JP2009275025A - 脱色素剤としてのギンバイカエキスの使用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】脱色素剤としての、ギンバイカ(myrtle)エキスを含有する化粧品組成物などの新規組成物、および脱色を目的としたその使用。
【選択図】なし
Description
皮膚の色素沈着は、かなり特殊な細胞であるメラニン細胞のメラニン合成能力による。メラニンは、メラニンおよびその誘導体(黒褐色色素)、フェオメラニンおよびその誘導体(黄赤色色素)という、多様な分子型を呈することのできる色素である。メラニン細胞は表皮の基底層に在り、メラニンの輸送に必要とされる細胞質または樹状突起を有する。メラニンはメラノソーマに含有される粒子の形態で存在する。メラニンは、その内部で1つの酵素、具体的にはチロシナーゼの作用によりチロシンより合成される。形成されたメラノソーマは、樹状突起を経て角化細胞に移動した後、トランスロケーション現象によってこれらの細胞の中に入る。角化細胞が角質細胞に分化するときメラニンは細胞質内で分散し、落屑により消失する。
ギンバイカ、またはミルツス・コンムニス(Myrtus communis)はフトモモ科(myrtaceae)に属する。
−ギンバイカの葉および/または果実を粉砕し、
−極性溶媒などの溶媒を用いて粉砕したギンバイカの葉および/または果実から抽出し、
−濾過または遠心分離により抽出溶液を収集し、
−収集した溶液を蒸発により濃縮してギンバイカエキスを得るが、これを他の成分と混合して該組成物を得てもよい。
−色素斑の強度および大きさを視覚的に緩和する
−色素沈着の原因となるメラニンの生成を調節および/または阻害する、
−目に見える色素斑を薄くする、
−新たな色素斑の発生を予防する、
という優れた能力も示しており、特に皮膚の老人斑などの表皮過剰色素沈着によるある種の見苦しい色素斑を脱色素するための利点が証明される。
−例えば紫外線により誘発された褐色の色素沈着斑などの炎症誘発性ストレスによる過剰色素沈着斑などの色素沈着斑を減少および/または消失、あるいは肝斑を減少および/または消失させ、
−色素沈着の原因となる、メラニンの生成を減少および/または阻害することが、有利に可能である。
−ゲル化されていてもよい、水性水−アルコール溶液
−二相分散であってもよい、ローション型分散液、
−水中油型または油中水型乳液または複合乳液
−水性ゲル、
およびセラム、クリーム、ゲル、軟膏、乳液、ローション、ペーストまたはフォームの外観を有することができる。スプレー形態またはスティック型などの固形で適用することもできる。
実施例1
ギンバイカの葉および乾燥果実100kgを粉砕した後、50%エタノール700kgで抽出する。抽出は還流および攪拌しながら1時間実施する。濾過後に溶液を収集し、その後減圧下、60℃で濃縮する。そのポリフェノール含有量が20〜40%の間およびフラボノイド含有量が1.5〜3,5%の間である乾燥物が得られるまで、濃縮に続いて乾燥を実施する。
第1の段階は実施例1のものと同じであるが、手順が最後の濃縮および乾燥段階について異なる。抽出後および濃縮中にプロピレングリコール200kgを加え、重量220kgの溶液が得られるまで濃縮を続行する。乾燥物の含有量は8〜12%の間であり、乾燥物に対するポリフェノールの含有量は20〜40%の間であり、乾燥物に対するフラボノイドの含有量は1.5〜3.5%の間である。
本実施例の出発原料は、実施例1の材料と異なる。異なるフラボノイドおよびポリフェオール含有量を有するエキスを得るために、他の抽出溶媒も用いる。
粉砕した葉および果実10kgを、水とエタノールの混合物(80対20の割合)とともに、還流下で3時間攪拌して抽出する。得られた溶液を、遠心分離した後濾過する。
5.1 培養メラニン細胞の樹状突起形成性
皮膚の色素沈着は、表皮のメラニン細胞と角化細胞との相互作用によって発生する。メラニン細胞の樹状突起は、色素沈着プロセスにおいて重要な役割を果たす。それらは、メラノソーマの表皮の基底部および基底上部への移動を可能にする。それらは、メラニン粒子がメラニン細胞の内部から樹状突起の先端に移動し、皮膚に拡散することを可能とする、微小管とアクチンフィラメントとの会合よりなる(Haraら、J Invest Dermatol, 2000)。
メラニン細胞を、適切な培地内で、実施例1による各濃度のギンバイカエキス、および参照物質ヒドロキノンと接触させ、37℃で72時間放置して培養する。培養期間の終了時に、メラニン細胞を収集して洗浄する。次に、細胞をナトリウム溶液で処理してメラニンを抽出する。次に、較正曲線を用いて、450nm分光分析により、染色した溶液のメラニン含有量を評価した。被験製品のメラニン生成阻害活性は、抽出されたメラニン細胞溶液中のメラニン含有量の低下と換言することができる。これらの同じ細胞について、事前の細胞毒性試験を明確に実施し、試験濃度のエキスが無毒性であることを確認した。
化合物 量(/100g)
ミルツス・コンムニス乾燥エキス 0.1g〜0.5g
(実施例2)
アスコルビルグルコシド 1.0g〜10.0g
シクロメチコン 2.0g〜10.0g
カルボマー 0.5g〜0.6g
プロピレングリコール 1.0g〜5.0g
グリセリン 1.0g〜5.0g
トリエタノールアミン 0.5g〜2.5g
精製水 加えて全量を100gとする。
第1試験
以下に示す臨床試験は、年齢25から45歳の日本人女性30名に対して実施したオープン試験である。
−いずれも敏感肌を有し(100%)
−顔面に色素沈着班を有し、少なくとも1つの色素斑は直径5mm超を有する。
−普通肌(17%)
−混合/脂性肌(26%)
−脂性肌(23%)
−混合/乾燥肌(17%)
−乾燥肌(17%)
メキサメーター(MEXAMETER)(商標)MX16(Courage and Khazaka)を用いて皮膚のメラニン指数を測定した。
測定領域:5mmを超える直径を有する色素斑、および該色素斑の近傍の健康な領域での皮膚のメラニン指数を測定した。
各測定時および各個人について得られた測定結果を、面積毎の平均として算出した(過剰色素沈着領域、健康皮膚領域)。
下記表2に得られた結果を示す:
皮膚科医が、試験に参加した各人の皮膚の初期状態を確認し(D0)、続いて処置28日後および84日後の皮膚の状態をフォローアップした。
−色素沈着班の態様
−皮膚の輝き
−皮膚の明るさ
−均一な皮膚の色調。
9ポイント「臨床蓄積システム」に従い、各パラメータを検討した。
軽微 中等度 顕著
+ 1 + 4 + 7
++ 2 ++ 5 ++ 8
+++ 3 +++ 6 +++ 9
Δ28およびΔ84を用いて、D0でのそれらの値に対するD28およびD84での各基準における変動(%で表示)をそれぞれ示した。
本試験により、本発明によるギンバイカエキスを含有する組成物の、色素斑を有する各タイプの敏感肌に対する有意な有効性を示すことができた。得られた利点は、より目立たない色素沈着斑ならびに明るさ、輝きおよび均一性および一様性の点において改善された顔色と換言することができる。
以下に記載するこの第2の臨床試験は、年齢22から48歳の日本人40名(女性37名および男性3名)に対して実施した盲検試験である。
CR400(商標)クロマメーター(ミノルタ)を用いて、比色分析パラメータb*(青色−黄色軸)を測定した。
測定領域:皮膚色素沈着を前腕部内側の表面(処置領域)および隣接する未処置領域(対照領域)で測定し、これらの測定領域は、事前に区画し、識別マスクで識別した。
各測定時および各個人で得られた測定結果を、面積あたりの平均として算出した(処置領域、対象領域)。
本出願人は、本発明による組成物の適用が脱色素効果を有することを立証した。
Claims (11)
- 脱色素剤としての、化粧品組成物におけるギンバイカ(myrtle)エキスの使用。
- 前記組成物が皮膚および/または体毛および/または頭髪を美白および/または明色化するためのものである、請求項1に記載の使用。
- 前記組成物が皮膚の加齢斑を減少および/または消失させるためのものである、請求項1に記載の使用。
- 前記組成物が紫外線によって誘発されたと思われる褐色の色素斑、または肝斑を減少および/または消失させるためのものである、請求項1に記載の使用。
- ギンバイカエキスの量が組成物100gあたり1mg〜50gの間にある、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
- 生理学的に許容できる媒質中に、脱色素活性成分として、ギンバイカエキスおよび少なくとも1つの他の脱色素剤も含有する、組成物。
- 前記他の脱色素剤が、ビタミンCおよびアスコルビルグルコシドなどのその誘導体、サリチル酸、乳酸、グリコール酸、マレイン酸、アルブチン、コウジ酸、ビタミンB3,リノール酸およびこれを含む植物油、レチナールアルデヒドおよびその誘導体、レゾルシノール、クマコケモモエキス、カンゾウエキス、クワの実エキス、アービュタスエキス、コウゾエキス、カミツレエキスまたはタツナミソウエキスからなる群から選択され、単独または混合物として使用される、請求項6に記載の組成物。
- 前記ギンバイカエキスの量が組成物100gあたり1mg〜50gの間にある、請求項6または7に記載の組成物。
- ギンバイカエキスを含有する化粧品組成物を、皮膚および/または体毛および/または頭髪へ適用することを含む、皮膚および/または体毛および/または頭髪を美白および/または明色化するための美容的方法。
- ギンバイカエキスを含有する化粧品組成物を、皮膚へ適用することを含む、皮膚の色素班を減少および/または消失させるおよび/または予防するための美容的方法。
- 前記組成物が請求項6〜8のいずれか一項に定義されているるものである、請求項9または10に記載の美容的方法。
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