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JP2009259492A - 直接アルコール型燃料電池用触媒、直接アルコール型燃料電池および電子機器 - Google Patents

直接アルコール型燃料電池用触媒、直接アルコール型燃料電池および電子機器 Download PDF

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JP2009259492A JP2008104879A JP2008104879A JP2009259492A JP 2009259492 A JP2009259492 A JP 2009259492A JP 2008104879 A JP2008104879 A JP 2008104879A JP 2008104879 A JP2008104879 A JP 2008104879A JP 2009259492 A JP2009259492 A JP 2009259492A
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祐馬 臼井
Masaharu Tanaka
正治 田中
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興利 木村
Yuji Ito
雄二 伊藤
Shunichi Abe
俊一 阿部
Tetsuro Sasamoto
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Abstract

【課題】燃料極の導電性を低下させることなく、従来の触媒に比べて、アルコール燃料の酸化反応に対する活性を有意に高めることの可能な、直接アルコール型燃料電池用触媒を提供することを目的とする。
【解決手段】貴金属と金属酸化物とカーボンとを含む直接アルコール型燃料電池用触媒であって、カーボンは、コア部を形成し、金属酸化物は、前記コア部の表面を覆うシェル部として形成され、貴金属は、前記シェル部に担持されていることを特徴とする直接アルコール型燃料電池用触媒。
【選択図】図1

Description

本発明は、アルコールを主成分とする液体燃料を燃料極に直接供給する、直接アルコール型燃料電池に使用される触媒に関する。また、本発明は、そのような触媒を有する直接アルコール型燃料電池、およびそのような直接アルコール型燃料電池を備える電子機器に関する。
水素を燃料とする固体高分子型燃料電池(PEFC)は、その高いエネルギー変換効率のため、自動車用電源として、あるいは家庭用電源として期待されている。PEFCでは、反応生成物は水のみであり、PEFCは、クリーンな電源として知られている。
一般にPEFCは、燃料極および酸化剤極の二つの電極と、これらに挟まれた高分子電解質膜からなる膜電極接合体(MEA)を有し、これをユニット(セル)として複数積層し、スタック化することにより構成される。一般に、電極(燃料極および酸化剤極)は、導電性カーボンと、高分子電解質成分と、触媒とで構成される。各セルの燃料極に水素が供給され、また酸化剤極に酸素または空気が供給されると、それぞれの電極では、燃料の酸化反応および酸素の還元反応等が生じ、これによりPEFC全体として起電力を発生させることができる。
PEFCには、改質器でアルコールなどの液体燃料を水素に変換し、この水素を燃料極に供給して発電するタイプと、燃料極に直接アルコールを供給して発電するタイプ(DAFC)とがある。後者のDAFCでは、改質器を必要としないため、小型化が可能である。またアルコールは、液体水素や高圧水素と比較して、高いエネルギー密度を持つとともに、より安全であるため、DAFCでは、システム構成を簡素化することができるという特徴を有する。DAFCでは、今のところ、アルコール燃料としてメタノールが有望視されている。しかしながら、最近、より高いエネルギー密度を有するエタノールまたはエチレングリコールなどのアルコール燃料が注目され始めている。
一般に、燃料極に設置される触媒は、導電性カーボン上に貴金属粒子が担持された構成を有する。貴金属粒子には、表面積を高めるため、ナノサイズの微粒子が使用される。しかしながら、DAFCは、特に低温において出力特性が低く、特に、燃料極の活性(すなわちアルコール燃料の酸化反応)をより向上させることが可能な触媒が求められている。
一般に、DAFC用の燃料極に用いる触媒としては、(i)アルコールを吸着しやすい性質を有し、(ii)アルコールの酸化反応の過程で発生する被毒種(特にCO)による触媒被毒を抑制する機能を有することが必要である。(i)の性質は、白金等の貴金属またはその合金を使用することにより、得ることができる。また(ii)の機能は、触媒にルテニウムまたは各種金属酸化物を添加することにより、得ることができる。これらの材料は、COを吸着して、これを二酸化炭素に変換する性質を有するためである。
以上のことを考慮して、燃料極の活性をより向上させるための各種触媒が提案されている(特許文献1〜6および非特許文献1)。
特許文献1には、結晶子サイズが1〜20nmであり、一般式MOx(x=0.5〜2.0)で表され、かつ、このうちの金属元素Mの一部がMとは異種の貴金属元素で置換された金属酸化物微粒子が、カーボン粒子に担持されていることを特徴とする微粒子担持カーボン粒子が示されている。
また、特許文献2には、結晶格子中にモリブデンおよび貴金属元素を含有し、かつ、貴金属元素が配置された結晶サイトに含まれる貴金属元素量が、当該結晶サイト内に含まれる全元素量に対して2〜20mol%である金属酸化物微粒子が、カーボン粒子に担持された粒子が示されている。
また、特許文献3には、導電性担体に貴金属含有粒子を担持させた燃料電池用電極触媒であって、該貴金属含有粒子は、少なくとも貴金属を含むコア部とその外周に形成された貴金属酸化物のシェル部とのコア−シェル構造を有することを特徴とする燃料電池用電極触媒が示されている。
また、特許文献4には、金属酸化物と炭素との複合体からなる触媒担体が示されている。
また、特許文献5には、酸化物担持体と、前記酸化物担持体の表面に担持された触媒粒子と、前記酸化物担持体の表面の前記触媒粒子の間に位置し、Mo、W、SnおよびRuからなる群より選択される少なくとも一種を含有する酸化物または複合酸化物を含む融点が1500℃未満の触媒層と、前記酸化物担持体と前記触媒粒子と前記触媒層とが共有する界面と、を具備する燃料電池用電極触媒が示されている。
また、特許文献6には、表面形状の複雑なカーボン粒子を触媒金属の単体として使用した場合に生じる、粒子内部への触媒金属の浸透を防止するため、触媒担体として、表面がより簡素化された微細な導電性セラミックス粒子を使用した、燃料電池用電極触媒粒子が示されている。
特開2007−115668号公報 特開2007−194139号公報 特開2005−100713号公報 特開2005−150085号公報 特開2007−005136号公報 特開2007−073291号公報 Z.Jusys、T.J.Schmidt、L.Dubau、K.Lasch、L.Jorrisen、J.Garche、R.J.Behm,Journal of Power Sources,105(2002),pp.297−304
前述のように、燃料電池の燃料極用の触媒としては、これまでに様々な構成のものが示されている。しかしながら、前述の特許文献1〜4に記載の触媒を燃料極に使用したとしても、アルコールの酸化反応に対する活性の向上は、未だ十分とは言い難い。一般に、燃料極におけるアルコールの酸化反応の活性の向上には、触媒に含まれる貴金属と金属酸化物の間の接触界面が大きく影響する。これは、そのような接触界面が、アルコールの酸化反応の生じやすい反応サイトとして機能することに起因する。すなわち、特許文献1〜4に記載の触媒では、そのような反応サイトの数が全く存在せず、あるいは、極めて僅かしかないため、アルコールの酸化反応の活性を有意に向上させることは難しい。
一方、前述の特許文献5、6に記載の触媒の場合は、貴金属の担持体としてカーボンの代わりに金属酸化物が使用される。しかしながら一般に、金属酸化物は、カーボンに比べると、導電性が低い。従って、燃料電池の燃料極にそのような触媒を使用した場合、燃料極の導電性が低下してしまい、これに伴い、発電性能も低下してしまうという問題がある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、燃料極の導電性を低下させることなく、従来の触媒に比べて、アルコール燃料の酸化反応に対する活性を有意に高めることの可能な、直接アルコール型燃料電池用触媒を提供することを目的とする。また、そのような触媒を燃料極に含む直接アルコール型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明では、カーボン粒子と金属酸化物層と貴金属粒子とを含む直接アルコール型燃料電池用触媒であって、
前記カーボン粒子は、当該触媒のコア部を形成し、
前記金属酸化物層は、前記コア部の表面を覆うシェル部として形成され、
前記貴金属粒子は、前記シェル部に担持されていることを特徴とする直接アルコール型燃料電池用触媒が提供される。
ここで当該触媒において、前記貴金属粒子は、白金で構成されても良い。
また当該触媒において、前記金属酸化物層は、タングステン酸化物またはモリブデン酸化物で構成されても良い。
また、本発明では、燃料極および酸化剤極に狭持された電解質膜からなる少なくとも一つの膜電極接合体と、アルコールを含む燃料を前記膜電極接合体の燃料極に供給する燃料供給路と、酸化剤を前記膜電極接合体の酸化剤極に供給する酸化剤供給路と、を備える直接アルコール型燃料電池であって、
前記燃料極は、前述の直接アルコール型燃料電池用触媒を含むことを特徴とする直接アルコール型燃料電池が提供される。
ここで、前記アルコールは、メタノールまたはエタノールであっても良い。
さらに、本発明では、前述のような直接アルコール型燃料電池を搭載する電子機器が提供される。
本発明では、燃料極の導電性を低下させることなく、従来の触媒に比べて、アルコール燃料の酸化反応に対する活性を有意に高めることの可能な、直接アルコール型燃料電池用触媒が提供される。また、そのような触媒を燃料極に含む直接アルコール型燃料電池を提供することができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明による直接アルコール型燃料電池用触媒の構成断面図を模式的に図1に示す。本発明による直接アルコール型燃料電池用触媒10(以下、単に「触媒」とも称する)は、カーボン粒子12と、金属酸化物層14と、貴金属粒子16とを含む。カーボン粒子12は、触媒10のコア部20を形成し、金属酸化物層14は、カーボンコア部20の表面を覆うシェル部30として形成される。また貴金属粒子16は、このシェル部14に担持されている。
一方、従来の直接アルコール型燃料電池用触媒の構成断面図の一例を模式的に図2〜図4に示す。図2に示す直接アルコール型燃料電池用触媒1Aは、カーボン粒子2Aおよび貴金属粒子6Aで構成され、カーボン粒子2Aの表面に、貴金属粒子6Aが担持された構成となっている。また、図3に示す直接アルコール型燃料電池用触媒1B(前述の特許文献3の触媒)は、カーボン粒子2B、貴金属酸化物層4Bおよび貴金属粒子6Bで構成される。貴金属酸化物層4Bは、貴金属粒子6Bのコアを覆うシェル部として構成されており、この貴金属酸化物層4Bが、カーボン粒子2Bの表面に担持される。さらに、図4に示す直接アルコール型燃料電池用触媒1C(前述の特許文献4の触媒)は、カーボン粒子2Cと、金属酸化物粒子4Cと、貴金属粒子6Cとで構成され、カーボン粒子2Cの表面に金属酸化物粒子4Cが担持され、この金属酸化物粒子4Cに貴金属粒子6Cが担持された構成となっている。
一般に、貴金属と金属酸化物を有する触媒において、アルコールの酸化反応に対して、最も高い反応活性が得られる反応サイトは、貴金属と金属酸化物の間の接触界面である。しかしながら、図2に示す従来の触媒1Aでは、そのような反応サイトが存在せず、このため、アルコールの酸化反応を十分に活性化させることは難しい。また、図3に示す従来の触媒1Bの形態では、そもそも貴金属粒子6Bが酸化物層4Bで被覆されているため、両者の界面をアルコール燃料に対して露出させることは不可能である。さらに、図4に示す従来の触媒1Cの形態においても、貴金属粒子6Cと金属酸化物粒子4Cの接触界面は、図4のRCの位置に限られおり、反応サイト数は、著しく少ない。またこの触媒の場合、図4のように、金属酸化物粒子4Cの表面にのみ、選択的に貴金属粒子6Cを担持させることは、実際には極めて難しい。
このように、従来の触媒1A〜1Cでは、貴金属と金属酸化物の接触界面が極めて少なく、このため、そのような触媒をPEFCの燃料極に設置しても、アルコールの酸化反応に対する活性の向上は、あまり顕著ではないという問題がある。
これに対して、本発明の触媒10では、カーボンコア部20および金属酸化物シェル部30を有し、シェル部30に貴金属粒子16が担持された構成となっている。このため本発明の触媒10では、カーボン粒子12に担持される貴金属粒子16は、その大部分が必然的に金属酸化物層14と接触した状態となり、これにより、金属酸化物層14と貴金属粒子14の間の接触界面、すなわちアルコールの酸化反応を活性化させるサイト数(および領域)が増加する。従って、本発明による触媒10をPEFCの燃料極に設置した場合、燃料極の活性を有意に向上させることができる。
なお、このような本発明の触媒の特徴的な形態は、粒子サンプルの極表面における情報(例えば、粒子サンプルの分析結果において、検出された大部分が金属酸化物および貴金属であり、カーボンがほとんど検出されないこと等)と、粒子サンプルの深さ領域の情報(例えば、粒子サンプルの分析結果において、カーボン、金属酸化物、および貴金属の各存在が検出されること等)とを組み合わせることにより、確認することができる。例えば、X線光電子分光測定(XPS)法では、サンプルの極表面(〜数nm)の情報を得ることができる。また、エネルギー分散X線分光測定(EDX)法では、サンプル表面からより深い領域までの情報を得ることができる。従って、X線光電子分光測定(XPS)法により得られた情報から、担体粒子(カーボンコア)の表面が金属酸化物層で被覆されていること、およびこの表面に貴金属が担持されていることを確認することができる。またエネルギー分散X線分光(EDX)法により得られた情報から、当該触媒の担体粒子がカーボンで構成されていることを確認することができる。
また、本発明による触媒10では、以下のような効果が得られる。
一般に、PEFCでは、いわゆるカーボン腐食の現象が問題となる場合がある。カーボン腐食は、燃料として水素を使用した燃料電池において、例えば、燃料電池に急激な出力変動が負荷された場合等に生じる現象である。この場合、燃料極側への水素燃料の供給が遅れ、燃料極側が一時的に燃料不足状態となる。この燃料不足状態では、燃料極での酸化反応として、以下の(1)式の反応が生じる。

2HO → 4H+4e+CO (1)式

しかしながら、燃料不足の状態がさらに続くと、以下の(2)式の反応のように、電極を構成するカーボンの一部が酸化される。

2HO+C → 4H+4e+CO (2)式

このようなカーボン腐食が生じると、カーボン表面に担持された触媒が脱落し始めるとともに、触媒同士の凝集が起こりやすくなる。従って、燃料電池の発電性能が低下してしまうという問題が生じる。このようなカーボン腐食の問題は、燃料として水素を使用した燃料電池において生じ易い問題であるが、アルコールを燃料とする燃料電池においても、同様に生じ得る。
しかしながら、本発明による触媒10では、カーボン粒子は、その大部分がシェル部、すなわち金属酸化物の層で被覆されており、従来の触媒に比べて、カーボンの露出面積は、有意に抑制されている。従って、本発明による触媒を有する燃料電池では、前述のようなカーボン腐食は生じ難く、長期間安定な発電を維持することができる。
さらに本発明の触媒は、後述のように、製造時に熱処理を必要としないので、生産性および経済性に優れるという特徴を有する。
本発明による触媒10の貴金属粒子16は、例えば白金、ルテニウム、パラジウム、イリジウム、ロジウム、またはこれらの合金などで構成される。貴金属粒子の最大寸法は、10nm以下が好ましく、通常、2〜3nm程度である。
一方、本発明による触媒10のシェル部30を形成する金属酸化物層14は、アルコールの酸化反応により生じる化学種のうち、貴金属に対して被毒性のある化学種を、酸化させる作用のあるものであれば、いかなる酸化物であっても良い。シェル部を形成する金属酸化物は、例えば、タングステン酸化物、モリブデン酸化物、ルテニウム酸化物、スズ酸化物、バナジウム酸化物、および/またはチタン酸化物などを含んでも良い。
なお、シェル部を形成する金属酸化物層は、担持される貴金属粒子と金属酸化物の間の接触界面を増加させることを、一つの目的として設置されており、この目的に関して言えば、金属酸化物層は、カーボン粒子を完全に被覆している必要はない。またシェル部には、ピンホール等の欠陥が存在しても、特に問題はない。
ただし、シェル部を形成する金属酸化物層を設置するもう一つの目的は、カーボン粒子がアルコール燃料に対して露出されている場合に生じ得る、カーボン腐食を抑制することである。従って、このような観点からは、金属酸化物層は、カーボン粒子の表面を少なくとも半分以上被覆していることが好ましく、カーボン粒子を完全に被覆していることがより好ましいと言える。なお後者の目的に対しても、金属酸化物層におけるピンホール等の欠陥は、許容されることが経験的に確認されている。
また、シェル部30(すなわち金属酸化物層14)の膜厚は、導電性の観点からは、薄いほうが好ましく、通常、数nm〜十数nm程度である。
また、本発明による触媒10におけるコア部のカーボンとしては、カーボンブラック、活性炭、メソポーラスカーボン、カーボンナノチューブ及びカーボンファイバーなど、様々なものが使用できる。特に、比表面積が高く、細孔の少ないカーボンが好ましい。例えば、粒径30〜50nm、比表面積200〜300m/g程度の、キャボット社製バルカンなどのカーボンブラックを使用することができる。
(本発明による触媒の製造方法)
次に、前述のような特徴を有する、本発明の触媒の製造方法の一例について説明する。
本発明の触媒は、
(i)カーボンコア表面に、シェル部として、金属酸化物層を形成する工程と、
(ii)この金属酸化物層からなるシェル部に、貴金属粒子を設置する工程と、により製作することができる。
(i)のシェル部を形成する工程では、まず金属酸化物の前駆体溶液に、カーボン粒子を添加し、この溶液を攪拌して、カーボン粒子表面に金属酸化物の前駆体をコーティングさせる。次に、溶液をろ過して、カーボン粒子を回収後、これを乾燥させることにより、表面に金属酸化物がコーティングされたカーボン粒子を得ることができる。
(ii)のシェル部に貴金属粒子を設置する工程では、貴金属微粒子の前駆体溶液に、前述の金属酸化物層でコーティングされたカーボン粒子を添加して、溶液中にこの粒子を分散させる。次に、溶液に還元剤を添加し、貴金属イオンを還元させることにより、シェル部に貴金属粒子を析出させることができる。還元剤には、従来の白金イオンの還元に使用されているような、いかなる一般的な還元剤を使用しても良い。その後、溶液をろ過して、固形物を回収後、これを乾燥させる。これにより、カーボンコア部とシェル部を有し、シェル部に貴金属粒子が担持された触媒を得ることができる。
ここで、従来の触媒(例えば、前述の図2に示す触媒)の製造方法では、通常の場合、白金のような貴金属を他の金属と合金化させるため、熱処理が実施される。また、酸化物を有する触媒(例えば、前述の図3、4に示す触媒)の場合、一般に、酸化物の結晶性を高めることを目的として、熱処理が実施される。しかしながら本発明では、触媒は、前述の工程で製作されるため、触媒を製作する際に、熱処理を実施する必要はない。従って、本発明による触媒は、従来の触媒に比べて、比較的簡単に、低コストで製造することができるという、さらなる特徴を有する。
次に、本発明による触媒の適用例について説明する。
<第1の実施形態>
図5には、本発明の第1の実施形態による直接アルコール型燃料電池の単セル(PEFC)100を示す。
図5を参照するに、PEFC100は、筐体110aおよび110bを有し、両者の間には、燃料極130a、イオン伝導性電解質膜140、および酸化剤極130bが配置される。イオン伝導性電解質膜140は、燃料極130aと酸化剤極130bの間に設置される。前記燃料極130aおよび酸化剤極130bのイオン伝導性電解質膜140と接しない側には、それぞれ、燃料流通部120aおよび酸化剤流通部120bが設けられる。
燃料極130aは、前述の特徴を有する本発明の触媒を含む。
なお、通常の場合、燃料極130a、イオン伝導性電解質膜140および酸化剤極130bは、膜電極接合体(MEA)として構成される。MEAは、例えば、以下のようにして製作することができる。
(A)酸化剤極に含まれる一般的な触媒と、イオン伝導性を有するアイオノマーとを、水またはアルコールに分散させて、分散液を調製する。
(B)この分散液を、拡散層材料(例えば、カーボンペーパー等)に塗布した後、乾燥処理し、電極(酸化剤極)層を有する拡散層を形成する。
(C)同様の方法により、燃料極層を有する拡散層を形成する。ただし、この場合、分散液中に分散される触媒には、前述の特徴を有する本発明の直接アルコール型燃料電池用触媒10が使用される。
(D)酸化剤極層を有する拡散層、電解質膜、および燃料極層を有する拡散層を、この順に重ね合わせ、これらを熱圧着することにより一体化して、MEAを形成する。
燃料流通部120aの上方には、燃料導入孔125aが設けられ、燃料流通部120aの下方には、燃料排出孔126aが設けられる。燃料導入孔125aは、燃料流通部120aを介して、アルコール燃料を燃料極130aまで導入する役割を果たす。燃料排出孔126aは、燃料極130aから燃料流通部120aを介して排出される未反応燃料や生成物を、系外に排出する役割を果たす。
同様に、酸化剤流通部120bの下方には、酸化剤導入孔125b(図5では、他の部材に隠れており、視認できない)が設けられ、上方には、酸化剤排出孔126bが設けられる。酸化剤導入孔125bは、酸化剤流通部120bを介して、酸化剤(多くの場合は空気)を酸化剤極130bまで導入する役割を果たす。酸化剤排出孔126bは、酸化剤極130bから酸化剤流通部120bを介して排出される未反応空気と生成物(多くの場合は水)を、系外に排出する役割を果たす。
なお、燃料流通部120aは、アルコール燃料を収容するためのアルコール燃料収容部であっても良く、あるいは外部燃料収容部(図示せず)に連通したアルコール燃料の流通路であっても良い。アルコール燃料は、毛管現象によりまたは強制的に、燃料極130aまで供給されるが、必要に応じて強制供給手段(図示せず)を付設してもよい。また、アルコール燃料は、アルコールのみを含んでも、アルコールと水の混合物を含んでも良い。ただし、アルコールと水の混合物を含む場合、燃料極130aと酸化剤極130bの間のクロスオーバーが緩和されるので、良好なセル起電圧および出力を得ることができる。
この他、図には示していないが、酸化剤流通部120bには、強制供給手段および/または強制排気手段を付設しても良い。また、酸化剤流通部120bと近接する筐体(筐体110b)に空気孔を設けても良い。
ここで、燃料極130aには、本発明による触媒が設置されている。この触媒は、前述のように、燃料極のアルコール燃料に対する反応活性を有意に向上させることができる。従って、燃料極に本発明による触媒を有するPEFC100では、良好な発電性能を得ることができる。
<第2の実施形態>
図6には、本発明の第2の実施形態による直接アルコール形燃料電池(PEFC)200の模式図を示す。PEFC200は、前述のPEFC100のような単セルを複数具備している。
図6を参照するに、PEFC200は、偏平な直方体形状の筐体210を有し、この筐体210内には、この筐体210を上下に仕切るように、燃料流通部220aが形成されている。また、PEFC200は、筐体210の側部に、後述するアルコール燃料容器250の収容空間281を有する。
燃料流通部220aの上側には、複数(例えば3個)の燃料電池セル242Uからなる第1のセル群270が配置されており、一方、燃料流通部2aの下側には、複数(例えば3個)の燃料電池セル242Dからなる第2のセル群280が配置されている。各燃料電池セルは、いずれも燃料極230a、酸化剤極230bおよびこれらの間に介在配置されたイオン伝導性電解質膜240を有する。なお、各燃料極230aは、前述のような特徴を有する本発明による触媒10を含む。
第1のセル群270に含まれる各燃料電池セル242Uは、平面状に配置され、相互に直列に結線されている。同様に、第2のセル群280に含まれる各燃料電池セル242Dは、平面状に配置され、相互に直列に結線されている。第1のセル群270の燃料電池セル242Uと、第2のセル群280の燃料電池セル242Dとは、それぞれの燃料極230aが、燃料流通部220aを挟んで相対向するように配置されている。また第1のセル群270の燃料電池セル242Uと、第2のセル群280の燃料電池セル242Dとは、それぞれの酸化剤極230bが外方を向くように(すなわち筐体270の内壁面と面するように)配置されている。
収容空間281には、着脱自在にアルコール燃料容器250が収容される。アルコール燃料容器250は、内部にアルコール燃料を有する。また、アルコール燃料容器250の側面には、出口250aが形成されている。出口250aは、アルコール燃料容器250が収容空間281に収容される前は、所定の封止手段(図示せず)によって封止されており、このためアルコール燃料容器250内のアルコール燃料は、密封収容されている。一方、出口250aは、アルコール燃料容器250が収容空間281に収容された状態では、前述の燃料流通部220aと出口250aとが接続されるような位置に形成されている。従って、アルコール燃料容器250が収容空間281に収容された際には、出口250aと燃料流通部220aとが連通され、アルコール燃料をアルコール燃料容器250から燃料流通部220aの方に供給することができる。
前述の通り、両セル群270、280の燃料電池セルにおける各酸化剤極230bは、外方を向くようにして、筐体210内に設けられている。ここで、酸化剤極230bと筐体210との間には、空間Sが形成され、筐体210には、前記空間と外界とを連通させる通気孔(図示せず)が設けられている。従って、通気孔を介して、外部空気を前記空間に導入することができ、さらには各燃料電池セルの酸化剤極230bに、外部空気を供給することができる。なお、酸化剤極230bへの空気の供給を制御したい場合には、筐体210の所定部位に、ファン等の強制供給手段を付設しても良い。
ここで、各セルの燃料極230aには、本発明による触媒10が設置される。この触媒は、前述のように、燃料極のアルコール燃料に対する反応活性を有意に向上させることができる。従って、燃料極に本発明による触媒10を有するPEFC200では、良好な発電性能を得ることができる。
また燃料電池セルを前述のように配置することで、PEFC200の小型化が容易となる。従って、PEFC200は、小型電源、特に携帯機器の電源に適する。またアルコール燃料容器250は、収容空間281から着脱可能になっているので、アルコール燃料の補充が容易であり、PEFC200は、携帯機器の電源として適している。
なおアルコール燃料の円滑な供給の点から、燃料流通部220aおよび出口250aは、例えばSiOやAlなどを焼結して得られた多孔質体・高分子繊維・高分子多孔質膜等から構成され、アルコール燃料は、毛管現象により各燃料電池セルの燃料極230aに供給されることが好ましい。ただし、高分子繊維や高分子多孔質膜を用いる場合には、これらが燃料に触れても変形しないことが必要である。
また、燃料流通部220aからのアルコール燃料が、直接各セルの酸化剤極230bの方に到達すること(一種のクロスオーバー)を防止するため、横方向に隣接する燃料電池セル同士の間に、隔壁(例えば薄膜)を配置することが望ましい(図示せず)。これにより、燃料流通部220aからのアルコール燃料が、前述の空間Sの方に流通することを防止することが可能となり、アルコール燃料が酸化剤極230bの方に供給されることを抑制することができる。隔壁には、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン等の高分子材料、またはガラスおよび酸化アルミニウム等の無機酸化物を使用することができる。
なお図6のPEFC200を構成する各部材には、図5のPEFC100で説明したものがそのまま使用できる。しかしながら、PEFC200は、そのような実施形態に限定されるものではない。すなわち前述の図5および図6に示す実施形態は、本発明を説明するための一例であり、各々の燃料電池セルの配置、配列、結線などに関して、図示する以外の公知の方法を使用しても良いことは、当業者には明らかである。
<第3の実施形態>
図7には、本発明の第3の実施形態による直接アルコール形燃料電池(PEFC)300の模式図を示す。
図7を参照するに、PEFC300は、膜電極接合体(MEA)320と、バイポーラプレート360とを、交互に積層(スタック)した構造を有する。MEA320は、前述のように、燃料極、イオン伝導性電解質膜および酸化剤極で構成される。バイポーラプレート360は、膨張黒鉛等の炭素材料を成形したバイポーラプレート、膨張黒鉛等の炭素材料と耐熱性樹脂の混合物を成形したバイポーラプレート、ならびにステンレス基材等の金属板に耐酸化性被膜および導電性被膜を施したバイポーラプレート、など公知の方法で作製したいかなるバイポーラプレートであっても良い。また、バイポーラプレート360の所定の面の表面には、アルコール燃料または酸化剤の流通用の溝が形成されている(図示せず)。従って、外部からバイポーラプレート360のある側(図の例では、左側)に、アルコール燃料を供給することにより、バイポーラプレート360に形成された溝を介して、MEA320の燃料極に、アルコール燃料を供給することができる。同様に、外部からバイポーラプレート360のある側(図の例では、右側)に、酸化剤を供給することにより、バイポーラプレート360に形成された溝を介して、MEA320の酸化剤極に、酸化剤を供給することができる。
このような積層型のPEFC300では、多数の燃料電池セルが直接接続され、セルのスタック数に応じて、必要な出力電圧を得ることができる。
PEFC300においても、各セルの燃料極には、本発明による触媒が設置される。この触媒は、前述のように、燃料極のアルコール燃料に対する反応活性を有意に向上させることができる。従って、本発明による触媒を有するPEFC300では、良好な発電性能を得ることができる。
<第4の実施形態>
図8には、本発明の第4の実施形態による燃料電池発電システム400を示す。
図8を参照するに、燃料電池発電システム400は、直接アルコール型燃料電池スタック411を含む。スタック411は、例えば前述のPEFC300のような、燃料極に本発明による触媒10を備える燃料電池セルを有するスタックである。スタック411は、燃料流通部412および酸化剤流通部413を有する。
燃料電池発電システム400は、さらに、燃料供給系として、高濃度アルコールを収容した燃料容器414、燃料送出機構(例えばポンプ)415、混合容器416、アルコールセンサー417、イオンフィルター418を有する。従って、燃料電池スタック411で使用される燃料は、燃料容器414から燃料送出機構415によって混合容器416に送られ、アルコールセンサー417による適正な濃度調整を行った後に、イオンフィルター418を介して、燃料流通部412に供給される。なお、燃料流通部412に供給された燃料は、燃料電池スタック411の各燃料極で消費された後、排出物(残留燃料および反応生成物)として、再度燃料流通部412に戻される。
さらに、燃料電池発電システム400は、酸化剤供給系として、酸化剤フィルタ419および酸化剤送出機構(例えばブロワ)421を有する。従って、燃料電池スタック411で使用される酸化剤は、酸化剤フィルタ419から酸化剤送出機構421を介して、酸化剤流通部413に供給される。なお、酸化剤流通部413に供給された酸化剤は、燃料電池スタック411の各酸化剤極で消費された後、排出物(残留酸化剤および反応生成物)として、再度酸化剤流通部413に戻される。
また、燃料電池発電システム400は、燃料排出系として、第1の気液分離装置422、熱交換器423を有する。従って、前述の燃料流通部412からの排出物は、第1の気液分離装置422および熱交換器423を介して、スタック411から排出される。
また、燃料電池発電システム400は、酸化剤排出系として、冷却ファン424が接続された凝縮器425と、第2の気液分離装置426とを有する。従って、前述の酸化剤流通部413からの排出物は、凝縮器425および第2の気液分離装置426を介して、スタック411から排出される。
なお、図の例では、燃料電池発電システムは、燃料を希釈循環するシステムとなっている。すなわち、燃料供給系は、混合容器416の上流側で、燃料排出系および酸化剤排出系と接続されている。従って、スタック411から燃料排出系に排出される燃料は、混合容器416において、燃料容器414から供給される高濃度アルコール、および必要な際には、第2の器液分離装置426から排出される水分と混合され、これが再度スタック411に供給される。
また、燃料電池発電システム400は、各種制御を行うための制御器428および出力調整器427を具備しており、これらは、スタックへの燃料供給量およびアルコール濃度を制御し、反応物を補給するタイミングおよび手順を制御し、ならびに/または液送ポンプ、空気ブロアー、濃度センサーなどの補機を制御する。これにより、スタック411を所望の出力電圧および出力仕様に制御することができる。
さらに、燃料電池発電システム400は、直接アルコール形燃料電池スタック411の発電の起動および発電を維持するための機構、いわゆるBOP(Balance of Plant)を有する。
なお、図8では、アルコール燃料および酸化剤が強制的に、スタック411に供給されように、燃料および生成水の流通路が形成されている。また、燃料電池発電システムは、燃料を希釈循環するシステムとなっている。しかしながら、燃料電池発電システムは、このような形態に限定されるものではない。例えば、スタックに対して、燃料または酸化剤が強制的に供給されない、いわゆるパッシブ型のシステムとすることも可能である。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態は、図9に示すような、一般的なモバイル用パーソナルコンピュータ500である。図9に示すように、コンピュータ500は、電源としてPEFC510を有し、さらにこの制御のため、周辺制御器等(図示されていない)を備える。このコンピュータ500では、PEFC510を内蔵するため、従来のリチウムイオン電池(モバイル用補助電源)のスペースと、光ディスクドライブ(DVD駆動装置)の一部のスペースとが利用されている。
なお、この実施形態では、PEFC510は、コンピュータ500に内蔵される電源ユニットとして使用される。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、コンピュータの設計によっては、PEFC510を外付けとし、PEFC510を専用直流電源あるいは商用電源を代替する汎用電源として利用することも可能である。また、PEFC510を備える電子機器は、モバイル用パーソナルコンピュータ500に限られるものではない。例えば、PEFC510を備える電子機器は、デスクトップパーソナルコンピュータ、ワークステーション、PDA、電子機器向け充電器用電源、PHSおよび携帯電話、GPS端末、普通紙複写機、ファクシミリ装置、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ、電子ブックディスプレイ、LCDモニター機器、液晶プロジェクター、投射型ディスプレイ、ICカード読取/書込端末、非接触ICカード読取/書込端末、電子黒板(ホワイトボード)、フォトプリンタ(昇華型等)、デジタルスチルカメラ、デジタルムービーカメラ、DVDドライブ等のパーソナルコンピュータ周辺機器、産業用分散電源、家庭用定置型分散電源、無停電電源、非常用屋外電源(投光器用など)、キャンプ用電源、無線送受信装置、移動型ロボット電源、災害救助用ロボット電源、エンターテインメントロボット電源、介護補助装置(介護ベッド等)、介護補助ロボット電源、電動車椅子電源、電動自転車電源、医療機器用補助、分散電源、電動義肢電源、無人搬送車用電源、ならびに調理用電気機器などに適用できる。
(実施例1)
(カーボンコア/タングステン酸化物シェル/白金粒子系触媒の調製)
0.216gの六塩化タングステン(関東化学社製)を100gの蒸留水中に溶解し、タングステン前駆体溶液を作製した。この前駆体溶液に、カーボン源として0.4gのVulcanXC−72R(キャボット社製)、および分散剤としてエタノールを添加して、1時間超音波分散を行った。その後、固形物をろ過して回収した。回収された固形物を水で洗浄後、減圧乾燥処理することにより、カーボン/タングステン酸化物の混合粉末を得た。X線回折測定の結果、この粉末は、結晶性を示さないことがわかった。また、X線光電子分光法による分析(KRATOS社製:AXIS Ultra)の結果、タングステンの化学状態は、ほぼWOであることがわかった。さらに、高分解能SEM(日本電子社製:JSM−7400F)による形態観察を行ったところ、このWOは、粒子状態ではなく、カーボン表面を覆うように存在していることが確認された。
次に、2gの8wt%塩化白金酸水溶液、35gの蒸留水、および35gのエタノールを混合した白金前駆体溶液に、前述のカーボン/タングステン酸化物混合粉末を0.096g添加した。この溶液を30分間超音波分散し、20分間脱気した後、2時間の加熱還流を行った。その後、固形物をろ過し、得られた固形物を水で洗浄後、減圧乾燥することにより、カーボン/タングステン酸化物/白金の混合粉末を得た。エネルギー分散X線分光分析法により元素分析を行ったところ、この混合粉末の組成比は、白金:52wt%、タングステン:6wt%、カーボン:42wt%であった。また、X線回折測定により白金の結晶子サイズを測定したところ、この値は、4.3nmであった。
(カーボンコア/タングステン酸化物シェル/白金粒子系触媒の電気化学測定による評価)
前述の方法で調製した触媒を用いて、電気化学的測定を実施し、触媒の電気化学的特性を評価した。
電気化学的測定用の電極は、以下のようにして作製した。まず、前述のカーボンコア/タングステン酸化物シェル/白金粉末0.113g、蒸留水1g、および5wt%ナフィオン水溶液0.735gを混合して、この溶液を超音波分散した後、この分散液をエタノールで50mLに希釈した。次に得られた分散液を金メッシュに塗布し、これを試験用の電極(作用極)として使用した。
触媒の電気化学的測定は、三電極によるサイクリックボルタンメトリーにより評価した。対極は、白金線とし、参照極は、Ag/AgCl電極とした。電解液には、1Mメタノール+1N硫酸水溶液、または1Mエタノール+1N硫酸水溶液を使用した。
(実施例2)
(カーボンコア/モリブデン酸化物シェル/白金粒子系触媒の調製)
0.285gの五塩化モリブデン(関東化学社製)を100gの蒸留水中に溶解し、モリブデン前駆体溶液を作製した。この前駆体溶液に、カーボン源として0.4gのVulcanXC−72R(キャボット社製)、および分散剤としてエタノールを添加して、1時間超音波分散を行った。その後、固形物をろ過して回収した。回収された固形物を水で洗浄後、減圧乾燥処理することにより、カーボン/モリブデン酸化物の混合粉末を得た。X線回折測定の結果、この粉末は、結晶性を示さないことがわかった。また、X線光電子分光法による分析の結果、モリブデンの化学状態は、ほぼMOであることがわかった。さらに、高分解能SEMによる形態観察を行ったところ、MOは粒子状態ではなく、カーボン表面を覆うように存在していることがわかった。
次に、2gの8wt.%塩化白金酸水溶液、35gの蒸留水、および35gのエタノールを混合した白金前駆体溶液に、前述のカーボン/モリブデン酸化物混合粉末を0.098g添加した。この溶液を30分間超音波分散し、20分間脱気した後、2時間の加熱還流を行った。その後、固形物をろ過し、得られた固形物を水で洗浄後、減圧乾燥することにより、カーボンコア/モリブデン酸化物シェル/白金粒子の混合粉末を得た。エネルギー分散X線分光分析法により元素分析を行ったところ、この混合粉末の組成比は、白金:56wt%、タングステン:7wt%、カーボン:37wt%であった。また、X線回折測定により白金の結晶子サイズを測定したところ、この値は、4.4nmであった。
(カーボンコア/モリブデン酸化物シェル/白金粒子系触媒の電気化学測定による評価)
前述の方法で調製した触媒を用いて、電気化学的測定を実施し、触媒の電気化学的特性を評価した。
電気化学的測定用の電極は、以下のようにして作製した。まず、前述のカーボンコア/モリブデン酸化物シェル/白金粒子粉末0.113g、蒸留水1g、および5wt%ナフィオン水溶液0.735gを混合して、この溶液を超音波分散した後、この分散液をエタノールで50mLに希釈した。次に得られた分散液を金メッシュに塗布し、これを試験用の電極として使用した。
触媒の電気化学的測定は、実施例1と同様の方法で実施した。
(比較例1:カーボン/白金触媒の調製と、この電気化学測定による評価)
(カーボン/白金触媒の調製)
2gの8wt%塩化白金酸水溶液、35gの蒸留水、および35gのエタノールを混合した白金前駆体溶液に、カーボン源として0.076gのVulcanXC−72Rを添加した。これを30分超音波分散し、20分間脱気した後、2時間加熱還流を行った。その後、固形物をろ過して回収した。回収された固形物を水で洗浄後、減圧乾燥処理することにより、カーボン/白金の混合粉末を得た。エネルギー分散X線分光分析法により元素分析を行ったところ、この混合粉末の組成比は、白金:58wt%、カーボン:42wt%であった。また、X線回折測定により白金の結晶子サイズを測定したところ、この値は、4.4nmであった。
(カーボン/白金触媒の電気化学測定による評価)
前述の方法で調製したカーボン/白金触媒を用いて、電気化学的測定を実施し、触媒の電気化学的特性を評価した。
電気化学的測定用の電極は、以下のようにして作製した。まず、前述の白金/カーボン粉末0.100g、蒸留水1g、および5wt%ナフィオン水溶液0.735gを混合して、この溶液を超音波分散した後、この分散液をエタノールで50mLに希釈した。次に得られた分散液を金メッシュに塗布し、これを試験用の電極(作用極)として使用した。
触媒の電気化学的測定は、実施例1と同様の方法で実施した。
(測定結果)
実施例1〜2および比較例1の触媒におけるサイクリックボルタモグラムを図10、図11に示す。図10は、1Mメタノール+1N硫酸水溶液中での測定結果であり、図11は、1Mエタノール+1N硫酸水溶液中での測定結果である。両図において、横軸は、電位であり、縦軸は、電流値である。なお各測定において、作用極の電極面積は、ほぼ同様であるので、電流値は、電流密度(A/cm)と見なしても良い。
図10に示すように、実施例1および実施例2に係る触媒を用いた場合、比較例1に係る触媒に比べて、メタノールの酸化電流が有意に増大している。これは、本発明による触媒により、メタノールの酸化反応がより活性されたためである。特に、実施例1に係る触媒(カーボンコア/タングステン酸化物シェル/白金粒子系触媒)の場合、最大ピーク値の電流値は、約0.005Aであり、比較例1に係る触媒の最大ピーク値(約0.001A)に比べて、極めて大きな電流値を示した。
同様に、図11においても、実施例1および実施例2に係る触媒を用いた場合、比較例1に係る触媒に比べて、エタノールの酸化電流が有意に増大した。特に、実施例1に係る触媒(カーボンコア/モリブデン酸化物シェル/白金粒子系触媒)の場合、最大ピーク値の電流値は、約0.006Aであり、比較例1に係る触媒の最大ピーク値(約0.004A)に比べて、極めて大きな電流値を示した。
以上の結果から、カーボンコア/タングステン酸化物シェル/白金粒子系触媒およびカーボンコア/モリブデン酸化物シェル/白金粒子系触媒では、従来のカーボン/白金触媒に比べて、アルコールの酸化活性が有意に向上することが確認された。
本発明は、例えばモバイル電子機器等の小型電源用燃料電池に適用することができる。
本発明による直接アルコール型燃料電池用触媒の構成を模式的に示した断面図である。 従来の直接アルコール型燃料電池用触媒の一構成を模式的に示した断面図である。 従来の直接アルコール型燃料電池用触媒の別の構成を模式的に示した断面図である。 従来の直接アルコール型燃料電池用触媒のさらに別の構成を模式的に示した断面図である。 本発明の第1の実施形態による直接アルコール形燃料電池の構成の一例を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態による直接アルコール形燃料電池の構成の一例を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態による積層型の直接アルコール形燃料電池の構成の一例を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態による直接アルコール形燃料電池のシステム構成の一例を示す模式図である。 本発明の第5の実施形態による直接アルコール型燃料電池を搭載した電子機器の一例を示す模式図である。 本発明による触媒(カーボンコア/タングステン酸化物シェル/白金粒子系触媒およびカーボンコア/モリブデン酸化物シェル/白金粒子系触媒)と、従来の触媒(Pt/C)によるメタノール酸化特性を比較して示したグラフである。 本発明による触媒(カーボンコア/タングステン酸化物シェル/白金粒子系触媒およびカーボンコア/モリブデン酸化物シェル/白金粒子系触媒)と、従来の触媒(カーボン/白金触媒)によるエタノール酸化特性を比較して示したグラフである。
符号の説明
10 本発明による触媒
12 カーボン粒子
14 金属酸化物
16 貴金属粒子
20 コア部
30 シェル部
100 本発明によるPEFC
110a、b 筐体
120a 燃料流通部
120b 酸化剤流通部
130a 燃料極
130b 酸化剤極
140 イオン伝導性電解質膜
200 本発明によるPEFC
210 筐体
220a 燃料流通部
230a 燃料極
230b 酸化剤極
240 イオン伝導性電解質膜
242U、242D 燃料電池セル
250 燃料容器
250a 出口
270 第1のセル群
280 第2のセル群
281 収容空間
300 本発明によるPEFC
320 MEA
360 バイポーラプレート
400 燃料電池発電システム
411 PEFCスタック
500 コンピュータ
510 PEFC。

Claims (6)

  1. カーボン粒子と金属酸化物層と貴金属粒子とを含む直接アルコール型燃料電池用触媒であって、
    前記カーボン粒子は、当該触媒のコア部を形成し、
    前記金属酸化物層は、前記コア部の表面を覆うシェル部として形成され、
    前記貴金属粒子は、前記シェル部に担持されていることを特徴とする直接アルコール型燃料電池用触媒。
  2. 前記貴金属粒子は、白金で構成されることを特徴とする請求項1に記載の直接アルコール型燃料電池用触媒。
  3. 前記金属酸化物層は、タングステン酸化物またはモリブデン酸化物で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の直接アルコール型燃料電池用触媒。
  4. 燃料極および酸化剤極に狭持された電解質膜からなる少なくとも一つの膜電極接合体と、アルコールを含む燃料を前記膜電極接合体の燃料極に供給する燃料供給路と、酸化剤を前記膜電極接合体の酸化剤極に供給する酸化剤供給路と、を備える直接アルコール型燃料電池であって、
    前記燃料極は、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の直接アルコール型燃料電池用触媒を含むことを特徴とする直接アルコール型燃料電池。
  5. 前記アルコールは、メタノールまたはエタノールであることを特徴とする請求項4に記載の直接アルコール型燃料電池。
  6. 請求項4または5に記載の直接アルコール型燃料電池を搭載することを特徴とする電子機器。
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