0.1μm程度の白金などによって構成され、リード電極47は、例えば厚さ0.1μm程度の金などによって構成されている。なお、リード電極47と下電極膜42との間には、絶縁膜(図示略)が設けられている。
このような圧電素子23は、複数のノズル開口31及び圧力発生室36のそれぞれに対応するように複数設けられている。すなわち、圧電素子23は、ノズル開口31ごと(圧力発生室36ごと)に設けられている。そして、上述のように、下電極膜42が複数の圧電素子23の共通電極として機能し、上電極膜46及びリード電極47が複数の圧電素子23の個別電極として機能する。
また、ノズル開口群310を構成する各ノズル開口31と対応するようにY軸方向に複数並んで設けられた圧電素子23により、圧電素子群230が形成される。ここでは、各々ノズル開口群310に対応して4つの圧電素子群230が設けられている。なお、これら4つの圧電素子群230のうち、ドライバIC26Aに対応するものを圧電素子群230Aとし、ドライバIC26Bに対応するものを圧電素子群230Bとする。これら圧電素子群230Aと圧電素子群230Bとは互いに近接した状態で並列に配置されている。
なお、圧電素子23は、圧電体膜45、上電極膜46及びリード電極47に加えて下電極膜42を含むものであってもよい。すなわち、本実施形態における下電極膜42は、圧電素子23としての機能と振動板24としての機能とを兼ね備える構成としてもよい。また、本実施形態では、弾性膜41及び下電極膜42によって振動板24が構成されているが、弾性膜41を省略して下電極膜42が弾性膜41の機能を兼ね備える構成としてもよい。
リザーバ形成基板25は、圧電素子23を外部環境と遮断して、圧電素子23を封止するための封止部材としての機能を有している。リザーバ形成基板25によって圧電素子23を封止することによって、水分などの外部環境による圧電素子23の破壊を防止することができる。
また、リザーバ形成基板25は、剛体であって、例えばガラス、セラミック材料などの流路形成基板22の熱膨張率と略同一の材料を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板22と同一材料のシリコン単結晶基板が用いられている。
リザーバ形成基板25には、図4に示すように、連通部39のそれぞれと対応するリザーバ部51がY軸方向に延びるように形成されている。このリザーバ部51と上述した連通部39とによってリザーバ37が構成される。また、リザーバ形成基板25には、各連通部39の側壁に接続されて各連通部39に機能液を導入する導入路52が形成されている。
リザーバ形成基板25のX軸方向における中央部には、Y軸方向に延びる溝状の開口部60が形成されている。開口部60においては、流路形成基板22の一部が露出している。開口部60のX軸方向外側の領域には、各圧電素子群230を振動板24との間で封止する封止部61が形成されている。
リザーバ形成基板25のうち、各圧電素子群230に対向する領域には、これらを構成する複数の圧電素子23の駆動を阻害しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密閉可能な圧電素子保持部62が形成されている。圧電素子保持部62は、封止部のぞれぞれに対応して形成されており、各圧電素子群230を覆う覆う大きさで形成されている。
また、圧電素子23のうち、少なくとも圧電体膜45は、この圧電素子保持部62内に密封されている。
このように、リザーバ形成基板25は、圧電素子23を外部環境から遮断し、圧電素子23を封止するための封止部材としての機能を有している。リザーバ形成基板25で圧電素子23を封止することにより、水分などの外部環境による圧電素子23の破壊を防止することができる。
また、封止部61(圧電素子保持部62)によって封止されている圧電素子23のうち、リード電極47の一方の端部は、封止部61の外側まで延びており、開口部60において露出した流路形成基板22上に配置されている。
また、リザーバ形成基板25の上面には、コンプライアンス基板53が接合されている。このコンプライアンス基板53は、封止膜54及び固定板55を有する。
封止膜54は、例えば厚さ6μm程度のポリフェニレンスルフィドフィルムのような剛性が低く可撓性を有する材料によって形成されている。そして、封止膜54によってリザーバ部51の上部が封止されている。
固定板55は、例えば厚さ30μm程度のステンレス鋼のような金属などの硬質の材料によって形成されている。この固定板55のうち、リザーバ部51に対応する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部56となっている。したがって、リザーバ部51の上部は、可撓性を有する封止膜54のみによって封止されたものとなっており、したがって、内部圧力の変化によって変形可能な可撓部57となっている。また、コンプライアンス基板53上には、上記ケース部材101が設けられている。
また、リザーバ部51の外側のコンプライアンス基板53及びケース部材101には、導入路52に連通してリザーバ部51に機能液を供給するための機能液導入口58が形成されている。通常、機能液導入口58からリザーバ部51に機能液が供給されると、例えば圧電素子23の駆動時の機能液の流れや周囲の熱などによってリザーバ部51内に圧力変化が生じる。しかしながら、上述のように、リザーバ部51の上部が封止膜54のみによって封止された可撓部57となっているので、この可撓部57が撓み変形してその圧力変化を吸収する。したがって、リザーバ部51内は一定の圧力に保持される。なお、他の部分は固定板55によって十分な強度に保持されている。また、ケース部材101は、可撓部57の変形を損なわないように可撓部57に非接触状態で設けられている。
フレキシブル回路基板27は、図4および図5に示すように、ケース部材101に設けられた開口部102と、リザーバ形成基板25に形成された開口部60とに、その接続部27Aを挿入されて実装されている。
(フレキシブル回路基板)
以下、本実施形態の特徴的な構成要素であるフレキシブル回路基板について詳述する。
フレキシブル回路基板27は、図6に示すように、例えば厚さ25μm程度のポリイミドからなる絶縁性のフィルムからなる可撓性基板71を備えている。
可撓性基板71の主面71aには、銅などの導電性材料からなる第1配線パターン72、第2配線パターン74、グランド配線76、および入力信号線78などが、電解めっきなどの手法によって形成されている。また、貫通孔80の長手方向両側において、Y軸方向に沿って直線状に延在する一対の残部88a,88aを有している。これら残部88a,88aは、製造時に用いられためっきリード配線88の一部である。
可撓性基板71には、その略中央部に可撓性基板71を貫通して形成された貫通孔80が設けられている。貫通孔80は、可撓性基板71の主面71aの所定領域にフリップチップ実装されたドライバIC26AとドライバIC26Bとの間の領域において、それぞれ端子73,75の配列方向(Y軸方向)に延びて形成されている。
また、可撓性基板71には、貫通孔80両側における所定位置に、フレキシブル回路基板27のY軸方向両端部に切欠部82,82(83,83)が形成されている。そして、Y軸方向において対向する切欠部82,82(83,83)同士を繋ぐ曲げ線Oに沿って、可撓性基板71を確実に折り曲げることができるようになっている。これにより、フレキシブル回路基板27のうち、貫通孔80を含む曲げ線O,O間の領域(以下、接続部27Aとする)に対して、ドライバIC26A,26Bが実装される部分であって各曲げ線Oよりも外側の領域(以下、立ち上がり部27B,27Bとする)をそれぞれ立ち上げられるようになっている。
なお、切欠部82,83は、設けられていなくても良いが、フレキシブル回路基板27の曲げ形状を維持させるためには設けておいた方が良い。
貫通孔80の両側には、複数の端子73からなる端子列73Aと、複数の端子75からなる端子列75Aとが形成されている。各端子列73A,75Aは、それぞれの複数の端子73,75が貫通孔80の長さ方向に沿って一方向に配列されており、互いに略平行となるように貫通孔80を介して対向配置されている。これら各端子列73A,75Aは、対応する圧電素子群230A,230Bを構成する複数の圧電素子23(リード電極47)のそれぞれに各端子73,75が接続するようにパターニングされたものである。
このように、端子列73A,75Aは、対応する圧電素子群230A,230Bを構成する複数の圧電素子23のそれぞれに各端子73,75が対向するように、Y軸方向に複数(例えば720個)が並列した状態に形成されている。したがって、各端子73と圧電素子群230Aを構成する複数の圧電素子23のリード電極47とがそれぞれ接続することにより、ドライバIC26Aは端子列73Aを介して圧電素子群230Aと電気的に接続されたものとなる。同じく、各端子75と圧電素子群230Bを構成する複数の圧電素子23のリード電極47とがそれぞれ接続することにより、ドライバIC26Bは端子列75Aを介して圧電素子群230Bと電気的に接続されたものとなる。
なお、平面視において、各端子73,75の端部が貫通孔80の内面80aに一致している。
第1配線パターン72は、端子列73Aの各端子73から各々延出する複数の配線72aにより構成されており、各配線72aの端子73と反対側の端部がドライバIC26Aの端子91に接続されている。
第2配線パターン74は、端子列75Aの各端子75から各々延出する複数の配線74aにより構成されており、各配線74aの端子75と反対側の端部がドライバIC26Bの端子91に接続されている。
図5に示すように、ドライバIC26(26A)、26(26B)と可撓性基板71との間には樹脂65が配置されており、これによって可撓性基板71に対するドライバIC26(26A)、26(26B)の接続強度が高められ、各端子91,92と各配線72a,74aとの接続状態が確保されている。また、ドライバIC26A,26Bの端子92には、グランド配線76と入力信号線78とが接続されている。そして、これらグランド配線76および入力信号線78は、可撓性基板71の端部に延びており、可撓性基板71の辺端には外部信号入力部77が形成されている。外部信号入力部77から入力された外部信号は、入力信号線78を介してドライバIC26へと入力される。
以上の構成を備えた、フレキシブル回路基板27は、接続部27Aと立ち上がり部27Bとの間で折り曲げられ、接続部27Aを開口部60(図4,5)内に挿入されている。そして、開口部60に配置されているリード電極47,47と各々に対向する端子73,75とが接続されている。
ここで、端子73,75とリード電極47,47とは、例えば複数の導電粒子を含む異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)のような異方性導電材料79によって接続されている。
従来は、個々のフレキシブル回路基板に端子列が一つずつ設けられていた。しかしながら、本実施形態のフレキシブル回路基板27には、第1および第2の端子列73A,75Aが同一基板上に設けられているので同時に実装することが可能となり、実装効率を向上させることができる。ここで、単に同一基板上に端子列を2つ設けたとしても、余った異方性導電材料79の逃げ場がなく、フレキシブル回路基板79の圧着が不十分となって接続信頼性を確保することができない。
そこで、本実施形態においては、フレキシブル回路基板27の端子列73A,75A同士の間に貫通孔80を形成し、余分な異方性導電材料79の逃げ場となる領域を設けた。貫通孔80内に異方性導電材料79の一部が入り込むようにすることで、異方性導電材料79内の導電粒子79aの分散性が略均一に確保されたものとなる。このようにして、端子73,75とリード電極47,47との間(接続間)以外で異方性導電材料79に含有されている導電粒子79a同士が凝集してしまうのを防止している。
フレキシブル回路基板27とケース部材101との間には樹脂65(図4,5)が配置されており、これによってフレキシブル回路基板27に設けられたドライバIC26がケース部材101の保持領域103の内側面103aにリザーバ形成基板25の面方向(XY平面)に対して垂直状態で固定されている。
[フレキシブル回路基板の製造方法]
次に、フレキシブル回路基板の製造方法について用いて説明する。図7(a),(b)は、フレキシブル回路基板の製造工程図である。
(下地配線パターン形成工程)
まず、図7(a)に示すように、可撓性基板71の主面71aに、複数の配線100aとめっきリード配線88とからなる下地配線パターン100と、グランド配線76と、入力信号線78とを形成する。ここで、各種配線は、ニッケル(Ni)あるいはクロム(Cr)などを用いて形成される。
なお、めっきリード配線88は、可撓性基板71の外部でめっき用電源(不図示)に接続されており、電解めっきに必要な電力を供給するためのもので、各配線100aをAuめっき処理する際に用いられる。
(めっき処理工程)
次に、上記可撓性基板71をめっき液に浸漬し、めっき用電源によってめっきリード配線88に電圧を印加すると、露出する各配線100aなどの表面にAuめっき層が形成される。同様に、グランド配線76および入力信号線78にもAuめっき層が形成される。このようにして、各配線100aの表面全体に均一なめっき処理が施される。
(貫通孔形成工程)
次に、図7(b)に示すように、めっき処理が施された各配線100aとめっきリード配線88との接続部分を切断するようにして、可撓性基板71を貫通する貫通孔80を形成する。貫通孔80は、打抜き等の方法により形成する。具体的には、各配線100aが形成された主面71a側から不図示の加工器などを用いて打抜き作業を行うことにより貫通孔80を形成する。ここでは、少なくとも各配線100aとめっきリード配線88との接続部分を含む所定の領域を除去し、各配線100aとめっきリード配線88との電気的な接続を確実に切断する。
貫通孔80を形成することによって、貫通孔80両側に、複数の端子73,75(端子列73A,75A)と、複数の配線72a,74a(配線パターン72,74)が形成される。貫通孔80を形成する際、各配線100aとめっきリード配線88との接続部分を確実に取り除くことにより、接続端子としての端子73,75が得られる。
その後、可撓性基板71の主面71aにおける所定領域にドライバIC26A,26Bを実装することにより、本実施形態のフレキシブル回路基板27が完成する。
以上のようにしてフレキシブル回路基板27を製造することによって、下地配線パターン100をメッキ処理した後、各配線100aとこれに接続しているめっきリード配線88との接続部分を切断するように貫通孔80を形成することによって、双方の電気的なつながりを遮断している。これにより、貫通孔80を介して対向する複数の端子73,75と、これら複数の端子73,75からなる第1および第2の端子列73A,75Aを形成することができる。
また、貫通孔80を形成する際、配線100aが形成された可撓性基板71の主面71a側から打抜きを行うことにより、その切断面においてバリなどが発生するのを防止するとともに、可撓性基板71からの配線100aの剥離を防止することができる。
このように、本実施形態のフレキシブル回路基板27は、一対の圧電素子群230A,230Bに対応する一対の端子列73A,75Aを有しており、各圧電素子群230A,230Bに対して一括してフレキシブル回路基板27を実装することができる。これにより、フレキシブル回路基板27の実装効率が向上し、作業時間を短縮することができる。
[液滴吐出ヘッドの製造方法]
次に、液滴吐出ヘッド1の製造方法について、上述したフレキシブル回路基板27の実装方法を中心に説明する。以下の説明において、フレキシブル回路基板27によりドライバIC26と圧電素子23とを接続する手順について主に説明し、液滴吐出ヘッド1のうち、ノズル基板21、流路形成基板22、リザーバ形成基板25の積層作業、および圧電素子23などの製造及び接続、配置作業はすでに完了しているものとする。
まず、図2に示すように、ケース部材101の開口部102およびリザーバ形成基板25の開口部60の形状に沿って、接続部27Aと立ち上がり部27Bとの間を予め折り曲げておいたフレキシブル回路基板27を用意する。
次に、開口部60内において露出している各圧電素子23のリード電極47上に、少なくともこれらリード電極47を覆うようにして異方性導電材料を設けておく。
次に、不図示のボンディングツールなどを用いて、フレキシブル回路基板27のドライバIC26実装面(主面71a)とは反対側の面を吸着し、開口部60内で露出したリード電極47に対する各端子73,75の位置合わせを行いながら、これら端子73,75をリード電極47上に仮接合する。
すると、フレキシブル回路基板27側からの押圧によって、端子73,75とリード電極47との間に介在する異方性導電材料79の一部が押し出される。本実施形態のフレキシブル回路基板27には貫通孔80が設けられているので、押し出された異方性導電材料79の一部が貫通孔80内に入り込む。このように、押し出された異方性導電材料79が貫通孔80内に入り込むことによって、含有されている複数の導電粒子79aは凝集することなく各々の分散性が確保された状態で存在することになる。
この状態で、ボンディングツール側から加熱加圧することにより異方性導電材料79が硬化して、端子73,75とリード電極47とが本接合される。このようにして、フレキシブル回路基板27を実装し、ドライバIC26A,26Bと、各々と対応する圧電素子群230A,230Bとを接続させる。
本実施形態によれば、一対の圧電素子群230A,230Bにそれぞれ対応するドライバIC26A,26Bが実装されたフレキシブル回路基板27を備えている。これにより、近接配置された一対の圧電素子群230A,230Bに対して、それぞれ一括してフレキシブル回路基板27を実装することができる。従来は、圧電素子群ごとにフレキシブル回路基板を実装していたため接続に用いられる異方性導電材料が近傍の圧電素子群の各電極上に流れ出してしまうことから、圧電素子群同士の配置間隔を広げる必要があった。しかしながら、本実施形態のフレキシブル回路基板27を用いれば、近接した状態で並列配置された圧電素子群230A,230Bに対して一括してフレキシブル回路基板27を実装することができるので、高密度実装が可能になる。これにより、実装面積を少なくできて省スペース化が可能になり、液滴吐出ヘッド1の小型化を実現することができる。
また、本実施形態のフレキシブル回路基板27は、上述したように従来のフレキシブル回路基板を2つ一体化した構成となっており、一つのボンディングツールを用いて吸着、アライメントを行い実装することが可能なため、近接する一対の圧電素子群に対するフレキシブル基板の実装精度を制御しやすい。よって、複雑な装置や制御は必要ない。
また、フレキシブル回路基板27には、端子列73A,75A同士の間に貫通孔80が設けられていることから、実装時に用いられる異方性導電材料79の一部が貫通孔80内に入り込むことで導電粒子79aの凝集が防止され、接続端子間でショートが発生するなどの不具合を回避することが可能である。このように、上記した本実施形態のフレキシブル回路基板27を用いることにより高密度実装における不具合をなくすことができる。これにより、液滴吐出ヘッド1の小型化を実現できるとともに、良好な接続状態を長期的に確保することのできる高信頼性の液滴吐出ヘッド1が得られる。
(第2実施形態)
以下に示す本実施形態の液滴吐出ヘッドの基本構成は、上記第1の実施形態と略同様であるが、フレキシブル回路基板において異なる。よって、以下の説明では、フレキシブル回路基板について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる図面において、図1〜図7と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図8は、第2実施形態に係るフレキシブル回路基板28の構成を示す平面図、図9は、本実施形態におけるフレキシブル回路基板の製造時における平面図である。
図8に示すように、本実施形態のフレキシブル回路基板28は、各ドライバIC26A,26Bに共通するグランド配線96が設けられている。グランド配線96は、可撓性基板71の2辺に亘ってその縁部に引き廻されており、端子93,93を介して各ドライバIC26A,26Bと接続されている。また、このグランド配線96は、その途中部分が貫通孔180の一端側に配置されているめっきリード配線88の残部88bに接続されている。
図9に示すように、本実施形態のフレキシブル回路基板28を製造する際には、複数の配線111aからなる下地配線パターン111、入力信号線78、グランド配線96、めっきリード配線88を形成する。グランド配線96は、基体1A側から供給されるグランド信号を各ドライバIC26A,26Bへ供給する一方、可撓性基板71の外部でめっき用電源(不図示)にも接続されており、電解めっきに必要な電力をめっきリード配線88へ供給する機能も有している。
そして、上記可撓性基板71をめっき液に浸漬し、不図示のめっき用電源によってグランド配線96からめっきリード配線88を介して各配線111aに電圧を印加する。すると、露出する各配線111aの表面などにAuめっき層が形成される。このようにして、各配線111aの表面全体に均一なめっき処理を施す。
その後、めっきリード配線88と各配線111aとの接続部分を切断するようにして、その周囲を含めた所定領域(図中二点鎖線で囲んだ領域)を打抜くことで貫通孔180(図8)を形成する。
本実施形態によれば、各ドライバIC26,26に共通するグランド配線96を設けたことから、このグランド配線96を介してめっきリード配線88へ電解めっきに必要な電力を供給することができる。これにより、配線数を減らすことができ、製造工程数を削減できる。
なお、本実施形態では、完成後のフレキシブル回路基板28において、めっきリード配線88の一部(残部88b)が残るように貫通孔180を形成したが、めっきリード配線88全てを除去するようにして貫通孔180を形成するようにしてもよい。これにより、完成後のフレキシブル回路基板28上にめっきリード配線88が残らない。
(変形例)
次に、フレキシブル回路基板の変形例について述べる。図10(a),(b)にフレキシブル回路基板の変形例を示す。図10(a),(b)に示す各フレキシブル回路基板においては、貫通孔の形状のみが異なることから、以下の説明においては貫通孔について述べる。
図10(a)に示すフレキシブル回路基板には、端子列73A,75Aの配列方向に2つの貫通孔181が設けられている。具体的には、端子列73A,75A毎に貫通孔181が設けられている。貫通孔181,181は、各端子列73A,75Aのめっきリード配線88側の端部にそれぞれ形成され、各端子列73A,75Aにおける各々の端子73,75とめっきリード配線88との接続部分が各貫通孔181,181によって確実に切断されている。
このような構成によれば、めっきリード配線88と各端子列73A,75Aとの電気的な接続を切断できる最低限の大きさで貫通孔181,181を形成することが可能となる。また、貫通孔181,181同士の間にめっきリード配線88及び可撓性基板71が存在するので、フレキシブル回路基板27の機械的強度を向上させることができる。
図10(b)に示すフレキシブル回路基板には、端子列73A,75Aにおける各端子73,75の配列方向に複数の貫通孔182が設けられている。具体的には、各端子列73A,75Aにおける個々の端子73,75ごとに貫通孔182が設けられている。つまり、一つの貫通孔182を介して第1の端子列73Aの端子73と第2の端子列75Aの端子75とが対向配置されている。そして、めっきリード配線88と個々の端子73,75との接続部分がこれら複数の貫通孔182によって切断されている。
これによって、各貫通孔182同士の間に、めっきリード配線88および可撓性基板71が存在するので、フレキシブル回路基板27の機械的強度をさらに向上させることができる。
なお、各端子73,75ごとに貫通孔182を設けたが、複数の端子73,75ごとに貫通孔を設けるようにしても良い。つまり、一つの貫通孔を介して、第1の端子列73Aにおける複数の端子73と第2の端子列75Aにおける複数の端子75とが対向配置された構成であっても構わない。
<液滴吐出装置>
次に、前述した液滴吐出ヘッド1を備えた本発明の液滴吐出装置IJの一例について、図11を参照しながら説明する。図11は液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。
図11において液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と、駆動軸4と、ガイド軸5と、外部コントローラCTと、ステージ7と、クリーニング機構8と、基台9と、ヒータ6とを備えている。ステージ7は、液滴吐出ヘッド1によって機能液が吐出される基板Pを支持するもので、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えたものである。液滴吐出ヘッド1のノズル開口部からは、ステージ7に支持されている基板Pに対し、機能液が吐出されるようになっている。
駆動軸4には駆動モータ2が接続されている。駆動モータ2はステッピングモータ等からなるもので、外部コントローラCTからY軸方向の駆動信号が供給されると、駆動軸4を回転させるようになっている。駆動軸4が回転すると、液滴吐出ヘッド1はY軸方向に移動する。ガイド軸5は基台9に対して動かないように固定されている。ステージ7は、駆動モータ3を備えている。駆動モータ3はステッピングモータ等からなるもので、外部コントローラCTからX軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7をX軸方向に移動するようになっている。
外部コントローラCTは、液滴吐出ヘッド1に対して液滴吐出を制御するための電圧を供給する。さらに、外部コントローラCTは、駆動モータ2に対して液滴吐出ヘッド1のY軸方向への移動を制御する駆動パルス信号を供給するとともに、駆動モータ3に対してステージ7のX軸方向への移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構8は液滴吐出ヘッド1をクリーニングするものであって、図示しない駆動モータを備えている。この駆動モータの駆動により、クリーニング機構8はガイド軸5に沿ってX軸方向に移動する。クリーニング機構8の移動も外部コントローラCTにより制御される。ヒータ6は、ここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に塗布された機能液に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行うようになっている。このヒータ6の電源の投入及び遮断も、外部コントローラCTによって制御されるようになっている。
そして、液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1と基板Pを支持するステージ7とを相対的に走査しつつ基板Pに対して液滴を吐出する。
このような液滴吐出装置IJにあっては、前述したように、作業性及び生産性に優れた液滴吐出ヘッド1を備えているので、歩留まりよく低コストで製造できるものとなる。
なお、前述した実施形態において、液滴吐出ヘッド1より吐出される機能液としては、液晶表示デバイスを形成するための液晶表示デバイス形成用材料、有機EL表示デバイスを形成するための有機EL形成用材料、電子回路の配線パターンを形成するための配線パターン形成用材料などを含むものとする。これにより、液滴吐出装置IJは、液滴吐出法に基づいて吐出した機能液によって、各デバイスを製造することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもなく、上記各実施形態を組み合わせても良い。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、貫通孔の大きさや形状、数などは、各端子列73A,75Aにおける端子73,75の各々と、製造時に用いられるめっきリード配線88との接続が完成時に切断されていれば特に問わない。
また、フレキシブル回路基板27の第1および第2の端子列73A,75Aに沿う貫通孔80の辺端が平面視において凹凸形状となるように形成されていても良い。例えば、貫通孔80の内周面が、平面視において波形状、ジグザグ形状などの凹凸形状とされていても良い。
液滴吐出ヘッドの第1実施形態に係る構成を示す外観斜視図。 液滴吐出ヘッドの分解斜視図。 液滴吐出ヘッドをノズル開口側から見た斜視図の一部破断図。 図1のA−A線矢視断面図。 OLB接続部の要部を拡大して示す図。 フレキシブル回路基板の平面図。 第1実施形態に係るフレキシブル回路基板の製造時における平面図。 第2実施形態に係るフレキシブル回路基板の構成を示す平面図。 第2実施形態に係るフレキシブル回路基板の製造時における平面図。 フレキシブル回路基板の変形例を示す平面図。 液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図。
符号の説明
1…液滴吐出ヘッド(半導体装置)、22…流路形成基板(第1基板)、23…圧電素子(駆動素子)、25…リザーバ形成基板(第2基板)、26A…ドライバIC(第1の駆動回路部)、26B…ドライバIC(第2の駆動回路部)、27,28…フレキシブル回路基板、60…リザーバ形成基板の開口部、71…可撓性基板、71a…主面、73,75…端子、73A…第1の端子列、75A…第2の端子列、80,180,181,182…貫通孔、80a…貫通孔の内面、88…めっきリード配線、111…下地配線パターン、IJ…液滴吐出装置

Claims (13)

  1. 可撓性基板の一主面に、
    それぞれが一方向に配列された複数の端子からなり、互いに略平行に配置された第1及び第2の端子列と、
    前記第1および第2の端子列の各々の前記端子から延出された配線パターンと、を備え、
    前記第1の端子列と前記第2の端子列とが前記可撓性基板を貫通して形成された貫通孔を介して対向配置されている
    ことを特徴とするフレキシブル回路基板。
  2. 前記第1および第2の端子列の配列方向に複数の貫通孔が形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のフレキシブル回路基板。
  3. 前記端子の配列方向に複数の貫通孔が形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のフレキシブル回路基板。
  4. 1つの前記貫通孔を介して前記第1の端子列の1つの前記端子と、前記第2の端子列の1つの前記端子とが対向配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のフレキシブル回路基板。
  5. めっきリード配線を有し、
    前記めっきリード配線と前記第1および第2の端子列とが前記貫通孔により離間されている
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のフレキシブル回路基板。
  6. 可撓性基板の一主面に、めっきリード配線を含む下地配線パターンを形成する工程と、
    前記めっきリード配線を介して前記下地配線パターンをめっき処理する工程と、
    前記下地配線パターンを部分的に切断するようにして、前記下地配線パターン側から前記可撓性基板を貫通する貫通孔を形成し、前記めっきリード配線から切断された配線パターンを形成する工程と、を有する
    ことを特徴とするフレキシブル回路基板の製造方法。
  7. 前記貫通孔形成工程において、1つの前記貫通孔で全ての前記下地配線パターンを前記めっきリード配線から切断する
    ことを特徴とする請求項6記載のフレキシブル回路基板の製造方法。
  8. 前記貫通孔形成工程において、前記第1および第2の端子列に沿う前記貫通孔の辺端が、平面視において凹凸形状となるように形成する
    ことを特徴とする請求項6または7記載のフレキシブル回路基板の製造方法。
  9. 第1基板と、
    該第1基板上に並列配置された一対の駆動素子群と、
    前記第1基板の前記一対の駆動素子群側に設けられた第2基板と、
    前記一対の駆動素子群を駆動する第1および第2の駆動回路部と、を備え、
    請求項1ないし5のいずれか一項に記載のフレキシブル回路基板における第1の端子列を介して前記第1の駆動回路部と一方の前記駆動素子群とが接続され、第2の端子列を介して前記第2の駆動回路部と他方の前記駆動素子群とが接続されている
    ことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  10. 前記フレキシブル回路基板の貫通孔内に、第1および第2の端子列と各前記駆動素子群との間に接着材として介在する異方性導電材料の一部が入り込んでいる
    ことを特徴とする請求項9記載の液滴吐出ヘッド。
  11. 並列配置された一対の駆動素子群が設けられた第1基板と、前記各駆動素子群を構成する複数の圧電素子の電極を露出させる開口部を有した第2基板と、を積層させる積層工程と、
    請求項1ないし5のいずれか一項に記載のフレキシブル回路基板における第1の端子列を介して第1の駆動回路部と一方の前記駆動素子群とを接続するとともに、第2の端子列を介して第2の駆動回路部と他方の前記駆動素子群とを接続する接続工程と、を備え、
    前記接続工程において、
    前記複数の駆動素子の各々の電極と、前記フレキシブル回路基板の第1および第2の端子列の各々の端子と、を異方性導電材料を介して一括して接続する
    ことを特徴とする液滴吐出ヘッドの製造方法。
  12. 請求項9または10記載の液滴吐出ヘッドを備えた
    ことを特徴とする液滴吐出装置。
  13. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載のフレキシブル回路基板を備えた
    ことを特徴とする半導体装置。
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