JP2009121747A - 二次燃焼室における二次燃焼空気の吹き込み方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前壁21Fの中央部から二次空気を吹き込み燃焼ガスを分断する前壁ノズル22Fと、仕切り壁21Rの左右両側から二次空気を吹き込み旋回流CAを形成する仕切り壁ノズル22Rと、旋回流CAの中心部近傍に下流側から二次空気を吹き込み滞留させる挿入ノズル22Sの3系統でそれぞれ流速で二次空気供給量を制御する。挿入ノズル22Sの流速を制御し、かつ残りのノズル22F,22Rを最大流速域に保持するA工程と、前壁ノズル22Fの流速を制御し、かつ仕切り壁ノズル22Rの流速を最大流速域に、挿入ノズル22Sの流速を最小流速域にそれぞれ保持するB工程と、仕切り壁ノズル22Rの流速を制御し、かつ残りのノズル22F,22Sを最小流速域に保持するC工程とを有し、C工程を二次空気低供給域で行う。
【選択図】図1
Description
また供給熱量(ごみの発熱量×ごみ投入量)が変化すると、適正な燃焼空気量を保持し、かつ炉内温度を維持するために二次空気供給量も変動させる必要があるが、特許文献1および2には、二次空気の吹き込み方法について言及されていない。従来では、通常必要な理論空気量から得られた二次空気を供給できるように、供給配管に介装された流量調整用のダンパにより二次空気供給量を制御していた。この場合に、特に二次空気供給量が低減された時に、燃焼ガスへの二次空気の貫通力が低下して、二次空気と燃焼ガスの混合性が悪化し、未燃物質の完全燃焼ができないおそれがあった。
[実施の形態1]
図1,図2に示すように、この二次燃焼室21は、たとえばストーカ式ごみ焼却炉において、一次燃焼室15の上部に設けられるものである。炉本体11の前部には、被焼却物であるごみを所定量ずつ供給するごみ供給口12が設けられており、ごみ供給口12から炉本体11の底部のストーカ13上に供給されたごみが、前部から後部に送られつつ乾燥燃焼され、焼却灰や焼却残滓を炉本体11の後部に設けられた灰排出口14から排出するように構成されている。前記ストーカ13は前部上位から後部下位に傾斜されて、前部の乾燥火格子部13aから燃焼火格子部13bを介して後燃焼火格子部13cに連続して配置され、各火格子部13a〜13cの下部に設けられた乾燥用、燃焼用、後燃焼用の風箱(図示せず)から各火格子部13a〜13cを介してそれぞれ一次燃焼空気が吹き込まれる。そして燃焼火格子部13b上にごみを燃焼させる一次燃焼室15が形成される。
[二次空気の吹き込み方法]
次に上記構成における二次燃焼空気の吹き込み方法を、二次空気供給量と二次空気流速とに基づいてシミュレーションにより求めた図4のグラフと、その時の二次燃焼室21出口の一酸化炭素濃度を示す表1を参照して説明する。
上記構成において、図4に示すように、前壁ノズル22F(第1噴出口)、仕切り壁ノズル22R(第2噴出口)および挿入ノズル22S(第3噴出口)からそれぞれ供給される二次空気の流速による3系統で二次空気供給量を制御するものである。
また比較例として、図7に示すように、二次空気ノズル22F,22R,22Sの各二次空気の流速を、点aから二次空気供給量を減少させる場合、挿入ノズル22Sの二次空気の流速を一定に保持した状態で、前壁ノズル22Fと仕切り壁ノズル22Rの二次空気の流速を減少させた後、点c〜点dの範囲で挿入ノズル22Sの二次空気の流速を減速させるシミュレーションを行った結果、表2に示すように、二次燃焼室21の出口の一酸化炭素濃度は本発明よりも増大する結果となった。
なお、本発明において、二次空気の流速を範囲で示しているのは、燃焼ガスに対して十分な貫通力を得るための二次空気流速が、二次燃焼室21の前壁21Fと仕切り壁21Rとの壁間距離により変化するためであり、壁間距離l1〜l2と十分な貫通力が得られる二次空気流速v1〜v2との間には、図6に示すような関係がある。
上記構成において、図5に示すように、仕切り壁ノズル22R(第2噴出口)から供給される二次空気の流速を第1流速とし、前壁ノズル22F(第1噴出口)および挿入ノズル22S(第3噴出口)からそれぞれ供給される二次空気の流速を第2流速として、これら第1流速と第2流速の2系統で二次空気供給量を制御するものである。この第2流速で供給される前壁ノズル22Fおよび挿入ノズル22Sの二次空気供給量比は、各ノズルの口径(断面積)と本数から求められる合計断面積比となる。
2)点gから、燃焼制御装置37により、第2流速を最小流速域に保持した状態で、仕切り壁ノズル流速制御弁35Rを操作して第1流速を、55m/秒付近から漸次絞って流速約20m/秒(点h)まで低下させ、エアブロアユニット31からの二次空気供給量を約3620m3N/hから約2300m3N/hまで減少させる。(F工程)
上記第2の二次空気の吹き込み方法における二次燃焼室21の出口の一酸化炭素濃度は、表3の通りであり、一酸化炭素濃度が十分に低い範囲に保持されていることがわかる。
上記第1の二次空気の吹き込み方法によれば、前壁ノズル22Fおよび仕切り壁ノズル22Rから供給される二次空気の流速がそれぞれ最大流速域にある二次空気高供給域(点a−b間)では、供給熱量の増減に対応してA工程を行う。A工程では、前壁ノズル22Fおよび仕切り壁ノズル22Rから供給される二次空気の流速を最大流速域に保持しつつ、挿入ノズル22Sから供給される二次空気の流速を最大流速域と最小流速域との間で増減して二次空気供給量を調整する。
12 ごみ供給口
13 ストーカ
13b 燃焼火格子
14 灰排出口
15 一次燃焼室
21 二次燃焼室
21F 前壁
21R 仕切り壁
21S 側壁
22F 前壁ノズル
22R 仕切り壁ノズル
22S 挿入ノズル
31 エアブロアユニット
33F 前壁ノズル分配管
33R 仕切り壁ノズル分配管
33S 挿入ノズル分配管
35F 前壁ノズル流速制御弁
35R 仕切り壁ノズル流速制御弁
35S 挿入ノズル流速制御弁
Claims (4)
- 一次燃焼室から流入される燃焼ガスの流れ方向の下流側に設置された二次燃焼室に、前後一方の壁面の中央部に上下方向に複数段に配置されて二次空気を水平方向に吹き込む複数の第1噴出口と、前後他方の壁面の左右両側でかつ第1噴出口の上流側に配置されて左右の側壁に沿って水平方向に二次空気を吹き込む第2噴出口と、第2噴出口の下流側に配置されて第1噴出口と第2噴出口から吹き込まれた二次空気により形成される2つの旋回流の中心部近傍に、下流側から二次空気を吹き込む第3噴出口とを具備した二次燃焼室における二次燃焼空気の吹き込み方法であって、
第1噴出口、第2噴出口および第3噴出口からそれぞれ供給される二次空気の流速の3系統で二次空気供給量を制御し、
第1噴出口および第2噴出口からそれぞれ供給される二次空気の流速を最大流速域に保持した状態で、第3噴出口の二次空気の流速を最大流速域と最小流速域の間で漸次変化させて二次空気供給量を増減するA工程と、
第2噴出口から供給される二次空気の流速を最大流速域に保持するとともに第3噴出口から供給される二次空気の流速を最小流速域に保持した状態で、第1噴出口の二次空気の流速を最大流速域と最小流速域の間で漸次変化させて二次空気供給量を増減するB工程と、
第1噴出口および第3噴出口からそれぞれ供給される二次空気の流速を最小流速域に保持した状態で、第2噴出口の二次空気の流速を最大流速域と最小流速域の間で漸次変化させて二次空気供給量を増減するC工程とを有し、
二次空気供給量が最も減少される二次空気低供給域でC工程を行い、
第1噴出口、第2噴出口および第3噴出口の二次空気の最大流速域を40m/秒以上とし、最小流速域を30m/秒以下とした
ことを特徴とする二次燃焼室における二次燃焼空気の吹き込み方法。 - 二次空気供給量が最も大きい二次空気高供給域から最も小さい二次空気低供給域まで二次空気供給量を減少させる時に、A工程とB工程とC工程を順次行い、
二次空気供給量が最も小さい二次空気低供給域から最も大きい二次空気高供給域まで二次空気供給量を増大させる時に、C工程とB工程とA工程を順次行う
ことを特徴とする請求項1記載の二次燃焼室における二次燃焼空気の吹き込み方法。 - 一次燃焼室から流入される燃焼ガスの流れ方向の下流側に設置された二次燃焼室に、前後一方の壁面の中央部に上下方向に複数段に配置されて二次空気を水平方向に吹き込む複数の第1噴出口と、前後他方の壁面の左右両側でかつ第1噴出口の上流側に配置されて左右の側壁に沿って水平方向に二次空気を吹き込む第2噴出口と、第2噴出口の下流側に配置されて第1噴出口と第2噴出口から吹き込まれた二次空気により形成される2つの旋回流の中心部近傍に、下流側から二次空気を吹き込む第3噴出口とを具備した二次燃焼室における二次燃焼空気の吹き込み方法であって、
第2噴出口から供給される二次空気の第1流速と、第1噴出口および第3噴出口から供給される二次空気の第2流速からなる2系統で二次空気供給量を制御し、
第1流速を最大流速域に保持した状態で、第2流速を最小流速域と最大流速域の間で漸次変化させて二次空気供給量を変化させるE工程と、
第2流速を最小流速域に保持した状態で、第1流速を最小流速域と最大流速域の間で漸次変化させて二次空気供給量を増減するF工程とを有し、
二次空気供給量が最も減少される二次空気低供給域でF工程を行い、
第1流速および第2流速の最大流速域を40m/秒以上し、最小流速域を30m/秒以下とした
ことを特徴とする二次燃焼室における二次燃焼空気の吹き込み方法。 - 二次空気供給量が最も大きい二次空気高供給域から最も小さい二次空気低供給域まで二次空気供給量を減少させる時に、E工程とF工程を順次行い、
二次空気供給量が最も小さい二次空気低供給域から最も大きい二次空気高供給域まで二次空気供給量を増大させる時に、F工程とE工程を順次行う
ことを特徴とする請求項3記載の二次燃焼室における二次燃焼空気の吹き込み方法。
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