Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2009198444A - 燃料の蒸気圧計測装置 - Google Patents

燃料の蒸気圧計測装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009198444A
JP2009198444A JP2008043104A JP2008043104A JP2009198444A JP 2009198444 A JP2009198444 A JP 2009198444A JP 2008043104 A JP2008043104 A JP 2008043104A JP 2008043104 A JP2008043104 A JP 2008043104A JP 2009198444 A JP2009198444 A JP 2009198444A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
vapor pressure
measuring device
pressure
pressure measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008043104A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinobu Kato
吉伸 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisan Industry Co Ltd filed Critical Aisan Industry Co Ltd
Priority to JP2008043104A priority Critical patent/JP2009198444A/ja
Priority to US12/865,928 priority patent/US20100332108A1/en
Priority to PCT/JP2009/053251 priority patent/WO2009107598A1/ja
Publication of JP2009198444A publication Critical patent/JP2009198444A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】外部からの影響を受けることなく、蒸気圧を精度良く算出することができる燃料の蒸気圧計測装置を提供すること。
【解決手段】燃料供給システム10において、燃料が貯留される燃料タンク20と、燃料タンク20内の燃料をインジェクタ12に供給する燃料ポンプ26と、ノズル42と気化室45とベンチュリ47とを備え、燃料をノズル42から噴出させてベンチュリ47を通過させることで気化室45で燃料を蒸気化する燃料蒸気発生部40と、燃料ポンプ26とインジェクタ12とを接続する第1燃料通路22と、一端が燃料ポンプに接続され、他端が燃料蒸気発生部40に接続される第2燃料通路23と、燃料蒸気発生部40内の圧力を検出する圧力センサ46と、圧力センサ46の検出結果に基づいて燃料の蒸気圧を算出するECU30とを備え、燃料蒸気発生部40が、燃料タンク20内に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料の蒸気圧を計測する蒸気圧計測装置に関する。より詳細には、内燃機関に供給される燃料の蒸気圧を計測する蒸気圧計測装置に関するものである。
現在、内燃機関用の燃料として、主にガソリンが使用されているが、市販されている燃料(ガソリン)の性状は必ずしも一定ではない。このため、燃料の蒸気圧にバラツキがある。特に、仕向地が異なると、燃料性状が異なる場合が多く、燃料の蒸気圧にバラツキが生じやすい。そして、燃料の蒸気圧の変化は、燃料の燃焼性へ影響を与えてしまうおそれがある。このため、現状では、仕向地ごとに内燃機関の適合が行われている。
ところが、燃料の蒸気圧は、燃料が酸化したり、燃料が蒸発したりすること等によっても変化してしまう。このため、仕向地ごとに内燃機関の適合を行っても、すべての内燃機関において、燃料の噴射量、噴射タイミング、点火時期等を最適に制御することは困難である。そして、燃料の蒸気圧のバラツキにより、燃料の噴射量、噴射タイミング、点火時期等が最適に制御されないと、特に、内燃機関の冷間時における始動性、エミッション性能、及びドライバビリティが悪化してしまう。
このように、すべての内燃機関において、燃料の噴射量、噴射タイミング、点火時期等を最適に制御するためには、燃料の蒸気圧(燃料性状)を計測する必要がある。そして、このような燃料性状を測定する装置として、例えば、特許文献1に記載されたものがある。ここに記載されている装置は、チャンバーと被測定流体を噴出するノズルとで構成される水流ポンプと、チャンバー内の圧力を測定する圧力センサと、チャンバー内の燃料温度を検出する燃温センサと、該圧力センサと該燃温センサからの情報を受けて被測定液体の性状を算出する性状算出器とを備えている。そして、ノズルから被測定流体を噴出させることによりチャンバー内を負圧にし、燃料を気化させた時の圧力を測定することにより燃料の代表的な蒸気圧、つまり燃料性状を測定するようになっている。
特開平5−223723号公報
しかしながら、上記した液体性状測定装置では、精度よく蒸気圧を算出することが困難であるという問題があった。なぜなら、蒸気圧は温度の関数であるため、正確な燃料温度を検出する必要があるが、燃料温度を正確に検出することができないおそれがあるからである。すなわち、上記した液体性状測定装置では、水流ポンプがタンク外に設置されているため、チャンバーは外気と接触することになる。このときチャンバーは、外気の影響を受け受熱、放熱が行なわれ、周辺の外気温度が均一でないとチャンバー温度が不均一な状態となる。例えばチャンバー近傍に排気管などがあると、燃温センサと燃料温度とに誤差が生じることになる。また、チャンバー材質と気化した燃料の熱伝達係数の違いも、燃料温度の誤差要因となることは十分考えうる。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、外部からの影響を受けることなく、蒸気圧を精度良く算出することができる燃料の蒸気圧計測装置を提供することを課題とする。
上記問題点を解決するためになされた本発明に係る燃料の蒸気圧計測装置は、燃料が貯留される燃料タンクと、前記燃料タンク内の燃料を燃料噴射装置に供給する燃料ポンプと、ノズルと気化室とベンチュリとを備え、燃料を前記ノズルから噴出させて前記ベンチュリを通過させることで前記気化室で燃料を蒸気化する燃料蒸気発生部と、前記燃料ポンプと前記燃料噴射装置とを接続する第1燃料通路と、一端が前記燃料ポンプ又は前記第1燃料通路に接続され、他端が前記燃料蒸気発生部に接続される第2燃料通路と、前記燃料蒸気発生部内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段の検出結果に基づいて燃料の蒸気圧を算出する蒸気圧算出手段とを備え、前記燃料蒸気発生部が、前記燃料タンク内に配置されていることを特徴とする。
この燃料蒸気圧計測装置では、燃料ポンプから燃料噴射装置に燃料が供給される第1燃料通路と、燃料ポンプ(ポンプから直接の場合と第1燃料通路を介する場合とがある)から燃料タンク内に配置されている燃料蒸気発生部に燃料を供給する第2燃料通路が設けられている。このため、燃料ポンプから第2燃料通路に燃料が供給される。そして、第2燃料通路に流れ込んだ燃料は、ノズルに到達する。ここで、ノズルには絞りが設けられているから、ノズルから噴出された燃料は流速を増して気化室に供給され、ベンチュリを通過して燃料タンク内に戻される。このとき、ノズルより噴射された燃料が、ベンチュリのスロート部を通過する際に、気化室に負圧を発生させる。なぜなら、燃料がベンチュリのスロート部を通過するとき、粘性の影響により気化室内の燃料が引っ張られるために、気化室内に負圧が発生するのである。
この負圧発生作用に基づき燃料が減圧気化され、気化室内に蒸気圧が発生する。そして、気化室の圧力は、燃料の蒸気圧に基づき平衡状態となる。このとき、平衡状態における気化室内の圧力が圧力検出手段で検知される。その後、蒸気圧算出手段により、圧力検出手段の検出結果に基づいて燃料の蒸気圧が算出される。なお、蒸気圧算出手段で算出される蒸気圧にはリード蒸気圧も含まれる。このように、燃料の蒸気圧が算出できるのは、気化室の圧力が蒸気圧(燃料性状)の違いに伴って変化するからである。
このように蒸気圧計測装置によれば、ノズルの絞りにより流速を増して噴射された燃料が、気化室に負圧を発生させることで燃料を減圧気化させ、発生した蒸気圧による平衡状態における気化室内の圧力を圧力検出手段で検出し、その検出値に基づき蒸気圧算出手段で燃料の蒸気圧を算出することができる。そして、燃料蒸気発生部が燃料タンク内に配置されているので、燃料が外気温の影響を受けにくい。従って、燃料の蒸気圧を精度良く計測することができる。
また、燃料蒸気発生部が燃料タンク内に配置されているので、燃料蒸気発生部から燃料が多少漏れたとしても問題にならないため、燃料蒸気発生部の構造、特にシール構造を簡単にすることができる。
そして、計測された蒸気圧を用いて、内燃機関が最適運転状態となるよう、燃料噴射量の補正を行うようにすればよい。これにより、燃料の種類,温度に合わせ内燃機関が要求する最適な燃料噴射量の補正ができる。その結果、常に安定した燃焼状態が得られ、特に冷間時におけるA/Fセンサの未活性時(オープン制御時)のHC低減、始動性、ドライバビリティの向上を図ることができる。また、仕向け先の違いによる蒸気圧(燃料性状)の違いを検知できるため、燃料種類に合わせた内燃機関の適合を行う必要が無くなるので、機種展開が容易になり開発工数を大幅に削減することができる。
本発明に係る燃料の蒸気圧計測装置においては、前記第1燃料通路、前記第2燃料通路、又は前記燃料ポンプ内に配置され、前記燃料蒸気発生部に流入する燃料の圧力を一定圧にする調圧手段を有することが望ましい。
このような調圧手段を設けることにより、ノズルからの燃料噴射条件を一定にすることができるため、同一条件下で燃料を蒸気化することができる。その結果、気化室内の圧力検出を精度良く行うことができるので、燃料の蒸気圧をより精度良く計測することができる。
また、本発明に係る燃料の蒸気圧計測装置においては、前記燃料蒸気発生部を通過する燃料の温度を検出する燃温検出手段を有し、前記蒸気圧算出手段は、前記圧力検出手段の検出結果に基づいて算出した燃料の蒸気圧を、前記燃温検出手段の検出結果に基づき補正することが望ましい。
蒸気圧は温度の関数であるから、燃料の温度が安定していないと蒸気圧を正確に計測(算出)することができない。そこで、燃温検出手段を設けることにより、燃料蒸気発生部で気化する前(液体状態)の燃料の温度を検出している。これにより、気化した燃料の温度を検出する場合に比べ、燃料温度を精度良く検出することができる。そして、蒸気圧算出手段で、正確に検出された燃料温度を用いて、圧力検出手段の検出結果に基づいて算出した燃料の蒸気圧を補正するため、蒸気圧を非常に精度良く計測(算出)することができる。
また、本発明に係る燃料の蒸気圧計測装置においては、前記気化室入口より上流側又は前記気化室出口より下流側に配置され、前記気化室への燃料の流入を制御する制御弁を有することが望ましい。
このような制御弁を設けることにより、燃料の蒸気圧を計測する間だけ、ノズルから燃料を噴射して、確実に気化室に負圧を発生させることができる。これにより、燃料噴射量が少ないときに燃料の蒸気圧の計測を行うことができ、燃料ポンプの流量をアップすることなく燃料の蒸気圧を精度良く計測することができる。
また、本発明に係る燃料の蒸気圧計測装置においては、前記燃料蒸気発生部は、前記燃料ポンプとともに、前記燃料タンク内のサブタンク内に収められていることが望ましい。
燃料蒸気発生部を燃料タンク内のサブタンク内に収めることにより、蒸気圧計測装置を燃料ポンプ等とともにモジュール化することができる。その結果、蒸気圧計測装置の設置が容易になるとともに、取付部材を簡素化することができる。
そして、本発明に係る燃料の蒸気圧計測装置においては、前記燃料ポンプは、前記サブタンク内に配置されており、前記燃料蒸気発生部から流出する燃料が、前記サブタンク内に戻されることが望ましい。
燃料蒸気発生部から流出する燃料をサブタンク内に戻すことにより、燃料ポンプが傾いた場合でも、サブタンク内に配置された燃料ポンプが燃料を確実に吸い上げて燃料を供給することができる。
また、本発明に係る燃料の蒸気圧計測装置においては、前記燃温検出手段は、前記ノズルの上流側でノズル近傍に配置されていることが望ましい。
このような位置に燃温検出手段を配置することにより、ノズル付近における液状燃料の温度を検出することができるため、ノズルから噴射される燃料の温度を正確に計測することができる。従って、燃料の蒸気圧を計測精度を向上させることができる。
また、本発明に係る燃料の蒸気圧計測装置においては、前記燃温検出手段は、前記燃料蒸気発生部に一体的に取り付けられていることが望ましい。
燃温検出手段を燃料蒸気発生部に一体的に取り付けることにより、蒸気圧計測装置の構成部品を集約化することができる。その結果、蒸気圧計測装置の設置が容易になるとともに、取付部材を簡素化することができる。
また、本発明に係る燃料の蒸気圧計測装置においては、前記燃料ポンプは、サブタンクを有する燃料供給装置に取り付けられており、前記燃温検出手段が、前記サブタンクの底部近傍に配置されていることが望ましい。
サブタンクの底部には燃料が安定して存在し、燃料の温度も安定している。このため、燃温検出手段をサブタンクの底部近傍に配置することにより、燃料温度をバラツキなく正確に検出することができる。これにより、燃料の蒸気圧を計測精度を向上させることができる。
また、本発明に係る燃料の蒸気圧計測装置においては、前記圧力検出手段は、前記燃料タンクの外側に配置されていることが望ましい。
このように圧力検出手段を燃料タンクの外側に配置することにより、圧力検出手段への配線を容易にすることができ、蒸気圧計測装置の組み付け性を向上させることができる。
また、本発明に係る燃料の蒸気圧計測装置においては、前記燃料蒸気発生部は、前記燃料タンクの蓋部材近傍に配置され、前記圧力検出手段は、前記蓋部材の燃料タンク外側に配置されていることが望ましい。
このような構成により、圧力検出手段の固定が容易になるとともに、燃料気化室及び圧力検出手段自体や接続コネクタなどを、蓋部材付近に集約することができるので、装置の小型化を図ることができる。
そして、燃料蒸気発生部を蓋部材に一体成形することにより、圧力検出手段自体や接続コネクタの他、燃料蒸気発生部をも蓋部材に集約することができ、装置の小型化をより一層図ることができるとともに、蒸気圧計測装置の燃料タンクへの組み付け性をより向上させることができる。
また、本発明に係る燃料の蒸気圧計測装置においては、前記圧力検出手段と前記燃料蒸気発生部とが感圧壁を介して接続されていることが望ましい。
このような構成により、感圧壁(例えば、ダイアフラムなど)によって圧力検出部への燃料の侵入を防止することができ、圧力検出部における回路異常の発生を防ぐことができる。
そして、上記したいずれか1つの蒸気圧計測装置と、前記燃料噴射装置における燃料噴射制御を行う燃料噴射制御手段とを有し、前記燃料噴射制御手段は、前記蒸気圧計測装置で得られたリード蒸気圧などの燃料蒸気特性値と始動時の内燃機関の冷却水温とから、その始動時水温での蒸気圧を算出し内燃機関の前記燃料噴射装置における燃料噴射制御を実施する燃料噴射制御システムを構成するのが好ましい。
このような燃料噴射制御システムを構成することにより、燃料の種類,温度に合わせエンジンが要求する最適な燃料噴射量の補正が出来るため常に安定した燃焼状態が得られ、特に冷間始動時におけるA/Fセンサの未活性時(オープン制御時)のHC低減、始動性、ドライバビリティの向上を満たすことができる。また、仕向け先の違いによる燃料性状(蒸気圧)の違いを検知できるため、燃料性状に合わせた内燃機関の適合を行う必要が無くなるので、機種展開が容易になり開発工数を大幅に削減することができる。
また、この燃料噴射制御システムでは、内燃機関の冷却水温に基づき始動時の蒸気圧を算出するため、内燃機関の暖機後の再始動時であっても高精度な燃料噴射制御を行うことができる。
さらに、この燃料噴射制御システムでは、上記した蒸気圧計測装置を用いているので、蒸気圧計測装置の構成が簡素かつ小型であるため、システムとしても簡素化及び小型化を図ることができる。これにより、高性能な燃料噴射制御システムを実現することができる。
本発明に係る燃料の蒸気圧計測装置によれば、上記した通り、外部からの影響を受けることなく、蒸気圧を精度良く算出することができる。
以下、本発明の燃料の蒸気圧計測装置及び燃料噴射制御システムを具体化した最も好適な実施の形態について添付図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態は、本発明を自動車用エンジンの燃料供給システムに適用したものである。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態について説明する。そこで、第1の実施の形態に係る燃料供給システムについて、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、第1の実施の形態に係る燃料供給システムの概略を示す構成図である。図2は、燃料蒸気発生部の概略構成を示す部分断面図である。燃料供給システム10には、図1に示すように、エンジン11と、インジェクタ12と、燃料タンク20と、燃料ポンプユニット21と、第1燃料通路22と、第2燃料通路23と、エンジンコントロールユニット(ECU)30とが備わっている。これにより、燃料供給システム10では、ECU30の指令に基づき、燃料ポンプユニット21から燃料タンク20内の燃料が燃料通路22を介してインジェクタ12に供給され、インジェクタ12からエンジン11に燃料が噴射供給されるようになっている。
ここで、エンジン11は、周知の構造を有するレシプロタイプのものである。そして、このエンジン11は、吸気通路13を通じて吸入される空気とインジェクタ12から噴射される燃料との可燃混合気を、点火プラグ35により着火して燃焼室で爆発・燃焼させ、その燃焼後の排気を排気通路14を通じて排出させることにより、ピストン15を動作させてクランクシャフト(不図示)を回転させ、動力を得るようになっている。また、エンジン11には、水温センサ33が設けられている。水温センサ33は、エンジン11の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温)を検知し、その検出値に応じた電気信号を出力するものである。なお、水温センサ33からの出力信号は、ECU30に入力されるようになっている。
吸気通路13には、エアフローメータ31、スロットルバルブ16、およびサージタンク17が設けられている。ここで、エアフローメータ31は、吸気通路13を通じてエンジン11に吸入される空気量(吸気量)を検出し、その検出値に応じた電気信号を出力するものである。スロットルバルブ16は、吸気通路13を通じてエンジン11に吸入される空気量(吸気量)を調節するために開閉されるものである。このバルブ16は、運転席に設けられたアクセルペダル18の操作に連動、より詳細には、アクセルペダル18に設けられたアクセルポジションセンサ19からの出力信号に応じて作動するようになっている。また、サージタンク17には吸気圧センサ32が設けられている。この吸気圧センサ32は、スロットルバルブ16より下流の吸気通路13における吸気圧を検出し、その検出値に応じた電気信号を出力するものである。なお、吸気温センサ31及び吸気圧センサ32からの出力信号は、ECU30に入力されるようになっている。
インジェクタ12は、エンジン11における各気筒の吸気ポートに対して燃料を噴射するものである。インジェクタ12には、燃料ポンプユニット21から圧送された燃料が、第1燃料通路22を通じて供給されるようになっている。このようにして供給された燃料は、ECU30からの指令に基づきインジェクタ12が作動することにより、吸気ポートへ噴射され、空気との可燃混合気を形成して各気筒に取り込まれる。なお、後述するようにプレッシャレギュレータ28にて燃料噴射圧を一定に制御しているため、余剰燃料は燃料ポンプユニット21に備わるジェットポンプを介して燃料タンク20内に戻されるようになっている。
燃料タンク20には、燃料が貯留されており、その内部に燃料ポンプユニット21が設けられている。この燃料ポンプユニット21は、図2に示すように、燃料タンク20の取付孔20aを塞ぐセットプレート25に、燃料ポンプ26などが収容されているリザーブカップ27を組み込んだものである。このリザーブカップ27が本発明の「サブタンク」に相当する。なお、本実施の形態では燃料タンク20が樹脂製であるためリザーブカップを有しているが、鉄製の燃料タンクの場合にはタンクの隔壁によりサブタンクが形成されることになる。
そして、燃料ポンプユニット21は、燃料タンク20の取付孔20aを塞ぐようにセットプレート25を燃料タンク20に装着することによって、燃料タンク20に取り付けられている。このような燃料ポンプユニット21から、プレッシャレギュレータ28により一定圧に調整された燃料が、第1燃料配管22及び第2燃料配管23に供給されるようになっている。これにより、後述するノズル42からの燃料噴射条件を一定にすることができるため、後述する気化室45にて同一条件下で燃料を蒸気化することができる。
エンジン11に設けられた点火プラグ35は、イグナイタ36から出力される高電圧を受けて点火動作をするものである。点火プラグ35の点火時期は、ECU30の指令によって定まるイグナイタ36による高電圧の出力タイミングにより決定される。
図1に示すECU30には、上記した他、クランク角センサ等の各種センサ類から出力される各種信号が入力されるようになっている。そして、ECU30は、これらの入力信号に基づきエンジンの運転状態を検出し、エンジンの運転状態に応じた燃料供給制御及び点火時期制御等を実行するために、燃料ポンプ26、インジェクタ12、及びイグナイタ36をそれぞれ制御するようになっている。なお、燃料供給制御とは、エンジンの運転状態に応じて、燃料ポンプ26の吐出量(ポンプモータの回転数)、およびインジェクタ12から噴射される燃料量(燃料噴射量)とその噴射タイミングを制御することである。点火時期制御とは、エンジン11の運転状態に応じてイグナイタ36を制御することにより、点火プラグ35による点火時期を制御することである。
また、ECU30は、後述する圧力センサ46からの出力信号に基づき、燃料の蒸気圧を算出するようになっている。つまり、ECU30は、本発明の「蒸気圧算出手段」に相当する。
ここで、ECU30は、周知の構成、すなわち中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、バックアップRAM、外部入力回路及び外部出力回路等を備えている。ECU30は、CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMと、外部入力回路及び外部出力回路等とをバスにより接続してなる論理演算回路を構成している。ROMは、エンジンに制御に関する所定の制御プログラムを予め記憶している。RAMは、CPUの演算結果を一時記憶するものである。バックアップRAMは、予め記憶したデータを保存するものである。CPUは、入力回路を介して入力される各種センサ等の検出値に基づき、所定の制御プログラムに従って各種制御等を実行するものである。
そして、セットプレート25の燃料タンク側つまり燃料タンク20内、より詳細にはリザーブカップ27内に、燃料蒸気発生部40が配置されている。このように燃料蒸気発生部40を燃料タンク内20に設けることにより、燃料蒸気発生部40から燃料が多少漏れたとしても問題にならないため、燃料蒸気発生部40の構造、特にシール構造を簡単にすることができる。また、燃料蒸気発生部40を燃料ポンプ26などとともにモジュール化することができ、その取り付けが容易となり取付部材を簡素化することができる。本実施の形態では、燃料蒸気発生部40がセットプレート25に一体化されている。
この燃料蒸気発生部40には、図2に示すように、電磁弁41と、ノズル42と、気化室45と、ベンチュリ47とが備わっている。そして、電磁弁41の流入口が第2燃料配管23に接続され、流入口がノズル42に接続されている。電磁弁41への通電のON/OFFにより電磁弁42の弁体43が移動し、ノズル42からの気化室45への燃料噴射が制御されるようになっている。このような電磁弁42を設けることにより、燃料の蒸気圧を計測する間だけ、ノズル42から燃料を噴射して、確実に気化室45に負圧を発生させることができる。これにより、燃料噴射量が少ないときに燃料の蒸気圧の計測を行うことができ、燃料ポンプ26の流量をアップすることなく燃料の蒸気圧を精度良く計測することができるようになっている。なお、この電磁弁41は、図1に示すように、ECU30に接続されており、電磁弁41への通電のON/OFFは、ECU30からの指令に基づき行われる。
気化室45は、図2に示すように、ノズル42周辺、およびノズル42とベンチュリ47との間に形成されている。なお、本実施の形態では、ノズル42の直径が0.9mm、ベンリュリ47のスロート部直径が1.5mm、ノズル42とベンチュリ47との距離が3mmとなっている。これらの数値は、これらの数値は、燃料ポンプの性能によって決定されるものであり、例示したものに限定されない。
そして、気化室45には、ダイアフラム49を介して圧力センサ46が接続されており、気化室45内の圧力を検知することができるようになっている。これにより、気化室45に発生した負圧により燃料が減圧沸騰を起こし蒸気圧が発生したときの気化室45内の圧力が、圧力センサ46で検出されるようになっている。また、ダイアフラム49によって圧力センサ46への燃料の侵入を防止して圧力センサ46における回路異常の発生を防ぐようになっている。なお、圧力センサ46からの出力信号は、図1に示すように、ECU30に入力されるようになっている。
このように、気化室45内で燃料の減圧沸騰が生じるのは以下の理由による。すなわち、ノズル42から噴出された燃料は流速を増して気化室45に供給され、ベンチュリ47を通過してリザーブカップ27内に戻されるが、ノズル42より噴射された燃料がベンチュリ47のスロート部を通過する際に、燃料の粘性の影響により気化室45内の燃料が外部(ベンリュリ側)へ引っ張られるために気化室45内に負圧が発生する。そして、この負圧発生作用に基づき、気化室45内の燃料が減圧気化され、気化室45内に蒸気圧が発生するのである。そして、気化室45の圧力は、燃料の蒸気圧に基づき平衡状態となる。このとき、平衡状態における気化室45内の圧力が、圧力センサ46で検知される。
そして、圧力センサ46は、燃料タンク20の外、詳細にはセットプレート25の表側(タンクとは反対側)に設けられている。これにより、圧力センサ46への配線、及び圧力センサ46への配線が容易になっている。また、ベンチュリ47から流出する燃料がリザーブカップ27内に戻されるため、燃料ポンプ26が傾いた場合でも、リザーブカップ27内に配置された燃料ポンプ26が燃料を確実に吸い上げて燃料を供給することができるようになっている。
さらに、図2に示すように、燃料蒸気発生部40(電磁弁41)の入口に、燃温センサ48が設けられている。これにより、ノズル42に噴射される燃料の温度を正確に検出することができる。なお、燃温センサ48からのからの出力信号は、図1に示すように、ECU30に入力されるようになっている。そして、燃温センサ48は、燃料蒸気発生部40に一体的に組み付けられている。これにより、燃料蒸気発生部40の構成部品が集約化(一体化)され、燃料蒸気発生部40の取付性を一層向上させることができる。
このようにして燃料蒸気発生部40で検出される圧力と燃温とに基づいて、後述するようにしてリード蒸気圧RPVが算出される。つまり、燃料蒸気発生部40で燃料を減圧気化させ燃料のリード蒸気圧RVPを算出することができ、また始動時の温度での燃料蒸気圧を算出することもできる。そのため、システム構成を簡素化にすることができるとともに、小型化を図ることができ、さらに高精度な燃料噴射制御を行うことができるようになっている。
続いて、上記した構成の燃料供給システム10の動作について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、燃料供給システムにおけるエンジン始動時における燃料供給制御の内容を示すフローチャートである。図4は、燃料供給システムにおけるリード蒸気圧計測ルーチンの内容を示すフローチャートである。なお、燃料供給システム10における燃料供給制御は、イグニッション(IG)がONされると開始される。
イグニッション(IG)がONされると、ECU30は、図3に示すように、ECU30に備わるRAMに記憶された現在のリード蒸気圧RVPを読み出す(ステップ1)。このリード蒸気圧RVPは、燃料の揮発性を示す指標である。なお、RAMへの現在のリード蒸気圧RVPの書き込み(記憶)処理は、後述するリード蒸気圧計測ルーチン(図4参照)の実施中に行われる。
次に、ECU30は、水温センサ33からの信号により、エンジン11の冷却水温を検出する(ステップ2)。そして、ECU30は、ステップ2で検出した冷却水温に基づき、温度係数Ct(T2)を算出する(ステップ3)。ここで、温度係数Ct(T2)は、ステップ1で読み出したリード蒸気圧RVP(37.8℃)を「1」としたときの燃温による蒸気圧の変化割合を示すものである(図7参照)。その後、ECU30は、ステップ1で読み出したリード蒸気圧RVP(37.8℃)と、ステップ3で算出した温度係数Ct(T2)とから次式により現在の燃料蒸気圧VPを算出する(ステップ4)。
VP=RVP・Ct(T2)
ここで、冷却水温に基づき温度係数から燃料蒸気圧を算出するのは、インジェクタ12から噴射される状態における蒸気圧を正確に算出するためである。例えば、寒冷地においては、エンジン11の暖気が終了していても、燃温が低い状態であることがあり、このような場合に燃温に基づいて燃料蒸気圧を算出すると、インジェクタ12から噴射されたときの燃料蒸気圧を正確に算出することができないからである。なお、エンジン11の運転状態によって、燃料蒸気圧を算出するための温度を、冷却水温又は燃温のいずれにするかを決定する(切り替える)ようにしてもよい。
その後、ECU30は、算出した燃料蒸気圧に基づき始動時における燃料噴射量や点火時期などの補正量を決定する(ステップ5)。これにより、燃料供給システム10においては、始動時における燃料蒸気圧に基づく燃料増量補正が行われる。そして、ECU30は、この増量補正を行ってエンジン11を始動させる(ステップ6)。
このように、燃料供給システム10では、ECU30がエンジン11の始動時における燃料噴射制御を燃料蒸気圧に基づき行うため、燃料性状(種類)が変化しても、高精度な燃料噴射制御を行うことができる。その結果、燃料の種類、温度に合わせエンジンが要求する最適な燃料噴射量の補正が出来るため常に安定した燃焼状態が得られ、特に冷間始動時におけるA/Fセンサの未活性時(オープン制御時)のHC低減、始動性、ドライバビリティの向上を満たすことができる。また、仕向け先の違いによる燃料性状(蒸気圧)の違いを検知できるため、燃料性状に合わせた内燃機関の適合を行う必要が無くなるので、機種展開が容易になり開発工数を大幅に削減することができる。
そして、エンジン11が始動した後、ECU30は図4に示すリード蒸気圧計測ルーチンを実行する。このリード蒸気圧計測ルーチンが実行されると、図4に示すように、ECU30は、タイマーリセット後に(ステップS10)、圧力センサ46による圧力計測条件が満たされているか否かを判断する(ステップ11〜14)。本実施の形態では、タイマーリセットから規定時間以上経過していること(ステップ11)、アクセルポジションセンサ19の出力電圧が規定値以下、つまりアクセルペダル18が操作されていないこと(ステップ12)、バッテリ電圧が既定値(例えば、6V)以上であること(ステップ13)、給油されていないこと(ステップ14)を計測条件としている。
上記した計測条件を満たしている場合には(S11〜S13:YES,S14:NO)、燃料蒸気発生部40で気化室45の圧力が計測される(ステップ15)。具体的には、ECU30が、電磁弁41をONしてノズル42を開く。これにより、ノズル42からベンチュリ47に向かって燃料が噴射され、ベンリュリ47のスロート部に燃料が付着することで気化室45に負圧が発生し、燃料が減圧気化することで気化室45内に蒸気圧が発生する。このとき、圧力センサ46により気化室45内の圧力が検出されるとともに、燃温センサ48により燃料蒸気発生部40に供給される燃料の温度T1が検出される(ステップ16)。
ここで、圧力センサ46により検出される圧力は、図5に示すP(T1)である。この圧力P(T1)は、ノズル42から燃料が噴射されたとき(噴射流量Q(Qは一定))に気化室45に発生する負圧Pn(一点鎖線参照)よりも、燃料が減圧気化することで発生した蒸気圧によってよって回復した(小さくなった)負圧(実線参照)となる。なお、図5は、ノズルからの噴出流量と気化室圧力との関係(フィード圧300kPa)を示す図である。
一方、ステップ11〜13において、圧力計測条件が満たされていない場合には、ECU30は、各条件が満たされるまで以降の処理を一時的に中止する。そして、ECU30は、ステップ11〜13のすべての条件が満たされると(S11〜S13:YES)、給油されたか否かを判断する(ステップ14)。このとき、給油されていると(S14:YES)、ECU30は、タイマーをリセットして圧力計測条件(ステップ11〜14)の判定を繰り返す。
そして、ECU30は、ステップ16で検出した燃料温度に基づき、温度係数Ct(T1)を算出する(ステップ17)。次いで、ステップ15で計測した圧力P(T1)と、ステップ17で算出した温度係数Ct(T1)とにより下記の換算式に基づき、リード蒸気圧RVP(37.8℃)を算出する(ステップ18)。
ここで、リード蒸気圧及び任意の温度における蒸気圧(揮発性)を算出する換算式について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、リード蒸気圧(物性値)と気化室圧力との関係を示す図である。図7は、図6の結果より求めた37.8℃における気化室圧力を基準としたときの温度に対する変化割合(温度係数Ct)を示す図である。
図6から明らかなように、気化室圧力は、各燃温において燃料の種類に関係なくリード蒸気圧(物性値)と非常に高い相関性がある。そして、37.8℃における気化室圧力を基準としたときの温度変化に対し、気化室圧力の変化割合は図7に示すように、燃料の種類に関係なく、ある割合で変化する。従って、気化室45の圧力と燃料温度とを検出することができれば、リード蒸気圧と任意の温度における燃料蒸気圧(揮発性)も簡単に算出することができる。
そして、上記結果から得られるリード蒸気圧RVPの換算式は以下に示す通りである。
RVP=1/Ct(T1)・A0・P(T1)+B0
0:基準温度(37.8℃)の傾き
0:基準温度(37.8℃)の切片
また、任意の温度における蒸気圧VPの換算式は以下に示す通りである。
VP(T2)=RVP・Ct(T2)
その後、ECU30は、このようにしてリード蒸気圧RVP(37.8℃)を算出すると、算出したリード蒸気圧RVP(37.8℃)を現在のリード蒸気圧RVPとしてRAMに上書きする。これにより、先回のリード蒸気圧RVPが消去されて、現在のリード蒸気圧RVPが記憶される(ステップ19)。そして、このようにして記憶された現在のリード蒸気圧RVPが次回のエンジン始動時に読み出される(ステップ1参照)。その後、エンジン11が停止するとこの処理ルーチンが終了する(ステップ20)。
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係る燃料供給システム10では、燃料蒸気発生部40において、燃料を減圧気化させることで蒸気圧を発生させて、そのときの気化室45の圧力を圧力センサ46で検出し、かつ燃温センサ48の検出信号に基づきECU30が温度係数Ct(T1)からリード蒸気圧RVP(37.8℃)を算出する。そして、エンジン11の始動時には、このリード蒸気圧RVP(37.8℃)と水温センサ33の検出信号に基づき算出された温度係数Ct(T2)から現在の燃料蒸気圧VPを算出し、その燃料蒸気圧VPを用いてエンジン11の始動時における燃料増量制御を実施する。このため、燃料の種類、温度に合わせエンジン11が要求する最適な燃料噴射量の補正ができるため常に安定した燃焼状態が得られ、特に冷間始動時におけるA/Fセンサの未活性時(オープン制御時)のHC低減、始動性、ドライバビリティの向上を満たすことができる。また、仕向け先の違いによる蒸気圧(燃料性状)の違いを検知できるため、燃料種類に合わせたエンジン適合を行う必要が無くなるので機種展開が容易になり、開発工数を大幅に削減することができる。
また、燃料供給システム10では、燃料蒸気発生部40を燃料タンク20内に設けて周辺温度の影響を受けなくしているので、安定した燃料蒸気圧の計測を行うことができるとともに、燃温センサ46を液没させていることによっても周辺温度の影響を受けなくなっており、非常に精度良く燃料蒸気圧を算出することができる。
ここで、燃料蒸気発生部をセットプレート25に取り付けるのではなく、図8に示すように、燃料蒸気発生部40aをリザーブカップ27の底部近傍に設置して、燃温センサ48をリザーブカップ27の底部近傍に配置するようにしてもよい。このような構成により、リーザブカップ27の底部には燃料が安定して存在し、燃料の温度も安定しているため、燃温センサ48を確実に液没させることができ、燃料温度をバラツキなく正確に検出することができる。その結果、燃料の蒸気圧を計測精度を一層向上させることができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態と基本的な構成をほぼ同じくするが、燃料蒸気発生部に電磁弁及び燃温センサが組み込まれていない点が相違する。このため以下では、第1の実施の形態と共通する構成については図面に同じ符号を付してその説明を適宜省略し、相違する構成を中心に第2の実施の形態に係る燃料供給システムについて、図9及び図10を参照しながら説明する。図9は、第2の実施の形態に係る燃料供給システムの主要部における概略を示す構成図である。図10は、燃料供給システムにおけるリード蒸気圧計測ルーチンの内容を示すフローチャートである。
図9に示すように、第2の実施の形態に係る燃料供給システム10aにおける燃料蒸気発生部40bは、ノズル42と、気化室45と、圧力センサ46と、ベンチュリ47とを備えている。すなわち、燃料蒸気発生部40bには、電磁弁及び燃温センサが組み込まれていない。このような燃料蒸気発生部40bは、第1の形態と同様に、セットプレート25に組み込まれている。具体的には、燃料ポンプ26からインジェクタ12に燃料を供給する第1燃料通路22と、燃料ポンプ26から燃料蒸気発生部40bに燃料を供給する第2燃料通路23とが形成されている。そして、第2燃料通路23の他端が燃料蒸気発生部40bの入口に接続されており、燃料ポンプ26から一定圧の燃料が燃料蒸気発生部40bに供給されると、ノズル42から燃料がベンチュリ47に向けて噴射されるようになっている。このとき、第1の実施の形態と同様に、気化室45に発生した負圧により燃料が減圧沸騰を起こし蒸気圧が発生したときの気化室45内の圧力が、圧力センサ46で検出されるようになっている。
続いて、燃料供給システム10aにおけるリード蒸気圧計測について、図10を参照しながら説明する。燃料供給システム10aでも、エンジン11が始動されると、ECU30がリード蒸気圧計測ルーチンを実行する。このリード蒸気圧計測ルーチンが実行されると、図10に示すように、ECU30は、圧力計測条件(ステップ30,31)が満たされているか否かを判断する。この計測条件は、第1の実施の形態と異なり、本実施の形態では、給油がされたこと(ステップ30)、及び先回のエンジン停止後より規定時間以上経過していること(ステップ31)としている。なお、ステップ31における規定時間としては、燃温とエンジン11の冷却水温とが同じ温度になるまでの時間を設定すればよい。
上記の圧力計測条件が満たされると、ECU30は、圧力センサ46からの信号に基づき気化室45の圧力(P(T))を検出し(ステップ32)、水温センサ33からの信号に基づきエンジン11の冷却水温を検出する(ステップ33)。そして、ECU30は、ステップ33で検出した冷却水温に基づき、温度係数Ct(T)を算出する(ステップ34)。次いで、ステップ32で検出した圧力P(T)と、ステップ34で算出した温度係数Ct(T)とにより上記した換算式に基づき、リード蒸気圧RVP(37.8℃)を算出する(ステップ35)。その後、ECU30は、算出したリード蒸気圧RVP(37.8℃)を現在のリード蒸気圧RVPとしてRAMに上書きする。これにより、先回のリード蒸気圧RVPが消去されて、現在のリード蒸気圧RVPが記憶される(ステップ36)。
そして、次回のエンジン11の始動時に、ECU30により、ステップ36で記憶された現在のリード蒸気圧RVPが読み込まれ、その時のエンジン11の冷却水温から算出した温度係数(Ct(T2))に基づき燃料蒸気圧VPが算出される。そして、この燃料蒸気圧VPをもとに燃料噴射量補正が行われて、エンジン11が始動する(図3参照)。
このように、第2の実施の形態に係る燃料供給システム10aでも、ECU30により第1の実施の形態と同様の燃料噴射制御が行われ、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。そして、燃料供給システム10aでは、電磁弁及び燃温センサがないため、低コスト化および小型化を一層図ることができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、第2燃料通路23の一端は燃料ポンプ26に接続されているが、図11に示すように、第2燃料通路23の一端を第1燃料通路22に接続する(第1燃料通路22から分岐させる)こともできる。
また、上記した第1の実施の形態では、気化室45への燃料の流入を制御する電磁弁41を気化室45の上流側に配置しているが、図12に示すように、気化室45の下流側に配置することもできる。
さらに、上記した実施の形態では、プレッシャレギュレータ28を第1燃料通路22に配置しているが、プレッシャレギュレータ28は燃料ポンプ26内あるいは第2燃料通路23に配置することもできる。
また、上記した実施の形態では、演算処理や記憶が簡単になることから燃料の蒸気圧を算出するのに、ECU30はリード蒸気圧RVPを記憶するようになっているが、リード蒸気圧の代わりに、圧力センサ46で検出された気化室圧力とそのとき燃温センサ48で検出された燃温との2変数をそのまま記憶して、その2変数を用いて燃料の蒸気圧を算出することもできる。あるいは、圧力センサ46で検出された気化室圧力とそのとき燃温センサ48で検出された燃温との2変数から算出できる特定温度の蒸気圧をリード蒸気圧の代わりに代表値として記憶し、その特定温度の蒸気圧を用いて燃料の蒸気圧を算出することもできる。
第1の実施の形態に係る燃料供給システムの概略を示す構成図である。 燃料蒸気発生部の概略構成を示す断面図である。 エンジン始動時における燃料供給制御の内容を示すフローチャートである。 リード蒸気圧計測ルーチンの内容を示すフローチャートである。 ノズルからの噴出流量と気化室圧力との関係を示す図である。 気化室圧力とリード蒸気圧との関係を示す図である。 燃温と温度係数との関係を示す図である。 燃温センサをリザーブカップ底部に配置した燃料蒸気発生部を示す図である。 第2の実施の形態に係る燃料供給システムの主要部の概略を示す構成図である。 リード蒸気圧計測ルーチンの内容を示すフローチャートである。 第2燃料通路を第1燃料通路に接続した燃料供給システムの主要部を示す図である。 電磁弁を気化室の上流側に配置した燃料蒸気発生部を示す図である。
符号の説明
10 燃料供給システム
11 エンジン
12 インジェクタ
19 アクセルポジションセンサ
20 燃料タンク
20a 取付孔
21 燃料ポンプユニット
22 第1燃料通路
23 第2燃料通路
25 セットプレート
26 燃料ポンプ
27 リザーブカップ
28 プレッシャレギュレータ
30 エンジンコントロールユニット(ECU)
33 水温センサ
40 燃料蒸気発生部
41 電磁弁
42 ノズル
43 弁体
45 気化室
46 圧力センサ
47 ベンチュリ
48 燃温センサ
49 ダイアフラム

Claims (12)

  1. 燃料が貯留される燃料タンクと、
    前記燃料タンク内の燃料を燃料噴射装置に供給する燃料ポンプと、
    ノズルと気化室とベンチュリとを備え、燃料を前記ノズルから噴出させて前記ベンチュリを通過させることで前記気化室で燃料を蒸気化する燃料蒸気発生部と、
    前記燃料ポンプと前記燃料噴射装置とを接続する第1燃料通路と、
    一端が前記燃料ポンプ又は前記第1燃料通路に接続され、他端が前記燃料蒸気発生部に接続される第2燃料通路と、
    前記燃料蒸気発生部内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段の検出結果に基づいて燃料の蒸気圧を算出する蒸気圧算出手段とを備え、
    前記燃料蒸気発生部が、前記燃料タンク内に配置されている
    ことを特徴とする燃料の蒸気圧計測装置。
  2. 請求項1に記載する燃料の蒸気圧計測装置において、
    前記第1燃料通路、前記第2燃料通路、又は前記燃料ポンプ内に配置され、前記燃料蒸気発生部に流入する燃料の圧力を一定圧にする調圧手段を有する
    ことを特徴とする燃料の蒸気圧計測装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する燃料の蒸気圧計測装置において、
    前記燃料蒸気発生部を通過する燃料の温度を検出する燃温検出手段を有し、
    前記蒸気圧算出手段は、前記圧力検出手段の検出結果に基づいて算出した燃料の蒸気圧を、前記燃温検出手段の検出結果に基づき補正する
    ことを特徴とする燃料の蒸気圧計測装置。
  4. 請求項1から請求項3に記載するいずれか1つの燃料の蒸気圧計測装置において、
    前記気化室入口より上流側又は前記気化室出口より下流側に配置され、前記気化室への燃料の流入を制御する制御弁を有する
    ことを特徴とする燃料の蒸気圧計測装置。
  5. 請求項1から請求項4に記載するいずれか1つの燃料の蒸気圧計測装置において、
    前記燃料蒸気発生部は、前記燃料ポンプとともに、前記燃料タンク内のサブタンク内に収められている
    ことを特徴とする燃料の蒸気圧計測装置。
  6. 請求項5に記載する燃料の蒸気圧計測装置において、
    前記燃料ポンプは、前記サブタンク内に配置されており、
    前記燃料蒸気発生部から流出する燃料が、前記サブタンク内に戻される
    ことを特徴とする燃料の蒸気圧計測装置。
  7. 請求項3に記載する燃料の蒸気圧計測装置において、
    前記燃温検出手段は、前記ノズルの上流側でノズル近傍に配置されている
    ことを特徴とする燃料の蒸気圧計測装置。
  8. 請求項3に記載する燃料の蒸気圧計測装置において、
    前記燃温検出手段は、前記燃料蒸気発生部に一体的に取り付けられている
    ことを特徴とする燃料の蒸気圧計測装置。
  9. 請求項8に記載する燃料の蒸気圧計測装置において、
    前記燃料ポンプは、サブタンクを有する燃料供給装置に取り付けられており、
    前記燃温検出手段が、前記サブタンクの底部近傍に配置されている
    ことを特徴とする燃料の蒸気圧計測装置。
  10. 請求項1から請求項9に記載するいずれか1つの燃料の蒸気圧計測装置において、
    前記圧力検出手段は、前記燃料タンクの外側に配置されている
    ことを特徴とする燃料の蒸気圧計測装置。
  11. 請求項10に記載する燃料の蒸気圧計測装置において、
    前記燃料蒸気発生部は、前記燃料タンクの蓋部材近傍に配置され、
    前記圧力検出手段は、前記蓋部材の燃料タンク外側に配置されている
    ことを特徴とする燃料の蒸気圧計測装置。
  12. 請求項10又は請求項11に記載する燃料の蒸気圧計測装置において、
    前記圧力検出手段と前記燃料蒸気発生部とが感圧壁を介して接続されている
    ことを特徴とする燃料の蒸気圧計測装置。
JP2008043104A 2008-02-25 2008-02-25 燃料の蒸気圧計測装置 Pending JP2009198444A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008043104A JP2009198444A (ja) 2008-02-25 2008-02-25 燃料の蒸気圧計測装置
US12/865,928 US20100332108A1 (en) 2008-02-25 2009-02-24 Fuel vapor pressure measuring device
PCT/JP2009/053251 WO2009107598A1 (ja) 2008-02-25 2009-02-24 燃料の蒸気圧計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008043104A JP2009198444A (ja) 2008-02-25 2008-02-25 燃料の蒸気圧計測装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009198444A true JP2009198444A (ja) 2009-09-03

Family

ID=41142070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008043104A Pending JP2009198444A (ja) 2008-02-25 2008-02-25 燃料の蒸気圧計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009198444A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010286408A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Kobelco Contstruction Machinery Ltd 建設機械の燃料判別装置
JP2011157915A (ja) * 2010-02-03 2011-08-18 Aisan Industry Co Ltd 蒸発燃料処理装置の漏れ診断装置
JP2012251443A (ja) * 2011-05-31 2012-12-20 Aisan Industry Co Ltd 燃料供給制御装置及び内燃機関への燃料供給方法
US11639702B2 (en) * 2021-06-30 2023-05-02 Hyundai Motor Company Fuel evaporation gas treatment system

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05223723A (ja) * 1992-02-18 1993-08-31 Mitsubishi Electric Corp 液体性状測定装置
JP2000282966A (ja) * 1999-03-29 2000-10-10 Tennex Corp 車両における蒸発燃料の処理装置
JP2003090237A (ja) * 2001-09-17 2003-03-28 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料供給装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05223723A (ja) * 1992-02-18 1993-08-31 Mitsubishi Electric Corp 液体性状測定装置
JP2000282966A (ja) * 1999-03-29 2000-10-10 Tennex Corp 車両における蒸発燃料の処理装置
JP2003090237A (ja) * 2001-09-17 2003-03-28 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料供給装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010286408A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Kobelco Contstruction Machinery Ltd 建設機械の燃料判別装置
JP2011157915A (ja) * 2010-02-03 2011-08-18 Aisan Industry Co Ltd 蒸発燃料処理装置の漏れ診断装置
US8683852B2 (en) 2010-02-03 2014-04-01 Aisan Kogyo Kabushiki Kaisha Leakage diagnostic devices for fuel vapor processing apparatus
JP2012251443A (ja) * 2011-05-31 2012-12-20 Aisan Industry Co Ltd 燃料供給制御装置及び内燃機関への燃料供給方法
US11639702B2 (en) * 2021-06-30 2023-05-02 Hyundai Motor Company Fuel evaporation gas treatment system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2009107598A1 (ja) 燃料の蒸気圧計測装置
JP4169046B2 (ja) 内燃機関の制御装置
CN101600874B (zh) 内燃机的控制装置
JP2009167853A (ja) 内燃機関の制御装置
US20100036593A1 (en) Fuel injection control apparatus for internal combustion engine
JP2010019199A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009198450A (ja) 燃料の蒸気圧計測装置
CN100575684C (zh) 用于内燃机的燃料喷射量控制系统
JP2009185676A (ja) 内燃機関の燃料供給装置
US20100139778A1 (en) Fuel vapor pressure measuring apparatus
JP2009198444A (ja) 燃料の蒸気圧計測装置
US7114491B2 (en) Fuel supply apparatus and vapor separator in outboard engine
JP2009204322A (ja) 燃料の蒸気圧計測装置
JP5079744B2 (ja) 燃料蒸気圧計測システム
US8200412B2 (en) Controller for internal combustion engine
CN102691585B (zh) 发动机控制装置
JP4322297B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009191650A (ja) 内燃機関の制御装置
KR100629673B1 (ko) 엔진의 연료 공급 장치
JP2010001846A (ja) 内燃機関の異常診断装置
JP2011001856A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4052521B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4258572B2 (ja) 内燃機関の制御装置及び燃料性状検出装置
JP2010048125A (ja) 内燃機関のセンサ故障判定装置
JP4687431B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100330

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20110906

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20120110

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02