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JP2009139190A - 樹脂成型光学レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】赤外線受光素子へ検出対象面の赤外線を集光させる樹脂材から成る光学レンズは、レンズ支持部とレンズ部の形状サイズにおいて、射出成型の成立条件面よりレンズ部形状や大きさに関して設計制約を有していた。
【解決手段】上部側に配置する赤外線集光レンズ部と下部側に配置する焦電型赤外線検出器への装着支持部とに独立分離させた樹脂成型品を形成し、前記集光レンズ部と支持部とを超音波溶着した一体化光学レンズとして構成する。また赤外線検出装置の構築案に合わせて、前記上部側集光レンズを様々な赤外線検出領域を有する各種レンズに変更、調整する事により、赤外線検出領域の分割、区分化選択が容易に行える。
【選択図】図1

Description

本発明は、人体検出装置に搭載される焦電型赤外線検出器へ具備する、人体からの赤外線を赤外線受光素子へ集光させる樹脂成型光学レンズに関するものである。
焦電型赤外線検出器を用いた人体検出等を目的とする赤外線検出装置は、焦電型赤外線検出器内部に配置された赤外線受光素子へ検出対象領域内からの放射赤外線を集光させる光学レンズを、前記焦電型赤外線検出器に焦点位置を合わせる形で設置する事により、設計区分化された赤外線検出領域を有するべく構築されている。前記光学レンズは一般に赤外線透過材から成る樹脂材が用いられており、例えば、一定範囲の検出対象面を複数の赤外線検出領域に分割化させる場合、凸形状体もしくはフレネル形状体の小レンズセグメントを密に集合配置した多集合型レンズとして構成され、前記光学レンズ部の外形状は肉薄球面形状もしくは非球面形状のものが多く使用されている。
ここで焦電型赤外線検出器へ具備される光学レンズ3aは、図10に示す集光レンズとして前記赤外線受光素子4との焦点距離関係を考慮して光学設計されており、最適な赤外線集光性を得る位置へ配置する為、前記焦電型赤外線検出器5と共に配線基板6上に固定される。図9は、図10の分解外観図に記す赤外線検出装置の側面概要図を示しており、赤外線受光素子4起点から各集光レンズA、B、C、・・の焦点間距離がFとなる様に構成配置された赤外線検出装置を示している。
尚、図中では配線基板上の回路接続用結線並びに実装電子部品等が存在するが、図が煩雑となる為割愛をした。
また、特開平8−313339号並びに特開2001−304956号に記される様に、集光光軸ズレ抑制や検出器周辺に生じる風の揺らぎによる検出ドリフトを回避し誤動作を防止する目的として、光学レンズを赤外線検出器に直接装着させて固定支持させる手法も普及している。
特開平8−313339号 特開2001−304956号
解決しようとする問題点は、例えば図8に示す様な焦電型赤外線検出器5へ直接装着支持させる光学レンズ3bは、従来、赤外線透過性に優れた高密度ポリエリレン材等から成る射出成型品としてレンズ部1と支持部2が一体型形成されているが、射出成型金型の構造上並びに成型成立条件面より、焦電型赤外線検出器へ装着される支持部2の最大外形サイズに対して上側に位置する集光レンズ部1最大外形サイズを支持部よりも大きくする構成は、射出成型における一体型形成では困難であるという点である。
従って、例えば検出対象面の赤外線検出領域を細かく分割する複数個の小レンズセグメントを密に配置する様に設計された光学レンズ(凸形状体やフレネル形状体から成る多集合型集光レンズ)を具備する赤外線検出装置を構築する場合、一般的に赤外線検出性能を保持する目的で、前記複数個配置された小レンズセグメント面積を広くして検出対象域の赤外線量を多く受光させる光学設計を行う必要があり、構成される光学レンズ部自体の形状、大きさが、例えばTO−5型焦電型赤外線検出器を搭載使用する場合では、検出器缶のパッケージサイズよりも大となる設計を採用しなければならないという問題が生じていた。換言すれば一体型射出成型では、光学レンズの固定支持部の大きさが搭載想定している焦電型赤外線検出器パッケージ外周より大きくなる事を意味しており、レンズ支持部を焦電型赤外線検出器へ直接ホールドが可能な取り付け構造に成型する事が困難であった。この事は光学レンズの赤外線検出装置への取り付け手法として、焦電型赤外線検出器へ直接装着を行うという簡素化した組立工程の適用、導入への妨げになり、結果的に光学レンズ部と同様サイズのスペースが前記光学レンズの固定領域として配線基板面上に必要であった。
本発明は、上記課題を解決する為に請求項1として、従来一体型の射出成型品であった樹脂成型光学レンズの上部側レンズ部と下部側固定支持部を、上部側に配置される多種多様な赤外線検出領域を有する集光レンズ部と、下部側に配置される焦電型赤外線検出器に直接装着し固定する支持部とをそれぞれ独立分離させた二体の樹脂成型品を作製して、前記集光レンズ部と支持部とを勘合し、勘合部にリブ成形を施しておく事で、超音波溶着法を用いてリブを溶かし上下部を機械的接続させて一体化光学レンズとして構成する事を特徴としている。
請求項2では、前記上部側集光レンズ部が複数個配置構成された多集合型集光レンズとして形成された請求項1記載の光学レンズにおいて、焦電型赤外線検出器への装着方向を赤外線受光素子と同軸方向に配置する第一支持点と、45度軸回転させた方向に配置する第二支持点との2方向に設置可能な構成を有しており、赤外線検出領域の投影形状が選択可能な構成である事を特徴としている。
本発明の樹脂成型光学レンズによれば、請求項1として、射出成型において一体型構造の成型成立面に限界のあった形状サイズの光学レンズ構成を、上部側集光レンズ部と下部側支持部とに独立分離して形成する事で、一体型構造では困難であった大きさや形状で構成される上部側に配置される集光レンズ部を、焦電型赤外線検出器へ直接装着取り付けが可能な構造を設けた下部側支持部へ勘合して超音波溶着を行う事によって、簡単に機械的接続された一体化構成を成す事が出来る。
超音波溶着手法によって集光レンズ部と支持部とが一体化された光学レンズが作製可能な事から、従来レンズ部形状が大きくあった為にレンズ固定を配線基板上でのみに配置しなければ構成出来なかったサイズの射出成形光学レンズであっても、集光レンズ部と支持部を独立分離させた構造を適用すれば、実装搭載基板部の面積低減化並びに赤外線検出装置の組立工程の簡素化を進める事が出来る。更に光学レンズを焦電型赤外線検出器へ直接装着させて固定が行える事で、レンズと赤外線受光素子との集光光軸の位置ズレが発生しにくくなり集光ロスも低減する為、光学位置が最適な安定した赤外線検出性能を有した赤外線検出装置の提供が可能になる。
請求項2として、請求項1記載の光学レンズにおいて、焦電型赤外線検出器への光学レンズ装着方向の支持点が2方向に選択可能で有る為、一タイプの複数分割型光学レンズを用いて二タイプの赤外線検出領域に分割、区分形成させる事が可能であり、人体検出等の赤外線検出装置の構築設計に関しての一助ともなり、設計選択の自由度ある提案が提供可能であると云える。
更に請求項1または2に記載の光学レンズにおいて、上部側集光レンズ部を凸形状体もしくはフレネル形状体から成る単眼型やレンズ部が複数個配列された多集合型の各種アレンジされた小レンズセグメントを有し、肉薄球面状もしくは非球面形状に成型された多種多様な赤外線検出領域に分割区分される各種の集光レンズ部として形成し、搭載される焦電型赤外線検出器のパッケージ形状に適合させた共通使用可能な一ヶの下部側支持部とそれぞれ組み合わせ、溶着接合にて一体化された光学レンズとして構成する事によって、多種に渡り安価で且つ小型な製品を提供する事が出来る。また上部側集光レンズ部の成型面を考慮しても、共通の下部側支持部を使用する事によって、従来の一体型構造光学レンズを成型する場合より投資額が少なく、加えて安価なレンズ部が作製可能となる。また更に赤外線検出装置の構築において設計上初期考案していたサイズが制約される事が生じても、上部側集光レンズ部を要望仕様に応じて適したレンズを選択し、一体化光学レンズ構造にて搭載を行えば、配線基板側の面積スペースの変更や焦電型赤外線検出器の仕様変更等の新たな追加検討を省し、単純にレンズ部の取り替えのみで対応可能な構成が提案出来るので、設計工賃の抑制に関しても有益となる。
尚、下記に記す本実施例では、TO−5型の焦電型赤外線検出器パッケージサイズに適合装着される構造形状の下部側支持部を共通利用した光学レンズとして挙げているが、上部側集光レンズ部のみを、単眼型フレネル形状肉薄レンズや、両凸形状体もしくは片凸形状体から成る小レンズセグメントを複数個配置構成した多集合型の球面形状レンズ、更にもしくは平面型フレネル形状肉薄レンズとして形成される非球面型レンズとして作製し、各種レンズを下部側支持部に組み合わせ溶着して一体化レンズ構成を行う事も可能で有る。更にまた、例えば12.5mm角のフラットパッケージ型やTO−18型の焦電型赤外線検出器等の各種パッケージサイズに適合した下部側支持部を有する溶着一体型光学レンズを構成する事も実現可能である。
赤外線を集光させる集光レンズ部と焦電型赤外線検出器へ装着させる支持部とに独立分離させた光学レンズとして図1に斜視方向分解外観図を、図2に前記集光レンズ部と支持部とを超音波溶着した一体化光学レンズを、焦電型赤外線検出器に装着した状態の側面構造概要図を示す。図3は図2にて装着した光学レンズと焦電型赤外線検出器の上面構造概要図を示す。
まず図1及び図2を参照にして、本発明に係わる樹脂成型光学レンズについて詳細に説明を行う。本実施例1では、TO−5型の焦電型赤外線検出器に装着できる光学レンズとして挙げている。上部側に配置される集光レンズ1は赤外線検出領域を九分割に区分した、各レンズ部がフレネル形状体から成る肉薄球面型レンズであり、各レンズと赤外線受光素子4との焦点距離関係が6.5mm±0.2mmに保持され、レンズ球面半径は6.7mm±0.2mmとして設計されている。TO−5型焦電型赤外線検出器5に装着させる下部側支持部2は、検出器の缶7天面部と検出器TAB8とが装着抑止点となり、前記支持部2の内面側に位置する抑止部9と底面部に検出器TAB8に沿うように抜き加工された二箇所の支持点10、11により、焦電型赤外線検出器5との集光光軸合わせを行う構造とした円柱筒状形を成している。ここで上部側集光レンズ部1の最大外周サイズは直径12.8mmであり、下部側支持部2の最大直径10.2mmとしている。
尚、集光レンズ1面には肉薄のフレネル形状小レンズセグメントが配置されているが、図が煩雑となる為割愛とした。
前記下部側支持部の天面側には勘合溝12を設けており、前記上部側集光レンズ部の底面側に位置する勘合部位13を溝12に接合させる構造として、レンズ部と支持部が一時的に固定保持される。そしてまた、溝12部上には樹脂盛りされたリブ14が施してあり、このリブ14を超音波にて溶かし、溶着させる事で上下部を機械的に接合させて一体化構成となる光学レンズを形成している。ここで、接合溶着部の強度は、最低抜力5kgf/平方センチメートルが保持される条件で溶着させており、上部側レンズ部と下部側支持部が容易に分離する事無く機械的接続を行っている。また、レンズ材質は従来より広く使用されいる高密度ポリエチレン材を用いている。
下部側支持部の底面部に位置する検出器装着方向規定支持点10、11は、二箇所の抜き加工を施した構造としている。この二箇所の位置関係は、正規基準となる第一支持点10に対して45度軸回転した底面位置に第二の支持点11を設けている。尚、第一支持点10上側にリブ15を設けており、第一支持点と第二支持点とを認識区分する構造としている。図3は下部側支持部2を焦電型赤外線検出器へ正規基準となる第一支持点10 を検出器TAB8に合わせた方向に装着した、すなわち赤外線受光素子4に対して第一支持点10を同軸ライン上に配置した場合の各九個の集光レンズ位置関係を示している。
図4は、図3に示す方向に光学レンズを設置させた、一素子当たりの赤外線受光素子サイズがX方向1mm、Y方向2mm、二つの素子間ギャップが1mmであるデュアル型赤外線受光素子で構成された焦電型赤外線検出器5の前記赤外線受光素子4が、床面に水平に位置する様に取り付けた場合の検出対象距離5m地点に投影される赤外線検出領域を示すものである。この条件での赤外線検出領域の投影形状はX方向最大幅11.8m、Y方向最大幅10.8mとなる菱形状に配光形成される。
図5と図6を用いて、本実施例2の発明に係わる形態を説明する。図5は、実施例1で用いた光学レンズを下部側支持部2の第二支持点11と検出器TAB8とを合わせた方向、すなわち赤外線受光素子4と各レンズ部の配光光軸を正規基準に対して45度軸回転させた場合の上面透視概要を示しており、図6は図5の赤外線検出装置における、図4と同条件に設置した検出対象距離5m地点での投影赤外線検出領域を示すものである。この場合、レンズ部の光軸変更に伴って、分割区分される赤外線検出領域の大きさ、形状、配光が図4に示した赤外線検出領域と異なり、赤外線検出領域の投影形状はX方向最大幅9.4m、Y方向最大幅8.3mとなる四角形状に形成される。
図7は、上部側集光レンズとして焦点距離を5.8mm±0.2mmとし、赤外線検出領域を七分割としたフレネル形状レンズ集合体を球面半径が6mm±0.2mmとなる位置に配置した肉薄球面形状レンズを形成し、実施例1及び2で用いた下部側支持部へ勘合後、超音波溶着させてデュアル型赤外線検出器5に装着具備した赤外線検出装置における、図4並びに図6と同様な設置条件下での検出対象距離5m地点の赤外線検出領域を示すものである。前記七分割された光学レンズによる赤外線検出領域はX方向最大幅9.1m、Y方向最大幅9.0mとなる十文字形状に形成される。
本発明の実施例1に係わる樹脂成型光学レンズを具備した赤外線検出装置を示す斜視分解外観図である。 本発明の実施例1に係わる樹脂成型光学レンズを具備した赤外線検出装置を示す側面透視概要図である。 本発明の実施例1に係わる樹脂成型光学レンズを具備した赤外線検出装置を示す上面透視概要図である。 本発明の実施例1に係わる樹脂成型光学レンズを具備した赤外線検出装置の赤外線検出領域を示した図である。 本発明の実施例2に係わる樹脂成型光学レンズを具備した赤外線検出装置を示す上面透視概要図である。 本発明の実施例2に係わる樹脂成型光学レンズを具備した赤外線検出装置の赤外線検出領域を示した図である。 本発明の実施例3に係わる樹脂成型光学レンズを具備した赤外線検出装置の赤外線検出領域を示した図である。 従来の樹脂成型光学レンズを焦電型赤外線検出器へ装着させた赤外線検出装置の側面透視概要図である。 従来の樹脂成型光学レンズを搭載した赤外線検出装置の側面透視概要図である。 従来の樹脂成型光学レンズを搭載した赤外線検出装置の斜視分解外観図である。
符号の説明
1 上部側集光レンズ部
2 下部側支持部
3a、3b 樹脂成型光学レンズ
4 赤外線受光素子
5 焦電型赤外線検出器
6 配線基板
7 検出器缶
8 検出器TAB
9 レンズ支持部内面側抑止部
10 第一支持点
11 第二支持点
12 勘合溝
13 勘合部
14 溶着用リブ
15 方向認識用リブ
A 第一の集光レンズ
B 第二の集光レンズ
C 第三の集光レンズ
F 焦点距離

Claims (2)

  1. 赤外線受光素子へ検出対象面からの赤外線を集光させる光学レンズにおいて、上部側として配置具備される集光レンズ部と下部側として配置具備される焦電型赤外線検出器に装着固定する支持部とを、それぞれ独立分離した樹脂成型品として形成し、前記集光レンズ部と支持部とを勘合させて、超音波溶着法により上下部が機械的に接続され一体化が成された光学レンズとして焦電型赤外線検出器に直接搭載具備される事を特徴とする樹脂成型光学レンズ。
  2. 前記樹脂成型光学レンズは、焦電型赤外線検出器へ装着支持する方向を赤外線受光素子と同軸方向に設置させる第一支持点と、45度に軸回転させて配置させる第二支持点との2方向に設置可能な構成を有しており、検出対象面の赤外線検出領域の投影形状が選択可能である事を特徴とする請求項1に記載された樹脂成型光学レンズ。
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