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JP2009129704A - 密閉型電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】端子板を兼ねる封止体を備える密閉型電池において、封止体に対するリードの溶接強度を良好に確保しながら、スパッタ等の発生無く封止体を電池ケースに確実に溶接できるようにする。
【解決手段】封止体17は、電池ケース6側に配置されたアルミニウム等からなるアルミニウム層25と、アルミニウム層25上に形成されて、アルミニウム層25よりも熱伝導率の小さいニッケル等で形成されたニッケル層26とからなる。アルミニウム層25はニッケル層26よりも大形に形成されていて、アルミニウム層25の外周縁部25aはニッケル層26の外周縁26aよりも外側に張り出している。封止体17は、レーザ光27の中心軸Sがアルミニウム層25の外周縁25bに沿うとともに、レーザ光27の照射による溶接痕29のニッケル層26側の縁29aがニッケル層26の外周縁26aよりも外側に位置する状態で、電池ケース6に溶接される。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも外面側がアルミニウム又はアルミニウム合金で形成された電池ケースに注液孔を設け、該注液孔から電池ケース内に電解液を注入したのちに、注液孔を封止体で塞いだ状態で、該封止体を電池ケースにおける注液孔の周縁部にレーザ光で溶接してある密閉型電池に関する。
本発明に係る密閉型電池では、端子板を兼ねる封止体で、電池ケースに設けられた電解液の注液孔を封止するが、同様の形態は例えば特許文献1・2などにも見受けられる。この種の密閉型電池においては、端子板に溶接接合されるリードは、耐食性に優れたニッケルやニッケル合金等で形成されるのに対して、電池ケースは、アルミニウムやアルミニウム合金等で形成される。しかし、アルミニウムやアルミニウム合金とニッケルやニッケル合金等の溶接の適合性は良好であるとは言えず、封止板の全体をアルミニウム等で形成すると、リードの溶接強度が低下する不利がある。このため、特許文献1・2では、アルミニウム層の上側にニッケル層を接合したクラッド材で封止体を形成して、アルミニウム層側を電池ケースに溶接し、ニッケル層の上面にリードを溶接している。
特開2003−317703号公報(図2−3) 特開2006−12829号公報(図2a−3)
特許文献1・2に記載の密閉型電池では、封止体のアルミニウム層の上面全体をニッケル層が覆っているため(特許文献2の図3参照)、ニッケル層にレーザ光を照射してニッケル層およびアルミニウム層を溶融させなければ、封止体を電池ケースに溶接することができず、この分だけレーザ光のエネルギーを高く設定する必要がある。
しかし、レーザ光のエネルギーを高く設定すると、ニッケル層が高温になって溶融・蒸発し、ニッケル層が飛び散る所謂スパッタが発生する。このため、特許文献1・2の密閉型電池では、スパッタの発生に伴うピンホール等の溶接不良が生じて、溶接強度が低下するおそれがあった。
本発明は以上のような従来の端子板を兼ねる封止体を備える密閉型電池が抱える問題を解決するためになされたものであり、封止体に対するリードの溶接強度を良好に確保しながら、スパッタ等の発生無く封止体を電池ケースに確実に溶接できる密閉型電池を提供することを目的とする。
本発明が対象とする密閉型電池は、図1に示すように、少なくとも外面側がアルミニウム又はアルミニウム合金で形成された電池ケース6と、該電池ケース6に開設された電解液注入用の注液孔16を封止する封止体17とを有し、前記封止体17が、前記電池ケース6の前記注液孔16の周縁部にレーザ光27で溶接されている。
前記封止体17は、前記電池ケース6側に配置されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム層25と、該アルミニウム層25上に形成されて、該アルミニウム層25よりも熱伝導率の小さい金属又は金属合金で形成された異種金属層26とからなる。そして、前記アルミニウム層25は前記異種金属層26よりも大形に形成されていて、該アルミニウム層25の外周縁部25aは前記異種金属層26の外周縁26aよりも外側に張り出しており、前記封止体17は、前記レーザ光27の中心軸Sが前記アルミニウム層25の外周縁25bに沿うとともに、前記レーザ光27の照射による溶接痕29の前記異種金属層26側の縁29aが前記異種金属層26の外周縁26aよりも外側に位置する状態で、前記電池ケース6に溶接されていることを特徴とする。
異種金属の具体例としては、ニッケルやステンレス鋼等の金属を挙げることができる。レーザ光27の中心軸Sとしては、アルミニウム層25よりも外側に位置する場合や、アルミニウム層25の外周縁部25a上に位置する場合等が含まれる。ここでは、溶接痕29の縁29aの位置が、異種金属層26の外周縁26aに一致する場合も含まれる。
封止体17は、レーザ光27の中心軸Sをアルミニウム層25の外周縁25bに一致させた状態で溶接されているものとすることができる。
封止体17には、アルミニウム層25と一体形成されてアルミニウム層25の下面22aから下向きに突出する軸部23が設けられ、軸部23が注液孔16に挿入されているものとすることができる。
本発明に係る密閉型電池によれば、封止体17のアルミニウム層25の外周縁部25aが異種金属層26の外周縁26aよりも外側に張り出したので、アルミニウム層25に対してレーザ光27を直接照射することができる。したがって、異種金属層26を溶融せずともよくなり、レーザ光27の照射エネルギーを低く抑えながら、アルミニウム層25を電池ケース6に確実に溶接することができる。ニッケルやステンレス鋼等の異種金属層26上にリード30を溶接することができるので、リード30の溶接強度も良好に確保できる。端子板としての機能を封止体に与えたので、部品点数を削減して、密閉型電池の製造コストの低減化にも貢献できる。
加えて、溶接痕29の縁29aが異種金属層26の外周縁26aの外側に位置するように封止体17をレーザ光27で溶接したので、異種金属層26が溶けて飛び散る所謂スパッタの発生を防止することができ、溶接不良の発生も確実に防止できる。
つまり、アルミニウム層25は、異種金属層26に比べて熱伝導率が大きいために、レーザ光27による熱が拡散し易く、レーザ光27の照射エネルギーは、例えばニッケルを溶接する場合よりも高く設定される。このため、かかる高エネルギーのレーザ光27による熱が異種金属層26に伝達されると、異種金属層26では熱が拡散され難い分だけ、異種金属層26が高温になって溶融・蒸発し、スパッタを発生させることになる。これに対して本発明では、前述のように溶接痕29の縁29aが異種金属層26の外周縁26aの外側に位置するようにしたので、レーザ光27による熱が異種金属層26に伝わり難く、スパッタの発生を効果的に防止できる。したがって、スパッタの発生に伴うピンホール等の溶接不良を防止して、封止体17を電池ケース6に確実に溶接固定できる。
レーザ光27の中心軸Sをアルミニウム層25の外周縁25bに一致させた状態で封止体17が溶接されると、レーザ光27がアルミニウム層25の外周縁部25aに確実に照射されるとともに、レーザ光27がアルミニウム層25の外周縁25b近傍の電池ケース6にも照射され、レーザ光27の照射エネルギーでアルミニウム層25の外周縁部25aおよび電池ケース6を確実に溶融させて、封止体17を電池ケース6に確りと溶接することができる。
封止体17の軸部23が注液孔16に挿入されると、軸部23によって封止体17が電池ケース6に確りと位置決めされる。したがって、封止体17で注液孔16を確実に塞ぐことができるうえ、自動溶接機を用いた場合でも封止体17を注液孔16の周縁部に確実に溶接することができる。また、軸部23が注液孔16に挿入される分だけ、注液孔16を封止体17でより確実に封口することができる。
本発明に係る密閉型電池は、図1および図3に示すように、上面に左右横長の開口を有する有底角筒形状の電池缶1と、電池缶1内に収容された電極体2および非水電解液と、電池缶1の開口上面を塞いで密封する左右横長の蓋3と、蓋3の内側に配置されるプラスチック製の絶縁体5とを含む。電池缶1の左右幅寸法は34mm、上下高さ寸法は46mm、前後厚み寸法は4mmである。電池缶1と蓋3とによって電池ケース6が形成される。
電極体2は、帯状の正極と帯状の負極との間に帯状のセパレータを介在させた状態で渦巻状に巻回して作製され、図3に示すように巻回状態で扁平状になっている。正極は、コバルト酸リチウム等の正極活物質を含有する正極活物質層が帯状の正極集電体の裏表両面に形成されており、図1および図3に示すように、正極集電体から薄板状の正極集電リード10が導出される。
負極は、黒鉛等の負極活物質を含有する負極活物質層が帯状の負極集電体の裏表両面に形成されており、負極集電体から薄板状の負極集電リード11が導出される。セパレータは、ポリエチレン樹脂等の微多孔性薄膜フィルム等からなる。非水電解液は、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを混合した溶媒にLiPF6 を溶解させて作製した。
電池缶1は、アルミニウム又はアルミニウム合金の板材の深絞り成形品である。蓋3は、アルミニウム又はアルミニウム合金の板材のプレス成形品であり、電池缶1の開口周縁に蓋3の外周縁がYAGレーザ等のレーザ光でシーム溶接される。これにて、図1に示す電池ケース6が形成される。蓋3の中央には、上側の絶縁パッキング12および下側の絶縁板13を介して負極端子15が貫通状に取り付けられる。
蓋3の左右方向の右端寄りには、平面視で円形の注液孔16が上下貫通状に形成されている。注液孔16から電池ケース6内に非水電解液が注入されたのちに、注液孔16が、封止体17で塞がれる。負極端子15の下端には、蓋3の内面において左右横長の薄板からなるリード体19が接続される。リード体19は、注液孔16の反対側に延びており、絶縁板13で蓋3と絶縁されている。このリード体19の下面には、負極集電リード11が溶接される。
正極集電リード10は、蓋3の裏面において絶縁板13と注液孔16との間のスペースに溶接される。これで正極集電リード10が蓋3および電池缶1に導通して、蓋3および電池缶1が正極電位に帯電する。蓋3の左右方向の一端寄り(図3の左端寄り)には、開裂ベント20が形成されており、開裂ベント20は、電池内圧が異常上昇したときに開裂して電池内圧を解放する。
封止体17は、図1および図3に示すように、蓋3の上面における注液孔16の周縁部に溶接される四角板状の頭部22と、頭部22の下面22aの中央よりやや右寄りの位置から下向きに突出する円柱状の軸部23とを有する。封止体17の頭部22は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム層25と、該アルミニウム層25上に形成されて、アルミニウム層25よりも熱伝導率の小さいニッケル又はニッケル合金で形成されたニッケル層(異種金属層)26とからなる。封止体17の軸部23は、頭部22のアルミニウム層25と一体形成され、注液孔16に挿入(圧入)される(図1の状態)。
封止体17の頭部22は、図3に示すように、アルミニウム層25がニッケル層26よりも大形に形成されていて、アルミニウム層25の外周縁部25aが0.4mmの張り出し寸法L1分だけニッケル層26の外周縁26aよりも外側に張り出している。つまり、封止体17は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる板材と、ニッケル又はニッケル合金からなる板材とを上下に重ね合わせて圧延機で圧接接合されたクラッド材を用いており、プレス加工機で頭部22が形成されるとともにアルミニウム又はアルミニウム合金からなる板材の一部で軸部23が形成され、また頭部22のアルミニウム層25の外周縁部25aがニッケル層26の外周縁26aよりも外側に張り出すように形成される。頭部22のアルミニウム層25の厚さ寸法は0.15mm、ニッケル層26の厚さ寸法は0.2mmである。軸部23の上下厚さ寸法は1mmである。
そして、頭部22のアルミニウム層25の外周縁部25aが、電池ケース6の蓋3における注液孔16の周縁部にYAGレーザ等のレーザ光27で溶接される。つまり、封止体17は、図2および図4に示すように、レーザ光27の中心軸Sが頭部22のアルミニウム層25の外周縁25bに沿うとともに、レーザ光27の照射による溶接痕29のニッケル層26側の縁29aがニッケル層26の外周縁26aよりも外側に位置する状態で、アルミニウム層25の外周縁部25aが電池ケース6の蓋3に溶接される。具体的には、封止体17は、レーザ光27の中心軸Sを頭部22のアルミニウム層25の外周縁25bに一致させた状態で溶接されている。
溶接痕29のニッケル層26側の縁29aの位置は、ニッケル層26の外周縁26aの位置よりも、平均で0.1mm以上外側であることが望ましく、平均で0.2mm以上外側であることがより望ましい。また、溶接痕29のニッケル層26側の縁29aの位置が、ニッケル層26の外周縁26aよりも離れ過ぎると、アルミニウム層25の外周縁部25aの張り出し寸法L1の問題や加工の問題が生じるので、溶接痕29のニッケル層26側の縁29aの位置は、ニッケル層26の外周縁26aの位置よりも、1mm以下にすることが望ましい。
溶接痕29がアルミニウム層25の外周縁部25aのみに形成されてニッケル層26には及ばないようにするうえでは、封止体17のアルミニウム層25の外周縁部25aが、0.1mm以上の張り出し寸法L1だけニッケル層26の外周縁26aよりも封止体17の外側に張り出していることが望ましく、0.2mm以上外側に張り出していることがより望ましく、0.3mm以上外側に張り出していることが最も望ましい。
電池の組み立てに際しては、蓋3に対して、前述のように負極端子15、絶縁パッキング12、絶縁板13およびリード体19をそれぞれ取り付けておき、電極体2および絶縁体5を電池缶1内に収容したのちに、負極集電リード11をリード体19に、正極集電リード10を蓋3にそれぞれ溶接する。次いで、電池缶1の開口周縁に蓋3をシーム溶接したのちに、電池缶1内を真空減圧して注液孔16から非水電解液を注入する。
非水電解液の注入完了後に、封止体17の軸部23を注液孔16に圧入し、次いで封止体17の頭部22のアルミニウム層25の外周縁部25aを注液孔16の周縁部にレーザ光27で溶接する(図1の状態)。これにて、注液孔16が、封止体17で塞がれて封口される。この後、図4に示すように、封止体17の頭部22のニッケル層26の上面に、保護回路や外部機器等の正極リード30がスポット溶接され、負極端子15の上面に、保護回路や外部機器等の負極リード31がスポット溶接される。正極リード30は、ニッケル又はニッケル合金の層を有するクラッド材等からなり、ニッケル又はニッケル合金の層が封止体17の頭部22に溶接される。
(実施例)
以下に示すような実施例1〜3および比較例に係る電池をそれぞれ1000個づつ作製し、ピンホールの発生およびスパッタの発生の有無を確認した。これら実施例1〜3および比較例では、封止体17の頭部22のアルミニウム層25の外周縁部25aの張り出し寸法L1を0.4mm、レーザ光27の照射位置での径寸法を0.45mmに設定してある。これにて、レーザ光27の照射による溶接痕29の幅寸法L2が0.6mmになっている。
(実施例1) 実施例1に係る各電池では、レーザ光27の中心軸Sが封止体17の頭部22のアルミニウム層25の外周縁25bよりもニッケル層26側へ0.1mmだけ寄る位置で封止体17を蓋3に溶接した。これにより、溶接痕29のニッケル層26側の縁29aの位置が、ニッケル層26の外周縁26aの位置に一致した。
(実施例2) 実施例2に係る各電池では、レーザ光27の中心軸Sが封止体17の頭部22のアルミニウム層25の外周縁25bに一致する位置で封止体17を蓋3に溶接した。これにより、溶接痕29のニッケル層26側の縁29aの位置が、ニッケル層26の外周縁26aから外側へ0.1mmだけ離れた。
(実施例3) 実施例3に係る各電池では、レーザ光27の中心軸Sが封止体17の頭部22のアルミニウム層25の外周縁25bよりも外側へ0.2mmだけ離れた位置で封止体17を溶接した。これにより、溶接痕29のニッケル層26側の縁29aの位置が、ニッケル層26の外周縁26aから外側へ0.3mmだけ離れた。
(比較例) 比較例に係る各電池では、レーザ光27の中心軸Sが封止体17の頭部22のアルミニウム層25の外周縁25bよりもニッケル層26側へ0.3mmだけ寄る位置で封止体17を蓋3に溶接した。これにより、溶接痕29のニッケル層26側の縁29aが、ニッケル層26の外周縁26aよりも0.1mmだけ内側に位置して、溶接痕29がニッケル層26に重なった。
Figure 2009129704
表1から明らかなように、実施例1の各電池では、いずれもピンホールの発生は確認されず、1個の電池のみにスパッタの発生が確認された。実施例2・3の各電池では、ピンホールの発生およびスパッタの発生が確認されなかった。これに対して、比較例の各電池では、10個の電池でピンホールの発生およびスパッタの発生が確認された。
なお、レーザ光27の中心軸Sの位置を実施例3の位置よりもさらに外側へ離すと、レーザ光27がアルミニウム層25の外周縁部25aに当たらなくなって、アルミニウム層25の外周縁部25aが蓋3に溶接されなくなった。
このように、封止体17の頭部22のアルミニウム層25の外周縁部25aが、ニッケル層26の外周縁26aよりも外側に張り出しているので、アルミニウム層25にレーザ光27を直接照射できて、アルミニウム層25を電池ケース6に確実に溶接することができる。溶接痕29の縁29aがニッケル層26の外周縁26aよりも外側に位置するように封止体17をレーザ光27で溶接したので、レーザ光27による熱でニッケル層26が溶けて飛び散るスパッタの発生を防止することができ、これにてスパッタの発生に伴うピンホール等の溶接不良の発生を防止することができる。
封止体17のアルミニウム層25の外周縁部25aの張り出し寸法L1は、大きくすることが可能であるが、0.8mm以上になるとプレス加工が困難になる。また、電池の大きさ等によっても張り出し寸法L1は制限される。これらを考慮して張り出し寸法L1が設定される。また、レーザ光27の径は、大きくすると、これに伴ってレーザ光27の照射エネルギーを大きくする必要がある一方で、小さくし過ぎると、アルミニウム層25が深く溶け込み過ぎて、アルミニウム層25でスパッタが発生するおそれがある。これらを考慮してレーザ光27の径が設定される。
封止体17の軸部23は、合成ゴム等であってもよい。この場合、軸部23は、頭部22の下面22aに対して接着剤等で固定されることになる。軸部23は、注液孔16に対して遊びを有する状態で挿入されてもよい。また、軸部23を省略して封止体17を頭部22のみで形成してもよい。この場合でも、アルミニウム層25の外周縁部25aは、ニッケル層26の外周縁26aよりも封止体17の外側に張り出す。
注液孔16および封止体17は、必ずしも蓋3に設ける必要はなく、電池ケース6のいずれかの個所に設けてあればよい。例えば注液孔16および封止体17は、電池缶1の底面や側面に設けてもよい。封止体17は、ニッケル層26に代えてステンレス鋼やステンレス合金等からなる金属層で形成してもよい。電池缶1や蓋3は、少なくとも外面側がアルミニウムやアルミニウム合金の層で形成されるクラッド材で作製してもよい。
本発明に係る密閉型電池の縦断正面図である。 封止体の要部の拡大断面図である。 密閉型電池の分解斜視図である。 密閉型電池にリードを接続した状態を示す平面図である。
符号の説明
6 電池ケース
16 注液孔
17 封止体
22a 下面
23 軸部
25 アルミニウム層
25a 外周縁部
25b 外周縁
26 異種金属層(ニッケル層)
26a 外周縁
27 レーザ光
29 溶接痕
29a 縁
S レーザ光の中心軸

Claims (3)

  1. 少なくとも外面側がアルミニウム又はアルミニウム合金で形成された電池ケースと、該電池ケースに開設された電解液注入用の注液孔を封止する封止体とを有し、
    前記封止体が、前記電池ケースの前記注液孔の周縁部にレーザ光で溶接されている密閉型電池において、
    前記封止体は、前記電池ケース側に配置されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム層と、該アルミニウム層上に形成されて、該アルミニウム層よりも熱伝導率の小さい金属又は金属合金で形成された異種金属層とからなり、
    前記アルミニウム層は前記異種金属層よりも大形に形成されていて、該アルミニウム層の外周縁部は前記異種金属層の外周縁よりも外側に張り出しており、
    前記封止体は、前記レーザ光の中心軸が前記アルミニウム層の外周縁に沿うとともに、前記レーザ光の照射による溶接痕の前記異種金属層側の縁が前記異種金属層の外周縁よりも外側に位置する状態で、前記電池ケースに溶接されていることを特徴とする密閉型電池。
  2. 前記封止体は、前記レーザ光の中心軸が前記アルミニウム層の外周縁に一致する状態で溶接されている請求項1記載の密閉型電池。
  3. 前記封止体には、前記アルミニウム層と一体形成されて該アルミニウム層の下面から下向きに突出する軸部が設けられ、該軸部が前記注液孔に挿入されている請求項1又は2記載の密閉型電池。
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