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JP2009255051A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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JP2009255051A
JP2009255051A JP2009026900A JP2009026900A JP2009255051A JP 2009255051 A JP2009255051 A JP 2009255051A JP 2009026900 A JP2009026900 A JP 2009026900A JP 2009026900 A JP2009026900 A JP 2009026900A JP 2009255051 A JP2009255051 A JP 2009255051A
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雅大 久保
Tatsuro Miyagawa
達郎 宮川
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Abstract

【課題】ディーゼルエンジン等の排ガスに含まれるPMを捕集および燃焼除去するとともに、HC、CO等の有害物質を同時に浄化する排ガス浄化装置に関して、高いPM燃焼性能を有し、かつ少量の貴金属でHC、COの酸化活性を十分発揮する排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ディーゼルエンジンの排ガス1の通路途中に、第一の排ガス浄化フィルタ3と第二の排ガス浄化フィルタ4とが、排ガス流路内に設置されている。第一の排ガス浄化フィルタ3には、金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを含む第一の触媒9が担持されており、第二の排ガス浄化フィルタ4には、貴金属と、無機酸化物とを含む第二の触媒10が担持されている。この構成により、高いPM燃焼性能を有し、かつ少量の貴金属でHC、COの酸化活性を十分発揮する排ガス浄化装置を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の排ガスに含まれるパティキュレート(以下PMと記載)を捕集および燃焼除去するとともに、炭化水素(以下HCと記載)、一酸化炭素(以下COと記載)等の有害物質を同時に浄化する排ガス浄化装置に関する。
自動車等の内燃機関から排出される排ガスには有害物質が含まれ、これらは人体に悪影響を及ぼすだけでなく、地球環境への悪影響も無視できない。ガソリンエンジン排ガスの主要な有害物質はHC、COおよび窒素酸化物(以下NOxと記載)であり、ディーゼルエンジン排ガスではさらにPMが加わる。現在、排ガス中の有害物質には厳しい排出量規制が実施されているが、今後さらにその排出量低減が望まれており、エンジンの改良に加えて、これら規制物質を排ガス後処理装置によって低減する技術が必要とされている。
PM対策としては、ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下DPFと記載)で捕集し、PMが蓄積して圧力損失が増大した場合は、PMを燃焼させて除去する、などの方法がある。DPFには、例えばコージェライト製のウォールフロー型ハニカムフィルタなどが広く用いられている。
ウォールフロー型ハニカムフィルタは、例えば、次のような構造を有する。
排ガス流入口側から出口側に向かって多孔質壁で区切られた多数の排ガス通路を有し、その排ガス通路は出口側を閉塞した流入通路と、入口側を閉塞した流出通路とがあり、流入通路は少なくとも一つの流出通路と多孔質壁を共有している。排ガスは流入通路に流れ込み、排ガス通路を構成する多孔質壁を通過して流出通路へ移動し、流出通路から排出される。この過程で排ガスからPMが濾過される。
蓄積したPMを燃焼する方法には、DPFに触媒を担持し、その触媒作用によって燃焼する方法があり、白金(以下Ptと記載)やパラジウム(以下Pdと記載)と言った貴金属を含む触媒が広く利用されている。さらに排ガス通路において、DPFの上流側に貴金属等を含む酸化触媒を配置して、排ガス中の一酸化窒素(以下NOと記載)を二酸化窒素(以下NO2と記載)に酸化し、このNO2の酸化力により、DPFに蓄積したPMを燃焼する方法がよく知られている(特許文献1参照)。またこの触媒作用によって、PMと同時に、HC、CO、NOx等の有害ガス成分を浄化することも可能である。
さらにPM、HC、CO、NOxをより効率良く浄化する方法として、排ガス流入口側にPMを燃焼するフィルタ(1)、中央部にNOxを還元するフィルタ(2)、出口側にHCとCOを酸化するフィルタ(3)を配置する方法が提案されている(特許文献2参照)。フィルタ(1)には、アルカリ金属、銅(以下Cuと記載)やバナジウム(以下Vと記載)等の遷移金属、希土類の各酸化物をアルミナ等の無機酸化物に担持した触媒がコートされている。フィルタ(2)には、アルミナ等の無機酸化物がコートされている。フィルタ(3)には、白金族をアルミナ等の無機酸化物に担持した触媒がコートされている。
特開平1−318715号公報 特開平5−115788号公報
このような従来の排ガス浄化装置には、以下の課題があった。
特許文献1記載の排ガス浄化装置は、PMを燃焼するために排ガス中のNOをNO2に酸化する必要がある。しかし排ガス中でこの反応を進行させるためには、強い酸化力の触媒が必要であり、Pt等の高価な貴金属を多く使用しなければならなかった。また排ガス通路において、酸化触媒がDPFの上流側に配置されるため、酸化触媒がPMに曝され、これによって貴金属表面が覆われることで酸化力が低下したり、劣化が早まったりするおそれがあった。またPMの燃焼性能についても、排ガス温度で十分にPMを燃焼除去できるほど高くなく、触媒作用だけでDPFを連続再生させることは困難だった。
特許文献2記載の排ガス浄化装置では、DPFが排ガス流入口側に配置されるので、その下流にある有害ガス成分の浄化フィルタがPMに曝されることはない。しかしDPFにはPMの燃焼活性を高めるため、アルカリ金属酸化物を含んだ触媒がコートされている。アルカリ金属酸化物の融点は低く、例えばセシウム(以下Csと記載)はいくつかの異なる酸化数の酸化物を形成するが、そのほとんどの融点は500℃に満たない。したがってアルカリ金属酸化物は高温排ガスに曝されると融解し、DPFから剥離するおそれがある。この場合、DPFのPM燃焼活性が低下するだけでなく、剥離したアルカリ金属が下流の浄化フィルタに付着するおそれがある。アルカリ金属と貴金属が共存すると、HC、COに対する酸化活性が低下するので、下流の浄化フィルタには、劣化を加味して予め貴金属量を多くするなど、工夫が必要となる。また特許文献1記載の排ガス浄化装置と同様に、PMの燃焼性能は排ガス温度で十分にPMを燃焼除去できるほど高くなく、触媒作用だけでDPFを連続再生させることは困難だった。特に特許文献2記載の排ガス浄化装置においては、DPFのPM燃焼性能が十分でないと、DPF内部で堆積PMの燃焼除去が不均一に行われ、結果として、下流の浄化フィルタへのガス供給が均一でなくなるので、下流の浄化フィルタの性能を十分発揮できなくなるおそれがある。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、高いPM燃焼性能を有し、かつ少量の貴金属でHC、COの酸化活性を十分発揮することのでき、かつ触媒作用だけでDPFを連続再生させる排ガス浄化装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の排ガス浄化装置は、耐熱性フィルタに、金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを含む第一の触媒を担持した第一の排ガス浄化フィルタと、耐熱性フィルタに、貴金属と、無機酸化物とを含む第二の触媒を担持した第二の排ガス浄化フィルタとを、排ガス流路内に設置したことを特徴としている。
この構成により、高いPM燃焼性能を有し、かつ少量の貴金属でHC、COの酸化活性を十分発揮することのできる排ガス浄化装置を提供することができる。
本発明によれば、高いPM燃焼性能を有し、かつ少量の貴金属でHC、COの酸化活性を十分発揮することのできる排ガス浄化装置を提供することができる。
本発明の請求項1記載の発明は、耐熱性フィルタに、金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを含む第一の触媒を担持した第一の排ガス浄化フィルタと、耐熱性フィルタに、貴金属と、無機酸化物とを含む第二の触媒を担持した第二の排ガス浄化フィルタとを、排ガス流路内に設置したことを特徴とする排ガス浄化装置である。
この構成によって、第一の排ガス浄化フィルタに捕集されたPMを、第一の触媒によってNO2を利用せずに直接酸化燃焼するため、排ガス中のNO濃度に影響を受けることなく高いPM燃焼活性を得ることができる。
また、第一の排ガス浄化フィルタによってPMを酸化燃焼するため、第二の排ガス浄化フィルタではPMを燃焼する必要性が少なくなり、第二の排ガス浄化フィルタにおいて少量の貴金属でHC、CO等の酸化活性を十分発揮することができるようになる。
第一の触媒に関して、金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とが共存することにより、金属酸化物の触媒活性を高めることができる。したがって、フィルタに捕集されたPMを排ガス温度程度で燃焼除去することができる。
また、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩は、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、塩化物および酸化物等に比べて熱的に安定であり、かつ硫黄酸化物に対する耐被毒性に優れている。したがって、PMに対する高い触媒活性を、長期間にわたって維持することができる。ここで、アルカリ金属としては、リチウム(以下Liと記載)、ナトリウム(以下Naと記載)、カリウム(以下Kと記載)、Csを用いることができる。また、アルカリ土類金属としては、カルシウム(以下Caと記載)、ストロンチウム(以下Srと記載)、バリウム(以下Baと記載)を用いることができる。
第二の触媒に関して、貴金属はその表面に吸着した酸素分子を解離させる作用を有し、PM、HC、CO等を酸化させる活性酸素を生成することができる。貴金属は生成した活性酸素との親和性が高いため、反応性の高い活性酸素を生成しても貴金属表面に貯めてしまう欠点があるが、活性酸素との親和性の低い無機酸化物が貴金属近傍に共存することによって、活性酸素を効率良く供給することができるようになる。
本発明の請求項2記載の発明は、耐熱性フィルタに、金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを含む第一の触媒を担持した第一の排ガス浄化フィルタと、耐熱性フィルタに、貴金属と、無機酸化物とを含む第二の触媒を担持した第二の排ガス浄化フィルタとを、排ガス流入口側から、第一の排ガス浄化フィルタ、第二の排ガス浄化フィルタの順に設置したことを特徴とする排ガス浄化装置である。
この構成によって、PMを濾過した後で排ガスが第二の排ガス浄化フィルタに供給されるため、第二の排ガス浄化フィルタはPMに曝されない。したがって、第二の触媒がPMに覆われないので、酸化力が低下したり、劣化が促進されたりすることなく、その触媒活性を十分に発揮することができる。またこの装置では、PMの燃焼にNO2を利用しないのでNOを酸化する必要はなく、多量の貴金属を必要としない。またこの装置では、第一の排ガス浄化フィルタのPM燃焼性能が高く、かつ耐熱性に優れるので、下流の第二の排ガス浄化フィルタに負担を与えることなく、PMを燃焼除去した排ガスを均一に供給できると考えられる。
本発明の請求項3記載の発明は、耐熱性フィルタに、金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを含む第一の触媒を担持した第一の排ガス浄化フィルタと、耐熱性フィルタに、貴金属と、無機酸化物とを含む第二の触媒を担持した第二の排ガス浄化フィルタとを、排ガス流入口側から、第二の排ガス浄化フィルタ、第一の排ガス浄化フィルタの順に設置したことを特徴とする排ガス浄化装置である。
この構成によって、HC、CO、PMに含まれる可溶性有機化合物(以下SOFと記載)が、第二の排ガス浄化フィルタで酸化燃焼し、その過程でできた中間物が、第一の排ガス浄化フィルタで濾過されたPMと反応することによってPMの燃焼が促進され、第一の排ガス浄化フィルタにおけるPM燃焼活性を高めることができる。
また、その燃焼過程で生成した燃焼熱によって温度上昇した排ガスが第一の排ガス浄化フィルタに供給され、第一の排ガス浄化フィルタにおけるPM燃焼活性を高めるたりすることができる。またこの装置では、第一の排ガス浄化フィルタはNO2を利用せずに触媒の原子間酸素を用いてPMを燃焼できるため、第二の排ガス浄化フィルタではPM燃焼のために排ガス中のNOを酸化してNO2を生成する必要がなくなり、少量の貴金属でHC、CO等の酸化活性を十分発揮することができるようになる。
本発明の請求項4記載の発明は、金属酸化物が銅を含むことを特徴とする、請求項1乃至3に記載の排ガス浄化装置である。
Cuを含むことで、PMを効率良く燃焼除去することができる。
Cuは2価と1価の価数をとることができる。酸化物としてはCuO(2価)とCu2O(1価)が存在し、2価から1価へ変化する際に原子間の酸素をPMに与えてこれを燃焼することができる。1価へと還元されたCuは、排ガス中の酸素によって容易に酸化されて2価の状態に戻る。この繰り返しによって、PMを連続的に酸化燃焼することができる。
本発明の請求項5記載の発明は、金属酸化物がバナジウムを含むことを特徴とする、請求項1乃至4に記載の排ガス浄化装置である。
Vを含むことで、PMを効率良く燃焼除去することができる。
Vは1〜5価と多くの価数をとることができる。Vの酸化物としてはV2O(1価)、V22(2価)、V23(3価)、V24(4価)、V25(5価)が存在し、低価数へ変化する際に原子間の酸素をPMに与えてこれを燃焼することができる。低価数へと還元されたVは、排ガス中の酸素によって容易に酸化される。この繰り返しによって、PMを連続的に燃焼することができる。
本発明の請求項6記載の発明は、金属酸化物が、銅とバナジウムとの複合金属酸化物を含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス浄化装置である。
CuとVとの複合金属酸化物を含むことで、PMを効率良く燃焼することができると共に、耐熱性に優れた触媒が得られる。
本発明の請求項7記載の発明は、銅とバナジウムとの複合金属酸化物が、CuV26を含むことを特徴とする、請求項6に記載の排ガス浄化装置である。
CuとVとの複合金属酸化物は種々存在するが、特に組成式CuV26で表される酸化銅(II)バナジウムは、PMに対する燃焼性能が高く、またその結晶構造は熱的に安定であるので、高い触媒活性を有し、かつ耐熱性に優れた触媒となる。
本発明の請求項8記載の発明は、第一の触媒がアルカリ金属の硫酸塩を含み、かつ前記アルカリ金属の硫酸塩が、硫酸セシウムであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の排ガス浄化装置である。
アルカリ金属の硫酸塩は化学的に安定なため、PMに対する燃焼活性は低い。しかし金属酸化物が共存することによって、アルカリ金属の硫酸塩から硫黄酸化物が容易に離脱し、PMに対して活性の高いアルカリ金属の酸化物や水酸化物や炭酸塩へと変化して、直ちにPMを酸化燃焼することができる。酸化物等へと変化したアルカリ金属は、排ガス中の硫黄酸化物と速やかに反応して安定なアルカリ金属の硫酸塩に戻る。この繰り返しによって、PMを連続的に燃焼することができる。特にCsは、アルカリ金属の中で最も強い還元性を示し、最外殻電子を与えやすいため、活性酸素を生成してPMを効率良く燃焼することができる。
本発明の請求項9記載の発明は、第一の触媒が、さらに無機酸化物を含むことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の排ガス浄化装置である。
アルミナ等の無機酸化物担体を含むことによって、表面積の大きい担体表面上に金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを担持することができ、その結果触媒の表面積が大きくなるので、PMとの接触確率が増大し、触媒活性を向上させることができる。また触媒をDPF等のフィルタに担持する際、予めフィルタ上に担体層を形成することにより、担体がそれ以外の触媒成分とフィルタ材料との中間層となって、触媒成分とフィルタ材料とが反応して触媒活性が低下するのを抑制することができる。
また金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とが、熱的に安定な担体層と適度に固溶するなどして複合化することにより、触媒が安定化し、耐熱性が向上すると考えられる。これにより、高温の排ガス中でも、長期間にわたって高いPM燃焼性能を維持することができる。
また触媒を、例えばコージェライト製DPFなどの多孔質材料からなるフィルタに担持する際、適当な工程を経て製造することで、フィルタを構成する多孔質材料の細孔内において、触媒が三次元微構造を形成することができる。現在普及しているコージェライトや炭化珪素(以下SiCと記載)製DPFは、捕集したPMの堆積層によって高い捕集効率を維持するケークろ過であり、PM捕集開始直後や、触媒作用でPM堆積層が消失してしまった場合などには、フィルタの捕集効率が低下するおそれがある。これに対して、触媒がフィルタ細孔内で三次元微構造を形成することにより、高い捕集効率を維持することができる。
本発明の請求項10記載の発明は、貴金属が、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金のいずれか一つ以上であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の排ガス浄化装置である。
貴金属の中でも白金族は、PM、HC、CO、NOxに対して高い触媒活性を有する。特にHCに対してはPt、Pdおよびこれらの混合物が好ましい。またロジウム(以下Rhと記載)、Pd、イリジウム(以下Irと記載)、Ptは、ルテニウム(以下Ruと記載)やオスミウム(以下Osと記載)と比較して安価な材料であり、結果として安価な触媒となる。
本発明の請求項11記載の発明は、無機酸化物が、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、ゼオライトのいずれか一つ以上、またはこれらを含む複合酸化物であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の排ガス浄化装置である。
表面積が大きいこれらの無機酸化物を触媒に含むことで、触媒の表面積が大きくなるので、PM、HC、CO、NOxとの接触確率が増大し、触媒活性を向上させることができる。
また触媒をフィルタに担持する際、予めフィルタ上に無機酸化物層を形成することにより、無機酸化物がそれ以外の触媒成分とフィルタ材料との中間層となって、触媒成分とフィルタ材料とが反応して触媒活性が低下するのを抑制することができる。
また第二の触媒においては、無機酸化物がHC等を吸着して、貴金属による酸化浄化を補助する役割を果たし、特にアルミナやゼオライトが好ましい。
本発明の請求項12記載の発明は、第二の触媒が、さらに希土類を含むことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の排ガス浄化装置である。
セリウム(以下Ceと記載)やランタン(以下Laと記載)と言った希土類の酸化物は酸素貯蔵能を有し、さらに貴金属と共存することで、貴金属表面への酸素の供給が促進される。また、例えばアルミナにCeやLa等を1mol%程度添加すると、耐熱性が向上することが知られている。
本発明の請求項13記載の発明は、耐熱性フィルタが、コージェライト、炭化珪素のいずれかで構成されることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の排ガス浄化装置である。
本発明の請求項14記載の発明は、第一の排ガス浄化フィルタを構成する耐熱性フィルタが、排ガス流入口側から出口側に向かって多孔質壁で区切られた複数の排ガス通路を有し、前記排ガス通路は出口側を閉塞した流入通路と、入口側を閉塞した流出通路とがあり、前記流入通路は少なくとも一つの前記流出通路と前記多孔質壁を共有し、排ガスは前記流入通路に流れ込み、前記多孔質壁を通過して前記流出通路へ移動し、前記流出通路から排出されるウォールフロー型ハニカムフィルタであることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれかに記載の排ガス浄化装置である。
本発明の請求項15記載の発明は、第二の排ガス浄化フィルタを構成する耐熱性フィルタが、排ガス流入口側から出口側に向かって貫通した複数の排ガス通路を有するフロースルー型ハニカムフィルタであることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれかに記載の排ガス浄化装置である。
本発明の請求項13乃至15のいずれかに記載の発明に関して、ここに示されるフィルタは、耐熱性、圧力損失等の点で本発明の排ガス浄化装置を構成するフィルタとして好ましく、また実用的である。
本発明の請求項16記載の発明は、ディーゼルエンジンの排ガス通路途中に設けられる排ガス浄化装置であって、前記排ガス通路を構成する配管内部に、第一の排ガス浄化フィルタと、第二の排ガス浄化フィルタとが、互いに接触することなく保持され、排ガスが先に前記第一の排ガス浄化フィルタを通過し、次に前記第二の排ガス浄化フィルタを通過するように、前記第一の排ガス浄化フィルタが排ガス流入口側、前記第二の排ガス浄化フィルタが排ガス流出口側に、直列に配置したことを特徴とする、請求項1乃至15のいずれかに記載の排ガス浄化装置である。
この構成により、高いPM燃焼性能を有し、かつ少量の貴金属でHC、COの酸化活性を十分発揮することのできる排ガス浄化装置を提供することができる。
第一の排ガス浄化フィルタと第二の排ガス浄化フィルタが接触していると、高温排ガスに曝された際、第一の排ガス浄化フィルタに担持されている第一の触媒成分が、接触している場所を介して第二の排ガス浄化フィルタへと移動し、第二の触媒を劣化させるおそれがある。したがって第一の排ガス浄化フィルタと第二の排ガス浄化フィルタとの間にはわずかでも間隔を設けることが好ましい。間隔の長さは特に指定しないが、第一の排ガス浄化フィルタと第二の排ガス浄化フィルタの間隔を広げすぎると、結果的に第二の排ガス浄化フィルタの位置がエンジンから遠ざかり、触媒を活性化させるのに十分な熱を得られなくなるので好ましくない。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に記載の排ガス浄化装置を、排ガス流方向に平行な面で切断した模式的断面図である。
ディーゼルエンジンからの排ガス1の通路を構成する配管2内部に、第一の排ガス浄化フィルタ3と第二の排ガス浄化フィルタ4とが、保持材5を介して保持されている。第一の排ガス浄化フィルタ3と第二の排ガス浄化フィルタ4は、排ガス流入口側から、第一の排ガス浄化フィルタ、第二の排ガス浄化フィルタの順に設置されている。第一の排ガス浄化フィルタ3はウォールフロー型ハニカムフィルタであり、排ガス流入口側から出口側に向かって多孔質壁6で区切られた多数の排ガス通路を有し、その排ガス通路は出口側を閉塞した流入通路7と、入口側を閉塞した流出通路8とがあり、流入通路7は少なくとも一つの流出通路8と多孔質壁6を共有している。
すなわち、第一の排ガス浄化フィルタ3は、DPFとして一般的な構造を有しており、排ガス通路の入口側と出口側が交互に閉塞され、排ガス流入口側または出口側の端面から見ると、排ガス通路が市松模様となるように閉塞されている。排ガス1は流入通路7に流れ込み、排ガス通路を構成する多孔質壁6を通過して流出通路8へ移動し、流出通路8から排出される。この過程で排ガスからPMが濾過される。
第一の排ガス浄化フィルタ3には、金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを含む第一の触媒9が担持されている。
第二の排ガス浄化フィルタ4はフロースルー型ハニカムフィルタであり、排ガス流入口側から出口側に向かって貫通した多数の多孔質壁6からなる排ガス通路を有している。第二の排ガス浄化フィルタ4には、貴金属と、無機酸化物とを含む第二の触媒10が担持されている。
図1の構成とすることによって、排ガス1は先に第一の排ガス浄化フィルタ3に導かれ、PMを濾過した後で第二の排ガス浄化フィルタ4に供給されるため、第二の排ガス浄化フィルタ4はPMに曝されない。したがって、第二の触媒10がPMに覆われないので、酸化力が低下したり、劣化が促進されたりすることなく、その触媒活性を十分に発揮することができる。
またこの装置では、PMの燃焼にNO2を利用しないのでNOを酸化する必要はなく、多量の貴金属を必要としない。
またこの装置では、第一の排ガス浄化フィルタ3のPM燃焼性能が高く、かつ耐熱性に優れるので、下流の第二の排ガス浄化フィルタ4に負担を与えることなく、PMを燃焼除去した排ガス1を均一に供給できると考えられる。
第一の触媒9に関して、金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とが共存することにより、金属酸化物の触媒活性を高めることができる。したがって、フィルタに捕集されたPMを排ガス温度程度で燃焼除去することができる。
金属酸化物は、Cuを含むことが好ましい。Cuは2価と1価の価数をとることができる。酸化物としてはCuO(2価)とCu2O(1価)が存在し、2価から1価へ変化する際に原子間の酸素をPMに与えてこれを燃焼することができる。1価へと還元されたCuは、排ガス中の酸素によって容易に酸化されて2価の状態に戻る。この繰り返しによって、PMを連続的に酸化燃焼することができる。したがって、Cuを含むことで、PMを効率良く燃焼除去することができる。
また金属酸化物は、Vを含むことが好ましい。Vは1〜5価と多くの価数をとることができる。Vの酸化物としてはV2O(1価)、V22(2価)、V23(3価)、V24(4価)、V25(5価)が存在し、低価数へ変化する際に原子間の酸素をPMに与えてこれを燃焼することができる。低価数へと還元されたVは、排ガス中の酸素によって容易に酸化される。この繰り返しによって、PMを連続的に燃焼することができる。したがってVを含むことで、PMを効率良く燃焼除去することができる。
また金属酸化物は、CuとVとの複合金属酸化物を含むことが好ましい。これによって、PMを効率良く燃焼することができると共に、耐熱性に優れた触媒が得られる。CuとVとの複合金属酸化物は種々存在するが、特にCuV26はPMに対する燃焼性能が高く、またその結晶構造は熱的に安定であるので、高い触媒活性を有し、かつ耐熱性に優れた触媒となる。
また、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩は、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、塩化物および酸化物等に比べて耐熱性が高く、かつ硫黄酸化物に対する耐被毒性に優れている。したがって、PMに対する高い触媒活性を、長期間にわたって維持することができる。ここで、アルカリ金属としては、Li、Na、K、Csを用いることができる。また、アルカリ土類金属としては、Ca、Sr、Baを用いることができる。この内、特に硫酸セシウムを含むことが好ましい。もともとアルカリ金属の硫酸塩は化学的に安定なため、PMに対する燃焼活性は低い。しかし金属酸化物が共存することによって、アルカリ金属の硫酸塩から硫黄酸化物が容易に離脱し、PMに対して活性の高いアルカリ金属の酸化物や水酸化物や炭酸塩へと変化して、直ちにPMを酸化燃焼することができる。酸化物等へと変化したアルカリ金属は、排ガス1中の硫黄酸化物と速やかに反応して安定なアルカリ金属の硫酸塩に戻る。この繰り返しによって、PMを連続的に燃焼することができる。特にCsは、アルカリ金属の中で最も強い還元性を示し、最外殻電子を与えやすいため、活性酸素を生成してPMを効率良く燃焼することができる。
また第一の触媒9が、さらに無機酸化物を含んでもよい。アルミナ等の無機酸化物担体を含むことによって、表面積の大きい担体表面上に金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを担持することができ、その結果触媒の表面積が大きくなるので、PMとの接触確率が増大し、触媒活性を向上させることができる。また第一の触媒9を第一の排ガス浄化フィルタ3に担持する際、予め第一の排ガス浄化フィルタ3の基材表面に無機酸化物層を形成することにより、無機酸化物がそれ以外の触媒成分と基材との中間層となって、触媒成分と基材とが反応して触媒活性が低下するのを抑制することができる。
また金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とが、熱的に安定な無機酸化物層と適度に固溶するなどして複合化することにより、触媒が安定化し、耐熱性が向上すると考えられる。これにより、高温の排ガス中でも、長期間にわたって高いPM燃焼性能を維持することができる。
また触媒を担持する際、例えば触媒原料の分散液に基材を含浸し、余剰の分散液を除去した後に、熱風乾燥ではなくフリーズドドライなどによって乾燥し焼成して製造することで、第一の排ガス浄化フィルタ3を構成する多孔質壁6の細孔内において、触媒が三次元微構造を形成することができる。第一の排ガス浄化フィルタ3や第二の排ガス浄化フィルタ4の基材材料としてはコージェライトやSiCが好ましく、また実用的であるが、コージェライトやSiC製DPFは、捕集したPMの堆積層によって高い捕集効率を維持するケークろ過であり、PM捕集開始直後や、触媒作用でPM堆積層が消失してしまった場合などには、フィルタの捕集効率が低下するおそれがある。これに対して、触媒がフィルタ細孔内で三次元微構造を形成することにより、高い捕集効率を維持することができる。
無機酸化物としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、ゼオライトのいずれか一つ以上、またはこれらを含む複合酸化物を用いることができる。
第二の触媒10に関して、貴金属はその表面に吸着した酸素分子を解離させる作用を有し、PMに含まれるSOF、HC、CO等を酸化させる活性酸素を生成することができる。貴金属は生成した活性酸素との親和性が高いため、反応性の高い活性酸素を生成しても貴金属表面に貯めてしまう欠点があるが、活性酸素との親和性の低い金属酸化物が貴金属近傍に共存することによって、活性酸素を効率良く供給することができるようになる。
貴金属の中でも白金族は、PMに含まれるSOF、HC、CO、NOxに対して高い触媒活性を有する。特にHCに対してはPt、Pdおよびその混合物が好ましい。またRh、Pd、Ir、Ptは、RuやOsと比較して、安価な材料であり、結果として安価な触媒となる。
第二の触媒10を構成する無機酸化物としては、第一の触媒9に用いるものと同じでかまわないが、特に第二の触媒10においてはHC等を吸着して、貴金属による酸化浄化を補助する効果の高いものが好ましく、アルミナやゼオライトが好ましい。
また第二の触媒10がさらに希土類を含んでもよい。CeやLaと言った希土類の酸化物は酸素貯蔵能を有し、さらに貴金属と共存することで、貴金属表面への酸素の供給が促進される。また、例えばアルミナにCeやLa等を1mol%程度添加すると、耐熱性が向上することが知られている。
なお、第一の排ガス浄化フィルタ3と第二の排ガス浄化フィルタ4が接触していると、高温排ガスに曝された際、第一の排ガス浄化フィルタ3に担持されている第一の触媒成分が、接触している場所を介して第二の排ガス浄化フィルタ4へと移動し、第二の触媒を劣化させるおそれがある。したがって第一の排ガス浄化フィルタ3と第二の排ガス浄化フィルタ4との間に、例えば10mm程度の間隔を設けることが好ましい。但し、第一の排ガス浄化フィルタ3と第二の排ガス浄化フィルタ4の間隔を広げすぎると、結果的に第二の排ガス浄化フィルタ4の位置がエンジンから遠ざかり、触媒を活性化させるのに十分な熱を得られなくなるので好ましくない。
(実施の形態2)
図2は、本発明に記載の排ガス浄化装置を、排ガス流方向に平行な面で切断した模式的断面図である。
図2の構成とすることによって、排ガス1は先に第二の排ガス浄化フィルタ4に導かれ、HC、CO、PMに含まれるSOFを酸化燃焼し、燃焼過程で生成した中間物と第一の排ガス浄化フィルタで濾過されたPMとが反応してPM燃焼活性を高めることができる。
また、その燃焼過程で生成した燃焼熱によって温度上昇した排ガスが第一の排ガス浄化フィルタに供給され、第一の排ガス浄化フィルタにおけるPM燃焼活性を高めたりすることができる。
またこの装置では、PMの燃焼にNO2を利用しないのでNOを酸化する必要はなく、多量の貴金属を必要としない。
第一の触媒9に関して、金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とが共存することにより、金属酸化物の触媒活性を高めることができる。したがって、フィルタに捕集されたPMを排ガス温度程度で燃焼除去することができる。
金属酸化物は、Cuを含むことが好ましい。Cuは2価と1価の価数をとることができる。酸化物としてはCuO(2価)とCu2O(1価)が存在し、2価から1価へ変化する際に原子間の酸素をPMに与えてこれを燃焼することができる。1価へと還元されたCuは、排ガス中の酸素によって容易に酸化されて2価の状態に戻る。この繰り返しによって、PMを連続的に酸化燃焼することができる。したがって、Cuを含むことで、PMを効率良く燃焼除去することができる。
また金属酸化物は、Vを含むことが好ましい。Vは1〜5価と多くの価数をとることができる。Vの酸化物としてはV2O(1価)、V22(2価)、V23(3価)、V24(4価)、V25(5価)が存在し、低価数へ変化する際に原子間の酸素をPMに与えてこれを燃焼することができる。低価数へと還元されたVは、排ガス中の酸素によって容易に酸化される。この繰り返しによって、PMを連続的に燃焼することができる。したがってVを含むことで、PMを効率良く燃焼除去することができる。
また金属酸化物は、CuとVとの複合金属酸化物を含むことが好ましい。これによって、PMを効率良く燃焼することができると共に、耐熱性に優れた触媒が得られる。CuとVとの複合金属酸化物は種々存在するが、特にCuV26はPMに対する燃焼性能が高く、またその結晶構造は熱的に安定であるので、高い触媒活性を有し、かつ耐熱性に優れた触媒となる。
また、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩は、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、塩化物および酸化物等に比べて耐熱性が高く、かつ硫黄酸化物に対する耐被毒性に優れている。したがって、PMに対する高い触媒活性を、長期間にわたって維持することができる。ここで、アルカリ金属としては、Li、Na、K、Csを用いることができる。また、アルカリ土類金属としては、Ca、Sr、Baを用いることができる。この内、特に硫酸セシウムを含むことが好ましい。もともとアルカリ金属の硫酸塩は化学的に安定なため、PMに対する燃焼活性は低い。しかし金属酸化物が共存することによって、アルカリ金属の硫酸塩から硫黄酸化物が容易に離脱し、PMに対して活性の高いアルカリ金属の酸化物や水酸化物や炭酸塩へと変化して、直ちにPMを酸化燃焼することができる。酸化物等へと変化したアルカリ金属は、排ガス1中の硫黄酸化物と速やかに反応して安定なアルカリ金属の硫酸塩に戻る。この繰り返しによって、PMを連続的に燃焼することができる。特にCsは、アルカリ金属の中で最も強い還元性を示し、最外殻電子を与えやすいため、活性酸素を生成してPMを効率良く燃焼することができる。
また第一の触媒9が、さらに無機酸化物を含んでもよい。アルミナ等の無機酸化物担体を含むことによって、表面積の大きい担体表面上に金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを担持することができ、その結果触媒の表面積が大きくなるので、PMとの接触確率が増大し、触媒活性を向上させることができる。また第一の触媒9を第一の排ガス浄化フィルタ3に担持する際、予め排ガス浄化フィルタ3の基材表面に無機酸化物層を形成することにより、無機酸化物がそれ以外の触媒成分と基材との中間層となって、触媒成分と基材とが反応して触媒活性が低下するのを抑制することができる。
また金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とが、熱的に安定な無機酸化物層と適度に固溶するなどして複合化することにより、触媒が安定化し、耐熱性が向上すると考えられる。これにより、高温の排ガス中でも、長期間にわたって高いPM燃焼性能を維持することができる。
また触媒を担持する際、適当な工程を経て製造することで、第一の排ガス浄化フィルタ3を構成する多孔質壁6の細孔内において、触媒が三次元微構造を形成することができる。第一の排ガス浄化フィルタ3や第二の排ガス浄化フィルタ4の基材材料としてはコージェライトやSiCが好ましく、また実用的であるが、コージェライトやSiC製DPFは、捕集したPMの堆積層によって高い捕集効率を維持するケークろ過であり、PM捕集開始直後や、触媒作用でPM堆積層が消失してしまった場合などには、フィルタの捕集効率が低下するおそれがある。これに対して、触媒がフィルタ細孔内で三次元微構造を形成することにより、高い捕集効率を維持することができる。
無機酸化物としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、ゼオライトのいずれか一つ以上、またはこれらを含む複合酸化物を用いることができる。
第二の触媒10に関して、貴金属はその表面に吸着した酸素分子を解離させる作用を有し、PM、HC、CO等を酸化させる活性酸素を生成することができる。貴金属は生成した活性酸素との親和性が高いため、反応性の高い活性酸素を生成しても貴金属表面に貯めてしまう欠点があるが、活性酸素との親和性の低い金属酸化物が貴金属近傍に共存することによって、活性酸素を効率良く供給することができるようになる。
貴金属の中でも白金族は、PMに含まれるSOF、HC、CO、NOxに対して高い触媒活性を有する。特にHCに対してはPt、Pdおよびその混合物が好ましい。またRh、Pd、Ir、Ptは、RuやOsと比較して、安価な材料であり、結果として安価な触媒となる。
第二の触媒10を構成する無機酸化物としては、第一の触媒9に用いるものと同じでかまわないが、特に第二の触媒10においてはHC等を吸着して、貴金属による酸化浄化を補助する効果の高いものが好ましく、アルミナやゼオライトが好ましい。
また第二の触媒10がさらに希土類を含んでもよい。CeやLaと言った希土類の酸化物は酸素貯蔵能を有し、さらに貴金属と共存することで、貴金属表面への酸素の供給が促進される。また、例えばアルミナにCeやLa等を1mol%程度添加すると、耐熱性が向上することが知られている。
なお、第一の排ガス浄化フィルタ3と第二の排ガス浄化フィルタ4が接触していると、高温排ガスに曝された際、第一の排ガス浄化フィルタ3に担持されている第一の触媒成分が、接触している場所を介して第二の排ガス浄化フィルタ4へと移動し、第二の触媒を劣化させるおそれがある。したがって第一の排ガス浄化フィルタ3と第二の排ガス浄化フィルタ4との間にはわずかでも間隔を設けることが好ましい。間隔の長さは特に指定しないが、第一の排ガス浄化フィルタ3と第二の排ガス浄化フィルタ4の間隔を広げすぎると、結果的に第一の排ガス浄化フィルタ3の位置がエンジンから遠ざかり、触媒を活性化させるのに十分な熱を得られなくなるので好ましくない。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
直径7.5inch、長さ8inch、壁厚12mil、セル密度200cpsiのコージェライト製DPF(以下Cd−DPFと記載)をチタニアゾルに含浸し、余剰なゾルをエアブローで除去した。これを液体窒素に浸して凍結させ、真空乾燥機で乾燥させた。次に電気炉で、大気雰囲気下、700℃、5時間の加熱処理を行い、チタニア担持Cd−DPF(以下TiO2/Cd−DPFと記載)を作製した。担持されたチタニアはDPFの重量に対して20.7wt%、容積に対して93.5g/Lだった。なおチタニアゾルのチタニア濃度は20wt%であり、またゾル中のチタニア粒子は平均粒子径約20nmのものを用いた。
一方で、硫酸銅と、酸化硫酸バナジウムと、硫酸セシウムとをイオン交換水に溶解させ、触媒水溶液を調製した。このとき各成分の濃度は、硫酸銅が7.0wt%、酸化硫酸バナジウムが11.7wt%、硫酸セシウムが20.5wt%である。
上記で作製したTiO2/Cd−DPFを、触媒水溶液に含浸し、余剰な水溶液を軽く振って除去した。これを液体窒素に浸して凍結させ、真空乾燥機で乾燥させた。次に電気炉で、大気雰囲気下、700℃、5時間の加熱処理を行い、触媒を担持したTiO2/Cd−DPF(これを(Cu、V、Cs)/TiO2/Cd−DPFと略記する)を作製した。担持された触媒はDPFの重量に対して19.6wt%、容積に対して88.8g/Lだった。
(比較例1)
白金系触媒を担持した市販のCd−DPFを比較例1とした。なお市販のDPFは、直径7.5inch、長さ10inch、壁厚10mil、セル密度300cpsiで、白金がDPFの容積に対して約2g/L担持されたものである。
(比較例2)
白金系触媒を担持した市販の酸化触媒を、比較例1のDPFの排ガス流上流側に設置した排ガス浄化装置を比較例2とした。なお市販の酸化触媒は、直径7.5inch、長さ3inch、壁厚8mil、セル密度300cpsiである。
(評価例1)
実施例1、比較例1および比較例2を用いて、次のような排ガス試験を行った。
排気量4.3Lのディーゼルエンジンの排ガス通路に、実施例1、比較例1、比較例2のいずれかを設置し、暖機運転後、実施例1等が設置してある排ガス通路に排ガスを導入した。エンジン回転数は1500rpmとし、排ガス温度は、ディーゼルエンジンへの負荷を変えていくことで、280℃から400℃まで30℃刻みで昇温させ、各温度で30分間維持した。排ガス温度は実施例1等に流入する直前で測定している。排ガス試験中は、圧力センサーを用いて実施例1等の上流と下流における静圧を測定し、実施例1等の前後の差圧を算出した。同時に、実施例1等の上流と下流におけるPM濃度を、スモークメータを用いて測定した。
排ガスに含まれるPMが実施例1等のDPFに捕集されていくと、DPF前後の差圧が増大していくが、排ガス温度が上昇するにつれて触媒が活性化するため、捕集されたPMが燃焼除去されて、ある時点から差圧は減少傾向に転じる。このような差圧のプロファイルから、各温度における単位時間当りの差圧変化量を算出し、差圧変化量がゼロとなった時の温度をBPT(Balance Point of Temperature)と定義し、このBPTが低いほどDPFまたは排ガス浄化装置のPM燃焼性能が高いと判断した。
また測定したPM濃度から、排ガス温度280〜400℃における実施例1等の平均PM浄化率を算出した。
実施例1、比較例1および比較例2のBPTおよび平均PM浄化率を表1に示す。
Figure 2009255051
PM燃焼性能の指標となるBPTは、実施例1が326℃、比較例1が386℃、比較例2が359℃となった。これより、本発明の排ガス浄化装置を構成するDPFは、市販のDPFに比べて、かなり低温からPMを燃焼除去できることが分かった。また比較例2のように、いずれも白金系触媒を担持したDPFと酸化触媒とを組み合わせ、NO2の酸化力を利用した排ガス浄化装置に比べても、より優れたPM燃焼性能であることが分かった。したがって、本発明の排ガス浄化装置を構成するDPFは、高価な貴金属を使用することなく、非常に高いPM燃焼性能を発揮できることが分かった。またPM浄化率についても、本発明の排ガス浄化装置を構成するDPFが、市販のDPFと同等以上の高い浄化率であることが確認できた。
(実施例2)
Cd−DPFをSiC製DPF(以下SiC−DPFと記載)としたこと以外は、実施例1と同様にして、触媒担持DPF(これを(Cu、V、Cs)/TiO2/SiC−DPFと略記する)を作製した。なおSiC−DPFは、直径5.66inch、長さ6inch、壁厚10mil、セル密度300cpsiである。また担持されたチタニアはDPFの重量に対して11.3wt%、容積に対して85.4g/Lだった。また担持された触媒はDPFの重量に対して9.1wt%、容積に対して76.6g/Lだった。
一方でPtを担持したアルミナを触媒とし、これをコートしたコージェライト製フロースルーハニカムフィルタ(以下DOCと記載)を準備した。なおDOCは、直径5.66inch、長さ4.65inch、壁厚4mil、セル密度400cpsiで、PtがDOCの容積に対して0.1g/L担持されたものである。
以上の(Cu、V、Cs)/TiO2/SiC−DPFとDOCとを、ディーゼルエンジンの排ガス通路途中に、排ガス流入口側から、(Cu、V、Cs)/TiO2/SiC−DPF、DOCの順に設置した排ガス浄化装置を実施例2とした。
(実施例3)
DOCのPt担持量を0.2g/Lとしたこと以外は、実施例2と同様にして、排ガス浄化装置を準備した。
(実施例4)
DOCのPt担持量を0.3g/Lとしたこと以外は、実施例2と同様にして、排ガス浄化装置を準備した。
(比較例4)
DOCと(Cu、V、Cs)/TiO2/SiC−DPFとを、ディーゼルエンジンの排ガス通路途中に、排ガス流入口側から、DOC、(Cu、V、Cs)/TiO2/SiC−DPFの順に設置したこと以外は、実施例2と同様にして、排ガス浄化装置を準備した(すなわちDOCのPt担持量は0.1g/Lである)。
(比較例5)
DOCのPt担持量を0.2g/Lとしたこと以外は、比較例4と同様にして、排ガス浄化装置を準備した。
(比較例6)
DOCのPt担持量を0.3g/Lとしたこと以外は、比較例4と同様にして、排ガス浄化装置を準備した。
(評価例2)
実施例2〜4、比較例4〜6を用いて、次のような排ガス試験を行った。
排気量3.4Lのディーゼルエンジンの排ガス通路に、実施例2〜4、比較例4〜6の排ガス浄化装置のいずれかを設置し、暖機運転後、排ガス浄化装置が設置してある排ガス通路に排ガスを導入した。エンジン回転数は1000rpmとし、排ガス温度は、ディーゼルエンジンへの負荷を変えることで、250、300、350℃と昇温し、各温度で30分間維持した。排ガス温度は排ガス浄化装置に流入する直前で測定している。各温度で排ガス浄化装置の上流と下流のHC濃度を測定し、HC浄化率を求めた。
実施例2、比較例4のHC浄化率を排ガス温度に対してプロットした。結果を図2に示す。
全ての排ガス温度で比較例4より実施例2の方が、HC浄化率が高くなった。
実施例2と比較例4を構成するフィルタは全く同じもので、排ガス通路中での排ガス流方向に対して、配置順序のみが異なる。実施例2は、DPFがDOCの排ガス流上流側に設置されており、PMを濾過した後で排ガスがDOCに供給されるため、DOCはPMに曝されない。したがって、DOC上のPtはPMに覆われず、酸化力が低下することなく、その触媒活性を十分に発揮できたと考えられる。
また実施例2〜4、比較例4〜6の350℃におけるHC浄化率を、Pt担持量に対してプロットした。結果を図3に示す。
Pt担持量を変えても、比較例4〜6より実施例2〜6の方がHC浄化率が高く、Pt担持量が少ないときに、浄化率の差はより顕著になった。したがって、本発明の排ガス浄化装置はより少量の貴金属でも、HC酸化活性を十分発揮できることが分かった。
なおHC濃度と同様に、各温度で排ガス浄化装置の上流と下流のCO濃度を測定し、CO浄化率を求めたが、いずれの場合も浄化率はほぼ100%となった。
以上の結果より、本発明の排ガス浄化装置は高いPM燃焼性能を有し、かつ少量の貴金属でHC、COの酸化活性を十分発揮できることが確認された。
(実施例5)
(Cu、V、Cs)/TiO2/Cd−DPFとDOCとを、ディーゼルエンジンの排ガス通路途中に、排ガス流入口側から、DOC、(Cu、V、Cs)/TiO2/Cd−DPFの順に設置した以外は、実施例2と同様にして、排ガス浄化装置を準備した。
なおCd−DPFは、直径5.66inch、長さ6inch、壁厚12mil、セル密度200cpsiである。また担持されたチタニアはDPFの重量に対して8.8wt%、容積に対して40.1g/Lだった。また担持された触媒はDPFの重量に対して27.3wt%、容積に対して124.8g/Lだった。
一方でPtを担持したアルミナを触媒とし、これをコートしたDOCを準備した。なおDOCは、直径5.66inch、長さ4.65inch、壁厚12mil、セル密度300cpsiで、PtがDOCの容積に対して0.23g/L担持されたものである。
以上の(Cu、V、Cs)/TiO2/Cd−DPFとDOCとを、ディーゼルエンジンの排ガス通路途中に、排ガス流入口側から、DOC、(Cu、V、Cs)/TiO2/Cd−DPFの順に設置した排ガス浄化装置を実施例5とした。
(比較例7)
Ptを担持したアルミナを触媒とし、これをコートしたこと以外は、実施例5と同様にして、触媒担持DPF(これをPt/Al23/Cd−DPFと略記する)を作製した。なおCd−DPFは、直径5.66inch、長さ6inch、壁厚12mil、セル密度200cpsiである。また担持されたアルミナはDPFの重量に対して9.4wt%、容積に対して42.4g/Lだった。また担持されたPtはDPFの重量に対して0.06wt%、容積に対して0.26g/Lだった。
一方でPtを担持したアルミナを触媒とし、これをコートしたDOCを準備した。なおDOCは、直径5.66inch、長さ4.65inch、壁厚12mil、セル密度300cpsiで、PtがDOCの容積に対して0.8g/L担持されたものである。
Pt/Al23/Cd−DPFとDOCとを、ディーゼルエンジンの排ガス通路途中に、排ガス流入口側から、DOC、Pt/Al23/Cd−DPFの順に設置した排ガス浄化装置を比較例7とした。
(評価例3)
実施例5、比較例7を用いて、次のような排ガス試験を行った。
排気量4.3Lのディーゼルエンジンの排ガス通路に、実施例5、比較例7の排ガス浄化装置のいずれかを設置し、暖機運転後、排ガス浄化装置が設置してある排ガス通路に排ガスを導入した。エンジン回転数は1100rpmとし、排ガス温度は、ディーゼルエンジンへの負荷を変えることで、300、350℃と昇温し、各温度で30分間維持した。排ガス温度は排ガス浄化装置に流入する直前で測定している。各温度で排ガス浄化装置の上流と下流のHC濃度と差圧を測定し、それぞれから各温度におけるHC浄化率と単位時間当たりの差圧変化量を求めた。
実施例5、比較例7のHC浄化率を排ガス温度に対してプロットした。結果を図5に示す。
300、350℃において実施例5より比較例7の方が若干高いものの、ほぼ同等のHC浄化率であった。
実施例5と比較例7を構成するDOCと触媒担持DPFにおける全貴金属量はそれぞれ0.56g、2.61gであり約2gの貴金属量の差があるのに対してHC浄化率はほぼ同等であることから、実施例5の貴金属量程度でHC、CO等の有害ガス成分の酸化活性を十分発揮できることが分かった。なおHC濃度と同様に、300、350℃における排ガス浄化装置の上流と下流のCO濃度を測定し、CO浄化率を求めたが、いずれの場合も浄化率はほぼ100%となった。
また、本発明の触媒担持DPFとDOCとを排ガス流入口側から、DOC、触媒担持DPFの順に配置する場合のDOCの貴金属量は0.1g/Lから1.0g/L程度が好ましく、より好ましくは0.1g/Lから0.5g/L程度である。0.1g/L未満だとHC、CO等の有害ガス成分の酸化活性が不十分となり、1.0g/L以上だと酸化活性は十分だが、必要以上の貴金属量を担持しており高価なものになって好ましくない。
実施例5、比較例7の単位時間当たりの差圧変化量を排ガス温度に対してプロットした。結果を図6に示す。
300、350℃における比較例7の単位時間当たりの差圧変化量は正の値であるのに対して、実施例5のそれは温度が上昇するにしたがって負の値となった。比較例7は、DPFに担持された触媒のPMに対する燃焼活性が不十分であるためDPFで濾過されたPMを燃焼しきれできずに排ガス浄化装置の差圧が上昇したと考えられる。これに対して、実施例5は、触媒のPM燃焼活性が高くDPFで濾過されたPMを十分に燃焼したため差圧が下がったと考えられる。したがって、本発明の排ガス浄化装置は排ガス温度程度でPMの酸化活性を十分発揮できることが分かった。
以上の結果より、本発明の排ガス浄化装置は高いPM燃焼性能を有し、かつ少量の貴金属でHC、COの酸化活性を十分発揮できることが確認された。
本発明の排ガス浄化装置は、高いPM燃焼性能を有し、かつ少量の貴金属でHC、COの酸化活性を十分発揮することができるので、有用である。排ガス浄化の対象は、自動車だけでなく、建設機械、発電機、フォークリフト、耕運機、船舶など幅広く存在し、適用が可能である。
本発明の実施の形態1の排ガス浄化装置の模式的断面図 本発明の実施の形態2の排ガス浄化装置の模式的断面図 本発明の実施例2の性能評価試験の結果を示すグラフ 本発明の実施例2〜4の性能評価試験の結果を示すグラフ 本発明の実施例5の性能評価試験の結果を示すグラフ 本発明の実施例5の性能評価試験の結果を示すグラフ
1 排ガス
2 配管
3 第一の排ガス浄化フィルタ
4 第二の排ガス浄化フィルタ
5 保持材
6 多孔質壁
7 流入通路
8 流出通路
9 第一の触媒
10 第二の触媒

Claims (16)

  1. 耐熱性フィルタに、金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを含む第一の触媒を担持した第一の排ガス浄化フィルタと、耐熱性フィルタに、貴金属と、無機酸化物とを含む第二の触媒を担持した第二の排ガス浄化フィルタとを、排ガス流路内に設置したことを特徴とする排ガス浄化装置。
  2. 耐熱性フィルタに、金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを含む第一の触媒を担持した第一の排ガス浄化フィルタと、耐熱性フィルタに、貴金属と、無機酸化物とを含む第二の触媒を担持した第二の排ガス浄化フィルタとを、排ガス流入口側から、第一の排ガス浄化フィルタ、第二の排ガス浄化フィルタの順に設置したことを特徴とする排ガス浄化装置。
  3. 耐熱性フィルタに、金属酸化物と、アルカリ金属の硫酸塩および/またはアルカリ土類金属の硫酸塩とを含む第一の触媒を担持した第一の排ガス浄化フィルタと、耐熱性フィルタに、貴金属と、無機酸化物とを含む第二の触媒を担持した第二の排ガス浄化フィルタとを、排ガス流入口側から、第二の排ガス浄化フィルタ、第一の排ガス浄化フィルタの順に設置したことを特徴とする排ガス浄化装置。
  4. 金属酸化物が銅を含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  5. 金属酸化物がバナジウムを含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  6. 金属酸化物が、銅とバナジウムとの複合金属酸化物を含むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  7. 銅とバナジウムとの複合金属酸化物が、CuV26を含むことを特徴とする、請求項6に記載の排ガス浄化装置。
  8. 第一の触媒がアルカリ金属の硫酸塩を含み、かつ前記アルカリ金属の硫酸塩が、硫酸セシウムであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  9. 第一の触媒が、さらに無機酸化物を含むことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  10. 貴金属が、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金のいずれか一つ以上であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  11. 無機酸化物が、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、ゼオライトのいずれか一つ以上を含む複合酸化物であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  12. 第二の触媒が、さらに希土類を含むことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  13. 耐熱性フィルタが、コージェライト、炭化珪素のいずれかで構成されることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  14. 第一の排ガス浄化フィルタを構成する耐熱性フィルタが、排ガス流入口側から出口側に向かって多孔質壁で区切られた複数の排ガス通路を有し、前記排ガス通路は出口側を閉塞した流入通路と、入口側を閉塞した流出通路とがあり、前記流入通路は少なくとも一つの前記流出通路と前記多孔質壁を共有し、排ガスは前記流入通路に流れ込み、前記多孔質壁を通過して前記流出通路へ移動し、前記流出通路から排出されるウォールフロー型ハニカムフィルタであることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  15. 第二の排ガス浄化フィルタを構成する耐熱性フィルタが、排ガス流入口側から出口側に向かって貫通した複数の排ガス通路を有するフロースルー型ハニカムフィルタであることを特徴とする、請求項1乃至14のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
  16. ディーゼルエンジンの排ガス通路途中に設けられる排ガス浄化装置であって、前記排ガス通路を構成する配管内部に、第一の排ガス浄化フィルタと、第二の排ガス浄化フィルタとが、互いに接触することなく保持され、排ガスが先に前記第一の排ガス浄化フィルタを通過し、次に前記第二の排ガス浄化フィルタを通過するように、前記第一の排ガス浄化フィルタが排ガス流入口側、前記第二の排ガス浄化フィルタが排ガス流出口側に、直列に配置したことを特徴とする、請求項1乃至15のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
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