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JP2009233573A - ヘッドユニット、吐出装置、及び吐出方法 - Google Patents

ヘッドユニット、吐出装置、及び吐出方法 Download PDF

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JP2009233573A JP2008082851A JP2008082851A JP2009233573A JP 2009233573 A JP2009233573 A JP 2009233573A JP 2008082851 A JP2008082851 A JP 2008082851A JP 2008082851 A JP2008082851 A JP 2008082851A JP 2009233573 A JP2009233573 A JP 2009233573A
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Abstract

【課題】吐出ノズルごとに駆動パルスの電圧を変更するように、制御装置にかかる負荷が大きく処理に要する時間が長くなることを抑制しながら、吐出ノズルごとの吐出量を調整できるヘッドユニット、吐出装置、及び吐出方法を提供する。
【解決手段】ヘッドユニットは、液状体を吐出する複数の吐出ノズルが形成されたノズルプレートと、ノズルプレートを支持すると共に、内部に吐出ノズルに連通する液状体の流路が形成されているプレート保持部とを有する吐出ヘッドと、熱源又は冷却源と、少なくとも大気より熱伝導率が高い材料で形成されており、一端が吐出ノズルに連通する流路に臨むプレート保持部の外壁に接触しており、他端が熱源又は冷却源に接触している温度調整端子と、を備える。吐出装置は、当該ヘッドユニットを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、液状体を吐出する吐出ノズルを有する吐出ヘッドを備えるヘッドユニット及び吐出装置、及び当該ヘッドユニット又は吐出装置における吐出方法に関する。
従来から、カラー液晶装置のカラーフィルタ膜などの機能膜を形成する技術として、液状体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置を用いて、機能膜の材料を含む液状体の液滴を吐出して基板上の任意の位置に着弾させることで、当該位置に液状体を配置し、配置した液状体を乾燥させて機能膜を形成する技術が知られている。このような膜形成に用いられる液滴吐出装置の液滴吐出ヘッドは、その吐出ノズルから微小な液滴を選択的に吐出して位置精度良く着弾させることができるため、精密な平面形状及び膜厚を有する膜を形成することができる。
より高機能の機能膜を形成するために、より精密な平面形状及び膜厚の機能膜を実現することが必要になっている。一定の膜厚の機能膜を形成するためには、吐出ノズルからの機能液の吐出量を一定に維持することが必要である。吐出量は、液滴吐出ヘッドが吐出する液滴の大きさ(体積)や、連続吐出する吐出ヘッドが単位時間に吐出する量である。吐出量相当の機能液の重量を吐出重量と表記する。
特許文献1には、液滴吐出ヘッドの吐出量が温度の影響を受けて変動することに着目して、ペルチェ素子を用いてインクジェットヘッドを冷却又は加熱することによって印字品位を安定させるインクジェットプリンタが開示されている。しかし、液滴吐出ヘッド全体の温度を一定に保っても、液滴吐出ヘッドが有する複数の吐出ノズルのそれぞれの吐出量が必ずしも均一ではないことに起因して、一つの液滴吐出ヘッドによって形成される複数の機能膜が必ずしも均一ではない場合があった。特許文献2には、吐出ノズルごとに、駆動パルスの電圧を変更することで吐出量を制御することによって、液体吐出ヘッドのノズルのインク吐出量を均一化する、カラーフィルタの製造方法、パネルの製造装置及び製造方法、液晶表示パネルの製造方法、液晶表示パネルを備えた装置の製造方法が開示されている。
特開2001−334645号公報 特開2008−3586号公報
しかしながら、特許文献2に開示された方法又は装置のように、吐出ごとに電圧を制御する場合は、吐出の制御の一環として吐出量を変動させる制御を実施する必要がある。従って、通常の吐出制御であっても膨大なデータ処理を必要とするために大きな負荷がかかっている制御装置に、さらに大きな負荷をかけることが必要になるという課題があった。特に、近年は、液滴吐出装置が大型になり、備える液滴吐出ヘッド(吐出ノズル)の数が多くなり、制御装置にかかる負荷は大きくなる傾向がある。制御装置にかかる負荷が大きく処理に要する時間が長くなると、液滴吐出装置の作業時間が長くなるという課題が発生する。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかるヘッドユニットは、液状体を吐出する複数の吐出ノズルが形成されたノズルプレートと、前記ノズルプレートを支持すると共に、内部に前記複数の吐出ノズルのそれぞれの吐出ノズルに連通する前記液状体の流路が形成されているプレート保持部とを有する吐出ヘッドと、熱源又は冷却源と、少なくとも大気より熱伝導率が高い材料で形成されており、一端が前記吐出ノズルに連通する前記流路に臨む前記プレート保持部の外壁に接触しており、他端が前記熱源又は前記冷却源に接触している温度調整端子と、を備えることを特徴とする。
このヘッドユニットによれば、熱源又は冷却源によって温度調整端子の温度を加熱又は冷却することによって、吐出ヘッドにおける温度調整端子が接触している部分の温度を調整することができる。勿論、温度調整端子が接触している部分の周囲も、当該部分から熱が伝導する範囲において、当該部分に準じた温度調整をすることができる。吐出ノズルからの吐出量は、同じ駆動信号を印加しても、吐出ノズル及び液状体の温度によって吐出量が変動する。吐出ヘッドの部分の温度を調整することで、当該部分に在る吐出ノズルからの吐出量を調整することができる。吐出ノズルにおいて吐出ノズルからの吐出量を適正な吐出量に調整することができるため、吐出ヘッドにおける吐出ノズル間の吐出量のばらつきを抑制することもできる。
[適用例2]上記適用例にかかるヘッドユニットにおいて、前記温度調整端子が、前記吐出ノズルごとに、配置されていることが好ましい。
このヘッドユニットによれば、吐出ノズルごとに配設された温度調整端子を介して、吐出ノズルごとに温度を調整することができる。これにより、吐出ノズルごとに、吐出量を調整することができる。
[適用例3]上記適用例にかかるヘッドユニットにおいて、前記温度調整端子が、第一の複数の前記吐出ノズルから成るノズル群ごとに、配置されていることが好ましい。
このヘッドユニットによれば、ノズル群ごとに配設された温度調整端子を介して、ノズル群ごとに温度を調整することができる。これにより、ノズル群ごとに、吐出ノズルからの吐出量を調整することができる。
[適用例4]上記適用例にかかるヘッドユニットにおいて、前記熱源又は前記冷却源は、前記温度調整端子ごとに個別に設けられていることが好ましい。
このヘッドユニットによれば、温度調整端子ごとに配設された熱源又は冷却源によって、温度調整端子ごとに温度を調整することができる。これにより、温度調整端子が対応する吐出ノズル又はノズル群ごとに、吐出量を調整することができる。
[適用例5]上記適用例にかかるヘッドユニットにおいて、前記熱源又は前記冷却源には、複数の前記温度調整端子が接続されており、前記複数の温度調整端子は、第一の温度調整端子と、前記第一の温度調整端子とは前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の単位時間あたりの熱伝導量が異なる第二の温度調整端子と、を含むことが好ましい。
このヘッドユニットによれば、1個の熱源又は冷却源を調整することで、複数の温度調整端子における熱源又は冷却源に接続された部分の温度を調整することができる。
第一の温度調整端子と第二の温度調整端子とは熱源又は冷却源と吐出ヘッドとの間の単位時間あたりの熱伝導量が互いに異なることによって、温度調整端子における熱源又は冷却源に接続された部分の温度が同一であっても、温度調整端子が接触している吐出ヘッドの部分の温度を、第一の温度調整端子が接続されている部分と第二の温度調整端子が接続されている部分とで、互いに異ならせることができる。
[適用例6]上記適用例にかかるヘッドユニットにおいて、前記第一の温度調整端子における前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達方向に略直交する方向の断面積が、前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達経路の少なくとも一部において、前記第二の温度調整端子とは異なることが好ましい。
このヘッドユニットによれば、温度調整端子における、熱源又は冷却源から吐出ヘッドへの熱エネルギの伝達方向に略直交する方向の断面積が、熱源又は冷却源と吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達経路の少なくとも一部において、第一の温度調整端子と第二の温度調整端子とで互いに異なる。当該断面を単位時間に伝達可能な熱量は断面積に依存するため、第一の温度調整端子と第二の温度調整端子とで、単位時間あたりの熱伝導量を互いに異ならせることができる。
[適用例7]上記適用例にかかるヘッドユニットにおいて、前記温度調整端子における、前記吐出ノズルの配列方向の単位長さあたり、及び単位時間あたりの熱伝導量が、前記吐出ノズルの配列方向において、段階的又は連続的に異なっていることが好ましい。
このヘッドユニットによれば、温度調整端子において吐出ノズルの配列方向における単位長さあたり、及び単位時間あたりの熱伝導量が異なっている。このため、温度調整端子における熱源又は冷却源に接続された部分と吐出ヘッドに接続された部分との間の単位時間あたりの熱伝導量は、吐出ノズルの配列方向において吐出ヘッドの部分ごとに異なっている。これにより、温度調整端子における熱源又は冷却源に接続された部分の温度は略均一であるが、温度調整端子が接触している吐出ヘッドの部分の温度を、吐出ノズルの配列方向において互いに異ならせることができる。
[適用例8]上記適用例にかかるヘッドユニットにおいて、前記温度調整端子における、前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達方向に略直交する方向の、前記吐出ノズルの配列方向の単位長さあたりの前記温度調整端子の断面積が、前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達経路の少なくとも一部において、前記吐出ノズルの配列方向において、段階的又は連続的に異なっていることが好ましい。
このヘッドユニットによれば、吐出ノズルの配列方向の単位長さあたりの温度調整端子の断面積が、吐出ノズルの配列方向において異なっている部分が存在する。当該断面を単位時間に伝達可能な熱量は断面積に依存するため、温度調整端子における単位時間あたりの熱伝導量を、吐出ノズルの配列方向において不均一にすることができる。これにより、温度調整端子における熱源又は冷却源に接続された部分の温度は略均一であるが、温度調整端子が接触している吐出ヘッドの部分の温度を、吐出ノズルの配列方向において互いに異ならせることができる。
[適用例9]上記適用例にかかるヘッドユニットにおいて、前記熱源又は前記冷却源は、熱容量が少なくとも前記吐出ヘッドより大きい部材であることが好ましい。
このヘッドユニットによれば、吐出ヘッドは、熱容量が吐出ヘッドより大きい部材と温度調整端子を介して熱伝導可能に接続されている。吐出ヘッドに熱エネルギが加えられて吐出ヘッドの温度が上昇した場合、部材にも熱エネルギが伝わり部材の温度も上昇させられる。しかし部材の熱容量が大きいため、同じ熱エネルギによる温度の上昇量が小さくなる。吐出ヘッドから熱エネルギが取り去られた場合も同様である。これにより、吐出ヘッドの温度変動を小さくすることができる。
[適用例10]上記適用例にかかるヘッドユニットにおいて、前記部材は、前記吐出ヘッドが取り付けられて支持されるヘッド支持部材であることが好ましい。
このヘッドユニットによれば、ヘッド支持部材は、吐出ヘッドを充分に支持できる大きさであって、吐出ヘッドより体積が大きく熱容量も大きいため、同じ熱エネルギによる吐出ヘッドの温度変動を小さくすることができる。
[適用例11]上記適用例にかかるヘッドユニットにおいて、前記熱源又は前記冷却源は、ヘッドユニットが設置されている環境の大気であることが好ましい。
このヘッドユニットによれば、吐出ヘッドに熱エネルギが加えられて吐出ヘッドの温度が上昇した場合、熱エネルギを大気中に放出することができる。吐出ヘッドから熱エネルギが取り去られた場合は、熱エネルギを大気から吸収することができる。これにより、吐出ヘッドの温度変動を小さくすることができる。
[適用例12]上記適用例にかかるヘッドユニットにおいて、前記温度調整端子が、前記熱源又は前記冷却源で構成されていることが好ましい。
このヘッドユニットによれば、熱源又は冷却源によって、吐出ヘッドの部分の温度を直接調整することができる。
[適用例13]上記適用例にかかるヘッドユニットにおいて、前記吐出ヘッドは、インクジェット方式の液滴吐出ヘッドであることが好ましい。
このヘッドユニットによれば、液滴吐出ヘッドにおいて、液滴吐出ヘッドの部分の温度を調整することによって、吐出ノズルからの単位吐出量である液滴の体積を適切な体積に調整することができる。
[適用例14]本適用例にかかる吐出装置は、上記適用例にかかるヘッドユニットを備えることを特徴とする。
この吐出装置によれば、それぞれの吐出ノズルからの吐出量を調整することができるヘッドユニットを備えることによって、それぞれの吐出ノズルから適切な吐出量の吐出を実施することができる。
[適用例15]上記適用例にかかる吐出装置において、前記複数の吐出ノズルのそれぞれの吐出ノズルにおける吐出量の温度特性の情報を取得する情報取得部と、吐出量の温度特性の情報に基づいて、前記熱源又は前記冷却源を備える温度調節装置を制御することによって、前記吐出ヘッドの各部分の温度を調整するヘッド部分温度制御部と、をさらに備えることが好ましい。
この吐出装置によれば、吐出ノズルにおける吐出量の温度特性の情報を取得して、当該情報に基づいて、温度調節装置を制御することができる。これにより、吐出ヘッドの各部分の温度を、当該部分の吐出ノズルにおける吐出量の温度特性に基づいて、当該部分の吐出ノズルが適切な吐出量を吐出できる温度に調整することができる。
[適用例16]上記適用例にかかる吐出装置において、前記吐出ヘッドの温度を測定する温度測定部をさらに備え、前記ヘッド部分温度制御部は、測定結果及び前記吐出量の温度特性に基づいて、前記吐出ヘッドの各部分の温度を調整することが好ましい。
この吐出装置によれば、温度測定部が測定した吐出ヘッドの温度に基づいて吐出ヘッドの各部分の温度が調整される。吐出ヘッドの温度が既知であることによって、吐出ヘッドの各部分の温度を、当該部分の吐出ノズルにおいて適切な吐出量が実現できる適切な温度に効率良く調整することができる。
[適用例17]上記適用例にかかる吐出装置において、前記温度測定部は、吐出重量測定部と、前記吐出重量測定部によって測定された吐出重量から前記吐出ヘッドの各部分の温度を算出する温度演算部と、を備えることが好ましい。
この吐出装置によれば、吐出ヘッドの各部分の温度を直接測定することに代えて、吐出重量を測定することによって、吐出ヘッドの各部分の温度を求めることができる。
[適用例18]本適用例にかかる吐出装置は、上記適用例にかかるヘッドユニットを備えることを特徴とする。
この吐出装置によれば、吐出ノズルからの吐出量を調整することができるヘッドユニットを備えることによって、それぞれの吐出ノズルから適切な吐出量の吐出を実施することができる。
[適用例19]本適用例にかかる吐出方法は、液状体を吐出する複数の吐出ノズルが形成されたノズルプレートと、前記ノズルプレートを支持すると共に、内部に前記複数の吐出ノズルのそれぞれの吐出ノズルに連通する前記液状体の流路が形成されているプレート保持部とを有する吐出ヘッドを用いる吐出方法であって、温度を調整するための温度調整端子を、前記プレート保持部の外壁の部分に接触させた状態で、前記温度調整端子の温度を調整することによって、当該温度調整端子が接触している前記プレート保持部の部分の温度を調整する温度調整工程を有することを特徴とする。
この吐出方法によれば、温度調整工程によって、吐出ヘッドにおける温度調整端子が接触している部分の温度を調整することができる。勿論、温度調整端子が接触している部分の周囲も、当該部分から熱が伝導する範囲において、当該部分に準じた温度調整をすることができる。吐出ノズルからの吐出量は、同じ駆動信号を印加しても、吐出ノズル及び液状体の温度によって吐出量が変動する。吐出ヘッドの部分の温度を調整することで、当該部分に在る吐出ノズルからの吐出量を調整することができる。吐出ノズルにおいて吐出ノズルからの吐出量を適正な吐出量に調整することができるため、吐出ヘッドにおける吐出ノズル間の吐出量のばらつきを抑制することもできる。
[適用例20]上記適用例にかかる吐出方法において、前記温度調整端子を前記吐出ノズルごとに配置し、前記温度調整工程において、前記吐出ノズルごとに前記吐出ヘッドの温度を調節することが好ましい。
この吐出方法によれば、吐出ノズルごとに配設された温度調整端子を介して、吐出ノズルごとに温度を調整することができる。これにより、吐出ノズルごとに、吐出量を調整することができる。
[適用例21]上記適用例にかかる吐出方法において、前記温度調整端子を、第一の複数の前記吐出ノズルから成るノズル群ごとに、配置し、前記温度調整工程において、前記ノズル群ごとに前記吐出ヘッドの温度を調節することが好ましい。
この吐出方法によれば、ノズル群ごとに配設された温度調整端子を介して、ノズル群ごとに温度を調整することができる。これにより、ノズル群ごとに、吐出ノズルからの吐出量を調整することができる。
[適用例22]上記適用例にかかる吐出方法において、前記温度調整端子の温度を調整するための熱源又は冷却源を、前記温度調整端子ごとに個別に設け、それぞれの前記熱源又は前記冷却源によって、前記温度調整端子の温度を個別に調節することが好ましい。
この吐出方法によれば、温度調整端子ごとに個別に設けられた熱源又は冷却源によって、温度調整端子ごとに温度を調整することができる。これにより、温度調整端子が対応する吐出ノズル又はノズル群ごとに、吐出量を調整することができる。
[適用例23]上記適用例にかかる吐出方法において、前記温度調整端子の温度を調整する熱源又は冷却源に、複数の前記温度調整端子を接続し、それぞれの前記熱源又は前記冷却源によって、少なくとも前記複数の温度調整端子のそれぞれの温度調整端子における前記熱源又は前記冷却源に接続された一端の温度を調節すると共に、同一の前記熱源又は前記冷却源に接続された前記複数の温度調整端子のそれぞれの前記温度調整端子における単位時間あたりの熱伝導量を、互いに異ならせることで、それぞれの前記温度調整端子が接続されている前記外壁に対応する前記流路に連通する前記吐出ノズル相互の、又は前記ノズル群相互の相対温度を調整することが好ましい。
この吐出方法によれば、1個の熱源又は冷却源を調整することで、複数の温度調整端子における熱源又は冷却源に接続された部分の温度を調整することができる。それぞれの温度調整端子における単位時間あたりの熱伝導量が互いに異なっていることによって、温度調整端子における熱源又は冷却源に接続された部分の温度が同一であっても、温度調整端子が接触している吐出ヘッドの部分の温度を、互いに異ならせることができる。
[適用例24]上記適用例にかかる吐出方法において、同一の前記熱源又は前記冷却源に接続された前記複数の温度調整端子のそれぞれの前記温度調整端子における、前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達方向に略直交する方向の断面積を、前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達経路の少なくとも一部において、互いに異ならせることが好ましい。
この吐出方法によれば、温度調整端子における、熱源又は冷却源から吐出ヘッドへの熱エネルギの伝達方向に略直交する方向の断面積が、少なくとも熱エネルギの伝達経路の一部において互いに異なる。当該断面を単位時間に伝達可能な熱量は断面積に依存するため、温度調整端子における単位時間あたりの熱伝導量を互いに異ならせることができる。
[適用例25]上記適用例にかかる吐出方法において、前記温度調整端子における、前記吐出ノズルの配列方向の単位長さあたり、及び単位時間あたりの熱伝導量を、前記吐出ノズルの配列方向において段階的又は連続的に異ならせることによって、当該温度調整端子が対応するノズル群におけるそれぞれの前記吐出ノズルに対応する前記外壁の部分へ伝達する単位時間あたりの熱伝導量を、それぞれの部分ごとに互いに異ならせることが好ましい。
この吐出方法によれば、温度調整端子において吐出ノズルの配列方向における単位時間あたりの熱伝導量が不均一になっている。このため、温度調整端子における熱源又は冷却源に接続された部分と吐出ヘッドに接続された部分との間の単位時間あたりの熱伝導量は、吐出ノズルの配列方向において吐出ヘッドの部分ごとに異なっている。これにより、温度調整端子における熱源又は冷却源に接続された部分の温度は略均一であるが、温度調整端子が接触している吐出ヘッドの部分の温度を、吐出ノズルの配列方向において互いに異ならせることができる。
[適用例26]上記適用例にかかる吐出方法において、前記温度調整端子における、前記温度調整端子の温度を調整する熱源又は冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達方向に略直交する方向の、前記吐出ノズルの配列方向の単位長さあたりの前記温度調整端子の断面積を、前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達経路の少なくとも一部において、前記吐出ノズルの配列方向において、段階的又は連続的に異ならせることによって、当該温度調整端子が対応するノズル群におけるそれぞれの前記吐出ノズルに対応する前記外壁の部分へ伝達する単位時間あたりの熱伝導量を、それぞれの部分ごとに互いに異ならせることが好ましい。
この吐出方法によれば、吐出ノズルの配列方向の単位長さあたりの温度調整端子の断面積が、吐出ノズルの配列方向において不均一である。当該断面を単位時間に伝達可能な熱量は断面積に依存するため、温度調整端子における単位時間あたりの熱伝導量を、吐出ノズルの配列方向において不均一にすることができる。これにより、温度調整端子における熱源又は冷却源に接続された部分の温度は略均一であるが、温度調整端子が接触している吐出ヘッドの部分の温度を、吐出ノズルの配列方向において互いに異ならせることができる。
[適用例27]上記適用例にかかる吐出方法において、前記温度調整端子が、熱源又は冷却源であって、前記温度調整工程においては、当該熱源又は当該冷却源の温度を調節することで、前記吐出ヘッドの温度を調節することが好ましい。
この吐出方法によれば、熱源又は冷却源によって、吐出ヘッドの部分の温度を直接調整することができる。
[適用例28]上記適用例にかかる吐出方法において、前記複数の吐出ノズルのそれぞれの前記吐出ノズルにおける吐出量の温度特性の情報を取得する情報取得工程をさらに有し、前記温度調整工程において、前記情報取得工程において取得した吐出量の温度特性の情報に応じて、前記吐出ヘッドの部分ごとに温度を調整することが好ましい。
この吐出方法によれば、情報取得工程において吐出ノズルにおける吐出量の温度特性の情報を取得して、当該情報に基づいて、温度調整工程を実施することができる。これにより、吐出ヘッドの各部分の温度を、当該部分の吐出ノズルにおける吐出量の温度特性に基づいて、当該部分の吐出ノズルが適切な吐出量を吐出できる温度に調整することができる。
[適用例29]上記適用例にかかる吐出方法において、前記吐出ヘッドの温度を測定する温度測定工程をさらに有し、前記温度調整工程において、前記温度測定工程における測定結果及び前記情報取得工程で取得した前記吐出量の温度特性に基づいて、前記吐出ヘッドの各部分の温度を調整することが好ましい。
この吐出方法によれば、温度測定工程において測定された吐出ヘッドの温度に基づいて吐出ヘッドの各部分の温度が調整される。吐出ヘッドの温度が既知であることによって、吐出ヘッドの各部分の温度を、当該部分の吐出ノズルにおいて適切な吐出量が実現できる適切な温度に効率良く調整することができる。
[適用例30]上記適用例にかかる吐出方法において、前記温度調整工程は、前記吐出ヘッドから単位時間に吐出される吐出重量を測定する吐出重量測定工程と、前記吐出重量測定工程において測定された吐出重量から前記吐出ヘッドの各部分の温度を算出する温度演算工程と、を有することが好ましい。
この吐出方法によれば、吐出ヘッドの各部分の温度を直接測定することに代えて、吐出重量を測定することによって、吐出ヘッドの各部分の温度を求めることができる。
以下、ヘッドユニット、吐出装置、及び吐出方法の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。実施形態は、吐出装置の一例であるインクジェット方式の液滴吐出装置を用いて、液晶表示装置を構成するカラーフィルタを有する基板に対してカラーフィルタを構成する色要素膜(フィルタ膜)などを形成する工程を例に説明する。なお、以下の説明において参照する図面では、図示の便宜上、部材又は部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
(第一の実施形態)
本実施形態に係る液滴吐出装置は、液晶装置の製造ラインに組み込まれており、樹脂を含む機能液を導入したインクジェット方式の液滴吐出ヘッドを用い、描画対象物上に当該機能液を配置することで、カラーフィルタの色要素膜などを形成するものである。
<液滴吐出法>
最初に、フィルタ膜などの機能膜の形成に用いられる液滴吐出法について説明する。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。
このうち、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。ピエゾ方式は、液状材料に熱を直接加えることがないため、材料の組成などに影響を与えない、駆動電圧を調整することによって液滴の大きさを容易に調整することができるなどの利点を有する。本実施形態では、材料の組成などに影響を与えないため液状材料選択の自由度が高いこと、及び液滴の大きさを容易に調整することができるため液滴の制御性がよいことから、上記ピエゾ方式を用いる。
<液滴吐出装置>
次に、液滴吐出装置1の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、液滴吐出装置の概略構成を示す平面図である。図2は、液滴吐出装置の概略構成を示す側面図である。
図1、又は図2に示したように、液滴吐出装置1は、液滴吐出ヘッド17(図3参照)を有する吐出ユニット2と、ワークユニット3と、給液ユニット60(図9参照)と、検査ユニット4と、メンテナンスユニット5と、吐出装置制御部6(図9参照)とを備えている。
吐出ユニット2は、液状体に相当する機能液を液滴として吐出する液滴吐出ヘッド17を12個備えており、当該液滴吐出ヘッド17をY軸方向に移動させると共に移動した位置に保持するためのY軸テーブル12を備えている。ワークユニット3は、液滴吐出ヘッド17から吐出された液滴の吐出対象であるワークWを載置するワーク載置台21を有している。給液ユニット60は、機能液を貯留する貯留タンク(図示省略)を有し、液滴吐出ヘッド17への機能液の供給を行う。検査ユニット4は、液滴吐出ヘッド17からの吐出状態を検査するための、吐出検査ユニット18及び重量測定ユニット19を有しており、重量測定ユニット19にはフラッシングユニット14が併設されている。メンテナンスユニット5は、液滴吐出ヘッド17の保守を行う吸引ユニット15及びワイピングユニット16を有している。
吐出装置制御部6は、これら各ユニットなどを総括的に制御する。重量測定ユニット19、吐出ユニット2、吐出検査ユニット18、又はメンテナンスユニット5などを用いて実施される重量測定処理、描画処理、吐出検査処理、及びメンテナンス処理などは、吐出装置制御部6が各ユニットなどを制御して実施される。
液滴吐出装置1は、石定盤に支持されたX軸支持ベース1Aを備え、各ユニットなどが、X軸支持ベース1Aの上に配設されている。X軸テーブル11は、主走査方向となるX軸方向に延在して、X軸支持ベース1Aの上に配設されており、ワーク載置台21をX軸方向(主走査方向)に移動させる。
吐出ユニット2のY軸テーブル12は、複数本の支柱7Aを介してX軸テーブル11を跨ぐように架け渡された一対のY軸支持ベース7,7の上に配設され、副走査方向となるY軸方向に延在している。吐出ユニット2は、12個の液滴吐出ヘッド17を有するキャリッジユニット51を備えている。キャリッジユニット51は、ブリッジプレート52に吊設されている。ブリッジプレート52は、Y軸スライダ(図示省略)を介して、Y軸テーブル12に、Y軸方向に摺動自在に支持されている。Y軸テーブル12は、ブリッジプレート52(キャリッジユニット51)を、Y軸方向(副走査方向)に移動させる。
X軸テーブル11及びY軸テーブル12の駆動と同期して、吐出ユニット2の液滴吐出ヘッド17を吐出駆動させることにより、機能液の液滴を吐出させることで、ワーク載置台21の上に載置されたワークWに対して、任意の描画パターンを描画する。
吐出検査ユニット18は、検査描画ユニット161と、撮像ユニット162とを有している。検査描画ユニット161は、X軸第2スライダ23に固定されており、同じくX軸第2スライダ23に固定された重量測定ユニット19及びフラッシングユニット14と一体に移動するように構成されている。撮像ユニット162は、2個の検査カメラ163と、検査カメラ163をY軸方向にスライド自在に支持するカメラ移動機構164と、を有している。
メンテナンスユニット5が備える吸引ユニット15及びワイピングユニット16は、X軸テーブル11から外れ、かつY軸テーブル12によりキャリッジユニット51が移動可能である位置に配設された架台8の上に配設されている。吸引ユニット15は、分割吸引ユニット141を有し、液滴吐出ヘッド17を吸引して、液滴吐出ヘッド17の吐出ノズル78(図3参照)から機能液を強制的に排出させる。ワイピングユニット16は、洗浄液を噴霧したワイピングシート16aを有し、吸引後の液滴吐出ヘッド17のノズル形成面76a(図3参照)を拭き取る(ワイピングを行う)ものである。このようにして、吸引ユニット15及びワイピングユニット16は、吐出ユニット2の液滴吐出ヘッド17の機能維持又は機能回復を図るための保守作業を実施する。
X軸テーブル11は、X軸第1スライダ22と、X軸第2スライダ23と、左右一対のX軸リニアモータ26,26と、一対のX軸共通支持ベース24,24と、を備えている。
X軸第1スライダ22には、ワーク載置台21が取り付けられている。X軸第1スライダ22は、X軸方向に延在するX軸共通支持ベース24に、X軸方向にスライド自在に支持されている。X軸第2スライダ23には、検査描画ユニット161と、重量測定ユニット19と、フラッシングユニット14とが取り付けられている。X軸第2スライダ23は、X軸方向に延在するX軸共通支持ベース24に、X軸方向にスライド自在に支持されている。X軸リニアモータ26は、X軸共通支持ベース24に並設されており、X軸第1スライダ22又はX軸第2スライダ23をX軸共通支持ベース24に沿って移動させることによって、ワーク載置台21(ワーク載置台21に載置されたワークW)又は重量測定ユニット19などをX軸方向に移動させる。X軸第1スライダ22とX軸第2スライダ23とは、X軸リニアモータ26により個別に駆動可能である。X軸方向が主走査方向に相当し、Y軸方向が副走査方向に相当する。
ワーク載置台21は、ワークWを吸着セットする吸着テーブル31と、吸着テーブル31を支持し、吸着テーブル31にセットしたワークWの位置をθ軸方向にθ補正するためのθテーブル32などを有している。θテーブル32は、θ駆動モータ532を有し、当該θ駆動モータ532によって駆動される。
図1及び図2におけるワーク載置台21の位置が、ワークWの給除材を行うための給除材位置となっており、未処理のワークWを吸着テーブル31に導入(給材)するときや、処理済のワークWを回収(除材)するときには、吸着テーブル31をこの位置まで移動させる。当該給除材位置において、ロボットアーム(図示省略)により、吸着テーブル31に対するワークWの搬入・搬出(載換え)が行われる。吸着テーブル31に給材された未処理のワークWのアライメントは、θテーブル32を用いて、給除材位置において実施される。
画像認識ユニット80は、2台のアライメントカメラ81と、カメラ移動機構82と、を有している。カメラ移動機構82は、X軸支持ベース1Aの上に、Y軸方向に延在して、X軸テーブル11を跨ぐように配設されている。アライメントカメラ81は、カメラホルダ(図示省略)を介して、カメラ移動機構82に、Y軸方向にスライド自在に支持されている。カメラ移動機構82に支持されたアライメントカメラ81は、X軸テーブル11に上側から臨み、X軸テーブル11の上のワーク載置台21に載置されたワークWの各基準マーク(アライメントマーク)を画像認識することができる。2台のアライメントカメラ81は、カメラ移動モータ(図示省略)によって、それぞれ独立してY軸方向に移動させられる。
各アライメントカメラ81は、ワーク載置台21のX軸方向への移動と協働して、カメラ移動機構82によりY軸方向に移動しながら、上記したロボットアームが給材した各種ワークWのアライメントマークを撮像して、各種ワークWの位置認識を実施する。そして、このアライメントカメラ81の撮像結果に基づいて、θテーブル32によるワークWのθ補正(アライメント)が実施される。
Y軸テーブル12は、一対のY軸スライダ(図示省略)と、一対のY軸リニアモータ(図示省略)と、を備えている。一対のY軸リニアモータは、上記した一対のY軸支持ベース7,7の上にそれぞれ設置されて、Y軸方向に延在している。一対のY軸スライダは、一対のY軸支持ベース7,7のそれぞれに各1個ずつ摺動自在に支持されている。一対のY軸支持ベース7,7のそれぞれに支持された各1個のY軸スライダからなる一対のY軸スライダは、吐出ユニット2を構成するキャリッジユニット51が固定されたブリッジプレート52を両持ちで支持している。吐出ユニット2を構成するキャリッジユニット51を固定したブリッジプレート52は、ブリッジプレート52を両持ちで支持するY軸スライダを介して、一対のY軸支持ベース7,7の上に設置されている。
一対のY軸リニアモータを(同期して)駆動すると、各Y軸スライダが一対のY軸支持ベース7,7を案内にして同時にY軸方向に平行移動する。これにより、ブリッジプレート52がY軸方向に移動し、ブリッジプレート52に吊設されたキャリッジユニット51がY軸方向に移動する。
キャリッジユニット51は、12個の液滴吐出ヘッド17と、12個の液滴吐出ヘッド17を6個ずつ2群に分けて支持するキャリッジプレート53(図6参照)と、を有するヘッドユニット54(図6参照)を備えている。ヘッドユニット54は、ヘッド昇降機構(図示省略)を介して、Z軸方向に昇降自在に支持されている。
<液滴吐出ヘッド>
次に、図3を参照して、液滴吐出ヘッド17について説明する。図3は、液滴吐出ヘッドの構成を示す図である。図3(a)は、液滴吐出ヘッドをノズルプレート側から見た外観斜視図であり、図3(b)は、液滴吐出ヘッドの圧力室周りの構造を示す斜視断面図であり、図3(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズル部の構造を示す断面図である。液滴吐出ヘッド17が、吐出ヘッドに相当する。
図3(a)に示したように、液滴吐出ヘッド17は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針72,72を有する液体導入部71と、液体導入部71の側方に連なるヘッド基板73と、液体導入部71に連なるポンプ部75と、ポンプ部75に連なるノズルプレート76とを備えている。液体導入部71の接続針72には、配管接続部材が接続されて、当該配管接続部材を介して給液チューブが接続され、給液チューブに接続された給液ユニット60(図9参照)から機能液が供給される。ヘッド基板73には、一対のヘッドコネクタ77,77が実装されており、当該ヘッドコネクタ77を介してフレキシブルフラットケーブル(FFCケーブル)が接続される。このポンプ部75とノズルプレート76とにより、方形のヘッド本体74が構成されている。
ポンプ部75の基部側、即ちヘッド本体74の基部側は、液体導入部71及びヘッド基板73を受けるべく方形フランジ状にフランジ部79が形成されている。このフランジ部79には、液滴吐出ヘッド17を副ヘッド保持部材103(図4参照)に固定する小ねじ用のねじ孔(雌ねじ)79aが一対形成されている。副ヘッド保持部材103を貫通してねじ孔79aに螺合したヘッド止めねじ107(図4参照)により、液滴吐出ヘッド17が副ヘッド保持部材103に固定される。
ノズルプレート76のノズル形成面76aには、ノズルプレート76に形成されており液滴を吐出する吐出ノズル78から成るノズル列78Aが、2本形成されている。2本のノズル列78Aは相互に平行に列設されており、各ノズル列78Aは、等ピッチで並べた180個(図示では模式的に表している)の吐出ノズル78で構成されている。即ち、ヘッド本体74のノズル形成面76aには、その中心線を挟んで2本のノズル列78Aが配設されている。
液滴吐出ヘッド17が液滴吐出装置1に取り付けられた状態では、ノズル列78AはY軸方向に延在する。2列のノズル列78Aをそれぞれ構成する吐出ノズル78同士は、Y軸方向において、相互に半ノズルピッチずつ位置ずれている。1ノズルピッチは、例えば140μmである。X軸方向の同じ位置において、それぞれのノズル列78Aを構成する吐出ノズル78から吐出された液滴は、設計上では、Y軸方向に等間隔に並んで一直線上に着弾する。吐出ノズル78のノズルピッチが140μmの場合、着弾位置の中心間距離は、設計上では、70μmである。
図3(b)及び(c)に示すように、液滴吐出ヘッド17は、ノズルプレート76にポンプ部75を構成する圧力室プレート151が積層されており、圧力室プレート151に振動板152が積層されている。
圧力室プレート151には、液体導入部71から振動板152の液供給孔153を経由して供給される機能液が常に充填される液たまり155が形成されている。液たまり155は、振動板152と、ノズルプレート76と、圧力室プレート151の壁とに囲まれた空間である。また、圧力室プレート151には、複数のヘッド隔壁157によって区切られた圧力室158が形成されている。振動板152と、ノズルプレート76と、2個のヘッド隔壁157とによって囲まれた空間が圧力室158である。
圧力室158は吐出ノズル78のそれぞれに対応して設けられており、圧力室158の数と吐出ノズル78の数とは同じである。圧力室158には、2個のヘッド隔壁157の間に位置する供給口156を介して、液たまり155から機能液が供給される。ヘッド隔壁157と圧力室158と吐出ノズル78と供給口156との組は、液たまり155に沿って1列に並んでおり、1列に並んだ吐出ノズル78がノズル列78Aを形成している。図3(b)では図示省略したが、図示した吐出ノズル78を含むノズル列78Aに対して液たまり155に関して略対称位置に、1列に並んだ吐出ノズル78がもう一列のノズル列78Aを形成しており、対応するヘッド隔壁157と圧力室158と供給口156との組が、1列に並んでいる。圧力室プレート151及び振動板152、又は圧力室プレート151及び振動板152を含むポンプ部75が、プレート保持部に相当する。
振動板152の圧力室158を構成する部分には、それぞれ圧電素子159の一端が固定されている。圧電素子159の他端は、固定板(図示省略)を介して液滴吐出ヘッド17全体を支持する基台(図示省略)に固定されている。
圧電素子159は電極層と圧電材料とを積層した活性部を有し、電極層に駆動電圧を印加することで、活性部が長手方向(図3(b)又は(c)における振動板152の厚さ方向)に縮む。活性部が縮むことで、圧電素子159の一端が固定された振動板152が圧力室158と反対側に引張られる力を受ける。振動板152が圧力室158と反対側に引張られることで、振動板152が圧力室158の反対側に撓む。これにより、圧力室158の容積が増加することから、機能液が液たまり155から供給口156を経て圧力室158に供給される。次に、電極層に印加されていた駆動電圧が解除されると、活性部が元の長さに戻ることで、圧電素子159が振動板152を押圧する。振動板152が押圧されることで、圧力室158側に戻る。これにより、圧力室158の容積が急激に元に戻る、即ち増加していた容積が減少することから、圧力室158内に充填されていた機能液に圧力が加わり、当該圧力室158に連通して形成された吐出ノズル78から機能液が液滴となって吐出される。機能液が流動する、液たまり155、供給口156、及び圧力室158などが、機能液の流路に相当する。
吐出装置制御部6は、圧電素子159への印加電圧の制御、即ち駆動信号を制御することにより、複数の吐出ノズル78のそれぞれに対して、機能液の吐出制御を行う。より詳細には、吐出ノズル78から吐出される液滴の体積や、単位時間あたりに吐出する液滴の数などを変化させることができる。これにより、基板上に着弾した液滴同士の距離や、基板上の一定の面積に着弾させる機能液の量などを変化させることができる。例えば、ノズル列78Aに並ぶ複数の吐出ノズル78の中から、液滴を吐出させる吐出ノズル78を選択的に使用することにより、ノズル列78Aの延在方向では、ノズル列78Aの長さの範囲であって吐出ノズル78のピッチ間隔で、複数の液滴を同時に吐出することができる。ノズル列78Aの延在方向と略直交する方向では、基板と吐出ノズル78とを相対移動させて、当該相対移動方向において、当該吐出ノズル78が対向可能な、基板の任意の位置に吐出ノズル78から吐出される液滴を配置することができる。なお、吐出ノズル78のそれぞれから吐出される液滴の体積は、例えば1pl〜300pl(ピコリットル)の間で可変である。
<液滴吐出ヘッド、及び冷却ユニットの取り付け>
次に、液滴吐出ヘッド17のキャリッジプレート53への取付構造、及び冷却ユニット110の取付構造について、図4を参照して説明する。図4は、液滴吐出ヘッド、及び冷却ユニットのキャリッジプレートへの取付構造を示す図である。図4(a)は、キャリッジプレートに取り付けられた液滴吐出ヘッド及び冷却ユニットをノズルプレート側からみた平面図であり、図4(b)は、図4(a)にA−Aで示した断面の断面図であり、図4(c)は、キャリッジプレートに取り付けられた液滴吐出ヘッド及び冷却ユニットの側面図であり、図4(d)は、キャリッジプレートに取り付けられた冷却ユニットの側面図であり、図4(e)は、冷却ユニットの端子基板の平面図である。
図4(a)、(b)、及び(c)に示したように、液滴吐出ヘッド17は、主ヘッド保持部材102及び副ヘッド保持部材103を介して、キャリッジプレート53に取り付けられている。主ヘッド保持部材102及び副ヘッド保持部材103は、液滴吐出ヘッド17をキャリッジプレート53に精度良く位置決めすると共に、キャリッジプレート53への着脱を容易にするためのものである。
キャリッジプレート53にはヘッド開口53aが形成されており、主ヘッド保持部材102がヘッド開口53aを略覆うように、キャリッジプレート53に固定されている。主ヘッド保持部材102は、主ヘッド保持部材102に形成された孔を貫通してキャリッジプレート53に形成されたねじ孔に螺合した3本の保持部材ねじ108により、キャリッジプレート53に固定されている。以降、主ヘッド保持部材102がセットされた側を「裏面側」と表記し、反対側を「表面側」と表記する。
主ヘッド保持部材102にはフランジ開口102aが形成されており、副ヘッド保持部材103は、その長辺方向の両端部でフランジ開口102aを跨ぐようにして、主ヘッド保持部材102の裏面側に固定されている。副ヘッド保持部材103は、副ヘッド保持部材103に形成された孔を貫通して主ヘッド保持部材102に形成されたねじ孔に螺合した2本の保持部材ねじ108により、主ヘッド保持部材102に固定されている。
副ヘッド保持部材103は、ステンレスなどで構成された略長方形の平板状に形成されている。副ヘッド保持部材103には、その中央に液滴吐出ヘッド17のヘッド本体74が挿通する方形のヘッド本体開口103dが形成されている。上記したように、副ヘッド保持部材103は、フランジ開口102aを跨ぐようにして主ヘッド保持部材102の裏面側にセットされている。これに対し液滴吐出ヘッド17は、そのヘッド本体74をヘッド本体開口103dに挿通してヘッド本体74を副ヘッド保持部材103の裏面側に突出させるようにして、主ヘッド保持部材102の表面側からセットされている。液滴吐出ヘッド17は、副ヘッド保持部材103に形成された孔を貫通してフランジ部79に形成されたねじ孔79aに螺合した2本のヘッド止めねじ107により、副ヘッド保持部材103に固定されている。
副ヘッド保持部材103のヘッド本体開口103dの周囲には、上記したねじ孔79aに対応する2つの貫通孔、及びヘッド本体開口103dの中心線上において第一調整穴103aと第二調整穴103bとが形成されている。第一調整穴103a及び第二調整穴103bは、位置補正用の調整ピンが係合される部位である。
また、ヘッド本体開口103dの中心線上において、第一調整穴103a及び第二調整穴103bのヘッド本体開口103dの反対側には2つの接着剤孔103cが、ヘッド本体開口103dに関して略対称位置に形成されている。各接着剤孔103cは副ヘッド保持部材103の横断方向に延びる長孔となっている。接着剤孔103cに接着剤を注入して、当該接着剤(図示省略)によって副ヘッド保持部材103を主ヘッド保持部材102に接着固定する。
1個の液滴吐出ヘッド17に対応して、2個の冷却ユニット110が取り付けられている。冷却ユニット110は、ヘッド本体74における液滴吐出ヘッド17のノズル列78Aの延在方向に延在する外面に沿って固定されている。
図4(d)に示したように、冷却ユニット110は、冷却素子111と端子基板112とを有している。端子基板112は、ベースフィルム116と伝熱パターン114とカバーフィルム117とが、伝熱パターン114を中に挟む状態で積層されて形成されている。ベースフィルム116及びカバーフィルム117は、例えばポリイミドのような、可撓性に富む材料で形成されている。伝熱パターン114は、例えば銅のような熱伝導率が高い材料で、曲げ変形可能な箔状又は薄板状の形状に形成されている。
伝熱パターン114におけるカバーフィルム117によって覆われておらず露出した部分が、液滴吐出ヘッド17のヘッド本体74の外壁に熱伝導性に富む材料で形成された接着剤を用いて接着されている。ベースフィルム116における図4(e)に示した開口部116aの部分で露出した伝熱パターン114には、冷却素子111が固定されている。冷却素子111は、フレキシブルフラットケーブル(図示省略)によって、電気的に吐出装置制御部6(図9参照)に接続されており、吐出装置制御部6によって温度が制御される。
冷却素子111によって、冷却素子111に固定された伝熱パターン114が冷却され、伝熱パターン114が接着されているヘッド本体74の外壁が冷却される。図3を参照して説明したように、当該外壁の内側には、圧力室158が形成されており、外壁が冷却されることで、圧力室158や、ノズルプレート76の圧力室158に臨む部分や、圧力室158内の機能液などが、冷却される。
図4(e)に示したように、端子基板112の伝熱パターン114は、伝熱基部114aと、伝熱基部114aから櫛歯状に突出した端子部114b及び端子部114cと、を有している。伝熱パターン114の厚さは略均一である。
伝熱基部114aは、片面がカバーフィルム117に覆われており、もう一面は、周辺部分がベースフィルム116に覆われており、ベースフィルム116の開口部116aの部分が露出している。この伝熱基部114aの露出部分に、冷却素子111が、熱伝導可能に接続される。
端子部114b、及び端子部114cは、伝熱基部114aから櫛歯状に突出しており、片面が伝熱基部114aと共にベースフィルム116に覆われている。もう片面は、カバーフィルム117が、伝熱基部114aから端子部114b及び端子部114cの伝熱基部114aへの付け根部分までを覆っており、端子部114b及び端子部114cの大部分は露出している。この端子部114b及び端子部114cにおける露出部分がヘッド本体74の外壁に熱伝導可能に接続される。
端子部114cは、伝熱基部114aへの付け根側の端子伝熱部114vと、先端側の端子端部114wと、で構成されている。端子端部114wが、ヘッド本体74の外壁における上述した圧力室158に略臨む位置に熱伝導可能に接続される。端子端部114wの幅は端子部114bの幅と同一に設定されており、端子部114cが圧力室158などに臨む範囲は、端子部114bと同様である。端子伝熱部114vの幅が端子端部114wより小さくなっており、伝熱基部114aから端子端部114wに単位時間当たりに伝わる熱量は、伝熱基部114aから端子部114bの先端側に単位時間当たりに伝わる熱量より少なくなっている。端子伝熱部114vの幅を変えることによって、伝熱基部114aから端子端部114wに単位時間当たりに伝わる熱量が異なる端子部114cを形成することができる。図4では1種類のみ示したが、伝熱パターン114は、端子伝熱部114vの幅が互いに異なる複数種類の端子部114cを有している。
冷却素子111が、冷却源に相当し、伝熱パターン114の端子部114b、及び端子部114cが、温度調整端子に相当する。
<吐出ノズル温度、吐出重量、及び端子部>
次に、吐出ノズル温度と吐出重量との関係、液滴吐出ヘッド17における吐出ノズル78ごとの吐出重量の分布、及び端子伝熱部114vの形状について、図5を参照して説明する。
なお、吐出ノズル78や圧力室158を構成する振動板152とノズルプレート76とヘッド隔壁157と、及び圧力室158内の機能液の温度を総称して、吐出ノズル78の吐出ノズル温度と表記する。これらの各部の温度は厳密には一様ではないが、測定可能な部分の温度を、吐出ノズル温度として用いる。吐出ノズル78や、圧力室158や、圧力室158内の機能液の温度を直接測定することは非常に困難であるため、ここでの吐出ノズル温度としては、例えば圧電素子159の振動板152と接触する端部の温度を用いる。
吐出重量は、単位時間あたりに吐出される機能液の重量であって、本実施形態では、吐出ノズル78から吐出される機能液の液滴一滴の重量である。なお、吐出量は、単位時間あたりに吐出される機能液の量であって、本実施形態では、吐出ノズル78から吐出される機能液の液滴一滴の量(体積)である。吐出ノズル78から吐出される機能液の液滴一滴の量を重量で表す場合に吐出重量と表記し、体積で表す場合には吐出量と表記する。
図5(a)は、吐出ノズルの温度と吐出重量の関係を示す図であり、図5(b)は、ノズル列における吐出ノズルごとの吐出重量を示す図であり、図5(c)は、端子基板における端子伝熱部の幅の分布を示す図であり、図5(d)は、冷却ユニットを用いた場合のノズル列における吐出ノズルごとの温度を示す図である。
図5(a)に示したように、吐出ノズルの温度が高くなると吐出重量が増加する。
図5(b)に示したように、ノズル列78Aを構成する#1から#180までの180個の吐出ノズル78のそれぞれの吐出重量は互いに異なっている。ノズル列78Aの両方の端に近い吐出ノズル78の吐出重量の方が、ノズル列78Aの中央に近い位置の吐出ノズル78の吐出重量より大きい傾向がある。この場合の180個の吐出ノズル78の温度は略均一である。
図5(c)に示したように、ノズル列78Aにおける5個の吐出ノズル78に対して1個の端子部114b又は端子部114cが設けられており、端子基板112には、ノズル列78Aにおける180個の吐出ノズル78に対応して、36個の端子部114b又は端子部114cが形成されている。本実施形態においては、端子部114cにおける端子伝熱部114vの幅は、端子基板112の両方の端に近い端子部114cにおける端子伝熱部114vの幅を、端子基板112の中央に近い位置の端子部114cにおける端子伝熱部114vの幅より大きくしてある。端子部114bは、端子伝熱部114vの幅が端子端部114wと同じである端子部114cに相当し、端子基板112の両方の端には端子部114bが形成されている。端子基板112における端子伝熱部114vの幅のこのような分布は、図5(b)に示したノズル列78Aを構成する180個の吐出ノズル78のそれぞれの吐出重量の分布に対応した分布である。
5個の吐出ノズル78に対して1個の端子部114b又は端子部114cが設けられた構成における、1個の端子部114b又は端子部114cが対応する5個の吐出ノズル78が、ノズル群に相当する。
端子伝熱部114vの幅が広い方が、単位時間に通過する熱量は多くなるため、端子基板112の両方の端に近い位置の端子部114cが接触している部分の方が、中央に近い位置の端子部114cが接触している部分より、冷却素子111によって冷却されやすくなっている。このため、図5(d)に示したように、ノズル列78Aを構成する180個の吐出ノズル78の温度は、ノズル列78Aの両方の端に近い吐出ノズル78の温度の方が、ノズル列78Aの中央に近い位置の吐出ノズル78の温度より低くなっている。図5(a)に示したように、吐出ノズルの温度が低くなると吐出重量が減少するため、図5(b)に示した、ノズル列78Aの両方の端に近い吐出ノズル78の吐出重量の方が、ノズル列78Aの中央に近い位置の吐出ノズル78の吐出重量より大きい傾向が緩和されて、ノズル列78Aを構成する180個の吐出ノズル78の吐出重量が略均一になる。
<ヘッドユニット>
次に、吐出ユニット2が備えるヘッドユニット54の概略構成について、図6を参照して説明する。図6は、ヘッドユニットの概略構成を示す平面図である。図6に示したX軸及びY軸は、ヘッドユニット54が液滴吐出装置1に取り付けられた状態において、図1に示したX軸及びY軸と一致している。
図6に示したように、ヘッドユニット54は、キャリッジプレート53と、キャリッジプレート53に搭載された12個の液滴吐出ヘッド17と、12個の冷却ユニット110と、を有している。上述したように、液滴吐出ヘッド17は、キャリッジプレート53に固定されており、ヘッド本体74がキャリッジプレート53に形成された孔(図示省略)に遊嵌して、ノズルプレート76(ヘッド本体74)が、キャリッジプレート53の面より突出している。1個の液滴吐出ヘッド17に対してそれぞれ2個の冷却ユニット110が、液滴吐出ヘッド17の両側に1個ずつ配設されている。図6は、ノズルプレート76(ノズル形成面76a)側から見た図である。12個の液滴吐出ヘッド17は、Y軸方向に分かれて、それぞれ6個ずつの液滴吐出ヘッド17を有するヘッド組55を2群形成している。それぞれの液滴吐出ヘッド17のノズル列78AはY軸方向に延在している。
一つのヘッド組55が有する6個の液滴吐出ヘッド17は、Y軸方向において、互いに隣り合う液滴吐出ヘッド17の、一方の液滴吐出ヘッド17の端の吐出ノズル78に対して、もう一方の液滴吐出ヘッド17の端の吐出ノズル78が半ノズルピッチずれて位置するように、位置決めされている。仮に、ヘッド組55が有する6個の液滴吐出ヘッド17において、全ての吐出ノズル78のX軸方向の位置を同じにすると、吐出ノズル78は、Y軸方向に半ノズルピッチの等間隔で並ぶ。即ち、X軸方向の同じ位置において、それぞれの液滴吐出ヘッド17が有するそれぞれのノズル列78Aを構成する吐出ノズル78から吐出された液滴は、設計上では、Y軸方向に等間隔に並んで一直線上に着弾する。液滴吐出ヘッド17は、Y軸方向において互いに重なるため、X軸方向に階段状に並んでヘッド組55を構成している。
<吐出検査ユニット>
次に、吐出検査ユニット18について、図7を参照して説明する。図7は、検査描画ユニットの全体構成を示す外観斜視図である。図1を参照して説明したように、吐出検査ユニット18は、検査描画ユニット161と、撮像ユニット162とを有している。検査描画ユニット161は、重量測定ユニット19及びフラッシングユニット14と一体に移動するように構成されている。
吐出検査ユニット18は、吐出ユニット2を構成する全液滴吐出ヘッド17(の吐出ノズル78)から機能液が適切に吐出されているか否かを検査するためのものである。検査描画ユニット161は、吐出ユニット2を構成するヘッドユニット54がY軸方向においてワーク載置台21に載置されたワークWに対向可能な位置にある場合、ヘッドユニット54が備える全液滴吐出ヘッド17の全吐出ノズル78から検査吐出された機能液を受けられるように構成されている。撮像ユニット162は、検査描画ユニット161に描画された検査パターン(着弾ドットのパターン)を撮像して検査する。上述したように、検査描画ユニット161はX軸テーブル11に搭載されている。撮像ユニット162はY軸テーブル12直下で、Y軸支持ベース7に固定されて検査位置に固定的に設けられており、2個の検査カメラ163,163は、それぞれ独立してY軸方向に移動可能である。
図7に示すように、検査描画ユニット161は、検査シート171と、検査ステージ172と、シート送り手段173と、シート送り支持部材174と、ユニットベース175と、を備えている。検査シート171は、液滴吐出ヘッド17から検査吐出された機能液の液滴を着弾させるための帯状のシートで、Y軸方向に延在している。検査ステージ172はY軸方向に延在しており、検査ステージ172の上に検査シート171が載っている。シート送り手段173が、非検査済み部分を検査ステージ172に送り込むように、かつ検査シート171の検査済み部分を検査ステージ172から送り出すように、検査シート171を移動させる。シート送り手段173は、シート送り支持部材174に支持されており、シート送り支持部材174は、ユニットベース175に支持されている。
図2を参照して説明したように、撮像ユニット162は、2個の検査カメラ163,163と、検査カメラ163をY軸方向にスライド自在に支持するカメラ移動機構164と、を有している。検査カメラ163は、検査シート171に検査吐出された着弾ドットを画像認識するもので、X軸テーブル11に上側から臨む姿勢で、Y軸支持ベース7に固定されたカメラ移動機構164を介して、Y軸方向にスライド自在にY軸支持ベース7に支持されている。
検査描画ユニット161は、吸着テーブル31が給除材位置に移動したときに、検査シート171が撮像ユニット162の検査カメラ163に臨む位置に移動して当該位置に位置することが可能である。2個の検査カメラ163による撮像結果は、吐出装置制御部6に送信されて画像認識され、この画像認識に基づいて、各液滴吐出ヘッド17の各吐出ノズル78が正常に機能液を吐出しているか(ノズル詰まりがないか)否かが判定される。また、着弾した液滴の相対位置が規定された位置であるか否かが判定される。
<重量測定ユニット>
次に、重量測定ユニット19及びフラッシングユニット14について、図8を参照して説明する。図8は、重量測定ユニットの部分及びフラッシングユニットの部分を含む重量測定ブロックの図である。図8(a)は、重量測定ブロックの平面図であり、図8(b)は、重量測定ブロックの側面図である。上述したように、重量測定ユニット19、フラッシングユニット14、及び検査描画ユニット161が一体に設けられた吐出検査ブロックが、一体に移動するように構成されている。
図8に示すように、重量測定ブロック91Aは、2個の重量測定装置91と、支持フレーム92とを備えている。支持フレーム92は、2個の重量測定装置91を支持しており、支持フレーム92がX軸第2スライダ23に固定されて、重量測定ブロック91AがX軸第2スライダ23に搭載されている。一つの重量測定装置91が一つのヘッド組55に対応しており、並列する二つの重量測定装置91が、一つのヘッドユニット54に対応している。
重量測定装置91は、定期フラッシングボックス93と、受液容器94と、電子天秤99(図8(a)では受液容器94の下に隠れている)と、重量測定時フラッシングボックス95と、機能液吸収材97と、押えプレート98と、これらを収容するケース96と、を有している。定期フラッシングボックス93と、重量測定時フラッシングボックス95と、機能液吸収材97と、押えプレート98とは、フラッシングユニット14に含まれる。受液容器94と、電子天秤99とは、重量測定ユニット19に含まれる。
受液容器94は、ヘッド組55を構成する6個の液滴吐出ヘッド17のうち、任意の1個の液滴吐出ヘッド17のみに対向して、当該液滴吐出ヘッド17から吐出した機能液を受けることができる大きさである。受液容器94は、電子天秤99の上に載っており、電子天秤99は受液容器94の重量を測定することで、受液容器94内に着弾した機能液の重量を測定する。液滴吐出ヘッド17から吐出した機能液を受けることで増加した受液容器94の重量が、液滴吐出ヘッド17から吐出されて受液容器94内に着弾した機能液の重量である。
重量測定時フラッシングボックス95は、重量測定時フラッシングボックス95aと重量測定時フラッシングボックス95bとが、X軸方向において受液容器94を挟んで配置されている。ヘッド組55を構成する6個の液滴吐出ヘッド17のうち1個の液滴吐出ヘッド17が受液容器94に臨む位置にあるとき、ヘッド組55を構成する他の5個の液滴吐出ヘッド17は、重量測定時フラッシングボックス95a又は重量測定時フラッシングボックス95bのいずれかに臨む位置に位置する。重量測定対象の液滴吐出ヘッド17が受液容器94に臨んで重量測定のための吐出を実施する時に、測定対象外の液滴吐出ヘッド17は、重量測定時フラッシングボックス95a又は重量測定時フラッシングボックス95bに臨んで、捨て吐出を実施する。
1個の重量測定装置91でヘッド組55の6個の液滴吐出ヘッド17について重量測定を行うため、1個の液滴吐出ヘッド17が重量測定吐出を行っている際に、その他の5個の液滴吐出ヘッド17はその重量測定吐出が終わるのを待つことになるが、その「待ち」状態の液滴吐出ヘッド17に捨て吐出を行わせることができる。このため、「待ち」状態の間に吐出ノズル78が乾燥することを抑制して、「待ち」状態後に重量測定吐出を良好に行うことができ、適切な測定結果を得ることができる。
定期フラッシングボックス93は、定期フラッシング時に捨て吐出された機能液を受けるものである。
重量測定時フラッシングボックス95及び定期フラッシングボックス93内には、機能液吸収材97が、その両長辺部を一対の押えプレート98により押え付けた状態で敷設されている。なお、受液容器94は、各液滴吐出ヘッド17に対し、ノズル列単位で機能液を受け得る大きさに形成されている。
電子天秤99は、受液容器94に吐出された機能液の重量を測定し、測定結果を吐出装置制御部6に出力する。吐出装置制御部6は、電子天秤99から入力した測定結果に基づいて、ヘッドドライバ2d(図9参照)から液滴吐出ヘッド17に印加する駆動電力(電圧値)を制御する。
<液滴吐出装置の電気的構成>
次に、上述したような構成を有する液滴吐出装置1を駆動するための電気的構成について、図9を参照して説明する。図9は、液滴吐出装置の電気的構成を示す電気構成ブロック図である。液滴吐出装置1は、制御装置65を介してデータの入力や、稼働開始や停止などの制御指令の入力を行うことで、制御される。制御装置65は、演算処理を行うホストコンピュータ66と、液滴吐出装置1に入出力する情報を入出力するための入出力装置68とを有し、インタフェイス(I/F)67を介して吐出装置制御部6と接続されている。入出力装置68は、情報を入力可能なキーボード、記録媒体を介して情報を入出力する外部入出力装置、外部入出力装置を介して入力された情報を保存しておく記録部、モニタ装置などである。
液滴吐出装置1の吐出装置制御部6は、インタフェイス(I/F)47と、CPU(Central Processing Unit)44と、ROM(Read Only Memory)45と、RAM(Random Access Memory)46と、ハードディスク48と、を有している。また、ヘッドドライバ2dと、駆動機構ドライバ40dと、給液ドライバ60dと、メンテナンスドライバ5dと、検査ドライバ4dと、冷却素子ドライバ111dと、検出部インタフェイス(I/F)43と、を有している。これらは、データバス49を介して互いに電気的に接続されている。
インタフェイス47は、制御装置65とデータの授受を行い、CPU44は、制御装置65からの指令に基づいて各種演算処理を行い、液滴吐出装置1の各部の動作を制御する制御信号を出力する。RAM46は、CPU44からの指令に従って、制御装置65から受け取った制御コマンドや印刷データを一時的に保存する。ROM45は、CPU44が各種演算処理を行うためのルーチンなどを記憶している。ハードディスク48は、制御装置65から受け取った制御コマンドや印刷データを保存したり、CPU44が各種演算処理を行うためのルーチンなどを記憶したりしている。
ヘッドドライバ2dには、吐出ユニット2を構成する液滴吐出ヘッド17が接続されている。ヘッドドライバ2dは、CPU44からの制御信号に従って液滴吐出ヘッド17を駆動して、機能液の液滴を吐出させる。駆動機構ドライバ40dには、Y軸テーブル12のヘッド移動モータと、X軸テーブル11のX軸リニアモータ26と、各種駆動源を有する各種駆動機構を含む駆動機構41とが接続されている。各種駆動機構は、上記した、アライメントカメラ81を移動するためのカメラ移動モータや、θテーブル32のθ駆動モータ532などである。駆動機構ドライバ40dは、CPU44からの制御信号に従って上記モータなどを駆動して、液滴吐出ヘッド17とワークWとを相対移動させてワークWの任意の位置と液滴吐出ヘッド17とを対向させ、ヘッドドライバ2dと協働して、ワークW上の任意の位置に機能液の液滴を着弾させる。
メンテナンスドライバ5dには、メンテナンスユニット5の吸引ユニット15と、ワイピングユニット16と、フラッシングユニット14とが接続されている。メンテナンスドライバ5dは、CPU44からの制御信号に従って、吸引ユニット15、ワイピングユニット16、又はフラッシングユニット14を駆動して、液滴吐出ヘッド17の保守作業を実施させる。
検査ドライバ4dには、検査ユニット4の吐出検査ユニット18と、重量測定ユニット19とが接続されている。検査ドライバ4dは、CPU44からの制御信号に従って、吐出検査ユニット18、又は重量測定ユニット19を駆動して、吐出重量や吐出の可否や着弾位置精度などの、液滴吐出ヘッド17の吐出状態の検査を実施させる。
冷却素子ドライバ111dには、冷却ユニット110の冷却素子111が接続されている。冷却素子ドライバ111dは、CPU44からの制御信号に従って、冷却素子111を駆動して、液滴吐出ヘッド17を冷却する。
給液ドライバ60dには、給液ユニット60が接続されている。給液ドライバ60dは、CPU44からの制御信号に従って給液ユニット60を駆動して、液滴吐出ヘッド17に機能液を供給する。検出部インタフェイス43には、各種センサを含む検出部42が接続されている。検出部42の各センサによって検出された検出情報が検出部インタフェイス43を介してCPU44に伝達される。
<機能液の吐出>
次に、液滴吐出装置1における吐出制御方法について、図10を参照して説明する。図10は、液滴吐出ヘッドの電気的構成と信号の流れを示す説明図である。
上述したように、液滴吐出装置1は、液滴吐出装置1の各部の動作を制御する制御信号を出力するCPU44と、液滴吐出ヘッド17の電気的な駆動制御を行うヘッドドライバ17dとを備えている。
図10に示すように、ヘッドドライバ17dは、FFCケーブルを介して各液滴吐出ヘッド17と電気的に接続されている。また、液滴吐出ヘッド17は、吐出ノズル78(図3参照)ごとに設けられた圧電素子159に対応して、シフトレジスタ(SL)85と、ラッチ回路(LAT)86と、レベルシフタ(LS)87と、スイッチ(SW)88とを備えている。
液滴吐出装置1における吐出制御は次のように行われる。最初に、CPU44がワークWなどの描画対象物における機能液の配置パターンをデータ化したドットパターンデータをヘッドドライバ17dに伝送する。そして、ヘッドドライバ17dは、ドットパターンデータをデコードして吐出ノズル78ごとのON/OFF(吐出/非吐出)情報であるノズルデータを生成する。ノズルデータは、シリアル信号(SI)化されて、クロック信号(CK)に同期して各シフトレジスタ85に伝送される。
シフトレジスタ85に伝送されたノズルデータは、ラッチ信号(LAT)がラッチ回路86に入力されるタイミングでラッチされ、さらにレベルシフタ87でスイッチ88用のゲート信号に変換される。即ち、ノズルデータが「ON」の場合にはスイッチ88が開いて圧電素子159に駆動信号(COM)が供給され、ノズルデータが「OFF」の場合にはスイッチ88が閉じられて圧電素子159に駆動信号(COM)は供給されないことになる。そして、「ON」に対応する吐出ノズル78からは機能液が液滴化されて吐出され、吐出された機能液がワークWなどの描画対象物の上に配置される。
<液晶表示パネルの構成>
次に、液晶表示パネルについて説明する。液晶表示パネル200は、液晶装置の一例であり、カラーフィルタの一例である液晶表示パネル用のカラーフィルタを備える液晶表示パネルである。
最初に、液晶表示パネル200の構成について、図11を参照して説明する。図11は、液晶表示パネルの概略構成を示す分解斜視図である。図11に示した液晶表示パネル200は、駆動素子として薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor)素子)を用いるアクティブマトリックス方式の液晶装置であり、図示省略したバックライトを用いる透過型の液晶装置である。
図11に示すように、液晶表示パネル200は、TFT素子215を有する素子基板210と、対向電極207を有する対向基板220と、シール材(図示省略)によって接着された素子基板210と対向基板220との隙間に充填された液晶230(図16(k)参照)とを備えている。貼り合わされた素子基板210と、対向基板220とには、互いに貼り合わされた面の反対側の面に、それぞれ偏光板231と偏光板232とが、配設されている。
素子基板210は、ガラス基板211の対向基板220と対向する面に、TFT素子215や、画素電極217や、走査線212及び信号線214が、形成されている。これらの素子や導電性膜の間を埋めるように、絶縁層216が形成されており、走査線212及び信号線214は、絶縁層216の部分を挟んで互いに交差する状態で形成されている。走査線212と信号線214とは、絶縁層216の部分を間に挟むことで互いに絶縁されている。これらの走査線212と信号線214とに囲まれた領域内には画素電極217が形成されている。画素電極217は方形状の一部の角部分が方形状に欠けた形状をしている。画素電極217の切欠部と走査線212と信号線214とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体部、及びゲート電極を具備するTFT素子215が組み込まれて構成されている。走査線212と信号線214に信号を印加することによってTFT素子215をオン・オフして画素電極217への通電制御を実施する。
素子基板210の液晶230と接する面には、上記した走査線212や信号線214や画素電極217が形成された領域全体を覆う配向膜218が設けられている。
対向基板220は、ガラス基板201の素子基板210と対向する面に、カラーフィルタ(以降、「CF」と表記する。)層208が形成されている。CF層208は、隔壁204と、赤色フィルタ膜205Rと、緑色フィルタ膜205Gと、青色フィルタ膜205Bとを有している。ガラス基板201上に、格子状に隔壁204を構成するブラックマトリックス202が形成され、ブラックマトリックス202の上にバンク203が形成されている。ブラックマトリックス202とバンク203とで構成された隔壁204によって、方形のフィルタ膜領域225が形成されている。フィルタ膜領域225には、赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、又は青色フィルタ膜205Bが形成されている。赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bは、それぞれ上述した画素電極217のそれぞれと対向する位置及び形状に形成されている。
CF層208の上(素子基板210側)には、平坦化膜206が設けられている。平坦化膜206の上には、ITOなどの透明な導電性材料で形成された対向電極207が設けられている。平坦化膜206を設けることによって、対向電極207を形成する面を略平坦な面にしている。対向電極207は、上述した画素電極217が形成された領域全体を覆う大きさの連続した膜である。対向電極207は、図示省略した導通部を介して、素子基板210に形成された配線に接続されている。
対向基板220の液晶230と接する面には、画素電極217の全面を覆う配向膜228が設けられている。液晶230は、素子基板210と対向基板220とが貼り合わされた状態において、対向基板220の配向膜228と、素子基板210の配向膜218と、対向基板220と素子基板210とを貼り合わせるシール材とに囲まれた空間に充填されている。
なお、液晶表示パネル200は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
<マザー対向基板>
次に、マザー対向基板201Aについて、図12を参照して説明する。対向基板220は、分割されてガラス基板201となるマザー対向基板201Aの上に上述したCF層208などを形成した後、マザー対向基板201Aを個別の対向基板220(ガラス基板201)に分割して形成される。図12(a)は、対向基板の平面構造を模式的に示す平面であり、図12(b)は、マザー対向基板の平面構造を模式的に示す平面図である。なお、本実施形態においては、マザー対向基板201Aの上にCF層208などを形成したものや、CF層208などを形成する途中の状態のものも、マザー対向基板201Aと表記する。
対向基板220は、厚みおよそ1.0mmの透明な石英ガラスからなるガラス基板201を用いて形成されている。図12(a)に示すように、対向基板220は、ガラス基板201の周囲の僅かな額縁領域を除く部分に、CF層208が形成されている。CF層208は、方形状のガラス基板201の表面に複数のフィルタ膜領域225をドットパターン状、本実施形態ではドット・マトリクス状に形成し、当該フィルタ膜領域225にフィルタ膜205を形成することによって形成されている。ガラス基板201のCF層208が形成される領域にかからない位置には、図示省略したアライメントマークが形成されている。アライメントマークは、CF層208などを形成する諸工程を実行するためにガラス基板201を、液滴吐出装置1などの製造装置に取り付ける際などに位置決め用の基準マークとして用いられる。
図12(b)に示すように、マザー対向基板201Aには、対向基板220のCF層208が、分割されてガラス基板201となる部分のそれぞれに形成されている。
<カラーフィルタ>
次に、対向基板220に形成されているCF層208及びCF層208におけるフィルタ膜205(赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205B)の配列について、図13を参照して説明する。図13は、3色カラーフィルタのフィルタ膜の配列例を示す模式平面図である。
図13に示すように、フィルタ膜205は、透光性のない樹脂材料によって格子状のパターンに形成された隔壁204によって区画されてドット・マトリクス状に並んだ複数の例えば方形状のフィルタ膜領域225を色材で埋めることによって形成される。例えば、フィルタ膜205を構成する色材を含む機能液をフィルタ膜領域225に充填し、当該機能液の溶媒を蒸発させて機能液を乾燥させることで、フィルタ膜領域225を埋める膜状のフィルタ膜205を形成する。
3色カラーフィルタにおける赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bの配列としては、例えば、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列などが知られている。ストライプ配列は、図13(a)に示したように、マトリクスの縦列が全て同色の赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、又は青色フィルタ膜205Bになる配列である。モザイク配列は、図13(b)に示したように、横方向の各行ごとにフィルタ膜205一つ分だけ色をずらした配列で、3色フィルタの場合、縦横の直線上に並んだ任意の3つのフィルタ膜205が3色となる配列である。デルタ配列は、図13(c)に示したように、フィルタ膜205の配置を段違いにし、3色フィルタの場合、任意の隣接する3つのフィルタ膜205が異なる色となる配色である。
図13(a)、(b)、又は(c)に示した3色フィルタにおいて、フィルタ膜205は、それぞれが、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)のうちのいずれか1色の色材によって形成されている。隣り合って形成された赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bを各1個ずつ含むフィルタ膜205の組で、画像を構成する最小単位である絵素のフィルタ(以降、「絵素フィルタ254」と表記する。)を形成している。一つの絵素フィルタ254内の赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bのいずれか一つ又はそれらの組み合わせに光を選択的に通過させることにより、さらに、通過させる光の光量を調整することによりフルカラー表示を行う。
<液晶表示パネルの形成>
次に、液晶表示パネル200を形成する工程について、図14、図15、及び図16を参照して説明する。図14は、液晶表示パネルを形成する過程を示すフローチャートである。図15は、液晶表示パネルを形成する過程におけるフィルタ膜を形成する工程などを示す断面図であり、図16は、液晶表示パネルを形成する過程における配向膜を形成する工程などを示す断面図である。液晶表示パネル200は、それぞれ別々に形成した素子基板210と対向基板220とを、貼り合わせて形成する。
図14に示したステップS1からステップS5を実行することで、対向基板220を形成する。
図14のステップS1では、ガラス基板201の上に、フィルタ膜領域225を区画形成するための隔壁部を形成する。隔壁部は、ブラックマトリックス202を格子状に形成し、その上にバンク203を形成して、ブラックマトリックス202とバンク203とで構成された隔壁204を格子状に配置することによって形成する。これにより、図15(a)に示すように、ガラス基板201の表面に、隔壁204によって区画された方形のフィルタ膜領域225が形成される。
次に、図14のステップS2では、赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bを形成して、CF層208を形成する。赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bは、フィルタ膜領域225に、赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、又は青色フィルタ膜205Bを構成する材料を含む機能液をそれぞれ充填して、当該機能液を乾燥させることによって形成する。
より詳細には、図15(b)に示すように、隔壁204によって区画されたフィルタ膜領域225が形成されたガラス基板201の表面に赤色吐出ヘッド17Rを対向させる。当該赤色吐出ヘッド17Rが有する吐出ノズル78から、赤色フィルタ膜205Rを形成するべきフィルタ膜領域225Rに向けて、赤色機能液252Rを吐出することによって、フィルタ膜領域225Rに赤色機能液252Rを配置する。同時に、ガラス基板201に対して赤色吐出ヘッド17Rを矢印aで示したように相対移動させることによって、ガラス基板201に形成された全てのフィルタ膜領域225Rに赤色機能液252Rを配置する。配置した赤色機能液252Rを乾燥させることによって、図15(c)に示すように、フィルタ膜領域225Rに赤色フィルタ膜205Rを形成する。
同様にして、図15(b)に示した、緑色フィルタ膜205G又は青色フィルタ膜205Bを形成するべきフィルタ膜領域225G又はフィルタ膜領域225Bに、図15(c)に示すように、緑色機能液252G又は青色機能液252Bを配置する。緑色機能液252G及び青色機能液252Bを乾燥させることによって、図15(d)に示すように、フィルタ膜領域225G及びフィルタ膜領域225Bに緑色フィルタ膜205G又は青色フィルタ膜205Bを形成する。赤色フィルタ膜205Rと合わせて、赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bからなる3色カラーフィルタが形成される。
次に、図14のステップS3では、平坦化層を形成する。図15(e)に示すように、CF層208を構成する赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、青色フィルタ膜205B、及び隔壁204の上に、平坦化層としての平坦化膜206を形成する。平坦化膜206は、少なくともCF層208の全面を覆う領域に形成する。平坦化膜206を設けることによって、対向電極207を形成する面を略平坦な面にしている。
次に、図14のステップS4では、対向電極207を形成する。図15(f)に示すように、平坦化膜206の上の、少なくともCF層208のフィルタ膜205が形成された領域の全面を覆う領域に、透明な導電材料を用いて、薄膜を形成する。この薄膜が、上述した対向電極207である。
次に、図14のステップS5では、対向電極207の上に、対向基板220の配向膜228を形成する。配向膜228は、少なくともCF層208の全面を覆う領域に形成する。
図16(g)に示すように、対向電極207が形成されたガラス基板201の表面に液滴吐出ヘッド17を対向させて、液滴吐出ヘッド17からガラス基板201の表面に向けて配向膜液242を吐出する。同時に、ガラス基板201に対して液滴吐出ヘッド17を矢印aで示したように相対移動させることによって、ガラス基板201の配向膜228を形成する領域の全面に配向膜液242を配置する。配置された配向膜液242を乾燥させることで、図16(h)に示すように、配向膜228を形成する。ステップS5を実施して、対向基板220が形成される。
図14に示したステップS6からステップS8を実行することで、素子基板210を形成する。
図14のステップS6では、ガラス基板211の上に導電層や絶縁層や半導体層を形成することで、TFT素子215などの素子や、走査線212や、信号線214や、絶縁層216などを形成する。走査線212及び信号線214は、素子基板210と対向基板220とが、貼り合わされた状態で、隔壁204に対向する位置に、即ち画素の周辺の位置に形成する。TFT素子215は、画素の端に位置するように形成し、1画素に少なくとも1個のTFT素子215を形成する。
次に、ステップS7では、画素電極217を形成する。画素電極217は、素子基板210と対向基板220とが、貼り合わされた状態で、赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、又は青色フィルタ膜205Bに対向する位置に、形成する。画素電極217は、TFT素子215のドレイン電極と電気的に接続させる。
次に、ステップS8では、画素電極217などの上に、素子基板210の配向膜218を形成する。配向膜218は、少なくとも全ての画素電極217の全面を覆う領域に形成する。
図16(i)に示すように、画素電極217が形成されたガラス基板211の表面に液滴吐出ヘッド17を対向させて、液滴吐出ヘッド17からガラス基板211の表面に向けて配向膜液242を吐出する。同時に、ガラス基板211に対して液滴吐出ヘッド17を矢印aで示したように相対移動させることによって、ガラス基板211の配向膜218を形成する領域の全面に配向膜液242を配置する。配置された配向膜液242を乾燥させることで、図16(j)に示すように、配向膜218を形成する。ステップS8を実施して、素子基板210が形成される。
次に、図14のステップS9では、形成された対向基板220と素子基板210とを貼り合わせて、図16(k)に示すように、間に液晶230を充填する。さらに、偏光板231と偏光板232とを貼りつけるなどして、液晶表示パネル200を組立てる。複数のガラス基板201やガラス基板211からなるマザー基板に、複数の対向基板220や素子基板210を形成する場合には、複数の液晶表示パネル200が形成されたマザー基板を個別の液晶表示パネル200に分割する。あるいは、マザー対向基板201Aやマザー素子基板を、対向基板220や素子基板210に分割する工程を実施した後にステップS9を実施する。ステップS9を実施して、液晶表示パネル200を形成する工程を終了する。
<フィルタ膜領域と吐出ノズル>
次に、フィルタ膜領域225と、当該フィルタ膜領域225に機能液を配置するために用いられる吐出ノズル78との位置関係について、図17を参照して説明する。図17は、フィルタ膜領域と吐出ノズルとの位置関係を示す説明図である。図17に示したX軸方向及びY軸方向は、図1に示したX軸方向及びY軸方向と一致している。
上述したように、液滴吐出装置1においては、ノズル列78Aは、吐出ノズル78がY軸方向に配列されている。図17では、2列のノズル列78Aの間を縮めて表示している。図17に示したフィルタ膜領域225のY軸方向の寸法は、400μmであり、フィルタ膜領域225を区画形成している隔壁204の幅は、15μmである。上述したように、本実施形態の液滴吐出ヘッド17におけるノズルピッチは、70μmである。
フィルタ膜領域225に対して液滴吐出ヘッド17を矢印aの方向に相対移動させながら、それぞれのフィルタ膜領域225に対向可能な吐出ノズル78から機能液を吐出させて、フィルタ膜領域225に機能液252を着弾させる。図17に示した1個のフィルタ膜領域225は、吐出ノズル78から吐出される液滴を例えば25滴、着弾させることによって適正な厚さのフィルタ膜205を形成できる。図17に示した1個のフィルタ膜領域225には、それぞれ5個の吐出ノズル78が対向可能である。フィルタ膜領域225に対向可能な5個の吐出ノズル78のそれぞれが、5滴ずつ機能液252の液滴を吐出させることによって、1個のフィルタ膜領域225に25滴の機能液252を着弾させる。
この場合、フィルタ膜領域225に配置される機能液252の量は、液滴の重量によって定まる。図5(b)を参照して説明したような吐出重量のばらつきがある場合には、形成されるフィルタ膜205の厚さが、フィルタ膜領域225ごとに異なる可能性がある。
本実施形態のヘッドユニット54は、ノズル群ごとに冷却温度を調整することでノズル群ごとに吐出ノズル78の吐出量を調整することによって、吐出ノズル78ごとの吐出量のばらつきを抑制している。
第一の実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)冷却素子111を備える冷却ユニット110の伝熱パターン114が圧力室158が形成されているヘッド本体74の外壁に熱伝導性に富む材料で形成された接着剤を用いて接着されている。これにより、冷却素子111によって、ヘッド本体74の内部の圧力室158や圧力室158に充填された機能液の温度上昇を抑制することができる。
(2)端子部114b及び端子部114cはヘッド本体74に接着されている。端子部114b及び端子部114cが当接している部分が主に冷却されるため、ヘッド本体74の一部分を選択的に冷却することができる。これにより、個別の圧力室158(吐出ノズル78)や、数個の圧力室158(吐出ノズル78)を選択的に冷却することができる。
(3)端子部114cは、端子伝熱部114vの幅によって単位時間あたりの伝熱量が異なる。端子部114cごとに単位時間あたりの伝熱量を変えることができるため、端子部114cが当接している部分ごとに冷却素子111によって冷却される程度を調整することができる。これにより、個別の圧力室158(吐出ノズル78)や、数個の圧力室158(吐出ノズル78)を冷却する程度を調整して、圧力室158などの温度に影響を受ける吐出ノズル78からの吐出量を調整することができる。
(4)端子基板112は、ベースフィルム116と伝熱パターン114とカバーフィルム117とが、伝熱パターン114を中に挟む状態で積層されて形成されている。伝熱パターン114が、ベースフィルム116又はカバーフィルム117に支持される構成であるため、伝熱パターン114自体で充分な強度を持つことは必ずしも必要ではない。これにより、端子部114b又は端子部114cのような端子部を、個別の吐出ノズルに対応した微細な形状に形成することもできる。
(5)端子基板112は、ベースフィルム116と伝熱パターン114とカバーフィルム117とが、伝熱パターン114を中に挟む状態で積層されて形成されている。伝熱パターン114の平面形状は、ベースフィルム116又はカバーフィルム117に形成した金属の例えば箔をエッチングなどによって形成できる。これにより、複雑な形状や微細な形状であっても、精度よく形成することができる。端子伝熱部114vの幅なども精度よく形成できるため、端子部の断面積を精度よく形成することによって、単位時間あたりの伝熱量を精度よく作りこむことができる。
(第二の実施形態)
次に、ヘッドユニット、吐出装置、及び吐出方法の第二の実施形態について、説明する。本実施形態に係る液滴吐出装置は、第一の実施形態と同様に、液晶装置の製造ラインに組み込まれており、樹脂を含む機能液を導入した液滴吐出ヘッドを用いて、カラーフィルタの色要素膜などを形成するものである。
本実施形態の液滴吐出装置301(図18参照)は、第一の実施形態の液滴吐出装置1と基本的な構成及び機能は共通である。液滴吐出装置301の液滴吐出装置1と異なる構成、及び液滴吐出装置301を用いてフィルタ膜205を形成する描画工程について説明する。
<液滴吐出装置>
最初に、液滴吐出装置301の全体構成について、図18を参照して説明する。図18は、液滴吐出装置の概略構成を示す平面図である。
図18に示したように、液滴吐出装置301は、液滴吐出ヘッド17(図3参照)を有する吐出ユニット302と、ワークユニット3と、給液ユニット(図示省略)と、検査ユニット304と、メンテナンスユニット305と、吐出装置制御部6(図9参照)とを備えている。
吐出ユニット302は、ヘッドユニット354を備えるキャリッジユニット351を10個備えている。検査ユニット304は及びメンテナンスユニット305は、10個のヘッドユニット354に対応する構成を備えている。10個のヘッドユニット354に対応する構成となっていること以外は、液滴吐出装置301は、液滴吐出装置1と基本的に同様の構成を備えている。
ヘッドユニット354は、冷却ユニット110とは異なる冷却ユニット310を備えている。
検査ユニット304は、10個のヘッドユニット354からの吐出の吐出重量測定を一度に実施できるように、10個の重量測定ユニット19を備えている。フラッシングユニット14も10個備えている。メンテナンスユニット305は、分割吸引ユニット141を10個有する吸引ユニット315を備えている。
<冷却ユニット、及び冷却ユニットの取り付け>
次に、冷却ユニット310の構成、及びヘッドユニット354における液滴吐出ヘッド17のキャリッジプレート53への取付構造及び冷却ユニット310の取付構造について、図19を参照して説明する。図19は、冷却ユニットの構成、並びに液滴吐出ヘッド、及び冷却ユニットのキャリッジプレートへの取付構造を示す図である。図19(a)は、冷却ユニットの端子基板の平面図であり、図19(b)は、キャリッジプレートに取り付けられた液滴吐出ヘッド及び冷却ユニットの側面図であり、図19(c)は、キャリッジプレートに取り付けられた液滴吐出ヘッド及び冷却ユニットをノズルプレート側からみた平面図である。
図19(a)及び(b)に示したように、冷却ユニット310は、冷却素子311と端子基板312とを有している。端子基板312は、ベースフィルム316と伝熱パターン314とカバーフィルム317とが、伝熱パターン314を中に挟む状態で積層されて形成されている。ベースフィルム316及びカバーフィルム317は、例えばポリイミドのような、可撓性に富む材料で形成されている。伝熱パターン314は、例えば銅のような熱伝導率が高い材料で、曲げ変形可能な形状に形成されている。
伝熱パターン314におけるカバーフィルム317によって覆われておらず露出した部分が、液滴吐出ヘッド17のヘッド本体74の外壁に熱伝導性に富む材料で形成された接着剤を用いて接着されている。ベースフィルム316におけ開口部316aの部分で露出した伝熱パターン314には、冷却素子311が熱伝導性に富む材料で形成された接着剤を用いて接着されて固定されている。端子基板312は、複数の伝熱パターン314を有しており、伝熱パターン314のそれぞれに、冷却素子311が固定されている。
冷却素子311は、フレキシブルフラットケーブル(図示省略)によって、電気的に吐出装置制御部6に接続されており、吐出装置制御部6によって温度が制御される。複数の冷却素子311は、それぞれ独立して温度を制御される。
冷却素子311が、冷却源に相当し、伝熱パターン314が、温度調整端子に相当する。
冷却素子311によって、冷却素子311が固定された伝熱パターン314が冷却され、伝熱パターン314が接着されているヘッド本体74の外壁が冷却される。図3を参照して説明したように、当該外壁の内側には、圧力室158が形成されており、外壁が冷却されることで、圧力室158や、ノズルプレート76の圧力室158に臨む部分や、圧力室158内の機能液などが、冷却される。
図19(c)に示したように、ヘッドユニット354における液滴吐出ヘッド17のキャリッジプレート53への取り付けは、図4を参照して説明したヘッドユニット54における液滴吐出ヘッド17のキャリッジプレート53への取り付けと同様である。
ヘッドユニット354における冷却ユニット310のキャリッジプレート53への取り付けは、図4を参照して説明したヘッドユニット54における冷却ユニット110のキャリッジプレート53への取り付けと同様である。
<機能液配置>
次に、機能液を吐出して、マザー対向基板201AにおけるCF層208のフィルタ膜領域225などに機能液を配置する過程について、図20を参照して説明する。図20は、機能液を配置する工程を示すフローチャートである。
図20のステップS21では、液滴吐出ヘッド17におけるそれぞれの吐出ノズル78の温度特性を取得する。
より詳細には、図5(a)に示したような吐出ノズル温度と吐出重量との関係を、それぞれの吐出ノズル78について予め測定して取得する。取得したデータを、制御装置65の入出力装置68などから入力し、吐出装置制御部6のRAM46やハードディスク48に記憶する。それぞれの吐出ノズル78の温度特性を取得することで、図5(b)を参照して説明した液滴吐出ヘッド17におけるそれぞれの吐出ノズル78の吐出重量の分布も取得される。ステップS21が、情報取得工程に相当する。データ入力する制御装置65の入出力装置68などが、情報取得部に相当する。
次に、ステップS22では、液滴吐出ヘッド17のそれぞれの吐出ノズル78からプレ吐出を実施する。プレ吐出は、液滴吐出ヘッド17を、安定した吐出が実施できる、稼働時における液滴吐出ヘッド17の定常状態にするためのものである。休止状態から稼働を開始した直後の液滴吐出ヘッド17の状態は必ずしも安定した吐出が実施される状態ではない。休止状態の液滴吐出ヘッド17を駆動してプレ吐出を実施させることによって、休止状態の液滴吐出ヘッド17を、稼働時における液滴吐出ヘッド17の定常状態にする。プレ吐出を実施することで、液滴吐出ヘッド17に、稼働開始時から、通常の稼働時と同じ安定した吐出を実施させることができる。プレ吐出は、実際に吐出を実行させることで実施してもよいし、機能液が実際に吐出されない程度の駆動電圧を圧電素子159に印加することで実施してもよい。
次に、ステップS23では、プレ吐出が実施されて稼働状態となった液滴吐出ヘッド17のそれぞれの吐出ノズル78の吐出ノズル温度を測定する。吐出ノズル78の吐出ノズル温度としては、例えば、圧電素子159の振動板152との接続部分の温度を温度測定器を設けて測定する。或は、圧電素子159を温度測定素子として用いて測定することもできる。圧電素子159を温度測定素子として用いる場合の圧電素子159が、温度測定部に相当する。
他の測定方法としては、吐出重量を測定する方法が可能である。プレ吐出の終わり近くにおいて、吐出された機能液の重量を重量測定ユニット19を用いて測定し、測定結果を、それぞれの吐出ノズル78の温度特性と比較することによって、吐出ノズル78の吐出ノズル温度を求めることができる。重量測定ユニット19が吐出重量測定部に相当し、温度を求める演算を実施するCPU44が、温度演算部に相当する。重量測定ユニット19及びCPU44が、温度測定部に相当する。ステップS23が、温度測定工程に相当する。
なお、吐出ノズル温度を求めるための吐出重量測定では、吐出ノズル78から、吐出不良のない正常な吐出が実施されていることが必要である。正常な吐出が実施されていることを確認するために、吐出重量測定に先立って、吐出検査ユニット18を用いて、吐出検査を実施することが好ましい。
次に、ステップS24では、それぞれの吐出ノズル78の吐出ノズル温度を調整する。ステップS21で取得した吐出ノズル78の吐出重量の温度特性から、それぞれの吐出ノズル78の適切な吐出ノズル温度を求める。求めた適切な吐出ノズル温度に対するステップS23で取得した吐出ノズル温度の差異を解消するように、それぞれの吐出ノズル78の吐出ノズル温度を調整する。吐出ノズル78の吐出ノズル温度は、それぞれの吐出ノズル78に対応する位置に配置された伝熱パターン314のそれぞれに接続された冷却素子311を駆動することによって実施する。
次に、ステップS25では、それぞれの吐出ノズル78の吐出ノズル温度が適切な吐出重量を実現できる適切な温度に調整された液滴吐出ヘッド17からフィルタ膜領域225に向けて、機能液を吐出する。
ステップS25を実施して、機能液を配置する工程を終了する。
なお、ステップS21の吐出ノズル78の温度特性を取得する工程は、機能液吐出を実施するたびに実施してもよいし、液滴吐出ヘッド17が交換されるごとに実施してもよいし、液滴吐出ヘッド17の例えば製造ロットが異なるごとに実施してもよいし、液滴吐出ヘッドの種類が変わる場合にのみ実施してもよい。
第二の実施形態によれば、第一の実施形態によって得られる効果に加えて、以下に記載する効果が得られる。
(1)端子基板312は、複数の伝熱パターン314を有しており、伝熱パターン314のそれぞれに、冷却素子311が固定されている。これにより、伝熱パターン314ごとに独立して温度を調整することができる。
(第三の実施形態)
次に、ヘッドユニット、吐出装置、及び吐出方法の第三の実施形態について説明する。本実施形態に係る液滴吐出装置は、第一の実施形態及び第二の実施形態で説明した液滴吐出装置1又は液滴吐出装置301と実質的に同じ構成を有するものである。液滴吐出装置1又は液滴吐出装置301が備える冷却ユニット110及び冷却ユニット310とは異なる冷却ユニットの構成例について説明する。
<他の冷却ユニット例1>
次に、冷却ユニット110及び冷却ユニット310とは異なる冷却ユニット410について、図21を参照して説明する。
図21は、冷却ユニットの構成、及び冷却ユニットの取付構造を示す図である。図21(a)は、冷却ユニットの平面図であり、図21(b)は、液滴吐出ヘッド及び副ヘッド保持部材に取り付けられた冷却ユニットの側面図である。
図21(a)に示したように、冷却ユニット410は、支持板415と複数の冷却素子411とを有している。冷却素子411は、温度を調整できる冷却面411aを有している。冷却素子411は、複数の冷却素子411が有する冷却面411aが同一の平面に接触可能となるように、支持板415に固定されている。
冷却素子411は、フレキシブルフラットケーブル(図示省略)によって、電気的に吐出装置制御部6(図9参照)に接続されており、吐出装置制御部6によって温度が制御される。複数の冷却素子411は、それぞれ独立して温度を制御される。
図21(b)に示したように、冷却ユニット410は、支持板415が副ヘッド保持部材103に固定されている。支持板415が副ヘッド保持部材103に固定されることによって、冷却ユニット410は、上述した冷却ユニット110などと同様に、副ヘッド保持部材103及び主ヘッド保持部材102(図21(b)では図示省略)を介して、キャリッジプレート53(図21(b)では図示省略)に取り付けられている。冷却素子411の冷却面411aは、液滴吐出ヘッド17のヘッド本体74のポンプ部75に対向しており、冷却面411aとポンプ部75との間には、伝熱シート414が挟持されている。伝熱シート414は、熱伝導率が高く柔軟性に富む素材で形成されており、冷却面411aとポンプ部75との双方から押圧された状態で、冷却面411a及びポンプ部75の側面に密着している。
冷却素子411によって、伝熱シート414を介して冷却面411aが接触されているヘッド本体74の外壁を冷却することができる。図3を参照して説明したように、当該外壁の内側には、圧力室158が形成されており、外壁が冷却されることで、圧力室158や、ノズルプレート76の圧力室158に臨む部分や、圧力室158内の機能液などが、冷却される。
冷却素子411が、冷却源に相当する。
液滴吐出ヘッド17のキャリッジプレート53への取り付けは、図4を参照して説明したヘッドユニット54における液滴吐出ヘッド17のキャリッジプレート53への取り付けと同様である。冷却ユニット410は、ヘッドユニット54における冷却ユニット110と同様に、1個の液滴吐出ヘッド17に対してそれぞれ2個ずつ配設されている。2個の冷却ユニット410は、液滴吐出ヘッド17の両側に、図21(b)に示したように固定されている。
<他の冷却ユニット例2>
次に、上述した冷却ユニットとは異なる冷却ユニット440について、図22を参照して説明する。
図22は、冷却ユニットの構成、及び冷却ユニットの取付構造を示す図である。図22(a)は、冷却ユニットの平面図であり、図22(b)は、液滴吐出ヘッド及び副ヘッド保持部材に取り付けられた冷却ユニットを示す側面図である。
図22(a)及び(b)に示したように、冷却ユニット440は、ベースフィルム456と伝熱パターン454とカバーフィルム457とを有するフィルム基板状の部材である。冷却ユニット440は、ベースフィルム456の上に伝熱パターン454が形成され、カバーフィルム457が、伝熱パターン454の中央辺りをベースフィルム456との間に挟む状態で積層されて形成されている。ベースフィルム456及びカバーフィルム457は、例えばポリイミドのような、可撓性に富む材料で形成されている。伝熱パターン454は、例えば銅のような熱伝導率が高い材料で、曲げ変形可能な形状に形成されている。
伝熱パターン454は、伝熱基部454aと、伝熱基部454aから櫛歯状に突出した端子部454b及び端子部454cと、を有している。伝熱パターン454の厚さは略均一である。
伝熱基部454aは、片面がベースフィルム456に覆われており、もう一面は露出している。この伝熱基部454aの露出部分が、副ヘッド保持部材103に熱伝導性に富む材料で形成された接着剤を用いて接着されている。
端子部454b及び端子部454cは、伝熱基部454aから櫛歯状に突出している。端子部454b及び端子部454cは、片面が伝熱基部454aと共にベースフィルム456に覆われている。もう片面は、カバーフィルム457が、端子部454b及び端子部454cの伝熱基部454aへの付け根部分の辺りを覆っており、端子部454b及び端子部454cの大部分は露出している。この端子部454b及び端子部454cにおける露出部分がヘッド本体74の外壁に熱伝導性に富む材料で形成された接着剤を用いて接着されている。
液滴吐出ヘッド17のキャリッジプレート53への取り付けは、図4を参照して説明したヘッドユニット54における液滴吐出ヘッド17のキャリッジプレート53への取り付けと同様である。冷却ユニット440は、ヘッドユニット54における冷却ユニット110と同様に、1個の液滴吐出ヘッド17に対してそれぞれ2個ずつ配設されている。2個の冷却ユニット440は、液滴吐出ヘッド17の両側に、図22(b)に示したように固定されている。
端子部454cは、伝熱基部454aへの付け根側の端子伝熱部454vと、先端側の端子端部454wと、で構成されている。端子端部454wが、ヘッド本体74(ポンプ部75)の外壁における上述した圧力室158に略臨む位置に熱伝導可能に接続されている。端子端部454wの幅は端子部454bの幅と同一に設定されており、端子部454cが圧力室158などに臨む範囲は、端子部454bと同様である。端子伝熱部454vの幅が端子端部454wより小さくなっており、伝熱基部454aから端子端部454wに単位時間当たりに伝わる熱量は、伝熱基部454aから端子部454bの先端側に単位時間当たりに伝わる熱量より少なくなっている。端子伝熱部454vの幅を変えることによって、伝熱基部454aから端子端部454wに単位時間当たりに伝わる熱量が異なる端子部454cを形成することができる。図22(a)では1種類のみ示したが、伝熱パターン454は、端子伝熱部454vの幅が互いに異なる複数種類の端子部454cを有している。
吐出ノズル78の吐出ノズル温度が例えば上昇してヘッド本体74の温度が上昇すると、熱エネルギがヘッド本体74の外壁から、端子部454b又は端子部454c、及び伝熱基部454aを介して、副ヘッド保持部材103に伝わり、主ヘッド保持部材102に伝わり、さらにキャリッジプレート53に伝わる。ヘッド本体74に比べて、副ヘッド保持部材103及び主ヘッド保持部材102を含めたキャリッジプレート53は、体積が大きく熱容量も大きいため、伝わった熱エネルギによるキャリッジプレート53の温度の変動は微小である。従って、液滴吐出ヘッド17のヘッド本体74の温度を上昇させることができる熱エネルギが液滴吐出ヘッド17に加えられた場合でも、当該熱エネルギがキャリッジプレート53などに逃がされることによって、ヘッド本体74の温度をキャリッジプレート53の温度に近い温度に保って、ヘッド本体74の温度の変動を抑制することができる。副ヘッド保持部材103、主ヘッド保持部材102、及びキャリッジプレート53が、熱容量が吐出ヘッドより大きい部材、及びヘッド支持部材に相当する。
図5(c)を参照して説明した端子基板112における伝熱パターン114と同様に、伝熱パターン454には、例えば、ノズル列78Aにおける5個の吐出ノズル78に対して1個の端子部454b又は端子部454cが設けられており、ノズル列78Aにおける180個の吐出ノズル78に対応して、36個の端子部454b又は端子部454cが形成されている。本実施形態においては、端子部454cにおける端子伝熱部454vの幅は、伝熱パターン454の両方の端に近い端子部454cにおける端子伝熱部454vの幅を、伝熱パターン454の中央に近い位置の端子部454cにおける端子伝熱部454vの幅より大きくしてある。端子部454bは、端子伝熱部454vの幅が端子端部454wと同じである端子部454cに相当し、伝熱パターン454の両方の端には端子部454bが形成されている。
伝熱パターン454における端子伝熱部454vの幅のこのような分布は、図5(b)を参照して説明したノズル列78Aを構成する180個の吐出ノズル78のそれぞれの吐出重量の分布に対応した分布である。
端子伝熱部454vの幅が広いほど、端子端部454wから伝熱基部454aに単位時間当たりに伝わる熱量は多くなるため、ノズル列78Aの端の方に位置する吐出ノズル78の方が中央側に位置する吐出ノズル78より、キャリッジプレート53の温度により近い温度に保つことができる。
伝熱パターン454の端子部454b、及び端子部454cが、温度調整端子に相当する。
<他の冷却ユニット例3>
次に、上述した冷却ユニットとは異なる冷却ユニット460について、図23を参照して説明する。
図23は、冷却ユニットの構成、及び冷却ユニットの取付構造を示す図である。図23(a)は、冷却ユニットの平面図であり、図23(b)は、液滴吐出ヘッド及び副ヘッド保持部材に取り付けられた冷却ユニットを示す側面図である。
図23(a)及び(b)に示したように、冷却ユニット460は、放熱板471と端子基板472とを有している。
端子基板472は、ベースフィルム476と伝熱パターン474とカバーフィルム477とが、伝熱パターン474を中に挟む状態で積層されて形成されている。ベースフィルム476及びカバーフィルム477は、例えばポリイミドのような、可撓性に富む材料で形成されている。伝熱パターン474は、例えば銅のような熱伝導率が高い材料で、曲げ変形可能な形状に形成されている。
伝熱パターン474におけるカバーフィルム477によって覆われておらず露出した部分が、液滴吐出ヘッド17のヘッド本体74の外壁に熱伝導性に富む材料で形成された接着剤を用いて接着されている。ベースフィルム476における開口部476aの部分で露出した伝熱パターン474には、放熱板471が、熱伝導性に富む材料で形成された接着剤を用いて接着されて固定されている。放熱板471は、熱伝導率が高い素材で形成されており、伝熱パターン474に放熱板471を固定することで、大気に接触する表面積をより大きくしている。
伝熱パターン474は、伝熱基部474aと、伝熱基部474aから櫛歯状に突出した端子部474b及び端子部474cとを有している。伝熱パターン474の厚さは略均一である。
伝熱基部474aは、片面がカバーフィルム477に覆われており、もう一面は、ベースフィルム476の開口部476aの部分で露出している。この伝熱基部474aの露出部分に、放熱板471が、熱伝導可能に接着されている。
端子部474b、及び端子部474cは、伝熱基部474aから櫛歯状に突出しており、片面が伝熱基部474aと共にベースフィルム476に覆われている。もう片面は、カバーフィルム477が、伝熱基部474aから端子部474b及び端子部474cの伝熱基部474aへの付け根部分までを覆っており、端子部474b及び端子部474cの大部分は露出している。この端子部474b及び端子部474cにおける露出部分がヘッド本体74の外壁に熱伝導可能に接着されている。
液滴吐出ヘッド17のキャリッジプレート53への取り付けは、図4を参照して説明したヘッドユニット54における液滴吐出ヘッド17のキャリッジプレート53への取り付けと同様である。冷却ユニット460は、ヘッドユニット54における冷却ユニット110と同様に、1個の液滴吐出ヘッド17に対してそれぞれ2個ずつ配設されている。2個の冷却ユニット460は、液滴吐出ヘッド17の両側に、図23(b)に示したように固定されている。
端子部474cは、伝熱基部474aへの付け根側の端子伝熱部474vと、先端側の端子端部474wと、で構成されている。端子端部474wが、ヘッド本体74の外壁における上述した圧力室158に略臨む位置に熱伝導可能に接続されている。端子端部474wの幅は端子部474bの幅と同一に設定されており、端子部474cが圧力室158などに臨む範囲は、端子部474bと同様である。端子伝熱部474vの幅が端子端部474wより小さくなっており、伝熱基部474aから端子端部474wに単位時間当たりに伝わる熱量は、伝熱基部474aから端子部474bの先端側に単位時間当たりに伝わる熱量より少なくなっている。端子伝熱部474vの幅を変えることによって、伝熱基部474aから端子端部474wに単位時間当たりに伝わる熱量が異なる端子部474cを形成することができる。図23(a)では1種類のみ示したが、伝熱パターン474は、端子伝熱部474vの幅が互いに異なる複数種類の端子部474cを有している。
吐出ノズル78の吐出ノズル温度が例えば上昇してヘッド本体74の温度が上昇すると、熱がヘッド本体74の外壁から、端子部474b又は端子部474c、及び伝熱基部474aを介して、放熱板471に伝わる。ヘッド本体74に比べて、放熱板471は大気に接触する面積が大きいため、伝えられた熱を大気中に放出し易い。従って、液滴吐出ヘッド17のヘッド本体74の温度の変動を抑制することができる。
図5(c)を参照して説明した端子基板112における伝熱パターン114と同様に、伝熱パターン474には、例えば、ノズル列78Aにおける5個の吐出ノズル78に対して1個の端子部474b又は端子部474cが設けられており、ノズル列78Aにおける180個の吐出ノズル78に対応して、36個の端子部474b又は端子部474cが形成されている。本実施形態においては、端子部474cにおける端子伝熱部474vの幅は、伝熱パターン474の両方の端に近い端子部474cにおける端子伝熱部474vの幅を、伝熱パターン474の中央に近い位置の端子部474cにおける端子伝熱部474vの幅より大きくしてある。端子部474bは、端子伝熱部474vの幅が端子端部474wと同じである端子部474cに相当し、伝熱パターン474の両方の端には端子部474bが形成されている。
伝熱パターン474における端子伝熱部474vの幅のこのような分布は、図5(b)を参照して説明したノズル列78Aを構成する180個の吐出ノズル78のそれぞれの吐出重量の分布に対応した分布である。
端子伝熱部474vの幅が広いほど、端子端部474wから伝熱基部474aに単位時間当たりに伝わる熱量は多くなるため、ノズル列78Aの端の方に位置する吐出ノズル78の方が中央側に位置する吐出ノズル78より、冷却され易くなっている。
端子部474b及び端子部474cが、温度調整端子に相当する。
以下、第三の実施形態の効果を記載する。第三の実施形態によれば、第一の実施形態又は第二の実施形態によって得られる効果に加えて、以下に記載する効果が得られる。
(1)冷却ユニット410の冷却素子411がヘッド本体74の外壁に熱伝導可能に接続されている。これにより、ヘッド本体74の冷却素子411が接続された部分の温度を調整することができる。
(2)冷却素子411をそれぞれ独立して制御することができるため、ヘッド本体74の各部分、即ち各吐出ノズル78の吐出ノズル温度、又は吐出ノズル群の吐出ノズル温度を、各吐出ノズル78又は吐出ノズル群ごとに調整することができる。
(3)冷却ユニット440によって、ヘッド本体74の外壁が、副ヘッド保持部材103、主ヘッド保持部材102、及びキャリッジプレート53と熱伝導可能に接続されている。副ヘッド保持部材103及び主ヘッド保持部材102を含めたキャリッジプレート53は、体積が大きく熱容量も大きいため、ヘッド本体74から伝わった熱エネルギによるキャリッジプレート53の温度の変動は微小であり、ヘッド本体74の温度上昇を抑制することができる。
(4)冷却ユニット440の伝熱パターン454は、端子伝熱部454vの幅が互いに異なることで単位時間当たりに伝わる熱量が互いに異なる複数種類の端子部454cを有している。例えば、温度上昇をより抑制するべき部分に単位時間当たりに伝わる熱量がより多い端子部454cを配置することによって、ヘッド本体74の各部分、即ち各吐出ノズル78の吐出ノズル温度を、各吐出ノズル78ごとに異ならせることができる。
(5)冷却ユニット460の端子基板472によって、ヘッド本体74の外壁が放熱板471と熱伝導可能に接続されている。放熱板471からは、ヘッド本体74の外壁からより大気中へ熱エネルギが放出され易いため、ヘッド本体74から伝わった熱エネルギが放熱板471から放出されることによって、ヘッド本体74の温度上昇を抑制することができる。
(6)冷却ユニット460の伝熱パターン474は、端子伝熱部474vの幅が互いに異なることで単位時間当たりに伝わる熱量が互いに異なる複数種類の端子部474cを有している。例えば、温度上昇をより抑制するべき部分に単位時間当たりに伝わる熱量がより多い端子部474cを配置することによって、ヘッド本体74の各部分、即ち各吐出ノズル78の吐出ノズル温度を、各吐出ノズル78ごとに異ならせることができる。
以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
(変形例1)前記実施形態においては、端子部114cなどにおける端子伝熱部114vなどの幅を変えることによって端子部を伝導する単位時間あたりの熱量を調整していたが、伝導する単位時間あたりの熱量を調整する方法として端子の幅を変えることは必須ではない。端子部を伝導する単位時間あたりの熱量は、端子部の厚さを変えることによって調整するなど、端子部の断面積を変えることによって調整することができる。
(変形例2)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド17のヘッド本体74(ポンプ部75)に接触している端子部114cなどは、複数の吐出ノズル78に対して1個の端子部が設けられていたが、1個の端子部を複数の吐出ノズルに対応させることは必須ではない。1個の吐出ノズルに対して1個の端子部を設ける構成であってもよい。
(変形例3)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド17のヘッド本体74に接触している伝熱パターン114などの部分は、端子部114bなどのように櫛歯状の端子であったが、吐出ヘッドに接触する端子が吐出ノズルの配列方向において分割されていることは必須ではない。吐出ヘッドに接触する端子は、吐出ノズルの配列方向に連続している構成であってもよい。
液滴吐出ヘッド17に接触する伝熱パターン514が連続している端子基板512について、図24を参照して説明する。図24は、端子基板の構成を示す平面図である。図24に示した端子基板512は、図4を参照して説明した端子基板112とは、伝熱パターン514の形状のみが異なる。伝熱パターン514は、伝熱基部514aと、端子部514bとを有している。伝熱基部514aと端子部514bとの境界部分には、調整孔515a及び調整孔515bが形成されている。調整孔515a及び調整孔515bの幅を変えることによって、伝熱基部514aと端子部514bとの境界部分の幅、及び伝熱基部514aと端子部514bとを連結する部分の配置を調整することができる。これにより、端子基板112などと同様に、単位時間当たりに伝わる熱量をノズル列における吐出ノズルの配列方向において異ならせることができる。
吐出ヘッドに接触する端子が吐出ノズルの配列方向に連続している他の例として、液滴吐出ヘッド17に接触する伝熱パターン554が連続している端子基板542について、図25を参照して説明する。図25(a)は、端子基板の構成を示す側面図であり、図25(b)は、端子基板の構成を示す平面図である。図25に示した端子基板542は、図4を参照して説明した端子基板112とは、伝熱パターン554の形状のみが異なる。伝熱パターン554は、伝熱基部554aと、端子部554bとを有している。図25(a)に示すように、端子部554bは、端子部554bがヘッド本体74に接触した状態で、ノズル列78Aの延在方向において、厚さが変化している。ノズル列78Aの延在方向において端子部554bの部分の厚さが異なることによって、ノズル列78Aの延在方向における単位長さあたり及び単位時間あたりの端子部554bを伝導する熱量は異なっている。これにより、端子部554bの厚さを各部分ごとに調整することによって、端子基板112などと同様に、単位時間当たりに伝わる熱量をノズル列における吐出ノズルの配列方向において異ならせることができる。
(変形例4)前記実施形態においては、冷却ユニット460は、2個の放熱板471を有し、端子基板472の端子部474cの幅を変えることで、位時間当たりに伝わる熱量を調整していた。しかし、位時間当たりに伝わる熱量を調整するために端子部を異ならせることは必須ではない。端子部474b又は端子部474cごとに放熱板を設け、当該放熱板の大きさを異ならせることによって、単位時間あたりの放熱量、即ち吐出ノズルを冷却する度合いを調整してもよい。
(変形例5)前記実施形態においては、液滴吐出装置1のヘッドユニット54や液滴吐出装置301のヘッドユニット354は12個の液滴吐出ヘッド17を備えていたが、ヘッドユニットが備える液滴吐出ヘッドの数は、12個に限らない。ヘッドユニットは、何個の液滴吐出ヘッドを備えていてもよい。
(変形例6)前記実施形態においては、液滴吐出装置1は1組のヘッドユニット54を備えており、液滴吐出装置301は10組のヘッドユニット354を備えていたが、液滴吐出装置が備えるヘッドユニットは1組又は10組に限らない。液滴吐出装置は、何組のヘッドユニットを備えていてもよい。
(変形例7)前記実施形態においては、温度調整端子としての伝熱パターン114は、金属材料が箔状又は薄板状の形状に形成されたものをフィルムに挟んで基板状に形成されていたが、温度調整端子の形態は基板状のものに限らない。吐出ヘッドに接触させて熱を伝導させることが可能であれば、どのような形状であってもよい。温度調整端子を構成する材料も、熱伝導率が高い材料であれば、どのような材料であってもよい。
(変形例8)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド17の温度を調整する装置として、冷却素子111を備える冷却ユニット110などの冷却用の装置を例に説明したが、吐出ヘッドの温度を調整する装置は冷却装置に限らない。吐出ヘッドの温度を調整する装置は、熱エネルギを供給する熱源を有する加熱装置であってもよい。
(変形例9)前記実施形態においては、伝熱パターン114などの温度調整端子は、液滴吐出ヘッド17のヘッド本体74の外壁に熱伝導性に富む材料で形成された接着剤を用いて接着されていたが、温度調整端子を吐出ヘッドに固定するために接着剤を用いることは必須ではない。熱伝導が良好に行えればどのような固着方法であってもよい。熱源又は冷却源と温度調整端子との接続も、熱伝導が良好に行えればどのような接続方法であってもよい。
(変形例10)前記実施形態においては、機能液をマザー対向基板201Aなどに配置する吐出装置として、インクジェット方式の液滴吐出ヘッド17を備える液滴吐出装置1又は液滴吐出装置301を例に説明したが、吐出装置が液滴吐出装置であることは必須ではない。吐出装置としては、例えば、ディスペンサを備える吐出装置なども用いることができる。大面積の膜形成区画に大量の膜材料を配置する必要がある場合には、液滴吐出ヘッドより単位時間あたりの吐出量が多いディスペンサを用いることが有用である。
(変形例11)前記実施形態においては、液晶表示パネル200のフィルタ膜205を形成する際の描画吐出について説明したが、形成する膜は、フィルタ膜に限らない。形成する膜は、液晶表示装置の画素電極膜や配向膜や対向電極膜や、カラーフィルタなどを保護するためなどに設けるオーバーコート膜などであってもよい。
形成する膜を有する装置、又は形成過程において膜を形成する必要がある装置も、液晶表示装置に限らない。上述したような膜を有する装置、又は形成過程において上記したような膜を形成する必要がある装置であれば、どのような装置であってもよい。例えば、有機EL表示装置にも適用できる。有機EL表示装置を製造する際に上述した液滴吐出装置を用いて形成する機能膜は、有機EL表示装置の正極電極膜や陰極電極膜、フォトエッチングなどによってパターンを形成するための膜や、フォトエッチングなどのフォトレジスト膜などであってもよい。
(変形例12)前記実施形態においては、液滴吐出装置1を使用して機能液を配置することで描画を実施する描画対象物の一例として、電気光学装置の一例であるカラーフィルタを備える液晶表示パネル200について説明したが、描画対象物は電気光学装置に限らない。上述したヘッドユニット、吐出装置、及び吐出方法は、製造に際して様々な液状体を配置して加工を実施する様々な加工対象物を加工するための製造装置、及び製造方法として利用できる。例えば、回路基板のマザー回路基板、及び液状の導電材料を吐出する配線導電パターンの加工方法又は加工装置、絶縁膜を有する回路基板のマザー回路基板、及び液状の絶縁材料を吐出する絶縁膜パターンの加工方法又は加工装置、半導体ウェハ、及び液状の導電材料を吐出する半導体装置の配線導電膜の加工方法又は加工装置、半導体ウェハ、及び液状の絶縁材料を吐出する半導体装置の絶縁層の加工方法又は加工装置などとして、利用することもできる。
(変形例13)前記実施形態においては、液晶表示パネル200が備えるCF層208は、赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205Bの3色のフィルタ膜を有する3色フィルタであったが、カラーフィルタは、さらに多くの種類のフィルタ膜を有する多色のカラーフィルタであってもよい。多色のカラーフィルタとしては、例えば、赤色、緑色、青色に加えて赤色、緑色、青色の補色のシアン(青緑)、マゼンタ(紫赤)、イエロー(黄色)の有機EL素子を有する6色カラーフィルタや、シアン(青緑)、マゼンタ(紫赤)、イエロー(黄色)の3色に緑色を加えた4色カラーフィルタなどがあげられる。
(変形例14)前記実施形態においては、膜形成区画、機能膜区画、又は色要素領域としてのフィルタ膜領域225などは長方形であったが、膜形成区画、機能膜区画、又は色要素領域が長方形であることは必須ではない。近年、表示特性を向上させるために、画素の形状が長方形とは異なる表示装置も考案されている。膜形成区画、機能膜区画、又は色要素領域の形状は、形状が長方形とは異なる画素などを形成することができる形状のものであってもよい。
(変形例15)前記実施形態においては、一つの膜形成領域、機能膜領域、又はフィルタ領域膜においては、膜形成区画、機能膜区画、又は色要素領域としてのフィルタ膜領域225などは同じ大きさ及び形状であった。しかし、一つの膜形成領域、機能膜領域、又はフィルタ領域膜においては、膜形成区画、機能膜区画、又は色要素領域が単一の大きさ及び形状であることは必須ではない。例えば、4色カラーフィルタにおける表示の最小単位を構成する色要素の各色の大きさを光源の特性な合わせて異ならせたような、異なる大きさの膜形成区画、機能膜区画、又は色要素領域を有する膜形成領域、機能膜領域、又はフィルタ領域膜であってもよい。
(変形例16)前記実施形態においては、液滴吐出装置1は、マザー対向基板201Aなどを載置したワーク載置台21を主走査方向に移動させると共に、液滴吐出ヘッド17から機能液を吐出させることによって機能液を配置していた。また、ヘッドユニット54を副走査方向に移動することによって、マザー対向基板201Aなどに対する液滴吐出ヘッド17(吐出ノズル78)の位置を合わせこんでいた。しかし、配置ヘッドとしての液滴吐出ヘッドとマザー基板との、主走査方向の相対移動をマザー基板を移動させることで実施することも、副走査方向の相対移動を吐出ヘッドを移動させることで実施することも、必須ではない。
吐出ヘッドとマザー基板との、主走査方向の相対移動を吐出ヘッドを主走査方向に移動させることで実施してもよい。吐出ヘッドとマザー基板との、副走査方向の相対移動をマザー基板を副走査方向に移動させることで実施してもよい。あるいは、吐出ヘッドとマザー基板との、主走査方向及び副走査方向の相対移動を、吐出ヘッド、又はマザー基板のどちらか一方を、主走査方向及び副走査方向に移動させることで実施してもよいし、吐出ヘッド、又はマザー基板の両方を、主走査方向及び副走査方向に移動させることで実施してもよい。
第一の実施形態における液滴吐出装置の概略構成を示す平面図。 液滴吐出装置の概略構成を示す側面図。 (a)は、液滴吐出ヘッドをノズルプレート側から見た外観斜視図。(b)は、液滴吐出ヘッドの圧力室周りの構造を示す斜視断面図。(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズル部の構造を示す断面図。 (a)は、キャリッジプレートに取り付けられた液滴吐出ヘッド及び冷却ユニットをノズルプレート側からみた平面図。(b)は、(a)にA−Aで示した断面の断面図。(c)は、キャリッジプレートに取り付けられた液滴吐出ヘッド及び冷却ユニットの側面図。(d)は、キャリッジプレートに取り付けられた冷却ユニットの側面図。(e)は、冷却ユニットの端子基板の平面図。 (a)は、吐出ノズルの温度と吐出重量の関係を示す図。(b)は、ノズル列における吐出ノズルごとの吐出重量を示す図。(c)は、端子基板における端子伝熱部の幅の分布を示す図。(d)は、冷却ユニットを用いた場合のノズル列における吐出ノズルごとの温度を示す図。 ヘッドユニットの概略構成を示す平面図。 検査描画ユニットの全体構成を示す外観斜視図。 重量測定ユニットの部分及びフラッシングユニットの部分を含む重量測定ブロックの図。 液滴吐出装置の電気的構成を示す電気構成ブロック図。 液滴吐出ヘッドの電気的構成と信号の流れを示す説明図。 液晶表示パネルの概略構成を示す分解斜視図。 (a)は、対向基板の平面構造を模式的に示す平面。(b)は、マザー対向基板の平面構造を模式的に示す平面図。 3色カラーフィルタのフィルタ膜の配列例を示す模式平面図。 液晶表示パネルを形成する過程を示すフローチャート。 液晶表示パネルを形成する過程におけるフィルタ膜を形成する工程などを示す断面図。 液晶表示パネルを形成する過程における配向膜を形成する工程などを示す断面図。 フィルタ膜領域と吐出ノズルとの位置関係を示す説明図。 第二の実施形態における液滴吐出装置の概略構成を示す平面図。 (a)は、冷却ユニットの端子基板の平面図。(b)は、キャリッジプレートに取り付けられた液滴吐出ヘッド及び冷却ユニットの側面図。(c)は、キャリッジプレートに取り付けられた液滴吐出ヘッド及び冷却ユニットをノズルプレート側からみた平面図。 機能液を配置する工程を示すフローチャート。 (a)は、第三の実施形態における冷却ユニットの平面図。(b)は、液滴吐出ヘッド及び副ヘッド保持部材に取り付けられた冷却ユニットの側面図。 (a)は、冷却ユニットの平面図。(b)は、液滴吐出ヘッド及び副ヘッド保持部材に取り付けられた冷却ユニットを示す側面図。 (a)は、冷却ユニットの平面図。(b)は、液滴吐出ヘッド及び副ヘッド保持部材に取り付けられた冷却ユニットを示す側面図。 変形例における端子基板の構成を示す平面図。 (a)は、端子基板の構成を示す側面図。(b)は、端子基板の構成を示す平面図。
符号の説明
1,301…液滴吐出装置、17…液滴吐出ヘッド、53…キャリッジプレート、54…ヘッドユニット、74…ヘッド本体、75…ポンプ部、76…ノズルプレート、78…吐出ノズル、78A…ノズル列、110…冷却ユニット、111…冷却素子、112…端子基板、114…伝熱パターン、114a…伝熱基部、114b,114c…端子部、114v…端子伝熱部、114w…端子端部、116…ベースフィルム、117…カバーフィルム、151…圧力室プレート、152…振動板、157…ヘッド隔壁、158…圧力室、159…圧電素子、310…冷却ユニット、311…冷却素子、312…端子基板、314…伝熱パターン、410…冷却ユニット、411…冷却素子、414…伝熱シート、440…冷却ユニット、454…伝熱パターン、454a…伝熱基部、454b,454c…端子部、454v…端子伝熱部、454w…端子端部、460…冷却ユニット、471…放熱板、472…端子基板、474…伝熱パターン、474a…伝熱基部、474b,474c…端子部、474v…端子伝熱部、474w…端子端部、512…端子基板、514…伝熱パターン、514a…伝熱基部、514b…端子部、515a,515b…調整孔、542…端子基板、554…伝熱パターン、554a…伝熱基部、554b…端子部。

Claims (30)

  1. 液状体を吐出する複数の吐出ノズルが形成されたノズルプレートと、前記ノズルプレートを支持すると共に、内部に前記複数の吐出ノズルのそれぞれの吐出ノズルに連通する前記液状体の流路が形成されているプレート保持部とを有する吐出ヘッドと、
    熱源又は冷却源と、
    少なくとも大気より熱伝導率が高い材料で形成されており、一端が前記吐出ノズルに連通する前記流路に臨む前記プレート保持部の外壁に接触しており、他端が前記熱源又は前記冷却源に接触している温度調整端子と、を備えることを特徴とするヘッドユニット。
  2. 前記温度調整端子が、前記吐出ノズルごとに、配置されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドユニット。
  3. 前記温度調整端子が、第一の複数の前記吐出ノズルから成るノズル群ごとに、配置されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドユニット。
  4. 前記熱源又は前記冷却源は、前記温度調整端子ごとに個別に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のヘッドユニット。
  5. 前記熱源又は前記冷却源には、複数の前記温度調整端子が接続されており、
    前記複数の温度調整端子は、第一の温度調整端子と、前記第一の温度調整端子とは前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の単位時間あたりの熱伝導量が異なる第二の温度調整端子と、を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のヘッドユニット。
  6. 前記第一の温度調整端子における前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達方向に略直交する方向の断面積が、前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達経路の少なくとも一部において、前記第二の温度調整端子とは異なることを特徴とする請求項5に記載のヘッドユニット。
  7. 前記温度調整端子における、前記吐出ノズルの配列方向の単位長さあたり、及び単位時間あたりの熱伝導量が、前記吐出ノズルの配列方向において、段階的又は連続的に異なっていることを特徴とする請求項3に記載のヘッドユニット。
  8. 前記温度調整端子における、前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達方向に略直交する方向の、前記吐出ノズルの配列方向の単位長さあたりの前記温度調整端子の断面積が、前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達経路の少なくとも一部において、前記吐出ノズルの配列方向において、段階的又は連続的に異なっていることを特徴とする請求項7に記載のヘッドユニット。
  9. 前記熱源又は前記冷却源は、熱容量が少なくとも前記吐出ヘッドより大きい部材であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載のヘッドユニット。
  10. 前記部材は、前記吐出ヘッドが取り付けられて支持されるヘッド支持部材であることを特徴とする請求項9に記載のヘッドユニット。
  11. 前記熱源又は前記冷却源は、ヘッドユニットが設置されている環境の大気であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載のヘッドユニット。
  12. 前記温度調整端子が、前記熱源又は前記冷却源で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のヘッドユニット。
  13. 前記吐出ヘッドは、インクジェット方式の液滴吐出ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のヘッドユニット。
  14. 請求項1乃至8、及び12のいずれか一項に記載のヘッドユニットを備えることを特徴とする吐出装置。
  15. 前記複数の吐出ノズルのそれぞれの吐出ノズルにおける吐出量の温度特性の情報を取得する情報取得部と、
    吐出量の温度特性の情報に基づいて、前記熱源又は前記冷却源を備える温度調節装置を制御することによって、前記吐出ヘッドの各部分の温度を調整するヘッド部分温度制御部と、をさらに備えることを特徴とする、請求項14に記載の吐出装置。
  16. 前記吐出ヘッドの温度を測定する温度測定部をさらに備え、
    前記ヘッド部分温度制御部は、測定結果及び前記吐出量の温度特性に基づいて、前記吐出ヘッドの各部分の温度を調整することを特徴とする、請求項15に記載の吐出装置。
  17. 前記温度測定部は、吐出重量測定部と、前記吐出重量測定部によって測定された吐出重量から前記吐出ヘッドの各部分の温度を算出する温度演算部と、を備えることを特徴とする、請求項16に記載の吐出装置。
  18. 請求項9乃至11のいずれか一項に記載のヘッドユニットを備えることを特徴とする吐出装置。
  19. 液状体を吐出する複数の吐出ノズルが形成されたノズルプレートと、前記ノズルプレートを支持すると共に、内部に前記複数の吐出ノズルのそれぞれの吐出ノズルに連通する前記液状体の流路が形成されているプレート保持部とを有する吐出ヘッドを用いる吐出方法であって、
    温度を調整するための温度調整端子を、前記プレート保持部の外壁の部分に接触させた状態で、前記温度調整端子の温度を調整することによって、当該温度調整端子が接触している前記プレート保持部の部分の温度を調整する温度調整工程を有することを特徴とする吐出方法。
  20. 前記温度調整端子を前記吐出ノズルごとに配置し、
    前記温度調整工程において、前記吐出ノズルごとに前記吐出ヘッドの温度を調節することを特徴とする、請求項19に記載の吐出方法。
  21. 前記温度調整端子を、第一の複数の前記吐出ノズルから成るノズル群ごとに、配置し、
    前記温度調整工程において、前記ノズル群ごとに前記吐出ヘッドの温度を調節することを特徴とする、請求項19に記載の吐出方法。
  22. 前記温度調整端子の温度を調整するための熱源又は冷却源を、前記温度調整端子ごとに個別に設け、それぞれの前記熱源又は前記冷却源によって、前記温度調整端子の温度を個別に調節することを特徴とする請求項19乃至21のいずれか一項に記載の吐出方法。
  23. 前記温度調整端子の温度を調整する熱源又は冷却源に、複数の前記温度調整端子を接続し、
    それぞれの前記熱源又は前記冷却源によって、少なくとも前記複数の温度調整端子のそれぞれの温度調整端子における前記熱源又は前記冷却源に接続された一端の温度を調節すると共に、
    同一の前記熱源又は前記冷却源に接続された前記複数の温度調整端子のそれぞれの前記温度調整端子における単位時間あたりの熱伝導量を、互いに異ならせることで、それぞれの前記温度調整端子が接続されている前記外壁に対応する前記流路に連通する前記吐出ノズル相互の、又は前記ノズル群相互の相対温度を調整することを特徴とする、請求項19乃至21のいずれか一項に記載の吐出方法。
  24. 同一の前記熱源又は前記冷却源に接続された前記複数の温度調整端子のそれぞれの前記温度調整端子における、前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達方向に略直交する方向の断面積を、前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達経路の少なくとも一部において、互いに異ならせることを特徴とする、請求項23に記載の吐出方法。
  25. 前記温度調整端子における、前記吐出ノズルの配列方向の単位長さあたり、及び単位時間あたりの熱伝導量を、前記吐出ノズルの配列方向において段階的又は連続的に異ならせることによって、当該温度調整端子が対応するノズル群におけるそれぞれの前記吐出ノズルに対応する前記外壁の部分へ伝達する単位時間あたりの熱伝導量を、それぞれの部分ごとに互いに異ならせることを特徴とする、請求項21に記載の吐出方法。
  26. 前記温度調整端子における、前記温度調整端子の温度を調整する熱源又は冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達方向に略直交する方向の、前記吐出ノズルの配列方向の単位長さあたりの前記温度調整端子の断面積を、前記熱源又は前記冷却源と前記吐出ヘッドとの間の熱エネルギの伝達経路の少なくとも一部において、前記吐出ノズルの配列方向において、段階的又は連続的に異ならせることによって、当該温度調整端子が対応するノズル群におけるそれぞれの前記吐出ノズルに対応する前記外壁の部分へ伝達する単位時間あたりの熱伝導量を、それぞれの部分ごとに互いに異ならせることを特徴とする、請求項25に記載の吐出方法。
  27. 前記温度調整端子が、熱源又は冷却源であって、
    前記温度調整工程においては、当該熱源又は当該冷却源の温度を調節することで、前記吐出ヘッドの温度を調節することを特徴とする、請求項19乃至21のいずれか一項に記載の吐出方法。
  28. 前記複数の吐出ノズルのそれぞれの前記吐出ノズルにおける吐出量の温度特性の情報を取得する情報取得工程をさらに有し、
    前記温度調整工程において、前記情報取得工程において取得した吐出量の温度特性の情報に応じて、前記吐出ヘッドの部分ごとに温度を調整することを特徴とする、請求項19乃至27のいずれか一項に記載の吐出方法。
  29. 前記吐出ヘッドの温度を測定する温度測定工程をさらに有し、
    前記温度調整工程において、前記温度測定工程における測定結果及び前記情報取得工程で取得した前記吐出量の温度特性に基づいて、前記吐出ヘッドの各部分の温度を調整することを特徴とする、請求項28に記載の吐出方法。
  30. 前記温度調整工程は、前記吐出ヘッドから単位時間に吐出される吐出重量を測定する吐出重量測定工程と、前記吐出重量測定工程において測定された吐出重量から前記吐出ヘッドの各部分の温度を算出する温度演算工程と、を有することを特徴とする、請求項29に記載の吐出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018139292A (ja) * 2011-04-17 2018-09-06 ストラタシス リミテッド 造形物を積層造形するシステムおよび方法

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