JP2009112536A - 内視鏡案内管装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可撓性内視鏡の挿入部の形状変化に対応して受動的に形状変化すると共にその形状を安定して保持することができ、軽量で使い易く、且つ、容易に細径化して内視鏡の挿入部と共に口から容易に挿入することができる内視鏡案内管装置を提供すること。
【解決手段】複数の短筒状の関節輪7が各々隣接する関節輪7と相対的に回動自在に連結軸8で直列に連結されて、各関節輪7に設けられたワイヤガイド孔91内に操作ワイヤ15が挿通された構成を有し、ワイヤガイド孔91は、そこに挿通された操作ワイヤ15が緩く通過する径であって、操作ワイヤ15に加わる張力が大きくなるのにしたがって操作ワイヤ15との間の摩擦抵抗が増大する湾曲した形状に形成され、全ての操作ワイヤ15が基端側から牽引されると、ワイヤガイド孔91と操作ワイヤ15との間の摩擦抵抗が増大することにより屈曲形状が保持される。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の短筒状の関節輪7が各々隣接する関節輪7と相対的に回動自在に連結軸8で直列に連結されて、各関節輪7に設けられたワイヤガイド孔91内に操作ワイヤ15が挿通された構成を有し、ワイヤガイド孔91は、そこに挿通された操作ワイヤ15が緩く通過する径であって、操作ワイヤ15に加わる張力が大きくなるのにしたがって操作ワイヤ15との間の摩擦抵抗が増大する湾曲した形状に形成され、全ての操作ワイヤ15が基端側から牽引されると、ワイヤガイド孔91と操作ワイヤ15との間の摩擦抵抗が増大することにより屈曲形状が保持される。
【選択図】 図1
Description
この発明は、可撓性内視鏡の挿入部と共に体腔内に挿入されて、その後、可撓性内視鏡の挿入部の姿勢や向きを安定状態に保つように機能する内視鏡案内管装置に関する。
胆嚢摘出等のような腹腔内の手術は、以前は腹部を切開するいわゆる開腹手術により行われていたが、近年は、腹部に数cm程度の孔を幾つかあけて、そこから硬性内視鏡である腹腔鏡や手術用の処置具等を挿入して処置をする腹腔鏡下手術が広く一般に行われている。しかし、そのような腹腔鏡下手術であっても、手術を受けた患者の回復には一定以上の時間がかかるうえ、小さいとはいえ患者の体表に傷が残る。
そこで、可撓性内視鏡を口から胃内に挿入し、その可撓性内視鏡の処置具挿通チャンネルに通した処置具で胃壁に孔をあけてそこから経内視鏡的に(即ち、内視鏡の処置具挿通チャンネルを通じて)腹腔内の手術を行う技術が注目されている。胃壁にあけられた孔は、手術終了後に内視鏡用クリップで閉じられる。
ただし、可撓性内視鏡の挿入部は手術中に先端の姿勢や向きを長時間にわたって安定させることが困難であり、手術中の挿入部先端の姿勢や向きが術者の意に反して変化すると、経内視鏡的腹腔内手術を円滑に行うことができない。
そこで、可撓性内視鏡の挿入部を挿通自在であって可撓性内視鏡の挿入部の形状変化に対応して受動的に形状変化する可撓性の管状体と、その管状体の形状を保持するための形状保持手段とを備えた内視鏡案内管装置を、可撓性内視鏡と併用することが考えられる。
このような機能を持った可撓性内視鏡のための内視鏡案内管装置として、例えば特許文献1、2が知られている。
特表2006−512935
特開2005−318956
特許文献1、2等に記載された従来の内視鏡案内管装置においては、軸線位置付近に内視鏡案内管路が挿通配置された可撓性挿入管の骨組みが、中央に貫通孔を有するお椀状の継ぎ手を直列に多数重ね合わせて構成されていて、その周囲に配置された操作ワイヤ(又は網状管等)を基端側に牽引して隣接する継ぎ手どうしの間に摩擦抵抗を作用させることにより、その屈曲形状を保持することができるようになっている。
しかし、お椀状の継ぎ手を直列に多数重ね合わせた構成では、操作ワイヤが牽引されていないと隣接する継ぎ手間に隙間が発生し、操作ワイヤが牽引されると隣接する継ぎ手どうしが密着するので、可撓性挿入管の全長が操作ワイヤの牽引状態によって変化し、その結果、保持される屈曲形状が所望通りにならない場合がある等安定しない傾向があった。また、お椀状の継ぎ手を多数重ね合わせる構成は、継ぎ手部分の重量が重くなって垂れ下がりがちになったり、外径が太くなって可撓性内視鏡の挿入部と共に口から挿入すると患者の負担が非常に大きなものになる問題があった。
本発明は、可撓性内視鏡の挿入部の形状変化に対応して受動的に形状変化すると共にその形状を安定して保持することができ、しかも、軽量で使い易く、且つ、容易に細径化して可撓性内視鏡の挿入部と共に口から容易に挿入することができる内視鏡案内管装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡案内管装置は、可撓性内視鏡の挿入部を挿通自在な可撓性の内視鏡案内管路が、体腔内に挿脱自在な可撓性挿入管内に挿通配置された構成を有する内視鏡案内管装置において、可撓性挿入管の全体又は一部に、複数の短筒状の関節輪が各々隣接する関節輪と相対的に回動自在に連結軸で直列に連結されて全体としてあらゆる方向に屈曲自在に構成された骨組みを有する屈曲形状保持可能管部が設けられ、屈曲形状保持可能管部の先端部分には可撓性を有する少なくとも3本の操作ワイヤの先端が連結されて、各関節輪に設けられたワイヤガイド孔内に操作ワイヤが挿通され、ワイヤガイド孔は、そこに挿通された操作ワイヤが緩く通過する径であって、操作ワイヤに加わる張力が大きくなるのにしたがって操作ワイヤとの間の摩擦抵抗が増大する湾曲した形状に形成され、その結果、各操作ワイヤが基端側から牽引されていない状態では屈曲形状保持可能管部が受動的に形状変化自在であって、全ての操作ワイヤが基端側から牽引されると、それによって全ての操作ワイヤに加わる張力の増大に対応して各操作ワイヤとワイヤガイド孔との間の摩擦抵抗が増大することにより、屈曲形状保持可能管部の屈曲形状が保持されるようにしたものである。
なお、ワイヤガイド孔が略くの字状に曲がった形状に形成されていてもよく、可撓性挿入管の基端側に操作部が連結されて、各操作ワイヤの基端部分が屈曲形状保持可能管部の屈曲状態に追随して軸線方向に進退するように操作部に配置されると共に、全ての操作ワイヤの基端部分を一緒に牽引操作するためのワイヤ牽引操作装置が操作部に設けられていてもよい。
そして、操作部に、全ての操作ワイヤの張力を均一化するためのワイヤ張力調整手段が設けられていてもよく、ワイヤ張力調整手段が、全ての操作ワイヤの中の一部の操作ワイヤの基端が係合する第1のワイヤ係合部材と他の操作ワイヤの基端が係合する第2のワイヤ係合部材との軸線方向位置関係を調整するものであってもよい。
また、少なくとも3本の操作ワイヤが、屈曲形状保持可能管部の軸線周りに180°以上の間隔があかない位置関係で互いの間に間隔をあけて配置されているとよく、操作ワイヤとして、4本の操作ワイヤが、屈曲形状保持可能管部の軸線周りに略90°間隔で配置されていてもよい。
また、屈曲形状保持可能管部が可撓性挿入管の先端寄りの部分に設けられている場合において、可撓性挿入管の屈曲形状保持可能管部以外の部分が、内視鏡案内管路内に挿通された可撓性内視鏡の挿入部の形状変化に対応して受動的に形状変化自在であって形状保持性のない可撓管部になっていてもよく、可撓管部内には、各操作ワイヤを軸線方向に進退自在にガイドする可撓性のガイドパイプが配置されていてもよい。
本発明によれば、各関節輪に設けられたワイヤガイド孔とその中を通過する複数の操作ワイヤとの間の摩擦抵抗の増大により屈曲形状保持可能管部の屈曲形状を保持することができるので、各操作ワイヤに張力が作用していない状態では可撓性内視鏡の挿入部の形状変化に対応して屈曲形状保持可能管部が受動的に形状変化し、全ての操作ワイヤを一緒に牽引することにより屈曲形状保持可能管部の屈曲形状を安定して保持することができ、しかも、関節輪が連結されて構成された屈曲形状保持可能管部は軽量で使い易く、且つ、容易に細径化して可撓性内視鏡の挿入部と共に口から容易に挿入することができる。
可撓性内視鏡の挿入部を挿通自在な可撓性の内視鏡案内管路が、体腔内に挿脱自在な可撓性挿入管内に挿通配置された構成を有する内視鏡案内管装置において、可撓性挿入管の全体又は一部に、複数の短筒状の関節輪が各々隣接する関節輪と相対的に回動自在に連結軸で直列に連結されて全体としてあらゆる方向に屈曲自在に構成された骨組みを有する屈曲形状保持可能管部が設けられ、屈曲形状保持可能管部の先端部分には可撓性を有する少なくとも3本の操作ワイヤの先端が連結されて、各関節輪に設けられたワイヤガイド孔内に操作ワイヤが挿通され、ワイヤガイド孔は、そこに挿通された操作ワイヤが緩く通過する径であって、操作ワイヤに加わる張力が大きくなるのにしたがって操作ワイヤとの間の摩擦抵抗が増大する湾曲した形状に形成され、その結果、各操作ワイヤが基端側から牽引されていない状態では屈曲形状保持可能管部が受動的に形状変化自在であって、全ての操作ワイヤが基端側から牽引されると、それによって全ての操作ワイヤに加わる張力の増大に対応して各操作ワイヤとワイヤガイド孔との間の摩擦抵抗が増大することにより、屈曲形状保持可能管部の屈曲形状が保持される。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図3は、本発明の実施例の内視鏡案内管装置の全体構成を示しており、内視鏡案内管装置は、全体としてあらゆる方向に屈曲自在で体腔内に挿脱自在な可撓性挿入管1と、可撓性挿入管1の基端に連結された操作部2とで構成されている。
図3は、本発明の実施例の内視鏡案内管装置の全体構成を示しており、内視鏡案内管装置は、全体としてあらゆる方向に屈曲自在で体腔内に挿脱自在な可撓性挿入管1と、可撓性挿入管1の基端に連結された操作部2とで構成されている。
可撓性挿入管1の基端と操作部2との連結部には、可撓性挿入管1の基端付近が急激に曲がって座屈するのを防止するために、先細りのテーパ筒体状に形成された弾力性のあるゴム材等からなる折れ止め3が取り付けられている。
可撓性挿入管1の先端寄りの部分は、各々があらゆる方向に屈曲自在な屈曲形状保持可能管部11になっている。可撓性挿入管1の基端寄りの部分は、やはりあらゆる方向に屈曲自在な可撓管部12になっている。
屈曲形状保持可能管部11と可撓管部12との相違は、屈曲形状保持可能管部11は屈曲した形状を操作部2に配置されている操作用雌ねじ環5(操作部材)の操作で保持することができるが、可撓管部12は屈曲した形状を保持することができない点であり、その点については詳細に後述する。
なお、内視鏡案内管装置の用途や手技等に応じ、可撓管部12は必ずしも設けなくてもよい。その場合、可撓性挿入管1全体が屈曲形状保持可能管部11になる。また、屈曲形状保持可能管部11と可撓管部12との間や可撓管部12の手元側等に硬質部又は半硬質部等があってもよい。
可撓性挿入管1内には、図示されていない可撓性内視鏡の挿入部を挿通自在な可撓性の内視鏡案内管路4が全長にわたって軸線位置付近に挿通配置されており、内視鏡案内管路4の基端開口4aは操作部2の後端面に配置され、可撓性挿入管1の最先端に設けられた先端口金10の先端面に内視鏡案内管路4の先端開口4bが配置されている。
その結果、基端開口4aから内視鏡案内管路4内に可撓性内視鏡の挿入部(図示せず)を差し込んで、その挿入部の先端部分を先端開口4bから前方に任意に突没させることができる。なお、内視鏡案内管路4には内視鏡に限らず処置具や観察用の医療用プローブ等(例えば、超音波プローブ)を挿通して使用してよいのはもちろんである。また、このような案内管路4を複数備えていてもよい。
図4は可撓性挿入管1の構成を示している。先端口金10は、金属又は硬質プラスチック材等により略円筒状に形成されて屈曲形状保持可能管部11の先端部分に連結され、内視鏡案内管路4の殆どの部分を形成する例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等からなる可撓性チューブの先端部分が、先端口金10に後方から水密に接合固着されている。可撓性チューブは、その中に挿通された可撓性内視鏡の挿入部と共に柔軟に屈曲することができる。
内視鏡案内管路4は、図4では最先端部付近を除いて図示が省略されている。しかし、内視鏡案内管路4を形成する可撓性チューブは、可撓性挿入管1内の全長にわたって挿通配置されていて、その基端は操作部2内に位置している。
なお、内視鏡案内管路4を形成する可撓性チューブの耐座屈性を向上させるために、図5に例示されるように、可撓性チューブの外周に形成した螺旋溝4cに沿ってコイルスプリング4dを巻回する等の補強構造を採ってもよい。
図4に戻って、屈曲形状保持可能管部11は、複数の(例えば10〜100個程度の)短筒状の関節輪7が、各関節輪7から前後双方向に突出する舌片部分において、隣接する関節輪7と相対的に回動自在に連結軸8で直列に連結されて、全体としてあらゆる方向に屈曲自在に構成された骨組みを有している。関節輪7は肉厚が0.3〜0.4mm程度あれば足りるので、外径を細く構成することができる。
図6には、そのような屈曲形状保持可能管部11の骨組みが最大限に屈曲した状態が例示されており、そのような構成と機能は一般的な内視鏡の湾曲部の骨組みと同様であり、各関節輪7の前後位置において連結軸8の配置が90°ずつ変化している。ただし、それ以外の角度変化(例えば60°等)であっても差し支えない。
再び図4に戻って、屈曲形状保持可能管部11の最先端の関節輪7Aの内周部には、可撓性を有する操作ワイヤ15の先端が固定的に連結されている。操作ワイヤ15としては、一般的な内視鏡の湾曲操作ワイヤと同様のロープ状のステンレス鋼撚り線等を用いることができ、耐久性向上のために表面コーティング等を施したものであってもよい。
この実施例の屈曲形状保持可能管部11内には、4本の操作ワイヤ15が、図4におけるVII−VII断面を図示する図7に示されるように、軸線周りに略90°間隔で配置されて、各関節輪7の内周部から内方に突出して配置されたワイヤガイド9のワイヤガイド孔91内に通されて案内されている。
図8に示されるように、ワイヤガイド9は、連結軸8を通すために各関節輪7に穿設された連結軸孔71の位置に対応して、各関節輪7の内周部毎に90°間隔で4個取り付けられている。92は、各ワイヤガイド9から突出形成され、関節輪7の取り付け孔に差し込まれてそこに機械的に固定された取り付け足である。
ワイヤガイド9に前後方向に貫通形成されたワイヤガイド孔91は、この実施例においては、図4及びその部分拡大図である図1に示されるように、前後両端部分が屈曲形状保持可能管部11の軸線寄りに位置して中間部分がそれより外周寄りに位置する状態に、屈曲形状保持可能管部11の軸線を含む平面上において略「く」の字状に曲がった形状に形成されている。
ワイヤガイド孔91は、全長にわたって操作ワイヤ15が緩く通過する内径寸法に形成されているが、図9及びその部分拡大図である図2に示されるように、操作ワイヤ15が基端側から牽引されて張力により真っ直ぐな状態になろうとしても真っ直ぐになれない程度にカーブしている。
言い換えると、各ワイヤガイド孔91は、可撓性のある操作ワイヤ15ならワイヤガイド孔91の湾曲形状に沿って曲がりながら通過するが、操作ワイヤ15と同径の硬質パイプは通過できない程度に湾曲した形状に形成されている。
そのような構成により、4本の全ての操作ワイヤ15が基端側から同時に牽引されると、4本の全ての操作ワイヤ15に加わる張力の増大に対応して各操作ワイヤ15とワイヤガイド孔91との間の摩擦抵抗が増大する。
なお、牽引された操作ワイヤ15が摺接するワイヤガイド孔91の内周壁面部分は滑らかに丸められて、操作ワイヤ15の損傷を防止している。また、この実施例のワイヤガイド孔91は、屈曲形状保持可能管部11の軸線を含む平面上で湾曲しているが、必ずしもその必要はなく、屈曲形状保持可能管部11の周方向その他の方向に湾曲していてもよい。
屈曲形状保持可能管部11はゴムチューブ等のように柔軟で弾力性のある外皮チューブ16により水密に被覆されており、隣り合う関節輪7どうしの隙間に外皮チューブ16が挟み込まれないように、外皮チューブ16の内側には網状管19が配置されている。
図4に戻って、可撓管部12は、一般的な可撓性内視鏡の挿入部と同様の構成であり、その骨組みは螺旋管18により形成されている。螺旋管18は、ステンレス鋼帯等を一定の径で螺旋状に巻いて形成されており、例えば巻方向が相違する二つの螺旋管を重ね合わせて構成されている。
そして、螺旋管18の外周には伸び止めと捩じれ止め等のために網状管19が被覆され、最外層が外皮チューブ16で水密に被覆されている。ただし、螺旋管18に代えて関節輪7と同様の短筒等を連結した構成等を採用してもよく、可撓性を有するマルチルーメンチューブ等で可撓管部12を形成してもよい。
なお、この実施例においては、屈曲形状保持可能管部11と可撓管部12が一つの外皮チューブ16及び網状管19で連続して被覆されているが、屈曲形状保持可能管部11と可撓管部12を各々別の外皮チューブ及び網状管で被覆してもよく、可撓管部12だけを、ゴムよりやや硬質の合成樹脂チューブ等で被覆してもよい。
可撓管部12内には、図4におけるX−X断面を図示する図10に示されるように、軸線位置付近に内視鏡案内管路4が配置されて、その周囲の内部空間に、4本の操作ワイヤ15が可撓管部12内の全長にわたり可撓性のガイドパイプ17に通されて配置されている。
各ガイドパイプ17は、例えばステンレス鋼線等のような金属線材を一定の径で密着巻きしたコイルパイプによって形成されている。ただし、軸線方向の耐圧縮性の優れた可撓性のパイプであればコイルパイプ以外でも使用可能である。
4本のガイドパイプ17の最先端部分は、屈曲形状保持可能管部11内のワイヤガイド9の配置に合わせて軸線周りに略90°間隔で、屈曲形状保持可能管部11と可撓管部12との境界部付近の内周部に固定されている。
そして、可撓管部12内に軸線と平行に配置された各ガイドパイプ17の基端は、可撓管部12の基端に連結された操作部2内に固定されて、そこから操作ワイヤ15の基端が延出している。
このように構成された可撓管部12は、周囲から受ける力や、内視鏡案内管路4内に挿通された可撓性内視鏡の挿入部の屈曲形状変化に対応して、屈曲形状が常に受動的に三次元的に変化自在であり、その屈曲形状を保持する特性は有していない。
図11と図12は各々屈曲形状保持可能管部11の骨組みだけを図示している。屈曲形状保持可能管部11は、図11に示されるように、操作ワイヤ15が基端側から牽引されていない状態では屈曲形状が受動的に三次元的に変化自在であって、周囲から受ける力や可撓性挿入管1内に挿通配置されている内視鏡案内管路4内で内視鏡の屈曲状態が変化するとそれに追従して、例えば2点鎖線で図示されるように受動的に屈曲形状が変化する。
そして、図12に示されるように、4本の全ての操作ワイヤ15が基端側から同時に牽引された状態になると、4本の全ての操作ワイヤ15に加わる張力の増大に対応して各操作ワイヤ15とワイヤガイド孔91との間の摩擦抵抗が増大することにより、屈曲形状保持可能管部11の屈曲形状((注)屈曲角度がゼロの場合の真っ直ぐな形状も含む)が保持され、内視鏡案内管路4内に挿通された可撓性内視鏡の挿入部の状態変化等によって屈曲形状保持可能管部11の屈曲形状が変化しない。
このように、本発明においては、各操作ワイヤ15とワイヤガイド孔91との間の摩擦抵抗の増大により屈曲形状保持可能管部11の屈曲形状を保持することができ、関節輪7を直列に連結した骨組構造なので、屈曲形状保持可能管部11の重量が重くならず軽量で使い易く、且つ、容易に細径化して可撓性内視鏡の挿入部と共に口から容易に挿入することができる。また、操作ワイヤ15が牽引されていない状態でも隣接する複数の関節輪7間の隙間等が変化せず、常に安定した屈曲形状を呈することができる。
なお、全部の操作ワイヤ15を基端側から牽引することで屈曲形状保持可能管部11が形状変化できないようにするためには、操作ワイヤ15が少なくとも3本あればよい。ただし、各操作ワイヤ15を、屈曲形状保持可能管部11の軸線周りに180°以上の間隔があかない位置関係で、互いの間に間隔をあけて配置する必要がある。
また、この実施例のように操作ワイヤ15が4本設けられている場合にも、各操作ワイヤ15を屈曲形状保持可能管部11の軸線周りに180°以上の間隔があかない位置関係に配置すれば、必ずしも等間隔に配置する必要はない。
図13と図14は操作部2を示しており、図13は側面断面図、図14はそのXIV−XIV断面図である。ただし、図13は上半部と下半部とで異なる断面(図14におけるXIII−XIII断面) を図示している。
図13に示されるように、可撓管部12の基端口金14aがビス止め連結された挿入管連結部材21と、内視鏡案内管路4を形成する可撓性チューブの基端が固定されたチューブ固定座22とが、4本のガイドシャフト23で連結固定されている。
挿入管連結部材21には、各ガイドパイプ17の基端部分が固定されている。ガイドシャフト23は、内視鏡案内管路4の軸線周りに90°間隔で、軸線と平行に配置されている。3は、前出の折れ止めである。
内視鏡案内管路4を形成する可撓性チューブの基端は、チューブ固定座22と押圧テーパ筒24との間に挟み付けられてそこに水密に固定されていて、押圧テーパ筒24を外側から押さえる蓋部材25に内視鏡案内管路4の基端開口4aが形成されている。蓋部材25は、図示されてないビス等によりチューブ固定座22に対し固定されている。
内視鏡案内管路4の基端開口4a部分には、弾力性のあるゴム材等からなる環状のシール弁26等を着脱自在に取り付けられるようにするとよい。シール弁26には、そこに通される可撓性内視鏡の挿入部の外径より若干小さな内径の内視鏡通過孔が形成されて、可撓性内視鏡の挿入部の外面に圧接される。
それによって、可撓性内視鏡の進退動作や回転動作等を妨げることなく挿入部との間の隙間を気体や液体が通過しないように密封することができ、例えば体内の臓器や腹腔を膨らませるために送り込まれた空気や炭酸ガス等の漏出を阻止することができる。このように使用される場合、ガスを体外から体内に送るために、可撓性挿入管1の基端から先端まで通じる送気用チャンネルを設けるとよい。
4本のガイドシャフト23により前後方向にスライド自在に支持された雄ねじ筒27の外周部には、操作用雌ねじ環5の内周部に形成された雌ねじと螺合する雄ねじが形成されている。30がその螺合部である。
操作用雌ねじ環5は、軸線周りに回転自在に配置されているが、軸線方向への移動は、挿入管連結部材21にビス止め固定されたカバー筒31とチューブ固定座22とにより規制されている。したがって、操作用雌ねじ環5を軸線周りに回転操作することにより、それと螺合する雄ねじ筒27がガイドシャフト23に沿って軸線方向に進退駆動される。
そのような雄ねじ筒27には、4本の操作ワイヤ15(15(I),15(O))が係合する第1と第2のワイヤ係合筒体(ワイヤ係合部材)28,29が、図示されていないビス等により連結固定されている。32は、第1のワイヤ係合筒体28と第2のワイヤ係合筒体29とを連結固定する固定ビスである。
略円筒状に形成された第1のワイヤ係合筒体28の外表面には、図15に示されるように、一体につなげられてU字状に滑らかに曲げ戻された状態の2本の操作ワイヤ15(I)の基端ループ部が係合する内側ワイヤ係合溝28gが、U字状に形成されている。なお、2本の操作ワイヤ15(I)は1本のワイヤにより形成することができ、第1のワイヤ係合筒体28の中心軸に対し180°対称の位置から内側ワイヤ係合溝28gに対し係合している。
そのような操作ワイヤ15(I)の基端部分は、矢印αで示されるように内側ワイヤ係合溝28gに沿って進退自在であり、したがって、屈曲形状保持可能管部11が受動的に屈曲動作する際にはそれに追随して操作ワイヤ15(I)の基端部分が内側ワイヤ係合溝28gに沿って軸線方向に自由に進退し、屈曲形状保持可能管部11の屈曲動作に対して抵抗にならない。また、第1のワイヤ係合筒体28を後方に移動させると、2本の操作ワイヤ15(I)が同じ張力で牽引される。
第1のワイヤ係合筒体28の外周部には、第2のワイヤ係合筒体29が図16に示されるように被嵌固定されている。略円筒状に形成された第2のワイヤ係合筒体29の外表面にも、一体につなげられてU字状に滑らかに曲げ戻された状態の2本の操作ワイヤ15(O)の基端ループ部が係合する外側ワイヤ係合溝29gが、内側ワイヤ係合溝28gとは90°位相をずらしてU字状に形成されている。
そのような操作ワイヤ15(O)の基端部分は、矢印βで示されるように外側ワイヤ係合溝29gに沿って進退自在であり、したがって、屈曲形状保持可能管部11が受動的に屈曲動作する際にはそれに追随して操作ワイヤ15(O)の基端部分が外側ワイヤ係合溝29gに沿って軸線方向に自由に進退し、屈曲形状保持可能管部11の屈曲動作に対して抵抗にならない。また、第2のワイヤ係合筒体29を後方に移動させると、2本の操作ワイヤ15(O)が同じ張力で牽引される。
したがって、前出の固定ビス32で連結固定されている第1のワイヤ係合筒体28と第2のワイヤ係合筒体29を、矢印γで示されるように一体に軸線方向の後方(各図において右方)に移動させれば、4本の操作ワイヤ15(I),15(O)が一緒に牽引される状態になる。
なお、第1のワイヤ係合筒体28と第2のワイヤ係合筒体29との連結位置(即ち、軸線方向の位置関係)を調整して固定ビス32で固定することにより、全部の操作ワイヤ15(I),15(O)にかかる張力を均一化することができる。
このような構成により、4本の操作ワイヤ15(I),15(O)が操作部2側に牽引されていない状態では屈曲形状保持可能管部11が前述のように受動的に屈曲自在であり、操作用雌ねじ環5を回転操作して、4本の操作ワイヤ15を基端側から一緒に牽引すると、各操作ワイヤ15に均一な大きさの張力が発生して、前述のように屈曲形状保持可能管部11の屈曲形状が保持される状態になる。
その際に、操作用雌ねじ環5の回転量を加減することにより屈曲形状保持可能管部11の形状保持力を適宜調整することもでき、操作用雌ねじ環5を元の状態に戻せば、屈曲形状保持可能管部11が再び受動的に屈曲自在な状態に戻る。
なお、操作部2を構成する各部材どうしの境界部にはシール用のOリング等が適宜に装着されていて、操作ワイヤ15等が配置されている内部空間を外部に対して水密にシールしている。そのような内部空間は、可撓性挿入管1の先端部分から操作部2内まで一つながりになっている。
したがって、内視鏡案内管装置が使用後に滅菌装置等に収容されて真空に近い環境内に置かれた状態になると、可撓性挿入管1を外装する柔軟な外皮チューブ16が膨らんでしまう可能性がある。そこで、内視鏡案内管装置の内部空間の圧力が外部の圧力より一定以上高くなると開いて内部空間と外部とを連通させる逆止弁や、外部からの操作で内部空間と外部とを連通状態に保つことができる開放弁等(図示せず)を操作部2に配置すれば、そのような現象を防止することができる。
図17は、上述の内視鏡案内管装置の使用状態の一例を示しており、まず、内視鏡案内管路4に挿通された可撓性内視鏡50の挿入部51の先端51aを、可撓性挿入管1の先端から突出させて、屈曲形状保持可能管部11が受動的に形状変化する状態で、患者の口Aから食道を経て胃内に挿入する。
そして、可撓性内視鏡50に通された処置具60等により胃壁に形成された孔Bから可撓性挿入管1の先端を胃の裏側に出して、可撓性内視鏡50の挿入部51の先端51aが手術目標の胆嚢C等に対し正面から臨んだら、操作用雌ねじ環5を操作して屈曲形状保持可能管部11の屈曲形状を固定する。
それによって、屈曲形状保持可能管部11の屈曲形状を長時間にわたってそのまま保持することができるので、可撓性内視鏡50の処置具挿通チャンネルに挿通される内視鏡用処置具60等で胆嚢Cに対する処置を行って、手術を安全且つ円滑に行うことができ、その間に、内視鏡案内管装置はそのままの状態にして、可撓性内視鏡50の差し換え等も必要に応じて速やかに行うことができる。60aは内視鏡用処置具60の先端部分である。
なお、処置終了後には、屈曲形状保持可能管部11を受動的に屈曲自在な状態に戻して、内視鏡案内管装置と内視鏡50を同時に体内から抜去してもよいし、或いは内視鏡50だけを抜去した後で内視鏡案内管装置を抜去してもよい。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば図18に示されるように、ワイヤガイド9を各関節輪7の内周部の180°対称位置に2個だけ取り付けて屈曲形状保持可能管部11を構成し、操作ワイヤ15が2個の関節輪7毎に1個のワイヤガイド孔91内を通過するように構成しても差し支えない。また、ワイヤガイド孔が真っ直ぐに形成されているワイヤガイドが混在していてもよい。
また、ワイヤガイド孔91の形状は、操作ワイヤ15が牽引されると、それによって操作ワイヤ15に加わる張力の増大に対応して摩擦抵抗が増大する形状(即ち、操作ワイヤ15と同径の硬質パイプが通過できない程度に湾曲した形状)に形成されていればどのような形状でもよい。
また、操作ワイヤ15として、チェーン状のワイヤや穴あきビーズを通したようなワイヤ等を用いてもよく、操作部2において操作ワイヤ15を牽引する機構は、全ての操作ワイヤ15を同時に牽引してその状態を保持することができる機構であればどのような機構を用いてもよい。また、本発明の内視鏡案内管装置は口以外の体表開口又は体表の切開部等から体内に挿入して使用することもできる。また、実施例に記載されている以外の機構等が内視鏡案内管装置に付加されていてもよい。
1 可撓性挿入管
2 操作部
4 内視鏡案内管路
4a 基端開口
4b 先端開口
5 操作用雌ねじ環(ワイヤ牽引操作装置)
7 関節輪
8 連結軸
9 ワイヤガイド
11 屈曲形状保持可能管部
12 可撓管部
15(15(I),15(O)) 操作ワイヤ
17 ガイドパイプ
27 雄ねじ筒(ワイヤ牽引操作装置)
28 第1のワイヤ係合筒体(第1のワイヤ係合部材)(ワイヤ牽引操作装置)
29 第2のワイヤ係合筒体(第2のワイヤ係合部材)(ワイヤ牽引操作装置)
32 固定ビス(ワイヤ張力調整手段)
50 可撓性内視鏡
51 挿入部
91 ワイヤガイド孔
2 操作部
4 内視鏡案内管路
4a 基端開口
4b 先端開口
5 操作用雌ねじ環(ワイヤ牽引操作装置)
7 関節輪
8 連結軸
9 ワイヤガイド
11 屈曲形状保持可能管部
12 可撓管部
15(15(I),15(O)) 操作ワイヤ
17 ガイドパイプ
27 雄ねじ筒(ワイヤ牽引操作装置)
28 第1のワイヤ係合筒体(第1のワイヤ係合部材)(ワイヤ牽引操作装置)
29 第2のワイヤ係合筒体(第2のワイヤ係合部材)(ワイヤ牽引操作装置)
32 固定ビス(ワイヤ張力調整手段)
50 可撓性内視鏡
51 挿入部
91 ワイヤガイド孔
Claims (9)
- 可撓性内視鏡の挿入部を挿通自在な可撓性の内視鏡案内管路が、体腔内に挿脱自在な可撓性挿入管内に挿通配置された構成を有する内視鏡案内管装置において、
上記可撓性挿入管の全体又は一部に、複数の短筒状の関節輪が各々隣接する関節輪と相対的に回動自在に連結軸で直列に連結されて全体としてあらゆる方向に屈曲自在に構成された骨組みを有する屈曲形状保持可能管部が設けられ、上記屈曲形状保持可能管部の先端部分には可撓性を有する少なくとも3本の操作ワイヤの先端が連結されて、上記各関節輪に設けられたワイヤガイド孔内に上記操作ワイヤが挿通され、
上記ワイヤガイド孔は、そこに挿通された操作ワイヤが緩く通過する径であって、上記操作ワイヤに加わる張力が大きくなるのにしたがって上記操作ワイヤとの間の摩擦抵抗が増大する湾曲した形状に形成され、
その結果、上記各操作ワイヤが基端側から牽引されていない状態では上記屈曲形状保持可能管部が受動的に形状変化自在であって、上記の全ての操作ワイヤが基端側から牽引されると、それによって上記の全ての操作ワイヤに加わる張力の増大に対応して上記各操作ワイヤと上記ワイヤガイド孔との間の摩擦抵抗が増大することにより、上記屈曲形状保持可能管部の屈曲形状が保持されるようにしたことを特徴とする内視鏡案内管装置。 - 上記ワイヤガイド孔が略くの字状に曲がった形状に形成されている請求項1記載の内視鏡案内管装置。
- 上記可撓性挿入管の基端側に操作部が連結されて、上記各操作ワイヤの基端部分が上記屈曲形状保持可能管部の屈曲状態に追随して軸線方向に進退するように上記操作部に配置されると共に、上記の全ての操作ワイヤの基端部分を一緒に牽引操作するためのワイヤ牽引操作装置が上記操作部に設けられている請求項1又は2記載の内視鏡案内管装置。
- 上記操作部に、上記の全ての操作ワイヤの張力を均一化するためのワイヤ張力調整手段が設けられている請求項3記載の内視鏡案内管装置。
- 上記ワイヤ張力調整手段が、上記の全ての操作ワイヤの中の一部の操作ワイヤの基端が係合する第1のワイヤ係合部材と他の操作ワイヤの基端が係合する第2のワイヤ係合部材との軸線方向位置関係を調整するものである請求項4記載の内視鏡案内管装置。
- 上記少なくとも3本の操作ワイヤが、上記屈曲形状保持可能管部の軸線周りに180°以上の間隔があかない位置関係で互いの間に間隔をあけて配置されている請求項1ないし5のいずれかの項に記載の内視鏡案内管装置。
- 上記操作ワイヤとして、4本の操作ワイヤが、上記屈曲形状保持可能管部の軸線周りに略90°間隔で配置されている請求項1ないし6のいずれかの項に記載の内視鏡案内管装置。
- 上記屈曲形状保持可能管部が上記可撓性挿入管の先端寄りの部分に設けられている場合において、上記可撓性挿入管の屈曲形状保持可能管部以外の部分が、上記内視鏡案内管路内に挿通された可撓性内視鏡の挿入部の形状変化に対応して受動的に形状変化自在であって形状保持性のない可撓管部になっている請求項1ないし7のいずれかの項に記載の内視鏡案内管装置。
- 上記可撓管部内には、上記各操作ワイヤを軸線方向に進退自在にガイドする可撓性のガイドパイプが配置されている請求項8記載の内視鏡案内管装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007289160A JP2009112536A (ja) | 2007-11-07 | 2007-11-07 | 内視鏡案内管装置 |
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- 2007-11-07 JP JP2007289160A patent/JP2009112536A/ja active Pending
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