JP2009222149A - 歯車装置および当該歯車装置を備えた電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バックラッシの変動を抑制することができる歯車装置および当該歯車装置を備えた電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】電動パワーステアリング装置は、互いに噛み合うピニオン軸およびリダクションギヤ23を有する歯車装置としての減速装置を備えている。ピニオン軸は鉄製であり、リダクションギヤ23は、鉄製の芯金34と、この芯金34に射出成形により一体に融着された合成樹脂製の合成樹脂部材35とを含む副歯車23bを有している。芯金34の外周部には歯形形状の複数の突起38が形成されている。副歯車23bの各歯部37の内部には対応する突起38が進入しており、これによって、合成樹脂部材35が適度に減肉されている。
【選択図】図2
【解決手段】電動パワーステアリング装置は、互いに噛み合うピニオン軸およびリダクションギヤ23を有する歯車装置としての減速装置を備えている。ピニオン軸は鉄製であり、リダクションギヤ23は、鉄製の芯金34と、この芯金34に射出成形により一体に融着された合成樹脂製の合成樹脂部材35とを含む副歯車23bを有している。芯金34の外周部には歯形形状の複数の突起38が形成されている。副歯車23bの各歯部37の内部には対応する突起38が進入しており、これによって、合成樹脂部材35が適度に減肉されている。
【選択図】図2
Description
この発明は、歯車装置および電動パワーステアリング装置に関するものである。
電動パワーステアリング装置には、電動モータの出力回転を減速する減速装置としての歯車装置を備えるものがある。例えば下記特許文献1では、ウォームおよびウォームホイールを含む歯車装置を備える電動パワーステアリング装置が開示されている。
この特許文献1において、ウォームは鉄を含む材料により形成されており、ウォームホイールは、環状の芯金と、この芯金の外周に固定された合成樹脂部材とによって構成されている。また、この特許文献1において、ウォームおよびウォームホイールは、アルミニウム合金で形成されたハウジングに回転可能に保持されている。
特開2006−194279号公報
この特許文献1において、ウォームは鉄を含む材料により形成されており、ウォームホイールは、環状の芯金と、この芯金の外周に固定された合成樹脂部材とによって構成されている。また、この特許文献1において、ウォームおよびウォームホイールは、アルミニウム合金で形成されたハウジングに回転可能に保持されている。
しかしながら、上記特許文献1記載の電動パワーステアリング装置では、ウォーム、ウォームホイールおよびハウジングのそれぞれの線膨張係数の違いに起因して、ウォームとウォームホイールとの噛み合い部におけるバックラッシが温度の変化によって変動してしまう場合がある。
この発明は、かかる背景のもとになされたものであり、バックラッシの変動を抑制することができる歯車装置および当該歯車装置を備えた電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
この発明は、かかる背景のもとになされたものであり、バックラッシの変動を抑制することができる歯車装置および当該歯車装置を備えた電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、互いに噛み合う第1および第2の歯車(22,23,42,43,44,223,227)を備え、第1の歯車は金属製であり、第2の歯車は、主歯車(23a)と副歯車(23b)とを軸方向(X1)に積層して構成され、上記主歯車は、金属製であり、上記副歯車は、環状の芯金(34)と、この芯金に射出成形により一体に融着され、第1の歯車の歯部に噛み合う歯部(37)の少なくとも歯面(37a)を形成した合成樹脂部材(35)とを含み、上記芯金は、合成樹脂部材を減肉するために各歯部の内部に進入した歯形形状の突起(38)を有していることを特徴とする歯車装置(19,119,219)である。
本発明によれば、第2の歯車の副歯車において、芯金に突起を設けて合成樹脂部材を減肉することにより、温度の変化による第1の歯車と第2の歯車との噛み合い部におけるバックラッシの変動を抑制することができる。
具体的には、上記歯車装置が、上記第1および第2の歯車を回転可能に支持する金属製のハウジング(24,224)を備え、上記ハウジングの線膨張係数が、上記第1の歯車および上記芯金の線膨張係数よりも大きくされており、上記合成樹脂部材の線膨張係数が、上記ハウジングの線膨張係数よりも大きくされている場合(請求項2)に、上記バックラッシの変動を良好に抑制することができる。
具体的には、上記歯車装置が、上記第1および第2の歯車を回転可能に支持する金属製のハウジング(24,224)を備え、上記ハウジングの線膨張係数が、上記第1の歯車および上記芯金の線膨張係数よりも大きくされており、上記合成樹脂部材の線膨張係数が、上記ハウジングの線膨張係数よりも大きくされている場合(請求項2)に、上記バックラッシの変動を良好に抑制することができる。
すなわち上記の場合、温度変化に伴うハウジングの膨張または収縮が大きくなる傾向にあるが、そのハウジングよりも線膨張係数の大きい合成樹脂で構成された合成樹脂部材を芯金の突起を用いて適度に減肉することにより、温度変化に伴う第2の歯車の寸法変化の特性を所望に設定することができる。これにより、温度変化に伴うハウジングの膨張または収縮によって第1および第2の歯車の芯間距離が変化したとしても、その芯間距離の変化に応じた分だけ、第2の歯車を膨張または収縮させることが可能となり、その結果、温度変化による第1および第2の歯車のバックラッシの変動を確実に抑制することができる。
上記ハウジングはアルミニウムを含む材料で形成され、上記第1の歯車および上記芯金はそれぞれ鉄を含む材料で形成されていてもよい(請求項3)。この場合、バックラッシの変動を特に効果的に抑制することができる。
また、上記目的を達成するための本発明は、電動モータ(18,218)の出力回転を減速する減速装置としての、請求項1〜3の何れか1項に記載の歯車装置を備える電動パワーステアリング装置(1,100,200)である(請求項4)。
また、上記目的を達成するための本発明は、電動モータ(18,218)の出力回転を減速する減速装置としての、請求項1〜3の何れか1項に記載の歯車装置を備える電動パワーステアリング装置(1,100,200)である(請求項4)。
本発明によれば、上述のように、温度の変化による減速装置のバックラッシの変動が抑制されるので、減速装置の伝達トルクのムラや、減速装置における騒音(例えば歯打ち音)の発生が抑制される。すなわち、本発明によれば、電動パワーステアリング装置の操舵フィーリングを向上させることができるとともに、電動パワーステアリング装置の静音性を高めることができる。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る歯車装置としての減速装置19を備える電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す図解的な断面図である。また、図2は、減速装置19の一部であるリダクションギヤ23の図解的な平面図であり、図3は、図2の一部を拡大した図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る歯車装置としての減速装置19を備える電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す図解的な断面図である。また、図2は、減速装置19の一部であるリダクションギヤ23の図解的な平面図であり、図3は、図2の一部を拡大した図である。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結されたステアリングシャフト3と、中間軸4等を介してステアリングシャフト3に連結された例えばラックアンドピニオン機構からなるステアリング機構5とを備えている。
ステアリングシャフト3は、操舵部材2に連なる入力軸6と、中間軸4等を介してステアリング機構5に連なる出力軸7とを含む。これら入力軸6および出力軸7はトーションバー8を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。ステアリングシャフト3の周囲に配置されたトルクセンサ9は、このトーションバー8を介する入力軸6および出力軸7間の相対回転変位量に基づいて操舵部材2に入力された操舵トルクを検出する。そして、トルクセンサ9により検出された操舵トルクの値は、ECU10(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)に入力される。
ステアリングシャフト3は、操舵部材2に連なる入力軸6と、中間軸4等を介してステアリング機構5に連なる出力軸7とを含む。これら入力軸6および出力軸7はトーションバー8を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。ステアリングシャフト3の周囲に配置されたトルクセンサ9は、このトーションバー8を介する入力軸6および出力軸7間の相対回転変位量に基づいて操舵部材2に入力された操舵トルクを検出する。そして、トルクセンサ9により検出された操舵トルクの値は、ECU10(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)に入力される。
ステアリング機構5は、中間軸4に同行回転可能に連結されたピニオン軸11と、このピニオン軸11に噛み合うラックバー12とを有している。ラックバー12は、軸方向移動可能にハウジング13に支持されている。また、ラックバー12の各軸方向端部には、タイロッド14およびナックルアーム(図示せず)を介して転舵輪15が連結されている。ラックバー12が軸方向に移動させられることにより転舵輪15が転舵されるようになっている。
操舵部材2が操作されてステアリングシャフト3および中間軸4が回転すると、ピニオン軸11が回転し、このピニオン軸11の回転がピニオン16およびラック17によってラックバー12の軸方向運動に変換される。これにより、転舵輪15の転舵が達成される。
ECU10は、トルクセンサ9から入力されたトルク検出結果や図示しない車速センサから入力された車速検出結果等に基づいて、操舵補助用の電動モータ18を駆動制御する。電動モータ18の出力回転は、歯車装置としての減速装置19によって減速された状態で出力軸7に伝達される。そして、出力軸7に伝達された電動モータ18の出力回転は、ピニオン16およびラック17によってラックバー12の軸方向運動に変換される。このようにして、運転者の操舵が補助される。
ECU10は、トルクセンサ9から入力されたトルク検出結果や図示しない車速センサから入力された車速検出結果等に基づいて、操舵補助用の電動モータ18を駆動制御する。電動モータ18の出力回転は、歯車装置としての減速装置19によって減速された状態で出力軸7に伝達される。そして、出力軸7に伝達された電動モータ18の出力回転は、ピニオン16およびラック17によってラックバー12の軸方向運動に変換される。このようにして、運転者の操舵が補助される。
減速装置19は、継手20を介して電動モータ18の回転軸21に動力伝達可能に連結された駆動ギヤとしてのピニオン軸22と、このピニオン軸22に噛み合うとともに、出力軸7に同行回転可能に連結された従動ギヤとしてのリダクションギヤ23とを含む。電動モータ18の出力回転は、回転軸21からピニオン軸22に伝達され、さらに、ピニオン軸22からリダクションギヤ23に伝達される。ピニオン軸22からリダクションギヤ23に回転が伝達されることで回転速度が減速されトルクが増幅される。
本実施形態では、ピニオン軸22が第1の歯車として機能し、リダクションギヤ23が第2の歯車として機能する。ピニオン軸22およびリダクションギヤ23としては、例えば外歯の一対のはすば歯車が用いられている。ピニオン軸22およびリダクションギヤ23は、互いの中心軸線が平行となるようにハウジング24に支持されている。また、ハウジング24は、例えばアルミニウム合金等の金属によって形成されている。ハウジング24は、減速装置19が収容されたギヤハウジング25と、トルクセンサ9が収容されたセンサハウジング26とを含む。
ピニオン軸22は、例えば炭素鋼やクロムモリブデン鋼等の鉄を含む材料により形成されている。ピニオン軸22の線膨張係数は、ハウジング24の線膨張係数よりも小さくなっている。ピニオン軸22は、外歯の歯車である円柱状のピニオンギヤ27と、このピニオンギヤ27に同軸的に連結された一対の軸部28,29とを含む。軸部28の外周には、軸受30が同軸的に取り付けられている。また、軸部29は、軸受31が同軸的に取り付けられた軸受取付部32と、継手20を介して回転軸21に同軸的に連結された回転軸連結部33とを含む。ピニオン軸22は、軸部28に取り付けられた軸受30と軸部29に取り付けられた軸受31とを介してハウジング24に回転可能に支持されている。
また、リダクションギヤ23は、主歯車23aと副歯車23bとを軸方向(図1では、ステアリングシャフト3の軸方向X1と同じ方向)に積層して構成されている。主歯車23aおよび副歯車23bは、それぞれ外周に歯部36および歯部37を有している。歯部36および歯部37の歯形形状は、ほぼ等しくされている。主歯車23aおよび副歯車23bは、互いの歯の位相が一致された状態で同行回転可能に固定されている。主歯車23aおよび副歯車23bは、例えばボルトや固定ピン等を用いて固定されている。
主歯車23aは、例えば炭素鋼やクロムモリブデン鋼等の鉄を含む材料により形成されている。主歯車23aの線膨張係数は、ハウジング24の線膨張係数よりも小さくなっている。また、副歯車23bは、環状の芯金34と、この芯金34の外周に固定された例えば環状の合成樹脂部材35とを含む。芯金34は、例えば炭素鋼やクロムモリブデン鋼等の鉄を含む材料により形成されている。芯金34の線膨張係数は、ハウジング24の線膨張係数よりも小さくなっている。また、合成樹脂部材35は、例えば熱可塑性ポリエステルエラストマー等の合成樹脂により形成されている。合成樹脂部材35の線膨張係数は、ハウジング24の線膨張係数よりも大きくされている。
図1〜図3を参照して、合成樹脂部材35は、射出成形により成形されており、芯金34の外周に一体に融着されている。具体的には、合成樹脂部材35を成形するための金型内に芯金34をインサートした状態で合成樹脂部材35が射出成形されている(いわゆるインサート成形)。図3に示すように、合成樹脂部材35は、歯面37aおよび歯先37bを含む歯部37の外郭ならびに歯底37cを形成している。
また、図2に示すように、芯金34の外周部には、副歯車23bの歯と同数の突起38がリダクションギヤ23の周方向Z1に並んで形成されている。各突起38の形状は、例えば副歯車23bの歯と相似な歯形形状にされている。図3に示すように、歯厚方向に関する各突起38の厚みT1は、歯厚方向に関する副歯車23bの歯の厚みT2よりも小さくされている。
また、図2に示すように、合成樹脂部材35が芯金34に固定された状態において、各歯部37の内部には対応する突起38が進入している。すなわち、各歯部37は、合成樹脂部材35と、これに対応する芯金34の突起38とによって構成されている。各歯部37の内部に突起38を位置させることで、合成樹脂部材35が減肉され合成樹脂部材35の体積が減少されている。図3に示すように、合成樹脂部材35の厚みT3(歯厚方向に関する厚み)は、ほぼ一定にされている。合成樹脂部材35の厚みT3は、後述するように、温度変化によるピニオンギヤ27とリダクションギヤ23との噛み合い部におけるバックラッシの変動が抑制される適切な大きさに設定されている。
合成樹脂部材35の厚みT3は、例えば、突起38の形状や大きさを変えることにより調節可能である。すなわち、本実施形態では、合成樹脂部材35の厚みT3が一定の場合について説明しているが、合成樹脂部材35の厚みT3は一定でなくてもよい。また、合成樹脂部材35の形状は、図2および図3に示す形状に限られない。例えば、図4に示すように、合成樹脂部材35が歯先37b全体を形成していなくてもよい。
出力軸7は、図1に示すように、リダクションギヤ23の中心部に形成された嵌合孔39に例えば圧入されている。主歯車23aおよび芯金34は、出力軸7に対して同行回転可能に且つ同軸的に連結されている。出力軸7は、ステアリングシャフト3の軸方向X1にリダクションギヤ23を挟んだ両側でハウジング24に保持された一対の軸受40,41を介してハウジング24に回転可能に支持されている。リダクションギヤ23は、出力軸7および一対の軸受40,41を介してハウジング24に回転可能に支持されている。
図5は、ピニオン軸22およびリダクションギヤ23の図解的な外観図である。図1および図5を参照して、本実施形態の一つの特徴とするところは、ピニオンギヤ27およびリダクションギヤ23の噛み合い部における温度変化に伴うバックラッシの変動が抑制されていることにある。
すなわち、温度が変化すると、ハウジング24が膨張または収縮するので、ハウジング24に支持されたピニオン軸22およびリダクションギヤ23の芯間距離L1が変化してしまう。しかし、本実施形態では、ピニオンギヤ27およびリダクションギヤ23が、それぞれ芯間距離L1の変化に応じた分だけ膨張または収縮するようにされており、これによって、温度の変化に伴うバックラッシの変動が抑制されている。
すなわち、温度が変化すると、ハウジング24が膨張または収縮するので、ハウジング24に支持されたピニオン軸22およびリダクションギヤ23の芯間距離L1が変化してしまう。しかし、本実施形態では、ピニオンギヤ27およびリダクションギヤ23が、それぞれ芯間距離L1の変化に応じた分だけ膨張または収縮するようにされており、これによって、温度の変化に伴うバックラッシの変動が抑制されている。
具体的には、主歯車23aと副歯車23bとによってリダクションギヤ23が構成されており、副歯車23bにおいて、芯金34の複数の突起38によって合成樹脂部材35が適度に減肉されている。これによって、温度変化に伴うリダクションギヤ23の寸法変化の特性が所望の特性に設定されている。すなわち、温度変化に伴う副歯車23bのピッチ円半径R2の変化量が、温度の変化に伴う芯間距離L1の変化量から温度変化に伴うピニオンギヤ27のピッチ円半径R1の変化量を引いた値に等しく、または、ほぼ等しくされ、温度の変化に伴うバックラッシの変動が抑制されている。
以上のように本実施形態では、ピニオンギヤ27およびリダクションギヤ23の噛み合い部における温度変化に伴うバックラッシの変動を抑制することができる。したがって、減速装置19の伝達トルクのムラや、減速装置19における騒音(例えば歯打ち音)の発生を抑制することができる。すなわち、電動パワーステアリング装置1の操舵フィーリングを向上させることができるとともに、電動パワーステアリング装置1の静音性を高めることができる。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上述の実施形態では、ピニオン軸22およびリダクションギヤ23によって減速装置19が構成されている場合ついて説明したが、例えば図6に示すように、ウォーム42およびウォームホイール43によって減速装置119が構成されていてもよい。あるいは、図7に示すように、中間ギヤ44等により減速装置219が構成されていてもよい。
図6は、図3または図4の実施の形態のリダクションギヤ23と同じ構造を持つウォームホイール43を有する歯車装置としての減速装置119を備える電動パワーステアリング装置100を示している。この図6において、上述の図1〜図5に示された各部と同等の構成部分については、図1〜図5と同一の参照符号が付されている。
ウォーム42は、例えば炭素鋼等の鉄を含む材料により形成されており、ウォームホイール43は、主歯車23aと、芯金34および合成樹脂部材35を含む副歯車23bとによって構成されている。ハウジング24の線膨張係数は、ウォーム42、主歯車23aおよび芯金34の線膨張係数よりも大きくされている。また、合成樹脂部材35の線膨張係数は、ハウジング24の線膨張係数よりも大きくされている。合成樹脂部材35は、芯金34の外周部に形成された複数の突起38によって適度に減肉されている(図3または図4参照)。
ウォーム42は、例えば炭素鋼等の鉄を含む材料により形成されており、ウォームホイール43は、主歯車23aと、芯金34および合成樹脂部材35を含む副歯車23bとによって構成されている。ハウジング24の線膨張係数は、ウォーム42、主歯車23aおよび芯金34の線膨張係数よりも大きくされている。また、合成樹脂部材35の線膨張係数は、ハウジング24の線膨張係数よりも大きくされている。合成樹脂部材35は、芯金34の外周部に形成された複数の突起38によって適度に減肉されている(図3または図4参照)。
この図6に示す減速装置119では、芯金34に形成された複数の突起38によって合成樹脂部材35を適度に減肉させることにより、ウォーム42およびウォームホイール43の噛み合い部における温度変化に伴うバックラッシの変動が抑制されている。
一方、図7は、図3または図4の実施の形態のリダクションギヤ23と同じ構造を持つ中間ギヤ44を有する歯車装置としての減速装置219と、減速装置219の出力回転を転舵軸としてのラックバー12の直線運動に変換するボールねじ式の変換機構45とを備える電動パワーステアリング装置200の一部を示している。また、図8は、中間ギヤ44およびそれに関連する構成の図解的な断面図であり、図9は、中間ギヤ44の歯部の拡大図である。また、図10は、中間ギヤ44の変形例に係る歯部の拡大図である。この図7〜図10において、上述の図1〜図5に示された各部と同等の構成部分については、図1〜図5と同一の参照符号が付されている。
一方、図7は、図3または図4の実施の形態のリダクションギヤ23と同じ構造を持つ中間ギヤ44を有する歯車装置としての減速装置219と、減速装置219の出力回転を転舵軸としてのラックバー12の直線運動に変換するボールねじ式の変換機構45とを備える電動パワーステアリング装置200の一部を示している。また、図8は、中間ギヤ44およびそれに関連する構成の図解的な断面図であり、図9は、中間ギヤ44の歯部の拡大図である。また、図10は、中間ギヤ44の変形例に係る歯部の拡大図である。この図7〜図10において、上述の図1〜図5に示された各部と同等の構成部分については、図1〜図5と同一の参照符号が付されている。
図7を参照して、減速装置219は、電動モータ218により回転駆動されるピニオンギヤ227と、このピニオンギヤ227により回転駆動される中間ギヤ44と、この中間ギヤ44により回転駆動されるリダクションギヤ223とを備えている。ピニオンギヤ227およびリダクションギヤ223は、例えば炭素鋼等の鉄を含む材料により形成されている。中間ギヤ44は、主歯車23aと、芯金34および合成樹脂部材35を含む副歯車23bとによって構成されている。
ピニオンギヤ227、中間ギヤ44およびリダクションギヤ223は、外歯の歯車であり、それぞれの中心軸線がラックバー12の中心軸線と平行になるように配置されている。ピニオンギヤ227およびリダクションギヤ223は、例えばアルミニウム合金製のハウジング224によって回転可能に保持されている。また、中間ギヤ44は、軸受46を介して軸部材47に回転可能に保持されている。軸部材47は、ハウジング224の開口部224aに係合する板状の係合部材48の中心部からほぼ垂直に伸びている。軸受46の内輪46aは、軸部材47と同行回転可能に連結されており、軸受46の外輪46bは、芯金34の内周に同行回転可能に連結されている。
また、ハウジング224の線膨張係数は、ピニオンギヤ227、リダクションギヤ223、主歯車23aおよび芯金34の線膨張係数よりも大きくされている。また、合成樹脂部材35の線膨張係数は、ハウジング224の線膨張係数よりも大きくされている。図8および図9に示すように、合成樹脂部材35は、芯金34の外周部に形成された複数の突起38によって適度に減肉されている。副歯車23bの歯部37は、図8および図9に示す形態に限らず、例えば図10に示すように、歯面37aおよび歯底37cが合成樹脂部材35によって形成されていてもよい。
この図7に示す減速装置219では、芯金34に形成された複数の突起38によって合成樹脂部材35を適度に減肉させることにより、ピニオンギヤ227および中間ギヤ44の噛み合い部における温度変化に伴うバックラッシの変動、ならびに、リダクションギヤ223および中間ギヤ44の噛み合い部における温度変化に伴うバックラッシの変動が抑制されている。また、この減速装置219では、ピニオンギヤ227およびリダクションギヤ223が第1の歯車として機能する。
また、上述の実施形態では、歯車装置が減速装置である場合ついて説明したが、歯車装置は、減速装置に限らずその他の装置であってもよい。この場合、歯車装置を構成する第1の歯車および第2の歯車としては、上述のピニオン軸22およびリダクションギヤ23や、ウォーム42およびウォームホイール43に限らず、外歯の一対の平歯車や、外歯の一対のはずば歯車、外歯の一対のやまば歯車、互いに噛み合う内歯車および外歯車、ラックおよびピニオン、一対のかさ歯車などのその他の歯車を第1の歯車および第2の歯車として用いてもよい。
1・・・電動パワーステアリング装置、18・・・電動モータ、19・・・減速装置(歯車装置)、22・・・ピニオン軸(第1の歯車)、23・・・リダクションギヤ(第2の歯車)、23a・・・主歯車、23b・・・副歯車、24・・・ハウジング、34・・・芯金、35・・・合成樹脂部材、37・・・歯部、37a・・・歯面、38・・・突起、42・・・ウォーム(第1の歯車)、43・・・ウォームホイール(第2の歯車)、44・・・中間ギヤ(第2の歯車)、100・・・電動パワーステアリング装置、119・・・減速装置(歯車装置)、200・・・電動パワーステアリング装置、218・・・電動モータ、219・・・減速装置(歯車装置)、223・・・リダクションギヤ(第1の歯車)、224・・・ハウジング、227・・・ピニオンギヤ(第1の歯車)、X1・・・軸方向
Claims (4)
- 互いに噛み合う第1および第2の歯車を備え、
第1の歯車は金属製であり、
第2の歯車は、主歯車と副歯車とを軸方向に積層して構成され、
上記主歯車は、金属製であり、
上記副歯車は、環状の芯金と、この芯金に射出成形により一体に融着され、第1の歯車の歯部に噛み合う歯部の少なくとも歯面を形成した合成樹脂部材とを含み、
上記芯金は、合成樹脂部材を減肉するために各歯部の内部に進入した歯形形状の突起を有していることを特徴とする歯車装置。 - 請求項1において、上記第1および第2の歯車を回転可能に支持する金属製のハウジングを備え、
上記ハウジングの線膨張係数が、上記第1の歯車および上記芯金の線膨張係数よりも大きくされており、
上記合成樹脂部材の線膨張係数が、上記ハウジングの線膨張係数よりも大きくされていることを特徴とする歯車装置。 - 請求項2において、上記ハウジングはアルミニウムを含む材料で形成され、上記第1の歯車および上記芯金はそれぞれ鉄を含む材料で形成されていることを特徴とする歯車装置。
- 電動モータの出力回転を減速する減速装置としての、請求項1〜3の何れか1項に記載の歯車装置を備える電動パワーステアリング装置。
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JP2012067700A (ja) * | 2010-09-24 | 2012-04-05 | Honda Motor Co Ltd | キック始動装置及びキック始動装置の製造方法 |
WO2022264559A1 (ja) | 2021-06-17 | 2022-12-22 | 株式会社ジェイテクト | 歯車、及びステアリング装置 |
-
2008
- 2008-03-17 JP JP2008067906A patent/JP2009222149A/ja active Pending
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