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JP2009122566A - 低反射型フォトマスクブランクスおよびフォトマスク - Google Patents

低反射型フォトマスクブランクスおよびフォトマスク Download PDF

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JP2009122566A JP2007298884A JP2007298884A JP2009122566A JP 2009122566 A JP2009122566 A JP 2009122566A JP 2007298884 A JP2007298884 A JP 2007298884A JP 2007298884 A JP2007298884 A JP 2007298884A JP 2009122566 A JP2009122566 A JP 2009122566A
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Abstract

【課題】非クロム系材料による単層の遮光膜で、かつ、露光波長において低反射率を示し、パターンのエッチング加工性に優れ、ハーフピッチ45nm以降のリソグラフィ技術に適した低反射型のフォトマスクブランクスおよびフォトマスクを提供する。
【解決手段】透明基板上に露光光に対して低反射の遮光膜が形成されたフォトマスクブランクスにおいて、前記遮光膜が膜厚120nm以下の非クロム系の単層の遮光膜よりなり、前記露光光の波長が193nmのときの前記遮光膜の光学濃度が3以上で、表面反射率が20%以下であって、前記遮光膜の屈折率をn、消衰係数をkとしたとき、n、kが0.87≦n≦2.00、0.88≦k≦1.12の範囲にあることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、LSI、超LSIなどの高密度集積回路の製造に用いられるフォトマスクおよびそのフォトマスクを製造するためのフォトマスクブランクスに関し、特に、高NA露光装置を使用し、露光波長とほぼ同程度のサイズのマスクパターンをウェハ上に転写するとき、ウェハ上のパターンのハーフピッチが45nm以降の先端リソグラフィ技術に用いられる低反射型のフォトマスクブランクスおよびフォトマスクに関する。
IC、LSI、超LSIなどの半導体集積回路は、フォトマスク(以下、マスクとも称する)を使用したいわゆるリソグラフィ工程を繰り返すことによって製造される。パターニング前のフォトマスク基板はフォトマスクブランクス(以下、ブランクスとも称する)として知られており、バイナリ型フォトマスクブランクスは透明基板、クロム(Cr)を主成分とする遮光膜からなる構造が実用化されている。高精度な半導体集積回路を実現するために、フォトマスクブランクスは低欠陥、エッチング制御性を向上させるための膜組成・膜構造、低応力、並びに露光波長に対する低反射率化といった性能が要求される。これらの要求を満たすためにクロムを主成分とするフォトマスクブランクスにおいては、各種の膜組成、層構造、並びに成膜方法が提案・実用化されている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
しかしながらフォトマスクに要求されるスペックは年々厳しくなってきており、例えばITRSロードマップ2006年アップデートによると、DRAM65nmハーフピッチで要求されるマスクのCD ユニフォーミティ、リニアリティはそれぞれ3nm、10nmとなっており(非特許文献1参照)、マスク材料からの見直しが再検討されている(特許文献4参照)。
上記のフォトマスクにおいては、通常、露光光におけるフォトマスク表面の反射率を低くした低反射型のフォトマスクが求められている。ステッパなどの露光装置でフォトマスクを使用する場合、フォトマスクのパターン部の表面反射率が高いと、ステッパの投影系レンズや被転写体とフォトマスクの間で相互に光反射が生じ、結果として多重反射の影響によりパターンの転写精度が低下してしまうという問題があった。
上記の多重反射の問題を解決し、露光光に対するフォトマスクのパターン部表面の低反射化を図るために、透明基板上の遮光膜上に低反射膜を積層させるとなると、基板上に少なくとも2層以上の複数層の薄膜を設けたフォトマスクブランクスが必要となる。ところが、複数層の薄膜からなるブランクスをエッチングしてパターン形成する場合、各層を構成する薄膜の組成や結晶構造が異なるため、一般的に、各層の薄膜の最適なエッチング条件が異なる。従って、単一条件で全層のエッチングを試みると各層でエッチングシフト量が異なり、パターンの断面形状に段差が生じてしまう問題が発生する。また各層でエッチング条件を調節する工程を適応したとしても、各層のエッチングプロセスにおいて全層のエッチング選択比を考慮する必要があり、エッチングのプロセスマージンが小さくなってしまいエッチングパターン形成が難しくなるという問題が生じていた。
上記の問題に対して、単層の低反射型の遮光膜を形成したフォトマスクブランクスが提案され、遮光膜に単層の低反射型の酸化窒化クロムを用いたフォトマスクブランクスがある(特許文献5参照)。
特開昭61−272746号公報 特開平2−242252号公報 特開平4−9847号公報 特開2006−146152号公報 特開平4−125643号公報 International Technology Roadmap For Semiconductors 2006 Update,Lithography,p.9,半導体技術ロードマップ専門委員会(2006)
しかしながら、上記の酸化窒化クロムなどのクロム系材料を遮光膜に用いたフォトマスクブランクスは、ドライエッチング時のローディング効果の影響が大きくてマスクパターンの寸法シフトが許容しがたいレベルになりつつあり、さらに、クロム系材料は酸素含有塩素ガスでドライエッチングするために、高解像に有効なレジストの薄膜化が困難であるという問題があった。ローディング効果とは、ドライエッチングする被エッチング膜のエッチング面積の大小により、エッチングレートや選択比などのエッチング特性が変化し、その結果、マスク面内の寸法シフト量が変化してCD精度にばらつきを生じる現象である。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、非クロム系材料により単層の遮光膜で、かつ、露光波長において低反射率を示し、パターンのエッチング加工性に優れ、ハーフピッチ45nm以降のリソグラフィ技術に適した低反射型のフォトマスクブランクスおよびフォトマスクを提供することである。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係るフォトマスクブランクスは、透明基板上に露光光に対して低反射の遮光膜が形成されたフォトマスクブランクスにおいて、 前記遮光膜が膜厚120nm以下の非クロム系の単層の遮光膜よりなり、前記露光光の波長が193nmのときの前記遮光膜の光学濃度が3以上で、表面反射率が20%以下であって、前記遮光膜の屈折率をn、消衰係数をkとしたとき、n、kが0.87≦n≦2.0、0.88≦k≦1.12の範囲にあることを特徴とするものである。
請求項2の発明に係るフォトマスクブランクスは、請求項1に記載のフォトマスクブランクスにおいて、前記遮光膜が膜厚100nm以下の非クロム系の単層の遮光膜よりなり、前記露光光の波長が193nmのときの前記遮光膜の光学濃度が3以上で、表面反射率が20%以下であって、前記遮光膜の屈折率をn、消衰係数をkとしたとき、n、kが1.25≦n≦1.89、1.05≦k≦1.12の範囲にあることを特徴とするものである。
請求項3の発明に係るフォトマスクブランクスは、請求項1に記載のフォトマスクブランクスにおいて、前記遮光膜が膜厚120nm以下の非クロム系の単層の遮光膜よりなり、前記露光光の波長が193nmのときの前記遮光膜の光学濃度が3以上で、表面反射率が15%以下であって、前記遮光膜の屈折率をn、消衰係数をkとしたとき、n、kが1.22≦n≦1.58、0.88≦k≦0.91の範囲にあることを特徴とするものである。
請求項4の発明に係るフォトマスクブランクスは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフォトマスクブランクスにおいて、前記遮光膜が、アルミニウム、シリコン、ハフニウム、インジウムから選択された1種または2種以上の金属元素の窒化物、酸化物もしくは酸化窒化物のいずれかの化合物に、該化合物を構成する金属元素を添加させた混合物であることを特徴とするものである。
請求項5の発明に係るフォトマスクブランクスは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフォトマスクブランクスにおいて、前記遮光膜が、アルミニウム、シリコン、ハフニウム、インジウムから選択された1種または2種以上の金属元素の窒化物、酸化物、酸化窒化物のいずれか1種もしくは2種以上の化合物に、該化合物を構成する金属元素以外の金属元素を添加させた混合物であることを特徴とするものである。
請求項6の発明に係るフォトマスクは、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のフォトマスクブランクスを用いて製造したことを特徴とするものである。
本発明のフォトマスクブランクスによれば、遮光膜の反射率を決定するファクターである屈折率、消衰係数、膜厚の最適化を行うことにより、透明基板と単層の遮光膜からなる低反射型のフォトマスクブランクスが得られ、露光波長193nmにおいて光学濃度(OD)3、膜厚100nm以下をターゲットとした場合、反射率20%程度までは単層膜でも低反射化が可能となる。遮光膜を非クロム系材料の単層で低反射化させるため、遮光膜のエッチング条件は単一ステップでよく、大きなプロセスマージンが得られ、ローディング効果が低減され高精度のマスクパターン形成が可能となる。
本発明のフォトマスクによれば、非クロム系材料の単層膜で高い光学濃度の高精度の低反射パターンを形成することができ、フォトマスクの透明基板は露光波長に対して十分に厚いため、裏面側の反射も低反射としたフォトマスクを得ることが可能となり、ハーフピッチ45nm以降の半導体用リソグラフィ技術に適したフォトマスクを提供し得る。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る低反射型単層のフォトマスクブランクスおよびフォトマスクについて詳細に説明する。
本発明において、露光光としては現在最も使用されているArFエキシマレーザの波長193nmを対象とし、フォトマスクブランクスの望ましい仕様として、露光波長193nmにおいて単層の遮光膜の光学濃度(OD)は3以上、膜厚は120nm以下、より好ましくは100nm以下とし、遮光膜の表面の反射率は20%以下、より好ましくは15%以下に設定した。本発明において、単層とは同一化学組成で構成される一層の薄膜層を意味するものであり、単層薄膜層の深さ方向で若干の組成比の変動があっても本発明の単層に含まれるものである。
上記設定したフォトマスクブランクスの仕様数値の根拠は、遮光膜の光学濃度は3未満であると、マスク露光において遮光性が不十分になるおそれがあるからである。遮光膜の膜厚はマスクパターンの高解像化を考慮した場合、できるだけ薄膜であることが好ましいが、実用化されているCr系バイナリーマスクの膜厚を基に120nm以下とした。遮光膜の反射率は20%を超えると多重反射の影響が大きくなってくるからである。
なお、マスク検査の観点からは、透明基板に対してマスクパターン部のコントラスが要求されており、反射光を用いるマスク検査の場合、合成石英基板などの基板材料の反射率は非常に低い(193nmで4%程度)ので、パターン部は少なくとも5%を超える一定の反射率を確保する必要がある。従来、マスク検査で用いる検査光の波長としては露光波長より長波長が用いられていたが、ArFエキシマレーザ露光技術が延命されている状況の中でマスク検査性能の向上が図られており、199nm、257nmなどのほぼ露光波長に近い短波長の光がマスク検査に使用されはじめており、マスク検査においては露光波長付近で反射率をある程度確保する必要性も生じている。本発明の遮光膜表面の反射率20%以下、より好ましくは15%以下のフォトマスクブランクスによるパターン部は、短波長の検査光に対して基板とのコントラストを十分に確保することが可能である。
図1および図2は、合成石英基板などの透明基板上に露光光に対して単層の低反射の遮光膜が形成されたフォトマスクブランクスにおいて、遮光膜の屈折率をn、消衰係数をkとしたとき、露光光の波長193nmにおける光学濃度(OD)3を得るために必要な遮光膜の膜厚(nm)を示すシミュレーション結果(図1)、およびその時の遮光膜表面の反射率(%)のシミュレーション結果(図2)である。上記のシミュレーションはジェー・エー・ウーラム社製エリプソメーターVUV−VASEの解析ソフトWVASE Version 3.432で行っている。図1および図2の結果に基づいて、以下の単層の低反射型の遮光膜が形成されたフォトマスクブランクスの最良の実施形態における遮光膜の光学定数(屈折率n、消衰係数k)の範囲を求めた。
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態のフォトマスクブランクスの仕様を満たす光学定数を示す図である。透明基板上に露光光に対して単層の低反射の遮光膜が形成されたフォトマスクブランクスにおいて、露光光の波長193nmにおける光学濃度(OD)3を得るために必要な単層の低反射遮光膜の膜厚120nm以下、表面反射率20%以下を仕様とした場合、遮光膜の屈折率n、消衰係数kが上記の仕様を満たす取り得る値の範囲は、図3に示す太線で囲まれた領域である。図3は、横軸に屈折率n、縦軸に消衰係数kをとり、図中の直線が膜厚、弧状線が反射率を示しており、図3の太線で囲まれた領域の下面は膜厚(直線)で定義され、上面は反射率(弧状線)で定義されている。
図3より、0.87≦n≦2.00、0.88≦k≦1.12が本実施形態の仕様が許容できる光学定数の範囲となる。本実施形態は、比較的広い範囲から光学定数を設定することが可能となる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態のフォトマスクブランクスの仕様を満たす光学定数を示す図である。透明基板上に露光光に対して単層の低反射の遮光膜が形成されたフォトマスクブランクスにおいて、露光光の波長193nmにおける光学濃度(OD)3を得るために必要な単層の低反射遮光膜の膜厚100nm以下、表面反射率20%以下を仕様とした場合、遮光膜の屈折率n、消衰係数kが上記の仕様を満たす取り得る値の範囲は、図4に示す太線で囲まれた範囲である。図4は、図3と同様に、図中の直線が膜厚、弧状線が反射率を示し、図4の太線で囲まれた領域の下面は膜厚で定義され、上面は反射率で定義されている。
図4より、1.25≦n≦1.89、1.05≦k≦1.12が本実施形態の仕様が許容できる光学定数の範囲となる。本実施形態は、遮光膜の膜厚を100nm以下とすることにより微細パターン形成に有利となるが、取り得る光学定数の値はかなり限定されてくる。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態のフォトマスクブランクスの仕様を満たす光学定数を示す図である。透明基板上に露光光に対して単層の低反射の遮光膜が形成されたフォトマスクブランクスにおいて、露光光の波長193nmにおける光学濃度(OD)3を得るために必要な単層の低反射遮光膜の膜厚100nm以下、表面反射率15%以下を仕様とした場合、遮光膜の屈折率n、消衰係数kが上記の仕様を満たす取り得る値の範囲は、図5に示す太線で囲まれた範囲である。図5は、図3と同様に、図中の直線が膜厚、弧状線が反射率を示し、図5の太線で囲まれた領域の下面は膜厚で定義され、上面は反射率で定義されている。
図5より、1.22≦n≦1.58、0.88≦k≦0.91が本実施形態の許容できる光学定数の範囲となる。本実施形態は、反射率を15%以下とすることによりウェハ転写時の多重反射の影響はかなり低減されるが、取り得る光学定数の値は相当に限定されてくる。
(ブランクス構成要素)
次に、本発明の第1の実施形態、第2の実施形態および第3の実施形態のフォトマスクブランクスを構成する各要素について述べる。
(透明基板)
本発明のフォトマスクブランクスにおいて、透明基板としては、露光光を高透過率で透過する光学研磨された合成石英ガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどを用いることができるが、通常、多用されており品質が安定し、短波長の露光光の透過率の高い合成石英ガラスがより好ましい。
(遮光膜)
本発明のフォトマスクブランクスにおいて、単層の低反射型の遮光膜は、アルミニウム、シリコン、ハフニウム、インジウムから選択された1種または2種以上の金属元素の窒化物、酸化物もしくは酸化窒化物のいずれかの化合物に、該化合物を構成する金属元素を添加させた混合物が用いられる。混合物を構成する化合物としては、具体的には、窒化化合物として窒化アルミニウム、窒化シリコン、窒化ハフニウム、窒化インジウムが挙げられ、酸化化合物として酸化アルミニウム、酸化シリコン、酸化ハフニウム、酸化インジウムが挙げられ、酸化窒化化合物として酸化窒化アルミニウム、酸化窒化シリコン、酸化窒化ハフニウム、酸化窒化インジウムが挙げられる。添加する金属は遮光膜中の含有率が20原子%〜60原子%程度の範囲で添加して用いられ、上記の化合物にその化合物を構成する金属を添加した混合物よりなる遮光膜は、例えば、ターゲットに各々の化合物を構成する金属を用い、スパッタガスとして窒化化合物を成膜する場合にはAr/N2ガス、酸化化合物を成膜する場合にはAr/O2ガス、酸化窒化化合物を成膜する場合にはAr/N2/O2ガスを用い、上記の化合物をスパッタリング法などにより成膜するときに同時に化合物を構成する金属を成膜して形成することで作製することができる。
また、本発明のフォトマスクブランクスにおいて、単層の低反射型の遮光膜は、アルミニウム、シリコン、ハフニウム、インジウムから選択された1種または2種以上の金属元素の窒化物、酸化物、酸化窒化物のいずれか1種もしくは2種以上の化合物に、該化合物を構成する金属元素以外の金属元素を添加させた混合物であってもよい。添加する金属は遮光膜中の含有率が20原子%〜60原子%程度の範囲で添加して用いられ、上記の化合物にその化合物を構成する金属元素以外の金属を添加した混合物よりなる遮光膜は、例えば、上記の化合物をスパッタリング法などにより成膜するときに同時に化合物を構成する金属元素以外の金属を成膜して混合物として形成することで作製することが可能である。上記の遮光膜としては、例えば、酸化アルミニウムにシリコンを添加した混合物による薄膜、酸化シリコンにタンタルを添加した混合物による薄膜、あるいは酸化シリコンと酸化アルミニウムにタンタルを添加した混合物による薄膜などが例示できる。
以下、実施例により本発明の好ましい形態についてさらに詳しく説明する。
(実施例1)
第1の実施形態の例として、光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の透明な合成石英基板を洗浄し、スパッタリング装置内でこの石英基板をセットしたトレイの搬送速度を調節しながら、下記の条件で成膜し、石英基板の一主面上に膜厚105nmの単層の窒化アルミニウム(AlNx)膜を有するフォトマスクブランクスを以下の条件で形成した。波長193nmにおける光学定数を測定したところ、屈折率:1.14、消衰係数:1.04であり、光学濃度:3.0、反射率は19.4%であった。AlNx膜中の金属Alの添加量は58atm%であった。なお、成膜した遮光膜の組成比はX線光電子分光分析装置(XPS:Xray Photoelectron Spectroscopy、アルバック・ファイ社製Quantum2000)を用いてAl2pの光電子束縛エネルギーのスペクトル解析より求め、遮光膜の光学定数および膜厚はジェー・エー・ウーラム社製エリプソメーターVUV−VASEより、光学濃度は大塚電子社製MCPD3000、反射率は大塚電子社製MCPD7000で測定した。
<遮光膜のスパッタリング成膜条件>
装置:平行平板型DCマグネトロンスパッタリング装置
スパッタターゲット:アルミニウム
ガスおよび流量:Ar/N2 40/10sccm
圧力:9mTorr
カソードパワー:1.5kW
次に、上記のブランクス上に日本ゼオン(株)製電子線レジストZEP520Aを膜厚100nmで塗布し、プリベーク後、電子線描画装置にてパターン露光し、日本ゼオン製ZEN−N50により現像し、所望形状のレジストパターンを形成した。
次に、上記のレジストパターンをマスクとして、ドライエッチング装置によりレジストパターンから露出している単層の遮光膜を下記条件によりドライエッチングし、パターニングした。酸素非含有塩素系ガスでドライエッチングを行ったため、遮光膜のエッチングレートがレジストのエッチングレートと比較して3倍早く、100nmのレジスト膜厚で問題なく遮光膜のパターニングができた。最後にレジストをO2プラズマでアッシングして除去し、膜厚105nm、波長193nmのときの光学濃度が3.0、表面反射率19.4%の単層の低反射型のAlNx遮光膜パターンよりなる第1の実施形態のArFエキシマレーザ用フォトマスクを得た。
<遮光膜のドライエッチング条件>
装置:高密度プラズマドライエッチング装置
エッチングガス:BCl3/Cl2 50/10sccm
圧力:3mTorr
ICPパワー:950W
バイアスパワー:30W
(実施例2)
第2の実施形態の例として、光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の透明な合成石英基板を洗浄し、スパッタリング装置内でこの石英基板をセットしたトレイの搬送速度を調節しながら、下記の条件で成膜し、石英基板の一主面上に膜厚98nmの単層の窒化シリコン(SiNx)膜を有するフォトマスクブランクスを以下の条件で形成した。波長193nmにおける光学定数を測定したところ、屈折率:1.85、消衰係数:1.09であり、光学濃度:3.1、反射率は19.6%であった。SiNx膜中のアモルファスSiの添加量は44atm%であった。なお、成膜した遮光膜の組成比はX線光電子分光分析装置を用いてSi2pの光電子束縛エネルギーのスペクトル解析より求め、光学定数および膜厚はジェー・エー・ウーラム社製エリプソメーターVUV−VASEより、光学濃度は大塚電子社製MCPD3000、反射率は大塚電子社製MCPD7000で測定した。
装置:平行平板型DCマグネトロンスパッタリング装置
スパッタターゲット:単結晶シリコン(ボロンドープ)
ガスおよび流量:Ar/N2 30/20sccm
圧力:9mTorr
カソードパワー:1.5kW
次に、上記のブランクス上に日本ゼオン(株)製電子線レジストZEP520Aを膜厚250nmで塗布し、プリベーク後、電子線描画装置にてパターン露光し、日本ゼオン製ZEN−N50により現像し、所望形状のレジストパターンを形成した。
次に、上記のレジストパターンをマスクとして、ドライエッチング装置によりレジストパターンから露出している単層の遮光膜を下記条件によりドライエッチングし、パターニングし、最後にレジストをO2プラズマでアッシングして除去し、膜厚98nm、波長193nmのときの光学濃度が3.1、表面反射率19.6%の単層の低反射型のSiNx遮光膜パターンよりなる第2の実施形態のArFエキシマレーザ用フォトマスクを得た。
<遮光膜のドライエッチング条件>
装置:高密度プラズマドライエッチング装置
エッチングガス:CF4 50sccm
圧力:3mTorr
ICPパワー:500W
バイアスパワー:30W
(実施例3)
第3の実施形態の例として、実施例1と同様にして、光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の透明な合成石英基板上に膜厚118nmの単層のSiON膜を有する膜厚118nmの波長193nmにおける光学定数を測定したところ、屈折率:1.53、消衰係数:0.90であり、光学濃度:3.0、反射率は14.9%であった。なお、遮光膜の光学定数および膜厚は実施例1と同じ測定器を用いた。
<遮光膜のスパッタリング成膜条件>
装置:平行平板型DCマグネトロンスパッタリング装置
スパッタターゲット:単結晶シリコン(ボロンドープ)
ガスおよび流量:Ar/N2/O2 30/16/4sccm
圧力:9mTorr
カソードパワー:1.5kW
次に、実施例2と同様にして、上記のブランクスをパターン加工し、膜厚118nm、波長193nmのときの光学濃度が3.0、表面反射率14.9%の単層の低反射型のSiON遮光膜パターンよりなる第3の実施形態のArFエキシマレーザ用フォトマスクを得た。
(実施例4)
光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の透明な合成石英基板上に、Al23膜に金属Alを添加した混合物による膜厚118nmの単層の遮光膜を有するフォトマスクブランクスを、Ar/O2ガスを用いて形成した。波長193nmにおける光学定数を測定したところ、屈折率:0.87、消衰係数:0.93であり、光学濃度:3.0、反射率は20.0%であった。Al23膜中の金属Alの添加量は58atm%であった。なお、遮光膜の組成比、遮光膜の光学定数および膜厚は実施例1と同じ測定器を用いた。
次に、実施例1と同様にして、上記のブランクスをパターン加工し、膜厚118nm、波長193nmのときの光学濃度が3.0、表面反射率20.0%の単層の金属Al添加Al23膜よりなる低反射型の遮光膜パターンを有するArFエキシマレーザ用フォトマスクを得た。
(実施例5)
光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の透明な合成石英基板を洗浄し、2元同時スパッタリング装置にこの石英基板をセットし、下記の条件で石英基板の一主面上に膜厚100nmの単層の酸化アルミとシリコンの混合膜を有するフォトマスクブランクスを以下の条件で形成した。波長193nmにおける光学定数を測定したところ、屈折率:1.30、消衰係数:1.06であり、光学濃度:3.0、反射率は18.9%であった。混合膜中のアモルファスSiの添加量は50atm%であった。なお、成膜した遮光膜の組成比はX線光電子分光分析装置を用いてAl2p及びSi2pの光電子束縛エネルギーのスペクトル解析より求め、光学定数および膜厚はジェー・エー・ウーラム社製エリプソメーターVUV−VASEより、光学濃度は大塚電子社製MCPD3000、反射率は大塚電子社製MCPD7000で測定した。
<遮光膜のスパッタリング成膜条件>
装置:2元同時マグネトロンスパッタリング装置
スパッタターゲット:単結晶シリコン(ボロンドープ)及びアルミナターゲット
ガスおよび流量:Ar 50sccm
圧力:2mTorr
カソードパワー:Si/Al2O3 0.2kW(DC)/2kW(RF)
次に、上記のブランクス上に日本ゼオン(株)製電子線レジストZEP520Aを膜厚400nmで塗布し、プリベーク後、電子線描画装置にてパターン露光し、日本ゼオン製ZEN−N50により現像し、所望形状のレジストパターンを形成した。
次に、上記のレジストパターンをマスクとして、ドライエッチング装置によりレジストパターンから露出している単層の遮光膜を下記条件によりドライエッチングし、パターニングし、最後にレジストをO2プラズマでアッシングして除去し、膜厚100nm、波長193nmのときの光学濃度が3.0、表面反射率18.9%の単層の低反射型の酸化アルミとシリコン混合遮光膜パターンよりなるArFエキシマレーザ用フォトマスクを得た。
<遮光膜のドライエッチング条件>
装置:高密度プラズマドライエッチング装置
エッチングガス:BCl3/Cl2 50/10sccm
圧力:3mTorr
ICPパワー:950W
バイアスパワー:70W
(実施例6)
光学研磨した6インチ角、0.25インチ厚の透明な合成石英基板を洗浄し、2元同時スパッタリング装置にこの石英基板をセットし、下記の条件で石英基板の一主面上に膜厚116nmの単層の酸化シリコンとタンタルの混合膜を有するフォトマスクブランクスを以下の条件で形成した。波長193nmにおける光学定数を測定したところ、屈折率:1.41、消衰係数:0.94であり、光学濃度:3.1、反射率は15.7%であった。混合膜中のタンタルの添加量は61atm%であった。なお、成膜した遮光膜の組成比はX線光電子分光分析装置を用いてAl2p及びTa4dの光電子束縛エネルギーのスペクトル解析より求め、光学定数および膜厚はジェー・エー・ウーラム社製エリプソメーターVUV−VASEより、光学濃度は大塚電子社製MCPD3000、反射率は大塚電子社製MCPD7000で測定した。
<遮光膜のスパッタリング成膜条件>
装置:2元同時マグネトロンスパッタリング装置
スパッタターゲット:タンタル及びSiO2ターゲット
ガスおよび流量:Ar 50sccm
圧力:4mTorr
カソードパワー:Ta/SiO2 0.4kW(DC)/2kW(RF)
次に、上記のブランクス上に日本ゼオン(株)製電子線レジストZEP520Aを膜厚400nmで塗布し、プリベーク後、電子線描画装置にてパターン露光し、日本ゼオン製ZEN−N50により現像し、所望形状のレジストパターンを形成した。
次に、上記のレジストパターンをマスクとして、ドライエッチング装置によりレジストパターンから露出している単層の遮光膜を下記条件によりドライエッチングし、パターニングし、最後にレジストをO2プラズマでアッシングして除去し、膜厚116nm、波長193nmのときの光学濃度が3.1、表面反射率15.7%の単層の低反射型の酸化シリコンとタンタル混合遮光膜パターンよりなるArFエキシマレーザ用フォトマスクを得た。
<遮光膜のドライエッチング条件>
装置:高密度プラズマドライエッチング装置
エッチングガス:CF4 50sccm
圧力:6mTorr
ICPパワー:800W
バイアスパワー:90W
本発明の露光光の波長193nmにおける光学濃度3を得るために必要な遮光膜の膜厚を示すシミュレーション結果である。 本発明の露光光の波長193nmにおける光学濃度3を得るために必要な遮光膜表面の反射率のシミュレーション結果である。 本発明の第1の実施形態のフォトマスクブランクスの仕様を満たす光学定数を示す図である。 本発明の第2の実施形態のフォトマスクブランクスの仕様を満たす光学定数を示す図である。 本発明の第3の実施形態のフォトマスクブランクスの仕様を満たす光学定数を示す図である。

Claims (6)

  1. 透明基板上に露光光に対して低反射の遮光膜が形成されたフォトマスクブランクスにおいて、
    前記遮光膜が膜厚120nm以下の非クロム系の単層の遮光膜よりなり、前記露光光の波長が193nmのときの前記遮光膜の光学濃度が3以上で、表面反射率が20%以下であって、前記遮光膜の屈折率をn、消衰係数をkとしたとき、n、kが0.87≦n≦2.00、0.88≦k≦1.12の範囲にあることを特徴とするフォトマスクブランクス。
  2. 請求項1に記載のフォトマスクブランクスにおいて、
    前記遮光膜が膜厚100nm以下の非クロム系の単層の遮光膜よりなり、前記露光光の波長が193nmのときの前記遮光膜の光学濃度が3以上で、表面反射率が20%以下であって、前記遮光膜の屈折率をn、消衰係数をkとしたとき、n、kが1.25≦n≦1.89、1.05≦k≦1.12の範囲にあることを特徴とするフォトマスクブランクス。
  3. 請求項1に記載のフォトマスクブランクスにおいて、
    前記遮光膜が膜厚120nm以下の非クロム系の単層の遮光膜よりなり、前記露光光の波長が193nmのときの前記遮光膜の光学濃度が3以上で、表面反射率が15%以下であって、前記遮光膜の屈折率をn、消衰係数をkとしたとき、n、kが1.22≦n≦1.58、0.88≦k≦0.91の範囲にあることを特徴とするフォトマスクブランクス。
  4. 前記遮光膜が、アルミニウム、シリコン、ハフニウム、インジウムから選択された1種または2種以上の金属元素の窒化物、酸化物もしくは酸化窒化物のいずれかの化合物に、該化合物を構成する金属元素を添加させた混合物であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフォトマスクブランクス。
  5. 前記遮光膜が、アルミニウム、シリコン、ハフニウム、インジウムから選択された1種または2種以上の金属元素の窒化物、酸化物、酸化窒化物のいずれか1種もしくは2種以上の化合物に、該化合物を構成する金属元素以外の金属元素を添加させた混合物であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフォトマスクブランクス。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のフォトマスクブランクスを用いて製造したことを特徴とするフォトマスク。
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