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JP2009244388A - レンズ組立体および撮像装置 - Google Patents

レンズ組立体および撮像装置 Download PDF

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Abstract


【課題】レンズ組立体内部のレンズの表面に水滴が付着し難い構造を持つレンズ組立体およびそのレンズ組立体を備えた撮像装置を提供する。
【解決手段】最も対物側に位置する第1のレンズ14の結像側の面に第1のコーティング膜Ct1を形成する。またその第1のレンズ14の次に対物側に位置する第2のレンズ13の、対物側の面に第2のコーティング膜Ct2を形成する。さらに、第1のレンズ14の外周面141とレンズ枠内壁面100との間にOリング15を配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、防水機能を有するレンズ組立体およびそのレンズ組立体を備えた撮像装置に関する。
最近、自動車にカメラが配備されるようになってきている。このようなカメラの多くは、ナビゲーションシステムが普及し運転席に表示画面が設けられていることを利用して、ドライバの死角になる場所の状態をその表示画面上に表示するものである。
この様な車載用のカメラにあっては、最も対物側に位置するレンズが車体表面に露出して配備されることになるために厳しい防水性能が要求される。このため、その車載用のカメラに搭載されるレンズ組立体の多くは、最も対物側に位置するレンズの外周面とレンズ枠の内周面との間にOリングが挿入されて水の侵入等が防止されている(例えば特許文献1参照)。
図1は、車載搭載用のレンズ組立体の構成の一例を示す図である。
図1には、4枚のレンズ11〜14と、対物側開口と結像側開口とを有し4枚のレンズ11〜14が光軸を揃えて挿入される中空部が形成されたレンズ枠10とを備えたレンズ組立体1を斜め上方から見た斜視図が示されている。
この図1には、防塵性能や防水性能を得易くするために、各レンズ11〜14どうしの外周縁を接触させてレンズ枠10内に光軸を揃えて装入するとともに、対物側にいくにしたがってレンズの径が大きくなるようにレンズ11〜14を構成した場合の例が示されている。また、レンズ11からレンズ14をレンズ枠10に収容した後で、レンズ枠の前端を熱カシメによって、折り曲げ、レンズ14を保持するようにした場合の例が示されている。
この図1のような構成にすると、最も対物側に位置する第1のレンズ14のレンズ外周面141とレンズ枠内周面100との間にOリング15を装着することで優れた防水性能並びに防塵性能が得られる。このOリングの材質は、エチレン・プロビレン系ゴム、シリコンゴム等である。
しかし、自動車は、移動して様々な場所に行くことができ、その様々な場所の中には高温多湿環境のところや低温少湿環境のところがある。このため、上記のようにOリング15を使って外部からの水の侵入を防止したとしても、最も対物側に位置する第1のレンズ14の背面側に図1に示すような空洞部16が形成されると、自動車が低温少湿環境から高温多湿環境に移ったときにその空洞部16内の水蒸気を含んだ空気の存在によりその空洞部16に結露が発生して第1のレンズ14の結像側の面および第2のレンズ13の対物側の面に水滴が付着してしまうようなことが起こり得る。
特許文献2には、レンズ組立体が高温高湿環境から低温低湿環境に移されたときよりも低温低湿環境から高温高湿環境に移されたときにより高い喚起能力が発揮される通気口を設けることによって図1の第1のレンズ14および第2のレンズ13の表面への水滴の付着を防止する技術が開示されている。しかし、外部に通じる通気口を設けると今度は空洞部16に塵が入り込んで第1のレンズ14および第2のレンズ13の表面に塵が付着するという問題が出てくる。
特開2002−90603号公報 特開2007−193319号公報 特開2004−86170号公報
ところで、乗り物の窓ガラスや眼鏡のレンズなどのように曇ると危険が伴うものには、防曇用のコーティングが施されているものが多い。特許文献3には、乗り物の窓ガラスや眼鏡のレンズなどにコーティング膜を形成するときに好適に用いられる混合材料がいくつか提示されている。この特許文献3の技術を利用して結露を防止するために上記組立体の各レンズにコーティングを施すことが考えられる。しかし、各レンズにコーティングを施す構成にすると、一枚あたりのレンズに係る製造単価が跳ね上がってレンズ組立体の製造コストが高騰する。
本発明は、上記事情に鑑み、低温少湿環境のところから高温多湿環境のところに移動することがあってもレンズ組立体内部のレンズの表面に水滴が付着し難い構造を持つ低廉なレンズ組立体、およびそのレンズ組立体を備えた撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明のレンズ組立体は、
複数枚のレンズと、
対物側開口と結像側開口とを有し複数枚のレンズが光軸を揃えて挿入される中空部が形成されたレンズ枠と、
上記中空部に挿入された複数枚のレンズのうちの最も対物側に位置する第1のレンズの結像側の面に、その第1のレンズの基体よりも親水性の第1のコーティング膜を有することを特徴とする。
前述した様に、最も対物側に位置する第1のレンズ14の背面側に図1に示すような空洞部16が形成されると、自動車が低温少湿環境から高温多湿環境に移ったときにその空洞部16内の水蒸気を含んだ空気の存在によりその空洞部16に結露が発生して第1のレンズ14の結像側の面および第2のレンズ13の対物側の面に水滴が付着してしまうようなことが起こり得る。
そこで、上記本発明のレンズ組立体では、上記中空部に挿入された複数枚のレンズのうちの最も対物側に位置する第1のレンズの結像側の面に、第1のレンズの基体よりも親水性の第1のコーティング膜が形成される。このため、第1のレンズの結像側の面に結露により水滴が付着しそうなときには、そのコーティング膜によって水滴の付着が阻止される。この阻止により水滴は水となって流れ出すことになる。こうして水滴となる程度の少量の水が対物側の面に流れ出したとしても光学性能に影響が与えられることはほとんどない。また、結露が起こる高温環境下においては水は蒸発する。
ここで、上記第1のコーティング膜に加え、さらに、上記第1のレンズに隣接する第2のレンズの対物側の面にもその第2のレンズの基体よりも親水性の第2のコーティング膜を有することが好ましい。
上記第1のレンズの次に対物側に位置する上記第2のレンズの対物側の面も周囲環境の影響を強く受けるので、上記第2のコーティング膜を有すると良い。この第2のレンズの対物側の面にコーティングを施したとしてもほとんどコストアップしない。
また、上記第1のコーティング膜および上記第2のコーティング膜は、いずれも、シリカ(SiO)と、TiO、ZnO、SnO、SrTiO、WO、Bi、Feの中から選択された少なくとも一つの材料との混合材料からなるコーティング膜であることが好ましい。
前述した特許文献2にある混合材料をコーティング膜として用いると、水の接触角が20度以下の親水性が得られて水滴が少量の水となって流れ出し易くなる。このため、レンズ面に水滴が付着して光学性能に影響が及ぼされることが防止される。また高温環境下においては僅かに流れ出した水が自然と蒸発することとなる。
また、上記第1のコーティング膜および上記第2のコーティング膜は、いずれも、水の接触角が40度以下であるコーティング膜であっても良い。
通常、上記40度以下であるものを親水性と呼ぶ。上記のように20度以下でなくとも、水の接触角が40度以下の親水性のコーティング膜であれば十分に効果は得られる。
ここで上記第2のレンズの結像面側以降の結像面側のレンズ面は、親水性のコーティング膜を有していなくても良い。
上記第1のレンズと上記第2のレンズは、その第1のレンズの結像側の面の周縁部とその第2のレンズの対物側の面の周縁部が一周に渡って互いに接するとともに、その周縁部に囲まれた中央部に互いの間に形成された空洞部を有し、
上記第1のコーティング膜は、上記第1のレンズの結像側の面の、上記空洞部を形成する部分に形成されたものであると良く、
上記第2のコーティング膜は、上記第2のレンズの対物側の面の、上記空洞部を形成する部分に形成されたものであると良い。
そうすると、図1に示す空洞部17を形成する上記第1のレンズ14の結像側の面と上記第2のレンズ13の対物側の面がそれぞれ第1のコーティング膜、第2のコーティング膜で覆われることとなる。このため、図1に示す空洞部16を形成する第1のレンズ14の結像側の面と第2のレンズ13の対物側の面との双方に水滴が付着することがなくなって少量の水となって流れ出すこととなる。少量の水は結露の発生する高温環境下においては蒸発するので、光学性能に影響が及ぼされることが防止される。
また、上記第1のレンズと上記中空部内壁との間にOリングを備えた態様であることが好ましい。
上記した様に少量の水であれば良いが、上記レンズ組立体が自動車に搭載された場合には洗車機などを通して大量の水が上記空洞部に流れ込むことが懸念される。こうして水の量が増えると確実に光学性能に影響が与えられてしまう。そこで上記第1のレンズ外周とレンズ枠内壁との間の僅かな隙間を通って外部から上記空洞部に水が侵入することのないように上記Oリングを備えた態様にしておくと良い。
上記目的を達成する本発明の撮像装置は、上記レンズ組立体と、撮像素子とを備えたことを特徴とする。
上記本発明の撮像装置によれば、結露に強い撮像装置が得られる。
以上、説明したように、レンズ組立体内部のレンズの表面に水滴が付着し難い構造を持つレンズ組立体、およびそのレンズ組立体を備えた撮像装置が実現する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図2は、本発明の一実施形態となるレンズ組立体の構成を示す断面図である。
図2には、図1の構成と同じ構成のレンズ組立体が示されている。
ここで、本実施形態のレンズ組立体1における第1のレンズ14と第2のレンズ13は、第1のレンズ14の結像側の面の周縁部と第2のレンズ13の対物側の面の周縁部が一周に渡って互いに接するとともに、その周縁部に囲まれた中央部に互いの間に形成された空洞部16を有し、第1のレンズ14の結像側の面の、その空洞部16を形成する部分に第1のコーティング膜Ct1が形成され、上記第2のレンズ13の対物側の面の、上記空洞部16を形成する部分に第2のコーティング膜Ct2が形成されている。
本実施形態の第1のコーティング膜Ct1および第2のコーティング膜Ct2は、いずれも、シリカ(SiO)と、TiO、ZnO、SnO、SrTiO、WO、Bi、Feの中から選択された少なくとも一つの材料との混合材料からなるコーティング膜であり、いずれも、水の接触角が40度以下の特性を持つものである。
このため、最も結露の発生し易い空洞部16を形成する第1のレンズ14の結像側の面と第2のレンズ13の対物側の面との双方の親水コーティングによって高温多湿環境下にあってもそれらの面に水滴が付着することが阻止される。このため光学性能に影響が及ぼされることが防止されていつでも良好な光学性能が得られるようになる。また、本実施形態では、最も結露の発生し易い部分となる空洞部を形成するレンズの面にのみコーティング膜を形成する構成にすることで製造コストのコストアップを最小限に食い止めることに成功している。この構成にするとレンズ組立体一台あたりの製造コストはほとんど変わらない。
なおレンズの表面に水滴が付着することが阻止された分、水滴となる程度の少量の水が面を伝わって流れることになるが、水はほんの少量であるので光学性能に影響が及ぼされることがなく、また高温環境下において水は蒸発する。
さらに、本実施形態においては、第1のレンズ14と中空部内壁100との間に元々Oリング15が備えられているので、このレンズ組立体1が自動車に配備された場合には、洗車機などからの水の圧力を受けてもそのOリングによって空洞部内に水が侵入することが防止される。このため、空洞部を形成する第1のレンズの結像側の面と第2のレンズの対物側の面には水滴が付着することがなくなっていつでも良好な光学性能が得られることとなる。
以上、説明したように、レンズ組立体内部のレンズの表面に水滴が付着し難い構造を持つ低廉なレンズ組立体が実現する。
最後に上記レンズ組立体1を車載用のカメラに適用した場合の例を説明する。
図3は、上記レンズ組立体が組み込まれたカメラを示す図である。
図3には、カメラユニット2を光軸に沿って切断し切断した面を斜め上方から見た図が示されている。
図3に示すカメラユニット2には、図1のレンズ組立体1と、カメラ本体枠20と、撮像素子21とが備えられており、その撮像素子21は撮像素子基板210上に実装されカメラ本体枠20に接着固定されている。
このカメラユニット2を組み立てるにあたっては、まず図1のレンズ組立体1をこのカメラユニット2のカメラ本体枠20に挿入しレンズ組立体1をカメラ本体枠20に接着固定する。この際、レンズ枠10の外周縁とカメラ本体枠20の前端が接する部分に接着剤を塗布することによって、前端側からカメラユニット内部に水が入り込まないよう、防水処理を行なう。さらにCCD固体撮像素子等の撮像素子21を搭載した基板210をカメラ本体枠20に接着固定する。
このようにして図1のレンズ組立体1をカメラユニット2に組み込むと、非常に結露に強いカメラユニットが製作されて自動車に好適に適用されるカメラユニットになる。
車載搭載用のレンズ組立体の構成の一例を示す図である。 本発明の一実施形態となるレンズ組立体の構成を示す断面図である。 図1のレンズ組立体が組み込まれたカメラを示す図である。
符号の説明
1 レンズ組立体
10 レンズ枠
11〜14 レンズ
15 Oリング
16 空洞部
Ct1 第1のコーティング膜
Ct2 第2のコーティング膜
2 カメラユニット
20 カメラ本体枠
21 撮像素子
210 基板

Claims (9)

  1. 複数枚のレンズと、
    対物側開口と結像側開口とを有し複数枚のレンズが光軸を揃えて挿入される中空部が形成されたレンズ枠と、
    前記中空部に挿入された複数枚のレンズのうちの最も対物側に位置する第1のレンズの結像側の面に、該第1のレンズの基体よりも親水性の第1のコーティング膜を有することを特徴とするレンズ組立体。
  2. 前記第1のコーティング膜に加え、さらに、前記第1のレンズに隣接する第2のレンズの対物側の面にも該第2のレンズの基体よりも親水性の第2のコーティング膜を有することを特徴とする請求項1記載のレンズ組立体。
  3. 前記第1のコーティング膜および前記第2のコーティング膜は、いずれも、シリカ(SiO)と、TiO、ZnO、SnO、SrTiO、WO、Bi、Feの中から選択された少なくとも一つの材料との混合材料からなるコーティング膜であることを特徴とする請求項2記載のレンズ組立体。
  4. 前記第1のコーティング膜および前記第2のコーティング膜は、いずれも、水の接触角が40度以下であるコーティング膜であることを特徴とする請求項2記載のレンズ組立体。
  5. 前記第2のレンズの結像面側以降の結像面側のレンズ面は、親水性のコーティング膜を有していないことを特徴とする請求項2記載のレンズ組立体。
  6. 前記第1のレンズと前記第2のレンズは、該第1のレンズの結像側の面の周縁部と該第2のレンズの対物側の面の周縁部が一周に渡って互いに接するとともに、該周縁部に囲まれた中央部に互いの間に形成された空洞部を有し、
    前記第1のコーティング膜は、前記第1のレンズの結像側の面の、前記空洞部を形成する部分に形成されたものであることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか1項記載のレンズ組立体。
  7. 前記第2のコーティング膜は、前記第1のレンズの対物側の面の、前記空洞部を形成する部分に形成されたことを特徴とする請求項6記載のレンズ組立体。
  8. 前記第1のレンズと前記中空部内壁との間にOリングを備えたことを特徴とする請求項6記載のレンズ組立体。
  9. 請求項1から8のうちのいずれか1項に記載のレンズ組立体と、撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
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