JP2009166773A - 車両用乗員拘束装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員拘束性能を確保しつつウエビングの装着感を向上することができる車両用乗員拘束装置を得る。
【解決手段】車両用乗員拘束装置10は、乗員Pの上体Bを背面側から支持するシートバック14の肩部に位置するショルダガイド22で折り返されたウエビング18を備える。ウエビング18は、乗員Pの上体を車両前後方向の前面側から拘束するショルダウエビング18Aと、シートバック14内に挿入されたバック内ウエビング18Cとを含む。ウエビング18のバック内ウエビング18Cには、インフレータ30からのガス供給によって膨張されるエアベルト部28が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】車両用乗員拘束装置10は、乗員Pの上体Bを背面側から支持するシートバック14の肩部に位置するショルダガイド22で折り返されたウエビング18を備える。ウエビング18は、乗員Pの上体を車両前後方向の前面側から拘束するショルダウエビング18Aと、シートバック14内に挿入されたバック内ウエビング18Cとを含む。ウエビング18のバック内ウエビング18Cには、インフレータ30からのガス供給によって膨張されるエアベルト部28が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用シートに着座した乗員を該車両用シートに拘束するための車両用乗員拘束装置に関する。
バッグと、該バッグを囲む筒状のメッシュウエビングと、該メッシュウエビングを囲む中空帯状のカバーとから成り、スルーアンカを通してリトラクタに直に巻き取ることができるエアベルトが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、その他にも、乗員の上体を拘束するためのショルダウエビングに膨張部を設けた構成(エアベルト)が知られている(例えば、特許文献2、3参照)。
特開2001−130357号公報
特表2001−515429号公報
特表2002−527182号公報
しかしながら、特許文献1に示される如き従来の技術では、エアベルトが上記の通り3層構造であるため、エアベルトが嵩張り、また柔らかな感触とすることが難しい。また、エアベルトの質量が大きいため、該エアベルトを装着する乗員に重さを感じさせることが懸念される。
本発明は、上記事実を考慮して、乗員拘束性能を確保しつつウエビングの装着感を向上することができる車両用乗員拘束装置を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、乗員の上体を背面側から支持するシートバックの肩部で折り返され、前記乗員の上体を車両前後方向の前面側から拘束する上体拘束部と、前記シートバック内に挿入されたシートバック挿入部とを含むウエビングと、前記ウエビングのシートバック挿入部に沿って設けられ、ガス供給手段からのガス供給によって膨張される膨張部と、を備えている。
請求項1記載の車両用乗員拘束装置では、例えば、車両の急減速時や前面衝突が検知又は予測された場合等にガス供給手段が作動されると、該ガス供給手段からのガス供給によって膨張部が膨張される。これにより、ウエビングのシートバック挿入部が短縮されるか膨張面に沿って湾曲されるので、ウエビングの上体拘束部をシートバックに引き込む方向の力が生じ、ウエビングの張力が増す。また、シートバックで膨張された膨張部は、乗員を前方に押圧するので、これによってもウエビングの張力が増す。これらにより、本車両用乗員拘束装置では、ウエビングによる乗員の拘束性が高い。
さらに、本車両用乗員拘束装置では、膨張部がシートバック内に設けられているため、該膨張部が乗員によるウエビングの装着感に影響を与えることがない。すなわち、乗員拘束性能を向上させるための膨張部をウエビングの上体拘束部に設けた構成と比較して、ウエビングの装着感が向上する。
このように、請求項1記載の車両用乗員拘束装置では、乗員拘束性能を確保しつつウエビングの装着感を向上することができる。
請求項2記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、乗員の上体を車両前後方向の前面側から拘束する上体拘束部を含むウエビングと、前記乗員の上体を背面側から支持するシートバック内に設けられ、ガス供給手段からのガス供給によって、正面視で前記ウエビングの上体拘束部がオーバラップする範囲を含む範囲で膨張される膨張部と、を備えている。
請求項2記載の車両用乗員拘束装置では、例えば、車両の急減速時や前面衝突が検知又は予測された場合等にガス供給手段が作動されると、該ガス供給手段からのガス供給によって膨張部が膨張される。この膨張部は、正面視でウエビングの上体拘束部がオーバラップする範囲を含む範囲で膨張されるため、該膨張部の膨張によって乗員の状態が前方に押圧されることで、ウエビングの上体拘束部の張力すなわち拘束力が増す。これにより、乗員は、シートバックを含む車両用シートに良好に拘束される。
ここで、本車両用乗員拘束装置では、膨張部がシートバック内に設けられているため、該膨張部が乗員によるウエビングの装着感に影響を与えることがない。すなわち、乗員拘束性能を向上させるための膨張部をウエビングの上体拘束部に設けた構成と比較して、ウエビングの装着感が向上する。
このように、請求項2記載の車両用乗員拘束装置では、乗員拘束性能を確保しつつウエビングの装着感を向上することができる。
請求項3記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項2記載の車両用乗員拘束装置において、前記ウエビングは、前記シートバックの肩部で折り返されて該シートバック内に挿入されたシートバック挿入部を含み、前記膨張部は、前記ウエビングのシートバック挿入部に設けられている。
請求項3記載の車両用乗員拘束装置では、ウエビングのシートバック挿入部に設けられた膨張部が膨張されると、ウエビングのシートバック挿入部が短縮されるか膨張面に沿って湾曲されるので、ウエビングの上体拘束部をシートバックに引き込む方向の力が生じ、ウエビングの張力が一層増す。これにより、乗員拘束性能、特に作動初期(前面衝突等の初期)における乗員拘束性能が向上される。
請求項4記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項1又は請求項3記載の車両用乗員拘束装置において、前記膨張部は、前記シートバックの肩部と、前記シートバックの下部に配置されたリトラクタとの間に配置されている。
請求項4記載の車両用乗員拘束装置では、シートバックの肩部と該シートバック下部に設けられたリトラクタとの間に位置する膨張部は、該シートバック内における上記肩部とリトラクタとの間の所定範囲に位置される。これにより、膨張部が乗員拘束部とされることがなく、また膨張部の膨張による上記の所要の効果が得られる。
請求項5記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項1又は請求項2記載の車両用乗員拘束装置において、前記ウエビングは、前記シートバックの肩部で折り返されて該シートバック内に挿入されたシートバック挿入部を含み、前記膨張部は、前記ウエビングのシートバック挿入部を長手方向に相対変位可能に挿通させたウエビング挿通部を介して、前記シートバックのシートバックフレームに支持されている。
請求項5記載の車両用乗員拘束装置では、ウエビングの長手方向に相対変位可能な膨張部がシートバックフレームに支持されているため、該膨張部がウエビングの移動(巻き取りや引き出し等)に影響を与えることがない。また、ウエビングはウエビング挿通部に挿通されているので、膨張部はウエビング、乗員の上体に対し適正な位置に位置され、所要の範囲で膨張される。特に、膨張された膨張部がウエビングのシートバック挿入部を湾曲させる構成とすれば、ウエビングの上体拘束部の張力を増大させることができ、乗員拘束性能の向上に寄与する。
請求項6記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項記載の車両用乗員拘束装置において、前記膨張部は、前記乗員の胸部及び腰部を車両前後方向の前側に押圧可能な形状に膨張される構成とされている。
請求項6記載の車両用乗員拘束装置では、膨張された膨張部が乗員の胸部から腰部にかけての広い範囲を前向きに押圧するため、乗員拘束性能、特に作動初期の拘束性能が向上される。
請求項7記載の発明に係る車両用乗員拘束装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項記載の車両用乗員拘束装置において、前記シートバックは、車体の車幅方向中央部に対し車幅方向の一方側にオフセットして配置されており、前記膨張部は、前記シートバック内に車幅方向外側部分で膨張される構成とされている。
請求項7記載の車両用乗員拘束装置では、膨張された膨張部が乗員の車幅方向外側部分を前向きに押圧するため、乗員の上体は平面視で車両内方に傾けられる。このため、例えば、側面衝突が検知又は予測された場合に膨張部を膨張させることで、該側面衝突に対し乗員を保護することが可能になる。
以上説明したように本発明に係る車両用乗員拘束装置は、乗員拘束性能を確保しつつウエビングの装着感を向上することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置10について、図1〜図2に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印Wは、それぞれ車両用乗員拘束装置10が適用された自動車の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向を示しており、これらは車両用乗員拘束装置10が適用された車両用シート11の前方向、上方向、幅方向に略一致している。
図1(A)には、車両用乗員拘束装置10が適用された車両用シート11の概略全体構成が一部切り欠いた側面図にて示されている。この図に示される如く、車両用シート11は、車両前後方向の前方に向けて設けられ、着座部を成すシートクッション12と、該シートクッション12の後端部に下端部が接続されバックレストを成すシートバック14と、シートバック14の上端に設けられたヘッドレスト16とを主要部として構成されている。車両用シート11は、例えば、運転席または助手席とされ、車体における車幅方向の中央部に対し該車幅方向の一方側にオフセットして配置されている。
車両用乗員拘束装置10は、車両用シート11の着座乗員Pを拘束するためのウエビング18を備えている。ウエビング18は、長手方向の一端が巻き取り装置としてのリトラクタ20に巻き取り引き出し可能に連結されており、長手方向の他端がシートクッション12の後部に対する車幅方向外側に配置された図示しないアンカを介して車体に固定されている。この実施形態では、リトラクタ20は、シートバック14内の下部に固定的に配置されている。
ウエビング18は、シートバック14の肩部に設けられたショルダガイド22に巻き掛けられてシートバック14の前面側(外側)に折り返されており、該ウエビング18におけるシートバック14の外側部分には、タングプレート24が該ウエビング18の長手方向にスライド可能に設けられている。このタングプレート24が、シートクッション12に対しアンカとは反対側(シート幅方向におけるショルダガイド22の設置側とは反対側)に設けられたバックル26に結合されることで、車両用シート11の着座乗員Pがウエビング18を装着するようになっている。
この装着状態でウエビング18は、ショルダガイド22からタングプレート24(バックル26)にかけての上体拘束用ウエビングとしてのショルダウエビング18Aが乗員Pの上体Bに前面側から装着され、タングプレート24からアンカにかけてのラップウエビング18Bが乗員Pの腰部Lに前面側に装着されるようになっている。また、ウエビング18におけるショルダガイド22からリトラクタ20にかけてのシートバック14内に位置する部分は、本発明のシートバック挿入部に相当し、バック内ウエビング18Cと言うこととする。
そして、車両用乗員拘束装置10は、シートバック14内に配置された膨張部としてのエアベルト部(エアバッグ部)28を備えている。このエアベルト部28は、リトラクタ20による巻き取り可能に構成されている。そして、エアベルト部28は、ウエビング18が乗員Pに装着された状態で、シートバック14内におけるショルダガイド22とリトラクタ20との間の所定範囲に位置する(バック内ウエビング18Cの一部を構成する)ように配置されている。このエアベルト部28は、図1(B)に示される如く、ガス供給を受けてシートバック14内で膨張(展開)されるようになっている。
具体的には、エアベルト部28は、通常使用時にはウエビング18と同等の幅になるように折り畳まれると共に、一定以上の内圧が作用した場合に破断する図示しない制御用縫製(ティアシーム)にて縫製されている。これにより、エアベルト部28は、インフレータ30からガスが供給された場合に、ティアシームが破断して折り畳み状態から袋状態へと展開するように構成されている。なお、エアベルト部28は、バック内ウエビング18Cの一部構成するように設けられても良く、バック内ウエビング18Cに重ねて設けられても良い。
そして、車両用乗員拘束装置10では、エアベルト部28は、図1(B)に示される如く、乗員Pの胸部の背面側で車両前後方向に大きく膨張されるようになっている。また、図2(B)にも示される如く、エアベルト部28は、ショルダウエビング18A(特に乗員Pの胸部に装着される部分)と車幅方向にオーバラップする範囲まで膨張されるようになっている。換言すれば、エアベルト部28は、正面視(透視)でショルダウエビング18Aにオーバラップする範囲を含む範囲で膨張される構成である。
さらに、図2(B)に示される如く、エアベルト部28は、シートバック14のシート幅方向中央部に対し、車幅方向外側(ドア等の車体内面に近い側)で、車両前後方向に大きく膨張されるようになっている。このため、車両用乗員拘束装置10が適用された車両用シート11では、エアベルト部28が膨張された状態では、シートバック14のバックレストが車幅方向の内側に向けられるようになっている。
また、車両用乗員拘束装置10では、図1(A)に示される如く、エアベルト部28にガスを供給するためのインフレータ30は、リトラクタ20と共に、シートバック14の骨格を成す図示しないシートバックフレームに固定されており、導管32を介してエアベルト部28に連通されている。導管32は、バック内ウエビング18Cのリトラクタ20の巻き取り、引き出しに伴うインフレータ30とエアベルト部28との相対変位を吸収しうるように、フレキシブルな(可撓性を有する)構成とされている。この実施形態では、インフレータ30と導管32とが本発明におけるガス供給手段に相当する。
このインフレータ30は、図示しない制御手段としてのECUに電気的に接続され、その作動がECUにて制御されるようになっている。ECUは、車両に設けられた各種のセンサ等からの信号に基づいて、車両の前面衝突を検知又は予測した場合にインフレータ30を作動させるようになっている。また、このECUは、車両に設けられた各種のセンサ等からの信号に基づいて、車両の側面衝突を検知又は予測した場合に、側面衝突側(ニアサイド)の車両用シート11に適用されたインフレータ30を作動させるようになっている。なお、ECUは、例えば乗員Pが車両用シート11に着座していない場合、乗員Pがウエビング18を装着していない場合等には、インフレータ30の作動を禁止するようにしても良い。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成の車両用乗員拘束装置10が適用された車両用シート11では、その着座乗員Pは、ウエビング18に設けられたタングプレート24をバックル26に結合することで、図1(A)に示される如くウエビング18を装着する。この状態から車両用乗員拘束装置10、車両用シート11が適用された自動車は走行される。
ここで、例えば、ECUが車両の前面衝突を予測又は検知した場合、該ECUは、インフレータ30を作動させる。このインフレータ30が発生したガスがエアベルト部28に供給されると、エアベルト部28はシートバック14内で膨張される。すると、ウエビング18のバック内ウエビング18Cが長手方向に短縮され(エアベルト部28がバック内ウエビング18Cの一部を成す場合)、又は、ウエビング18がエアベルト部28の膨張面に沿って湾曲される(エアベルト部28がバック内ウエビング18Cに重ねて設けられた場合)ため、図1(B)に矢印Aにて示される如く、ショルダウエビング18Aがシートバック14内に引き込まれる。すなわち、ウエビング18の張力が増大される。
これにより、ウエビング18は、緩みが解消されて乗員Pに密着される。すなわち、前面衝突の初期又は前面衝突の前にウエビング18を引き込むプリテンショナの機能が果たされ、ショルダウエビング18Aは乗員Pの上体Bに密着され、ラップウエビング18Bは、乗員Pの腰部Lに密着される。このため、車両用乗員拘束装置10では、前面衝突初期におけるウエビング18による所要の乗員拘束性能が確保される。
さらに、エアベルト部28がシートバック14内で膨張されることによって乗員Pが背後から前方に押圧されるので、ウエビング18の張力がさらに増大される。このため、車両用乗員拘束装置10では、前面衝突初期におけるウエビング18による所要の乗員拘束性能が向上される。
そして、本車両用乗員拘束装置10では、エアベルト部28をシートバック14内に設けたため、該エアベルト部28が乗員Pによるウエビング18の装着感に影響を与えることがない。すなわち、本車両用乗員拘束装置10では、乗員はエアベルト部28が設けられていない単なる帯状のウエビング18を装着すれば良いため、乗員拘束性能を向上させるためのエアベルト部28をウエビング18のショルダウエビング18Aに設けた構成(乗員Pがエアベルト部28を装着する構成)と比較して、ウエビング18の装着感が向上する。
またここで、車両用乗員拘束装置10では、例えば、ECUが車両の側面衝突を予測又は検知した場合、該ECUは、車幅方向における側面衝突側に位置するシートについて、インフレータ30を作動させる。このインフレータ30が発生したガスがエアベルト部28に供給されると、エアベルト部28は、図2(B)に示される如く、シートバック14内における車幅方向外側で膨張される。このため、車両用乗員拘束装置10が適用された車両用シート11では、シートバック14のバックレストが車幅方向の内側に向けられ、乗員Pが車体における衝突側の内面(ドア等)から遠ざけられる。また、衝突体(により変形されるドア等)と乗員Pとの間にシートバック14の側部、エアベルト部28の一部が介在すると捉えることもできる。これらにより、車両用乗員拘束装置10では、側面衝突に対し乗員Pを保護することができる。
(他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記した第1の実施形態の構成と基本的に同一の部品、部分については、上記第1の実施形態の構成と同一の符号を付して説明、図示を省略する場合がある。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記した第1の実施形態の構成と基本的に同一の部品、部分については、上記第1の実施形態の構成と同一の符号を付して説明、図示を省略する場合がある。
(第2の実施形態)
図3には、本発明の第2の実施形態に係る車両用乗員拘束装置40が、図1(B)に対応する一部切り欠いた側面図にて示されている。この図に示される如く、車両用乗員拘束装置40は、エアベルト部28よりも大容量のエアベルト部42を備える点で、第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置10とは異なる。
図3には、本発明の第2の実施形態に係る車両用乗員拘束装置40が、図1(B)に対応する一部切り欠いた側面図にて示されている。この図に示される如く、車両用乗員拘束装置40は、エアベルト部28よりも大容量のエアベルト部42を備える点で、第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置10とは異なる。
具体的には、エアベルト部42は、ガス供給を受けて乗員Pの胸部及び腰部の背面側で車両前後方向に大きく膨張される構成とされている。したがって、エアベルト部42は、腰部を前方に押圧する膨張分に相当する分だけ、主に乗員Pの胸部の背面側で車両前後方向に大きく膨張されるエアベルト部28よりも容量が大きい構成とされている。なお、エアベルト部42の膨張前の配置、膨張時の平面視での位置(特に車幅方向の位置)等は、エアベルト部28の膨張前の配置、膨張時の平面視での位置等と実質的に同じである。車両用乗員拘束装置40の他の構成は、車両用乗員拘束装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係る車両用乗員拘束装置40によっても、基本的に第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置10と同様の構成によって同様の効果を得ることができる。また、車両用乗員拘束装置40では、ガス供給を受けて乗員Pの胸部及び腰部の背面側で車両前後方向に大きく膨張されるエアベルト部42を備えるため、前面衝突時に、乗員Pの胸部及び腰部を前方に押圧することができ、前面衝突初期におけるウエビング18による所要の乗員拘束性能が一層向上される。
(第3の実施形態)
図4(A)、図4(B)には、本発明の第3の実施形態に係る車両用乗員拘束装置50が、図1(A)、図1(B)に対応する側面図にて示されている。これらの図に示される如く、車両用乗員拘束装置50は、ウエビング18のバック内ウエビング18Cに一体的に設けられたエアベルト部28に代えて、ウエビング18とは独立して設けられたエアバッグ部(エアベルト部)52を備える点で、第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置10とは異なる。
図4(A)、図4(B)には、本発明の第3の実施形態に係る車両用乗員拘束装置50が、図1(A)、図1(B)に対応する側面図にて示されている。これらの図に示される如く、車両用乗員拘束装置50は、ウエビング18のバック内ウエビング18Cに一体的に設けられたエアベルト部28に代えて、ウエビング18とは独立して設けられたエアバッグ部(エアベルト部)52を備える点で、第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置10とは異なる。
具体的には、図5及び図6に示される如く、エアバッグ部52は、ウエビング18におけるバック内ウエビング18Cに沿って設けられており、バック内ウエビング18Cを挿通させるウエビング挿通部を構成する偏平筒状の筒状フレーム54を有する。筒状フレーム54は、バック内ウエビング18Cを挿通させた状態で、ブラケット56を介してシートバック14のシートバックフレーム58に固定されている。これにより、エアバッグ部52は、ウエビング18(バック内ウエビング18C)に対し該ウエビング18の長手方向への相対変位可能とされている。すなわち、エアバッグ部52は、リトラクタ20に引き出し可能に巻き取られる部分を有しない構成である。
この筒状フレーム54における車両前後方向の前側は、折り畳み状態のエアバッグ60が配置されている。エアバッグ60は、インフレータ30からガスが供給された場合に、図4(B)に示される如く、乗員Pの胸部の背面側で車両前後方向に大きく膨張されるようになっている。また、エアバッグ60は、筒状フレーム54に対する車両上下方向の上下(少なくとも一方)で車両前後方向の後方にも膨張され、バック内ウエビング18Cを後方に引っ張る(湾曲させる)ようになっている。これにより、ウエビング18を挿通させた筒状フレーム54を有するエアバッグ部52を設けた構成において、エアバッグ60の膨張に伴ってウエビング18をシートバック14内に引き込むことができる構成とされている。
また、図5及び図6に示される如く、エアバッグ部52は、折り畳み状態のエアバッグ60、バック内ウエビング18Cが挿通された筒状フレーム54を覆うエアバッグケース62を備えている。この実施形態では、エアバッグケース62は、伸縮性を有するメッシュ状の布材(織物、編物等)にて構成されており、エアバッグ60と共に膨張されるようになっている。さらに、エアバッグ部52では、インフレータ30は、筒状フレーム54又はブラケット56(図6の例ではブラケット56)に固定的に支持されると共に、エアバッグ60に対しガス供給可能に連通されている(図示省略)。
以上説明した車両用乗員拘束装置50では、エアバッグ部52を本発明における膨張部として捉えても良く、また、該エアバッグ部52のエアバッグ60を本発明における膨張部として捉えても良い。
また、エアバッグ60の膨張前の配置、膨張時の平面視での位置等は、エアベルト部28の膨張前の配置、膨張時の寸法形状や平面視での位置等と実質的に同じである。なお、エアバッグ60は、エアバッグ部52と同様に乗員Pの胸部及び腰部の背面側で車両前後方向に大きく膨張される構成としても良い。車両用乗員拘束装置50の他の構成は、車両用乗員拘束装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第3の実施形態に係る車両用乗員拘束装置50によっても、基本的に第1の実施形態に係る車両用乗員拘束装置10と同様の構成によって同様の効果を得ることができる。また、車両用乗員拘束装置50では、エアバッグ60(エアバッグ部52)がウエビング18に対し相対変位可能に設けられているので、シートバック14内でのエアバッグ60の位置がリトラクタ20によるウエビング18の巻き取り引き出しの影響を受けることがない。すなわち、車両用乗員拘束装置50では、エアバッグ60の一定の位置で膨張させることができる。また、車両用乗員拘束装置50では、導管32を不要とすることができ、エアバッグ60がリトラクタ20によるウエビング18の巻き取り引き出し(量)に影響を与えることがない。
なお、上記した第3の各実施形態では、エアバッグ部52がバック内ウエビング18Cに沿って設けられた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、エアバッグ60をバック内ウエビング18Cから離間させて配置した構成(バック内ウエビング18Cを挿通させる筒状フレーム54を有しない構成)としても良い。また、本発明は、ウエビング18がバック内ウエビング18Cを有する構成に限定されることはなく、例えば、リトラクタ20をシートバック14の上部に設けた構成においてシートバック14内にエアバッグ60を設けた構成としても良く、リトラクタ20をシートバック14の外側に設けた構成においてシートバック14内にエアバッグ60を設けた構成としても良い。これらの構成では、エアバッグ60の膨張によりウエビング18に直接的に張力を付与するプリテンショナ的な効果は得られないものの、乗員Pを前方に押圧することによる間接的なウエビング18の張力増大効果を得ることができ、前面衝突時の初期拘束性能の向上に寄与する。
また、上記した実施形態では、3点式シートベルト装置にエアベルト部28、42、エアバッグ部52を適用することで車両用乗員拘束装置10、40、50が構成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、4点式のシートベルト装置にエアベルト部28、42、エアバッグ部52を適用することで本発明に係る車両用乗員拘束装置を構成しても良い。
さらに、上記した実施形態では、エアベルト部28、42、エアバッグ部52がシートバック14内におけるシート幅方向中央部に対する車幅方向外側部分で膨張されることで、側面衝突時の乗員Pの保護にも寄与する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、エアベルト部28、42、エアバッグ部52がシートバック14内におけるシート幅方向中央部で膨張されるようにしても良い。
10 車両用乗員拘束装置
14 シートバック
18 ウエビング
18A ショルダウエビング(上体拘束部)
18C バック内ウエビング(シートバック挿入部)
20 リトラクタ
22 ショルダガイド(シートバックの肩部)
28 エアベルト部(膨張部)
30 インフレータ(ガス供給手段)
32 導管
40 車両用乗員拘束装置
42 エアベルト部(膨張部)
50 車両用乗員拘束装置
52 エアバッグ部(膨張部)
54 筒状フレーム(ウエビング挿通部)
58 シートバックフレーム
60 エアバッグ(膨張部)
14 シートバック
18 ウエビング
18A ショルダウエビング(上体拘束部)
18C バック内ウエビング(シートバック挿入部)
20 リトラクタ
22 ショルダガイド(シートバックの肩部)
28 エアベルト部(膨張部)
30 インフレータ(ガス供給手段)
32 導管
40 車両用乗員拘束装置
42 エアベルト部(膨張部)
50 車両用乗員拘束装置
52 エアバッグ部(膨張部)
54 筒状フレーム(ウエビング挿通部)
58 シートバックフレーム
60 エアバッグ(膨張部)
Claims (7)
- 乗員の上体を背面側から支持するシートバックの肩部で折り返され、前記乗員の上体を車両前後方向の前面側から拘束する上体拘束部と、前記シートバック内に挿入されたシートバック挿入部とを含むウエビングと、
前記ウエビングのシートバック挿入部に沿って設けられ、ガス供給手段からのガス供給によって膨張される膨張部と、
を備えた車両用乗員拘束装置。 - 乗員の上体を車両前後方向の前面側から拘束する上体拘束部を含むウエビングと、
前記乗員の上体を背面側から支持するシートバック内に設けられ、ガス供給手段からのガス供給によって、正面視で前記ウエビングの上体拘束部がオーバラップする範囲を含む範囲で膨張される膨張部と、
を備えた車両用乗員拘束装置。 - 前記ウエビングは、前記シートバックの肩部で折り返されて該シートバック内に挿入されたシートバック挿入部を含み、
前記膨張部は、前記ウエビングのシートバック挿入部に設けられている請求項2記載の車両用乗員拘束装置。 - 前記膨張部は、前記シートバックの肩部と、前記シートバックの下部に配置されたリトラクタとの間に配置されている請求項1又は請求項3記載の車両用乗員拘束装置。
- 前記ウエビングは、前記シートバックの肩部で折り返されて該シートバック内に挿入されたシートバック挿入部を含み、
前記膨張部は、前記ウエビングのシートバック挿入部を長手方向に相対変位可能に挿通させたウエビング挿通部を介して、前記シートバックのシートバックフレームに支持されている請求項1又は請求項2記載の車両用乗員拘束装置。 - 前記膨張部は、前記乗員の胸部及び腰部を車両前後方向の前側に押圧可能な形状に膨張される構成とされている請求項1〜請求項5の何れか1項記載の車両用乗員拘束装置。
- 前記シートバックは、車体の車幅方向中央部に対し車幅方向の一方側にオフセットして配置されており、
前記膨張部は、前記シートバック内に車幅方向外側部分で膨張される構成とされている請求項1〜請求項6の何れか1項記載の車両用乗員拘束装置。
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Publications (1)
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Cited By (2)
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JP2011126305A (ja) * | 2009-12-15 | 2011-06-30 | Honda Motor Co Ltd | 乗員保護装置 |
JP2020055500A (ja) * | 2018-10-04 | 2020-04-09 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用シート構造 |
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2008
- 2008-01-18 JP JP2008009289A patent/JP2009166773A/ja active Pending
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US8474872B2 (en) | 2009-12-15 | 2013-07-02 | Honda Motor Co., Ltd. | Passive safety device |
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