JP2009118741A - 高甘味度甘味料の後甘味抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】高甘味度甘味料の後甘味の持続を抑制する。
【解決手段】高甘味度甘味料とポリ−γ−グルタミン酸またはその塩とを特定の重量比で共存させる。
【選択図】なし
【解決手段】高甘味度甘味料とポリ−γ−グルタミン酸またはその塩とを特定の重量比で共存させる。
【選択図】なし
Description
本発明は、高甘味度甘味料の後甘味抑制剤に関する。
これまで、アスパルテーム、スクラロースをはじめ、種々の高甘味度甘味料を用いる技術が検討されている。これらの高甘味度甘味料は、たとえばショ糖の数倍以上の甘味強度を有するため、カロリー低減等の観点で有用である。一方、甘味質の面では、高甘味度甘味料はショ糖に比べて甘味が長く持続し甘味の後切れが悪かったり、また、高甘味度甘味料の種類によっては独特の苦味や渋味、えぐみ、収斂味等の好ましくない味・風味を有することがある。
高甘味度甘味料の後味を改善する技術としては、特許文献1に記載のものがある。同文献によれば、紅茶葉抽出物を用いることにより高甘味度甘味料の後味を改善できるとされており、具体的には、アスパルテームの甘味の消失時間を短縮できることが記載されている。
また、技術分野は異なるが、高甘味度甘味料の利用例として、特許文献2には、ポリグルタミン酸ナトリウムとアスパルテームとを配合して顆粒状にしたものをエッグノッグ中に配合することが記載されている。
ところが、上述した特許文献1に記載の技術においても、高甘味度甘味料の後甘味を切るという点で、なお、改善の余地があった。
本発明によれば、
高甘味度甘味料と、
ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩と、
を含み、
前記高甘味度甘味料に対する前記ポリ−γ−グルタミン酸の割合が、重量比で0.01以上100以下である、高甘味度甘味料の後甘味抑制剤が提供される。
また、本発明によれば、前記本発明における後甘味抑制剤を含む、飲料が提供される。
高甘味度甘味料と、
ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩と、
を含み、
前記高甘味度甘味料に対する前記ポリ−γ−グルタミン酸の割合が、重量比で0.01以上100以下である、高甘味度甘味料の後甘味抑制剤が提供される。
また、本発明によれば、前記本発明における後甘味抑制剤を含む、飲料が提供される。
本発明において、ポリ−γ−グルタミン酸(以下、γ−PGAとも呼ぶ。)とは、構成アミノ酸がグルタミン酸であり、γ位のカルボキシル基でペプチド結合している高分子化合物を指す。
本発明によれば、高甘味度甘味料に対してポリ−γ−グルタミン酸またはその塩を特定の重量比で配合することにより、高甘味度甘味料の甘味が後味として持続することを効果的に抑制し、甘味の後切れを向上することができる。
高甘味度甘味料に対するポリ−γ−グルタミン酸の割合を重量比で0.01以上とすることにより、甘味の後切れ向上効果を確実に得ることができる。
また、高甘味度甘味料に対するポリ−γ−グルタミン酸の割合を重量比で100以下とすることにより、異味または異風味が生じることを抑制し、甘味の質を安定的に向上させることができる。
高甘味度甘味料に対するポリ−γ−グルタミン酸の割合を重量比で0.01以上とすることにより、甘味の後切れ向上効果を確実に得ることができる。
また、高甘味度甘味料に対するポリ−γ−グルタミン酸の割合を重量比で100以下とすることにより、異味または異風味が生じることを抑制し、甘味の質を安定的に向上させることができる。
なお、これらの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現を方法、装置などの間で変換したものもまた本発明の態様として有効である。
たとえば、本発明によれば、ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩を含有する後甘味抑制剤を添加する工程を含む、飲料の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、高甘味度甘味料とポリ−γ−グルタミン酸またはその塩とを共存させる、高甘味度甘味料の後甘味抑制方法が提供される。
また、本発明によれば、高甘味度甘味料とポリ−γ−グルタミン酸またはその塩とを共存させる、高甘味度甘味料の後甘味抑制方法が提供される。
以上説明したように、本発明によれば、高甘味度甘味料に対してポリ−γ−グルタミン酸またはその塩を特定の重量比で配合することにより、高甘味度甘味料の後甘味の持続を抑制することができる。
本発明における後甘味抑制剤は、高甘味度甘味料の後味として甘味が持続することを抑制する、つまり、甘味の後切れを良くするものであり、高甘味度甘味料およびポリ−γ−グルタミン酸またはその塩を含有する。後甘味抑制剤の形態には特に制限はなく、粉末、顆粒、錠剤、液体、またはゲル状等が例示され、さらに具体的には、粉末状または顆粒状である。
ここで、高甘味度甘味料は、甘味倍率がショ糖の少なくとも10倍程度以上、より具体的には100倍以上の甘味料が好ましく、食用に適したものであれば特に制限はない。高甘味度甘味料は、天然物であってもよいし、合成化合物であってもよい。
高甘味度甘味料として、たとえば、アスパルテーム(α−L−アスパラチル−L−フェニルアラニンメチルエステル)等のアスパルチルジペプチドエステルおよびその誘導体(たとえば、ネオテーム)、アセスルファームK(6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4(3H)−オン−2,2−ジオキシドカリウム)、スクラロース(4,1,6−トリクロロガラクトスクロース)、サッカリンおよびその塩(たとえば、ナトリウム塩)、ソーマチン(タウマチン)、ステビア抽出物、甘草抽出物、羅漢果エキス、モネリン、モナチン等が挙げられる。甘味の質をさらに向上させる観点から、高甘味度甘味料として、アスパルテームおよびスクラロースの一種以上を用いてもよい。
これらの高甘味度甘味料は、単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。
高甘味度甘味料として、たとえば、アスパルテーム(α−L−アスパラチル−L−フェニルアラニンメチルエステル)等のアスパルチルジペプチドエステルおよびその誘導体(たとえば、ネオテーム)、アセスルファームK(6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4(3H)−オン−2,2−ジオキシドカリウム)、スクラロース(4,1,6−トリクロロガラクトスクロース)、サッカリンおよびその塩(たとえば、ナトリウム塩)、ソーマチン(タウマチン)、ステビア抽出物、甘草抽出物、羅漢果エキス、モネリン、モナチン等が挙げられる。甘味の質をさらに向上させる観点から、高甘味度甘味料として、アスパルテームおよびスクラロースの一種以上を用いてもよい。
これらの高甘味度甘味料は、単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるγ−PGAとして、たとえば納豆の粘質物中のγ−PGAを抽出して用いてもよく、納豆菌等のバチリス属の菌体外に分泌するγ−PGAを用いてもよい。また、納豆粘質物中の、あるいは納豆菌が同時に分泌するレバンを含んでいても何ら支障がない。また、所定の分子量のγ−PGAを得るには、当該分子量より大きいγ−PGAを酸あるいはγ結合を分解する腸内には存在しない特殊な酵素により低分子化する方法と、納豆菌等の培養により当該分子量のγ−PGAを分泌させる方法があるが、そのどちらのγ−PGAを用いてもよい。
γ−PGAは一般にナトリウム塩として得られるが、カリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩等の他の金属塩あるいはフリーのポリグルタミン酸であってもよい。
本発明において、γ−PGAの重量平均分子量は、高甘味度甘味料の甘味の後切れを良くする効果をさらに安定的に発揮させる観点では、たとえば3×103以上とすることが好ましく、5×103以上とすることがさらに好ましく、1×104以上とすることがより一層好ましい。
また、γ−PGAの重量平均分子量は、たとえば3×106以下とすることが好ましく、1×106以下とすることがさらに好ましく、1×105以下とすることがより一層好ましい。
なお、γ−PGAの重量平均分子量は、たとえば光散乱法により測定される。
また、γ−PGAの重量平均分子量は、たとえば3×106以下とすることが好ましく、1×106以下とすることがさらに好ましく、1×105以下とすることがより一層好ましい。
なお、γ−PGAの重量平均分子量は、たとえば光散乱法により測定される。
本発明において、高甘味度甘味料の甘味の後切れを良くする効果をさらに確実に発揮させる観点では、高甘味度甘味料に対するポリ−γ−グルタミン酸の割合が、重量比で、0.01以上、好ましくは0.05以上となるように配合する。また、呈味のバランスをさらに向上させる観点では、高甘味度甘味料に対するポリ−γ−グルタミン酸の割合が、重量比で100以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは0.6以下、より一層好ましくは0.4以下となるように配合する。γ−PGAを用いることにより、後味として甘味が持続する高甘味度甘味料の場合にも、甘味の持続を抑制し、後切れを向上させることができる。よって、高甘味度甘味料を用いる場合にも、後味のすっきりした甘味とし、甘味の質を向上させることができる。
また、高甘味度甘味料に対してγ−PGAを上記比で共存させることにより、高甘味度甘味料が苦味、渋味、えぐみ、収斂味等の独特の異味を呈するものである場合に、これらの異味をマスキングすることができる。
本発明における後甘味抑制剤は、高甘味度甘味料の甘味の後切れを向上させるため、高甘味度甘味料が配合される飲食品に好適に用いられる。飲食品の具体例として、飲料が挙げられる。飲料として、さらに具体的には、ニアウォーター、炭酸飲料、果汁飲料、コーヒー、紅茶、ココア、大豆含有飲料等の清涼飲料、ドリンク剤等の滋養強壮飲料、乳酸菌飲料等が挙げられる。
また食品の例としては、アイスクリーム、シャーベット、ゼリー、ムース、チョコレート、ラムネ菓子、シリアル等が挙げられる。
また食品の例としては、アイスクリーム、シャーベット、ゼリー、ムース、チョコレート、ラムネ菓子、シリアル等が挙げられる。
飲料全体に対するγ−PGAの割合は、高甘味度甘味料の甘味の後切れをさらに効果的に向上させる観点から、たとえば0.001重量%以上、好ましくは0.003重量%以上とする。
また、飲料全体に対するγ−PGAの割合は、飲料全体の呈味のバランスを向上させる観点から、たとえば0.05重量%以下、好ましくは0.03重量%以下とする。
また、飲料全体に対するγ−PGAの割合は、飲料全体の呈味のバランスを向上させる観点から、たとえば0.05重量%以下、好ましくは0.03重量%以下とする。
なお、飲料中の高甘味度甘味料の濃度に特に制限はなく、飲料の種類に応じて適宜設定されるが、たとえば飲料の甘味強度が5重量%以上15重量%以下のショ糖水溶液に相当するように(PSE5%以上15%以下)、飲料中に配合する。
また、飲料のpHに特に制限はないが、たとえば、pH4.5以下としてもよい。
また、飲料のpHに特に制限はないが、たとえば、pH4.5以下としてもよい。
また、本発明において、γ−PGAは、高甘味度甘味料と口の中で共存させることにより、甘味の後切れを向上させることができる。よって、γ−PGAは、高甘味度甘味料とともに喫食されればよく、その添加時期に特に制限はない。たとえば、飲料の製造工程において、後甘味抑制剤を直接または調味料として添加してもよいし、高甘味度甘味料を含む食品の製造後、喫食前に食卓等でγ−PGAを添加してもよい。
本発明において、後甘味抑制剤または飲料が、カリウム塩以外の各種ミネラルをさらに含んでいてもよい。ミネラル類としては、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、銅、セレンなどの生体必須ミネラルの一部あるいは全部が対象となる。また、用いるミネラルの形態には制限はないが、たとえばカルシウムでは、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、乳酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウムなどの化学的合成品の食品添加物、および貝カルシウム、骨カルシウムなどの天然カルシウムが対象として例示される。鉄では、塩化第二鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム、グルコン酸第一鉄、乳酸鉄、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、硫酸第一鉄などの化学的合成品の食品添加物、およびヘム鉄などの天然鉄が対象として例示される。
また、飲料全体に対するミネラル類の合計濃度は、ミネラル類を効率よく摂取する観点では、たとえば0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上とする。ただし、ミネラル類は、後甘味抑制剤の甘味質の向上という観点では飲料中に必須ではなく、ミネラル類が無くても本発明の効果を得ることができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明した。これらはあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
以下の実施例においては、γ−PGAとして、味の素社製カルテイク(登録商標)を用いた。用いたγ−PGAの分子量は、3万程度であった。
(実施例1)
本実施例では、スクラロースに対するγ−PGAの添加効果を評価した。
ショ糖8重量%または10重量%水溶液と同等の甘味(甘味強度PSE8または10)になるようにスクラロースを配合した溶液に、γ−PGAを各濃度で添加した。
本実施例では、スクラロースに対するγ−PGAの添加効果を評価した。
ショ糖8重量%または10重量%水溶液と同等の甘味(甘味強度PSE8または10)になるようにスクラロースを配合した溶液に、γ−PGAを各濃度で添加した。
PSE8の系については、0.0216重量%のスクラロース水溶液に、γ−PGA濃度が0、0.004、0.006、0.008および0.01重量%となるようにγ−PGAを添加した試料(試料No.A1〜A5)を調製した。表1に、各試料のスクラロース濃度およびγ−PGA濃度を示す。
また、PSE10の系については、0.03重量%のスクラロース水溶液とし、上記PSE8の系に準じて試料(試料No.B1〜B5)を調製した。表2に、各試料のスクラロース濃度およびγ−PGA濃度を示す。
試料No.A1〜A5およびB1〜B5について、5名または6名以上の専門の評価パネルが官能評価を行った。
官能評価の際は、γ−PGA無添加の試料をコントロール(0点)とした。評点は、表3に示すように、−3.0(かなり弱いと感じる)から+3.0(かなり強く感じる)までの0.1刻みとした。また、各試料について単独で評価し、各評価パネルの評点の平均値を求めた。この平均が高いほど、味を強く感じていることを表す。
官能評価の際は、γ−PGA無添加の試料をコントロール(0点)とした。評点は、表3に示すように、−3.0(かなり弱いと感じる)から+3.0(かなり強く感じる)までの0.1刻みとした。また、各試料について単独で評価し、各評価パネルの評点の平均値を求めた。この平均が高いほど、味を強く感じていることを表す。
図1および図2は、それぞれ、試料No.A1〜A5および試料No.B1〜B5について、「後甘味の強さ」および「苦味/渋味の強さ」の評価結果を示す図である。
図1および図2において、「※※」は、試料No.A1またはB1に対して危険率1%で有意差があることを示し、「※」は、試料No.A1またはB1に対して危険率5%で有意差があることを示す。
図1および図2において、「※※」は、試料No.A1またはB1に対して危険率1%で有意差があることを示し、「※」は、試料No.A1またはB1に対して危険率5%で有意差があることを示す。
図1および図2より、PSE8および10のいずれの系の場合にも、γ−PGAを0.004重量%以上添加することにより、スクラロース水溶液の後甘味の強さを弱める効果(いわゆる「後切れの改善効果」)が確認された。この効果は、γ−PGAの添加量を増やすと共に、高まる傾向にあった。
また、スクラロースの甘味の強さと後切れとのバランスの観点では、γ−PGAの添加量を0.004重量%および0.006重量%とした試料が最も優れていた。
また、スクラロースの甘味の強さと後切れとのバランスの観点では、γ−PGAの添加量を0.004重量%および0.006重量%とした試料が最も優れていた。
さらに、γ−PGAを0.004重量%以上添加することにより、スクラロースの苦味および渋味を低減することができた。
(実施例2)
本実施例では、スクラロースまたはアスパルテーム(以下、「APM」とも略す。)を含むニアウォーターに対するγ−PGAの添加効果を評価した。
ショ糖8重量%水溶液と同等の甘味(甘味強度PSE8)になるようにアスパルテームまたはスクラロースを配合した溶液に、γ−PGAを各濃度で添加した。溶液には他にフレーバー(アップル)および酸味料(クエン酸(Na))を加え、pHを3.2に調整した。
本実施例では、スクラロースまたはアスパルテーム(以下、「APM」とも略す。)を含むニアウォーターに対するγ−PGAの添加効果を評価した。
ショ糖8重量%水溶液と同等の甘味(甘味強度PSE8)になるようにアスパルテームまたはスクラロースを配合した溶液に、γ−PGAを各濃度で添加した。溶液には他にフレーバー(アップル)および酸味料(クエン酸(Na))を加え、pHを3.2に調整した。
アスパルテームの系については、0.0469重量%のアスパルテーム水溶液に、γ−PGA濃度が0、0.004、0.006および0.008重量%となるようにγ−PGAを添加した試料(試料No.C1〜C4)を調製した。表4に、各試料の配合を示す。
また、スクラロースの系については、0.0216重量%のスクラロース水溶液に、γ−PGA濃度が0、0.004、0.006、0.008および0.01重量%となるようにγ−PGAを添加した試料(試料No.D1〜D5)を調製した。表5に、各試料の配合を示す。
試料No.C1〜C4およびD1〜D5について、5名または6名以上の専門の評価パネルが実施例1で前述した方法に準じて官能評価を行った。
図3および図4は、それぞれ、試料No.C1〜C4および試料No.D1〜D5について、「後甘味の強さ」および「苦味/渋味の強さ」の評価結果を示す図である。なお、試料No.C1〜C4については、実施例1に準じて有意差検定を行い、結果を図3中に「※※」または「※」で示した。
図3および図4より、APMおよびスクラロースのいずれの系の場合にも、γ−PGAを0.004重量%以上添加することにより、高甘味度甘味料の後甘味の強さを弱める効果が確認された。この効果は、γ−PGAの添加量を増やすと共に、高まる傾向にあった。
また、スクラロースのように、苦味または渋味を有する甘味料とγ−PGAを併用することにより、苦味または渋味が低減された。
なお、APMおよびスクラロースのいずれの系についても、本実施例におけるγ−PGAの添加量の範囲では、実用上問題になる程度の甘さの低下は認められなかった。また、APMおよびスクラロースのいずれの系についても、本実施例におけるγ−PGAの添加量の範囲では、実用上問題になる程度の異味または異風味は認められなかった。
また、スクラロースのように、苦味または渋味を有する甘味料とγ−PGAを併用することにより、苦味または渋味が低減された。
なお、APMおよびスクラロースのいずれの系についても、本実施例におけるγ−PGAの添加量の範囲では、実用上問題になる程度の甘さの低下は認められなかった。また、APMおよびスクラロースのいずれの系についても、本実施例におけるγ−PGAの添加量の範囲では、実用上問題になる程度の異味または異風味は認められなかった。
(実施例3)
本実施例では、ネオテームに対するγ−PGAの添加効果を評価した。
水100mLにネオテームを0.0007g添加した溶液(試料No.E1)および上記溶液にγ−PGAを0.002g添加した溶液(試料No.E2)を調製した。
本実施例では、ネオテームに対するγ−PGAの添加効果を評価した。
水100mLにネオテームを0.0007g添加した溶液(試料No.E1)および上記溶液にγ−PGAを0.002g添加した溶液(試料No.E2)を調製した。
試料No.E1およびE2の後甘味の強さについて、2名の専門の評価パネルが官能評価を行った。その結果、γ−PGAを含まない試料No.E1に比べて、γ−PGAを含む試料No.E2では、後甘味の強さを弱めることが確認された。
Claims (7)
- 高甘味度甘味料と、
ポリ−γ−グルタミン酸またはその塩と、
を含み、
前記高甘味度甘味料に対する前記ポリ−γ−グルタミン酸の割合が、重量比で0.01以上100以下である、高甘味度甘味料の後甘味抑制剤。 - 前記高甘味度甘味料に対する前記ポリ−γ−グルタミン酸の割合が、重量比で0.01以上0.6以下である、請求項1に記載の後甘味抑制剤。
- 前記高甘味度甘味料が、アスパルテームおよびスクラロースの一種以上を含む、請求項1または2に記載の後甘味抑制剤。
- 請求項1乃至3いずれかに記載の後甘味抑制剤を含む、飲料。
- 当該飲料中の前記ポリ−γ−グルタミン酸の濃度が0.001重量%以上0.05重量%以下である、請求項4に記載の飲料。
- 当該飲料の甘味強度が、5重量%以上15重量%以下のショ糖水溶液に相当する、請求項4または5に記載の飲料。
- 当該飲料のpHが4.5以下である、請求項4乃至6いずれかに記載の飲料。
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2007
- 2007-11-12 JP JP2007292772A patent/JP2009118741A/ja active Pending
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