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JP2009235060A - 気液分散装置及び気液分散方法 - Google Patents

気液分散装置及び気液分散方法 Download PDF

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JP2009235060A JP2009036223A JP2009036223A JP2009235060A JP 2009235060 A JP2009235060 A JP 2009235060A JP 2009036223 A JP2009036223 A JP 2009036223A JP 2009036223 A JP2009036223 A JP 2009036223A JP 2009235060 A JP2009235060 A JP 2009235060A
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Abstract

【課題】液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体が上向きに流通する塔内において気体を液体中に効率的に分散させることができ、よって気体と液体の十分な接触を実現することができ、かつ製造時の加工が比較的容易であるという特徴を有する気液分散装置及び気液分散装置を用いる気液分散方法を提供することができる。
【解決手段】下記の条件を満足する気液分散装置
(A):板状物は一以上の気液通過孔を有すること
(B):導通管の一端は板状物の下面において気液通過孔に接続されること
(C):導通管の側面には一以上の気体通路が設けられていること
(D):導通管の下部には一以上の液体通路が設けられていること
(E):導通管の下部先端の構造が、気体の流入を妨害する構造であること
【選択図】図1

Description

本発明は、気液分散装置及び気液分散方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体が上向きに流通する塔内において気体を液体中に効率的に分散させることができ、よって気体と液体の十分な接触を実現することができ、かつ製造時の加工が比較的容易であるという特徴を有する気液分散装置及び気液分散装置を用いる気液分散方法に関するものである。
化学工業において、容器内で気体を液体中に分散させ、気体と液体を効率的に接触させるいわゆる気液接触装置が多用されている。たとえば、気体と液体を反応させる反応装置、気体を液体中に吸収させる吸収装置等があげられる。このような装置としては、液体で満たされた塔の底部から気体を吹き込む構造のものが一般である。この場合、気体を液体中に効率的に分散させることが必要である。
特許文献1には、液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体が上向きに流通する塔内において液体と気体を接触させるための装置が紹介されている。
しかしながら、効率的分散の高度な要求水準を考えるとき、更に効率的な分散が求められる。また、工業的実施の観点からは、装置の製造時の加工が容易であることも必要である。
特開平10−118473号公報
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体が上向きに流通する塔内において気体を液体中に効率的に分散させることができ、よって気体と液体の十分な接触を実現することができ、かつ製造時の加工が比較的容易であるという特徴を有する気液分散装置及び気液分散装置を用いる気液分散方法を提供する点にある。
すなわち、本発明のうち第一の発明は、液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体が上向きに流通する塔内において、流体の流れを遮断する板状物、及び該板状物の下面から上面へ流体を導通させるための導通管を構成要素に有する気液分散装置であって、下記の条件を満足する気液分散装置に係るものである。
(A):板状物は一以上の気液通過孔を有すること
(B):導通管の一端は板状物の下面において気液通過孔に接続されること
(C):導通管の側面には一以上の気体通路が設けられていること
(D):導通管の下部には一以上の液体通路が設けられていること
(E):導通管の下部先端の構造が、気体の流入を妨害する構造であること
(ただし、気液通過孔に接続されていない一端を下部と称する)
また、本発明のうち第二の発明は、上記の気液分散装置を有する塔に、液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体を上向きに流通させ、板状物の下側に気体からなる空間(蓄気室と呼ぶことがある)を形成させ、導通管に設けられた液体通路から液体を導通管内に導き、導通管に設けられた気体通路から気体を導通管内に導き、上記液体と上記気体を導通管内で混合させて気液混合流体とし、その後該混合流体を板状物に設けられた気液通過孔を通して板状物を上向きに通過させる気液混合流体の気液分散方法に係るものである。
また、本発明のうち第三の発明は、上記の気液分散方法が、下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法における水素化工程で用いられる気液分散方法に係るものである。
酸化工程:アルキルベンゼンを酸化することによりアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを得る工程
エポキシ化工程:触媒の存在下アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドとプロピレンを反応させることによりプロピレンオキサイド及びアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド由来のアルコールを含む反応液を得る工程
プロピレン回収工程:エポキシ化工程後の反応液から未反応のプロピレンを回収して、該プロピレンをエポキシ化工程の原料としてリサイクルする工程
プロピレンオキサイド精製工程:エポキシ化工程で得られたプロピレンオキサイドを蒸留等に付すことにより精製プロピレンオキサイドを得る工程
水素化工程:触媒の存在下、エポキシ化工程で得たアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド由来のアルコールを水素化することによりアルキルベンゼンを得、該アルキルベンゼンを酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程
本発明により、液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体が上向きに流通する塔内において気体を液体中に効率的に分散させることができ、よって気体と液体の十分な接触を実現することができ、かつ製造時の加工が比較的容易であるという特徴を有する気液分散装置及び気液分散装置を用いる気液分散方法を提供することができる。また、本発明は、プロピレンオキサイドの製造方法に適用した場合、極めて効率のよい製造方法を提供することができる。
実施例1の装置の概略を示す図である。 実施例2の装置の概略を示す図である。 実施例3のフロー概略を示す図である。 本発明の導通管の下部先端の構造が先端の塞がれたキャップ型構造のものを示す図である。 本発明の導通管の下部先端の構造がJ字型に折り返された構造のものを示す図である。 本発明の導通管が、1本あたりの導通管に二以上の気体通路を有し、かつその気体通路の位置が、二以上の異なる高さに設置された構造のものを示す図である。 本発明の導通管が、スリット状の気体通路を有する構造のものを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明においては、液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体が上向きに流通する塔が用いられる。すなわち、塔の底部付近から液体と気体を供給され、連続相である液体中に分散相である気体が存在した気液混合流体を形成し、該気液混合流体は塔内を上昇し、塔頂付近から塔外に取り出される。そして、塔内において、気体は液体中に分散され、気体と液体の十分な接触が実現される。
本発明は、液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体が上向きに流通する塔内において、流体の流れを遮断する板状物、及び該板状物の下面から上面へ流体を導通させるための導通管を有する気液分散装置であって、下記の条件を満足する気液分散装置である。
(A):板状物は一以上の気液通過孔を有すること
(B):導通管の一端は板状物の下面において気液通過孔に接続されること
(C):導通管の側面には一以上の気体通路が設けられていること
(D):導通管の下部には一以上の液体通路が設けられていること
(E):導通管の下部先端の構造が、気体の流入を妨害する構造であること
ただし、気液通過孔に接続されていない一端を下部と称する
本発明の板状物は一以上の気液通過孔を有し(A)、導通管の一端は板状物の下面において気液通過孔に接続され(B)、導通管の側面には一以上の気体通路が設けられており(C)、導通管の下部には一以上の液体通路が設けられている(D)、導通管の下部先端の構造が、気体の流入を妨害する構造である(E)。
導通管の下部先端の構造は、気体の流入を妨害する構造であるため、導通管の下部先端からは液体のみを導通管内に導くことができる。ここでいう導通管の下部先端とは、導通管の両端のうち板状物の気液通過孔に接続されない反対側の先端であって、先端付近の側面部も含む。導通管の下部先端の好ましい具体例として、先端の塞がれたキャップ型やJ字型をあげることができる。また液体の導入方法は導通管の側面に小径の孔を設けてもよいし、キャップと導通管接続部の導通管側面にスリット等の開口部を設けてもよいし、J字型に折り返した導通管先端の管開口部を液体通路としてもよい。
板状物に設けられた気液通過孔の口径と導通管の口径が略同一であることが好ましい。こうすることにより、設計や製作を容易にすることができる。
本発明においては、下記式(1)が満足されることが好ましい。
1≦N/S≦100 (1)
N:板状物に設けられた気液通過孔の数[個]
S:板状物の上面又は下面の面積[m2
N/Sが過小であると再分散が不充分となる場合があり、一方N/Sが過大であると部品点数が多くなり、設備の製作コストが上昇したり、設備重量が重く設置上の問題が生じたりする場合がある。
板状物の上面又は下面の面積は通常等しい。
本発明においては、下記式(2)が満足されることが好ましい。
0.01≦v≦10 (2)
v:板状物に設けられた気液通過孔を通過する気液混合流体の線速[m/s]。ただし、流体の体積は気液通過孔の入口を基準とする。
vが過小であると気液通過孔での圧力損失が小さく、複数設置された孔における液体及び気体の通過流量が不均一となりやすく、偏流を生じる場合があり、一方vが過大であると気液通過孔での圧力損失が大きく、設備の強度を高めるために設備費が高くなったり、設備に気体や液体を供給するポンプや圧縮機の吐出圧力を高くしなくてはならず不経済となる場合がある。
本発明においては、下記式(3)が満足されることが好ましい。
100≦1.5×L≦H (3)
H:塔の高さ[mm]
L:導通管の長さ[mm]
Lが過小であると気体を再分散させるために必要な板状物の下側の気体からなる空間高さが不充分で、運転条件や負荷の変更に伴う気体からなる空間高さの変化に対応できない場合があり、一方Lが過大であると導通管の振動に対する懸念が大きくなるため大掛かりな振れ止めが必要となり、また導通管の設置される空間には一般的に触媒等の充填物を充填しないため、充填量が減少することになり不利である。
本発明においては、下記式(4)が満足されることが好ましい。
10≦g≦500 (4)
g:導通管に設けられた気体通路における気体の通過速度[m/s]。ただし、気体の体積は気体通路の入口を基準とする。
gが過小であると気体を再分散させるために必要な板状物の下側の気体からなる空間が充分形成されず、導通管の側面に設けた気体通路から液体が侵入する場合があり、一方gが過大であると気体からなる空間高さが導通管の長さを超えて、導通管の下部に設けた液体通路から液体とともに気体が侵入し、本発明の目的である気体の効率的分散が達成されない場合がある。
本発明においては、下記式(5)が満足されることが好ましい。
1≦h≦10 (5)
h:導通管に設けられた液体通路における液体の通過速度[m/s]
hが過小であると、板状物の下側の気体からなる空間高さが導通管の長さを超えて、導通管の下部に設けた液体通路から液体とともに気体が侵入し、本発明の目的である気体の効率的分散が達成されない場合があり、一方hが過大であると、逆に空間が充分形成されず、導通管の側面に設けた気体通路から液体が侵入する場合がある。
本発明においては、下記式(6)が満たされることが好ましい。
−4≦dP−dP(6)
dP:導通管に設けられた気体通路を気体が通過する際の圧力損失[kPa]
dP:導通管に設けられた液体通路を液体が通過する際の圧力損失[kPa]
ここで、dPは気体の制限オリフィスの計算式より導かれる数値であり、下記の手順で求めることができる。
1)P>Pなる条件下において、臨界圧力Pを下記式(a)より求める。
=P×(2/(κ+1))(κ/(κ−1)) (a)
2)ガスの流量係数Cを下記式(b)より求める。
=2.80×(κ×(2/(κ+1))((κ+1)/(κ−1)))0.5
3)臨界オリフィス径dを下記式(c)により求める。
=(W/(C×P×(M/T)0.5))0.5 (c)
4)制限オリフィス式(d)を満たす二次圧Pを求める。
=d×((2/(κ+1))(2/(κ−1))×((κ−1)/(κ−1))/((P/P(2/κ)−(P/P((κ+1)/κ)))0.25 (d)
5)気体通路を気体が通過する際の圧力損失dPを式(e)にて求める。
dP=(P−P)×98.07 (e)
:オリフィス径(気体通路の径)[mm]
κ:比熱比[−]
:一次圧[kg/cmA]
:二次圧[kg/cmA]
:臨界圧力[kg/cmA]
:重量流量[kg/H]
:流量係数[−]
T:温度[K]
:臨界オリフィス径[mm]
M:ガスの平均分子量[kg/kmol]
一方、dPは下記の式(f)で求めることができる。
dP=(W/(39.6×C×d ))/ρ×98.07 (f)
:重量流量[kg/hr]
:流量係数[−]
:オリフィス径(液体通路の径)[mm]
ρ:比重(4℃、1atmの水基準)[−]
ただし、気体通路、液体通路が丸穴のオリフィスではない場合、下記式(g)により、相当直径dを算出し、d、dとして用いる。
=4×S/L (g)
:相当直径[mm]、S:気体通路又は液体通路の断面積[mm
:気体通路又は液体通路の浸辺長さ[mm]
(dP−dP)が過小であると気体を再分散させるために必要な板状物の下側の気体からなる空間が充分形成されず、導通管の側面に設けた気体通路から液体が侵入する場合があり、一方(dP−dP)が過大であると気体からなる空間高さが導通管の長さを超えて、導通管の下部に設けた液体通路から液体とともに気体が侵入し、本発明の目的である気体の効率的分散が達成されない場合がある。
本発明においては、1本あたりの導通管に二以上の気体通路が設けられ、かつその気体通路の位置が、二以上の異なる高さに設置されることが好ましい。気体通路の形式は、1〜20mmの丸穴であってよいが、これに限定されるものではない。1つの気体通路の開口面積が小さすぎると必要な数が多くなり製作コストが上昇し、逆に大きすぎると操作範囲が狭くなるため、実施者が経済的な穴径を決めることができる。こうすることにより、運転条件や負荷の変更に伴う、気体からなる空間高さの変化に柔軟に対応することができる。具体的には、液体の流量に対して気体の流量が少なく、気体通路における気体の通過速度が遅いときは該空間高さが低くなり、板状物に近い通路のみ気体通路として働く。そして、気体の流量が多く、気体の空間高さが高くなると、板状物から離れた位置の通路も気体通路として働くようにできるのである。こうして、気体の流量が少ない場合でも必要な空間高さを維持でき、かつ気体の流量が多い場合でも気体の空間高さが導通管の下部先端を越えることなく本発明を実施できる範囲を広くすることができる。
本発明においては、1本あたりの導通管の側面に縦方向に一以上設けられたスリット状開口部の少なくとも一部が気体通路である場合も好ましい装置として挙げることができる。導通管の側面に縦方向にスリットを設けた場合、気体の空間高さが低い場合は該スリットのうち、板状物に近い範囲しか気体通路として働かず、気体の流量が多く、気体の空間高さが高くなると、高さに応じた範囲が気体通路の通過面積となる。スリットの開口幅が広すぎると充分な気体の空間が形成されないことがあるので、スリット幅は1〜10mmであることが好ましい。
本発明においては、気液分散装置の上側及び/又は下側に充填物の層を設けることができる。
本発明の気液分散装置は、液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体が上向きに流通する塔内において気体を液体中に効率的に分散させることができ、よって気体と液体の十分な接触を実現することができるという特徴を有するものであり、広い適用範囲を有する。
本発明の気液分散装置を用いる方法は、上記の説明により明らかになったが、要するに気液分散装置を有する塔に、液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体を上向きに流通させ、板状物の下側に気体からなる空間を形成させ、導通管の下部に設けた液体通路から液体を導通管内に導き、導通管の側面に設けられた気体通路から気体を導通管内に導き、上記液体と上記気体を導通管内で混合させて気液混合流体とし、その後該混合流体を板状物に設けられた気液通過孔を通して板状物を上向きに通過させればよい。
本発明の適用例としては、充填塔における気液接触、気泡塔における気液接触等をあげることができる。より具体的な適用例としては、充填物が触媒である例、更に触媒が水素化反応又は脱水反応のための触媒である例をあげることができる。
本発明によると、液体と気体が導通管内で混合され、混合された状態で板状物の気液通過孔から上向きに噴出され、気液の接触が効率的に行われる。そして、下記の実施例1と比較例1からもわかるとおり、気体と液体の十分な接触を実現することができるため、触媒による気液反応を極めて好成績下に実施することができる。また、本発明の気液分散装置は板状物に一種類の気液通過孔を設ければよく、製造時の加工が比較的容易であるという長所を有する。
本発明を工業的実施の観点から最適に実施し得る方法としては、下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法における水素化工程で用いられる気液分散方法を挙げることができる。
酸化工程:アルキルベンゼンを酸化することによりアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを得る工程
エポキシ化工程:触媒の存在下アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドとプロピレンを反応させることによりプロピレンオキサイド及びアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド由来のアルコールを含む反応液を得る工程
プロピレン回収工程:エポキシ化工程後の反応液から未反応のプロピレンを回収して、該プロピレンをエポキシ化工程の原料としてリサイクルする工程
プロピレンオキサイド粗分離工程:エポキシ化工程で得られたプロピレンオキサイドとアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド由来のアルコールを粗分離する工程
プロピレンオキサイド精製工程:プロピレンオキサイド粗分離工程後、プロピレンオキサイドを蒸留に付すことにより精製プロピレンオキサイドを得る工程
水素化工程:プロピレンオキサイド粗分離工程でプロピレンオキサイドから分離されたアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド由来のアルコールを水素化することによりアルキルベンゼンを得て、該アルキルベンゼンを酸化工程の原料としてリサイクルする工程
本発明の酸化工程は、アルキルベンゼンを酸化することによりアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを得る工程である。アルキルベンゼンの酸化は、通常、空気や酸素濃縮空気などの含酸素ガスによる自動酸化で行われる。この酸化反応は添加剤を用いずに実施してもよいし、アルカリのような添加剤を用いてもよい。通常の反応温度は50〜200℃であり、反応圧力は大気圧から5MPaの間である。添加剤を用いた酸化法の場合、アルカリ性試薬としては、NaOH、KOHのようなアルカリ金属化合物や、アルカリ土類金属化合物又はNa2CO3、NaHCO3のようなアルカリ金属炭酸塩又はアンモニア及び(NH42CO3、アルカリ金属炭酸アンモニウム塩等が用いられる。
本発明のエポキシ化工程は、触媒の存在下、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドとプロピレンとを反応させることによりプロピレンオキサイド及びアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド由来のアルコールを得る工程である。
エポキシ化工程は、目的物を高収率及び高選択率下に得る観点から、チタン含有珪素酸化物からなる触媒の存在下に実施することが好ましい。これらの触媒は、通常、固体触媒であり、珪素酸化物と化学的に結合したTiを含有する、いわゆるTi−シリカ触媒が好ましい。たとえば、Ti化合物をシリカ担体に担持したもの、共沈法やゾルゲル法で珪素酸化物と複合したもの、あるいはTiを含むゼオライト化合物などをあげることができる。
本発明において、エポキシ化工程の原料物質として使用されるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドは、希薄又は濃厚な精製物又は非精製物であってよい。
エポキシ化反応は、プロピレンとアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを触媒に接触させることで行われる。反応は、溶媒を用いて液相中で実施される。溶媒は、反応時の温度及び圧力のもとで液体であり、かつ反応体及び生成物に対して実質的に不活性なものでなければならない。溶媒は使用されるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド溶液中に存在する物質からなるものであってよい。たとえばエチルベンゼンハイドロパーオキサイドやクメンハイドロパーオキサイドがその原料であるエチルベンゼンやクメンとからなる混合物である場合には、特に溶媒を添加することなく、これを溶媒の代用とすることも可能である。その他、有用な溶媒としては、芳香族の単環式化合物(たとえばベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン)及びアルカン(たとえばオクタン、デカン、ドデカン)などがあげられる。
エポキシ化反応温度は一般に0〜200℃であるが、反応速度と触媒の経済的利用の観点から25〜200℃の温度が好ましく、反応選択率の観点から25〜140℃の温度がさらに好ましい。該温度が低すぎると反応速度が遅いため、所望の反応量を得るための触媒必要量が多くなり、該温度が高すぎると選択率が低下して、特に炭素数4の化合物の生成量が増加すると、これを除去する際の有効成分のロスや必要エネルギーが増加するため不都合である。圧力は、反応混合物を液体の状態に保つのに充分な圧力でよい。一般に圧力は100〜10000kPaであることが有利である。
固体触媒は、スラリー状又は固定床の形で有利に実施できる。大規模な工業的操作の場合には、固定床を用いるのが好ましい。また、回分法、半連続法、連続法等によって実施できる。反応原料を含有する液を固定床に通した場合には、反応帯域から出た液状混合物には、触媒が全く含まれていないか又は実質的に含まれていない。
エポキシ化工程へ供給されるプロピレン/アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドのモル比は2/1〜50/1であることが好ましい。該比が過小であると反応速度が低下して効率が悪く、一方該比が過大であるとリサイクルされるプロピレンの量が過大となり、回収工程において多大なエネルギーを必要とする。
本発明のプロピレン回収工程は、エポキシ化工程後の反応液中に含まれる未反応のプロピレンを分離して回収し、該回収したプロピレンをエポキシ化工程の原料としてエポキシ化工程へリサイクルする工程である。上記のとおり、プロピレンは過剰に用いられるので、エポキシ化工程から出てくる反応液中には未反応のプロピレンが含まれる。該プロピレンを反応液から分離して回収する方法としては、反応液を蒸留する方法をあげることができる。蒸留は通常反応液の中からプロピレンが気化しやすい条件を用いる。蒸留の条件としては、蒸留工程に供給される反応液の温度や組成によっても変化するが、通常、圧力は100〜5000kPa、好ましくは100〜3000kPa、塔頂温度−50〜150℃をあげることができる。また、複数の蒸留塔を用いて段階的にプロピレンを蒸留する方法を用いてもよい。
本発明のプロピレンオキサイド精製工程はエポキシ化工程で得られたプロピレンオキサイドを蒸留等に付すことにより精製プロピレンオキサイドを得る工程である。
精製に付されるプロピレンオキサイドはエポキシ化工程の反応液から、上述の通り未反応のプロピレンを回収した後の液である。
通常、はじめにエポキシ化工程で生成したアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド由来のアルコール及び溶媒が蒸留により除去され、粗プロピレンオキサイドが得られる。
この粗プロピレンオキサイドは、不純物として、水、炭化水素、酸素含有化合物が含まれているのが一般であり、炭化水素としては炭素数3〜7の炭化水素を例示することができる。酸素含有化合物としてはメタノール、アセトアルデヒド、アセトン、プロピオンアルデヒド、ギ酸メチル等の化合物を例示することができる。
これらの不純物を除去する方法として、公知の蒸留、抽出、吸着、晶析等の分離技術を適宜組み合わせてよいが、水、炭化水素、酸素含有化合物を効率的に除去する観点から、粗プロピレンオキサイドを炭素数7〜10の炭化水素を抽剤とする抽出蒸留とその他の蒸留を組み合わせて精製に付すことが好ましい。
抽剤である炭素数7〜10の炭化水素としては、n−ヘプタン、n―オクタン、n―ノナン、n―デカン等の直鎖状飽和炭化水素、2,2―ジメチルペンタン、2,3―ジメチルペンタン、2,2―ジメチルヘキサン、2,3―ジメチルヘキサン等の枝分かれ状飽和炭化水素又はこれら不飽和炭化水素等を例示することができる。尚、これらの抽剤は、単品でもこれら化合物の混合物でもどちらでも使用できる。
抽出蒸留塔及びその他の蒸留塔の型式と運転条件、抽剤の使用量等は要求される製品の品質により適宜決定するこができる。
かくして得られた精製プロピレンオキサイドは所望の製品品質を満たしている。
本発明の水素化工程は固体触媒の存在下、エポキシ化工程で得たアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド由来のアルコールを水素化分解あるいは脱水/水添によりアルキルベンゼンとし、酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程であるが、アルキルベンゼンを効率的にリサイクルするという観点から脱水/水添により行うことがより好ましい。
脱水工程は、エポキシ化工程で得たアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド由来のアルコールを脱水触媒に供し、分子内脱水する工程である。使用される触媒としては、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸等の酸や、活性アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナ、ゼオライト等の金属酸化物があげられるが、反応液との分離、触媒寿命、選択性等の観点から活性アルミナが好ましい。
脱水触媒の量はアルコールが充分に脱水転化する量であればよく、転化率は90%以上であることが好ましく、98%以上であることが更に好ましい。
脱水反応はアルコールを含む溶液を触媒に接触させることで行われるが、脱水/水添法においては脱水反応に引き続いて水添反応を行うので、水素も触媒へフィードしてもよい。脱水反応温度は一般に50〜450℃であるが、150〜300℃の温度が好ましい。一般に圧力は10〜10000kPaであることが有利である。
水添工程は、脱水工程で得た分子内脱水生成物を水添触媒に供し、水添してアルキルベンゼンに変換し、酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程である。
水添触媒としては、周期律表10族又は11族の金属を含む触媒をあげることができ、具体的にはニッケル、パラジウム、白金、銅をあげることができるが、芳香環の核水添反応の抑制、高収率の観点からパラジウム又は銅が好ましい。銅系触媒としては銅、ラネー銅、銅・クロム、銅・亜鉛、銅・クロム・亜鉛、銅・シリカ、銅・アルミナ等があげられる。パラジウム触媒としては、パラジウム・アルミナ、パラジウム・シリカ、パラジウム・カーボン等があげられる。これらの触媒は単一でも用いることができるし、複数のものを用いることもできる。水添触媒に同時に脱水能がある場合は、脱水/水添触媒として単独で用いてもよい。
水添触媒の量は分子内脱水生成物が充分に転化する量であればよく、転化率は98%以上が好ましい。
水添反応は分子内脱水生成物を含む溶液と水素を触媒に接触させることで行われるが、脱水/水添法においては脱水反応に引き続いて水添反応を行うため、脱水反応において発生した水を油水分離等によって分離した後行ってもよいし、水を分離せずに水添触媒に供して行ってもよい。
反応に必要な水素量は分子内脱水生成物と等モルであればよいが、通常、原料中には水素を消費する他の成分も含まれており、過剰の水素が必要とされる。また水素の分圧を上げるほど反応は速やかに進むことから、通常、水素/分子内脱水生成物のモル比として1から10が使用される。さらに好ましくは1から5である。反応後に残存した過剰分の水素は反応液と分離した後にリサイクルして使用することもできる。
水添反応温度は一般に0〜500℃であるが、30〜300℃の温度が好ましい。一般に圧力は100〜10000kPaであることが有利である。
脱水/水添反応の反応形態は、固定床によって有利に実施できる。脱水反応と水添反応は別々の反応器を用いてもよいし、単一の反応器を用いてもよいが、コストの観点から考えると、脱水触媒と水添触媒は多段の反応器とすることなく、単一の固定床反応器に充填されていることが好ましい。
したがって、本発明を上記プロピレンオキサイドの製造方法の水素化工程へ適用する場合は、エポキシ化工程で得たアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド由来のアルコールを含む液を連続相、水素ガスを分散相として上向きに流通する固定床反応器において本発明の気液分散方法を採用すればよい。
実施例1
塔(1)の底部付近から液体(2)(約25重量%のクミルアルコールを含有するクメン溶液)と気体(3)(水素)を供給し、液体と気体からなる流体を塔内を上向きに流通させた。塔内には流体の流れ方向に対して垂直方向に設けられ、流体の流れを遮断する板状物(4)を構成要素に有する気液分散装置が設けられていた。板状物は気液通過孔(5)を有し、気液通過孔に接続され、板状物の下方向に伸びる導通管(6)が設けられており、導通管の側面には3個/本の気体通路(7)が設けられていた。導通管に設けられた複数の気体通路の高さ位置関係は前述の通り運転条件や負荷の変更に伴う、気体からなる空間高さの変化に柔軟に対応するため、導通管側面に板状物から下方向に75mmの地点に第一気体通路、さらに下方向40mmの地点に第二気体通路、さらに下方向40mmの地点に第三気体通路を設置した。塔(1)の高さHと導通管(6)の長さLの比H/Lは約12.7であった。
導通管の下部先端(8)の構造は先端の塞がれたキャップ型構造とし、液体通路として小孔を同一平面上に導通管下端より上方向45mmの地点に2個/本を設置した。
板状物に設けられた気液通過孔の口径と導通管の口径が略同一であった。
板状物に設けられた気液通過孔の数(N)と板状物の下面の面積(S)の比N/Sは15本/m2であった。
板状物に設けられた気液通過孔を通過する気液混合流体の線速(v)は約2m/s(ただし、流体の体積は気液通過孔の入口を基準とする)であった。
導通管に設けられた気体通路における気体の通過速度(g)は約54m/s(ただし、気体の体積は気体通路の入口を基準とする。)であった。
導通管に設けられた液体通路(9)における液体の通過速度(h)は約6m/sであった。
液体及び気体を所定の比率で板状物の下側から上側に通過させることにより、板状物の下側に気体からなる空間(厚さ380mm)が形成されていることを確認した。このときのdP−dPは8.7kPaであった。
気液分散装置の上側には球状のアルミナ触媒(一部貴金属を担持)の充填層(10)が設けられていた。触媒層の温度を約200〜230℃とし、塔頂圧力を約1.5〜2MPaGとして、クミルアルコールを分子内脱水してαメチルスチレンとし、さらに水素を反応させてクメンに変換した。そこで、水添不充分の指標としてαメチルスチレンの反応器出口の濃度(αメチルスチレンリーク濃度と呼ぶ)を採用して評価した。その結果、αメチルスチレンリーク濃度(水添不充分の指標)323重量ppmを含む反応生成物を得た。表1「分散板あり」に結果を示す。
比較例1
実施例1の気液分散装置を用いることなく反応を行なったこと以外は実施例1と同様に行った。その結果、反応成績はαメチルスチレンリーク濃度が1400重量ppmとなった。表1「分散板なし」に結果を示す。実施例1と比較して、比較例1はクミルアルコールからクメンに変換される際、水添されずに残ったαメチルスチレンリーク濃度が4.3倍となった。
実施例1及び比較例1から、本発明の気液分散板を用いると、水添反応が促進されることがわかった。
Figure 2009235060
実施例2
透明アクリルからなる筒(20)(直径280mm、長さ約1980mm)を垂直に立て、その内部に気液分散装置を設けた。板状物(21)には一個の気液通過孔(12)(直径50mm)と1本の導通管(13)(直径50mm、長さ1000mm)が設けられており、導通管の上端から45mmの位置に気体通路(14)(直径6mm)が一個設けられているものを用いた。筒(20)の高さHと導通管(13)の長さLの比H/Lは1.98であった。なお、導通管の下部の先端(15)は先端の塞がれたキャップ型構造とし、キャップ構造の内側には導通管側面に液体通路(16)(直径10mm)の小孔一個を設けた。筒に水を満たし、筒の下部から水と空気を表2の実験1、実験2の条件で供給し、−4≦dP−dPの範囲とした。目視観察の結果、板状物の下側に表2の気体からなる空間が形成され、気液通過孔から気液混合流体が上向きに噴出され、極めて良好な分散状態であることが確認された。
比較例2
表2の比較1に示す−4≦dP−dPを満たさない条件として、実施例2と同様の実験を行なった。その結果、良好な分散状態が得られなかった。
Figure 2009235060
実施例3
明細書記載の方法に従って、アルキルベンゼンとしてクメンを用い、酸化工程にて空気で酸化して25〜30重量%のクメンハイドロパーオキサイドを含む酸化反応液(101)を得た。該酸化反応液とプロピレンとをエポキシ化工程でチタン含有珪素酸化物触媒を充填した反応器に通液しエポキシ化反応を行い、プロピレンオキサイドとクミルアルコール、未反応プロピレン及びクメンを主とするエポキシ化反応液(102)を得た。クミルアルコールは、クメンハイドロパーオキサイド由来のアルコールである。得られた反応液(102)から未反応のプロピレン(103)を分離除去し、プロピレン回収後の反応液(104)を得た。プロピレン回収後の反応液(104)はプロピレンオキサイド精製工程で、まずクミルアルコール及びクメンを主とする液(105)の区分と、プロピレンオキサイドを主とする区分に分離し、次いで製品品質を満たすように抽出蒸留を含む複数の蒸留塔で精留して製品プロピレンオキサイドを得た。クミルアルコール及びクメンを主とする液(105)の区分を連続相、水素ガスを分散相とし、活性アルミナ触媒及びパラジウム含有触媒が充填され、中段に本発明の気液分散装置が設置された反応器をアップフローで用いてクミルアルコールをクメンへ還元した。クミルアルコールのクメンへの転化率は98%以上であった。得られたクメンは酸化工程へリサイクルした。
図3は明細書記載の実施例3のフロー概略を示す図である。
比較例3
本発明の気液分散装置及び気液分散方法を用いない以外は、実施例3と同等の条件にてプロピレンオキサイド製造方法を実施したところ、偏流の兆候が見られ、反応成績にばらつきが生じた。
本発明は、液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体が上向きに流通する塔内において気体を液体中に効率的に分散させることができ、よって気体と液体の十分な接触を実現することができ、かつ製造時の加工が比較的容易であるという特徴を有する気液分散装置及び気液分散装置を用いる気液分散方法に利用することができる。
1 塔
2 液体
3 気体
4 板状物
5 気液通過孔
6 導通管
7 気体通路
8 導通管の下部先端
9 液体通路
10 触媒の充填層
11 気液出口
12 気液通過孔
13 導通管
14 気体通路
15 導通管の下部の先端
16 液体通路
17 水
18 空気
19 空気層
20 筒
21 板状物
22 気液出口
101 酸化反応液
102 エポキシ化反応液
103 未反応のプロピレン
104 プロピレン回収後の反応液
105 クミルアルコール及びクメンを主とする液
106 リサイクルクメン

Claims (17)

  1. 液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体が上向きに流通する塔内において、流体の流れを遮断する板状物、及び該板状物の下面から上面へ流体を導通させるための導通管を有する気液分散装置であって、下記の条件を満足する気液分散装置。
    (A):板状物は一以上の気液通過孔を有すること
    (B):導通管の一端は板状物の下面において気液通過孔に接続されること
    (C):導通管の側面には一以上の気体通路が設けられていること
    (D):導通管の下部には一以上の液体通路が設けられていること
    (E):導通管の下部先端の構造が、気体の流入を妨害する構造であること
  2. 導通管の下部先端が先端の塞がれたキャップ型構造である請求項1記載の気液分散装置。
  3. 導通管の下部先端がJ字型に折り返された構造である請求項1記載の気液分散装置。
  4. 気液通過孔の口径と導通管の口径が略同一である請求項1記載の気液分散装置。
  5. 下記式(1)が満足される請求項1記載の気液分散装置。
    1≦N/S≦100 (1)
    N:板状物に設けられた気液通過孔の数[個]
    S:板状物の上面又は下面の面積[m2
  6. 下記式(2)が満足される請求項1記載の気液分散装置。
    0.01≦v≦10 (2)
    v:気液通過孔を通過する気液混合流体の線速[m/s]
  7. 下記式(3)が満足される請求項1記載の気液分散装置。
    100≦1.5×L≦H (3)
    H:塔の高さ[mm]
    L:導通管の長さ[mm]
  8. 下記式(4)が満足される請求項1記載の気液分散装置。
    10≦g≦500 (4)
    g:導通管に設けられた気体通路における気体の通過速度[m/s]
  9. 下記式(5)が満足される請求項1記載の気液分散装置。
    1≦h≦10 (5)
    h:導通管に設けられた液体通路における液体の通過速度[m/s]
  10. 下記式(6)が満足される請求項1記載の気液分散装置。
    −4≦dP−dP(6)
    dP:導通管に設けられた気体通路を気体が通過する際の圧力損失[kPa]
    dP:導通管に設けられた液体通路を液体が通過する際の圧力損失[kPa]
  11. 1本あたりの導通管に二以上の気体通路が設けられ、かつその気体通路の位置が、二以上の異なる高さに設置される請求項1記載の気液分散装置。
  12. 1本あたりの導通管の側面に縦方向に一以上設けられたスリット状開口部の少なくとも一部が気体通路である請求項1記載の気液分散装置。
  13. 気液分散装置の上側及び/又は下側に充填物の層を有する請求項1〜12のうちの一の請求項に記載の気液分散装置。
  14. 充填物が触媒である請求項13に記載の気液分散装置。
  15. 触媒が水素化反応又は脱水反応のための触媒である請求項14に記載の気液分散装置。
  16. 請求項1〜15のうちの一の請求項に記載の気液分散装置を有する塔に、液体が連続相を形成し、気体が分散相を形成する気液混合流体を上向きに流通させ、板状物の下側に気体からなる空間を形成させ、導通管に設けられた液体通路から液体を導通管内に導き、導通管に設けられた気体通路から気体を導通管内に導き、上記液体と上記気体を導通管内で混合させて気液混合流体とし、その後該混合流体を板状物に設けられた気液通過孔を通して板状物を上向きに通過させる気液混合流体の気液分散方法。
  17. 請求項16に記載の気液分散方法が、下記の工程を含むプロピレンオキサイドの製造方法における水素化工程で用いられる気液分散方法。
    酸化工程:アルキルベンゼンを酸化することによりアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを得る工程
    エポキシ化工程:触媒の存在下アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドとプロピレンを反応させることによりプロピレンオキサイド及びアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド由来のアルコールを含む反応液を得る工程
    プロピレン回収工程:エポキシ化工程後の反応液から未反応のプロピレンを回収して、該プロピレンをエポキシ化工程の原料としてリサイクルする工程
    プロピレンオキサイド精製工程:エポキシ化工程で得られたプロピレンオキサイドを蒸留等に付すことにより精製プロピレンオキサイドを得る工程
    水素化工程:触媒の存在下、エポキシ化工程で得たアルキルベンゼンハイドロパーオキサイド由来のアルコールを水素化することによりアルキルベンゼンを得、該アルキルベンゼンを酸化工程の原料として酸化工程へリサイクルする工程
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