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JP2009241743A - 車両の荷室構造 - Google Patents

車両の荷室構造 Download PDF

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JP2009241743A JP2008090561A JP2008090561A JP2009241743A JP 2009241743 A JP2009241743 A JP 2009241743A JP 2008090561 A JP2008090561 A JP 2008090561A JP 2008090561 A JP2008090561 A JP 2008090561A JP 2009241743 A JP2009241743 A JP 2009241743A
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Takayuki Sagahara
隆行 佐賀原
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Abstract

【課題】後部荷室の有効利用スペースが狭められるのを防止しつつ、トランクボードの設置高さを容易に調節できるようにする。
【解決手段】車室の後方において車体の底部を形成するリヤフロアパネル9と、このリヤフロアパネル9の下面に接合されて車体の前後方向に延びるリヤサイドフレーム21と、上記リヤフロアパネル21の上面を覆うように設置されて荷室の底面を構成するトランクボードに20とを備えた車両の荷室構造であって、上記リヤフロアパネル9の下方にトランクボード20を昇降可能に支持するガイド機構27が配設され、トランクボード20を上方位置と下方位置との間で昇降変位させる際にその移動軌跡が上記ガイド機構27により規制されるように構成された。
【選択図】図2

Description

本発明は、車室の後方に設けられた車両の荷室構造に関するものである。
従来、下記特許文献1に示されるように、車両後部に設けられた荷室の底面を形成するトランクボード(トノボート)を、第1の軸を中心に回転するレバー部品により支持しつつ、下方積載位置と、上方積載位置との間で変位可能に設置することにより、必要に応じて上記トランクボードの設置高さを手動で容易に調節することができるように構成した車両の荷室構造が知られている。
特開2005−529024号公報
上記特許文献1に開示されているように、荷室の底面を形成するトランクボードをレバー部品により支持しつつ下方積載位置と、上方積載位置との間で変位可能に構成した場合には、このトランクボードを上記レバー部品により位置決めしつつ、その設置高さを調節することができるため、良好な操作性が得られるという利点がある。しかし、その反面、上記リンク部材およびその支持部が後部荷室内に配設されることにより、後部荷室の有効利用スペースが狭められる等の問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、後部荷室の有効利用スペースが狭められるのを防止しつつ、トランクボードの設置高さを容易に調節することができる車両の荷室構造を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、車室の後方において車体の底部を形成するリヤフロアパネルと、このリヤフロアパネルの下面に接合されて車体の前後方向に延びるリヤサイドフレームと、上記リヤフロアパネルの上面を覆うように設置されて荷室の底面を構成するトランクボードとを備えた車両の荷室構造であって、上記リヤフロアパネルの下方にトランクボードを昇降可能に支持するガイド機構が配設され、トランクボードを上方位置と下方位置との間で昇降変位させる際にその移動軌跡が上記ガイド機構により規制されるように構成されたものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の車両の荷室構造において、上記リヤフロアパネルに、リヤサイドフレームの設置部上面を開口させた開口部が形成され、この開口部を介して上記リヤサイドフレーム内に上記ガイド機構が配設されるとともに、上記トランクボードが下方位置にあるときに上記ガイド機構がリヤサイドフレーム内に格納されるよう構成されたものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の車両の荷室構造において、上記ガイド機構に、トランクボードを上方に付勢する付勢部材と、トランクボードの昇降軌跡を規制するリンク部材とが設けられたものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項3に記載の車両の荷室構造において、上記付勢部材がガススプリングにより構成されたものである。
請求項5に係る発明は、上記請求項3または4に記載の車両の荷室構造において、上記付勢部材の前後両端部を支持する前部ブラケットおよび後部ブラケットを有し、この前部ブラケットが車体側部材に取り付けられるとともに、後部ブラケットがトランクボードに取り付けられたものである。
請求項6に係る発明は、上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の荷室構造において、フロアパネルの下方に燃料タンクが配設されるとともに、この燃料タンクの最後端部よりも後方に上記ガイド機構の前端部が位置するように配設されたものである。
請求項1に係る発明では、車室の後方に位置するリヤフロアパネルの上面を覆うトランクボードを昇降可能に支持するガイド機構を上記リヤフロアパネルの下方に設け、トランクボードを上方位置と下方位置との間で昇降変位させる際にその移動軌跡を上記ガイド機構により規制するように構成したため、後部荷室の有効利用スペースが狭められるのを防止しつつ、上記トランクボードの昇降操作を容易かつ適正に行うことによりトランクボードの設置高さを必要に応じて調節できるという利点がある。
請求項2に係る発明では、リヤフロアパネルにリヤサイドフレームの設置部上面を開口させた開口部を形成し、この開口部を介して上記リヤサイドフレーム内に上記ガイド機構を配設するとともに、上記トランクボードが下方位置にあるときに上記ガイド機構をリヤサイドフレーム内に格納するよう構成したため、上記トランクボードとリヤフロアパネルとの間にガイド機構を配設した場合のように、このトランクボードとリヤフロアパネルとの間に隙間が形成されるのを防止しつつ、上記ガイド機構をリヤサイドフレーム内に隠蔽した状態で安定して支持でき、かつこのガイド機構を介して上記開口部の設置部を補強することにより、この開口部が形成されることに起因した強度低下を効果的に抑制できる等の利点がある。
請求項3に係る発明では、上記トランクボードを上方に付勢する付勢部材とトランクボードの昇降軌跡を規制するリンク部材とを上記ガイド機構に設けたため、上記トランクボードを下方位置から上方位置に変位させる際に、上記付勢部材の付勢力に応じてトランクボードを自動的に上方位置に押し上げることができるため、トランクボードを上方位置に変位させる操作を容易に行うことができる。
請求項4に係る発明では、金属製のパイプ材等からなるシリンダと、このシリンダ内に配設されたピストンと、このピストンとともに上記シリンダに沿って摺動可能に支持されたピストンロッドとを備えた所定の剛性を有するガススプリングにより上記付勢部材を構成したため、この付勢部材を介して上記リヤフロアパネルを充分に補強することにより、車両の後突時に入力される衝突荷重等に応じて後部荷室が変形するのを効果的に防止できるという利点がある。
請求項5に係る発明では、付勢部材の前後両端部を支持する前部ブラケットおよび後部ブラケットを設け、この前部ブラケットをリヤサイドフレームまたはリヤフロアパネル等からなる車体側部材に取り付けるとともに、後部ブラケットをトランクボードに取り付けたため、上記ガススプリング等からなる付勢部材の取付作業を容易に行うことかできるとともに、車両の後突時に上記トランクボードを介して上記後部ブラケットの設置部に入力された衝突荷重を、上記付勢部材および前部ブラケットを介して車体側部材に伝達することにより、上記衝突荷重を分散させて効果的に支持できるという利点がある。
請求項6に係る発明では、フロアパネルの下方に燃料タンクを配設するとともに、この燃料タンクの最後端部よりも前方に上記ガイド機構の後端部を位置させるように配設したため、車両の後突時に入力された衝突荷重等を、上記ガススプリング等からなる付勢部材により効果的に支持して、上記燃料タンクの設置部に衝突荷重の影響が及ぶのを防止することにより、車両の安全性を効果的に向上できるという利点がある。
図1〜図4は、本発明に係る車両の荷室構造の実施形態を示している。この車両には、その車室前部に運転席および助手席からなる前席シート1が配設されるとともに、その後方側に、後席シート2と、後部荷室3とが順次配設されている。上記前席シート1および後席シート2は、車室のフロアパネル4上に設置されている。
上記フロアパネル4は、前席シート1の設置部となるフロントフロアパネル5と、その後端部に連設されるとともに第1キックアップ部6を介して上記フロントフロアパネル5よりも所定距離だけ上方に段上げされたセンタフロアパネル7とを有している。このセンタフロアパネル7の後端部には、第2キックアップ8を介して上記センタフロアパネル7よりもさらに上方に段上げされたリヤフロアパネル9が連設されている。
上記後席シート2のシートクッション10およびシートバック11は、上記センタフロアパネル7上に設置された左右一対の支持プレート12に、それぞれ上下方向に延びる前側リンク13および後側リンク14を介して支持されている。上記前側リンク13は、その上端部がシートクッション10の前部側面に支軸15を介して枢支されるとともに、前側リンク13の下端部が上記支持プレート12の前方部に支軸16を介して枢支されている。また、上記後側リンク14は、その上端部がシートバック11の下方部側面に図略の締結部材等を介して固定されるとともに、後側リンク14の下端部が上記支持プレート12の後方部に支軸17を介して枢支されている。
上記シートクッション10の後方部側面には、連結リンク18が締結部材を介して固定されている。この連結リンク18は、その後方部が上記シートクッション10との固定部から上部後方に湾曲するように延びるとともに、後端部が上記後側リンク14の上端部に支軸19を介して枢支され、この支軸19および上記支持プレート12等により、後席シート2のシートバック11を起立状態の使用位置からシートクッション10上に折り畳んだ格納位置へと傾動可能に支持する傾動支持機構が構成されている。
また、上記支持プレート12には、後側リンク14の下端部を保持することにより、この後側リンク14が支軸19を支点に回動するのを規制するロック装置(図示せず)が設けられ、これらによって上記後席シート2のシートクッション10を昇降可能に支持する昇降支持機構が構成されている。すなわち、後席シート2の使用時には、上記ロック装置を介して後側リンク14の回動変位が規制されることにより、図1に示すように、上記シートバック11がシートクッション10の後端部から上方に起立した使用位置に保持されるとともに、上記シートクッション10が支持プレート12に対して所定距離だけ上方に離間した上昇位置に保持されている。
そして、上記シートクッション10またはシートバック11の所定部位には、上記ロック装置のギア機構等と連係された図略の操作レバーが設けられ、この操作レバーが乗員によって操作されるのに応じ、上記ロック装置による後側リンク14のロックが解除されるように構成されている。この後側リンク14のロックが解除された状態で、上記シートバック11を前方に押圧するように力が加えられると、このシートバック11と上記後側リンク14とが一体となって前方に回動変位するとともに、連結リンク18が前方かつ下方に揺動変位する。
このようにして後席シート2の不使用時には、図2に示すように、上記前側リンク13が前方に回動変位してシートクッション10が前方かつ下方に沈み込むとともに、このシートクッション10上にシートバック11が倒伏した格納位置に変位することにより、このシートバック11の背面により、後述するように上記リヤフロアパネル9上に設置されたトランクボード20と連続した荷物載置面が形成されるようになっている。
上記センタフロアパネル7およびリヤフロアパネル9の下面には、その左右両側辺部に沿ってリヤサイドフレーム21,21が車体の前後方向に延びるように設置され、スポット溶接等の手段で接合されている。また、上記後席シート2の設置部に位置するセンタフロアパネル7の下方には、燃料タンク22が配設されている。この燃料タンク22は、上記両リヤサイドフレーム21,21等を連結するように車幅方向に設置された取付部23に支持ベルト24を介して支持されている。
また、上記リヤフロアパネル9には、スペアタイヤおよび車両用工具等の収容部となるスペアタイヤパン25が車幅方向の中央部に形成されるとともに、後部荷室3の底面略全域に亘ってトランクボード20が設置されることにより、上記スペアタイヤパン25の上面が覆われるように構成されている。上記トランクボード20は、その前端部が左右一対の起伏リンク26,26を介して上記リヤフロアパネル9の前部上面に連結されるとともに、その後方側部が左右一対のガイド機構27,27を介して上記リヤサイドフレーム21,21の底部に連結されている。
上記起伏リンク26は、その前端部が支軸28を介して上記リヤフロアパネル9の前部上面に枢支されるとともに、後端部が支軸29を介して上記トランクボード20の前端部に枢支されることにより、このトランクボード20の前端部を、後述するように所定距離に亘って昇降可能、かつ前後移動可能に支持するように構成されている。上記リヤフロアパネル9には、上記リヤサイドフレーム21の設置部上面を開口する開口部30が、起伏リンク26の設置部よりも所定距離だけ後方側に位置する部位において所定範囲に亘り形成され、この開口部30を介してリヤサイドフレーム21内に上記ガイド機構27が配設されている。
上記ガイド機構27は、下端部がリヤサイドフレーム21の底部に枢支されるとともに、上端部がトランクボード20の裏面に枢支されたパンタグラフ式のリンク部材31と、後端部がリヤサイドフレーム21の底部に取り付けられた前部ブラケット32により支持されるとともに、前部がトランクボード20の裏面に取り付けられた後部ブラケット33により支持されたガススプリング(ダンパーステー)等からなる付勢部材34とからなっている。そして、上記ガイド機構27の後端部は、後席シート2の下方に配設された上記燃料タンク22の最後端部よりも後方に位置するように配設されている。
上記リンク部材31は、前後一対の上部リンク35,35と、前後一対の下部リンク36,36とを有し、これらの上部リンク35,35および下部リンク36,36が菱形状に拡開することにより、リヤサイドフレーム21内に格納されるように構成されている。そして、上記トランクボード20を図2に示す下方位置から、図3に実線で示す上方位置に変位させ、またはトランクボード20を上記上方位置から下方位置に変位させる際には、上記リンク部材31によりトランクボード20が支持されてその移動軌跡が規制された状態で、このトランクボード20が昇降変位するようになっている。
上記ガススプリングからなる付勢部材34は、例えば図5に示すように金属製のパイプ材等からなるシリンダ37と、このシリンダ37内に配設されたピストン38と、このピストン38とともに上記シリンダ37に沿って摺動可能に支持されたピストンロッド39とを有し、上記ピストン38により区画されたシリンダ37のロッド側ガス室およびヘッド側ガス室にそれぞれ高圧ガスが封入されている。そして、上記両ガス室内に封入された高圧ガスのピストン38に対する受圧面積差に応じ、上記ガススプリングからなる付勢部材34を伸長させる方向の付勢力が上記トランクボード20に付与されることにより、このトランクボード20がその自重等に抗して上方に付勢されるように構成されている。
上記付勢部材34の前端部を支持する前部ブラケット32は、リヤサイドフレーム21の底部に取り付けられる取付板40と、その後端部から上方に起立する起立板41とを有し、この起立板41に設けられた支持部42に上記付勢部材34のシリンダヘッドが枢支されている。また、上記付勢部材34の後端部を支持する後部ブラケット33は、トランクボード20の裏面取り付けられる取付板43と、この取付板43の前端部から下方に垂下する垂下板44とを有し、この垂下板44に設けられた支持部45に上記付勢部材34のロッドエンドが枢支されることにより、上記付勢部材34からなるガイド機構27の後端部が、上記燃料タンク22の最後端部よりも後方に位置するように配設されている。
そして、図3に示すように、上記付勢部材34の収縮状態において、後部ブラケット33の取付板43の後端部が、上記リヤフロアパネル9に形成された開口部30の後縁部に係止されることにより、上記付勢部材34が所定の収縮状態でリヤサイドフレーム21内に格納されるとともに、上記トランクボード20が下方位置に支持されるようになっている。
上記後部荷室3の後端部に配設された後端パネル46には、上記トランクボード20が下方位置に設置された場合に、その後端部が挿入されて係止される凹部47が形成されるとともに、その上方には、上記トランクボード20が上方位置に設置された場合に、その後端部が載置される段部48が形成されている。
図2に示すように、上記後部ブラケット33の取付板43をリヤフロアパネル9の開口部30の後縁部に係止するとともに、上記トランクボード20の後端部を後端パネル46の凹部47内に嵌入することにより、上記トランクボード20の下面を上記リヤフロアパネル9の上面に当接させた下方位置にトランクボード20を設置して支持した場合には、後部荷室3の荷物載置容積を最大限にして、この後部荷室3内に多量の荷物を収容することが可能である。
上記下方位置にあるトランクボード20を上方位置に変位させる場合には、その後部上面に設けられた把持部(図示せず)等を持ってトランクボード20を前方に押動することにより、トランクボード20を前方に移動させて、その後端部を上記凹部47からトランクボード20の後端部を抜き出すようにする。この結果、上記トランクボード20の前端部およびその後方部が起伏リンク26およびリンク部材31によって支持されつつ、上記付勢部材34の付勢力に応じてトランクボード20が上方位置に押し上げられることにより、上記リンク部材31および付勢部材34からなるガイド機構27を介してトランクボード20の移動軌跡が規制された状態で、トランクボード20を上方位置に変位させる操作が行われることになる。そして、上記トランクボード20の後端部を上記段部48上に載置することにより、トランクボード20を上記上方位置に保持することができる。
一方、上記上方位置にあるトランクボード20を下方位置に変位させる場合には、上記ガイド機構27によりトランクボード20の移動軌跡を規制しつつ、上記付勢部材34の付勢力に抗してトランクボード20を下降させることにより、上記後部ブラケット33の取付板43をリヤフロアパネル9の開口部30の後縁部に係止するとともに、上記トランクボード20の後端部を後端パネル46の凹部47内に嵌入する。このようにして上記トランクボード20の下面を上記リヤフロアパネル9の上面に当接させるとともに、上記リンク部材31および付勢部材34をリヤサイドフレーム21内に格納した下方位置に上記トランクボード20を変位させることができる。
上記のように車室の後方において車体の底部を形成するリヤフロアパネル9と、このリヤフロアパネル9の下面に接合されて車体の前後方向に延びるリヤサイドフレーム21と、上記リヤフロアパネル9の上面を覆うように設置されて後部荷室3の底面を構成するトランクボード20とを備え、上記リヤフロアパネル9の下方にトランクボード20を昇降可能に支持するガイド機構27を配設し、トランクボード20を上方位置と下方位置との間で昇降変位させる際にその移動軌跡を上記ガイド機構27により規制するように構成したため、後部荷室3の有効利用スペースが狭められるのを防止しつつ、トランクボード20の設置高さを容易に調節できるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、リヤフロアパネル9にリヤサイドフレーム21の設置部上面を開口させた開口部30を形成し、この開口部30を介して上記リヤサイドフレーム21内に上記リンク部材31および付勢部材34からなるガイド機構27を配設するとともに、上記トランクボード20が下方位置にあるときに上記ガイド機構27をリヤサイドフレーム21内に格納するよう構成したため、上記トランクボード20とリヤフロアパネル9との間にガイド機構を配設した場合のように、このトランクボード20とリヤフロアパネル9との間に隙間が形成されるのを防止しつつ、上記ガイド機構27をリヤサイドフレーム21内に隠蔽した状態で安定して支持できるという利点がある。
したがって、必要に応じて上記トランクボード20を最下方位置に下降させることにより、上記後部荷室3の有効利用スペースを最大限に拡大することができるとともに、上記トランクボード20を上方位置と下方位置との間に昇降変位させる際にその移動軌跡を上記ガイド機構27により規制して、上記トランクボード20の昇降操作を容易かつ適正に行うことができる。また、上記トランクボード20を上方位置に上昇させることにより、このトランクボード20の上面と後端パネル46の上端部とを同一高さに設定するとともに、格納位置に変位させた後席シート2のシートバック11と上記トランクボード20とを同一高さに設置した場合には、車体の後方開口部から後部荷室3内に搬入した重量物を上記トランクボード20の上面およびシートバック11の背面に沿ってスムーズにスライド変位させることができるため、上記重量物の出し入れを容易化できるという利点がある。
なお、図6に示すように、上記リヤフロアパネル9に下方へ凹入する凹入部50を形成し、この凹入部50内に上記ガイド機構27を配設した構造とすることも可能であるが、このように構成した場合には、上記リヤフロアパネル9に開口部が形成されることに起因した強度の低下が生じるのを防止できるという利点を有する反面、リヤフロアパネル9の構造が複雑になって製造コストが高くなるという欠点がある。
これに対して上記実施形態に示すように、リヤフロアパネル9に形成した開口部30を介して上記リヤサイドフレーム21内に上記ガイド機構27を配設した場合には、簡単な構成で上記トランクボード20を最下方位置に下降させることができるとともに、上記トランクボード20を昇降変位させる際にその移動軌跡を上記ガイド機構27により規制できるという利点がある。しかも、上記リヤサイドフレーム21内に配設されたリンク部材31および付勢部材34からなるガイド機構27を介して上記開口部30の設置部を補強することにより、この開口部30が形成されることに起因した強度低下を効果的に抑制できるため、車両の後突時に入力される衝突荷重等に応じて上記開口部30の設置部において大きな変形が生じるのを防止できるという利点がある。
また、上記のようにトランクボード20の昇降軌跡を規制するパンダグラフ式のリンク部材31と、トランクボード20を上方に付勢するガススプリングからなる付勢部材34とにより上記ガイド機構27を構成した場合には、上記トランクボード20を下方位置から上方位置に変位させる際に、上記付勢部材34の付勢力に応じてトランクボード20を自動的に上方位置に押し上げることができるため、トランクボード20を上方位置に変位させる操作を容易に行うことができる。
なお、上記ガススプリングにより付勢部材34を構成した上記実施形態に代え、圧縮コイルばね等からなる付勢部材によりトランクボード20を上方に付勢するように構成することも可能である。しかし、上記のように金属製のパイプ材等からなるシリンダ37と、このシリンダ37内に配設されたピストン38と、このピストン38とともに上記シリンダ3に沿って摺動可能に支持されたピストンロッド39とを備えた所定の剛性を有するガススプリングにより上記付勢部材34を構成した場合には、この付勢部材34により上記リヤフロアパネル9を効果的に補強することができる。したがって、車両の後突時に入力される衝突荷重等に応じて後部荷室3が変形するのを、より効果的に防止できるという利点がある。
特に、上記実施形態に示すように、付勢部材34の前後両端部を支持する前部ブラケット32および後部ブラケット33を設け、この前部ブラケット32をリヤサイドフレーム21またはリヤフロアパネル9の凹入部50等からなる車体側部材に取り付けるとともに、後部ブラケット33をトランクボード20に取り付けた構成とした場合には、上記ガススプリング等からなる付勢部材34の取付作業を容易に行うことかできるとともに、車両の後突時に上記トランクボード20等を介して上記後部ブラケット33の設置部に入力された衝突荷重を、上記付勢部材34および前部ブラケット32を介して車体側部材に伝達することにより、上記衝突荷重を分散させて効果的に支持できるという利点がある。
また、上記実施形態では、後席シート2の設置部に位置するセンタフロアパネル7の下方に燃料タンク22を配設するとともに、この燃料タンク22の最後端部よりも後方に上記付勢部材34の後端部を位置させるように配設したため、車両の後突時に入力された衝突荷重等を、上記ガススプリング等からなる付勢部材34により効果的に支持して、上記燃料タンク22の設置部に衝突荷重の影響が及ぶのを防止することにより、車両の安全性を効果的に向上できるという利点がある。
さらに、上記支持プレート12および支軸17等からなる傾動支持機構により、後席シート2のシートバック11を起立状態からシートクッション10上に折り畳んだ状態へと傾動可能に支持するとともに、上記前側リンク13、後側リンク14および連結リンク18等からなる昇降支持機構により、後席シート2のシートクッション10を昇降可能に支持した場合には、後席シート2の不使用時に上記シートクッション10およびシートバック11をコンパクト化して格納することができる。したがって、上記シートバック11の背面を荷物等の載置面として利用できるとともに、後部荷室3の底面を構成するリヤフロアパネル9を上方に大きく嵩上げする等の手段を講じることなく、上記後席シート2の後方に長い前後寸法を有するフラットな荷物載置面を形成することにより、上記後部荷室3の有効利用を図ることができるとともに、この後部荷室3に対する荷物の出し入れを容易化できるという利点がある。
本発明に係る車両の荷室構造の実施形態を示す側面断面図である。 上記荷室構造の具体的機構成を示す側面断面図である。 ガイド機構の具体的構成を示す側面断面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 ガススプリングの具体的構成を示す断面図である。 本発明の別の実施形態を示す背面断面図である。
符号の説明
4 フロアパネル
9 リヤフロアパネル
20 トランクボード
21 リヤサイドフレーム
22 燃料タンク
27 ガイド機構
31 リンク部材
30 開口部
32 前部ブラケット
33 後部ブラケット
34 付勢部材

Claims (6)

  1. 車室の後方において車体の底部を形成するリヤフロアパネルと、このリヤフロアパネルの下面に接合されて車体の前後方向に延びるリヤサイドフレームと、上記リヤフロアパネルの上面を覆うように設置されて荷室の底面を構成するトランクボードとを備えた車両の荷室構造であって、上記リヤフロアパネルの下方にトランクボードを昇降可能に支持するガイド機構が配設され、トランクボードを上方位置と下方位置との間で昇降変位させる際にその移動軌跡が上記ガイド機構により規制されるように構成されたことを特徴とする車両の荷室構造。
  2. 上記リヤフロアパネルには、リヤサイドフレームの設置部上面を開口させた開口部が形成され、この開口部を介して上記リヤサイドフレーム内に上記ガイド機構が配設されるとともに、上記トランクボードが下方位置にあるときに上記ガイド機構がリヤサイドフレーム内に格納されるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の荷室構造。
  3. 上記ガイド機構が、トランクボードを上方に付勢する付勢部材と、トランクボードの昇降軌跡を規制するリンク部材とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の荷室構造。
  4. 上記付勢部材がガススプリングにより構成されたことを特徴とする請求項3に記載の車両の荷室構造。
  5. 上記付勢部材の前後両端部を支持する前部ブラケットおよび後部ブラケットを有し、この前部ブラケットが車体側部材に取り付けられるとともに、後部ブラケットがトランクボードに取り付けられたことを特徴とする請求項3また4に記載の車両の荷室構造。
  6. リヤフロアパネルの下方に燃料タンクが配設されるとともに、この燃料タンクの最後端部よりも後方に上記ガイド機構の後端部が位置するように配設されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の荷室構造。
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JP (1) JP2009241743A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012051528A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Mazda Motor Corp 車両の後部荷室構造
JP2016101834A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 ダイハツ工業株式会社 車両後部構造
WO2017105373A1 (en) * 2015-12-18 2017-06-22 Ford Otomotiv Sanayi A.S. A trunk partition mechanism
JP2018012500A (ja) * 2017-10-27 2018-01-25 ダイハツ工業株式会社 樹脂製バックドアの補強構造

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