JP2009233200A - ガイドワイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】先端部の曲げ剛性を適宜調整可能であり、これにより手術における使用本数を抑制すること、および、安全な操作が可能なガイドワイヤを提供すること。
【解決手段】ガイドワイヤ1は、カテーテルに挿入して用いられるカテーテル用ガイドワイヤであって、ワイヤ本体2と、ワイヤ本体2の先端部を覆うように設けられた螺旋状のコイル3と、コイル3の内側であって、ワイヤ本体2の表面に設けられたゲルポリマー層4とを有している。このゲルポリマー層4は、液体との接触により体積が変化するものであり、この体積変化を利用して、ガイドワイヤ1は、その先端側の曲げ剛性を調整可能になっている。また、ゲルポリマー層4は、環境感受性のゲルポリマーを含んでいるため、ゲルポリマー層4が接触する液体のpHや浸漬時間を適宜設定することにより、ゲルポリマー層4の膨張・収縮を厳密に調整することができる。
【選択図】図1
【解決手段】ガイドワイヤ1は、カテーテルに挿入して用いられるカテーテル用ガイドワイヤであって、ワイヤ本体2と、ワイヤ本体2の先端部を覆うように設けられた螺旋状のコイル3と、コイル3の内側であって、ワイヤ本体2の表面に設けられたゲルポリマー層4とを有している。このゲルポリマー層4は、液体との接触により体積が変化するものであり、この体積変化を利用して、ガイドワイヤ1は、その先端側の曲げ剛性を調整可能になっている。また、ゲルポリマー層4は、環境感受性のゲルポリマーを含んでいるため、ゲルポリマー層4が接触する液体のpHや浸漬時間を適宜設定することにより、ゲルポリマー層4の膨張・収縮を厳密に調整することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガイドワイヤ、特に血管のような体腔内にカテーテルを導入する際に用いられるガイドワイヤに関する。
ガイドワイヤは、例えばPTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty:経皮的冠状動脈血管形成術)のような、外科的手術が困難な部位の治療、または人体への低侵襲を目的とした治療や、心臓血管造影などの検査に用いられるカテーテルを誘導するのに使用される。PTCAに用いられるガイドワイヤは、ガイドワイヤの先端をバルーンカテーテルの先端より突出させた状態にて、バルーンカテーテルと共に目的部位である血管狭窄部付近まで挿入され、バルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部付近まで誘導する。
血管狭窄部まで到達したガイドワイヤは、血管狭窄部を通過することによって、血管狭窄部を押し広げる。これにより、バルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部に確実に誘導することができる。
しかしながら、血管狭窄部がどの程度狭窄しているかを、患者の体外から把握することは困難である。このため、施術者は、ガイドワイヤを血管狭窄部に突き当てて初めて、その狭窄度合いを知ることができる。
なお、血管狭窄部に突き当てるガイドワイヤの先端部は、その曲げ剛性ができるだけ小さい方が好ましい。これは、先端部の曲げ剛性が大き過ぎる場合、ガイドワイヤが血管壁に損傷を及ぼすおそれがあるためである。
このような背景から、施術者は、まず、先端部の曲げ剛性の小さい(柔軟性の高い)ガイドワイヤを血管狭窄部に突き当てることにより、通過を試みる。そして、通過させることができない場合、一旦血管からガイドワイヤを抜去し、より曲げ剛性の大きい(柔軟性の低い)ガイドワイヤを血管狭窄部に突き当てて、再度通過を試みる。このように、曲げ剛性が異なるガイドワイヤを順次用いることにより、ガイドワイヤが血管狭窄部を安全に通過することができる。
また、従来のガイドワイヤは、主に超弾性合金で構成されたワイヤ本体(案内ワイヤ)と、その先端部を覆うように設けられたコイルとを有する(例えば、特許文献1参照)。このような構成であるため、従来のガイドワイヤでは、先端部の曲げ剛性が、先端部の構成材料や熱処理履歴等に依存し、当初の曲げ剛性を途中で変更したりすることは困難である。
かかる観点から、従来は、1回の施術に際し、複数本のガイドワイヤを使用する必要が生じる。このため、手術に多大な手間とコスト、長時間を要することが問題とされている。
本発明の目的は、先端部の曲げ剛性を適宜調整可能であり、これにより手術における使用本数を抑制すること、および、安全な操作が可能なガイドワイヤを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。また、下記(9)〜(20)であることが好ましい。
(1) 可撓性を有するワイヤ本体と、
前記ワイヤ本体の先端部を覆うように設置され、素線を螺旋状に成形してなるコイルとを備えるガイドワイヤであって、
前記コイルの内側に設けられ、液体との接触により体積が変化するゲルポリマーを有することを特徴とするガイドワイヤ。
前記ワイヤ本体の先端部を覆うように設置され、素線を螺旋状に成形してなるコイルとを備えるガイドワイヤであって、
前記コイルの内側に設けられ、液体との接触により体積が変化するゲルポリマーを有することを特徴とするガイドワイヤ。
(2) 前記ゲルポリマーの体積変化を利用して、先端側の曲げ剛性を調整可能である上記(1)に記載のガイドワイヤ。
(3) 前記ゲルポリマーは、前記液体を吸収して膨潤し、体積が増大するものであり、前記ゲルポリマーの体積増加に伴って、先端側の曲げ剛性が増大する上記(1)または(2)に記載のガイドワイヤ。
(4) 前記ゲルポリマーは、その分子構造の一部にアニオン性基を有するものであり、
当該ゲルポリマーに接触させる液体として、前記アニオン性基を脱プロトン化し得る液体を用いる上記(3)に記載のガイドワイヤ。
当該ゲルポリマーに接触させる液体として、前記アニオン性基を脱プロトン化し得る液体を用いる上記(3)に記載のガイドワイヤ。
(5) 前記アニオン性基を脱プロトン化する前記液体として、生理食塩水または血液を用いる上記(4)に記載のガイドワイヤ。
(6) 前記ゲルポリマーの体積は、当該ゲルポリマーに接触させる前記液体のpHと、正の相関関係を有する上記(4)または(5)に記載のガイドワイヤ。
(7) 前記ゲルポリマーは、その分子構造の一部にカチオン性基を有するものであり、
当該ゲルポリマーに接触させる液体として、前記カチオン性基をプロトン化し得る液体を用いる上記(3)に記載のガイドワイヤ。
当該ゲルポリマーに接触させる液体として、前記カチオン性基をプロトン化し得る液体を用いる上記(3)に記載のガイドワイヤ。
(8) 前記ゲルポリマーの体積は、当該ゲルポリマーに接触させる前記液体のpHと、負の相関関係を有する上記(7)に記載のガイドワイヤ。
(9) 前記ゲルポリマーは、モノマー成分として、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの誘導体から選択される少なくとも1種を含むものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(10) 前記ゲルポリマーは、架橋剤として、エチレン性不飽和化合物を含むものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(11) 当該ガイドワイヤの先端側の曲げ剛性は、前記ゲルポリマーを前記液体に浸漬する時間、および、前記ゲルポリマーを浸漬する前記液体のpHの少なくとも一方を変化させることにより調整可能である上記(1)ないし(10)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(12) 前記ゲルポリマーは、前記ワイヤ本体の表面に設けられている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(13) 前記ワイヤ本体は、その先端側にリシェイプ可能なリシェイプ部を有しており、
前記ゲルポリマーは、前記リシェイプ部と前記ワイヤ本体との間に設けられている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
前記ゲルポリマーは、前記リシェイプ部と前記ワイヤ本体との間に設けられている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(14) 前記コイルは、その先端部とそれより基端側の少なくとも2か所において、固定材料により前記ワイヤ本体に対して固定されており、
前記ゲルポリマーは、前記2つの固定材料の間に設けられている上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
前記ゲルポリマーは、前記2つの固定材料の間に設けられている上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(15) 当該ガイドワイヤは、さらに、前記ゲルポリマーに対して前記液体を供給する流体供給流路を備えている上記(1)ないし(14)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(16) 前記流体供給流路は、前記ワイヤ本体の表面近傍または内部に配設されている上記(15)に記載のガイドワイヤ。
(17) 当該ガイドワイヤは、さらに、前記コイルの内側に存在する余分な前記液体または空気を、前記コイルの外側に排出する流体排出流路を備えている上記(15)または(16)に記載のガイドワイヤ。
(18) 前記流体排出流路は、前記ワイヤ本体の表面近傍または内部に配設されている上記(17)に記載のガイドワイヤ。
(19) 当該ガイドワイヤは、さらに、前記コイルの外周を覆う被覆層を有し、
前記被覆層は、前記コイルの内側に存在する供給された前記液体が、前記コイルの前記素線同士の隙間から流出するのを防止するよう構成されている上記(15)ないし(18)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
前記被覆層は、前記コイルの内側に存在する供給された前記液体が、前記コイルの前記素線同士の隙間から流出するのを防止するよう構成されている上記(15)ないし(18)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
(20) 前記コイルは、少なくとも一部に、前記素線同士の間に隙間を有しており、
当該ガイドワイヤを血管内に挿入することにより、前記隙間から前記コイルの内側に血液が浸入し、該血液が、前記液体として前記ゲルポリマーに接触するよう構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
当該ガイドワイヤを血管内に挿入することにより、前記隙間から前記コイルの内側に血液が浸入し、該血液が、前記液体として前記ゲルポリマーに接触するよう構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のガイドワイヤ。
本発明によれば、ガイドワイヤが、先端部に設けられたコイルの内側に、体積が変化するゲルポリマー層を備えているため、先端側の曲げ剛性を調整することが可能になっている。このため、手術において、使用本数を削減するとともに、安全な操作が可能なガイドワイヤが得られる。
また、ゲルポリマー層が分子構造の一部にアニオン性基を有する場合、ゲルポリマー層に接触させる液体として、アニオン性基を脱プロトン化し得る液体を用いることにより、ゲルポリマー層をより速やかに膨張させることができる。
一方、ゲルポリマー層が分子構造の一部にカチオン性基を有する場合、ゲルポリマー層に接触させる液体として、カチオン性基をプロトン化し得る液体を用いることにより、ゲルポリマー層をより速やかに膨張させることができる。
また、ゲルポリマー層を液体に浸漬する時間、および、ゲルポリマー層を浸漬する液体のpHの少なくとも一方を変化させることにより、ガイドワイヤの先端側の曲げ剛性を調整することができる。
以下、本発明のガイドワイヤを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明のガイドワイヤの第1実施形態について説明する。
まず、本発明のガイドワイヤの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示すガイドワイヤの使用状態を説明するための図である。なお、説明の都合上、図1、2中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図1、2中では、見易くするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示したものであり、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは大きく異なる。
図1に示すガイドワイヤ1は、カテーテルに挿入して用いられるカテーテル用ガイドワイヤであって、ガイドワイヤ1を主に構成するワイヤ本体(芯線)2と、ワイヤ本体2の先端部を覆うように設けられた螺旋状のコイル3と、コイル3の内側であって、ワイヤ本体2の表面に設けられたゲルポリマー層4とを有している。
ワイヤ本体2は、好ましくは金属材料で構成され、図1に示すように、比較的外径の大きい本体部20と、本体部20より先端側に位置し、先端方向に向かって外径が漸減する第1テーパ部21および第2テーパ部23と、両テーパ部21、23の間に位置し、長手方向に沿って外径がほぼ一定の中間部22と、第2テーパ部23より先端側に位置する細径部(リシェイプ部)24とを有している。
そして、ワイヤ本体2の第1テーパ部21より先端側の部分は、コイル3の内側のほぼ中心部に挿通されている。図示の構成では、ワイヤ本体2の第1テーパ部21より先端側の部分は、コイル3の内面と非接触で挿通されている。
ワイヤ本体2を構成する金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、Ni−Ti系合金等が挙げられる。
また、第1テーパ部21や第2テーパ部23を有することにより、ワイヤ本体2の剛性を先端方向に向かって徐々に減少させることができ、挿入の操作性の向上とともに、折れ曲がり等も防止することができる。
ここで、ワイヤ本体2は、その全長に渡って、例えばステンレス鋼やNi−Ti系合金のような単一の材料で構成することもできるが、異なる材料を組み合わせて形成することもできる。例えば、本体部20(基端側部分)をステンレス鋼のような比較的高剛性の材料で構成し、本体部20より先端側、すなわち図示の実施形態では、第1テーパ部21、中間部22、第2テーパ部23および細径部24をNi−Ti系合金のようなステンレス鋼よりも剛性の小さい材料で構成することができる。これにより、ガイドワイヤ1は、優れた押し込み性やトルク伝達性を得て良好な操作性を確保しつつ、先端側においては良好な柔軟性、復元性を得て血管への追従性、安全性が向上する。
なお、ワイヤ本体2における異種材料の組み合わせは、上記に限らず、その目的に応じて適宜選択することができる。例えば、リシェイプしたときの形状保持性を向上するために、中間部22、第2テーパ部23および細径部24のうちの少なくとも1つをステンレス鋼で構成することができる。また、同じNi−Ti系合金などの材料であっても、本体部20と本体部20より先端側の部分の剛性特性が異なるものでも構わない。つまり、本体部20の方が本体部20より先端側の部分よりも材料的に高剛性であってもよい。
また、細径部24は、例えばステンレス鋼のような塑性変形可能(リシェイプ可能)な材料で構成されており、これにより、前述したリシェイプ(形状付け)を容易かつ確実に行うことができる。すなわち、医師等が手指でガイドワイヤ1の先端部分をリシェイプ(形状付け)する際に、細径部24が塑性変形して、希望通りの形状を形作り、かつその形状を維持することができる機能を発揮する。なお、ここで、「リシェイプ可能」とは、細径部24を所望の形状に曲げて形状を保持できることを言う。
細径部24の長さは、特に限定されないが、通常は、0.5〜4.0cm程度であるのが好ましく、1.5〜3.0cm程度であるのがより好ましい。細径部24がこのように細い線材で構成されているため、細径部24は特に可撓性(柔軟性)が高く、容易にリシェイプ可能なものとなる。
また、細径部24は、図1のA−A線断面図に示すように、平板状または角柱状をなしている。このように横断形状が長方形をなす細径部24では、長方形の長辺方向(図1中、上下方向)への曲げが短辺方向への曲げに比べてより容易であり、リシェイプの方向性が規定し易いという利点があるとともに、長辺方向への柔軟性を確保することができ、応力を作用したときの追従変形性が向上する。
なお、細径部24の横断面形状は、正方形、長方形、台形等の四角形をなしているものでもよい。
また、細径部24の一部にこのような平板状または角柱状の部位が存在していてもよい。
また、細径部24は、その全長に渡って横断面形状が一定でも、横断面形状が変化(面積が減少または増加)する部分が存在していてもよい。
また、細径部24の少なくとも一部には、前述したようなX線不透過材料の層を設けてもよい。これにより、細径部24にX線造影性が得られ、X線透視下で先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入することができる。
コイル3は、素線を螺旋状に成形されたものであり、外力を付与しない状態で、螺旋状の部位が隙間なく密に配置されている。コイル3を構成する金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、Ni−Ti系合金のような超弾性合金、形状記憶合金、コバルト系合金、金、白金のような貴金属、タングステン系合金等が挙げられる。特に、貴金属、タングステン系合金のようなX線不透過材料を用いることにより、ガイドワイヤ1にX線造影性が得られ、X線透視下で先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入することができ、好ましい。
なお、本実施形態の場合、コイル3は、素線の横断面が円形のものを用いているが、これに限らず、素線の断面が例えば楕円形、四角形(特に長方形)等のものであってもよい。
また、コイル3は、その長手方向の途中で構成が変化していてもよい。すなわち、コイル3の先端側と基端側とで、素線の径(太さ)、素線の断面形状、素線の単位長さあたりの巻き数、螺旋のピッチ、コイルの外径・内径等の条件が異なっていてもよい。
さらに、コイル3は、例えば先端側と基端側とで異なるコイルを連結したものであってもよい。この場合、先端側のコイルと基端側のコイルとで、それらを構成する素線の材質、径(太さ)、断面形状、素線の単位長さあたりの巻き数、螺旋のピッチ、コイルの外径・内径等の条件は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
コイル3は、その基端部がワイヤ本体2の中間部22の基端側に固定されている。この固定方法は、特に限定されないが、本実施形態の場合、半田(ろう材)等の固定材料51により固定されている。なお、他の固定方法としては、溶接、接着剤による接着等が挙げられる。
また、コイル3は、その中間付近がワイヤ本体2の第2テーパ部23に固定されている。この固定方法は、特に限定されないが、本実施形態の場合、半田(ろう材)等の固定材料52により固定されている。
さらに、コイル3は、その先端部がワイヤ本体2の細径部24の先端側に固定されている。この固定方法も、特に限定されないが、本実施形態の場合、半田(ろう材)等の固定材料53により固定されている。
なお、これら固定材料52、53による固定は、溶接、接着剤による接着等の固定方法により代替するようにしてもよい。
また、固定材料51の基端面および固定材料53の先端面は、血管内壁の損傷を防止するために、丸みを帯びているのが好ましい。
細径部24には、その表面を覆うようにゲルポリマー層4が設けられている。このゲルポリマー層4は、液体との接触により体積が変化するものである。
すなわち、このゲルポリマー層4を構成するゲルポリマーは、ゲル化する前の乾燥状態では、ゲル状態をなしていないが、内部に液体を取り込むことによって膨張(膨潤)し、ゲル化する性質を有するものである。また、このようにして膨張したゲルポリマーは、所定の性質の液体と接触することにより、取り込んだ液体を放出して収縮する性質をも有するものである。
すなわち、このゲルポリマーは、接触する液体の性質により、膨張・収縮を選択可能なものである。このようなゲルポリマーは、一般に「環境感受性ゲルポリマー」と称される。
ゲルポリマー層4が膨張すると、細径部24を補強することになるため、結果的にガイドワイヤ1の先端側の部分の曲げ剛性が増大する。この状態からゲルポリマー層4が収縮すると、細径部24を補強する割合が低下し、ガイドワイヤ1の先端側の部分の曲げ剛性が減少する。
このようなことから、図1に示すガイドワイヤ1は、施術者がゲルポリマー層4に接触させる液体を適宜変更することにより、先端側の部分の曲げ剛性が調整可能なものとなる。
このようなガイドワイヤ1は、曲げ剛性の異なる複数種のガイドワイヤを用意することなく、1本のガイドワイヤ1において、多様な血管狭窄部に対応することができる。このため、必然的にガイドワイヤの使用本数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。
また、ゲルポリマー層4に接触させる液体の性質を厳密に制御することによって、ガイドワイヤ1の先端側部分の曲げ剛性を厳密に制御することができる。このため、血管狭窄部の狭窄状態に応じて、適宜最適な曲げ剛性のガイドワイヤ1を用意することができ、これにより安全で違和感の少ない手術を行うことが可能になる。
環境感受性ゲルポリマーは、主に、環境感受性のモノマー成分またはプレポリマー成分を重合・架橋してなる架橋体であり、三次元網目構造を有するポリマーで構成される。
このような環境感受性ゲルポリマーは、分子鎖の隙間に空孔を有している。この空孔は、分子鎖間の結合力に応じて拡大・縮小するが、この分子鎖間の結合力は、ゲルポリマーが存在する環境に応じて変化する。このような性質により、環境感受性ゲルポリマーは、環境の変化に応じて、空孔内に液体を取り込んだり、取り込んだ液体を排出したりすることができる。
環境感受性ゲルポリマーのモノマー成分またはプレポリマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの誘導体、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルリン酸、ビニルピリジン、塩酸トリメチルビニルピリジニム、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩酸、ジメチルメタクリロイロキシエチルアンモニウムプロパンスルホン酸等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
このうち、アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの誘導体が特に好ましく用いられる。アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの誘導体は、環境感受性のモノマー成分(プレポリマー成分)であり、これらを含むゲルポリマーは、後述するイオン性官能基を有するものとなるため、より環境感受性の高いものとなる。
また、環境感受性ゲルポリマーのモノマー成分またはプレポリマー成分は、上記のほかに、2−ヒドロキシエチルアクリラート、2−ヒドロキシエチルメタクリラート、アクリルアミドやメタクリルアミド、またはこれらの誘導体のようなエチレン性不飽和モノマーを含むのが好ましい。
このうち、アクリルアミドが特に好ましく用いられる。アクリルアミドによれば、ゲルポリマーの機械的特性を高めることができる。
また、モノマー成分またはプレポリマー成分は、その分子構造の一部にイオン性官能基を有するものであるのが好ましい。これにより、環境感受性ゲルポリマーは、接触する液体の組成や含まれるイオンの濃度等に応じて、選択的に膨張率・収縮率が高くなる。このため、ガイドワイヤ1の曲げ剛性をより確実に調整することができる。また、環境感受性ゲルポリマーの親水性が高くなるため、より多くの液体を積極的に吸収し得るものとなる。
ここで、環境感受性ゲルポリマーが分子構造の一部にアニオン性基を有するものである場合、環境感受性ゲルポリマーは脱プロトン化することにより膨張する。また、膨張した環境感受性ゲルポリマーは、プロトン化することによって収縮する。したがって、環境感受性ゲルポリマーは、脱プロトン化作用を有する液体に接触することにより膨張し、その後、プロトン化作用を有する液体に接触することにより収縮する。
アニオン性基としては、例えば、カルボン酸基、メルカプト基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。
一方、環境感受性ゲルポリマーが分子構造の一部にカチオン性基を有するものである場合、環境感受性ゲルポリマーはプロトン化することにより膨張する。また、膨張した環境感受性ゲルポリマーは、脱プロトン化することによって収縮する。したがって、環境感受性ゲルポリマーは、プロトン化作用を有する液体に接触することにより膨張し、その後、脱プロトン化作用を有する液体に接触することにより収縮する。
カチオン性基としては、例えば、アミノ基、アンモニウム塩基等が挙げられる。
なお、ゲルポリマー層4は、コイル3の内面に設けられていてもよく、細径部24の表面とコイル3の内面の双方に設けられていてもよい。
また、ゲルポリマー層4の非膨張時の平均厚さは、コイル3の螺旋の内径や細径部24の外径等に応じて適宜設定されるものの、膨張が飽和した状態(最も膨張した状態)でゲルポリマー層4がコイル3の内面に接触する程度であるのが好ましい。このように設定すれば、ガイドワイヤ1の先端部の曲げ剛性の調整範囲を最も拡大することができる。
具体的には、10〜500μm程度であるのが好ましく、20〜200μm程度であるのがより好ましい。
また、図1に示すゲルポリマー層4は、コイル3、固定材料52および固定材料53で囲まれた空間内に位置している。このため、ゲルポリマー層4は、この空間内で膨張することになるため、最終的には空間内がゲルポリマー層4で充填される。このため、ゲルポリマー層4が補強する領域をこの空間内に確実に限定することができ、ガイドワイヤ間の曲げ剛性における個体差を抑制することができる。
次に、上記のようなガイドワイヤ1の使用方法(作用)について説明する。なお、ここでは、(I)環境感受性ゲルポリマーが分子構造の一部にアニオン性基を有している場合と、(II)環境感受性ゲルポリマーが分子構造の一部にカチオン性基を有している場合とに分けて説明する。また、図2には、(I)の場合を代表に図示している。
PTCAでは、まず、ガイドワイヤ1の先端部をバルーンカテーテルの先端より突出させた状態で、血管内の血管狭窄部付近までガイドワイヤ1を挿入する。そして、ガイドワイヤ1が血管狭窄部を通過することによって、バルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部に誘導する。
しかしながら、血管狭窄部の狭窄状態によっては、ガイドワイヤ1の先端部が血管狭窄部を通過することができない場合がある。とは言え、当初から先端部の曲げ剛性が極めて大きいガイドワイヤを用いることは、血管壁に損傷を及ぼすおそれがあるため、避けなければならない。
このような場合、従来では、一旦ガイドワイヤを血管から抜去した後、先端部の曲げ剛性がより大きいガイドワイヤを別途用意し、これを用いて再度、血管狭窄部の通過を試みる。そして、通過させることができない場合、再びガイドワイヤを血管から抜去し、先端部の曲げ剛性がさらに大きいガイドワイヤを別途用意し、これを用いて再度、血管狭窄部の通過を試みる。従来では、このような一連の操作を繰り返していたため、複数本のガイドワイヤを使用する必要があり、ガイドワイヤのコストの増大を招いていた。
また、従来のガイドワイヤでは、先端部の曲げ剛性は、数段階に分かれていたものの、血管狭窄部の状態に応じて最適な曲げ剛性を有するガイドワイヤを用意することができなかった。
これに対し、ガイドワイヤ1(本発明のガイドワイヤ)は、先端部の曲げ剛性が調整可能になっているため、1本のガイドワイヤ1で上記の操作を行うことができる。
具体的には、まず、乾燥状態または少量の液体を含んだ状態にあるゲルポリマー層4を有するガイドワイヤ1を用意する。この状態のゲルポリマー層4は、図2(a)に示すように、コイル3の内側の空間に比べて体積が十分に小さい状態にある。
また、この状態では、ゲルポリマー層4の体積が小さいため、細径部24はほとんど補強されていない。このため、ガイドワイヤ1の先端側部分は、その曲げ剛性が相対的に小さい状態にある。したがって、ゲルポリマー層4がこのような状態にあるガイドワイヤ1は、最初に血管狭窄部の通過を試みるのに好ましく用いられる。
(I)環境感受性ゲルポリマーが分子構造の一部にアニオン性基を有している場合
この場合、図2(a)に示すガイドワイヤ1の先端部の曲げ剛性をより大きくするためには、ガイドワイヤ1の先端側部分を低pHの液体に浸漬する。これにより、ゲルポリマー層4が低pH液体に接触する。ここで、低pH液体は、後述する高pH液体に対して相対的にpHが小さいものであればよいが、好ましくはpH3〜7程度、より好ましくはpH4〜6程度とされる。このような低pH液体は、脱プロトン化作用が高pH液体に比べて相対的に弱いため、ゲルポリマー層4中のアニオン性基を緩やかに脱プロトン化する。このため、ゲルポリマー層4は、飽和することなく中程度に膨張し、図2(b)に示す状態になる。
この場合、図2(a)に示すガイドワイヤ1の先端部の曲げ剛性をより大きくするためには、ガイドワイヤ1の先端側部分を低pHの液体に浸漬する。これにより、ゲルポリマー層4が低pH液体に接触する。ここで、低pH液体は、後述する高pH液体に対して相対的にpHが小さいものであればよいが、好ましくはpH3〜7程度、より好ましくはpH4〜6程度とされる。このような低pH液体は、脱プロトン化作用が高pH液体に比べて相対的に弱いため、ゲルポリマー層4中のアニオン性基を緩やかに脱プロトン化する。このため、ゲルポリマー層4は、飽和することなく中程度に膨張し、図2(b)に示す状態になる。
この状態では、図2(a)に示す状態に比べて、ゲルポリマー層4が膨張しているため、細径部24が肉厚となり、より強く補強されている。これにより、ガイドワイヤ1の先端側部分は、その曲げ剛性が、図2(a)に示す状態に比べて大きくなっている。
このような状態のガイドワイヤ1で血管狭窄部を開通させることができない場合には、ガイドワイヤ1の先端部の曲げ剛性をさらに大きくする必要がある。
図2(b)に示すガイドワイヤ1の先端部の曲げ剛性をさらに大きくするためには、ガイドワイヤ1の先端側部分を高pHの液体に浸漬する。これにより、ゲルポリマー層4が高pH液体に接触する。ここで、高pH液体は、前述した低pH液体に対して相対的にpHが大きいものであればよいが、好ましくはpH7〜11程度、より好ましくはpH7〜10程度とされる。このような高pH液体は、脱プロトン化作用が低pH液体に比べて相対的に強いため、ゲルポリマー層4中のアニオン性基を速やかに脱プロトン化する。このため、ゲルポリマー層4は、顕著に膨張し、図2(c)に示す状態となる。
この状態では、図2(b)に示す状態に比べて、ゲルポリマー層4が膨張しているため、細径部24がさらに肉厚となり、さらに強く補強されている。これにより、ガイドワイヤ1の先端側部分は、その曲げ剛性が、図2(b)に示す状態に比べてより大きくなっている。
また、ガイドワイヤ1の先端側部分を湾曲させようとしても、コイル3とゲルポリマー層4が干渉することとなる。これも、曲げ剛性を高める作用を果たす。
このような高pH液体(低pH液体)には、特に、pHを調整した緩衝液や生理食塩水を用いるのが好ましい。これにより、生体親和性の高い液体がゲルポリマー層4に吸収されることになるため、ガイドワイヤ1は、より生体安全性の高いものとなる。
なお、図2(c)に示す状態では、コイル3の内側の空間のうち、一部を除いてゲルポリマー層4が占有している。ゲルポリマー層4は、コイル3の内側の空間の全体を占有していてもよいが、このとき、ガイドワイヤ1は、その先端部の曲げ剛性が最も大きい状態となる。
さらに、別の狭窄部へアプローチする場合は、再び低pH液体に浸漬する。これにより、ゲルポリマー層4が収縮し、元の曲げ剛性に近いものとして、ガイドワイヤ1を変えることなく、狭窄部の通過を最初から試みることができる。
また、低pH液体と高pH液体の双方において、pHおよび液体への浸漬時間の少なくとも一方を変化させることにより、ゲルポリマー層4の膨張率を微調整することができる。このようにしてガイドワイヤ1の先端側部分の曲げ剛性を微調整することができる。
具体的には、ゲルポリマー層4の体積は、ガイドワイヤ1の先端側部分を浸漬する上記のような液体(低pH液体および高pH液体)のpHとの間に、正の相関関係を有する。ここで、「正の相関関係」とは、液体のpHが高くなるにつれて、ゲルポリマー層4の体積が増大するような関係のことを言う。前述の低pH液体と高pH液体との間のゲルポリマー層4の膨張率の差異も、上記の相関関係に基づくものである。
この相関関係に基づけば、用いる液体のpHを微調整することにより、ゲルポリマー層4の膨張率も微調整することができる。
一方、ゲルポリマー層4の体積は、ガイドワイヤ1の先端側部分を上記のような液体に浸漬する時間との間にも、正の相関関係を有する。この相関関係に基づけば、ガイドワイヤ1の先端側部分を液体に浸漬する時間を微調整することにより、ゲルポリマー層4の膨張率も微調整することができる。
(II)環境感受性ゲルポリマーが分子構造の一部にカチオン性基を有している場合
この場合、ガイドワイヤ1の先端部の曲げ剛性をより大きくするためには、(I)の場合と反対に、ガイドワイヤ1の先端側部分を高pHの液体に浸漬する。このような高pH液体は、プロトン化作用が低pH液体に比べて相対的に弱いため、ゲルポリマー層4中のカチオン性基を緩やかにプロトン化する。このため、ゲルポリマー層4は、飽和することなく中程度に膨張し、図2(b)と同様の状態になる。
この場合、ガイドワイヤ1の先端部の曲げ剛性をより大きくするためには、(I)の場合と反対に、ガイドワイヤ1の先端側部分を高pHの液体に浸漬する。このような高pH液体は、プロトン化作用が低pH液体に比べて相対的に弱いため、ゲルポリマー層4中のカチオン性基を緩やかにプロトン化する。このため、ゲルポリマー層4は、飽和することなく中程度に膨張し、図2(b)と同様の状態になる。
この状態では、初期状態に比べてゲルポリマー層4が膨張しているため、細径部24が肉厚となり、より強く補強されている。これにより、ガイドワイヤ1の先端側部分は、その曲げ剛性がより大きくなっている。
このような状態のガイドワイヤ1で血管狭窄部を開通させることができない場合には、ガイドワイヤ1の先端部の曲げ剛性をさらに大きくする必要がある。
ガイドワイヤ1の先端部の曲げ剛性をさらに大きくするためには、ガイドワイヤ1の先端側部分を低pHの液体に浸漬する。このような低pH液体は、プロトン化作用が高pH液体に比べて相対的に強いため、ゲルポリマー層4中のカチオン性基は速やかにプロトン化する。このため、ゲルポリマー層4は、顕著に膨張し、図2(c)と同様の状態になる。
この状態では、細径部24がさらに肉厚となり、さらに強く補強されている。これにより、ガイドワイヤ1の先端側部分は、その曲げ剛性が特に大きくなっている。
また、ガイドワイヤ1の先端側部分を湾曲させようとしても、コイル3とゲルポリマー層4が干渉することとなる。これも、曲げ剛性を高める作用を果たす。
また、低pH液体と高pH液体の双方において、pHおよび液体への浸漬時間の少なくとも一方を変化させることにより、ゲルポリマー層4の膨張率を微調整することができる。このようにしてガイドワイヤ1の先端側部分の曲げ剛性を微調整することができる。
具体的には、ゲルポリマー層4の体積は、ガイドワイヤ1の先端側部分を浸漬する上記のような液体(低pH液体および高pH液体)のpHとの間に、負の相関関係を有する。ここで、「負の相関関係」とは、液体のpHが低くなるにつれて、ゲルポリマー層4の体積が増大するような関係のことを言う。前述の高pH液体と低pH液体との間のゲルポリマー層4の膨張率の差異も、上記の相関関係に基づくものである。
この相関関係に基づけば、用いる液体のpHを微調整することにより、ゲルポリマー層4の膨張率も微調整することができる。
一方、ゲルポリマー層4の体積は、ガイドワイヤ1の先端側部分を上記のような液体に浸漬する時間との間に、正の相関関係を有する。この相関関係に基づけば、ガイドワイヤ1の先端側部分を液体に浸漬する時間を微調整することにより、ゲルポリマー層4の膨張率も微調整することができる。
以上のような一連の使用方法によれば、1本のガイドワイヤ1で、曲げ剛性の異なる複数本のガイドワイヤと同等の機能を発揮することができるため、ガイドワイヤの使用本数を削減することが可能となる。このため、手術の低コスト化を図ることができる。
また、先端部の曲げ剛性を最適化することができるので、ガイドワイヤ1は、安全で違和感の少ない手術を可能にするものとなる。
次に、ゲルポリマー層4の形成方法について説明する。
[1]まず、モノマー成分(プレポリマー成分)、架橋剤、重合開始剤および溶媒を用意する。そして、これらを混合し、溶液を調製する。これにより、モノマー成分が重合するとともに立体的に架橋し、三次元網目構造を形成してなるゲルポリマーが得られる。
[1]まず、モノマー成分(プレポリマー成分)、架橋剤、重合開始剤および溶媒を用意する。そして、これらを混合し、溶液を調製する。これにより、モノマー成分が重合するとともに立体的に架橋し、三次元網目構造を形成してなるゲルポリマーが得られる。
なお、全モノマー成分中の環境感受性モノマー成分の含有率は、10〜30質量%程度であるのが好ましく、10〜15質量%程度であるのがより好ましい。
また、溶液中のモノマー成分の含有率は、特に限定されないが、好ましくは20〜30質量%程度とされる。
架橋剤としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテルのようなエチレン性不飽和化合物等が挙げられる。エチレン性不飽和化合物は、モノマー成分とともに三次元網目構造を確実に形成し得る架橋剤として機能するため、ゲルポリマー層4を形成するための架橋剤として特に好適なものである。
このうち、N,N’−メチレンビスアクリルアミドがより好ましく用いられる。
このうち、N,N’−メチレンビスアクリルアミドがより好ましく用いられる。
溶液中の架橋剤の含有率は、特に限定されないが、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満とされる。
また、重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
また、溶媒には、例えば、水、エタノール等を用いることができる。
また、溶媒には、例えば、水、エタノール等を用いることができる。
さらに、必要に応じて、溶液中に造孔剤を含んでいてもよい。これにより、ゲルポリマー層4として、多孔質状のものが得られる。このような多孔質状のゲルポリマー層4は、表面積が大きいため、液体の吸収速度が高くなり、膨張速度の高いものとなる。
造孔剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、氷、スクロース、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。
また、造孔剤の平均粒径は、好ましくは1〜25μm程度、より好ましくは3〜10μm程度とされる。
さらに、溶液中の造孔剤の含有率は、5〜50質量%程度であるのが好ましく、10〜20質量%程度であるのがより好ましい。
また、必要に応じて、溶液中にX線不透過材料で構成された粒子を含んでいてもよい。これにより、ゲルポリマー層4にX線造影性が得られ、X線透視下でガイドワイヤ1の先端部の位置を容易に確認することができる。
さらに、X線不透過材料で構成された粒子を含むゲルポリマー層4によれば、X線透視下にて、ゲルポリマー層4の膨張・収縮の様子を容易に確認することも可能となる。このため、施術者は、ゲルポリマー層4のX線透過像から、ガイドワイヤ1の先端部の曲げ剛性を、ある程度推測することができる。これにより、手術の安全性のさらなる向上を図ることができる。
[2]次いで、得られた溶液を、速やかに細径部24の表面に塗布する。これにより、細径部24の表面にゲルポリマーの層が形成される。
溶液の塗布方法としては、例えば、浸漬法、刷毛塗り法、ディスペンサ法等が挙げられる。
[3]次いで、得られたゲルポリマーの層を、洗浄液で洗浄する。これにより、未反応の残留モノマー成分、造孔剤等を除去する。
[4]次いで、洗浄後のゲルポリマーの層の膨張速度を制御するための事前処理を行う。
この事前処理は、ゲルポリマー中のイオン性官能基の特性によって異なるため、各々について説明する。
[4−a]ゲルポリマーがアニオン性基を有している場合、この事前処理は、洗浄後のゲルポリマーに対し、アニオン性基をプロトン化する液体(処理液)を接触させることにより行われる。この処理液との接触より、アニオン性基がプロトン化され、分子鎖間に水素結合に基づく凝集力が発生する。このため、分子鎖間が狭くなり、ゲルポリマーは収縮する。
このとき、ゲルポリマーを処理液に浸漬する時間、および、この処理液の温度は、それぞれ、ゲルポリマーの膨張速度に正比例する。一方、処理液のpHは、ゲルポリマーの膨張速度に反比例する。
このような事前処理を施されたゲルポリマーは、処理液の条件が適宜設定されることにより、後述する膨張過程において膨張する際、より早く膨張することができる。
[4−b]ゲルポリマーがカチオン性基を有している場合、この事前処理は、洗浄後のゲルポリマーに対し、カチオン性基を脱プロトン化する液体(処理液)を接触させることにより行われる。この処理液との接触により、カチオン性基が脱プロトン化され、分子鎖間に凝集力が発生する。このため、分子鎖間が狭くなり、ゲルポリマーは収縮する。
このとき、ゲルポリマーを処理液に浸漬する時間、処理液の温度、および処理液のpHは、それぞれ、ゲルポリマーの膨張速度に正比例する。
このような事前処理を施されたゲルポリマーは、処理液の条件が適宜設定されることにより、後述する膨張過程において膨張する際、より早く膨張することができる。
[5]次に、事前処理を施したゲルポリマーの層を前記工程[3]と同様にして洗浄した後、乾燥させる。
以上のようにして、細径部24の表面にゲルポリマー層4を形成することができる。
以上のようにして、細径部24の表面にゲルポリマー層4を形成することができる。
<第2実施形態>
図3は、本発明のガイドワイヤの第2実施形態を示す縦断面図、図4は、図3に示すガイドワイヤの使用状態を説明するための図である。なお、説明の都合上、図3、4中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図3、4中では、見易くするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示したものであり、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは大きく異なる。
図3は、本発明のガイドワイヤの第2実施形態を示す縦断面図、図4は、図3に示すガイドワイヤの使用状態を説明するための図である。なお、説明の都合上、図3、4中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図3、4中では、見易くするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示したものであり、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは大きく異なる。
以下、この図を参照して本発明のガイドワイヤの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、ガイドワイヤ1の外表面を覆う被覆層6と、ゲルポリマー層4に液体を供給する流体供給流路71、およびゲルポリマー層4の周辺の液体または空気を排出する流体排出流路72を備えること以外は前記第1実施形態と同様である。
すなわち、図3に示すガイドワイヤ1は、ワイヤ本体2と、ワイヤ本体2の先端部を覆うように設けられた螺旋状のコイル3と、コイル3の内側であって、細径部24の表面に設けられたゲルポリマー層4と、ワイヤ本体2およびコイル3の外表面を覆うように設けられた被覆層6と、ゲルポリマー層4に液体を供給する流体供給流路71と、ゲルポリマー層4の周辺の液体または空気を排出する流体排出流路72とを有している。
被覆層6は、種々の目的で設けられるが、その一例としては、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)を低減し、摺動性を向上させることによってガイドワイヤ1の操作性を向上させる目的、コイル3の素線間の隙間から液体が外部に流出するのを防止する目的等が挙げられる。
このうち、後者の目的を達成するように被覆層6を構成することにより、コイル3の内側の空間は、液密性を備えた閉空間を形成する。
被覆層6は、ポリウレタンエラストマーなどの柔軟な樹脂材料による被膜で構成される。さらに、その表面に親水性材料または疎水性材料を覆う。
親水性材料としては、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミド(PGMA−DMAA)のブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
一方、疎水性材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、シリコーン系の材料等が挙げられる。
図3に示すガイドワイヤ1においては、コイル3、被覆層6、固定材料52および固定材料53により、閉空間61が形成されており、その中にゲルポリマー層4が位置している。
一方、流体供給流路71の基端側開口は、図示しない液体供給装置に接続されており、また、流体排出流路72の基端側開口は、図示しない流体排出装置に接続されている。
そして、液体供給装置により、閉空間61内に液体が流体供給流路71を介して供給されるよう構成されている。また、流体排出装置により、閉空間61内の液体または空気が流体排出流路72を介して閉空間61の外部に排出されるよう構成されている。
また、流体供給流路71の先端側開口は、閉空間61の先端側に位置しており、一方、流体排出流路72の先端側開口は、閉空間61の基端側に位置している。これにより、流体供給流路71を介して閉空間61内に速やかに液体を充填することができる。
なお、流体供給流路71および流体排出流路72は、それぞれ、図3のB−B線断面図に示すように、ワイヤ本体2の表面近傍または内部を通過するように配設されている。
すなわち、図3(a)に示す各流路71、72は、ワイヤ本体2の表面近傍に設けられ、かつ、被覆層6に内包されている。
一方、図3(b)に示す各流路71、72は、ワイヤ本体2の中空部に挿通されている。
このような構成により、各流路71、72が、ガイドワイヤ1の外表面形状に影響を及ぼすことが防止され、ガイドワイヤ1における操作性の低下を防止することができる。
なお、必要に応じて、各流路71、72の途中を開閉する弁が設けられていてもよい。
なお、必要に応じて、各流路71、72の途中を開閉する弁が設けられていてもよい。
また、被覆層6は、ガイドワイヤ1の先端から基端まで連続して形成されているが、コイル3以外の部分では、省略されていてもよい。
次に、上記のようなガイドワイヤ1の使用方法(作用)について説明する。
まず、乾燥状態または少量の液体を含んだ状態にあるゲルポリマー層4を有するガイドワイヤ1を用意する。この状態のゲルポリマー層4は、図3に示すように、コイル3の内側の空間に比べて体積が十分に小さい状態にある。
まず、乾燥状態または少量の液体を含んだ状態にあるゲルポリマー層4を有するガイドワイヤ1を用意する。この状態のゲルポリマー層4は、図3に示すように、コイル3の内側の空間に比べて体積が十分に小さい状態にある。
また、この状態では、ゲルポリマー層4の体積が小さいため、細径部24はほとんど補強されていない。このため、ガイドワイヤ1の先端側部分は、その曲げ剛性が相対的に小さい状態にある。したがって、ゲルポリマー層4がこのような状態にあるガイドワイヤ1は、最初に血管狭窄部の通過を試みるのに好ましく用いられる。
次いで、ガイドワイヤ1の先端部の曲げ剛性をより大きくするためには、流体供給流路71を介して閉空間61内に液体Lを供給する。液体Lの供給に伴って、もともと閉空間61内にあった空気は、流体排出流路72を介して、閉空間61の外部に排出される。そして、供給された液体Lは、閉空間61内に充填される。
なお、コイル3の外側には被覆層6が設けられているため、閉空間61に充填された液体Lが、コイル3の素線間の隙間から外部に流出しないようになっている。このため、液体Lが血管内に流出してしまうのを確実に防止することができ、生体安全性を高めることができる。
供給されるこの液体LのpHは、前記第1実施形態と同様にして、ゲルポリマー層4に含まれるイオン性官能基の種類に応じて設定されている。液体Lに接触したゲルポリマー層4は、液体Lを吸収して膨潤し、図4に示す状態になる。
この状態では、図3に示す状態に比べて、ゲルポリマー層4が膨張しているため、細径部24がより強く補強されている。これにより、ガイドワイヤ1の先端側部分の曲げ剛性が、図3に示す状態に比べて大きくなっている。
その後、必要に応じて、流体排出流路72を介して閉空間61内の液体Lを排出する。これにより、ゲルポリマー層4が液体Lに浸漬する時間を調整することができ、ゲルポリマー層4の膨張を制御することができる。
以上のような一連の使用方法によれば、前記第1実施形態と同様、ガイドワイヤの使用本数を削減することが可能となる。このため、手術の低コスト化を図ることができる。また、ガイドワイヤ1は、安全で違和感の少ない手術を可能にするものとなる。
また、図3および図4に示すガイドワイヤ1は、血管に挿入した状態で、ゲルポリマー層4の膨張・収縮を調整することができる。このため、前記第1実施形態のように、ゲルポリマー層4を膨張・収縮させるたびに、ガイドワイヤ1を血管から抜去する必要がなくなり、手術に要する手間と時間を大幅に削減することができる。
以上のような第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
<第3実施形態>
図5は、本発明のガイドワイヤの第3実施形態を示す縦断面図、図6は、図5に示すガイドワイヤの使用状態を説明するための図である。なお、説明の都合上、図5、6中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図5、6中では、見易くするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示したものであり、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは大きく異なる。
図5は、本発明のガイドワイヤの第3実施形態を示す縦断面図、図6は、図5に示すガイドワイヤの使用状態を説明するための図である。なお、説明の都合上、図5、6中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図5、6中では、見易くするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示したものであり、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは大きく異なる。
以下、この図を参照して本発明のガイドワイヤの第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、コイル3の素線間に隙間を設けたこと以外は前記第1実施形態と同様である。
すなわち、図5に示すガイドワイヤ1は、ワイヤ本体2と、ワイヤ本体2の先端部を覆うように設けられた螺旋状のコイル3と、コイル3の内側であって、細径部24の表面に設けられたゲルポリマー層4とを有している。
そして、コイル3の素線間には、隙間31が設けられている。この隙間31により、コイル3の内側と外側との間で液体が自由に出入りできるようになっている。
次に、上記のようなガイドワイヤ1の使用方法(作用)について説明する。
まず、乾燥状態または少量の液体を含んだ状態にあるゲルポリマー層4を有するガイドワイヤ1を用意する。この状態のゲルポリマー層4は、図5に示すように、コイル3の内側の空間に比べて体積が十分に小さい状態にある。
まず、乾燥状態または少量の液体を含んだ状態にあるゲルポリマー層4を有するガイドワイヤ1を用意する。この状態のゲルポリマー層4は、図5に示すように、コイル3の内側の空間に比べて体積が十分に小さい状態にある。
また、この状態では、ゲルポリマー層4の体積が小さいため、細径部24はほとんど補強されていない。このため、ガイドワイヤ1の先端側部分は、その曲げ剛性が相対的に小さい状態にある。したがって、ゲルポリマー層4がこのような状態にあるガイドワイヤ1は、最初に血管狭窄部の通過を試みるのに好ましく用いられる。
このようなガイドワイヤ1を血管内に挿入すると、図6に示すように、隙間31からコイル3の内側に血液が浸入して、コイル3の内側に血液が充満する。これにより、ゲルポリマー層4が血液に接触する。
血液は一般にpHが7.4程度であるため、ゲルポリマー層4がアニオン性基を含んでいる場合には、血液はアニオン性基を速やかに脱プロトン化することができる。アニオン性基が脱プロトン化されると、血液がゲルポリマー層4に吸収され、ゲルポリマー層4が膨張する。
なお、ゲルポリマー層4の膨張率は、ゲルポリマー層4が血液に接触する時間を調整することができる。このため、ガイドワイヤ1が血管内に挿入されている時間を適宜調整することにより、ガイドワイヤ1の先端部の曲げ剛性を調整することができる。
以上のような一連の使用方法によれば、前記第1実施形態と同様、ガイドワイヤの使用本数を削減することが可能となる。このため、手術の低コスト化を図ることができる。また、ガイドワイヤ1は、安全で違和感の少ない手術を可能にするものとなる。
また、図5および図6に示すガイドワイヤ1は、血管に挿入した状態で、ゲルポリマー層4の膨張を調整することができる。このため、前記第1実施形態のように、ゲルポリマー層4を膨張させるたびに、ガイドワイヤ1を血管から抜去する必要がなくなり、手術に要する手間と時間を大幅に削減することができる。
さらに、ゲルポリマー層4の体積を膨張させるための液体として血液を用いているため、生体安全性が高く、また、別途生理食塩水や緩衝液等を用意する必要がなく、手術時の手間を省くことができる。
以上のような第3実施形態においても、前記第1実施形態および前記第2実施形態と同様の作用・効果が得られる。
以上、本発明のガイドワイヤを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、ガイドワイヤを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、ゲルポリマー層4は、コイル3の内側であって、固定材料51と固定材料52との間に設けられていてもよい。
1 ガイドワイヤ
2 ワイヤ本体
20 本体部
21 第1テーパ部
22 中間部
23 第2テーパ部
24 細径部
3 コイル
31 隙間
4 ゲルポリマー層
51、52、53 固定材料
6 被覆層
61 閉空間
71 流体供給流路
72 流体排出流路
2 ワイヤ本体
20 本体部
21 第1テーパ部
22 中間部
23 第2テーパ部
24 細径部
3 コイル
31 隙間
4 ゲルポリマー層
51、52、53 固定材料
6 被覆層
61 閉空間
71 流体供給流路
72 流体排出流路
Claims (8)
- 可撓性を有するワイヤ本体と、
前記ワイヤ本体の先端部を覆うように設置され、素線を螺旋状に成形してなるコイルとを備えるガイドワイヤであって、
前記コイルの内側に設けられ、液体との接触により体積が変化するゲルポリマーを有することを特徴とするガイドワイヤ。 - 前記ゲルポリマーの体積変化を利用して、先端側の曲げ剛性を調整可能である請求項1に記載のガイドワイヤ。
- 前記ゲルポリマーは、前記液体を吸収して膨潤し、体積が増大するものであり、前記ゲルポリマーの体積増加に伴って、先端側の曲げ剛性が増大する請求項1または2に記載のガイドワイヤ。
- 前記ゲルポリマーは、その分子構造の一部にアニオン性基を有するものであり、
当該ゲルポリマーに接触させる液体として、前記アニオン性基を脱プロトン化し得る液体を用いる請求項3に記載のガイドワイヤ。 - 前記アニオン性基を脱プロトン化する前記液体として、生理食塩水または血液を用いる請求項4に記載のガイドワイヤ。
- 前記ゲルポリマーの体積は、当該ゲルポリマーに接触させる前記液体のpHと、正の相関関係を有する請求項4または5に記載のガイドワイヤ。
- 前記ゲルポリマーは、その分子構造の一部にカチオン性基を有するものであり、
当該ゲルポリマーに接触させる液体として、前記カチオン性基をプロトン化し得る液体を用いる請求項3に記載のガイドワイヤ。 - 前記ゲルポリマーの体積は、当該ゲルポリマーに接触させる前記液体のpHと、負の相関関係を有する請求項7に記載のガイドワイヤ。
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