JP2010058249A - インゴット切断装置及び切断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレードのドレッシングを自動で精度良く行い、生産性を向上することができるインゴット切断装置、及び切断方法を提供することを目的とする。
【解決手段】切断テーブルにインゴットが水平に載置され、前記切断テーブルはインゴットを切断するためのブレードが前記切断テーブルに接触しないようにするための隙間を有し、前記ブレードを前記切断テーブルの隙間の位置で相対的に上方から下方に送り出すことによって前記インゴットを切断するインゴット切断装置であって、少なくとも、前記インゴットを前記ブレードで切断する位置にて前記インゴットの切り終わり部分を下方から支持するためのドレッシング材から成るインゴット支え部材を具備し、前記インゴットの切断時に前記インゴット支え部材の上部を切断して溝を形成し前記ブレードのドレッシングを行うものであることを特徴とするインゴット切断装置。
【選択図】 図1
【解決手段】切断テーブルにインゴットが水平に載置され、前記切断テーブルはインゴットを切断するためのブレードが前記切断テーブルに接触しないようにするための隙間を有し、前記ブレードを前記切断テーブルの隙間の位置で相対的に上方から下方に送り出すことによって前記インゴットを切断するインゴット切断装置であって、少なくとも、前記インゴットを前記ブレードで切断する位置にて前記インゴットの切り終わり部分を下方から支持するためのドレッシング材から成るインゴット支え部材を具備し、前記インゴットの切断時に前記インゴット支え部材の上部を切断して溝を形成し前記ブレードのドレッシングを行うものであることを特徴とするインゴット切断装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、インゴット、特にはチョクラルスキー法(CZ法)等により引き上げられた単結晶シリコンインゴットを切断するインゴット切断装置およびこれを用いた切断方法に関する。
CZ法等によって製造されたシリコンインゴットは円柱状の胴体部にコーン状の端部(トップ部およびテイル部)を有している。シリコンインゴットの加工においては、これらコーン状の端部を切り離し円柱状の胴体部のみとし、胴体部を必要に応じて複数のブロックに切断する。次いで前記ブロックをウェーハとするための加工を行うことになる。
前記コーン状の端部の切断加工や胴体部を複数のブロックに切断加工する場合には、内周刃スライサー、外周刃スライサーなどが多く用いられてきた。近年のウェーハの大口径化に伴ってバンドソーも多く使用されるようになってきた。
前記コーン状の端部の切断加工や胴体部を複数のブロックに切断加工する場合には、内周刃スライサー、外周刃スライサーなどが多く用いられてきた。近年のウェーハの大口径化に伴ってバンドソーも多く使用されるようになってきた。
ここで、図7にインゴット切断装置をバンドソーとした場合の前記ブロックの切断方法についての概要を示す。
図7に示すように、このインゴット切断装置101には切断時にインゴットを支持するための切断テーブル105が設置されている。そして、切断前において、インゴット104を前記切断テーブル105上に水平に配置する。切断テーブル105は切断テーブル105aと切断テーブル105bから構成され、その間にインゴット104を切断するためのブレード102が前記切断テーブル105に接触しないようにするための隙間106を有している。
図7に示すように、このインゴット切断装置101には切断時にインゴットを支持するための切断テーブル105が設置されている。そして、切断前において、インゴット104を前記切断テーブル105上に水平に配置する。切断テーブル105は切断テーブル105aと切断テーブル105bから構成され、その間にインゴット104を切断するためのブレード102が前記切断テーブル105に接触しないようにするための隙間106を有している。
そして、インゴット104を切断する位置を前記隙間106に合わせるようにインゴット104の載置位置を調整する。
また、インゴット切断装置101は、薄いブレード台金の端部にダイヤモンドの砥粒を糊着してなるブレード砥粒部で構成されるエンドレスベルト状のブレード(バンドソー)102がプーリー103、103’間に張設されている。
また、インゴット切断装置101は、薄いブレード台金の端部にダイヤモンドの砥粒を糊着してなるブレード砥粒部で構成されるエンドレスベルト状のブレード(バンドソー)102がプーリー103、103’間に張設されている。
そして、ブレード102はプーリー103、103’の回転により周回駆動され、該ブレード102を前記切断テーブル105の隙間の位置で相対的に上方から下方に送り出すことによってインゴット104を切断する。
このようにして切断を重ねていくと、ブレード砥粒部に切断粉末が堆積するなどして砥粒が埋もれたり、切断によって砥粒が摩耗したりしてその切断能力が低下してしまう。このような状態で切断を行うと切断抵抗の増加によりブレード102が変位してブレード102の刃先振れが発生してしまい、切断するウェーハに反りが発生してしまうという問題があった。
このため、ブレードは定期的にドレッシングを行う必要があり、従来では、いわゆるハンドドレッシングと呼ばれる方法でドレッシングが行われている。この方法では作業者が経験に基づいて押し当て力と角度を調整しながらドレッシング部材をブレードに押し当てることによって行われる。しかしながら、作業者個人のスキルに大きく依存するため、ドレッシング精度にバラツキが発生し、安定した品質のウェーハを切断することができなかった。また、このように作業者によりドレッシングを行うことにより工程時間が増加してしまい生産性が低下してしまうという問題もあった。
このような問題に対して、内周刃ブレードのスライシングマシンにドレッシング装置を設け、切断が完了したウェーハを回収した後、そのドレッシング装置で自動的に内周刃ブレードのドレッシングを行うドレッシング装置が開示されている(引用文献1参照)。
また、上記のような従来の切断テーブル105上にインゴット104を載置してインゴット104を切断した場合、切断テーブル105aと105bとの隙間に段差があると、インゴット104の切断終了時に切断面が長手方向で左右に動いたり、上下動してしまい、インゴット104の切り終わり部分に欠けが発生してしまうという問題もあった。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、ブレードのドレッシングを自動で精度良く行い、生産性を向上することができるインゴット切断装置、及び切断方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、切断テーブルにインゴットが水平に載置され、前記切断テーブルはインゴットを切断するためのブレードが前記切断テーブルに接触しないようにするための隙間を有し、前記ブレードを前記切断テーブルの隙間の位置で相対的に上方から下方に送り出すことによって前記インゴットを切断するインゴット切断装置であって、少なくとも、前記インゴットを前記ブレードで切断する位置にて前記インゴットの切り終わり部分を下方から支持するためのドレッシング材から成るインゴット支え部材を具備し、前記インゴットの切断時に前記インゴット支え部材の上部を切断して溝を形成し前記ブレードのドレッシングを行うものであることを特徴とするインゴット切断装置を提供する(請求項1)。
このように、少なくとも、前記インゴットを前記ブレードで切断する位置にて前記インゴットの切り終わり部分を下方から支持するためのドレッシング材から成るインゴット支え部材を具備し、前記インゴットの切断時に前記インゴット支え部材の上部を切断して溝を形成し前記ブレードのドレッシングを行うものであれば、インゴット支え部材が切断時の支点となり、切断テーブルの隙間部分の段差による影響を抑えてインゴットの切り終わり部分に欠けが発生するのを防止しつつ、インゴットの切り終わり後に自動的にブレードの砥粒部全体のドレッシングを行うことができる。これにより、ドレッシング精度のバラツキを低減して切断するインゴットの品質を安定して保つことができる。また、ドレッシング時間を大幅に低減することができ生産性を向上することができるとともに、インゴット切断装置自体のコストを増加することなくドレッシングを行うことができるものとすることができる。
このとき、前記インゴット切断装置のブレードはバンドソーとすることができる(請求項2)。
このように、前記インゴット切断装置のブレードがバンドソーであれば、本発明を適用して、近年の大口径のシリコンインゴットを安定した品質で切断することができる。
このように、前記インゴット切断装置のブレードがバンドソーであれば、本発明を適用して、近年の大口径のシリコンインゴットを安定した品質で切断することができる。
またこのとき、前記インゴット支え部材の前記インゴットとの接触面の形状が、該インゴットの接触面の形状に沿った形状であることが好ましい(請求項3)。
このように、前記インゴット支え部材の前記インゴットとの接触面の形状が、該インゴットの接触面の形状に沿った形状であれば、ブレードのドレッシングをより精度良く行うことができ、インゴットの切断精度をより向上することができる。
このように、前記インゴット支え部材の前記インゴットとの接触面の形状が、該インゴットの接触面の形状に沿った形状であれば、ブレードのドレッシングをより精度良く行うことができ、インゴットの切断精度をより向上することができる。
またこのとき、前記切断テーブルを前記ブレードの側面に対して垂直方向に相対的に移動させて、前記ブレードの側面を前記インゴットの切断時に形成された前記インゴット支え部材の溝の内面に当接させることによって、前記ブレードの側面をドレッシングするものであることが好ましい(請求項4)
このように、前記切断テーブルを前記ブレードの側面に対して垂直方向に相対的に移動させて、前記ブレードの側面を前記インゴットの切断時に形成された前記インゴット支え部材の溝の内面に当接させることによって、前記ブレードの側面をドレッシングするものであれば、インゴット支え部材の1つの溝で複数回ブレードの側面をドレッシングし、ブレードの刃先振れも調整することができ、コスト面で有利である。また、1つの溝におけるブレードの側面のドレッシングも自動化することができ、ドレッシングの精度をより安定して行うことができる。
またこのとき、前記インゴットの切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除するエアーノズルを具備することが好ましい(請求項5)。
このように、前記インゴットの切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除するエアーノズルを具備するものであれば、ブレードのドレッシング精度のバラツキをより効果的に向上することができる。
このように、前記インゴットの切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除するエアーノズルを具備するものであれば、ブレードのドレッシング精度のバラツキをより効果的に向上することができる。
またこのとき、前記インゴット支え部材を下方から上昇させて前記インゴットに密着させるための支え部材上昇機構を具備するものであることができる(請求項6)。
このように、前記インゴット支え部材を下方から上昇させて前記インゴットに密着させるための支え部材上昇機構を具備するものであれば、インゴット支え部材が切断時の支点となり、切断テーブルの隙間部分の段差による影響を抑えてインゴットの切り終わり部分に欠けが発生するのを防止する効果をより確実に奏することができる。
このように、前記インゴット支え部材を下方から上昇させて前記インゴットに密着させるための支え部材上昇機構を具備するものであれば、インゴット支え部材が切断時の支点となり、切断テーブルの隙間部分の段差による影響を抑えてインゴットの切り終わり部分に欠けが発生するのを防止する効果をより確実に奏することができる。
また、本発明は、切断テーブルにインゴットを水平に載置し、前記切断テーブルにインゴットを切断するためのブレードが前記切断テーブルに接触しないようにするための隙間を設け、前記ブレードを前記切断テーブルの隙間の位置で相対的に上方から下方に送り出すことによって前記インゴットを切断するインゴットの切断方法であって、前記インゴットを前記ブレードで切断する位置にて前記インゴットの切り終わり部分をドレッシング材から成るインゴット支え部材により下方から支持してインゴットを切断し、前記インゴット支え部材の上部を前記ブレードにより切断して溝を形成し前記ブレードをドレッシングすることを特徴とするインゴットの切断方法を提供する(請求項7)。
このように、前記インゴットを前記ブレードで切断する位置にて前記インゴットの切り終わり部分をドレッシング材から成るインゴット支え部材により下方から支持してインゴットを切断し、前記インゴット支え部材の上部を前記ブレードにより切断して溝を形成し前記ブレードをドレッシングすれば、インゴット支え部材を切断時の支点とし、切断テーブルの隙間部分の段差による影響を抑えてインゴットの切り終わり部分に欠けが発生するのを防止しつつ、インゴットの切り終わり後に自動的にブレードの砥粒部全体のドレッシングを行うことができる。これにより、ドレッシング精度のバラツキを低減して切断するインゴットの品質を安定して保つことができる。また、ドレッシング時間を大幅に低減することができ生産性を向上することができる。
このとき、前記インゴットの切断をバンドソーによる切断とすることができる(請求項8)。
このように、前記インゴットの切断がバンドソーによる切断であれば、本発明を適用して、近年の大口径のシリコンインゴットを安定した品質で切断することができる。
このように、前記インゴットの切断がバンドソーによる切断であれば、本発明を適用して、近年の大口径のシリコンインゴットを安定した品質で切断することができる。
またこのとき、前記インゴット支え部材として、該インゴット支え部材の前記インゴットとの接触面の形状が、該インゴットの接触面の形状に沿った形状であるものを用いることが好ましい(請求項9)。
このように、前記インゴット支え部材として、該インゴット支え部材の前記インゴットとの接触面の形状が、該インゴットの接触面の形状に沿った形状であるものを用いれば、ブレードのドレッシングをより精度良く行うことができ、インゴットの切断精度をより向上することができる。
このように、前記インゴット支え部材として、該インゴット支え部材の前記インゴットとの接触面の形状が、該インゴットの接触面の形状に沿った形状であるものを用いれば、ブレードのドレッシングをより精度良く行うことができ、インゴットの切断精度をより向上することができる。
またこのとき、前記切断テーブルを前記ブレードの側面に対して垂直方向に相対的に移動させ、前記ブレードの側面を前記インゴットの切断時に形成された前記インゴット支え部材の溝の内面に当接させることによって、前記ブレードの側面をドレッシングすることが好ましい(請求項10)。
このように、前記切断テーブルを前記ブレードの側面に対して垂直方向に相対的に移動させ、前記ブレードの側面を前記インゴットの切断時に形成された前記インゴット支え部材の溝の内面に当接させることによって、前記ブレードの側面をドレッシングすれば、インゴット支え部材の1つの溝で複数回ブレードの側面をドレッシングし、ブレードの刃先振れも調整することができ、コスト面で有利である。また、1つの溝におけるブレードの側面のドレッシングも自動化することができ、ドレッシングの精度をより安定して行うことができる。
このように、前記切断テーブルを前記ブレードの側面に対して垂直方向に相対的に移動させ、前記ブレードの側面を前記インゴットの切断時に形成された前記インゴット支え部材の溝の内面に当接させることによって、前記ブレードの側面をドレッシングすれば、インゴット支え部材の1つの溝で複数回ブレードの側面をドレッシングし、ブレードの刃先振れも調整することができ、コスト面で有利である。また、1つの溝におけるブレードの側面のドレッシングも自動化することができ、ドレッシングの精度をより安定して行うことができる。
またこのとき、前記インゴットの切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除することが好ましい(請求項11)。
このように、前記インゴットの切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除すれば、ブレードのドレッシング精度のバラツキをより効果的に向上することができる。
このように、前記インゴットの切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除すれば、ブレードのドレッシング精度のバラツキをより効果的に向上することができる。
またこのとき、支え部材上昇機構により前記インゴット支え部材を下方から上昇させて前記インゴットに密着させてインゴットを切断するができる(請求項12)。
このように、支え部材上昇機構により前記インゴット支え部材を下方から上昇させて前記インゴットに密着させてインゴットを切断すれば、インゴット支え部材が切断時の支点となり、切断テーブルの隙間部分の段差による影響を抑えてインゴットの切り終わり部分に欠けが発生するのを防止する効果をより確実に奏することができる。
このように、支え部材上昇機構により前記インゴット支え部材を下方から上昇させて前記インゴットに密着させてインゴットを切断すれば、インゴット支え部材が切断時の支点となり、切断テーブルの隙間部分の段差による影響を抑えてインゴットの切り終わり部分に欠けが発生するのを防止する効果をより確実に奏することができる。
本発明では、インゴット切断装置において、少なくとも、インゴットをブレードで切断する位置にてインゴットの切り終わり部分を下方から支持するためのドレッシング材から成るインゴット支え部材を具備し、インゴットの切断時にインゴット支え部材の上部を切断して溝を形成し前記ブレードのドレッシングを行うので、インゴット支え部材が切断時の支点となり、切断テーブルの隙間部分の段差による影響を抑えてインゴットの切り終わり部分に欠けが発生するのを防止しつつ、インゴットの切り終わり後に自動的にブレードの砥粒部全体のドレッシングを行うことができる。これにより、ドレッシング精度のバラツキを低減して切断するインゴットの品質を安定して保つことができる。また、ドレッシング時間を大幅に低減することができ生産性を向上することができる。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
従来、いわゆるハンドドレッシングと呼ばれる方法でブレードのドレッシングが行われている。この方法では作業者が経験に基づいて押し当て力と角度を調整しながらドレッシング部材をブレードに押し当てることによって行われる。しかしながら、作業者個人のスキルに大きく依存するため、ドレッシング精度にバラツキが発生し、安定した品質のウェーハを切断することができなかった。また、作業者によるドレッシングを行うことにより工程時間が増加してしまい生産性が低下してしまうという問題もあった。また、ブレード付近での作業となるため安全面での問題もあった。
従来、いわゆるハンドドレッシングと呼ばれる方法でブレードのドレッシングが行われている。この方法では作業者が経験に基づいて押し当て力と角度を調整しながらドレッシング部材をブレードに押し当てることによって行われる。しかしながら、作業者個人のスキルに大きく依存するため、ドレッシング精度にバラツキが発生し、安定した品質のウェーハを切断することができなかった。また、作業者によるドレッシングを行うことにより工程時間が増加してしまい生産性が低下してしまうという問題もあった。また、ブレード付近での作業となるため安全面での問題もあった。
そこで、本発明者はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、ドレッシング材をインゴットの切り終わり部分の下方に配置し、インゴットの切断時にそのドレッシング材の上部を切断して溝を形成しブレードのドレッシングを行えば、ドレッシングを自動化することができ、ドレッシングのバラツキ及び工程時間を低減することができることに想到した。そして、これらを実施するための最良の形態について精査し、本発明を完成させた。
図1に本発明で使用することができるインゴット切断装置の一例の概略図を示す。
図1に示すように、インゴット切断装置1のブレードはバンドソーとなっている。
インゴット切断装置1には切断時にインゴット4を載置するための切断テーブル5が設置されている。切断テーブル5は切断テーブル5aと切断テーブル5bから構成されている。
図1に示すように、インゴット切断装置1のブレードはバンドソーとなっている。
インゴット切断装置1には切断時にインゴット4を載置するための切断テーブル5が設置されている。切断テーブル5は切断テーブル5aと切断テーブル5bから構成されている。
また、インゴット切断装置1は、薄いブレード台金の端部にダイヤモンドの砥粒を糊着してなるブレード砥粒部12で構成されるエンドレスベルト状のブレード(バンドソー)2がプーリー3、3’間に張設されている。
そして、切断テーブル5aと切断テーブル5bの間にインゴットを切断するためのブレード2が切断テーブル5に接触しないようにするための隙間6を有している。
そして、切断テーブル5aと切断テーブル5bの間にインゴットを切断するためのブレード2が切断テーブル5に接触しないようにするための隙間6を有している。
図2は切断テーブル5にインゴット4が載置された様子を示す概略側面図である。
図2に示すように、切断テーブル5にインゴット4が水平に載置される。また、インゴット4の下方で切断テーブル5の隙間6の位置にドレッシング材から成るインゴット支え部材7が設置されている。このインゴット支え部材7はインゴット4をブレード2で切断する位置にてインゴット4の切り終わり部分を下方から支持するようになっている。ここで、インゴット支え部材7の材質を、アルミナ系及びSiC系とすることができる。
図2に示すように、切断テーブル5にインゴット4が水平に載置される。また、インゴット4の下方で切断テーブル5の隙間6の位置にドレッシング材から成るインゴット支え部材7が設置されている。このインゴット支え部材7はインゴット4をブレード2で切断する位置にてインゴット4の切り終わり部分を下方から支持するようになっている。ここで、インゴット支え部材7の材質を、アルミナ系及びSiC系とすることができる。
図3はインゴット4の切断時において、ブレード2がインゴット4を切断する様子を示した概略説明図である。
図3に示すように、ブレード2を切断テーブル5の隙間の位置で相対的に上方から下方に送り出すことによってインゴット4を切断していく。その際、インゴット支え部材7によって切り終わり部分を下方から支持するようになっている。
図3に示すように、ブレード2を切断テーブル5の隙間の位置で相対的に上方から下方に送り出すことによってインゴット4を切断していく。その際、インゴット支え部材7によって切り終わり部分を下方から支持するようになっている。
このように、このインゴット支え部材7でインゴット4をブレード2で切断する位置にてインゴット4の切り終わり部分を下方から支持して切断すれば、インゴット支え部材7が切断時の支点となり、切断テーブル5の隙間部分の段差による影響を抑えてインゴット4の切り終わり部分に欠けが発生するのを防止することができる。
そして、ブレード2がインゴット4を切断した後、さらにブレード2を相対的に下方に送り、インゴット支え部材7の上部を切断して溝11を形成する。この際、ブレード砥粒部12の先端、及び両側面のドレッシングが自動的に行われる。
このようにしてインゴット切断時にブレード2のドレッシングを自動で行えば、ドレッシング精度のバラツキを低減して切断するインゴット4の品質を安定して保つことができる。また、ドレッシング時間を大幅に低減することができ生産性を向上することができるとともに、インゴット切断装置自体のコストを増加することなくドレッシングを行うことができるものとすることができる。さらに安全面に関しても改善することができる。
このとき、図4に示すように、インゴット支え部材7のインゴット4との接触面の形状が、該インゴット4の接触面の形状に沿った形状であることが好ましい。
このように、インゴット支え部材7のインゴット4との接触面の形状が、該インゴット4の接触面の形状に沿った形状であれば、切断終了時にインゴット4の切断端部に欠けが発生することをより抑制することができるとともに、ブレード2のドレッシングをより精度良く行うことができ、インゴット4の切断精度をより向上することができる。
このように、インゴット支え部材7のインゴット4との接触面の形状が、該インゴット4の接触面の形状に沿った形状であれば、切断終了時にインゴット4の切断端部に欠けが発生することをより抑制することができるとともに、ブレード2のドレッシングをより精度良く行うことができ、インゴット4の切断精度をより向上することができる。
またこのとき、図5(A)に示すように切断テーブル5を移動させるとインゴット支え部材7もそれに同期して移動する構造とし、切断テーブル5をブレード2の側面に対して垂直方向に相対的に移動させるような移動機構(不図示)を設け、図5(A)(B)(C)に示すように、ブレード2の砥粒部12の側面をインゴット4の切断時に形成されたインゴット支え部材7の溝11の内面に当接させることによってドレッシングすることもできる。
このように、図5(A)に示すように切断テーブル5を移動させるとインゴット支え部材7もそれに同期して移動する構造とし、切断テーブル5をブレード2の側面に対して垂直方向に相対的に移動させて、ブレード2の側面をインゴット4の切断時に形成されたインゴット支え部材7の溝11の内面に当接させることによってドレッシングすれば、切断によってインゴット支え部材7に形成された1つの溝11で複数回に亘ってドレッシングできコスト面で有利である。また、ブレード2の刃先振れも調整することができバンドソー切断時の直進安定性を向上することができる。
この際、NCプログラムにより予め設定した移動量だけ切断テーブル5もしくはブレード2を移動させるようにすることで、ブレード2の側面のドレッシングを自動化することもでき、ドレッシングの精度をより安定して行うことができる。
さらにこのとき、図5(A)に示すように、ブレード2の変位量を過電流センサー13により測定し、その測定した変位量に従って切断テーブル5とブレード2との相対的に移動させる量を決定しても良い。
さらにこのとき、図5(A)に示すように、ブレード2の変位量を過電流センサー13により測定し、その測定した変位量に従って切断テーブル5とブレード2との相対的に移動させる量を決定しても良い。
またこのとき、図3に示すように、インゴット4の切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除するエアーノズル14を具備することが好ましい。
このように、インゴット4の切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除するエアーノズル14を具備するものであれば、ブレード2のドレッシング精度のバラツキをより効果的に向上することができる。
このように、インゴット4の切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除するエアーノズル14を具備するものであれば、ブレード2のドレッシング精度のバラツキをより効果的に向上することができる。
またこのとき、図4、6に示すように、インゴット支え部材7を下方から上昇させてインゴット4に密着させるための支え部材上昇機構8を具備するものであることができる。
ここで、図6に示すように、支え部材上昇機構8を移動部9と固定部10で構成し、バネあるいは油圧等により移動部9を上方に移動させることによりインゴット支え部材7を上昇させるものとすることもできる。
ここで、図6に示すように、支え部材上昇機構8を移動部9と固定部10で構成し、バネあるいは油圧等により移動部9を上方に移動させることによりインゴット支え部材7を上昇させるものとすることもできる。
このように、インゴット支え部材7を下方から上昇させてインゴット4に密着させるための支え部材上昇機構8を具備するものであれば、インゴット支え部材7が切断時の支点となり、切断テーブル5の隙間部分の段差による影響を抑えてインゴット4の切り終わり部分に欠けが発生するのを防止する効果をより確実に奏することができる。
次に、本発明に係るインゴットの切断方法について説明する。
ここでは、図1に示すような本発明に係るインゴット切断装置を用いた場合について説明する。
ここでは、図1に示すような本発明に係るインゴット切断装置を用いた場合について説明する。
まず、図2に示すように、ブロックに切断するインゴット4が切断テーブル5に水平に載置される。そして、インゴット4の切断する位置を切断テーブル5の隙間6に合わせるようにインゴット4の載置位置を調整する。この際、ドレッシング材から成るインゴット支え部材7でインゴット4をブレード2で切断する位置にてインゴット4の切り終わり部分を下方から支持するようにする。
その後、ブレード2はプーリー3、3’の回転により周回駆動され、該ブレード2を切断テーブル5の隙間の位置で相対的に上方から下方に送り出すことによってインゴット4を切断する。この場合、ブレード2を上から下に送り出しても良いし、インゴット4を下から上に送り出すようにしても良い。もちろん両方を行うようにしても良い。
このように、本発明のインゴットの切断方法では、インゴット4をブレード2で切断する位置にてインゴット4の切り終わり部分をドレッシング材から成るインゴット支え部材7により下方から支持するので、少なくとも、インゴット支え部材7が切断時の支点となり、たとえ切断テーブル5の隙間部分に段差がある程度あったとしても、その影響を抑えることができ、インゴット4の切り終わり部分に欠けが発生するのを防止できる。
そして、図3に示すように、ブレード2がインゴット4を切断した後、さらにブレード2を相対的に下方に送り、インゴット支え部材7の上部を切断して溝11を形成し、ブレード砥粒部の先端、両側面のドレッシングを自動的に行う。
このようにしてインゴット切断時にブレード2のドレッシングを自動で行えば、ドレッシング精度のバラツキを低減して切断するインゴット4の品質を安定して保つことができる。また、ドレッシング時間を大幅に低減することができ生産性を向上することができる。さらに安全面に関しても改善することができる。
このようにしてインゴット切断時にブレード2のドレッシングを自動で行えば、ドレッシング精度のバラツキを低減して切断するインゴット4の品質を安定して保つことができる。また、ドレッシング時間を大幅に低減することができ生産性を向上することができる。さらに安全面に関しても改善することができる。
本発明のインゴットの切断方法では、図1に例示するようなバンドソーによる切断とすることができる。
このように、インゴットの切断がバンドソーによる切断であれば、本発明を適用して、近年の大口径のシリコンインゴットを安定した品質で切断することができる。
このように、インゴットの切断がバンドソーによる切断であれば、本発明を適用して、近年の大口径のシリコンインゴットを安定した品質で切断することができる。
またこのとき、図4に示すように、インゴット支え部材7として、インゴット支え部材7のインゴット4との接触面の形状が、インゴット4の接触面の形状に沿った形状であるものを用いることが好ましい。
このように、インゴット支え部材7として、インゴット支え部材7のインゴット4との接触面の形状が、インゴット4の接触面の形状に沿った形状であるものを用いれば、ブレード2のドレッシングをより精度良く行うことができ、インゴット4の切断精度を向上することができる。
このように、インゴット支え部材7として、インゴット支え部材7のインゴット4との接触面の形状が、インゴット4の接触面の形状に沿った形状であるものを用いれば、ブレード2のドレッシングをより精度良く行うことができ、インゴット4の切断精度を向上することができる。
このようにして、インゴット4をブロックに切断し、切断後のブロックを切断テーブル5から搬出する。そして、次に切断するインゴットを切断テーブル5に載置してインゴットを移動させることによって切断位置を調整し、上記のようにしてインゴット支え部材7に溝11を形成した際と同一の切断位置でインゴット4を切断する。さらに、インゴット4からサンプルを採取する場合、あるいは、インゴット4の残り部分をブロックに分割する場合には、切断位置を切断テーブル5の隙間6に合わせるように再度インゴット4の位置を調整し、前記の手順でインゴット4を切断する。
この切断の際、インゴット4の切断位置に対するインゴット支え部材7の上部の位置を毎回少しづつずらして切断することにより溝11を新たに形成してドレッシングしても良いが、同一のインゴット支え部材7の溝11でブレード2のドレッシングを複数回行うこともできる。すなわち、インゴット4を切断した後、さらにブレード2を相対的に下方に送ってインゴット支え部材7の溝11にブレード2の砥粒部12が入り込み、ブレード砥粒部12の中央に対してはブレード2を更に下方に送ることによってドレッシングし、図5(A)(B)(C)に示すように、ブレード砥粒部12の左右側面に対しては、切断テーブル5をブレード2の側面に対して垂直方向に相対的に移動させ、ブレード砥粒部12の側面をインゴット支え部材7の溝11の内面に当接させることによってドレッシングすることができる。
このように、切断テーブル5をブレード2の側面に対して垂直方向に相対的に移動させ、ブレード砥粒部12の側面をインゴット4の切断時に形成されたインゴット支え部材7の溝11の内面に当接させることによってドレッシングすれば、インゴット支え部材7の1つの溝11で複数回に亘ってドレッシングできコスト面で有利であるとともに、ブレード2の刃先振れも調整することができブレード2の切断時の直進安定性を向上させることができる。また、1つの溝におけるブレード2の側面のドレッシングも例えばNCプログラムにより予め設定した移動量だけ切断テーブル5もしくはブレード2を移動させることによって自動化することができ、ドレッシングの精度をより安定して行うことができる。
このときの切断テーブル5とブレード2の相対的な移動量は、特に限定されることはないが、例えば10μm〜150μmとすることができる。
このようにして、インゴット4を繰返し切断していくことによって、次第にインゴット支え部材7の溝11は大きくなってくるが、1つの溝11に対して行うことができるドレッシング回数の上限を予め設定し、溝11を形成する位置を変えたり、インゴット支え部材7を定期的に交換すれば良い。ここで、例えば切断テーブル5とブレード2の相対的な移動量の設定を100μmとした場合はドレッシング回数の上限を10回とし、50μmとした場合は上限を20回とすることができる。
このようにして、インゴット4を繰返し切断していくことによって、次第にインゴット支え部材7の溝11は大きくなってくるが、1つの溝11に対して行うことができるドレッシング回数の上限を予め設定し、溝11を形成する位置を変えたり、インゴット支え部材7を定期的に交換すれば良い。ここで、例えば切断テーブル5とブレード2の相対的な移動量の設定を100μmとした場合はドレッシング回数の上限を10回とし、50μmとした場合は上限を20回とすることができる。
またこのとき、図3に示すように、インゴット4の切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除することが好ましい。
このように、インゴット4の切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除すれば、ブレード2のドレッシング精度のバラツキをより効果的に向上することができる。
このように、インゴット4の切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除すれば、ブレード2のドレッシング精度のバラツキをより効果的に向上することができる。
またこのとき、支え部材上昇機構8によりインゴット支え部材7を下方から上昇させてインゴット4に密着させてインゴット4を切断するができる。
このように、支え部材上昇機構8によりインゴット支え部材7を下方から上昇させてインゴット4に密着させてインゴット4を切断すれば、インゴット支え部材7が切断時の支点となり、切断テーブル5の隙間部分の段差による影響を抑えてインゴット4の切り終わり部分に欠けが発生するのを防止する効果をより確実に奏することができる。
このように、支え部材上昇機構8によりインゴット支え部材7を下方から上昇させてインゴット4に密着させてインゴット4を切断すれば、インゴット支え部材7が切断時の支点となり、切断テーブル5の隙間部分の段差による影響を抑えてインゴット4の切り終わり部分に欠けが発生するのを防止する効果をより確実に奏することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すような本発明のインゴット切断装置を用いて、本発明のインゴットの切断方法でインゴットをブロックに切断してブレードのドレッシングを行い、そのブロックから複数のウェーハサンプルを切断してウェーハの切断精度を評価した。
ブロック切断時のブレードのドレッシングはインゴット支え部材の上部を切断することによって行った。また、ウェーハサンプルの切断時には、インゴットを切断テーブルに載置する位置を変更して切断位置を調整し、切断テーブルとブレードの相対位置を同一とした。
図1に示すような本発明のインゴット切断装置を用いて、本発明のインゴットの切断方法でインゴットをブロックに切断してブレードのドレッシングを行い、そのブロックから複数のウェーハサンプルを切断してウェーハの切断精度を評価した。
ブロック切断時のブレードのドレッシングはインゴット支え部材の上部を切断することによって行った。また、ウェーハサンプルの切断時には、インゴットを切断テーブルに載置する位置を変更して切断位置を調整し、切断テーブルとブレードの相対位置を同一とした。
そして、ウェーハサンプルの切断を繰返し、切断後のブレードの変位量を渦電流センサーで測定し、その変位量が100μm以上となったときに切断したウェーハの切断精度を評価した。ウェーハの切断精度の評価方法は、切断したウェーハの切断面の切り始めから切り終わりまでをピックゲージにより測定することにより行った。
その結果、ピックゲージの測定の最大値は50μmであり後述する比較例1の結果である100μmに比べ改善されていることが確認できた。
その結果、ピックゲージの測定の最大値は50μmであり後述する比較例1の結果である100μmに比べ改善されていることが確認できた。
このように、本発明に係るインゴット切断装置及び切断方法は、ドレッシング精度を向上することができることが確認できた。
(実施例2)
図1に示すような本発明のインゴット切断装置を用いて、本発明のインゴットの切断方法でインゴットのブロック切断を繰り返し行い、渦電流センサーによりブレードの変位量を測定した。インゴットのブロック切断は250回行った。
図1に示すような本発明のインゴット切断装置を用いて、本発明のインゴットの切断方法でインゴットのブロック切断を繰り返し行い、渦電流センサーによりブレードの変位量を測定した。インゴットのブロック切断は250回行った。
そして、測定したブレードの変位量が50μm以上となったとき、次の切断時において、ブレードの砥粒部がインゴット支え部材の溝に入り込んだ後、切断テーブルをブレードの変位と逆方向に50μm移動させてインゴット支え部材の溝の内面にブレードの側面を当接させることによりドレッシングを行い、かつ刃先振れをなくすように調整した。
図8に切断回数に対するブレードの変位量の結果を示す。図8に示すように、後述する比較例2の結果と比べ、各切断によるブレードの変位量のバラツキが低減されていることがわかる。また、ドレッシングを行った回数は25回であり、比較例の50回と比較して少ない回数となっている。本発明ではドレッシングはインゴットの切断の延長で行うので、工程時間の増加をほとんど考慮しなくて良い。一方、比較例2では17時間のドレッシングの工程時間がかかっている。
このように、本発明に係るインゴット切断装置及び切断方法は、ドレッシング時間を大幅に低減することができ生産性を向上することができることが確認できた。また、ブレードの変位量のバラツキが低減して、すなわち、ドレッシング精度のバラツキを低減して切断するインゴットの品質を安定して保つことができることが確認できた。
(比較例1)
図7に示すような従来のバンドソーを用い、作業者によるハンドドレッシング方法を用いた以外、実施例1と同様な条件で複数のウェーハサンプルを切断してウェーハの切断精度を評価した。
その結果、ピックゲージの測定の最大値は100μmであり、実施例1の結果と比較してドレッシング精度が悪化していることが確認できた。
図7に示すような従来のバンドソーを用い、作業者によるハンドドレッシング方法を用いた以外、実施例1と同様な条件で複数のウェーハサンプルを切断してウェーハの切断精度を評価した。
その結果、ピックゲージの測定の最大値は100μmであり、実施例1の結果と比較してドレッシング精度が悪化していることが確認できた。
(比較例2)
図7に示すような従来のバンドソーを用いて、作業者によるハンドドレッシング方法を用いた以外、実施例2と同様な条件でブロック切断を繰り返し250回行い、ブレードの変位量を測定した。
図7に示すような従来のバンドソーを用いて、作業者によるハンドドレッシング方法を用いた以外、実施例2と同様な条件でブロック切断を繰り返し250回行い、ブレードの変位量を測定した。
図8に切断回数に対するブレードの変位量の結果を示す。図8に示すように、実施例2の結果と比べ、各切断によるブレードの変位量のバラツキが大きくなっていることがわかる。また、ドレッシングを行った回数は50回であり、実施例2の25回と比較して多い回数となっている。また、1回あたりのハンドドレッシングの工程時間は20分であり、50回のドレッシングで17時間の工程時間がかかっていた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…インゴット切断装置、2…ブレード、3、3’…プーリー、
4…インゴット、5、5a、5b…切断テーブル、6…隙間、
7…インゴット支え部材、8…支え部材上昇機構、9…移動部、10…固定部、
11…溝、12…ブレード砥粒部、13…渦電流センサー、14…エアーノズル。
4…インゴット、5、5a、5b…切断テーブル、6…隙間、
7…インゴット支え部材、8…支え部材上昇機構、9…移動部、10…固定部、
11…溝、12…ブレード砥粒部、13…渦電流センサー、14…エアーノズル。
Claims (12)
- 切断テーブルにインゴットが水平に載置され、前記切断テーブルはインゴットを切断するためのブレードが前記切断テーブルに接触しないようにするための隙間を有し、前記ブレードを前記切断テーブルの隙間の位置で相対的に上方から下方に送り出すことによって前記インゴットを切断するインゴット切断装置であって、少なくとも、前記インゴットを前記ブレードで切断する位置にて前記インゴットの切り終わり部分を下方から支持するためのドレッシング材から成るインゴット支え部材を具備し、前記インゴットの切断時に前記インゴット支え部材の上部を切断して溝を形成し前記ブレードのドレッシングを行うものであることを特徴とするインゴット切断装置。
- 前記インゴット切断装置のブレードはバンドソーであることを特徴とする請求項1に記載のインゴット切断装置。
- 前記インゴット支え部材の前記インゴットとの接触面の形状が、該インゴットの接触面の形状に沿った形状であるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインゴット切断装置。
- 前記切断テーブルを前記ブレードの側面に対して垂直方向に相対的に移動させて、前記ブレードの側面を前記インゴットの切断時に形成された前記インゴット支え部材の溝の内面に当接させることによって、前記ブレードの側面をドレッシングするものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインゴット切断装置。
- 前記インゴットの切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除するエアーノズルを具備するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインゴット切断装置。
- 前記インゴット支え部材を下方から上昇させて前記インゴットに密着させるための支え部材上昇機構を具備するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のインゴット切断装置。
- 切断テーブルにインゴットを水平に載置し、前記切断テーブルにインゴットを切断するためのブレードが前記切断テーブルに接触しないようにするための隙間を設け、前記ブレードを前記切断テーブルの隙間の位置で相対的に上方から下方に送り出すことによって前記インゴットを切断するインゴットの切断方法であって、前記インゴットを前記ブレードで切断する位置にて前記インゴットの切り終わり部分をドレッシング材から成るインゴット支え部材により下方から支持してインゴットを切断し、前記インゴット支え部材の上部を前記ブレードにより切断して溝を形成し前記ブレードをドレッシングすることを特徴とするインゴットの切断方法。
- 前記インゴットの切断はバンドソーによる切断であることを特徴とする請求項7に記載のインゴットの切断方法。
- 前記インゴット支え部材として、該インゴット支え部材の前記インゴットとの接触面の形状が、該インゴットの接触面の形状に沿った形状であるものを用いることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のインゴットの切断方法。
- 前記切断テーブルを前記ブレードの側面に対して垂直方向に相対的に移動させ、前記ブレードの側面を前記インゴットの切断時に形成された前記インゴット支え部材の溝の内面に当接させることによって、前記ブレードの側面をドレッシングすることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載のインゴットの切断方法。
- 前記インゴットの切断時に発生する切断屑及びドレス屑にエアーを吹き付けることによって該屑を排除することを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載のインゴットの切断方法。
- 支え部材上昇機構により前記インゴット支え部材を下方から上昇させて前記インゴットに密着させてインゴットを切断することを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載のインゴットの切断方法。
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