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JP2009240757A - クリップ処置具 - Google Patents

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JP2009240757A
JP2009240757A JP2008210541A JP2008210541A JP2009240757A JP 2009240757 A JP2009240757 A JP 2009240757A JP 2008210541 A JP2008210541 A JP 2008210541A JP 2008210541 A JP2008210541 A JP 2008210541A JP 2009240757 A JP2009240757 A JP 2009240757A
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Takayuki Iida
孝之 飯田
Masafuku Sai
勝福 崔
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Abstract

【課題】内視鏡用のクリップ処置具において、処置を行う医師等が、操作量およびクリップ力を適切に把握することができ、あるいはさらに、クリッピングにおけるクリップ力の調整も可能なクリップ処置具を提供する。
【解決手段】生体組織を挟持するクリップと、クリップの腕部を閉塞してクリッピングを行う締付けリングとを有し、クリップの腕部の締付けリングとの摺動面に、操作ワイヤの牽引方向に複数の段差を設け、あるいは、さらに、この段差を締付けリングの弛みを阻止する形状とすることにより、前記課題を解決する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内視鏡用のクリップ処置具に関し、詳しくは、クリップによる生体組織の挟持力を好適に調整可能な内視鏡用のクリップ処置具に関する。
周知のように、内視鏡は、人体等の生体内に挿入されて、臓器の診断や治療、標本の採取等に使用される。
また、周知のように、内視鏡は、基本的に、人体に挿入される挿入部、挿入部の操作や送気送水などの内視鏡の操作を行う操作部、送気源や吸引ポンプ等と接続されるコネクタ(LG(Light Guide)コネクタ)、および、コネクタと操作部および挿入部を接続するユニバーサルコード(LG軟性部)等から構成される。
このような内視鏡を用いる処置の1つとして、先端に爪部を有する2本の腕部を有するクリップを用い、このクリップによって生体組織をクリッピング(挟持)して、止血やマーキング等を行う、クリップ処置具を用いる処理が知られている。
クリップ処置具は、一例として、クリップと、クリップを挿通する締付けリングと、クリップおよび締付けリングを収容するシース(導入管)と、クリップを牽引する操作ワイヤとを有して構成される。
クリップは、一般的に、バネ性を有する板材を折り曲げて形成されており、2本の腕部の開放端側に、生体組織に嵌合して挟持する爪部が形成される。このクリップの腕部は、クリップのバネ性によって互いに開く方向に付勢されており、基端側(折り曲げ側)から開放端側に締付けリングを相対的に移動することで、腕部を閉塞して生体組織をクリッピング(挟持)した状態で固定される。
クリップを用いる処置は、クリップと締付けリングと操作ワイヤとを所定の状態で係合して、シースに装填する。
内視鏡の挿入部の先端部を処置部の近傍まで挿入した後、クリップ等を装填したシースを内視鏡の鉗子チャンネルから体内に挿入して先端を病変部などの処置部の近傍に位置し、例えば、操作ワイヤを固定してシースを引き戻すことにより、クリップの腕部および締付けリングをシースから突出し、さらに、クリップの先端を処置部に当接する。
その後、操作ワイヤを牽引することで、クリップを締付けリングに挿通して、締付けリングによって腕部を押圧して閉塞し、処置部の生体組織を腕部(先端の爪部)でクリッピングする。
内視鏡用のクリップ処置具においては、一度、クリッピングをしたら、必要な期間中、緩むことなくクリップ状態を維持する必要がある。
これを可能にするクリップ処置具として、特許文献1には、クリップの基端側に、自己拡開性によって腕部を開腕させ、かつ、締付けリングを基端側に押し戻す湾曲部を有すると共に、湾曲部の先端側に、先端側に移動した締付けリングが基端側に移動することを阻止する規制部を有する内視鏡用のクリップ処置具が開示されている。
特許文献1に開示されるクリップ処置具においては、上記構成を有することにより、締付けリングが規制部を超える前の状態では、腕部の開き直しが可能であり、かつ、締付けリングが規制部を超える状態とすることにより、最適なクリッピング状態(結紮状態)を確認して、生体組織の挟持(把持)状態を維持することが可能となる。
また、特許文献2にも、クリップの腕部に、シースの先端に配置された先端チップに係合する凸部を有し、この凸部を利用してクリップの閉塞および操作ワイヤの離脱を行うクリップ処置具が開示されている。
このクリップ処置具では、シースから突出させたクリップを操作ワイヤで牽引して、この腕部の凸部を先端チップに係合させることにより、これ以上、クリップがシースに挿入することを阻止し、かつ、凸部によって挿入を阻止されたクリップを、さらに操作ワイヤで牽引することによる基端部の塑性変形によって、処置部のクリッピングを行い、かつ、操作ワイヤをクリップから脱離することを可能にしている。
特開2007−97663号公報 特開2002−272751号公報
クリップ処置具による処置において、適切なクリップ力(挟持力)が得られる操作ワイヤの牽引量(クリッピングの操作量)は、処置する部位によって異なる。
例えば、クリッピングする処置部の大きさが同じであれば、硬性の生体組織と軟性の生体組織とでは、硬性の生体組織の方が、少ない牽引量で大きなクリップ力が得られるので、適切なクリップ力を得るための牽引量は少なくてよい。他方、クリッピングする生体組織の固さが同じであれば、大きな処置部と小さな処置部とでは、大きな処置部の方が、やはり、少ない牽引量で大きなクリップ力が得られるので、適切なクリップ力を得るための牽引量は少なくてよい。
ところが、特許文献1や特許文献2のクリップ処置具では、凸部を有することにより、常に一定の牽引量でクリッピングを行う結果となり、クリッピングする処置部に応じて、クリップ力を調整することは、困難である。
すなわち、従来の生体組織を把持するクリップは、一定の勘合力が働いて把持が完了する。例えば、従来は、操作ワイヤとクリップを接続する連結部材が塑性変形または破断することで、把持の完了が確認されていた。そのため、把持される生体組織側の状態(大きさ、硬さ等)を勘案してクリップ力を調節することはできず、例えば、クリップ完了時におけるクリップ力(把持力、勘合力)が大きすぎる場合、生体を噛みすぎてしまい、適切な止血がなされない場合があった。
また、前記特許文献に開示されるクリップ処置具に関わらず、従来のクリップ処置具では、クリッピングのための操作ワイヤの牽引量を適切に把握することが困難であり、完全に、処置を行う医師や技師の感覚に頼っているのが、現状である。
すなわち、生体組織の硬さを一定とした場合、把持する領域が広ければ、操作ワイヤの牽引開始後すぐにクリップ力(把持力、勘合力)が働き始める。従って、操作ワイヤの全長を使わずとも、所定の勘合力を発生させることができる。そのクリップ力は、医師等の手への反動として伝わるが、感覚的なものであって、定量的ではない。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、内視鏡用のクリップ処置具において、クリッピングを行う処置部に応じて、クリップ力(把持力、勘合力)を調整することが可能で、かつ、クリッピングのための操作ワイヤの牽引量を、処置を行う医師等が容易かつ適切に把握することが可能なクリップ処置具を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、処置を行う医師等が、操作ワイヤの牽引量とクリップ凸部通過および離脱のクリック感によって、クリップ先端で発生している勘合力を推定し、処置部における適切な止血を行うことが可能なクリップ処置具を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明のクリップ処置具は、互いに開放する方向に付勢された複数の腕部を有するクリップと、前記クリップが挿通され、この挿通方向に前記クリップと相対的に移動可能な筒状の締付け部材とを有し、かつ、前記クリップの腕部の少なくとも1つが、前記締付け部材に当接する段差部を、前記挿通方向に2以上有することを特徴とするクリップ処置具を提供する。
このような本発明のクリップ処置具において、前記段差部が、前記腕部の側面または表面に形成された凸部であり、この凸部は、前記締付け部材が前記腕部を開放する方向に移動することを阻止するのが好ましく、また、全ての腕部が、前記挿通方向の同位置に前記段差部を有するのが好ましい。
また、前記締付け部材は、前記クリップの先端側へ移動することで前記クリップの腕部を閉じさせて締付けることにより、前記クリップに把持力(クリップ力)を発揮させるものであり、前記クリップの腕部の前記段差部は、前記クリップによってクリップ処置を行う処置部の大きさの範囲ごとに、その処置部について前記クリップが所定の把持力を発揮する前記締付け部材の位置に対応して設けられているのが好ましい。
上記構成を有する本発明のクリップ処置具によれば、クリップの腕部に締付けリングの内面と係合する段差部を有することにより、クリッピングのためにクリップを締付けリングに挿入する際に、すなわち、締付けリングをクリップの先端側(開放端側)へ相対的に移動させる際に、段差部と締付けリングとが当接および離脱して、クリップおよび締付けリングに衝撃が生じる。言い換えれば、締付けリングとクリップの相対的な移動に伴い、締付けリングがクリップ段差部に当接し、その段差部を乗り越えるときに衝撃が生じる。ここで、本発明によれば、この段差部をクリップの長手方向に複数有する。
そのため、止血やマーキング等の処置を行う医師等は、この衝撃の回数に応じて、クリッピングにおける操作ワイヤの牽引量を、容易かつ適切に感知することができ、その結果、クリッピングの操作中に、操作ワイヤの牽引量に応じたクリップ力(クリップによる生体組織の挟持(把持)力)を適切に把握し、かつ、調整することが可能となる。特に、段差部を凸部として、この凸部を、締付けリングがクリップの腕部が開放する方向に移動するのを阻止する形状とすることにより、段階的なクリップ力の調整を可能にすると共に、より確実なクリッピングが可能となる。
従って、本発明によれば、クリップ処置具を用いた止血やマーキング等の処置を行う医師等が、操作ワイヤの牽引量およびクリップ力を適切に把握して、処置部の状態や大きさに応じた適切なクリップ力で、クリッピングを行うことが可能となる。
以下、本発明のクリップ処置具について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明のクリップ処置具の一例の概念図を示す。
図1は、本発明のクリップ処置具を長手方向に切断した断面図で、(A)および(C)は、後述するスカート部36が開く方向を切断面とする断面図で、(B)および(D)は、この方向と直交する方向の断面図である。
図1に示すクリップ処置具10は、公知のクリップ処置具と同様に、体内において生体組織をクリップ12でクリッピング(挟持(把持))することにより、止血やマーキング等の処置を行うものであって、クリップ12と、締付けリング14と、シース16と、操作ワイヤ18とを有して構成される。
また、クリップ処置具10の基端側(クリップ12の開放端と逆側、クリップ処置具を挿入する内視鏡の操作部側)には、クリップ12によるクリッピング等の操作を行うための、操作手段が設けられている。なお、以下の説明では、基端側の逆側(クリップ12の開放端側)の端部を、先端ともいう。
なお、本発明のクリップ処置具は、図示例に限定はされず、公知の内視鏡用のクリップ処置具(クリップ)が、全て利用可能である。
従って、本発明のクリップ処置具は、標準タイプ、ショートタイプおよびロングタイプのいずれのサイズ(長さ)でもよく、止血用でもマーキング用でも共用でもよく、軟性病巣止血用でも硬性病巣止血用でも共用でもよく、さらに爪部の角度等にも限定はない。
図示例のクリップ処置具10において、クリップ12は、バネ性を有する長尺な1枚の板を半分に折り返した状態とし(図示例では、1枚の板を中心付近の2個所で同方向に曲げて折り返した状態)、さらに、この板を交差させて環状のターン部20を形成し、ターン部20と逆側の開放端に、両端部が対向するように屈曲させた爪部24および24を形成してなる形状を有する。この長尺な板を折り返して交差した交差部26から先端側の領域が、生体組織を爪部24および24でクリッピングするための腕部28および28となる。
すなわち、図示例のクリップ12は、長尺な板を折り返して交差させることによりクリップ12を開放するためのバネとなる環状部を形成してなる、いわゆるクローズクリップである。
図示例のクリップ処置具10は、クリップ12として、ターン部20を有するクローズクリップを用いることで、ターン部20を押圧して腕部に拡開するバネ力を与えることができる点で好ましい。
しかしながら、本発明は、これに限定はされず、長尺な1枚の板を折り曲げただけの、ターン部を有さないオープンクリップ(略U字状のクリップ)を用いてもよい。
クリップ12の腕部28は、クリップ12(折り曲げられた長尺な板)のバネ性によって、先端の爪部24を開く方向に付勢されている。
後に詳述するが、クリップ処置具10においては、クリップ12のターン部20を筒状の締付けリング14に挿入した状態から、操作ワイヤ18を基端側に牽引して、締付けリング14に対してクリップ12を基端側に相対的に移動することにより、締付けリング14によって、バネ性で開いている腕部28を押し込むようにして閉塞して、クリッピングを行う。要するに、クリップ12をターン部20側から締付けリング14に挿通することにより、クリップ12のバネ性で開いている腕部28を締付けリング14で閉塞して、クリッピングを行う。
図1、ならびに、図2(A)および(B)に示すように、クリップ処置具10においては、クリップ12の両腕部28に、操作ワイヤ18の牽引方向に配列して、2つの凸部32aおよび32bが形成される。言い換えれば、凸部32aおよび32bは、締付けリング14へのクリップ12の挿通方向、すなわち、締付けリング14とクリップ12との相対的な移動方向に配列して、形成される。また、2本の腕部28において、一方の腕部28の凸部32aと他方の腕部28の凸部32aは、牽引方向に対して同じ位置に設けられ、同様に、一方の腕部28の凸部32bと他方の腕部28の凸部32bも、牽引方向に対して同じ位置に設けられる。
なお、図2において、(A)は,図1(A)と同方向から見た図であり、(B)は、図1(B)と同方向から見た図である。
凸部32aおよび32bは、半球状の形状を有するものであり、腕部28の締付けリング14(その内面)との摺接面に形成される。すなわち、凸部32aおよび32bは、前記クリッピングを行うための操作ワイヤ18の牽引による、締付けリング14とクリップ12との相対的な移動の際に、腕部28の締付けリング14によって押される面に、形成される。
また、図9に示すように、凸部32aおよび32bは、クリップ12bの腕部28の側面に形成されてもよい。
凸部32aおよび32bは、前記クリッピングの際のクリップ12の基端側への牽引によって、締付けリング14の内壁面に当接して、次いで、離脱し(締付けリング14の先端を通過し)、また、操作ワイヤ18の牽引力が無くなった段階で、締付けリング14を係止する。
本発明においては、牽引方向に配列して、腕部28に、このような凸部32aおよび32bを有することにより、医師等が、クリップ処置具10によるクリッピングにおける操作ワイヤ18の牽引量(クリッピングの操作量)を検知することができ、これにより、クリップ力(腕部28(爪部24)による生体組織の挟持力(把持力))を好適に知ることができる。
また、凸部32aおよび32bによって、締付けリング14が、基端側すなわち腕部28が開く方向に移動することを阻止できるので、締付けリング14によって腕部28が生体組織をクリップした状態を、確実に維持することができる。
この点に関しては、後に詳述する。
シース16は、金属ワイヤを密着巻きしたコイルシースであり、各種のクリップ処置具で用いられている公知のものである。
締付けリング14は、上下端が開放する略円筒状のもので、シース16の内壁面に摺接した状態で、長手方向に進退自在にシース16に収容される。
クリッピングを行う前の状態では、クリップ12のターン部20は、締付けリング14に収納されている。クリップ12のターン部20は、クリップ12のバネ力(腕部28を開こうとする力)によって締付けリング14の内面に押圧されており、この押圧力により、クリップ12が締付けリング14に保持される。
締付けリング14は、スカート部36を有している。このスカート部36は基端側端部を締付けリング14の基端部よりも若干先端側に位置する、外方向に開こうとする肉厚の板状部である。
スカート部36は、締付けリング14がシース16内に収容されている状態では、図1(C)に示すように、シース16の内壁によって内方に押し込まれている。一方、スカート部36は、締付けリング14がシース16から突出すると、図1(A)に示すように、外方に開く。これにより、スカート部36が妨害になり、シース16から突出した締付けリング14が、再度、シース16内に戻ることを阻止する。
また、スカート部36がシース16の内壁によって内方に押し込まれることによって、この押圧力によって、締付けリング14がシース16内の所定位置に保持される。
操作ワイヤ18は、クリップ処置具10(クリップ12)によるクリッピングを行うためのものであり、操作ワイヤ18の先端のフック38がクリップ12のターン部20に係合する。
この操作ワイヤ18の基端側の端部は、前述のクリッピング等の操作を行うための操作手段に接続されている。操作ワイヤ18は、医師等による操作手段の操作により、基端側に牽引される。
以下、クリップ処置具10の作用を説明することにより、本発明のクリップ処置具について、より詳細に説明する。
クリップ処置具10を用いた処置を行う場合には、まず、クリップ12のターン部20を締付けリング14に挿入して、シース16に操作ワイヤ18を挿通した状態でシース16の先端から突出させたフック38をターン部20に係合させて、クリップ12を操作ワイヤ18に取り付ける。
次いで、シース16に対して操作ワイヤ18を基端側へ牽引して、シース16の先端から締付けリング14の基端部側を挿入し、クリップ12の爪部24と、シース16の先端とが一致する図1(C)および(D)に示す状態として、シース16にクリップ12(および締付けリング14)を装填する。両図に示すように、この状態では、クリップ12の腕部28は、シース16の内壁面に押圧され、閉塞したような状態となっている。
内視鏡が体内に挿入され、内視鏡の先端部が、クリッピングを行う処置部の近傍に到達する。次いで、前述のようにクリップ12を装填したクリップ処置具10のシース16が、内視鏡の鉗子孔から鉗子チャンネル(処置具挿入チャンネル)に挿入される。
内視鏡に挿入されたクリップ処置具10のシース16は、内視鏡の先端部まで到達し、さらに、内視鏡先端部から突出し、クリッピングを行う処置部の近傍まで挿入される。
次いで、操作ワイヤ18を固定した状態で、シース16のみが、所定長、基端側に引かれる。
このシース16の牽引により、図1(A)および(B)に示されるように、クリップ12の腕部28および締付けリング14が、シース16から突出して、クリップ12のバネ力によって、腕部28が開放する。また、締付けリング14は、スカート部36が開いて、シース16への再挿入が不可能な状態となる。
すなわち、前記シース16を牽引する所定長は、スカート部36が完全にシース16から突出し(スカート部36が完全に開放し)、かつ、締付けリング14の一部がシース16内に残る牽引長を、締付けリング14等に応じて、適宜、設定する。
なお、シース16を固定した状態で操作ワイヤ18を所定長、先端側へ押し出すことにより、図1(A)および(B)に示されるような、クリップ12の腕部28が開放され、かつ締付けリング14のスカート部36が広がった状態を得てもよい。
次いで、医師または技師は、例えば爪部24をクリッピングする生体組織に押圧し、操作手段によって操作ワイヤ18を牽引する。
操作ワイヤ18を牽引する前は、クリップ12は、図3(A)に示すように、腕部28が開いた状態となっている。また、締付けリング14は、スカート部36が開いて、シース16への再挿入は不可能となっている。
従って、この状態から、操作ワイヤ18を牽引することにより、クリップ12の腕部28が基端側から締付けリング14に収容されて、これに応じて腕部28が、締付けリング14によって押圧されて、次第に、閉塞していく。すなわち、ターン部20を先端にしてクリップ12が締付けリング14に挿通されることで、腕部28が、締付けリング14の内壁面(基端側の逆端の内壁角部)によって押圧され、腕部28が閉塞される。
操作ワイヤ18の牽引が進行すると、クリップ力は増加し、まず、腕部28に設けられた基端側の凸部32bを締付けリング14の先端部が通過して、図3(B)に示す状態となる。すなわち、この状態では、締付けリング14の先端部(締付けリング14における、腕部28の押圧部)は、腕部28の凸部32aと凸部32bとの間に接触して、此処を押圧している腕部28を締付けている。
この締付けリング14が凸部32bを通過する際に、両者の当接および離脱によって、クリップ12と締付けリング14との間に衝撃が生じ、この衝撃が操作ワイヤ18およびシース16を伝わって操作手段に伝わる。この凸部32bと締付けリング14との当接および離脱による衝撃が生じることで、操作を行う医師または技師は「カチッ」という感じの、いわゆるクリック感を受ける。従って、医師等は、このクリック感によって、操作ワイヤ18の牽引量(クリッピングの操作量)が、ある所定量に達したことを感知でき、この牽引量に応じたクリップ力を把握できる。
この状態で、十分なクリップ力が得られ、適切なクリッピングが行われた(クリッピングが終了した)と判断した場合には、例えば、シース16をさらに牽引して、シース16から締付けリング14を排出し、さらに、操作ワイヤ18を操作して、フック38をクリップ12のターン部20から外して、クリップ処置具10を内視鏡から引き抜く。
この状態で、腕部28が開く方向(すなわち、基端側に向かう方向)に締付けリング14が移動しても、凸部32bと締付けリング14の内壁面とが当接して、クリップ12のバネ力によって押圧され、これ以上、締付けリング14が同方向に移動すること(以下、便宜的に、この方向への締付けリング14の移動を「締付けリング14の弛み」とする)を凸部32bが阻止する。
従って、バネ力および生体組織の反力による腕部28が開放しようとする力を含むクリップ12と締付けリング14との摩擦力に加え、この凸部32bによる締付けリング14の弛み阻止の作用によって、クリップ12のクリップ力が低下することがなく、クリップ12が生体組織をクリップした状態を、適切に保つことができる。
他方、図3(B)に示される、締付けリング14が基端側の凸部32bを通過した状態では、クリッピングが終了していないと判断した場合には、医師等は、さらに操作ワイヤ18を牽引する。同様に、操作ワイヤ18の牽引が進行すると、さらに腕部28が閉塞して、次第にクリップ力は増加し、次いで、締付けリング14は、腕部28に設けられた先端側の凸部32aを通過して図3(C)に示す状態となる。すなわち、この状態では、締付けリング14の先端部(締付けリングにおける、腕部28の押圧部)は、腕部28の凸部32aよりも先端側に接触して、此処を押圧して腕部28を締付けている。
この締付けリング14が凸部32aを通過する際にも、先と同様の衝撃が生じ、この衝撃が操作手段に伝わって、操作を行う医師等がクリック感を受ける。従って、医師等は、このクリック感によって、操作ワイヤ18の牽引量が、図3(B)に示す状態から、さらに牽引した所定量に達したことを感知し、かつ、増したクリップ力を把握できる。
これにより、クリッピングが終了して、先と同様に、シース16を牽引して締付けリング14を排出し、さらに、操作ワイヤ18を操作して、フック38をクリップ12のターン部20から外して、クリップ処置具10を内視鏡から引き抜く。
この状態でも、先の図3(B)に示す状態と同様、より強くなったクリップ12と締付けリング14との摩擦力に加え、凸部32aが締付けリング14の弛みを阻止するので、適切なクリップ状態を保つことができる。
クリップ処置具10によるクリッピングの操作において、操作ワイヤ18の牽引量と、クリップ12のクリップ力とには関係が有り、牽引量が多くなるほど、クリップ力も増加する。
他方、牽引量が同じでも、得られるクリップ力は処置部(クリッピングする生体組織)の状態によって異なる。例えば、クリッピングする処置部の大きさが同じであれば、生体組織が硬性の場合には、軟性の場合よりも少ない牽引量で大きなクリップ力が得られる。また、処置部の生体組織の固さが同じであれば、処置部の大きさが大きい場合には、小さい場合よりも少ない牽引量で大きなクリップ力が得られる。
すなわち、前述のように、適切なクリッピングに必要なクリップ力は、処置部の状態によって異なり、大きさが同じ処置部であれば、硬性と軟性の生体組織とでは、硬性の生体組織の方が、適切なクリップ力を得るための牽引量は少なく、他方、固さが同じ生体組織であれば、大きさの異なる処置部では、大きな処置部の方が適切なクリップ力を得るための牽引量は少ない。
ところが、従来のクリップ処置具では、常に一定の牽引量でクリッピングを行う結果となり、クリッピングする処置部に応じて、クリップ力を調整することは、困難である。しかも、従来のクリップ処置具では、クリッピングのための牽引量を適切に把握することが困難であり、処置を行う医師等の感覚に頼っている。
これに対し、上述したように、本発明のクリップ処置具10によれば、クリップ12の腕部28に、牽引方向に配列して凸部32aおよび32bを有するので、締付けリング14が凸部を通過する際におけるクリック感によって、医師等が、操作ワイヤ18の牽引量を適切に感知することができ、これにより、それぞれの牽引量におけるクリップ力を把握することができる。しかも、図示例であれば、締付けリング14の先端部が凸部32bを超えた図3(B)に示す状態と、締付けリング14の先端部が凸部32aを超えた図3(C)に示す状態の2段階のクリップ力で、クリッピングを行うことができる。
すなわち、本発明の内視鏡用のクリップ処置具によれば、クリップ処置具を用いた止血やマーキング等の処置において、医師等が、操作ワイヤの牽引量およびクリップ力を適切に把握して、処置部の状態や大きさに応じた適切なクリップ力で、クリッピングを行うことができる。また、凸部を有することで、締付けリング14の弛みも阻止できる。
なお、クリック感ではなく、またはクリック感に加えて、内視鏡の撮像部によって得られた映像から、締付けリング14の先端部が凸部をいくつ通過したかを把握することにより、クリップ処置具10のクリップ力を把握することもできる。
次に、本発明のさらに好ましい形態について説明する。本実施形態では、凸部32aおよび32bが、予め求められた、クリッピングを行う処置部の大きさに対応した、クリップ12のクリップ力(把持力)と操作ワイヤ18の牽引量との関係に基づいて、クリップ12の腕部28の所定の位置に設けられている。
図4は、本実施形態のクリップ処置具10aの先端部分の概略構成を示す断面図である。図4に示すクリップ処置具10aは、上述した図1のクリップ処置具10のクリップ12において、腕部28に、凸部32aおよび32bのほかに、さらに、凸部32cを設けたものであり、その他構成は図1のクリップ10と同様である。なお、図4に示されるクリップ処置具10aは、スカート部36が開く方向と直交する方向の断面図であるため、スカート部36は、図示されていない。
クリップ処置具10aにおいて、クリップ12aの凸部32a、32b、32cは、クリップ処置を行う処置部(把持する生体組織)の硬さが一定の範囲であるときに、処置部の大きさの範囲ごとに、その処置部についてクリップが所定の把持力を発揮するための、締付けリング14の先端が来るべき位置に対応して設けられている。すなわち、処置部が比較的小さいときは最も先端側にある凸部32aよりも先端側の位置まで締付けリング14を移動させることで、所定の勘合力(クリップ力)が発揮され、処置部が比較的大きいときは、それよりも後端部にある凸部32b、さらに処置部が大きいときは、凸部32cを超える位置まで締付けリング14を移動させることで、所定の勘合力が発揮されるように、各凸部32a、32b、32cの位置が定められている。
図5は、図4のクリップ処置具10aによるクリップ処置の様子を概念的に示す模式的断面図であり、(A)は、把持される生体組織Sが比較的狭い領域L1である場合、(B)は、比較的広い領域L2である場合を示す。
また、図6は、図5(A)および(B)の各処置動作中のクリップ10aにおける、操作ワイヤ18の牽引量と、クリップ12aの爪部24、24の間に発生する勘合力(把持力)との関係の一例を示すグラフである。図6のグラフにおいて、横軸は、クリップ12aをシース16の先端にセットした初期状態(図4の状態)からの操作ワイヤ18の牽引量(mm)、縦軸は、そのワイヤ牽引量のときに発生するクリップ12aの勘合力(クリップ力、把持力)(N)を示す。グラフAが、図5(A)に対応し、比較的狭い領域L1を把持するときのグラフであり、グラフBが、図5(B)に対応し、比較的広い領域L2を把持するときのグラフである。
クリップ処置具10aの勘合力は、クリップ12aの左右の爪24,24が生体組織Sを挟んだときに発生し始める。
図5(A)の比較的狭い領域L1を把持する場合、図6のグラフAの例では、操作ワイヤ18の牽引量が1.7mmのところまでは、勘合力は発生していない。この間は、クリップ12aの拡開量が徐々に狭まってはいるが、まだ爪部24,24が生体組織Sに当接していない状態にある。
操作ワイヤ18の牽引量が1.7mmのところで爪部24,24が生体組織Sに当接し、爪部24,24の間に把持力が発生する。
操作ワイヤ18を1.9mmまで牽引すると、締付けリング14の先端部が、凸部32cを通過する。凸部32cにおける勘合力は、0.07Nである。
さらに、操作ワイヤ18を2.3mmまで牽引すると、締付けリング14の先端部が、凸部32bを通過する。凸部32bにおける勘合力は、0.24Nである。
さらに、操作ワイヤ18を2.7mmまで牽引すると、締付けリング14の先端部が、凸部32aを通過する。その時点における凸部は、0.43Nである。
最終的に、操作ワイヤ18は3.1mmまで牽引することができる。その場合における、勘合力は、0.6Nである。
締付けリング14の先端が、凸部32c、32b、32aを通過する際に、両者の当接および離間によって、クリップ12aと締付けリング14との間に衝撃が生じ、この衝撃が操作ワイヤ18およびシース16を伝わって操作手段に伝わる。この凸部32c、32b、32aと締付けリング14との当接および離脱による衝撃が生じることで、操作を行う医師等は「カチッ」という感じの、いわゆるクリック感を受ける。
クリップ12aの爪部24,24と生体組織Sとの間における勘合力が所定値以上であれば、クリップ12aによる把持は適切に行われる。ある生体組織についてクリップ処置を行う場合、その部位の生体組織の硬さ等の条件から、クリップ処置に必要な、または最適な勘合力に応じた操作ワイヤ18の牽引量が予め設定できる。例えば、把持に必要な勘合力が0.4Nであるとした場合、クリップ処置具10aの締付けリング14が凸部32aを超える位置に到達するまで操作ワイヤ18を牽引して、締付けリング14の先端を凸部32aよりも先端側(開放端側)へ移動させることで、所定の勘合力0.4N以上を得ることができる。
そして、クリップ処置完了後に、腕部28が開く方向(すなわち、基端側に向かう方向)に締付けリング14が移動したとしても、クリップ12aが開こうとする付勢力だけでは、締付けリング14は、凸部32aを乗り越えて移動することはできず、凸部32aと当接する位置に留まる。このときのクリップ12aの爪部24,24と生体組織Sとの間における勘合力は0.43Nであるので、必要な勘合力0.4Nを確保することができる。
一方、図5(B)の比較的広い領域L2を把持する場合、図6のグラフBの例では、操作ワイヤ18の牽引量が1.2mmのところまでは、把持力は発生していない。この間は、クリップ12aの拡開量が徐々に狭まってはいるが、まだ爪部24,24が生体組織Sに当接していない状態にある。
操作ワイヤ18の牽引量が1.2mmのところで爪部24,24と生体組織Sが当接し、爪部24,24の間に勘合力が発生し始める。
ここで、クリップ12aをシース16の先端にセットした初期状態(図4の状態)から、爪部24,24が比較的広い領域L2を把持するまでの爪部24,24の移動長さの方が、比較的狭い領域L1を把持するまでの同移動長さよりも短いため、領域L2を把持するときの方が、領域L1を把持するときよりも、少ないワイヤ牽引量で勘合力が発生し始める。
操作ワイヤ18を1.9mmまで牽引すると、締付けリング14の先端部が、凸部32cを通過する。凸部32cにおける勘合力は、0.32Nである。
さらに、操作ワイヤ18を2.3mmまで牽引すると、締付けリング14の先端部が、凸部32bを通過する。凸部32bにおける勘合力は、0.48Nである。
さらに、操作ワイヤ18を2.6mmまで牽引すると、勘合力は、0.6Nに達する。
凸部32bを通過した時点で、操作ワイヤ18を牽引できる量は残っているが、設計上の勘合力は達せられたので、これ以上、操作ワイヤ18を牽引する必要はない。
締付けリング14の先端を凸部32bよりも先端側へ移動させることにより、クリップ12aと締付けリング14との摩擦力に加え、凸部32bが締付けリング14の弛みを阻止するので、0.4N以上の勘合力を有する状態を保つことができる。また、締付けリング14の先端が凸部32bを越えた時点、すなわち所定の勘合力が得られた時点でクリップ12aの締付けを止めることにより、過剰な締付けによる生体へのダメージを防止し、適切なクリッピング状態を得ることができる。
操作ワイヤ18の牽引による締付けリング14の移動により、クリップ12aで所定の勘合力が得られると、上述の例と同様に、シース16の先端から締付けリング14を排出し、次いで、操作ワイヤ18を操作して、操作ワイヤ18の先端のフック38とクリップ12aと連結を解除し、クリップ12aをクリップ処置具10aから離脱させる。
あるいは、シース16を固定した状態で操作ワイヤ18をわずかに押し出して、フック38をクリップ12aのターン部20から外し、その後、クリップ処置具10aを後退させることでクリップ12aをクリップ処置具10aから離脱させてもよい。なお、フック38を外す際、クリップ12aは、締付けリング14に締付けられているので、操作ワイヤ18を押出したとしても、先端部側へ前進することはない。
このように、本実施形態によれば、処置部の大きさの範囲ごとに、その処置部についてクリップが所定の把持力を発揮するための、締付けリング14による締付け位置に対応して、クリップ12aに複数の凸部32a〜32cが設けられているので、処置部が大きいときは凸部1つ分、やや小さいときは凸部2つ分、さらに小さいときは凸部3つ分、というように、処置部の大きさに対応する凸部の位置まで締付けリング14を移動させることで、適切な勘合力(クリップ力)でのクリップ処置を行うことができる。
従って、クリップ処置具10aを操作する医師等は、予め、内視鏡の撮像部による映像で処置部の大きさを目視で確認し、その大きさに対応する凸部の位置まで締付けリング14を移動させてクリップ処置を行えば、適切な勘合力で止血を行うことができる。
また、締付けリング14が凸部を通過するごとに、衝撃がクリック感として手元(操作手段)に伝わるので、医師等の操作者は、クリック感を受けた回数によって、クリップ12aの締付け量を調節することができ、各処置部に対して適切な勘合力(クリップ力)でのクリップ処置を、容易に行うことができる。
また、クリップ処置具10aにより把持される生体組織Sの硬さにより、操作ワイヤ18の牽引量と、クリップ12aの爪部24、24の間に発生する勘合力(把持力)との関係を示す図6のグラフは変化する。従って、予め、処置対象部位の硬さのレベルごとに、操作ワイヤ16の牽引量、すなわち、締付けリング14の押し込み量と、クリップ12aの勘合力との関係を得ておき、クリップ処置を行う際、処置する生体組織Sの硬さや処置する部位により、必要な、または最適な勘合力を得るように、操作ワイヤ16の牽引量、すなわち、締付けリング14を通過させる凸部の数を設定すればよい。
あるいは、処置対象部位または生体組織Sの硬さのレベルごとに、異なる位置に凸部を設けたクリップを複数種用意し、処置対象部位に応じたクリップを使用することにより、常に、処置部の大きさのレベルに応じて凸部の数を選択するだけで、適切な勘合力(クリップ力)を得られるようにしてもよい。
本発明のクリップ処置具において、クリップ12の腕部に設ける凸部の数は、図示例の2個または3個に限定はされず、4個以上であってもよい。
凸部の数が多い程、医師等が細かく操作ワイヤの牽引量を把握することができ、かつ、より細かなクリップ力の調整が可能となる。
ただし、一度締付けた締付けリング14をクリップ12から外すことがある場合には、凸部32の数が少ない方が把持部から外すのが容易である。
本発明のクリップ処置具において、凸部の形状は、図2に示すような半球状に限定はされず、各種の形状が利用可能である。すなわち、凸部の形状、さらには大きさは、クリップ12の形状やバネ力、締付けリング14の形状、さらには、クリップ12と締付けリング14との摩擦力等に応じて、締付けリング14の弛みを阻止できる形状や大きさを、適宜、設定すればよい。
例えば、より確実に締付けリング14の弛みを阻止できる形状として、図7(A)および(B)に示されるような、腕部28(凸部の形成面)に対して(略)直角に立設する面と、腕部28に対して傾斜する面とを有する、頂点を基端側に向けた楔状(略V字状)の凸部40aおよび40bが例示される。
また、図8に凸部32bを例示して示すように、締付けリング14の先端側の端部(あるいは端部近傍)に、内方に突出するリブ(凸部)14aを設けることにより、凸部32bによる締付けリング14の弛みの阻止効果を、より好適なものとしてもよい。なお、このリブ14aは、締付けリング14bの内面全周に設けてもよく、凸部32bとの当接部のみに設けてもよい。
上記の各例では、クリップ12等の表面(板面)に凸部32a等を設けた例について説明したが、本発明のクリップ処置具において、クリップの凸部は、図9に示すように、クリップ12の側面(エッジ面)に設けてもよい。図9に示すクリップ12bは、腕部28の両側面に3つの凸部32’a,32’b,32’cを有している。この場合も、凸部32’a等は、締付けリング14の先端部内壁に摺接し、クリップ12bと締付けリング14との間で衝撃を発生させ、クリック感を操作手段へと伝えることができる。また、クリップ12bの腕部28の側面に凸部を設ける上記形態は、クリップの製造が容易であり、本発明のクリップ処置具の製造プロセスを容易にできるという利点がある。
また、本発明のクリップ処置具において、クリップ12は、腕部28を2本有するものに限定はされず、3本以上の腕部28を有するものであってもよい。
ここで、凸部は、クリップの全ての腕部28に形成されるのが好ましいが、本発明は、これに限定はされず、1つの腕部28のみに凸部を形成してもよく、あるいは、各腕部28の牽引方向の異なる位置に凸部を形成して、それぞれで、クリック感の発生および締付けリング14の弛みを阻止に作用するものであってもよい。
さらに、本発明において、クリップ12の腕部28に設ける凸部は、締付けリング14の弛みを阻止する作用を有するものにも限定はされない。
すなわち、本発明のクリップ処置具においては、クリップのバネ力およびクリップした処置部の反力を含む、クリップ12と締付けリング14との摩擦力のみで、クリップ状態を維持する構成として、腕部28に形成する凸部は、クリック感のみを発生して、医師等に、操作ワイヤ18の牽引量を感知させる作用のみを有するものであってもよい。
なお、以上の例は、腕部28に凸部を設けることにより、操作ワイヤ18の牽引によるクリック感の発生あるいはさらに締付けリング14の弛みの阻止を行っているが、本発明は、これに限定はされず、例えば、腕部28の表面に溝等の凹部を設けることにより、同様のクリック感の発生あるいはさらに締付けリング14の弛みの阻止の効果を発現するものであってもよい。
ところで、図1に示すクリップ処置具10は、クリップ12を1個のみ有する、単発式のクリップ処置具であり、一回のクリッピング毎に、シース16を内視鏡から引き抜いて、クリップ12(および締付けリング14)を装填して、再度、シース16を体内に挿入するクリップ処置具である。
これに対して、複数のクリップを装填可能として、一度、シースを体内に挿入したら、シースを体内から引き抜く必要なく、複数回のクリッピングを連続して行うことが可能な、連発式のクリップ処置具も、各種、提案されている。
例えば、特開2002−272751号公報には、シースと、シースに進退自在に挿通された複数の操作ワイヤと、複数のクリップとを有し、クリップをシース内に直列に収容すると共に、クリップと操作ワイヤとを個々に係合させた、連発式のクリップ処置具が開示されている。
また、特開2006−187391号公報には、シースと、シースの軸線方向に複数収納されるクリップと、クリップの操作ワイヤとを有する連発式のクリップ処置具において、クリップの基端部に、クリップの開閉方向と平行で、かつ、先端爪部が係合可能な連結孔を有する開口面を設け、シース内に、クリップを90°ずつ交互に向きを代えて配列して、クリップの先端爪部と連結孔とを係合して複数のクリップを直接連結してなる、連発式のクリップ処置具が開示されている。
本発明のクリップ処置具は、クリップと、このクリップを挿通して腕部を閉塞させる筒状(環状を含む)の締付けリング(クリップの締め環)とを有するものであれば、単発式のクリップ処置具のみならず、上記各公報等に開示されるような、連発式のクリップ処置具にも、好適に利用可能である。
また、本発明のクリップ処置具において、操作ワイヤに掛かる荷重を検出する検出器(ロードセル等)を操作手段等に配置し、その検出信号を内視鏡の画像処理装置に送って、検出値を内視鏡画像のモニタ等に表示するようにしてもよい。この場合は、医師等は、検出器で検出された操作ワイヤに掛かる荷重から、クリップ先端で発生しているクリップ力を把握することができ、所定のクリップ力が得られる凸部の位置で、操作ワイヤの牽引をやめることで、適切なクリップ力の範囲でのクリップ処置を行うことができる。
以上、本発明のクリップ処置具について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
例えば、クリップや操作ワイヤ等が安全かつ安定して挿入可能であれば、本発明の連発式クリップ処置具において、シースを用いず、内視鏡の鉗子チャンネルをクリップを収容するシースとして利用して、連発式クリップ処置具を構成してもよい。
(A)〜(D)は、本発明のクリップ処置具の一例を概念的に示す断面図である。 (A)および(B)は、図1に示すクリップ処置具の腕部に設けられる凸部を概念的に示す図である。 (A)〜(C)は、図1に示すクリップ処置具の作用を説明するための概念図である。 本発明のクリップ処置具の他の例の先端部の概略構成を示す断面図である。 (A)および(B)は、図4のクリップ処置具によるクリップ処置の様子を概念的に示す模式的断面図である。 図4のクリップ処置具における、操作ワイヤの牽引量とクリップの勘合力との関係を示したグラフである。 (A)および(B)は、本発明のクリップ処置具の腕部に設けられる凸部の別の例を概念的に示す図である。 本発明のクリップ処置具の締付けリングの別の構成例を概念的に示す図である。 本発明のクリップ処置具の腕部に設けられる凸部の別の例を示す斜視図である。
符号の説明
10、10a、10b クリップ処置具
12、12a、12b クリップ
14 締付けリング
16 シース
18 操作ワイヤ
20 ターン部
24 爪部
26 交差部
28 腕部
32a,32b,32c,32’a,32’b,32’c,40a,40b 凸部
36 スカート部
38 フック

Claims (4)

  1. 互いに開放する方向に付施された複数の腕部を有するクリップと、前記クリップが挿通され、この挿通方向に前記クリップと相対的に移動可能な筒状の締付け部材とを有し、
    かつ、前記クリップの腕部の少なくとも1つが、前記締付け部材に当接する段差部を、前記挿通方向に2以上有することを特徴とするクリップ処置具。
  2. 前記段差部が、前記腕部の側面または表面に形成された凸部であり、この凸部は、前記締付け部材が前記腕部を開放する方向に移動することを阻止する請求項1に記載のクリップ処置具。
  3. 全ての腕部が、前記挿通方向の同位置に前記段差部を有する請求項1または2に記載のクリップ処置具。
  4. 前記締付け部材は、前記クリップの先端側へ移動することで、前記クリップの腕部を閉じさせて締付けることにより、前記クリップに把持力を発揮させるものであり、
    前記クリップの腕部の前記段差部は、前記クリップによってクリップ処置を行う処置部の大きさの範囲ごとに、その処置部について、前記クリップが所定の把持力を発揮する前記締付け部材の位置に対応して設けられている請求項1〜3のいずれかに記載のクリップ処置具。
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