JP2009238488A - 非水電解質二次電池及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶剤系スラリーを用いて集電体上に合剤層を形成した電極を用いた非水電解質二次電池において、効率良く生産することができ、電極内での密着強度が高く、電池性能を高めることができる非水電解質二次電池及びその製造方法を得る。
【解決手段】正極と、負極と、非水電解質とを有する非水電解質二次電池であって、正極及び負極のうちの少なくとも一方の電極が、集電体1上に溶剤系結着剤と平均粒子径1μm以下の微粒子からなるプレコート層6を形成し、該プレコート層6の上に、活物質、溶剤系結着剤及び導電剤を含む溶剤系スラリーを塗布して合剤層2を形成した後、乾燥して得られる電極であることを特徴としている。
【選択図】図1
【解決手段】正極と、負極と、非水電解質とを有する非水電解質二次電池であって、正極及び負極のうちの少なくとも一方の電極が、集電体1上に溶剤系結着剤と平均粒子径1μm以下の微粒子からなるプレコート層6を形成し、該プレコート層6の上に、活物質、溶剤系結着剤及び導電剤を含む溶剤系スラリーを塗布して合剤層2を形成した後、乾燥して得られる電極であることを特徴としている。
【選択図】図1
Description
本発明は、リチウム二次電池などの非水電解質二次電池及びその製造方法に関するものである。
小型・軽量という特徴から、リチウムイオン二次電池は、携帯機器の駆動電源として広く普及している。近年では、電動工具やアシスト自転車、さらにはHEV等の用途への展開も期待されており、リチウムイオン二次電池の需要は高まる一方である。しかしながら、数量の伸び以上に価格低下は年々厳しさを増しており、コストダウンや市場の需要に応えるため生産体制を構築することが電池メーカーの責務となっている。
電池の作製工程は、電極作製工程、電極巻取り工程、注液工程、検査工程に分類される。電極作製工程においては、集電体へのスラリーの塗工及び乾燥をどのように速めるかが重要である。乾燥を速めるためには、乾燥温度を高くすることが好ましい。しかしながら、電極を作製するためのスラリーには、複数の成分が混合して含まれており、電極の品質を高めるためには、電極の厚さ方向に均質な組成の電極を作製することが必要である。電極の組成が均質でなくなると、(1)電気抵抗のばらつき、(2)電極接着密度のばらつきなどを生じるおそれがある。乾燥温度を高くすると、電極の厚さ方向の組成が不均一になるというおそれがある。
溶剤系結着剤を含有する有機溶剤系スラリーを用いて電極を作製する場合、乾燥温度を高くすると、合剤層の集電体に対する密着強度が大きく低下するという課題があるということを本発明者らは見出した。合剤層と集電体との密着性を改善する方法として、特許文献1においては、集電体表面に負極合剤層と同一成分の薄膜を予め塗布して形成し、密着性を改善することが提案されている。また、特許文献2及び特許文献3においては、負極活物質層と集電体の間に、電子伝導性を有する高分子化合物層を形成することが提案されている。
しかしながら、これらの従来の技術を用いても、集電体との密着強度の改善が十分になされなかった。
また、近年、活物質の粒径が細かく、導電性に乏しいオリビン型燐酸鉄リチウムLiFePO4が安全性に優れていることから注目されている。しかしながら、このように粒径の細かい活物質を用いると、集電体との密着性がさらに低下するという問題を生じた。
特開平11−86850号公報
特開平5−135759号公報
特開平3−165458号公報
本発明の目的は、溶剤系スラリーを用いて集電体上に合剤層を形成した電極を用いた非水電解質二次電池において、効率良く生産することができ、電極内での密着強度が高く、電池性能を高めることができる非水電解質二次電池及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、正極と、負極と、非水電解質とを有する非水電解質二次電池であって、正極及び負極のうちの少なくとも一方の電極が、集電体上に溶剤系結着剤と平均粒子径1μm以下の微粒子からなるプレコート層を形成し、該プレコート層の上に、活物質、溶剤系結着剤及び導電剤を含む溶剤系スラリーを塗布して合剤層を形成した後、乾燥して得られる電極であることを特徴としている。
本発明者らは、溶剤系結着剤を含有する有機溶剤系スラリーを用いて集電体上に合剤層を形成した電極において、乾燥温度を高くした場合に密着強度が低下する原因について検討した結果、合剤層中に含有されている溶剤系結着剤が、乾燥の際、合剤層内に生じた熱的対流により移動し、合剤層の表面に偏在するためであることを見出した。
また、このような溶剤系結着剤の合剤層中における移動は、合剤層中に平均粒子径1μm以下の正極活物質の微粒子が含有されている場合において顕著になることになることも見出した。このような平均粒子径1μm以下の正極活物質の微粒子としては、上述のLiFePO4などの正極活物質や、合剤層中に含有させる導電剤などが挙げられる。
図2は、合剤層内における対流による溶剤系結着剤の移動を説明するための断面図である。図2(a)に示すように、集電体1の上に、合剤層2が設けられており、合剤層2中の溶剤系結着剤3は、熱風4を当てて乾燥する際、合剤層2内に生じた対流5により上方へ移動する。この結果、図2(b)に示すように、合剤層2の表面近傍に溶剤系結着剤3が偏在し、集電体1と合剤層2の界面における結着剤の量が減少するため、集電体1に対する合剤層2の密着強度が低下する。
また、合剤層2中に、平均粒子径1μm以下の正極活物質の微粒子が含まれている場合、微粒子の粒度分布において粒子径が相対的に小さい粒子が、対流5によって上方に移動し、合剤層2の表面付近に偏在するようになる。粒子径が小さい微粒子は、表面積が大きいため溶剤系結着剤をより多く伴って移動するため、微粒子の対流5による移動とともに、溶剤系結着剤も移動し合剤層2の表面近傍に偏在する。この結果、集電体1と合剤層2の界面における結着剤の量が減少するため、合剤層中に平均粒子径1μm以下の正極活物質の微粒子が含まれる場合、集電体1に対する合剤層2の密着強度がさらに低下する。
平均粒子径1μm以下の正極活物質の微粒子が合剤層の固形分中に2.5重量%以上含まれることにより密着強度の低下が著しくなる。平均粒子径1μm以下の正極活物質の微粒子の合剤層の固形分中の濃度の上限は特に限定されるものではないが、例えば、95重量%以下である。
本発明によれば、図1に示すように、集電体1上に溶剤系結着剤と平均粒子径1μm以下の微粒子からなるプレコート層6を形成し、該プレコート層6の上に、活物質、溶剤系結着剤及び導電剤を含む溶剤系スラリーを塗布して合剤層2を形成した後、これらを乾燥して電極を作製する。
本発明においては、集電体と合剤層の間に溶剤系結着剤を含むプレコート層が形成されているので、合剤層を乾燥させる際に、合剤層中の溶剤系結着剤が合剤層の表面近傍に移動しても、集電体と合剤層の界面における溶剤系結着剤の濃度を高く保持することができる。このため、密着精度を高めることができる。また、乾燥温度を高めることができるので、電池の作製を効率良く行うことができる。
また、電極における密着強度を高めることができるので、電池性能を向上させることができ、高い信頼性を得ることができる。活物質材料は、充放電時に伴う膨張収縮の変化が大きく、電極に応力がかかり易い。このような充放電を繰り返すことにより、電極から活物質が剥離したりする場合があるが、本発明によれば、密着強度を高めることができるので、このような活物質の剥離等を抑制することができる。このため、電池性能を向上させることができ、長期における信頼性を高めることができる。
本発明においては、プレコート層に、溶剤系結着剤と共に、平均粒子径1μm以下の微粒子が含まれている。プレコート層中にこのような微粒子を含ませることにより、集電体との密着性を高めることができ、プレコート層を、均一に塗布して形成することができる。
プレコート層における平均粒子径1μm以下の微粒子の含有量は、プレコート層に含まれる溶剤系結着剤に対して、0.1〜3.0重量%の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、0.5〜1.5重量%の範囲である。プレコート層における平均粒子径1μm以下の微粒子の含有量が少な過ぎると、プレコート層を均一に塗布することができない場合がある。また、微粒子の含有量が多過ぎると、スラリー粘度が高くなり、プレコート層を薄く均一に形成することが困難になり、また微粒子は一般に導電性を持たないので、集電体と合剤層の導電性が低下する場合がある。
本発明においてプレコート層に含有する平均粒子径は、1μm以下であるが、好ましくは0.01〜1.00μmの範囲であり、さらに好ましくは0.02〜0.10μmの範囲である。さらに、プレコート層に含有させる微粒子の平均粒子径は100nm以下であることが好ましい。このような微粒子としては、電気化学的に安定なものが好ましく、例えば、ナノサイズの粒子として市販されているTiO2、Al2O3、MgO、SiO2、ZnO、及びSnO2から選ばれる少なくとも1種の粒子が好ましい。プレコート層におけるこのような微粒子は、複数の種類を混合して用いてもよい。
本発明において、プレコート層の溶剤系結着剤は、必ずしも合剤層の溶剤系結着剤と同一成分である必要はないが、合剤層の溶剤系結着剤と同一成分であるものをプレコート層の形成に用いることにより、電極内の組成をより均一にすることができ、より密着強度を高めることができる。
本発明において用いる溶剤系結着剤は、特に限定されるものではなく、例えば、従来より非水電解質二次電池の電極の結着剤として用いられているものを用いることができる。具体例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)などやその変性体及び誘導体、並びにアクリロニトリル単位を含む共重合体、ポリアクリル酸誘導体などが挙げられる。
本発明において、プレコート層に含まれる微粒子の平均粒子径は、プレコート層の厚みより小さいことが好ましい。プレコート層に含まれる微粒子の平均粒子径が、プレコート層の厚みよりも大きくなると、プレコート層を形成する際のスラリーの表面張力によって塗布ムラができ、集電体に対する密着性が低下する場合がある。プレコート層における微粒子の含有は、プレコート層の厚みが薄い場合においてより重要となる。従って、本発明におけるプレコート層の厚みは、0.5μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、0.05〜0.5μmの範囲であり、さらに好ましくは、0.05〜0.3μmの範囲である。
本発明において、プレコート層を塗布する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、グラビアコート法が挙げられる。グラビアコート法を用いて塗布することにより、厚みが薄くても均一なプレコート層を形成することができる。
本発明に従い、プレコート層を形成する電極は、正極及び負極のいずれであってもよい。上述のように、LiFePO4などの平均粒子径が1μm以下の正極活物質の微粒子を用いる場合に、本発明を適用することにより、本発明の効果をより発揮させることができる。
負極活物質としては、特に限定されるものではなく、リチウムイオン二次電池において負極活物質として用いることができるものであればいずれのものでもよい。例えば、グラファイト(黒鉛)、コークス、酸化スズ、金属リチウム、珪素、及びこれらの混合物などが挙げられる。
また、正極活物質についても、リチウムイオン二次電池に用いることができる正極活物質であれば特に限定されるものではなく、コバルト酸リチウムなどのリチウム含有遷移金属酸化物を挙げることができる。コバルト酸リチウム以外の具体例としては、Ni−Co−Mn系のリチウム複合酸化物、Ni−Mn−Al系のリチウム複合酸化物、Ni−Co−Al系のリチウム複合酸化物などのニッケルを含むリチウム複合酸化物や、スピネル型マンガン酸リチウム、オリビン型燐酸鉄リチウムなどが挙げられる。
上述のように、平均粒子径が1μm以下であるオリビン型燐酸鉄リチウム(LiFePO4)を用いる場合に、本発明の効果がより発揮される。
本発明において、プレコート層を形成するための溶液は、溶剤系結着剤と平均粒子径1μm以下の微粒子と有機溶剤から調製することができる。有機溶剤としては、溶剤系結着剤を溶解させることができるものであれば特に限定されるものではない。例えば、合剤層を形成するためのスラリーに用いる有機溶剤を用いることができる。プレコート層を形成するための溶液における溶剤系結着剤の濃度は適宜調製されるものであるが、一般には、0.2〜15重量%となるように調製することができる。平均粒子径1μm以下の微粒子は、上述のように、溶剤系結着剤に対して、例えば、0.1〜3重量%となるように含有させる。
本発明における非水電解質は、特に限定されるものではなく、リチウムイオン二次電池に用いることができる非水電解質を用いることができる。
非水電解質の溶質としては、例えば、LiBF4、LiPF6、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiPF6−x(CnF2n+1)x(但し、1<x<6、n=1または2)などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、非水電解質二次電池の溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)などを用いることができる。好ましくは、環状カーボネートと、鎖状カーボネートとを組合せて用いられる。
非水電解質中における溶質の濃度としては、特に限定されるものではないが、0.8〜1.8モル/リットルの濃度が挙げられる。
本発明の製造方法は、上記本発明の非水電解質二次電池を製造することができる方法であり、集電体の上にプレコート層を形成する工程と、プレコート層の上に、活物質、溶剤系結着剤及び導電剤を含む溶剤系スラリーを塗布して合剤層を形成した後、乾燥させる工程とを備えることを特徴としている。
本発明の非水電解質二次電池の製造方法は、上記の電極を製造方法を含むものである。従って、上記の製造方法により得られた電極は、電極内の密着強度が高く、電池性能を高めることができる。また、溶剤系スラリーを塗布した後、高い乾燥温度で乾燥することができるので、効率良く電極を生産することができる。また、本発明の製造方法においては、プレコート層を形成するための溶液中に、平均粒子径1μm以下の微粒子が含有されているので、集電体上にプレコート層を形成する際に、塗布ムラを生じることなく均一にプレコート層を形成することができる。
溶剤系スラリーを塗布した後、乾燥する際の乾燥温度は、特に限定されるものではないが、60〜150℃の範囲の温度が挙げられる。
上記のようにしてプレコート層の上に合剤層を形成した後、通常の電極作製工程と同様に、電極を圧延することが好ましい。このような圧延工程により、合剤層中の活物質を集電体に効率良く接触させ、集電性を高めることができる。
本発明によれば、溶剤系スラリーを用いて集電体上に合剤層を形成した電極を用いた非水電解質二次電池において、効率良く生産することができ、電極内の密着強度が高く、電池性能を高めることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(実施例1)
[正極の作製]
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、N−メチルピロリドン(NMP)中に8重量%となるように溶解させたPVDF溶液に、平均粒子径25nmのSiO2粒子(シーアイ化成社製)をPVDFに対し1重量%となるように混合した。この混合液を、アルミニウム箔の両面上に150メッシュのグラビアロールを用いて、1.0m/分の速度で塗布し、第1乾燥室(70℃)と第2乾燥室(105℃)に通して乾燥し、プレコート層を形成した。プレコート層の両面における塗布量は0.5mg/10cm2であり、片面におけるプレコート層の厚みは0.10μmであった。本発明におけるプレコート層の厚みは、例えば、プレコート層の上に金をコーティングし、クロスセクションポリッシャ法で断面加工処理を行い、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することによっても測定することができる。
次に、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、導電剤としてのアセチレンブラックと、結着剤としてのPVDFを、95:2.5:2.5の質量比で、NMPを希釈溶媒として混合し、合剤層形成用スラリーを作製した。
[正極の作製]
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、N−メチルピロリドン(NMP)中に8重量%となるように溶解させたPVDF溶液に、平均粒子径25nmのSiO2粒子(シーアイ化成社製)をPVDFに対し1重量%となるように混合した。この混合液を、アルミニウム箔の両面上に150メッシュのグラビアロールを用いて、1.0m/分の速度で塗布し、第1乾燥室(70℃)と第2乾燥室(105℃)に通して乾燥し、プレコート層を形成した。プレコート層の両面における塗布量は0.5mg/10cm2であり、片面におけるプレコート層の厚みは0.10μmであった。本発明におけるプレコート層の厚みは、例えば、プレコート層の上に金をコーティングし、クロスセクションポリッシャ法で断面加工処理を行い、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することによっても測定することができる。
次に、正極活物質としてのコバルト酸リチウムと、導電剤としてのアセチレンブラックと、結着剤としてのPVDFを、95:2.5:2.5の質量比で、NMPを希釈溶媒として混合し、合剤層形成用スラリーを作製した。
次に、プレコート層を両面に形成したアルミニウム箔の両面上に、上記の溶剤系スラリーを塗布し、合剤層を形成した。形成した合剤層は、120℃の温度で乾燥させた。その後、充填密度が3.60g/mlとなるように圧延した。得られた電極を、本発明正極T1とした。
(実施例2)
正極活物質として、オリビン型燐酸鉄リチウム(平均粒子径0.4μm、炭素2重量%表面コート品)を用い、正極活物質、導電剤としてのアセチレンブラック、及び結着剤としてのPVDFを85:10:5の質量比でNMPを希釈溶媒として混合し、溶剤系スラリーを作製した。このスラリーを用いて合剤層を形成し、充填密度を1.9g/mlとする以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。作製した正極を、本発明正極T2とした。
正極活物質として、オリビン型燐酸鉄リチウム(平均粒子径0.4μm、炭素2重量%表面コート品)を用い、正極活物質、導電剤としてのアセチレンブラック、及び結着剤としてのPVDFを85:10:5の質量比でNMPを希釈溶媒として混合し、溶剤系スラリーを作製した。このスラリーを用いて合剤層を形成し、充填密度を1.9g/mlとする以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。作製した正極を、本発明正極T2とした。
(実施例3)
プレコート層に含まれる微粒子として、平均粒子径31nmのMgO粒子(シーアイ化成社製)を用いる以外は、上記実施例2と同様にして正極を作製した。作製した正極を本発明正極T3とした。なお、プレコート層の厚みは0.14μmであった。
プレコート層に含まれる微粒子として、平均粒子径31nmのMgO粒子(シーアイ化成社製)を用いる以外は、上記実施例2と同様にして正極を作製した。作製した正極を本発明正極T3とした。なお、プレコート層の厚みは0.14μmであった。
(比較例1)
プレコート層を形成せずに、スラリーを直接アルミニウム箔の上に塗布して合剤層を形成する以外は実施例1と同様に正極を作製した。作製した正極を比較正極R1とした。
プレコート層を形成せずに、スラリーを直接アルミニウム箔の上に塗布して合剤層を形成する以外は実施例1と同様に正極を作製した。作製した正極を比較正極R1とした。
(比較例2)
プレコート層に微粒子を添加しない以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。作製した正極を、比較正極R2とした。
プレコート層に微粒子を添加しない以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。作製した正極を、比較正極R2とした。
(比較例3)
プレコート層を形成せずに、スラリーを直接アルミニウム箔の上に塗布して合剤層を形成する以外は実施例2と同様に正極を作製した。作製した正極を比較正極R3とした。
プレコート層を形成せずに、スラリーを直接アルミニウム箔の上に塗布して合剤層を形成する以外は実施例2と同様に正極を作製した。作製した正極を比較正極R3とした。
(比較例4)
プレコート層に微粒子を添加しない以外は、実施例2と同様にして正極を作製した。作製した正極を、比較正極R4とした。
プレコート層に微粒子を添加しない以外は、実施例2と同様にして正極を作製した。作製した正極を、比較正極R4とした。
[正極の密着強度の評価]
上記のようにして作製した各正極について、密着強度を測定した。120mm×30mmのアクリル板の上に、100mm×25mmのサイズの正極を、70mm×20mmの両面テープ(ニチバン株式会社製、ナイスタックNW−20)を用いて貼り付け、貼り付けた電極の端を、小型卓上試験機(日本電産シンポ株式会社製、FGS−TV及びFGP−5)で、電極の接着面と90度となる方向で上方へ一定速度(100mm/分)となるように50mm引っ張り、剥離時の平均剥離強度を測定した。測定結果を表1に示す。
上記のようにして作製した各正極について、密着強度を測定した。120mm×30mmのアクリル板の上に、100mm×25mmのサイズの正極を、70mm×20mmの両面テープ(ニチバン株式会社製、ナイスタックNW−20)を用いて貼り付け、貼り付けた電極の端を、小型卓上試験機(日本電産シンポ株式会社製、FGS−TV及びFGP−5)で、電極の接着面と90度となる方向で上方へ一定速度(100mm/分)となるように50mm引っ張り、剥離時の平均剥離強度を測定した。測定結果を表1に示す。
[塗工均一性の評価]
集電体上にプレコート層形成用の溶液を塗布した際の塗工均一性を以下の基準で評価した。
集電体上にプレコート層形成用の溶液を塗布した際の塗工均一性を以下の基準で評価した。
〇:プレコート層が集電体上に均一に形成されている
×:プレコート層が集電体上に縞状に形成されている
評価結果を表1に示す。
×:プレコート層が集電体上に縞状に形成されている
評価結果を表1に示す。
[充放電特性の評価]
上記の各正極を5cm×2cmの大きさに切り出し、アルミニウムタブを超音波で溶接して、正極とした。この正極を用い、リチウム金属を対極及び参照極として、三電極式セルを作製した。電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の3:7の体積比の混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットルとなるように溶解したものを用いた。
上記の各正極を5cm×2cmの大きさに切り出し、アルミニウムタブを超音波で溶接して、正極とした。この正極を用い、リチウム金属を対極及び参照極として、三電極式セルを作製した。電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の3:7の体積比の混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットルとなるように溶解したものを用いた。
電極設計容量に対して1.0Cの電流で充放電を行った。なお、充電は、リチウム金属参照極基準で4.3Vまで定電流定電圧充電(電流下限カット0.1C)を行い、放電は1.0Cで2.85Vまで行った。
また、同様の試験を放電電流3.0Cとして行い、3.0C/1.0Cの比を求め、負荷特性(3C/1C)として表1に示した。
表1に示すように、プレコート層を設けた本発明正極T1〜T3は、プレコート層を設けていない比較正極R1及びR3に比べ、高い密着強度を有している。また、本発明正極T1と比較正極R2との比較、及び本発明正極T2及びT3と比較正極R4との比較から明らかなように、プレコート層中に微粒子を含有させることにより、プレコート層形成の際の塗工均一性に優れ、かつ正極における密着強度も向上することがわかる。
また、本発明に従いプレコート層を設けても、負極特性(3C/1C)においてほとんど低下が認められないことがわかる。
また、本発明によれば、上記のように電極内における密着強度を高めることができるので、充放電時に伴う活物質の膨張及び収縮による活物質の集電体からの剥離や浮きを抑制することができる。このため、電池の長期信頼性を高めることができる。
また、本発明によれば、上述のように、高い乾燥温度で電極を作製することができるので、電池を効率良く生産することができる。
上記の実施例においては、正極に本発明を適用したが、負極についても本発明を適用して本発明の効果を得ることができる。
1…集電体
2…合剤層
3…結着剤
4…熱風
5…対流
6…プレコート層
2…合剤層
3…結着剤
4…熱風
5…対流
6…プレコート層
Claims (11)
- 正極と、負極と、非水電解質とを有する非水電解質二次電池であって、
前記正極及び前記負極のうちの少なくとも一方の電極が、集電体上に溶剤系結着剤と平均粒子径1μm以下の微粒子からなるプレコート層を形成し、該プレコート層の上に、活物質、溶剤系結着剤及び導電剤を含む溶剤系スラリーを塗布して合剤層を形成した後、乾燥して得られる電極であることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 前記プレコート層の溶剤系結着剤が、前記合剤層の溶剤系結着剤と同一成分であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記溶剤系結着剤が、ポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
- 前記プレコート層の厚みが0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記プレコート層に含まれる微粒子の平均粒子径が、前記プレコート層の厚みより小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記プレコート層に含まれる微粒子の平均粒子径が100nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記プレコート層に含まれる微粒子が、TiO2、Al2O3、MgO、SiO2、ZnO、及びSnO2から選択される少なくとも1種の無機酸化物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記電極が正極であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記正極が、平均粒子径1μm以下の正極活物質の微粒子を前記合剤層中に含むことを特徴とする請求項5に記載の非水電解質二次電池。
- 前記正極の正極活物質が、LiFePO4であることを特徴とする請求項8または9に記載の非水電解質二次電池。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池を製造する方法であって、
前記集電体の上に前記プレコート層を形成する工程と、
前記プレコート層の上に前記溶剤系スラリーを塗布して前記合剤層を形成した後、乾燥させる工程とを備えることを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
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