JP2009108383A - ターゲット装置及びマグネトロンスパッタリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スパッタリングの成膜効率の向上を図る。
【解決手段】円筒形の支持筒の外周のターゲット層を形成してあり、中空部内に磁石ユニット24を配してある。磁石ユニット24は、各磁石24bのN極で構成される第1磁極面がジグザグ状に配してあり、その周囲を各磁石24cのS極で構成される第2磁極面が囲むようになっており、ターゲット層の表面近傍に現れる磁界の向きをその母線方向と傾斜したものとし、ターゲット層27の母線方向の長さに対する磁力線を多くし、ターゲット層の表面近傍での磁界の分布を広げる。
【選択図】図4
【解決手段】円筒形の支持筒の外周のターゲット層を形成してあり、中空部内に磁石ユニット24を配してある。磁石ユニット24は、各磁石24bのN極で構成される第1磁極面がジグザグ状に配してあり、その周囲を各磁石24cのS極で構成される第2磁極面が囲むようになっており、ターゲット層の表面近傍に現れる磁界の向きをその母線方向と傾斜したものとし、ターゲット層27の母線方向の長さに対する磁力線を多くし、ターゲット層の表面近傍での磁界の分布を広げる。
【選択図】図4
Description
本発明は、ワークの表面に成膜を行うためのターゲット装置及びマグネトロンスパッタリング装置に関するものである。
成膜対象となるワークに対して反射防止膜等の光学薄膜や絶縁膜等の成膜を行うスパッタリング装置が知られている。スパッタリング装置では、ターゲット材料とワークとが配された真空槽内を稀薄なスパッタガスで満たし、その真空槽内でターゲット材料を一方の電極としてグロー放電を行う。そして、そのグロー放電で発生するプラズマの陽イオンをターゲット材料に衝突させ、ターゲット材料から叩き出した原子(スパッタ原子)をワーク表面に堆積させて薄膜を形成する。また、スパッタガスの他に酸素ガスや窒素ガスのような反応ガスを真空槽内に導入し、化合物薄膜を形成す反応性スパッタリングも知られている。
スパッタリング法によって形成される薄膜は、抵抗加熱蒸着法や電子線加熱蒸着法で形成されるものと比較して、膜構造が緻密で物理化学的特性が優れ、また耐久性に富んでいるという利点がある。しかし、スパッタリング法による成膜は、長い時間を要するという難点があった。
また、スパッタリング装置の1つとして、マグネトロンスパッタリング装置が知られている。このマグネトロンスパッタリング装置では、ターゲット材料の背面側に磁石を配したターゲット装置が用いられる。そして、磁石によりターゲット材料の表面近傍に磁界に発生させ、その磁界でグロー放電によって生じるプラズマをターゲット材料の表面近傍に閉じ込めている。これにより、ワークに対するプラズマの影響を低減させるとともに、成膜効率を向上させている。
上記のようなマグネトロンスパッタリング装置に用いられるターゲット装置として、一般的な平板状の他に円筒状のターゲット材料の中空部内にマグネットを配置して、ターゲット材料の表面近傍に広い範囲にわたって均一な磁界を得て、成膜効率の向上を図ったものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1のターゲット装置では、ターゲット材料の中空部内に、一方の磁極を向けた第1のマグネットをターゲット材料の長手(軸心)方向に沿って一列に並べるとともに、この第1のマグネットを矩形状に囲むように、他方の磁極を向けた第2のマグネットを配列している。これにより、ターゲット材料の表面近傍に広い範囲にわたって均一な磁界を得て、成膜効率の向上を図っている。
特開平11−71667号公報
ところで、上記の特許文献1のようにターゲット材料内にマグネットを配したターゲット装置は、成膜効率の向上を図ることができるが、十分に満足できる程度の向上ではなく、やはり成膜に時間がかかるという問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、成膜効率の向上を図ることができるターゲット装置、及びマグネトロンスパッタリング装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、請求項1記載のターゲット装置では、ターゲット材料に対して、ターゲット材料のスパッタリングに供すべきスパッタ面の反対側に配され、第1の磁極面がターゲット材料のスパッタ面に向けられるとともに、ジグザグ状にターゲット材料の長手方向に伸ばされ、この第1の磁極面と異なる磁極の第2の磁極面がターゲット材料のスパッタ面に向けられるとともに、第1の磁極面の周囲を所定の間隔をあけて囲むようにジグザグ状に配されて、ターゲット材料のスパッタ面近傍にターゲット材料の長手方向に対して磁界方向を所定の角度で傾斜しターゲット材料の長手方向に分布する磁界を発生する磁石ユニットを備えたものである。
請求項2記載のターゲット装置では、ターゲット材料に対して、ターゲット材料のスパッタリングに供すべきスパッタ面の反対側に配され、第1の磁極面がターゲット材料の長手方向に対して傾斜した方向に伸び、この第1の磁極面と異なる磁極の第2の磁極面が第1の磁極面の周囲を所定の間隔で囲み各磁極面がターゲット材料のスパッタ面に向けられた複数の磁石セルを有し、各磁石セルをターゲット材料の長手方向に沿って隣接させて並べてターゲット材料のスパッタ面近傍にターゲット材料の長手方向に対して磁界方向を所定の角度で傾斜しターゲット材料の長手方向に分布する磁界を発生する磁石ユニットを備えたものである。
請求項3記載のターゲット装置では、ターゲット材料が、円筒形状であり、磁石ユニットをターゲット材料の中空部内に配し、ターゲット材料をその軸心を中心にして回転させる回転機構を備えたものである。
請求項4記載のマグネトロンスパッタリング装置では、上記のターゲット装置を備え、ターゲット材料のスパッタ面がワークの搬送面に向けられるとともに、ターゲット材料の長手方向をワークの搬送方向と直交するように配置したものである。
本発明によれば、ターゲット材料のスパッタ面近傍に、ターゲット材料の長手方向中心線に対して磁界方向が所定の角度で傾斜した磁界を発生させる磁石ユニットを平板状または円筒形状のターゲット材料のスパッタ面の反対の面側に配したので、磁界の強さを維持しつつ、ターゲット材料の表面近傍に広くプラズマを分布させることができるため、成膜効率を高くすることができる。
図1に本発明を実施したマグネトロンスパッタリング装置2の構成を示す。略円筒形状の真空槽3の内部に搬送手段を構成する円筒状のカルーセル4を配してある。このカルーセル4は、垂直な回転軸4aを中心にして回動自在となっており、モータ5によって所定の速度で回転される。真空槽3には、真空ポンプ6が接続されており、成膜時にはその内部がスパッタリングに必要な真空度となるように調節される。なお、カルーセル4を水平な回転軸を中心に回転させてもよい。
カルーセル4は、その外周面に成膜対象となる複数のワーク7を保持し、ワーク7がカルーセル4とともに回転する。すなわち、ワーク7は、カルーセル4の周面を搬送面としてその搬送面上を搬送される。ワーク7は、例えば上下方向及び周方向のそれぞれについて一定のピッチで複数個並べられ、カルーセル4の外周面に沿ってマトリクス状に配列した状態で保持される。ワーク7としては、金属製のものやプラスチック製のもの等、種々の材料で作成されたものであってよい。なお、カルーセル4やワーク7の装填や取り出し、後述するターゲットユニットの交換や点検整備等の作業のために、真空槽3は、大気圧までリークした後には周知の構造により開放することができる。
真空槽3内のカルーセル4の外周に成膜ステージ8を設けてあり、この成膜ステージ8には、制御部10の制御下で駆動されて成膜を行うターゲット装置11を配してある。成膜の際には、カルーセル4の回転により、各ワーク7が繰り返し成膜ステージ8を通過することにより、ワーク7の表面に必要な厚みの薄膜を形成する。なお、この例では、1台のターゲット装置11を組み込んでいるが、形成すべき膜の種類,積層数、ワークの配列等に応じて成膜ステージの数、ターゲット装置の台を適宜に増減することができる。
また、真空槽3内には、その内周面に沿うようにヒータ13を配してある。このヒータ13は、金属製のワーク7にスパッタリングで成膜を行う場合に、ヒータ電源14によって駆動されてワーク7を加熱する。これにより、ワーク7を高温にしてスパッタリングによる安定した成膜を行う。ワーク7を加熱する手法は各種のものを用いることができ、例えばワーク7が電気抵抗のある程度大きな金属である場合には、電磁誘導を利用した誘導加熱を用いることができる。
ターゲット装置11には、DC電源15,ガス供給器16,給水器17等を接続してある。DC電源15は、スパッタリングのための電力を供給するものであり、カルーセル4を含む真空槽側が陽極、ターゲット装置11が陰極となるように電圧を印加する。ガス供給器16は、スパッタリングの際のガスをターゲット装置11に供給する。ガスとしては、アルゴンガス等のスパッタガスが供給されるが、反応性スパッタリングを行う場合には、反応ガスとして例えば酸素ガスや窒素ガスを併せて供給する。
給水器17は、ターゲット装置11に対して冷却水を供給し、ターゲット装置11が高温になることを防止する。モータ18は、後述するターゲットユニットを回転するためのものであり、モータ19はターゲット装置11のシャッタ板21を開閉する。
ターゲット装置11の外観を図2に、断面を図3に示す。ターゲット装置11は、シャッタ板21の他、ターゲットユニット22,ジャケット23,磁石ユニット24等で構成される。ジャケット23は、真空槽3に固定された中空な円筒状になっており、その内部に円筒状のターゲットユニット22を収容してある。このターゲットユニット22は、ジャケット23と同軸に設けられており、ジャケット23内で回動自在となっている。ジャケット23には、その周面の一部に軸心方向に長い開口23aを設けてあり、この開口23aからターゲットユニット22が露呈される。このターゲット装置11は、開口23aを介してターゲットユニット22をカルーセル4、すなわち搬送面に向け、ターゲットユニット22の母線がカルーセル4の回転軸4aと平行となる姿勢で真空槽3に組み付けてある。
ターゲットユニット22とジャケット23との間には適当な幅の間隙が設けられ、この間隙にジャケット23の背面側に接続された導入パイプ25を介してスパッタガスないし反応ガスをガス供給器16から供給し、ターゲットユニット22の周囲をガスリッチな状態とする。
ターゲットユニット22は、導電性を有する支持筒26と、その支持筒26の外周面を覆うように溶射等により形成された円筒状のターゲット層27からなる。ターゲット層27は、例えばアルミ,チタン,硅素等のワーク7に成膜すべきターゲット材料で作成されている。支持筒26には、DC電源15のマイナス側電極を接続してあり、成膜時にはターゲット層27を陰極としてグロー放電を行う。
ターゲットユニット22の中空部内には、ジャケット23に対して固定した中空管28を挿通してあり、その密封した内部にマグネトロンスパッタリングを行うための磁石ユニット24を配してある。磁石ユニット24は、支持部材24a,磁石24b,24cで構成されており、開口23aから露呈されるターゲット層27の表面近傍に磁界を分布させるように配置されている。すなわち、磁石ユニット24は、スパッタリングに供されるスパッタ面の反対側に配され、そのスパッタ面近傍に磁界を分布させるように配置してある。
図4に磁石ユニット24の外観を示す。支持部材24aは、透磁性が高い例えば鉄製であり、ターゲット層27の長手方向、すなわち円筒形状となったターゲット層27の母線(軸心方向、矢線A方向)に長くしてあり、その支持部材24aのカルーセル側、すなわち開口23aに向いた取付面に複数の磁石24b,24cを取り付けてある。各磁石24bは、カルーセル側にN極を向けた姿勢で支持部材24aの取付面中央部にジグザグ状にターゲット層27の母線方向に並べてあり、各磁石24cは、カルーセル側にS極を向けた姿勢で、磁石28bの周囲を一定の間隔で取り囲むように取付面に取り付けてある。
図5に、カルーセル側から見たターゲット層27に対する磁石ユニット24の配置を模式的に示す。上記のように磁石ユニット24を構成することにより、各磁石24bのN極で構成される第1磁極面P1と、各磁石24cのS極で構成される第2磁極面P2とがそれぞれターゲット層27の外周面に向けられている。これにより、開口23aから露呈されてスパッタ面となるターゲット層27の表面近傍に磁界が分布し、その表面近傍にプラズマを閉じ込める。
さらに、第1磁極面P1がジグザグ状にターゲット材料の母線方向(矢線A方向)に伸び、第2磁極面P2が第1磁極面P1の周囲を所定の間隔をあけて囲むようにジグザグ状に配してある。このためターゲット層27の表面近傍に現れる磁界は、ターゲット層27のその表面に沿うような方向の磁界であるとともに、磁界の向き(矢線M方向)がターゲット層27の母線方向と傾斜したものとなる。しかも、その磁界は、第1磁極面P1の周囲を途切れなくジグザグ状に囲むように生じる。これにより、ターゲット層27の母線方向の長さに対する磁力線が多くなり、またターゲット層27の表面近傍での磁界の分布が広げられ、成膜の効率が高くなる。
なお、第1磁極面P1と第2磁極面P2とは互いに異なる磁極であればどちらがN極,S極であってもよい。また、ターゲット層27の母線方向に対する磁界の向きの傾斜は、直交しない範囲で任意に設定できるが、各磁石24b,24cのそれぞれの伸びる方向と母線方向との角度を±45度とすることにより、磁界の向きの傾斜も±45度としてある。
図3に示されるように、中空筒28を支持筒26内でカルーセル側に寄せるように偏心して配し、各磁石24b,24cをターゲット層27に近づけてある。また、図3,図4に示されるように、各磁石24b,24cのターゲット層27側に向く端部をターゲット層27の周面に沿うような形状としてある。この例では、磁石24cに斜面を形成することにより、各磁石24b,24cがターゲット層27により近づくようにしてある。これにより、ターゲット層表面近傍に大きな磁界を生じさせ、プラズマをターゲット層表面の近傍に閉じ込める効果を高めている。
なお、この例では、磁石24b,24c自体の形状によって、磁石24b,24cの端部をターゲット層27の周面に沿うような形状としてあるが、例えば周面に沿うような形状に加工した高透磁性の高い材料を磁石の端部に取り付けたり、取付面の高さに変化を与えたりすることで、ターゲット層27の周面に沿うような形状としてもよい。
図2,図3において、ターゲットユニット22は、モータ18からの回転が駆動軸22aに伝達されることにより、軸心を中心に一定の速度で回転する。これにより、ターゲット層27の全周面をスパッタリングに供し、一部の表面だけにエロージョンが進行しないようにしている。
支持筒26と中空筒28との間には、給水パイプ29aを通して給水器17からの冷却水が供給され、その冷却水が排水パイプ29bを介して真空槽3の外に排水される。このように支持筒26と中空筒28との間に冷却水を通すことにより、ターゲットユニット22,磁石ユニット24等が高温になることを防止する。
シャッタ板21は、ジャケット23の外側に配され、例えば給水パイプ29a,排水パイプ29bを回転軸として回動自在となっている。このシャッタ板21は、開口23aの前方に位置して開口23aを覆う閉じ位置と、開口23aの前方から退避してターゲット層27をカルーセル4側に露呈する開き位置との間で回動自在であり、モータ19によって回動される。
次に上記構成の作用について説明する。真空槽3を開放してカルーセル4にワーク7を取り付ける。この後に、真空槽3を閉じ、真空ポンプ6を作動させて真空槽3内をスパッタリングに必要な所定の真空度にする。ワーク7が金属製である場合には、カルーセル4の回転を開始してから、ヒータ電源14によるヒータ13への通電を開始し各ワーク7を加熱する。
図示しない温度センサによって、ワーク7が所定の温度に達したことが検知されると、スパッタリング工程が開始される。スパッタリング工程では、まずターゲットユニット22とジャケット23との間に導入パイプ25を介してガスが供給され、そのガスは開口23aから真空槽3内に流入する。これにより、開口23aに露呈されてスパッタリングに供されるターゲット層27の表面は、スパッタガスないし反応ガスがリッチな雰囲気に置かれた状態になる。
シャッタ板21が閉じ位置であることを確認し、ターゲットユニット22の回転を開始してから、DC電源15によってカルーセル4とターゲットユニット22と間に電圧を印加する。これにより、導電性のシャッタ板21を通して、カルーセル4とターゲットユニット22と間で放電が開始され、スパッタガスのプラズマが生成される。そして、成膜を安定した状態で行うことができるようになると、シャッタ板21が開き位置とされ、スパッタリングによる成膜が開始される。
シャッタ板21が開き位置となると、ターゲット層27の表面から叩きだされたスパッタ原子がワーク7に向かって飛散し、それがワーク7の表面に堆積することで膜が形成される。反応ガスを導入している場合では、スパッタ原子がワーク7に向かう途中の経路に存在する反応ガスの原子やイオンに接触することにより、ワーク7の表面にはターゲット材料の例えば窒化物や酸化物が堆積してその膜が形成される。
このようにしてスパッタリングによる成膜が行われるが、放電により生じるスパッタガスのプラズマは、磁石ユニット24による磁界によってターゲット層27の表面近傍に閉じこめられ、そのプラズマが分布している表面部分からスパッタ原子がワーク7に向かって飛散していくことになる。そして、ターゲット層27の表面近傍には、磁石ユニット24によって磁力線を多くしつつ、その表面近傍に磁界の分布が広げられている。このため、ターゲット層27の表面近傍には多くのプラズマが広い分布で捕捉されるので、叩き出されて飛散するスパッタ原子の数も多くなり、結果として高い効率で成膜が行われる。
図6は、磁石ユニットの磁極面の異なる配列の一例を示すものである。この例では、磁石ユニット24は、支持部材上に配された複数の磁石セル41で構成してある。磁石セル41は、母線と傾斜する方向に伸びた第1磁極面P1と、この第1磁極面P1の周囲を一定の間隔で囲んだ矩形枠形状の第2磁極面P2とからなる。第2磁極面P2の形成する矩形は、第1磁極面P1と同じく母線に対して傾斜している。また、各磁極面P1,P2は、第1磁極面P1,第2磁極面P2は、一方がN極であり、他方がS極であって、いずれもターゲット層27の外周面に向けられている。なお、磁石セル41の各磁極面P1,P2は、例えば最初の実施形態と同様に小型の磁石を支持部材に複数の磁石を配置することで実現できる。
各磁極セル41は、各磁極面P1,P2を母線に対して傾斜した姿勢で、第2磁極面P2の一部を近接させるようにして、ターゲットユニット22のターゲット層27の母線方向に並べて配してある。このときに、ターゲット層27の母線方向での分布が途切れることがないように、図中に符号Bで示すように、隣接する各極セル41に母線方向で相互に重なる範囲を持たせてある。これにより、母線方向に途切れることなく磁界を分布させている。
なお、上記実施形態では、第1磁極面P1を第2磁極面P2が矩形状に囲んでいるが、第1磁極面P1を囲む第2磁極面P2の形状はこれに限るものではない。例えば図7(a)に示すように、第1磁極面P1が伸びる方向における第2磁極面P2の端部の形状を半円形状としたり、また図7(b)に示すように磁極面P1が伸びる方向における第2磁極面P2の端部の形状を「V」字形状として、六角形の第2磁極面P2第1磁極面P1を囲むようにしてもよい。
上記各実施形態では、向きを変えた磁石を透磁性の高い支持部材に固着することで磁石ユニットを構成しているが、磁石ユニットの構成は、これに限るものではない。例えば、磁石の形状によりN極,S極がターゲット層の外周面に向くようにしてもよく、磁石のN極,S極に透磁性材料を取り付けて必要な配列の磁極面を作成してもよい。また電磁石を用いてもよい。さらには、磁石ユニットは、それを構成する磁石の強度をN極,S極を同一とするバランス型であっても、外側の磁石の強度を強くするアンバランス型であってもよい。
上記各実施形態では、円筒形状のターゲット材料を例にして説明したが、ターゲット材料の形状はこれに限るものではない。図8に示す例では、上述した磁石ユニット24を平板状のターゲット材料47の背後、すなわちスパッタリングに供されるスパッタ面47aの反対の面側に配置して、スパッタ面47aの表面近傍に磁界を発生させている。磁石ユニット24は、第1磁極面P1が平板状のターゲット材料47の長手方向(矢線C方向)にジグザグ状に伸びる向きで配してある。これにより、スパッタ面47aの表面近傍にターゲット材料47の長手方向に対して磁界方向が傾斜した磁界をターゲット材料の長手方向に分布させている。
さらに、上記各実施形態では、カルーセルにワークを保持して、このカルーセルとともにワークを回転する例について説明したが、搬送の形態はこれに限られるものではない。例えばワークを直線的に搬送してもよく、成膜ステージにワークを1回通過させることで成膜を行うようにしてもよい。
2 スパッタリング装置
3 真空槽
4 カルーセル
11 ターゲット装置
22 ターゲットユニット
24 磁石ユニット
27 ターゲット層
41 磁石セル
P1,P2 磁極
3 真空槽
4 カルーセル
11 ターゲット装置
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24 磁石ユニット
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41 磁石セル
P1,P2 磁極
Claims (4)
- 円筒形状または平板状のターゲット材料を用いるマグネトロンスパッタリング用のターゲット装置において、
前記ターゲット材料に対して、前記ターゲット材料のスパッタリングに供すべきスパッタ面の反対側に配され、第1の磁極面が前記ターゲット材料のスパッタ面に向けられるとともに、ジグザグ状にターゲット材料の長手方向に伸ばされ、この第1の磁極面と異なる磁極の第2の磁極面が前記ターゲット材料のスパッタ面に向けられるとともに、前記第1の磁極面の周囲を所定の間隔をあけて囲むようにジグザグ状に配されて、ターゲット材料のスパッタ面近傍にターゲット材料の長手方向に対して磁界方向を所定の角度で傾斜しターゲット材料の長手方向に分布する磁界を発生する磁石ユニットを備えたことを特徴とするターゲット装置。 - 円筒形状または平板状のターゲット材料を用いるマグネトロンスパッタリング用のターゲット装置において、
前記ターゲット材料に対して、前記ターゲット材料のスパッタリングに供すべきスパッタ面の反対側に配され、第1の磁極面が前記ターゲット材料の長手方向に対して傾斜した方向に伸び、この第1の磁極面と異なる磁極の第2の磁極面が第1の磁極面の周囲を所定の間隔で囲み各磁極面が前記ターゲット材料のスパッタ面に向けられた複数の磁石セルを有し、各磁石セルを前記ターゲット材料の長手方向に沿って隣接させて並べてターゲット材料のスパッタ面近傍にターゲット材料の長手方向に対して磁界方向を所定の角度で傾斜しターゲット材料の長手方向に分布する磁界を発生する磁石ユニットを備えたことを特徴とするターゲット装置。 - 前記ターゲット材料は、円筒形状であり、前記磁石ユニットが前記ターゲット材料の中空部内に配されており、前記ターゲット材料をその軸心を中心にして回転させる回転機構を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のターゲット装置。
- ワークを所定の搬送方向に搬送しながら、前記ワークに成膜を行うマグネトロンスパッタリング装置において、
前記請求項1ないし3のいずれか1項に記載のターゲット装置を備え、前記ターゲット材料のスパッタ面が前記ワークの搬送面に向けられるとともに、前記ターゲット材料の長手方向がワークの搬送方向と直交するように配置されていることを特徴とするマグネトロンスパッタリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007283474A JP2009108383A (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | ターゲット装置及びマグネトロンスパッタリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007283474A JP2009108383A (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | ターゲット装置及びマグネトロンスパッタリング装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2009108383A true JP2009108383A (ja) | 2009-05-21 |
Family
ID=40777185
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007283474A Pending JP2009108383A (ja) | 2007-10-31 | 2007-10-31 | ターゲット装置及びマグネトロンスパッタリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009108383A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011170935A (ja) * | 2010-02-22 | 2011-09-01 | Tdk Corp | 光記録再生方法、光記録媒体 |
US9303313B2 (en) | 2011-05-23 | 2016-04-05 | Samsung Display Co., Ltd. | Separated target apparatus for sputtering and sputtering method using the same |
US9378934B2 (en) | 2011-05-30 | 2016-06-28 | Hitachi Metals, Ltd. | Racetrack-shaped magnetic-field-generating apparatus for magnetron sputtering |
-
2007
- 2007-10-31 JP JP2007283474A patent/JP2009108383A/ja active Pending
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