JP2009132911A - 着色組成物、製造方法および着色方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像記録用着色組成物および画素形成用着色組成物に使用された場合、優れた特性を有するフタロシアニン系色素を含む着色組成物、それらの製造方法、着色方法などを提供すること。
【解決手段】アルキル基および/またはアルキルオキシ基を有するフタロシアニン系色素(アルキルフタロシアニン系色素)を含有することを特徴とする画像記録用・画素形成用着色組成物。
【選択図】なし
【解決手段】アルキル基および/またはアルキルオキシ基を有するフタロシアニン系色素(アルキルフタロシアニン系色素)を含有することを特徴とする画像記録用・画素形成用着色組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、フタロシアニン系色素を含む着色組成物、その製造方法および着色方法に関する。さらに詳しくは、アルキル(C1〜C18)基あるいはアルキル(C1〜C18)オキシ基が1〜4個置換されているフタロシアニン系色素(その誘導体も含む;以下これらを単に「アルキルフタロシアニン」、または「アルキルフタロシアニン誘導体」という場合がある)を用いた着色組成物、その製造方法、着色方法および着色された物品に関するものである。
従来、フタロシアニン系顔料は、鮮明で高堅牢性の青色の顔料であり、各種の印刷インキ、塗料やプラスチックなどの青色着色剤として使用されている。フタロシアニン系青色顔料としては、通常は銅を中心金属としてフタル酸無水物を縮合して得られる銅フタロシアニン顔料が使用されている。この顔料は、多形(ポリモーフィズム)で、α型の結晶形の顔料は、有機溶剤や熱に不安定(メタステーブル)で結晶転移し、色も赤味青色から緑味青色に変化する。β型の結晶形の顔料は、安定(ステーブル)な結晶であるが、色は緑味青色である。
結晶の変化を防止する方法として、前記銅フタロシアニン顔料に、アルキル基またはシクロアルキル基を有するアルキル銅フタロシアニンを10〜1.5モル%含有する銅フタロシアニン顔料組成物が再結晶抵抗性を有し、フロキュレーションに対しても抵抗性があることから、上記顔料組成物は、各種塗料、印刷インキ、高分子物質の着色、繊維の青色などに適していることが記載されている(特許文献1)。
また、フタロシアニン骨格にメチル基を平均0.1〜3個含有する銅フタロシアニン組成物が、溶剤の存在下で貯蔵する際に耐再結晶性を示すことから塗料やインクに使用するに適当であり、また、高温で使用される塑性物質を染色する顔料として好適であることが記載されている(特許文献2)。
特開昭49−81436号公報
特開平7−76662号公報
また、フタロシアニン骨格にメチル基を平均0.1〜3個含有する銅フタロシアニン組成物が、溶剤の存在下で貯蔵する際に耐再結晶性を示すことから塗料やインクに使用するに適当であり、また、高温で使用される塑性物質を染色する顔料として好適であることが記載されている(特許文献2)。
しかしながら、近年、事務機用および個人用として、レーザー複写機、レーザープリンターやインクジェットプリンターが普及し、さらに最近は業務用小型印刷機としてデジタル印刷機が大型オフセット印刷機と併せて使用されてきている。従来、銅フタロシアニン青色顔料は、レーザープリンターやカラー複写機用のシアン色トナー、インクジェットプリンター用シアン色インクなどの情報記録材料用のシアン色に使用する青色顔料として賞用されてきているが、印字あるいは印刷されるカラー印刷表現として、さらに広い色域での表現が要望されるようになり、藍色として、β型銅フタロシアニン顔料よりも、さらに緑味の青色顔料が要望されている。
また、カラーフィルターなどの画像表示材料の青色画素の形成に使用される青色顔料として、赤味青色のε型銅フタロシアニン顔料が使用されているが、該顔料は、溶剤や熱に対してやや不安定であり、該顔料の結晶転移を抑制するため、結晶成長を抑制するための添加剤(顔料誘導体)を必要とする。
フタロシアニンの骨格に塩素などのハロゲン基を1〜2個置換することにより、顔料の結晶の転移成長性が阻害されるが、その結果、色調が緑味青色に移行し、上記のハロゲン化銅フタロシアニンは、赤味青色顔料に添加する添加剤(顔料誘導体)としては不十分であった。従って、有機溶剤や熱に安定で結晶転移も少なく、また、赤味青色で、色の変化も少ないフタロシアニン系顔料が要望されている。
従って本発明の目的は、画像記録用着色組成物および画素形成用着色組成物に使用された場合、下記の特性を有するフタロシアニン系色素を含む着色組成物、それらの製造方法、着色方法などを提供することである。
(1)従来のフタロシアニン顔料とは異なる特色のある緑味あるいは赤味の色調の青色を呈すること。
(2)有機溶剤や熱に対して結晶が変化しにくく、結晶が変化しても色相の変化が少なく、顔料粒子の粒子径の変化が少なく、顔料分散液の分散安定性などの物性に優れていること。
(3)フタロシアニン系青色顔料、および上記着色剤の製造に際し、顔料に添加されて有機溶剤中や樹脂の加熱混練中における顔料の結晶の安定性の向上、あるいは溶剤分散液中における分散性や粘度などの経時安定性の向上などに寄与すること。
(4)赤味青色あるいは緑味青色のフタロシアニン系水溶性染料。
(1)従来のフタロシアニン顔料とは異なる特色のある緑味あるいは赤味の色調の青色を呈すること。
(2)有機溶剤や熱に対して結晶が変化しにくく、結晶が変化しても色相の変化が少なく、顔料粒子の粒子径の変化が少なく、顔料分散液の分散安定性などの物性に優れていること。
(3)フタロシアニン系青色顔料、および上記着色剤の製造に際し、顔料に添加されて有機溶剤中や樹脂の加熱混練中における顔料の結晶の安定性の向上、あるいは溶剤分散液中における分散性や粘度などの経時安定性の向上などに寄与すること。
(4)赤味青色あるいは緑味青色のフタロシアニン系水溶性染料。
本発明者らは、上記本発明の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、1〜4個のアルキル基あるいはアルキルオキシ基を有するフタロシアニン系顔料が、置換基の個数によって色調の異なる青色を呈することができ、また、有機溶剤や熱による結晶の転移成長性が阻害され、色相も変化が少なく、また、そのスルホン化あるいはフタルイミドメチル誘導体が鮮明な青色を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アルキル基および/またはアルキルオキシ基を有するフタロシアニン系色素(アルキルフタロシアニン系色素)を含有することを特徴とする画像記録用・画素形成用着色組成物を提供する。該組成物は、さらに希釈媒体および/または塗膜形成材料を含有することができる。
上記本発明においては、前記アルキル(C1〜C18)基および/またはアルキル(C1〜C18)オキシ基の置換数が、1〜4個であること;前記アルキルフタロシアニンの中心元素が、水素、銅、コバルト、ニッケル、チタン、すず、亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、リチウム、ナトリウムおよび珪素から選ばれることが好ましい。
また、上記本発明においては、前記アルキルフタロシアニンが、スルホン基、フタルイミドメチル基、カルボキシル基、ハロゲン基および/またはアミノ基を有することが好ましい。また、前記アルキルフタロシアニンは、不溶性、水溶性または溶剤可溶性であり得る。上記において、前記アルキルフタロシアニンと前記アルキルフタロシアニン誘導体とは、それらの混合物および/または混晶物であり得る。
また、上記本発明においては、前記希釈媒体が、有機溶媒、有機溶剤−水混合溶媒、水、液状重合体、液状オリゴマー、液状単量体、液状可塑剤からなる液状媒体、あるいは合成樹脂、天然樹脂、固体重合体、固体オリゴマー、固体単量体、固体可塑剤からなる固体状媒体から選ばれた少なくとも1種であること;前記塗膜形成材料は、反応性基を有してもよい重合体、オリゴマー、単量体および/または架橋剤を含有し得る。
また、上記本発明の組成物は、電子写真複写機用記録剤、電子写真方式デジタルプリンター用記録剤、静電印刷用記録剤、インクジェット用インク、文具用インクまたはカラーフィルターの画素形成用インクに有用である。
また、上記本発明の組成物は、銅フタロシアニン顔料(A)とアルキルフタロシアニン系色素および/またはその誘導体(B)との混合物であり、銅フタロシアニン顔料(A)がα型、β型またはε型銅フタロシアニン顔料であり、上記アルキルフタロシアニン系色素およびその誘導体(B)が、モノ〜テトラメチル銅フタロシアニン、そのスルホン化誘導体、カルボン酸誘導体、アミノ化誘導体およびフタルイミドメチル化誘導体から選ばれる少なくとも1種であり、上記(A)と(B)との混合質量比が、A100質量部あたりB2〜100質量部であることが好ましい。
また、上記本発明の組成物は、アルキルフタロシアニン(A)とその誘導体(B)との混合物であり、アルキルフタロシアニン(A)が、モノ〜テトラメチル銅フタロシアニンであり、上記誘導体がスルホン基、カルボキシル基、アミノ基またはフタルイミドメチル基を有するモノ〜テトラメチル銅フタロシアニンであり、上記(A)と(B)との混合質量比が、A100質量部あたりB2〜100質量部であることが好ましい。
また、本発明は、前記本発明の画像記録用・画素形成用着色組成物を用いることを特徴とする物品を着色する方法を提供する。ここで着色方式は、電子写真複写、デジタル電子写真印刷、静電写真印刷、インクジェット印刷、筆記およびカラーフィルターの画素形成から選ばれた着色方式であり得る。また、本発明は、これらの方法による着色物品を提供する。
また、本発明は、アルキル(C1〜C18)フタル酸および/またはアルキル(C1〜C18)オキシフタル酸、それらの無水物、アミド酸、酸アミド、酸イミド、ジニトリルおよびアミノイミノイソインドレニンの誘導体から選ばれた少なくとも1種のアルキルフタル酸類(A)と、フタル酸、ハロゲン化フタル酸、それらの無水物、アミド酸、酸アミド、酸イミド、ジニトリルおよびアミノイミノイソインドレニンの誘導体から選ばれた少なくとも1種(B)とをモル比でA:B=100:0〜1:99とで反応させることを特徴とするアルキルフタロシアニンの製造方法、および1〜4個のアルキル(C1〜C18)基および/またはアルキル(C1〜C18)オキシ基を有するアルキルフタロシアニンを、スルホン化、フタルイミドメチル化、ハロゲン化、またはアミノ化することを特徴とするアルキルフタロシアニン誘導体の製造方法を提供する。
フタロシアニン顔料は鮮明で高堅牢性の青色の顔料として、インキ、塗料、プラスチック用着色剤など、各種の用途の青色着色剤や、表示材料、記録材料の青色カラーに使用する顔料として賞用されてきている。しかしながら、この顔料は多形で、α型は有機溶剤や熱に不安定で結晶転移し、色も赤味青色から緑青色味に変化し、β型は安定であるが、色は緑味青色である。ε型は赤味青色であるがやや不安定であり、結晶転移による色の変化、結晶成長による顔料粒子の粗大化を抑制するための添加剤(顔料誘導体)を必要とする。
これに対して本発明のアルキルフタロシアニンは、導入されたアルキル基の個数が多くなると独特の緑味青色を示し、この色相が、フルカラーの電子写真方式のデジタルレーザープリンターやフルカラー複写機に使用される乾式現像剤や湿式現像剤、インクジェットプリンターに使用されるインクジェットインクに要求されている色域の拡大に対応できるシアン色およびスカイブルー色として好適である。また、上記アルキルフタロシアニンから合成される水溶性誘導体の色調も、元の母体アルキルフタロシアニンとほぼ同様な色調の青色を示し、インクジェットプリンター用の青色水性インクに好適である。
また、銅フタロシアニン顔料に、水不溶性または有機溶媒不溶性のアルキルフタロシアニン誘導体を添加した顔料組成物は、有機溶剤や熱に対して比較的安定で、結晶形もあまり大きな変化が見られず、また、青色の色調もあまり変化しない特長を示した。
さらにアルキル基の導入数の少ない本発明のアルキルフタロシアニンは、赤味青色を示すことから、液晶ディスプレーのカラーフィルターの青色画素の形成に使用されているε型銅フタロシアニン顔料に添加されて、ε型顔料を微粒子化する磨砕工程、顔料液状カラーの湿式分散工程などの後処理加工工程で、ε型顔料の結晶の変化を抑制し、かつ色調の変化が少ないこと、液状分散カラーの分散顔料の粒度分布、粘性などの保存安定性などの性能が向上するなど優れた傾向を示した。
また、本発明のアルキルフタロシアニンは、フタロシアニンの骨格にアルキル基が導入されていることから、顔料分散液中で顔料分散剤、樹脂バインダー、有機分散媒体などに親和性を有し、また、本発明のアルキルフタロシアニン誘導体の合成においては、アルキル基の存在によって置換基の導入が容易になるなどの特長を有している。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。一般にフタロシアニン系色素は、ポルフィリン環を配位子とし、水素(無金属)や銅などを中心元素とする錯体色素である。
フタロシアニン系顔料の製造方法について、最も多量に使用されている銅フタロシアニン顔料を例にして説明する。代表的製造法であるワイラー(Wyler)法では、常圧法または加圧法に拘わらず、原料としてフタル酸無水物、尿素、塩化第一銅などの銅塩が使用され、また、縮合触媒としてはモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸などを使用して粗顔料が得られる。フタロジニトリル法では、原料としてフタロジニトリルと銅塩を使用して粗顔料が得られる。
フタロシアニン系顔料の製造方法について、最も多量に使用されている銅フタロシアニン顔料を例にして説明する。代表的製造法であるワイラー(Wyler)法では、常圧法または加圧法に拘わらず、原料としてフタル酸無水物、尿素、塩化第一銅などの銅塩が使用され、また、縮合触媒としてはモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸などを使用して粗顔料が得られる。フタロジニトリル法では、原料としてフタロジニトリルと銅塩を使用して粗顔料が得られる。
着色剤として使用する銅フタロシアニン顔料は、上記粗顔料を、酸、アルカリによる精製、水洗、必要によりさらに溶剤洗浄を行なって未反応物や不純物を除き、ソルトミリング法、ソルベントソルトミリング法やアシッドペースト法などの顔料化処理(ピグメンテーション)と呼称される後処理工程によって製造されている。これらのいずれの方法も、粗顔料の微粒子化および/または結晶形の変換、制御、調整を目的としたものであり、その方法は、用途・要求物性などにより適宜選択される。
本発明のアルキルフタロシアニンのアルキル基あるいはアルキルオキシ基は、該色素の製造時に原料としてアルキルフタル酸類およびアルキルオキシフタル酸類を使用することで導入され、また、これらの基を有さないフタロシアニン系色素に、後からアルキル基やアルキルオキシ基を導入することができるが、前者のアルキルフタル酸類やアルキルオキシフタル酸類を使用する方法が好ましい。
本発明で使用されるアルキル(C1〜C18)フタル酸類およびアルキルオキシフタル酸類としては、炭素数1〜18のアルキルフタル酸、および炭素数1〜18のアルキルオキシフタル酸と、その誘導体が挙げられる。
上記アルキルフタル酸類の誘導体としては、上記フタル酸の無水物(アルキルまたはアルキルオキシ−フタル酸無水物)、モノアミド・モノカルボン酸(アルキルまたはアルキルオキシフタラミック酸)、酸アミド(アルキルまたはアルキルオキシ−フタラミド)、酸イミド(アルキルまたはアルキルオキシフタリミド)、ジニトリル(アルキルまたはアルキルオキシ−フタロジニトリル)、アミノイミノイソインドレニン(アルキルまたはアルキルオキシ−アミノイミノイソインドレニン)などの誘導体(以下、アルキルフタル酸、アルキルオキシフタル酸および上記の誘導体を「アルキルフタル酸類」と称する。)が挙げられる。
特に、アルキル基としてメチル基、エチル基が好ましく、具体的には、例えば、4−メチルフタル酸類、3−メチルフタル酸類、4−エチルフタル酸類、3−エチルフタル酸類;4−メトキシフタル酸類、4−エトキシフタル酸類が挙げられる。中でも4−メチルフタル酸類が特に好ましい。
本発明のアルキルフタロシアニンの合成は、フタル酸類原料としてアルキルフタル酸類のみでも、また、従来公知のフタロシアニン系顔料を合成するフタル酸無水物などの原料などを併用することも好ましい。アルキルフタル酸類以外のフタル酸類としては、フタル酸、モノ〜テトラハロゲン化フタル酸、スルホン化フタル酸など、およびそれらの無水物、アミド酸、酸アミド、酸イミド、ジニトリル、アミノイミノイソインドレニンなどの誘導体(以下、上記を総称して「フタル酸類」とする。)が挙げられる。
アルキルフタル酸類(A)とそれ以外のフタル酸類(B)との使用割合は、特に限定されるものではないが、アルキルフタル酸類(A)とフタル酸類(B)とをモル比でA:B=100:0〜1:99である。アルキルフタル酸類単独で合成した色素以外の比率においては、各種のアルキルフタル酸類(A)とフタル酸類(B)との共反応(共縮合)色素、およびそれらの共反応色素と、フタル酸類(B)のみから生成したアルキルフタロシアニンとの混合物、混晶物、共晶物が得られる。特にアルキルフタル酸類(A)とフタル酸類(B)が、モル比でほぼA:B=1:3で合成されるモノアルキルフタロシアニンを主成分とするアルキルフタロシアニンが、赤味青色の色相を呈し、また、後述する誘導体の原料として使用しても赤味青色の色相を維持し、好ましい結果を示した。
また、アルキルフタル酸類(A)とフタル酸類(B)がモル比でほぼA:B=3:1〜4:0で合成されるトリ〜テトラアルキルフタロシアニンを主成分とするアルキルフタロシアニンは、緑味シアン色の色相を呈し、また、後述する水溶性誘導体の原料として使用しても、緑味シアン色の色相を示し、ともに情報記録剤に使用されるシアン色色素として好ましい。
上記において、本発明のアルキルフタロシアニンの中心元素は、従来公知のフタロシアニン系色素の中心元素として使用されてきた公知の元素が使用される。特に中心元素は、水素、銅、コバルト、ニッケル、チタン、すず、亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、リチウム、ナトリウムおよび珪素などから選ばれ、特に銅、アルミニウム、亜鉛、水素(無金属)が好ましい。
また、上記で得られたアルキルフタロシアニンから、顔料の添加剤、改質剤あるいは青色水溶性染料、油溶性染料として有用な誘導体を常法に従い合成することができる。具体的には、有用な色素誘導体としては、従来公知の置換基が導入された誘導体であり、例えば、スルホン基、フタルイミドメチル基、カルボキシル基、ハロゲン基およびアミノ基が導入された誘導体である。これらの置換基の置換度は反応条件により調整される。アミノ基含有誘導体は、従来公知のようにフタロシアニン骨格に直接アミノ基が導入されたもののほか、他の原子または原子団(連結基)を介してアミノ基が導入されたものであってもよい。
アミノ基としては、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ピペリジニル基、N−アルキルピペラジニル基、モルホリニル基などの脂肪族アミノ基や脂環式アミノ基(以下、「脂肪族アミノ基」と称する)が挙げられる。連結基としてはメチレン基、スルホアミド(アミノスルホニル)基、エステル(オキシカルボニル)基、ウレタン基、尿素基、s−トリアジン基などの公知の基が挙げられるが、メチレン基およびスルホアミド基が好ましい。特に、脂肪族アミノ基をメチレン基で連結している脂肪族アミノメチル基および脂肪族アミノアルキル基をアミノスルホニル基で連結している脂肪族アミノアルキルアミノスルホニル基が好ましい。
また、カルボキシル基は公知の方法で導入される。例えば、アルキルフタロシアニンに導入されたフタルイミドメチル基やトリメリット酸イミドメチル基を鹸化させてフタルモノアミドメチル基やトリメリット酸モノアミドメチル基にすることで、カルボキシル基を可溶化基として導入することができる。
アミノ基としては、炭素数1〜10のアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ピペリジニル基、N−アルキルピペラジニル基、モルホリニル基などの脂肪族アミノ基や脂環式アミノ基(以下、「脂肪族アミノ基」と称する)が挙げられる。連結基としてはメチレン基、スルホアミド(アミノスルホニル)基、エステル(オキシカルボニル)基、ウレタン基、尿素基、s−トリアジン基などの公知の基が挙げられるが、メチレン基およびスルホアミド基が好ましい。特に、脂肪族アミノ基をメチレン基で連結している脂肪族アミノメチル基および脂肪族アミノアルキル基をアミノスルホニル基で連結している脂肪族アミノアルキルアミノスルホニル基が好ましい。
また、カルボキシル基は公知の方法で導入される。例えば、アルキルフタロシアニンに導入されたフタルイミドメチル基やトリメリット酸イミドメチル基を鹸化させてフタルモノアミドメチル基やトリメリット酸モノアミドメチル基にすることで、カルボキシル基を可溶化基として導入することができる。
上記アルキルフタロシアニン誘導体は、前記したように銅フタロシアニン顔料の製造に際し、または種々の用途に銅フタロシアニン顔料を使用するに際し、銅フタロシアニン顔料の結晶転移抑制、結晶成長抑制、分散性の向上、耐熱性の向上などを目的として添加される。特に、前記アルキルフタロシアニン誘導体が、フタロシアニン顔料クルード(粗顔料)や粗粒子顔料に添加され、顔料組成物とされたものは、前記したようにフタロシアニン顔料の後処理(顔料化処理)に有効であり、また、前記アルキルフタロシアニン誘導体は、フタロシアニン顔料の液状分散カラーの分散性能の向上、保存安定性の向上などに優れた効果をもたらす。
また、前記アルキルフタロシアニンと前記アルキルフタロシアニン誘導体などの2種以上の色素混合物も着色剤としても使用される。該混合物は、異種の微粒子色素を混合した粒状混合物、一つの粒子中に異種の色素が混在している混在粒状物あるいは2以上の異種色素が混晶を形成している混晶物など、種々の形の混合物としての形態であり得る。
前記アルキルフタロシニンは、従来の顔料や染料と同様に種々の情報技術関連の着色剤、例えば、画像記録用着色組成物および画像表示用着色組成物用として有用である。本発明のアルキルフタロシアニンを含む着色組成物は、従来と同様に希釈媒体および/または塗膜形成材料を含有することが好ましい。
本発明のアルキルフタロシアニンを含む着色剤は、例えば、カラーフィルター製造に用いるカラーレジスト用着色剤や電子写真方式プリンターの液体現像剤、インクジェットインクなどの液状着色剤、あるいは電子写真方式プリンターの乾式現像剤などに使用されるが、これらの用途における希釈媒体および塗膜形成材料としては、公知の液状溶媒や樹脂成分が使用できる。液状溶媒としては、それぞれの用途、使用条件および使用される樹脂成分によって決まり、従来公知の有機溶剤、水−親水性溶剤系混合溶媒、水などが使用される。
塗膜形成材料としての樹脂もそれぞれ用途に応じた公知の樹脂成分が使用され、例えば、合成ゴム樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、塩化ゴム樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂などの公知の塗膜形成材料および紫外線硬化性樹脂系、電子線硬化性樹脂系などのエネルギー線硬化性塗膜形成材料などが挙げられる。
上記被膜形成材料は、さらに反応性基を有しても有さなくてもよく、反応性基としては、例えば、メチロール基、アルキルメチロール基、イソシアネート基、マスクッドイソシアネート基、エポキシ基などが挙げられる。また、用途によってオリゴマーや単量体が使用され、さらに架橋剤、例えば、メチロールメラミン系やイソシアネート系、エポキシ系架橋剤も併用される。
上記した着色剤において、色素(P)と塗膜形成材料(V)との配合質量比は、用途、要求される性能などによって任意に決められるものであるが、P:V=80:20〜1:99であり、70:30〜10:90が好ましい。
本発明の着色剤によって着色される素材或いは物品は、着色の目的、用途により自ら決まるものであり、従来公知の素材や物品が対象となる。例えば、デジタルレーザープリンターやフルカラー複写機用フルカラートナー、インクジェットプリンター用カラーインクなどの画像記録用着色組成物であり、該組成物の着色対象物品としては、例えば、紙、合成紙、不織布紙、プラスチックフィルムなどが対象となる。また、液晶ディスプレーのカラーフィルター用や広告用ディスプレー用などの画像表示用着色組成物では、該組成物の着色対象物品としては、例えば、ガラス製基板、プラスチックプレート基板などが挙げられる。
以上の本発明において特に好ましい実施の形態は下記の通りである。
(1)本発明のモノ〜テトラメチルフタロシアニン、またはこれらを含む銅フタロシアニン顔料は、インクジェットインクまたは電子写真現像剤の着色剤として有用である(実施例1〜3、6)。
(1)本発明のモノ〜テトラメチルフタロシアニン、またはこれらを含む銅フタロシアニン顔料は、インクジェットインクまたは電子写真現像剤の着色剤として有用である(実施例1〜3、6)。
(2)本発明のスルホン化アルキルフタロシアニンは、導入されたスルホン基の数によって用途が変化する。すなわち、水溶性の染料として水性インクジェットインクの着色剤に使用する場合は、1分子当たりのスルホン基の数は凡そ2〜4個であることが好ましい(実施例4〜5)。1分子当たりのスルホン基の数が凡そ0.5〜1.5個であるスルホン化アルキルフタロシアニンは、銅フタロシアニン顔料の顔料化処理時の添加剤として有用である。
(3)本発明のアルキルフタロシアニン、スルホン化アルキルフタロシアニン、アミノ化アルキルフタロシアニンまたはフタルイミドメチル化アルキルフタロシアニンは、α型、β型またはε型の銅フタロシアニンの顔料化処理時の添加剤として有用である(実施例7)。ここで得られる顔料は、特にカラーフィルターの画素形成に有用である。特にアルキルフタロシアニンは、銅フタロシアニンの合成時に原料を調節することでアルキルフタロシアニンと銅フタロシアニンとの混合物とすることができる。
上記アルキルフタロシアニン、スルホン化アルキルフタロシアニン、アミノ化アルキルフタロシアニンまたはフタルイミドメチル化アルキルフタロシアニンは1種または複数で使用でき、その添加量は、上記フタロシアニン顔料100質量部当たり凡そ2〜100質量部が好ましい。なお、上記アミノ化アルキルフタロシアニンのアミノ基の数は1分子当たり凡そ0.5〜3個であること、およびフタルイミドメチル化アルキルフタロシアニンのフタルイミドメチル基の数は、1分子当たり凡そ0.5〜3個であることが好ましい。
また、1分子当たり凡そ2〜3個のフタルイミドメチル基あるいはトリメリット酸イミドメチル基の導入されたアルキルフタロシアニン色素を鹸化させて得た、カルボキシル基を可溶化基として有するフタル酸モノアミドメチル基およびトリメリット酸モノアミドメチル基の導入されたアルキルフタロシアニン染料は水性インクジェットインクの着色剤として好適である。
また、1分子当たり凡そ2〜3個のフタルイミドメチル基あるいはトリメリット酸イミドメチル基の導入されたアルキルフタロシアニン色素を鹸化させて得た、カルボキシル基を可溶化基として有するフタル酸モノアミドメチル基およびトリメリット酸モノアミドメチル基の導入されたアルキルフタロシアニン染料は水性インクジェットインクの着色剤として好適である。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、文中、「部」または「%」とあるのは質量基準である。
製造例1
(1)加熱装置としての電熱ヒーター、撹拌機、試薬投入口および逆流冷却器を備えた反応装置を準備し、該反応容器に4−メチルフタル酸無水物27.4部、フタル酸無水物75部、尿素155部およびモリブデン酸アンモニウム0.5部を、芳香族系高沸点溶媒300部に加えて撹拌しながら徐々に昇温し、150℃で塩化第一銅18部を反応容器に加え、さらに昇温し175℃とする。この温度で4時間反応させる。反応後得られた生成物をろ過し、次いでメタノールで洗浄した後、希酸、希アルカリ水溶液で処理し、ろ過、水洗、乾燥してモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)88.8部を得た。図1に得られたモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)のX線回析図を示す。回折角2θが6.90゜に回折強度の大きいピークを有し、9.7゜、15.5゜に小さな回折を示している。
製造例1
(1)加熱装置としての電熱ヒーター、撹拌機、試薬投入口および逆流冷却器を備えた反応装置を準備し、該反応容器に4−メチルフタル酸無水物27.4部、フタル酸無水物75部、尿素155部およびモリブデン酸アンモニウム0.5部を、芳香族系高沸点溶媒300部に加えて撹拌しながら徐々に昇温し、150℃で塩化第一銅18部を反応容器に加え、さらに昇温し175℃とする。この温度で4時間反応させる。反応後得られた生成物をろ過し、次いでメタノールで洗浄した後、希酸、希アルカリ水溶液で処理し、ろ過、水洗、乾燥してモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)88.8部を得た。図1に得られたモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)のX線回析図を示す。回折角2θが6.90゜に回折強度の大きいピークを有し、9.7゜、15.5゜に小さな回折を示している。
(2)製造例1(1)で得たモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)30部を95%硫酸300部に撹拌しながら徐々に添加し、溶解させる。70℃で1時間撹拌した後3,000部の氷水に徐々に析出させ、ろ過、水洗、乾燥して精製したモノメチル銅フタロシアニン顔料(A−2)29.4部を得た。図2に、得られたモノメチル銅フタロシアニン顔料(A−2)のX線回析図を示す。回折角2θが6.58゜に回折強度のやや大きいピークを有し、14.5゜〜16.0゜および24.2゜〜27.1゜にブロードな回折を示している。
製造例2
製造例1(1)で得たモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)10部を95%硫酸40部と20%発煙硫酸60部の混合物に撹拌しながら徐々に添加し、溶解させる。70℃で4時間撹拌した後1,000部の氷水に徐々に析出させ、ろ過、水洗、乾燥して、1分子あたりのスルホン基の数が平均で0.8個のスルホン化モノメチル銅フタロシアニン色素(A−3)10.9部を得た。
製造例1(1)で得たモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)10部を95%硫酸40部と20%発煙硫酸60部の混合物に撹拌しながら徐々に添加し、溶解させる。70℃で4時間撹拌した後1,000部の氷水に徐々に析出させ、ろ過、水洗、乾燥して、1分子あたりのスルホン基の数が平均で0.8個のスルホン化モノメチル銅フタロシアニン色素(A−3)10.9部を得た。
製造例3
(1)製造例1(1)で得たモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)10部およびヒドロキシメチルフタルイミド6部を95%硫酸100部に撹拌しながら徐々に添加し、溶解させる。80℃で7時間撹拌した後1,000部の氷水に徐々に析出させ、ろ過、水洗した後炭酸ソーダ水溶液で処理して未反応物および分解物をろ過、水洗し、乾燥して、1分子あたりのフタルイミドメチル基の数が平均で1.0個のフタルイミドメチル化モノメチル銅フタロシアニン色素(A−4)12.5部を得た。
(1)製造例1(1)で得たモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)10部およびヒドロキシメチルフタルイミド6部を95%硫酸100部に撹拌しながら徐々に添加し、溶解させる。80℃で7時間撹拌した後1,000部の氷水に徐々に析出させ、ろ過、水洗した後炭酸ソーダ水溶液で処理して未反応物および分解物をろ過、水洗し、乾燥して、1分子あたりのフタルイミドメチル基の数が平均で1.0個のフタルイミドメチル化モノメチル銅フタロシアニン色素(A−4)12.5部を得た。
(2)製造例1で得たモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)15部、製造例3(1)で得たフタルイミドメチル化モノメチル銅フタロシアニン(A−4)0.5部をスチールボール500部、釘50部とともに3時間振動ミルにて磨砕する。得られた内容物を取り出してソルベントフィニッシュにより顔料化を行ない、希酸処理、水洗、乾燥して14.7部のモノメチル銅フタロシアニン顔料(A−5)を得た。図3に、得られたモノメチル銅フタロシアニン顔料(A−5)のX線回析図を示す。回折角2θが6.84゜に回折強度の大きいピークを有し、9.70゜、15.4゜に小さな回折および24.9゜〜27.3゜にブロードな回折を示している。
製造例4
製造例2と同様にしてモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)をスルホン化して1分子あたりのスルホン基の数が凡そ2.5個のスルホン化モノメチル銅フタロシアニン染料(A−6)を得た。
製造例2と同様にしてモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)をスルホン化して1分子あたりのスルホン基の数が凡そ2.5個のスルホン化モノメチル銅フタロシアニン染料(A−6)を得た。
製造例5
銅フタロシアニン顔料のアミノメチル化反応の常法に準じて、モノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)にパラホルムアルデヒドを反応させてメチロール化し、次いで3−ジメチルアミノプロピルアミンを反応させ、1分子あたりの3−ジメチルアミノプロピルアミノメチル基の数が凡そ2個導入されたアミノ化銅フタロシアニン色素(A−7)を得た。
銅フタロシアニン顔料のアミノメチル化反応の常法に準じて、モノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(A−1)にパラホルムアルデヒドを反応させてメチロール化し、次いで3−ジメチルアミノプロピルアミンを反応させ、1分子あたりの3−ジメチルアミノプロピルアミノメチル基の数が凡そ2個導入されたアミノ化銅フタロシアニン色素(A−7)を得た。
製造例6
(1)上記製造例1(1)と同様にして、4−メチルフタル酸無水物109.6部、尿素155部およびモリブデン酸アンモニウム0.5部を、芳香族系高沸点溶媒300部に加え、150℃で塩化第一銅18部を反応容器に加え、さらに昇温し175℃とし、195℃まで昇温しながら4時間反応させる。得られた生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、希酸、希アルカリ水溶液で処理し、ろ過、水洗、乾燥して青色のテトラメチル銅フタロシアニン顔料クルード(B−1)90.1部を得た。図4に、得られたモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(B−1)のX線回析図を示す。回折角2θが7.40゜に回折強度の大きいピークを有し、10.3゜、16.1゜および26.5゜に小さな回折を示している。
(1)上記製造例1(1)と同様にして、4−メチルフタル酸無水物109.6部、尿素155部およびモリブデン酸アンモニウム0.5部を、芳香族系高沸点溶媒300部に加え、150℃で塩化第一銅18部を反応容器に加え、さらに昇温し175℃とし、195℃まで昇温しながら4時間反応させる。得られた生成物をろ過し、メタノールで洗浄後、希酸、希アルカリ水溶液で処理し、ろ過、水洗、乾燥して青色のテトラメチル銅フタロシアニン顔料クルード(B−1)90.1部を得た。図4に、得られたモノメチル銅フタロシアニン顔料クルード(B−1)のX線回析図を示す。回折角2θが7.40゜に回折強度の大きいピークを有し、10.3゜、16.1゜および26.5゜に小さな回折を示している。
(2)上記製造例1(2)と同様にして、モノメチル銅フタロシアニン顔料クルードに代えて、上記(1)で得たテトラメチル銅フタロシアニン顔料クルード(B−1)を95%硫酸に溶解させ、70℃で撹拌した後、氷水に徐々に析出させ、ろ過、水洗、乾燥して精製したテトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−2)29.3部を得た。図5に、テトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−2)のX線回析図を示す。回折角2θが6.14゜を頂点に回折強度の大きいピークを有している。13.3゜〜14.6゜に小さいブロードな回折および26.4゜〜26.7゜にやや強いブロードな回折を示している。
製造例7
製造例2と同様にして、モノメチル銅フタロシアニン顔料クルードに代えて、製造例6(1)で得たテトラメチル銅フタロシアニン顔料クルード(B−1)を95%硫酸と20%発煙硫酸の混合物に撹拌しながら徐々に添加し、溶解させる。60℃で撹拌した後、氷水に徐々に析出させ、ろ過、水洗、乾燥して、1分子あたりのスルホン基の数が平均で0.7個のスルホン化テトラメチル銅フタロシアニン(B−3)を得た。
製造例2と同様にして、モノメチル銅フタロシアニン顔料クルードに代えて、製造例6(1)で得たテトラメチル銅フタロシアニン顔料クルード(B−1)を95%硫酸と20%発煙硫酸の混合物に撹拌しながら徐々に添加し、溶解させる。60℃で撹拌した後、氷水に徐々に析出させ、ろ過、水洗、乾燥して、1分子あたりのスルホン基の数が平均で0.7個のスルホン化テトラメチル銅フタロシアニン(B−3)を得た。
製造例8
製造例3(1)と同様にして、モノメチル銅フタロシアニン顔料クルードに代えて、製造例6(1)で得たテトラメチル銅フタロシアニン顔料クルード(B−1)およびヒドロキシメチルフタルイミドを95%硫酸に撹拌しながら徐々に添加し、溶解させる。80℃で撹拌した後、氷水に徐々に析出させ、ろ過、水洗したのち炭酸ソーダ水溶液で処理して未反応物および分解物をろ過、水洗し、乾燥して、1分子あたりのフタルイミドメチル基の数が平均で1.2個のフタルイミドメチル化テトラメチル銅フタロシアニン(B−4)を得た。
製造例3(1)と同様にして、モノメチル銅フタロシアニン顔料クルードに代えて、製造例6(1)で得たテトラメチル銅フタロシアニン顔料クルード(B−1)およびヒドロキシメチルフタルイミドを95%硫酸に撹拌しながら徐々に添加し、溶解させる。80℃で撹拌した後、氷水に徐々に析出させ、ろ過、水洗したのち炭酸ソーダ水溶液で処理して未反応物および分解物をろ過、水洗し、乾燥して、1分子あたりのフタルイミドメチル基の数が平均で1.2個のフタルイミドメチル化テトラメチル銅フタロシアニン(B−4)を得た。
製造例9
製造例4(1)のヒドロキシメチルフタルイミドに代えてN−ヒドロキシメチルトリメリット酸アミドを反応させて、1分子あたりトリメリット酸アミドメチル基の数が凡そ2.5個のトリメリット酸アミドメチルテトラメチル銅フタロシアニンを得た。それをアルカリ水溶液で鹸化し、酢酸酸性にして析出させ、トリメリット酸モノアミドメチル化テトラメチル銅フタロシアニン色素(B−5)を得た。
製造例4(1)のヒドロキシメチルフタルイミドに代えてN−ヒドロキシメチルトリメリット酸アミドを反応させて、1分子あたりトリメリット酸アミドメチル基の数が凡そ2.5個のトリメリット酸アミドメチルテトラメチル銅フタロシアニンを得た。それをアルカリ水溶液で鹸化し、酢酸酸性にして析出させ、トリメリット酸モノアミドメチル化テトラメチル銅フタロシアニン色素(B−5)を得た。
製造例7
製造例3(2)と同様にして、モノメチル銅フタロシアニン顔料クルードに代えて、製造例6(1)で得たテトラメチル銅フタロシアニン顔料クルード(B−1)、製造例8で得たフタルイミドメチル化テトラメチル銅フタロシアニン色素(B−4)をスチールボール、釘とともに3時間振動ミルにて磨砕する。得られた内容物を取り出してソルベントフィニッシュにより顔料化を行ない、希酸処理、水洗、乾燥してテトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−6)を得た。図6に、テトラメチルフタロシアニン系顔料(B−6)のX線回析図を示す。回折角2θが6.38゜に回折強度の大きな鋭いピークを有している。14.0゜、16.9゜、26.2゜などに小さい回折を示している。
製造例3(2)と同様にして、モノメチル銅フタロシアニン顔料クルードに代えて、製造例6(1)で得たテトラメチル銅フタロシアニン顔料クルード(B−1)、製造例8で得たフタルイミドメチル化テトラメチル銅フタロシアニン色素(B−4)をスチールボール、釘とともに3時間振動ミルにて磨砕する。得られた内容物を取り出してソルベントフィニッシュにより顔料化を行ない、希酸処理、水洗、乾燥してテトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−6)を得た。図6に、テトラメチルフタロシアニン系顔料(B−6)のX線回析図を示す。回折角2θが6.38゜に回折強度の大きな鋭いピークを有している。14.0゜、16.9゜、26.2゜などに小さい回折を示している。
製造例11
(1)製造例1(1)の合成反応と同様にして、フタル酸無水物100部、4−メチルフタル酸無水物3部、尿素155部およびモリブデン酸アンモニウム0.5部を、芳香族系高沸点溶媒300部に加えて撹拌しながら徐々に昇温し、150℃で塩化第一銅18部を反応容器に加え、さらに昇温し175℃とする。この温度で4時間反応させる。反応後得られた生成物をろ過し、次いでメタノールで洗浄した後、希酸、希アルカリ水溶液で処理し、ろ過、水洗、乾燥してモノメチル銅フタロシアニンをほぼ10%含有する銅フタロシアニン顔料クルード(C−1)92.2部を得た。
(1)製造例1(1)の合成反応と同様にして、フタル酸無水物100部、4−メチルフタル酸無水物3部、尿素155部およびモリブデン酸アンモニウム0.5部を、芳香族系高沸点溶媒300部に加えて撹拌しながら徐々に昇温し、150℃で塩化第一銅18部を反応容器に加え、さらに昇温し175℃とする。この温度で4時間反応させる。反応後得られた生成物をろ過し、次いでメタノールで洗浄した後、希酸、希アルカリ水溶液で処理し、ろ過、水洗、乾燥してモノメチル銅フタロシアニンをほぼ10%含有する銅フタロシアニン顔料クルード(C−1)92.2部を得た。
(2)製造例1(2)と同様にして、モノメチル銅フタロシアニン顔料クルードに代えて、製造例8で得たモノメチル銅フタロシアニンをほぼ10%含有する銅フタロシアニン顔料クルード(C−1)を95%硫酸に撹拌しながら徐々に添加し、溶解させる。70℃で撹拌した後、氷水に徐々に析出させ、ろ過、水洗、乾燥してモノメチル銅フタロシアニンを含むα型銅フタロシアニン顔料(C−2)29.5部を得た。
製造例12
製造例4(2)と同様にして、製造例11で得たモノメチル銅フタロシアニンをほぼ10%含有する銅フタロシアニン顔料クルード(C−1)、製造例3(1)で得たフタルイミドメチル化モノメチル銅フタロシアニン(A−4)をスチールボール、釘とともに振動ミルにて磨砕する。得られた内容物を取り出してソルベントフィニッシュにより顔料化を行ない、希酸処理、水洗、乾燥してモノメチル銅フタロシアニンを含有するβ型銅フタロシアニン系顔料(C−3)を得た。
製造例4(2)と同様にして、製造例11で得たモノメチル銅フタロシアニンをほぼ10%含有する銅フタロシアニン顔料クルード(C−1)、製造例3(1)で得たフタルイミドメチル化モノメチル銅フタロシアニン(A−4)をスチールボール、釘とともに振動ミルにて磨砕する。得られた内容物を取り出してソルベントフィニッシュにより顔料化を行ない、希酸処理、水洗、乾燥してモノメチル銅フタロシアニンを含有するβ型銅フタロシアニン系顔料(C−3)を得た。
製造例13
製造例11(2)で得たモノメチル銅フタロシアニンを含むα型銅フタロシアニン顔料(C−2)400部と食塩1600部およびジエチレングリコール400部をニーダー中で内容物の温度を80〜100℃に保って6時間磨砕を行った。得られた内容物を希酸処理、ろ過、水洗、乾燥し、微細なモノメチル銅フタロシアニンを含むβ型銅フタロシアニン顔料(C−4)を得た。
製造例11(2)で得たモノメチル銅フタロシアニンを含むα型銅フタロシアニン顔料(C−2)400部と食塩1600部およびジエチレングリコール400部をニーダー中で内容物の温度を80〜100℃に保って6時間磨砕を行った。得られた内容物を希酸処理、ろ過、水洗、乾燥し、微細なモノメチル銅フタロシアニンを含むβ型銅フタロシアニン顔料(C−4)を得た。
製造例14
製造例11(2)で得たモノメチル銅フタロシアニンを含むα型銅フタロシアニン顔料(C−2)100部、製造例2で得たスルホン化モノメチル銅フタロシアニン(A−3)1部、製造例3(1)で得たフタルイミドメチル化モノメチル銅フタロシアニン(A−4)3部、ε−銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:6)10部、食塩300部およびジエチレングリコール110部をニーダー中で内容物の温度を110〜120℃に保って20時間磨砕を行った。得られた内容物を希酸加熱処理し、ろ過、水洗、乾燥し、酸性顔料誘導体で処理された、モノメチル銅フタロシアニンを含むε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−5)を得た。
製造例11(2)で得たモノメチル銅フタロシアニンを含むα型銅フタロシアニン顔料(C−2)100部、製造例2で得たスルホン化モノメチル銅フタロシアニン(A−3)1部、製造例3(1)で得たフタルイミドメチル化モノメチル銅フタロシアニン(A−4)3部、ε−銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:6)10部、食塩300部およびジエチレングリコール110部をニーダー中で内容物の温度を110〜120℃に保って20時間磨砕を行った。得られた内容物を希酸加熱処理し、ろ過、水洗、乾燥し、酸性顔料誘導体で処理された、モノメチル銅フタロシアニンを含むε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−5)を得た。
以上の製造例で得たフタロシアニン系色素は全て鮮明な青色であった。水微分散液の分光透過率を測定したところ、A−2の最大透過波長は485nm、A−3の最大透過波長は483nm、A−4の最大透過波長は495nm、A−5の最大透過波長は485nm、C−5の最大透過波長は465nmであった。また、同様に、無置換の銅フタロシアニンから得られる顔料および顔料誘導体の分光透過率を測定したところ、α型銅フタロシアニンの最大透過波長は495nm、スルホン化銅フタロシアニンの最大透過波長は500nm、フタルイミドメチル化銅フタロシアニンの最大透過波長は520nm、β型銅フタロシアニンの最大透過波長は500nm、ε型銅フタロシアニンの最大透過波長は470nmであった。
製造例15
製造例14で使用したスルホン化モノメチル銅フタロシアニン(A−3)に代えて、製造例5で得たアミノ化銅フタロシアニン色素(A−7)を用いて、製造例14と同様にして、モノメチル銅フタロシアニンを含むα型銅フタロシアニン顔料(C−2)およびε−銅フタロシアニン顔料と共に、食塩およびジエチレングリコールで磨砕を行い、塩基性顔料誘導体で処理された、モノメチル銅フタロシアニンを含むε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−6)を得た。
製造例14で使用したスルホン化モノメチル銅フタロシアニン(A−3)に代えて、製造例5で得たアミノ化銅フタロシアニン色素(A−7)を用いて、製造例14と同様にして、モノメチル銅フタロシアニンを含むα型銅フタロシアニン顔料(C−2)およびε−銅フタロシアニン顔料と共に、食塩およびジエチレングリコールで磨砕を行い、塩基性顔料誘導体で処理された、モノメチル銅フタロシアニンを含むε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−6)を得た。
実施例1
製造例10で得られたテトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−6)5部、カルボキシル基を含有するスチレン−アクリレート共重合体のジエタノールアミン塩(固形分:25%、以下、「水溶性共重合体水溶液−1」と称する)12部、エチレングリコール22部、グリセリン8部および水53部を横型媒体分散機にて分散し、水性顔料分散液を調製した。超遠心分離機で顔料の粗粒子を除去し、インクジェット用水性シアンインキを得た。
製造例10で得られたテトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−6)5部、カルボキシル基を含有するスチレン−アクリレート共重合体のジエタノールアミン塩(固形分:25%、以下、「水溶性共重合体水溶液−1」と称する)12部、エチレングリコール22部、グリセリン8部および水53部を横型媒体分散機にて分散し、水性顔料分散液を調製した。超遠心分離機で顔料の粗粒子を除去し、インクジェット用水性シアンインキを得た。
オンデマンド型のインクジェットプリンターで、上記シアンインキを用いて画像情報をプリントし、鮮明な緑味青色画像を得た。上記と同様にして、ジメチルキナクリドン顔料(PR−122)、モノアゾイエロー顔料(PY−74)およびカーボンブラック顔料(PBK−7)を使用してそれぞれ赤色、黄色、黒色のインクジェット用水性インキを調製した。上記の青色インキと併せて4色インクジェットプリンターで画像情報をプリントし、鮮明なフルカラーのインクジェット印刷物を得た。
実施例2
実施例1と同様にして、テトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−6)に代えて製造例3(2)で得られたモノメチル銅フタロシアニン顔料(A−5)を用いて水性顔料分散液を得た。超遠心分離機にて粗大粒子を除き、文具用水性シアンインキを得た。水性ボールペンに詰めて水性青色ボールペンを得た。
上記のモノメチル銅フタロシアニン顔料(A−5)に代えて、製造例1(2)で得られたモノメチル銅フタロシアニン顔料(A−2)および製造例6(2)で得られたテトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−2)を用いて同様にして水性シアンインキを得、水性ボールペンに詰めて水性青色ボールペンを得た。
実施例1と同様にして、テトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−6)に代えて製造例3(2)で得られたモノメチル銅フタロシアニン顔料(A−5)を用いて水性顔料分散液を得た。超遠心分離機にて粗大粒子を除き、文具用水性シアンインキを得た。水性ボールペンに詰めて水性青色ボールペンを得た。
上記のモノメチル銅フタロシアニン顔料(A−5)に代えて、製造例1(2)で得られたモノメチル銅フタロシアニン顔料(A−2)および製造例6(2)で得られたテトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−2)を用いて同様にして水性シアンインキを得、水性ボールペンに詰めて水性青色ボールペンを得た。
実施例3
実施例1と同様にして、テトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−6)に代えて製造例13で得た微細なモノメチル銅フタロシアニンを含むβ型銅フタロシアニン顔料(C−4)を用いてインクジェット用水性シアンインキを得た。オンデマンド型のインクジェットプリンターで、上記シアンインキを用いて画像情報をプリントし、鮮明な緑味青色画像を得た。また、同様にして、実施例1で得た赤色、黄色、黒色のインクジェット用水性インキとともに4色インクジェットプリンターで画像情報をプリントし、鮮明なフルカラーのインクジェット印刷物を得た。
実施例1と同様にして、テトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−6)に代えて製造例13で得た微細なモノメチル銅フタロシアニンを含むβ型銅フタロシアニン顔料(C−4)を用いてインクジェット用水性シアンインキを得た。オンデマンド型のインクジェットプリンターで、上記シアンインキを用いて画像情報をプリントし、鮮明な緑味青色画像を得た。また、同様にして、実施例1で得た赤色、黄色、黒色のインクジェット用水性インキとともに4色インクジェットプリンターで画像情報をプリントし、鮮明なフルカラーのインクジェット印刷物を得た。
実施例4
(1)製造例7で得たスルホン化テトラメチル銅フタロシアニン(B−3)をジエタノールアミンで中和し、10%染料水溶液とした。得られた青色染料水溶液30部に対し、実施例1で使用した水溶性共重合体水溶液−1を10部、エチレングリコール10部、グリセリン20部、サーフィノール82(エア・プロダクツ社製)1部、水29部の混合液70部を加え、十分攪拌した後、ポアサイズ5ミクロンのメンブランフィルターで濾過を行い、インクジェットプリンター用青色インクを得た。
(1)製造例7で得たスルホン化テトラメチル銅フタロシアニン(B−3)をジエタノールアミンで中和し、10%染料水溶液とした。得られた青色染料水溶液30部に対し、実施例1で使用した水溶性共重合体水溶液−1を10部、エチレングリコール10部、グリセリン20部、サーフィノール82(エア・プロダクツ社製)1部、水29部の混合液70部を加え、十分攪拌した後、ポアサイズ5ミクロンのメンブランフィルターで濾過を行い、インクジェットプリンター用青色インクを得た。
(2)別に、黄色染料としてダイレクトイエロー23、赤色染料としてアシッドレッド249、橙色染料としてアシッドオレンジ56、緑色染料としてアシッドグリーン28、黒色染料としてフードブラック2のそれぞれの10%水溶液を準備した。上記のインクジェットプリンター用青色インクの調製方法に従い、上記の青色染料水溶液に代えて、上記の各色染料水溶液を使用し、インクジェットプリンター用イエロー色インク、マゼンタ色インク、オレンジ色インク、グリーン色インクおよびブラック色インクをそれぞれ調製した。
(3)上記(1)および(2)で得られた6色のインクをピエゾ方式のインクジェットプリンターインクカートリッジにそれぞれ充填し、6色インクジェットプリンターにより写真用光沢紙にフルカラー写真画像をプリントした。カラープリント画像は十分な印字品質が得られ、鮮明なフルカラー写真画像がプリントされた。
上記のスルホン化テトラメチル銅フタロシアニン(B−3)に代えて、製造例9で得られたトリメリット酸モノアミドメチル化銅フタロシアニン色素(B−5)を用いて、上記(1)と同様にしてインクジェットプリンター用青色インクを得、インクジェットプリンターの青色インクとして使用して、鮮明なフルカラー写真画像がプリントされた。
上記のスルホン化テトラメチル銅フタロシアニン(B−3)に代えて、製造例9で得られたトリメリット酸モノアミドメチル化銅フタロシアニン色素(B−5)を用いて、上記(1)と同様にしてインクジェットプリンター用青色インクを得、インクジェットプリンターの青色インクとして使用して、鮮明なフルカラー写真画像がプリントされた。
実施例5
実施例4と同様にして、スルホン化テトラメチル銅フタロシアニン(B−3)に代えて、製造例4で得たスルホン化モノメチル銅フタロシアニン色素(A−6)を用いてインクジェットプリンター用青色インクを得た。同様にして、実施例4(2)で得たイエロー色インク、マゼンタ色インク、オレンジ色インク、グリーン色インクおよびブラック色インクとともに6色インクジェットプリンターにより写真用光沢紙にフルカラー写真画像をプリントした。カラープリント画像は十分な印字品質が得られ、鮮明なフルカラー写真画像がプリントされた。
実施例4と同様にして、スルホン化テトラメチル銅フタロシアニン(B−3)に代えて、製造例4で得たスルホン化モノメチル銅フタロシアニン色素(A−6)を用いてインクジェットプリンター用青色インクを得た。同様にして、実施例4(2)で得たイエロー色インク、マゼンタ色インク、オレンジ色インク、グリーン色インクおよびブラック色インクとともに6色インクジェットプリンターにより写真用光沢紙にフルカラー写真画像をプリントした。カラープリント画像は十分な印字品質が得られ、鮮明なフルカラー写真画像がプリントされた。
実施例6
製造例10で得られたテトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−6)30部をビスフェノールA−ビス(プロピレングリコールエーテル)とテレフタル酸のポリエステル樹脂(平均分子量:約15,000)70部と2本ロールで混練して青色顔料のポリエステルマスターバッチ(顔料高濃度含有樹脂組成物)を準備した。同様にして、ジメチルキナクリドン顔料(PR−122)およびモノアゾイエロー顔料(PY−74)およびカーボンブラック顔料(PBK−7)のそれぞれ30部を上記のポリエステル樹脂70部と混練し、それぞれ赤色、黄色、黒色のポリエステルマスターバッチを得た。
製造例10で得られたテトラメチル銅フタロシアニン顔料(B−6)30部をビスフェノールA−ビス(プロピレングリコールエーテル)とテレフタル酸のポリエステル樹脂(平均分子量:約15,000)70部と2本ロールで混練して青色顔料のポリエステルマスターバッチ(顔料高濃度含有樹脂組成物)を準備した。同様にして、ジメチルキナクリドン顔料(PR−122)およびモノアゾイエロー顔料(PY−74)およびカーボンブラック顔料(PBK−7)のそれぞれ30部を上記のポリエステル樹脂70部と混練し、それぞれ赤色、黄色、黒色のポリエステルマスターバッチを得た。
次いで、下記の表1の配合に従い、上記で得た各色のポリエステルマスターバッチ、上記のビスフェノール系ポリエステル樹脂およびクロム錯塩系負電荷制御剤を常法に従って混練し、冷却後粗砕した後、ジェットミルで微粉砕し、分級機で5〜7μmの画像記録用着色組成物の微粉末を得た。流動化剤のコロイダルシリカを添加し、キャリアの磁性鉄粉と混合し、シアン色、マゼンタ色、イエロー色およびブラック色の電子写真乾式現像剤とした。電子写真方式のフルカラーレーザープリンターにて電子印刷し、鮮明なフルカラーの電子写真印刷物を得た。
実施例7
製造例14で得られた酸性顔料誘導体で処理された、モノメチル銅フタロシアニンを含むε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−5)100部、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(60/20/20モル比)共重合体(重量平均分子量30,000)100部、シクロヘキサノン100部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMA」と称する。)60部、ディスパービック−163(ビックケミー社製:固形分45%)40部をペイントコンディショナーでプレミキシングした後、顔料濃度が20%になるようにPGMAを加え、連続式横型媒体分散機で分散させた。
製造例14で得られた酸性顔料誘導体で処理された、モノメチル銅フタロシアニンを含むε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−5)100部、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(60/20/20モル比)共重合体(重量平均分子量30,000)100部、シクロヘキサノン100部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMA」と称する。)60部、ディスパービック−163(ビックケミー社製:固形分45%)40部をペイントコンディショナーでプレミキシングした後、顔料濃度が20%になるようにPGMAを加え、連続式横型媒体分散機で分散させた。
ここで得られた青色顔料微分散液は45℃1週間で増粘することなく、保存安定性に優れていた。青色顔料微分散液をガラス基板にスピンコーターで塗布し、青色カラーフィルターガラス塗板(以下、「青色フィルターA」と称する。)が得られた。透過率、コントラスト比、耐熱性および耐光性を評価した結果、いずれの物性にも優れていた。
比較例1
上記実施例7において、モノメチル銅フタロシアニンを含むε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−5)に代えてε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)を使用して、実施例5と同様にして共重合体分散剤および溶剤を使用してペイントコンディショナーおよび連続式横型媒体分散機を用いて顔料を分散させ、青色顔料微分散液を得た。同様に青色顔料微分散液をガラス基板にスピンコーターで塗布し、青色カラーフィルターガラス塗板(以下、「青色フィルターB」と称する。)を得た。
上記実施例7において、モノメチル銅フタロシアニンを含むε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−5)に代えてε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)を使用して、実施例5と同様にして共重合体分散剤および溶剤を使用してペイントコンディショナーおよび連続式横型媒体分散機を用いて顔料を分散させ、青色顔料微分散液を得た。同様に青色顔料微分散液をガラス基板にスピンコーターで塗布し、青色カラーフィルターガラス塗板(以下、「青色フィルターB」と称する。)を得た。
実施例8
青色フィルターAおよび青色フィルターBの青色カラーフィルター用としての特性の評価を行なった。上記基板の色度(x値、y値)および明度(Y値)は色度計(東京電色社製、商品名:カラーアナライザーTC−1800MK2)を用いた。このときの光は補助標準イルミナントCとした。結果は表2に示したが、青色フィルターAの方が最大透過波長が短波長側にあることから赤味青色を示し、色度も赤味青色を示している。
青色フィルターAおよび青色フィルターBの青色カラーフィルター用としての特性の評価を行なった。上記基板の色度(x値、y値)および明度(Y値)は色度計(東京電色社製、商品名:カラーアナライザーTC−1800MK2)を用いた。このときの光は補助標準イルミナントCとした。結果は表2に示したが、青色フィルターAの方が最大透過波長が短波長側にあることから赤味青色を示し、色度も赤味青色を示している。
実施例9
実施例7のモノメチル銅フタロシアニンを含むε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−5)にかえて、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントバイオレット23をそれぞれ使用して、実施例7と同様にして夫々顔料分が20%の赤色顔料分散液−1、赤色顔料分散液−2、緑色顔料分散液、黄色顔料分散液、紫色顔料分散液を得た。
実施例7のモノメチル銅フタロシアニンを含むε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−5)にかえて、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントイエロー150およびC.I.ピグメントバイオレット23をそれぞれ使用して、実施例7と同様にして夫々顔料分が20%の赤色顔料分散液−1、赤色顔料分散液−2、緑色顔料分散液、黄色顔料分散液、紫色顔料分散液を得た。
カラーフィルターのガラス基板赤(R)、緑(G)、青(B)画素を形成するために、実施例7の青色顔料分散液と上記で調製した他の5色の顔料分散液を使用して、下記の表3の配合に従い、感光性青色レジストインク、感光性緑色レジストインク、感光性赤色レジストインクを得た。
上記において、TMPTAはトリメチロールプロパントリアクリレートを、HEMPAは2−ヒドロキシエチルー2−メチルプロパン−1−オンを、DEAPは2,2−ジエトキシアセトフェノンを示す。
シランカップリング剤処理を行なったガラス基板をスピンコーターにセットし、上記の感光性赤色レジストインクを最初300rpmで5秒間、次いで1,200rpmで5秒間スピンコートした。次いで80℃で10分間プリベークを行い、モザイク状のパターンを有するフォトマスクをガラス基板の塗布面に、プロキシミティー露光機を使用して超高圧水銀灯で100mJ/cm2の光量で露光を行なった。次いで専用現像液および専用リンスで現像および洗浄を行い、ガラス基板上赤色のモザイク状のパターンを形成させた。
引き続いて緑色モザイク状のパターンおよび青色モザイク状のパターンを表3の感光性緑色レジストインクおよび感光性青色レジストインクを用いて上記の方法に準じて塗布および焼付けを行って形成し、RGBのカラーフィルターを得た。得られたカラーフィルターは優れた分光カーブ特性を有し、耐光性、耐熱性などの堅牢性も優れ、また、光の透過にも優れた性質を有し、液晶カラーディスプレー用カラーフィルターとして優れた性質を示した。
上記の実施例7と同様にして、ε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−5)に代えて、製造例15で得られた塩基性顔料誘導体で処理されたモノメチル銅フタロシアニンを含むε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−6)を使用して青色顔料分散液を調製した。実施例9と同様にして感光性青色レジストインクにし、ガラス基板に赤色モザイクパターン、緑色モザイクパターン、青色モザイクパターンを形成し、3原色カラーフィルターを得た。得られたカラーフィルターは、同様に優れた分光カーブ特性、堅牢性、光の透過性に優れ、液晶カラーディスプレー用カラーフィルターとして優れた性質を示した。
上記の実施例7と同様にして、ε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−5)に代えて、製造例15で得られた塩基性顔料誘導体で処理されたモノメチル銅フタロシアニンを含むε型銅フタロシアニン顔料組成物(C−6)を使用して青色顔料分散液を調製した。実施例9と同様にして感光性青色レジストインクにし、ガラス基板に赤色モザイクパターン、緑色モザイクパターン、青色モザイクパターンを形成し、3原色カラーフィルターを得た。得られたカラーフィルターは、同様に優れた分光カーブ特性、堅牢性、光の透過性に優れ、液晶カラーディスプレー用カラーフィルターとして優れた性質を示した。
フタロシアニン顔料は、鮮明で高堅牢性の青色顔料であるが、結晶形により青色の色相が赤味あるいは緑味と異なり、また、結晶形によっては有機溶剤や熱に不安定で、結晶転移、結晶成長を抑制するための顔料誘導体の添加を必要とする。
本発明のアルキルフタロシアニンは、有機溶剤や熱に対して比較的安定で、結晶形もあまり大きな変化が見られず、また、青色の色調もあまり変化しない特長を示した。
また、導入されたアルキル基の個数が多くなることによって独特の緑味青色を示し、この色相がデジタルレーザープリンターなどに使用される現像剤やインクジェットプリンターに使用されるインクジェットインクに要求されているフルカラー印刷における色域の拡大に対してシアン色およびスカイブルー色として好適である。
また、アルキル基の導入数の少ないアルキルフタロシアニンおよびその色素誘導体は、赤味青色を示し、液晶ディスプレーのカラーフィルターの青色画素に使用されているε型銅フタロシアニン顔料に添加して微粒子化工程で結晶の変化を抑制し、顔料カラーの湿式分散工程で分散顔料の粒度分布、粘性などの保存安定性などの性能が向上するなど優れた効果を示し、色調も母体顔料とほぼ同様な色調の青色を示した。
それらの優れた性質を持って、種々の情報技術関連の着色剤、例えば、フルカラートナー、インクジェットプリンター用インクなどの画像記録用着色組成物、および、液晶ディスプレーのカラーフィルターや広告用ディスプレーなどの画像表示用着色組成物など広い用途に使用される。
Claims (17)
- アルキル基および/またはアルキルオキシ基を有するフタロシアニン系色素(アルキルフタロシアニン系色素)を含有することを特徴とする画像記録用・画素形成用着色組成物。
- さらに希釈媒体および/または塗膜形成材料を含有する請求項1に記載の画像記録用・画素形成用着色組成物。
- 前記アルキル(C1〜C18)基および/またはアルキル(C1〜C18)オキシ基の置換数が、1〜4個である請求項2に記載の画像記録用・画素形成用着色組成物。
- 前記アルキルフタロシアニン系色素の中心元素が、水素、銅、コバルト、ニッケル、チタン、すず、亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、リチウム、ナトリウムおよび珪素から選ばれる請求項3に記載の画像記録用・画素形成用着色組成物。
- 前記アルキルフタロシアニン系色素が、スルホン基、フタルイミドメチル基、カルボキシル基、ハロゲン基および/またはアミノ基を有する請求項4に記載の画像記録用・画素形成用着色組成物。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載のアルキルフタロシアニン系色素が、不溶性、水溶性または溶剤可溶性である請求項1に記載の画像記録用・画素形成用着色組成物。
- 請求項1〜4の何れか1項に記載のアルキルフタロシアニン系色素と請求項5に記載のアルキルフタロシアニン系色素誘導体との混合物および/または混晶物である請求項1に記載の画像記録用・画素形成用着色組成物。
- 前記希釈媒体が、有機溶媒、有機溶剤−水混合溶媒、水、液状重合体、液状オリゴマー、液状単量体、液状可塑剤からなる液状媒体、あるいは合成樹脂、天然樹脂、固体重合体、固体オリゴマー、固体単量体、固体可塑剤からなる固体状媒体から選ばれた少なくとも1種である請求項2に記載の画像記録用・画素形成用着色組成物。
- 前記塗膜形成材料が、反応性基を有してもよい重合体、オリゴマー、単量体および/または架橋剤を含有する請求項2に記載の画像記録用・画素形成用着色組成物。
- 電子写真複写機用記録剤、電子写真方式デジタルプリンター用記録剤、静電印刷用記録剤、インクジェット用インク、文具用インクまたはカラーフィルターの画素形成用インクである請求項1〜9の何れか1項に記載の画像記録用・画素形成用着色組成物。
- α型、β型またはε型銅フタロシアニン顔料と、モノ〜テトラメチル銅フタロシアニン、そのスルホン化誘導体、アミノ化誘導体、カルボン酸誘導体およびフタルイミドメチル化誘導体から選ばれる少なくとも1種とからなる請求項1に記載の画像記録用・画素形成用着色組成物。
- モノ〜テトラメチル銅フタロシアニン色素と、スルホン基、アミノ基、カルボキシル基またはフタルイミドメチル基を有するモノ〜テトラメチル銅フタロシアニン色素とからなる請求項1に記載の画像記録用・画素形成用着色組成物。
- 請求項1〜12の何れか1項に記載の画像記録用・画素形成用着色組成物を用いることを特徴とする物品を着色する方法。
- 着色方式が、電子写真複写、デジタル電子写真印刷、静電写真印刷、インクジェット印刷、筆記およびカラーフィルターの画素形成から選ばれる請求項13に記載の物品を着色する方法。
- 請求項12または13に記載の物品の着色方法で得られたことを特徴とする着色物品。
- アルキル(C1〜C18)フタル酸および/またはアルキル(C1〜C18)オキシフタル酸、それらの無水物、アミド酸、酸アミド、酸イミド、ジニトリルおよびアミノイミノイソインドレニンの誘導体から選ばれた少なくとも1種のアルキルフタル酸類(A)と、フタル酸、ハロゲン化フタル酸、それらの無水物、アミド酸、酸アミド、酸イミド、ジニトリルおよびアミノイミノイソインドレニンの誘導体から選ばれた少なくとも1種(B)とをモル比でA:B=100:0〜1:99とで反応させることを特徴とするアルキルフタロシアニン系色素の製造方法。
- 1〜4個のアルキル(C1〜C18)基および/またはアルキル(C1〜C18)オキシ基を有するアルキルフタロシアニン系色素を、スルホン化、フタルイミドメチル化、ハロゲン化、またはアミノ化することを特徴とするアルキルフタロシアニン系色素誘導体の製造方法。
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