JP2009182786A - 積層アンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】1GHz以下の周波数帯でも小型なアンテナを実現する。
【解決手段】表面に電極が形成された平行平板状の誘電体基板1,2が2枚重なり形成される積層アンテナにおいて、第1層目の誘電体基板1の第2層目の誘電体基板2と重ならない面に一本の線状で互いに交差や接触しないようにミアンダ状のアンテナ電極3が形成され、第2層目の誘電体基板2の第1層目の誘電体基板1と重なる面に、第1層目に形成されたミアンダ状のアンテナ電極3と直交するようにミアンダ状のアンテナ電極4が形成され、第1層目に形成されたアンテナ電極1の一端が第2層目に形成されたアンテナ電極4の一端と導通接続されるとともに、少なくとも1つの給電点をアンテナ電極上に備えることを特徴とする積層アンテナ。
【選択図】図1
【解決手段】表面に電極が形成された平行平板状の誘電体基板1,2が2枚重なり形成される積層アンテナにおいて、第1層目の誘電体基板1の第2層目の誘電体基板2と重ならない面に一本の線状で互いに交差や接触しないようにミアンダ状のアンテナ電極3が形成され、第2層目の誘電体基板2の第1層目の誘電体基板1と重なる面に、第1層目に形成されたミアンダ状のアンテナ電極3と直交するようにミアンダ状のアンテナ電極4が形成され、第1層目に形成されたアンテナ電極1の一端が第2層目に形成されたアンテナ電極4の一端と導通接続されるとともに、少なくとも1つの給電点をアンテナ電極上に備えることを特徴とする積層アンテナ。
【選択図】図1
Description
本発明は、超短波、準マイクロ波、マイクロ波、ミリ波の無線通信に使用されるアンテナに関し、とくに移動体通信機器など小型化の要求される無線通信機器に使用されるアンテナに関する。
アンテナは超短波、準マイクロ波、マイクロ波、ミリ波などの無線通信に使用され、とくに携帯電話に代表される移動体通信機器のアンテナは、その特性が得られる限りは小さければ小さい方が良く、現在でもより小型のアンテナが求められている。
この用途で用いられる線状アンテナとして代表的なものに、放射エレメントがミアンダ状に形成されるミアンダアンテナが挙げられる。ミアンダアンテナはアンテナ電極がミアンダ状に折り曲がっているため、モノポールアンテナ等と比較して小型なアンテナを形成出来る。少しでもサイズを小さくするためにミアンダアンテナの電極間隔を密にすると、1/4自由空間波長でアンテナが共振しなくなり、1/2自由空間波長近くでの共振となるため、結果としてアンテナは大きくなってしまう。そこで1GHz以下でさらに小型化するため、次の従来技術が検討されてきた。
従来技術1:アンテナを積層構造とすることにより、立体電極とした積層アンテナ(特許文献1参照)
従来技術2:波長短縮効果を狙った高誘電率誘電体材料を使用したアンテナ(特許文献2参照)
従来技術3:インピーダンス調整のための整合回路を設けたアンテナ
従来技術1の積層アンテナは、各層にアンテナ電極を形成し、それぞれを導通させて立体構造とすることでアンテナを小型化することが可能である。しかしミアンダアンテナを積層化した場合、アンテナ電極の折り返し方向が同じであると、電極に流れる電流の向きが同一方向のため互いに干渉しアンテナとして動作し難いという問題がある。
従来技術2:波長短縮効果を狙った高誘電率誘電体材料を使用したアンテナ(特許文献2参照)
従来技術3:インピーダンス調整のための整合回路を設けたアンテナ
従来技術1の積層アンテナは、各層にアンテナ電極を形成し、それぞれを導通させて立体構造とすることでアンテナを小型化することが可能である。しかしミアンダアンテナを積層化した場合、アンテナ電極の折り返し方向が同じであると、電極に流れる電流の向きが同一方向のため互いに干渉しアンテナとして動作し難いという問題がある。
従来技術2の誘電体アンテナは、高誘電率材料を用いることによる波長短縮効果によってアンテナ電極長を短くし、アンテナを小型化することができる。しかしながら、高誘電率材料を用いているため、製造コストが非常に高くなるという問題がある。
従来技術3は、アンテナと高周波回路の間に整合回路を設ける技術で、アンテナ小型化のため電極を折り曲げることで、誘導成分(インダクタンス成分)や容量成分(キャパシタンス成分)などのリアクタンスが発生し、アンテナと高周波回路とのインピーダンスの不整合となる問題を解消する技術である。しかしながら、この整合回路を設けることで、アンテナを含めた実装スペースが大きくなり、また整合回路用のコンデンサおよびインダクタが必要となるため製造コストが高くなるという問題がある。
特開2005−184698号公報
特開2001−36322号公報
本発明が解決しようとする第1の課題は1GHz以下の周波数帯でも小型なアンテナを提供することにあり、第2の課題は高誘電率材料を使用することによる製造コストアップを抑えることにあり、第3の課題は別部品で整合回路を設けずにインピーダンス調整することにある。
本発明に係るアンテナの第1の態様を、代表的には図1に示す。すなわち、本発明に係る第1の態様のアンテナは、2枚の平行平板状の基板1と基板2の上に形成されたミアンダ電極3および4をそれぞれ直交するように積層し、このミアンダ電極3および4の端同士を導通接続し、ミアンダ電極3もしくは4の任意の位置に給電するアンテナであって、小型化でき且つ低い周波数で動作することを特徴とする。
ミアンダアンテナは小型化のため隣り合うミアンダ電極のピッチ間隔を狭くして行くと、ミアンダ電極を流れる電流の波長が自由空間の波長より長くなる。アンテナの放射はこの電流の波長の1/4程度で放射しているものと思われるため、自由空間波長と比較した時、1/4自由空間波長以上で放射するようになる。たとえば電流の波長をλ’、自由空間の波長をλとし、あるピッチ間隔でλ’=2×λの関係になった場合、アンテナの放射はλ’/4で起こると仮定すると、このとき自由空間で評価すると結果的にλ/2で放射すると見なせる。これは丁度導波管のカットオフ現象に類似した動作である。
この現象の具体的な例を以下で説明する。図20Aに示す1枚の基板上に形成された単層ミアンダアンテナを小型化のため、図20Bに示すように隣り合うミアンダ電極のピッチ間隔iを狭くする。アンテナの全長が同じとすると、図20Aと図20Bはミアンダの電極間隔iに関わらず同じ共振周波数を得られるはずであるが、実際の共振周波数は図21Aのグラフに示すように、図20Bではλ/4の共振周波数が無くなる。これはミアンダ電極のピッチ間隔iが狭くなることにより、ミアンダ電極を流れる電流の波長λ’がλ’=2×λの関係に近づくことにより、自由空間でλ/4での共振が得られなくなった事を示している。
ここでアンテナの全長を同じとし、ミアンダ電極のピッチ間隔iを変化させたときの共振周波数の結果を図21Bに示す。図21Bからミアンダ電極のピッチ間隔iがλ/600以上でなければ、アンテナはλ/4では共振せずλ/2の共振となり周波数が高くなる。このためミアンダアンテナでλ/4の共振を得るためにはミアンダ電極のピッチ間隔iがλ/600までしか小型化する事ができない。ミアンダ電極のピッチ間隔iをλ/600以下とする場合はアンテナの全長を長くする必要があり、結果的にアンテナの小型化は困難である。またミアンダ電極のピッチ間隔iをλ/600以下として長くなったアンテナ長を積層化することによりアンテナの小型化を図れるが、積層化したミアンダ電極に流れる電流の向きが同一方向の場合は互いに干渉しアンテナとして動作し難い。しかし、本発明に係る第1の態様のアンテナでは、ミアンダ電極を直交するように積層することで、二つのミアンダ電極の電流の向きが直交しているため互いに干渉せず正常なアンテナとしての動作が得られるとともに、積層化したミアンダ電極の互いに交差する部分でコンデンサが形成され、その容量成分(キャパシタンス成分)により、ミアンダ電極のピッチ間隔iを狭くすることで起こる電流の波長λ′が自由空間波長λよりも長くなる現象を抑えることが出来る。この効果によりミアンダ電極間隔iをλ/600以下にしてもλ/4の共振を得ることができ、アンテナの小型化が可能となる。
また、本発明に係るアンテナの第2の態様を、代表的に図2に示す。すなわち、2枚の平行平板状の基板1と基板2の上に形成されたミアンダ電極3および4をそれぞれ直交するように積層し、このミアンダ電極3および4の端同士を導通接続し、ミアンダ電極3もしくは4の任意の位置に給電し、ミアンダ電極3のミアンダ電極4と導通接続していない他方の端部を接地するアンテナであって、第1の態様に比べ更に小型化できることを特徴する。
第2の態様についても第1の態様と同様に、ミアンダ電極を直交するように積層することで、二つのミアンダ電極の電流の向きが直交しているため互いに干渉せず、ミアンダ電極間隔をλ/600以下にしてもλ/4の共振を得ることができる。またミアンダ電極4のミアンダ電極3と導通接続していない他方の端部に接地することで、インピーダンス整合の効果が得られ、第1の態様のアンテナより小さくすることが可能となる。
また、本発明に係るアンテナの第3の態様を、代表的に図3に示す。すなわち、2枚の平行平板状の基板1と基板2の上に形成されたミアンダ電極3および4をそれぞれ直交するように積層し、このミアンダ電極3および4の端同士を導通接続し、ミアンダ電極4の導通接続とは他方の端を含む最外電極4aの幅をその他の電極の幅よりも広く形成し、基板2に最外電極4aと対向するように接地電極5を形成し、ミアンダ電極3の任意の位置に給電するアンテナであって、ミアンダ電極3および4からなる誘導成分(インダクタンス成分)を接地電極5とミアンダ電極4aからなる容量成分(キャパシタンス成分)で打ち消すことを特徴する。
従来のミアンダアンテナでは、小型化のために電極の間隔を狭くすると誘導成分(インダクタンス成分)が増加し、給電側のインピーダンスと整合が取れない。しかし、本発明に係る第3の態様のアンテナでは、ミアンダ電極の誘導成分(インダクタンス成分)を、ミアンダ電極の最外電極とこれと対向する接地電極からなる容量成分(キャパシタンス成分)で打ち消し、給電側とのインピーダンス整合が取れるようになる。
また、本発明に係るアンテナの第4の態様を、代表的に図4に示す。すなわち、2枚の平行平板状の基板1と基板2の上に形成されたミアンダ電極3および4をそれぞれ直交するように積層し、このミアンダ電極3および4の端同士を導通接続し、ミアンダ電極3のミアンダ電極4と導通接続していない他方の端部を接地し、ミアンダ電極4の導通接続とは他方の端を含む最外電極4aの幅をその他の電極の幅よりも広く形成し、基板2に最外電極4aと対向するように接地電極5を形成し、ミアンダ電極3の任意の位置に給電するアンテナであって、ミアンダ電極3および4からなる誘導成分(インダクタンス成分)を接地電極5とミアンダ電極4aからなる容量成分(キャパシタンス成分)で打ち消すことを特徴する。
従来のミアンダアンテナでは、小型化のために電極の間隔を狭くすると誘導成分(インダクタンス成分)が増加し、給電側のインピーダンスと整合が取れない。しかし、本発明に係る第4の態様のアンテナは、ミアンダ電極の誘導成分(インダクタンス成分)を、ミアンダ電極の最外電極とこれと対向する接地電極の容量成分(キャパシタンス成分)で打ち消し、給電側とのインピーダンス整合が取れる。
本発明に係るアンテナの第5の態様を、代表的に図5に示す。すなわち、2枚の平行平板状の基板1と基板2の上に形成されたミアンダ電極3および4をそれぞれ直交するように積層し、このミアンダ電極3および4の端同士を導通接続し、ミアンダ電極3のミアンダ電極4と導通接続していない他方の端部に給電するアンテナであり、小型化でき且つ低い周波数で動作することを特徴する。
第5の態様のアンテナは、第1の態様のアンテナに含まれるが、ミアンダ電極の端部に給電することで、より小型でより低い周波数のアンテナを得ることができる。
また、本発明に係るアンテナの第6の態様を、代表的に図6に示す。すなわち、2枚の平行平板状の基板1と基板2の上に形成されたミアンダ電極3および4をそれぞれ直交するように積層し、このミアンダ電極3および4の端同士を導通接続し、ミアンダ電極4の導通接続とは他方の端を含む最外電極4aの幅をその他の電極の幅よりも広く形成し、基板2に最外電極4aと対向するように接地電極5を形成し、ミアンダ電極3のミアンダ電極4と導通接続していない他方の端部に給電するアンテナであって、ミアンダ電極3および4からなる誘導成分(インダクタンス成分)を接地電極5とミアンダ電極4aからなる容量成分(キャパシタンス成分)で打ち消すことを特徴する。
ミアンダアンテナにおいて小型化のため、電極の間隔を狭くすると誘導成分(インダクタンス成分)が増加し、給電側のインピーダンスと整合が取れない。しかし、本発明に係る第6の態様のアンテナでは、ミアンダ電極の誘導成分(インダクタンス成分)を、ミアンダ電極の最外電極とこれと対向する接地電極からなる容量成分(キャパシタンス成分)で打ち消し、給電側とのインピーダンス整合が取れる。
また、本発明において、高周波回路基板および誘電体基板としては、その比誘電率εrがεr≦10の材料を使用することが好ましい。一般的に比誘電率εrがεr≦10の材料は、εr>10の高誘電率材料に比べ、安価である。また比誘電率εrがεr≦10の材料は、εr>10の高誘電率材料に比べ、共振のQが小さくなるため、共振周波数での帯域幅は広くなる。すなわち、高周波回路基板および誘電体基板として比誘電率εrがεr≦10の材料を使用することで、価格が安くなるとともに、帯域幅が広く得られるようになる。
本発明において、接地電極とミアンダ電極の最外電極からなる容量成分(キャパシタンス成分)は、接地電極の面積と誘電体基板の厚みと誘電率を適切に設定することで、ミアンダ電極の誘導成分(インダクタンス成分)を打ち消すことが可能となり、インピーダンス整合が取れ、小型で且つ外部の整合回路が不要なアンテナを実現することができる。
接地電極とミアンダ電極の最外電極からなる容量成分(キャパシタンス成分)Cは、接地電極と対向するミアンダ電極の最外電極の面積をSとし、接地電極と対向するミアンダ電極の最外電極との距離(基板の厚み)をdとし、誘電体基板の誘電率をεとしたとき、
C=ε・(S/d)
と表せる。
C=ε・(S/d)
と表せる。
すなわち、本発明の好ましい形態は、ミアンダ電極の誘導成分(インダクタンス成分)Lと打ち消すように、接地電極とミアンダ電極の最外電極からなる容量成分(キャパシタ成分)Cが、上記式のS、d、εをそれぞれ適切に設定して規定される。
本発明のアンテナは、次の効果を奏する。
(1)ミアンダアンテナの電極間隔をλ/600以下にしても、電極を直交積層とすることで、1GHz以下の周波数帯でも小型なアンテナを提供することができる。
(2)アンテナ基板に比誘電率εr>10の高誘電率材料を使用せず、比誘電率εr≦10の低誘電率材料を使用することで製造コストを低く抑えることができる。
(3)ミアンダアンテナの電極間隔を更に密にして誘導成分(インダクタンス成分)が増加しても、これを打ち消すような接地電極を設けることで、インピーダンス調整が可能なアンテナを提供することができる。
図7A〜Cは、高周波回路基板上に実装された本発明のアンテナの一例を示す斜視図で、図7Aは高周波回路基板上に実装されたアンテナを示し、図7Bはそれぞれを分解した状態を示し、図7Cは分解したアンテナの背面を示す。
積層された誘電体基板1および誘電体基板2は、比誘電率εrがεr≦10で、比誘電率の安定した特徴を持つ基板の具体例を示すと、紙フェノール基板、紙エポキシ基板、ガラスコンポジット基板、ガラスエポキシ基板、PTFE基板またはアルミナ基板がよい。これらの材料は原材料が安価で、比較的製造が簡便で、大量生産されていることもあるので、アンテナの製造コストを抑えることができる。
基板1の基板2と重ならない広面にミアンダ電極3を、基板2の基板1と重なる面にミアンダ電極4を、それぞれ電気抵抗が低い銅、金、銀などを印刷もしくはエッチングにて形成する。
ミアンダ電極3とミアンダ電極4はそれぞれが直行する方向に形成されると共に、それぞれの一端がスルーホールもしくは基板1の側面などを介して直接導通接続し形成する。ミアンダ電極3およびミアンダ電極4の電極間隔iは小型化のためi≦λ/600となるよう設定する。この直交して積層することで単層のアンテナに比べアンテナの小型化が図れる。
アンテナへの給電はミアンダ電極3より行う。本例では給電位置をミアンダ電極3のミアンダ電極4と導通接続されない一端とした。また、給電方法はアンテナを高周波回路基板8に実装していることから、基板2に給電用接続電極6をミアンダ電極3と同様の材質にて形成するとともにミアンダ電極3とスルーホール接続し、給電用接続電極6と高周波回路の信号線を接続することでミアンダ電極3へ給電を行っている。
また、本例ではミアンダ電極4の最外電極4aがその他の電極の幅よりも広く形成されるとともに、基板2の最外電極4aと対向する位置に接地電極5が電気抵抗の低い銅、金または銀などで印刷もしくはエッチングにて形成される。最外電極4aの面積Sおよび接地電極5の最外電極4aと対向する部分の面積Sは同じ面積とし、基板2の厚みdと誘電率εともにC=ε・(S/d)で規定される容量成分(キャパシタンス成分)を得ることが出来る。小型化のため狭くなった電極間隔iによる誘導成分(インダクタンス成分)を打ち消すよう、電極の面積Sおよび基板の厚みdと誘電率を最適に設定することで、アンテナの給電側とのインピーダンス整合が取れるようになる。
以上の効果から、安価で、小型化で、インピーダンス整合が取れ良好な特性なアンテナを実現することができる。
図8A〜Cは、高周波回路基板上に実装された本発明のアンテナの一例を示す斜視図で、図8Aは高周波回路基板上に実装されたアンテナを示す図、図8Bはそれぞれを分解した状態を示す図、図8Cは分解したアンテナの背面を示す図である。
2枚が積層された誘電体基板1および誘電体基板2は比誘電率εrがεr≦10で、誘電率の安定した特徴を持つ紙フェノール基板、紙エポキシ基板、ガラスコンポジット基板、ガラスエポキシ基板、PTFE基板またはアルミナ基板がよい。これらの材料は原材料が安価で、比較的製造が簡便で、大量生産されていることもあるので、アンテナの製造コストを抑えることができる。
基板1の基板2と重ならない広面にミアンダ電極3を、基板2の基板1と重なる面にミアンダ電極4を、それぞれ電気抵抗が低い銅、金または銀などを印刷もしくはエッチングにて形成する。
ミアンダ電極3とミアンダ電極4はそれぞれが直交する方向に形成されると共に、それぞれの一端がスルーホールもしくは基板1の側面などを介して直接導通接続し形成する。ミアンダ電極3およびミアンダ電極4の電極間隔iは小型化のためi≦λ/600となるよう設定する。この直交して積層することで単層のアンテナに比べアンテナの小型化が図れる。
アンテナへの給電はミアンダ電極3より行う。本例ではミアンダ電極3のミアンダ電極4と導通接続されない一端を接地し、ミアンダ電極3上の任意の位置で給電した。また給電方法はアンテナを高周波回路基板8に実装していることから、基板2に給電用接続電極6をミアンダ電極3と同様の材質にて形成するとともにミアンダ電極3とスルーホール接続し、給電用接続電極6と高周波回路の信号線を接続することでミアンダ電極3へ給電を行っている。また接地方法も給電用接続電極6と同様に、基板2に形成された接地用接続電極7とミアンダ電極3スルーホールに接続し、高周波回路基板8に接地される。
また、本例ではミアンダ電極4の最外電極4aがその他の電極の幅よりも広く形成されるとともに、基板2の最外電極4aと対向する位置に接地電極5が電気抵抗の低い銅、金または銀などで印刷もしくはエッチングにて形成される。最外電極4aの面積Sおよび接地電極5の最外電極4aと対向する部分の面積Sは同じ面積とし、基板2の厚みdと誘電率εともにC=ε・(S/d)で規定される容量成分(キャパシタ成分)を得ることが出来る。小型化のため狭くなった電極間隔iによる誘導成分(インダクタンス成分)を打ち消すよう、電極面積Sおよび基板厚みdを最適に設定することで、アンテナの給電側とのインピーダンス整合がとれるようになる。
以上の効果から、安価で、小型化で、インピーダンス整合が取れ良好な特性なアンテナを実現することができる。
図9は高周波回路基板に実装された実施例1のアンテナの外観斜視図で、Aはその表面側、Bはその分解図を示す図である。
誘電体基板1および誘電体基板2の寸法をそれぞれ縦10mm×横10mm×厚み0.4mm、材質をガラスエポキシ、ミアンダ電極3、ミアンダ電極4および給電用接続電極6の材質を銅とし、誘電体基板1および誘電体基板2の表面にミアンダ電極3およびミアンダ電極4を電極間隔iがi=0.5mmとなるようにエッチングにて形成し、次いで誘電体基板1および誘電体基板2の側面に給電用接続電極6をメッキにて形成した。ミアンダ電極3とミアンダ電極4が直交するように誘電体基板1と誘電体基板2を積層し、ミアンダ電極3とミアンダ電極4の端部をメッキにてスルーホールで導通接続し、ミアンダ電極3と給電用接続電極6をメッキにて導通接続した。
この誘電体基板2の側面に形成した給電用接続電極6を高周波回路基板8上の給電線路9とハンダにて接続し基板実装した。これにより、高周波回路からの電力は給電線路9から給電用接続電極6を介し、ミアンダ電極3へ給電される。
このアンテナを高周波ネットワークアナライザにて測定したVSWR特性を図10Aに、インピーダンスのスミスチャートを図10Bに示す。図10AのVSWR特性より、本実施例のアンテナは共振周波数226MHzにてVSWR=1.02、VSWR<2の周波数帯域が約5MHzと良好な特性が確保できた。この結果、共振周波数226MHzで寸法縦10mm×横10mm×厚み0.8mmの小型アンテナを実現することができる。
図11は高周波回路基板に実装された実施例2のアンテナの外観斜視図で、図11Aはその表面側、図11Bはその分解図を示す図である。
誘電体基板1および誘電体基板2の寸法をそれぞれ縦9mm×横9mm×厚み0.4mm、材質をガラスエポキシ、ミアンダ電極3、ミアンダ電極4、給電用接続電極6および接地用接続電極7の材質を銅とし、誘電体基板1および誘電体基板2の表面にミアンダ電極3およびミアンダ電極4を電極間隔iがi=0.5mmとなるようにエッチングにて形成し、次いで誘電体基板1および誘電体基板2の側面に給電用接続電極6と接地用接続電極7をそれぞれメッキにて形成した。ミアンダ電極3とミアンダ電極4が直交するように誘電体基板1と誘電体基板2を積層し、ミアンダ電極3とミアンダ電極4をメッキにてスルーホールで導通接続し、ミアンダ電極3と給電用接続電極6、ミアンダ電極3の端部と接地用接続電極7をそれぞれメッキにて導通接続した。
この誘電体基板2の側面に形成した給電用接続電極6を高周波回路基板8上の給電線路9と、接地用接続電極7を高周波回路基板8上の接地電極11にそれぞれハンダにて接続し基板実装した。これにより、高周波回路からの電力は給電線路9から給電用接続電極6を介しミアンダ電極3へ給電され、ミアンダ電極3の端部が接地される。
このアンテナを高周波ネットワークアナライザにて測定したVSWR特性を図12Aに、インピーダンスのスミスチャートを図12Bに示す。図12AのVSWR特性より、本実施例のアンテナは共振周波数194.5MHzにてVSWR=1.34、VSWR<2の周波数帯域が約5MHzと良好な特性が確保できた。この結果、共振周波数194.5MHzにおいて寸法縦9mm×横9mm×厚み0.8mmと更に小型のアンテナを実現することができる。
図13は高周波回路基板に実装された実施例3のアンテナの外観斜視図で、図13Aはその表面側、図13Bはその分解図、図13Cはその裏面側を示す図である。
誘電体基板1および誘電体基板2の寸法をそれぞれ縦10mm×横10mm×厚み0.4mm、材質を紙フェノール、ミアンダ電極3、ミアンダ電極4、給電用接続電極6、接地用接続電極7および接地電極5の材質を金とし、誘電体基板1および誘電体基板2の表面にミアンダ電極3およびミアンダ電極4を電極間隔iがi=0.4mmとなるように、またミアンダ電極4の最外電極4aの幅(面積S)が広くなるようにエッチングにて形成し、次いで誘電体基板2の裏面に給電用接続電極6と接地用接続電極7と接地電極5をエッチングにて形成した。ここで接地電極5はミアンダ電極4の最外電極4aの面積Sと同一とした。ミアンダ電極3とミアンダ電極4が直交するように誘電体基板1と誘電体基板2を積層し、ミアンダ電極3とミアンダ電極4をメッキにてスルーホールで導通接続し、ミアンダ電極3と給電用接続電極6、ミアンダ電極3の端部と接地用接続電極8もそれぞれスルーホールで導通接続した。
この誘電体基板2の裏面に形成した給電用接続電極6を高周波回路基板8上の給電線路9に、接地用接続電極7を高周波回路基板8上の接地電極11に、接地電極5を高周波回路基板8上の接地電極10にそれぞれハンダにて接続し基板実装した。これにより、高周波回路からの電力は給電線路9から給電用接続電極6を介しミアンダ電極3へ給電され、ミアンダ電極3の端部が接地され、接地電極5が接地されミアンダ電極4の最外電極4aと容量結合する。
このアンテナにおいて、接地電極5とミアンダ電極4の最外電極4aの幅(面積S)をさらに広くしたアンテナを図14Aおよび図14Bに記載する。
上記のアンテナ図13およびアンテナ図14を高周波ネットワークアナライザにて測定したVSWR特性をそれぞれ図15A、図15Bに、インピーダンスのスミスチャートを図15Cに示す。図15A、図15BのVSWR特性より、本実施例のアンテナ図13は共振周波数300.2MHzにてVSWR=1.51、アンテナ図14は共振周波数304.2MHzにてVSWR=1.02、VSWR<2の周波数帯域がアンテナ図13は約5MHz、アンテナ図14は約5MHzとどちらも良好な特性が確保できた。また、図15Cのスミスチャートより、アンテナ図13およびアンテナ図14のどちらの周波数もインピーダンスが50Ωに近づき良好な特性が確保できており、とくにアンテナ図14の方は50Ωとなっていることが分かる。この結果からわかるように、ミアンダ電極3およびミアンダ電極4からなる誘導成分(インダクタンス成分)Lを、接地電極5とミアンダ電極4の最外電極4aからなる容量成分(キャパシタンス成分)で小さくすることで、アンテナと高周波回路とのインピーダンス整合が取れるようになる。とくにアンテナ図14は、接地電極5とミアンダ電極4の最外電極4aの幅(面積S)を広げたことにより、容量成分(キャパシタンス成分)が増し、ミアンダ電極3およびミアンダ電極4からなる誘導成分(インダクタンス成分)Lをちょうど打ち消し、インピーダンスが50Ωとなった。この結果、共振周波数304.2MHzにおいて寸法縦10mm×横10mm×厚み0.8mmと小型で、インピーダンス調整が可能なアンテナを実現することができる。
図16は高周波回路基板に実装された実施例4のアンテナの外観斜視図で、図16Aはその表面側、図16Bはその分解図、図16Cはその裏面側を示す図である。
誘電体基板1および誘電体基板2の寸法をそれぞれ縦9mm×横9mm×厚み0.4mm、材質をPTFE、ミアンダ電極3、ミアンダ電極4、給電用接続電極6、接地電極5の材質を銅とし、誘電体基板1および誘電体基板2の表面にミアンダ電極3およびミアンダ電極4を電極間隔iがi=0.4mmとなるように、またミアンダ電極4の最外電極4aの幅(面積S)が広くなるようにエッチングにて形成し、次いで誘電体基板2の裏面に給電用接続電極6と接地電極5をエッチングにて形成した。また経時変化による酸化を防ぐ目的でミアンダ電極3、ミアンダ電極4、給電用接続電極6、接地電極5の銅電極の上に金メッキを施した。ここで接地電極5はミアンダ電極4の最外電極の面積Sと同一とした。ミアンダ電極3とミアンダ電極4が直交するように誘電体基板1と誘電体基板2を積層し、ミアンダ電極3とミアンダ電極4をメッキにてスルーホールで導通接続し、ミアンダ電極3の端部と給電用接続電極6もメッキにてスルーホールで導通接続した。
この誘電体基板2の裏面に形成した給電用接続電極6を高周波回路基板8上の給電線路9に、接地電極5を高周波回路基板8上の接地電極10にそれぞれハンダにて接続し基板実装した。これにより、高周波回路からの電力は給電線路9から給電用接続電極6を介しミアンダ電極3へ給電され、接地電極5が接地されミアンダ電極4の最外電極4aと容量結合する。
このアンテナを高周波ネットワークアナライザにて測定したVSWR特性を図17Aに、インピーダンスのスミスチャートを図17Bに示す。図17AのVSWR特性より、本実施例のアンテナは共振周波数444.6MHzにてVSWR=1.02、VSWR<2の周波数帯域が約4MHzと良好な特性が確保できた。また図17Bのスミスチャートより、本実施例のアンテナの周波数はインピーダンスが50Ωに近づき良好な特性が確保できている。これはミアンダ電極3およびミアンダ電極4からなる誘導成分(インダクタンス成分)Lを、接地電極5とミアンダ電極4の最外電極4aからなる容量成分(キャパシタンス成分)で小さくした結果、アンテナと高周波回路とのインピーダンス整合が取れるようになる。この結果、共振周波数444.6MHzにおいて寸法縦9mm×横9mm×厚み0.8mmと更に小型で、インピーダンス調整が可能なアンテナを実現することができる。
以上の実施例では、矩形のミアンダ状電極を示したが、折り曲がり部が丸形、三角形、多角形などの形状でも同様の結果となった。
また、実施例では誘電体基板の材質に紙フェノール、ガラスエポキシ、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を使用したが、紙エポキシ、ガラスエポキシ、アルミナ、ガラスコンポジットでも同様の結果が得られた。
さらに、実施例ではミアンダ電極、接地電極、接続電極、給電用電極に銅、金および銅の上に金メッキを施した複合物を使用したが、銅、金、銀のいずれか、もしくは経時変化による酸化などの劣化を防ぐため銅電極の上に金メッキを形成するなど2種の金属の複合物としても良いし、ソルダーレジストやフラックス等の表面処理を行っても良い。いずれの電極材質においても同様の結果となった。
<比較例1>
図18は高周波回路基板に実装された比較例1のアンテナの外観斜視図で、Aはその表面側、Bはその分解図を示す図である。
図18は高周波回路基板に実装された比較例1のアンテナの外観斜視図で、Aはその表面側、Bはその分解図を示す図である。
誘電体基板1および誘電体基板2の寸法をそれぞれ縦10mm×横10mm×厚み0.4mm、材質をガラスエポキシ、ミアンダ電極3、ミアンダ電極4および給電用接続電極6の材質を銅とし、誘電体基板1および誘電体基板2の表面にミアンダ電極3およびミアンダ電極4を電極間隔iがi=0.5mmとなるようにエッチングにて形成し、次いで誘電体基板2の側面に給電用接続電極6をメッキにて形成した。ミアンダ電極3とミアンダ電極4が同一方向となるように誘電体基板1と誘電体基板2を積層し、ミアンダ電極3とミアンダ電極4の端部をメッキにてスルーホールで導通接続し、ミアンダ電極3と給電用接続電極6をメッキにて導通接続した。
この誘電体基板2の裏面に形成した給電用接続電極6を高周波回路基板8上の給電線路9とハンダにて接続し基板実装した。これにより、高周波回路からの電力は給電線路9から給電用接続電極6を介し、ミアンダ電極3へ給電される。
以上のとおり、比較例1のアンテナは実施例1のアンテナのミアンダ電極が同一方向に積層されている形状で、その他の材質および寸法は実施例と同様にしている。
このアンテナを高周波ネットワークアナライザにて測定したVSWR特性を図19Aに、インピーダンスのスミスチャートを図19Bに示す。図19AのVSWR特性より、本比較例のアンテナは共振周波数823.1MHzにてVSWR=2.05、VSWR<2の周波数帯域が確保できていない。これは積層したミアンダ電極の電流方向が同一なため干渉し合いアンテナとして動作し難くなる。実施例1と同等の特性を得るためには、ミアンダ電極を直交させ、それぞれの電流が干渉しないようにする必要がある。
1:誘電体基板(第1層)
2:誘電体基板(第2層)
3:ミアンダ電極(第1層)
4:ミアンダ電極(第2層)
4a:最外電極(第2層)
5:接地電極
6:給電用接続電極
7:接地用接続電極
8:高周波回路基板
9:給電線路
10:接地電極
11:接地電極
2:誘電体基板(第2層)
3:ミアンダ電極(第1層)
4:ミアンダ電極(第2層)
4a:最外電極(第2層)
5:接地電極
6:給電用接続電極
7:接地用接続電極
8:高周波回路基板
9:給電線路
10:接地電極
11:接地電極
Claims (7)
- 表面に電極が形成された平行平板状の誘電体基板が2枚重なり形成される積層アンテナにおいて、第1層目の誘電体基板の第2層目の誘電体基板と重ならない広面に一本の線状で互いに交差や接触しないようにミアンダ状のアンテナ電極が形成され、第2層目の誘電体基板の第1層目の誘電体基板と重なる面に、第1層目に形成されたミアンダ状のアンテナ電極と直交するようにミアンダ状のアンテナ電極が形成され、第1層目に形成されたアンテナ電極の一端が第2層目に形成されたアンテナ電極の一端と導通接続されるとともに、少なくとも1つの給電点をアンテナ電極上に備えることを特徴とする積層アンテナ。
- 第1層目の誘電体基板に形成されたアンテナ電極の第2層目に形成されたアンテナ電極の一端と導通接続されない一端に接地点を備えることを特徴とする請求項1に記載の積層アンテナ。
- インピーダンス調整を目的とした、第2層目の誘電体基板の第1層目の誘電体基板と重なる面に形成されたミアンダ状のアンテナ電極の一端が、第1層目に形成されたアンテナ電極の一端と導通接続され、他の一端を含むアンテナ電極の最外線の幅がその他のアンテナ電極の幅に比べ幅広に形成されるとともに、第2層目の誘電体基板の第1層目と重ならない広面にアンテナ電極の最外線と対向する位置に接地電極が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれかに記載の積層アンテナ。
- 前記給電点が第1層目の誘電体基板に形成されたアンテナ電極の第2層目に形成されたアンテナ電極の一端と導通接続されない一端に備えていることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の積層アンテナ。
- 前記誘電体基板の比誘電率εrがそれぞれεr≦10であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の積層アンテナ。
- 前記誘電体基板が、紙フェノール基板、紙エポキシ基板、ガラスコンポジット基板、ガラスエポキシ基板、PTFE基板またはアルミナ基板からなることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の積層アンテナ。
- アンテナ電極、接地電極、給電用電極のそれぞれが銅、金または銀のうち少なくとも1種または2種以上の複合物から形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の積層アンテナ。
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- 2008-01-31 JP JP2008020685A patent/JP2009182786A/ja not_active Withdrawn
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