JP2009156087A - エンジンのオイルミスト分離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルミストの分離効率を向上でき、フィルタに目詰まりが生じてもオイルミストの分離能力を維持できるエンジンのオイルミスト分離装置を提供する。
【解決手段】シリンダヘッドカバー12の内部に形成されたオイルミスト分離室16の内部に第1〜第4分離壁21〜24を千鳥状に配設し、各分離壁21〜24によって分離室16の内部に蛇行通路16Aを形成する。蛇行通路16Aの上流側にクランク室18内のオイルミスト含有空気を吸入し、蛇行通路16Aの下流側に出口15aを形成する。第1〜第4分離壁21〜24の取付枠25の内部に不織布よりなるフィルタ26を設ける。蛇行通路16Aの上流側に吸入された空気の一部は、蛇行通路16Aを蛇行しながら流れ、残りの空気は第1〜第4分離壁21〜24のフィルタ26を順次透過し、各フィルタ26により空気からオイルミストが効率よく分離される。
【選択図】図1
【解決手段】シリンダヘッドカバー12の内部に形成されたオイルミスト分離室16の内部に第1〜第4分離壁21〜24を千鳥状に配設し、各分離壁21〜24によって分離室16の内部に蛇行通路16Aを形成する。蛇行通路16Aの上流側にクランク室18内のオイルミスト含有空気を吸入し、蛇行通路16Aの下流側に出口15aを形成する。第1〜第4分離壁21〜24の取付枠25の内部に不織布よりなるフィルタ26を設ける。蛇行通路16Aの上流側に吸入された空気の一部は、蛇行通路16Aを蛇行しながら流れ、残りの空気は第1〜第4分離壁21〜24のフィルタ26を順次透過し、各フィルタ26により空気からオイルミストが効率よく分離される。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンのクランク室内等において発生するオイルミスト含有空気中からオイルミストを分離するためのオイルミスト分離装置に関するものである。
オイルミストを分離して回収するためのオイルミスト分離装置として、特許文献1に開示されたものが提案されている。このオイルミスト分離装置は、エンジンのクランク室内に配設された本体ケースの内部に複数の仕切板を上下に千鳥状に配設して、本体ケースの内部に上下に蛇行するオイルミスト分離通路を形成している。そして、該通路にクランク室からオイルミストを含有した空気を吸入し、オイルミスト分離通路を蛇行させながら通過させて、前記各仕切板にオイルミストを付着させる。
なお、上記のような迷路構造を用いたオイルミスト分離装置の他に、特許文献2に開示されたようにオイルミスト含有空気を分離容器の内部で旋回させて、オイルミストを遠心力により分離するサイクロン方式の分離装置が提案されている。又、特許文献3に開示されたように、オイルミスト含有空気の通路を塞ぐようにフィルタを配設し、このフィルタによって空気中のオイルミストを分離するフィルタ方式の分離装置も提案されている。
特開平11−324636号公報
特開平9−177529号公報
実開平6−76614号公報
ところが、特許文献1に開示されたオイルミスト分離装置は、オイルミスト含有空気が蛇行通路を流れるので、各仕切板に付着されずに流れるオイルミスも多く、オイルミストの分離効率を向上することが難しいという問題があった。
又、特許文献2に開示されたサイクロン方式のオイルミスト分離装置は、本体の上部の中心部に設けたガス排出管の内周面に不織布が貼着されている。そして、前記本体内でガスが旋回されると、遠心力により粒径が大きい粒子は分離され、次に、除去され難い粒径が5μm程度以下の微小な粒子を含むガスが前記ガス排出管に流入し、この排出管内を螺旋状に旋回して進行し、微細な粒子が前記不織布により吸着除去されるようになっている。このため、長期使用により前記不織布が不純物等によって目詰まりを起こし易く、目詰まりが進行すると、オイルミストの分離効率が低下するばかりでなく、回収装置が大型化し、エンジンルーム内への搭載に制約があるという問題があった。
さらに、特許文献3に開示されたフィルタ方式のオイルミスト分離装置は、フィルタの網目が劣化したオイルや不純物等によって目詰まりを起こした場合、オイルミスト含有空気の流れに支障を来たすことになる。このような場合、オイルミストの分離そのものに支障を来たすというおそれがあるという問題があった。
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、オイルミストの分離効率を向上することができるとともに、フィルタの目詰まりを抑制することができ、仮にフイルタが目詰まりを起したとしてもオイルミストの分離能力を維持することができるエンジンのオイルミスト分離装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、オイルミスト含有空気の通路を形成するオイルミスト分離室内に複数の分離壁を配設して、各分離室により蛇行通路を形成し、前記各分離壁のうち少なくとも1枚の分離壁に、オイルミスト含有空気を透過させてオイルミストを分離するフィルタを設けたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記分離壁は環状の取付枠と、この取付枠の内部に張設されたフィルタとによって形成されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記フィルタは不織布よりなることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記フィルタは不織布よりなることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記フィルタの不織布の目付けは50〜500g/m2の範囲に設定されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項において、エンジンのシリンダヘッドカバーの内部に同シリンダヘッドカバーの頂壁と平行なバッフルプレートが同頂壁と間隔をおいて配置されるとともに、前記頂壁とバッフルプレートとの間に区画壁が設けられ、前記シリンダヘッドカバーとバッフルプレートの間に前記区画壁によってオイルミスト分離室が形成され、その分離室と対応するようにバッフルプレートにはオイルの排出口が形成され、該分離室の内部に複数の分離壁が千鳥状に配設され、各分離壁によって該分離室の内部に蛇行通路が形成されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項において、エンジンのシリンダヘッドカバーの内部に同シリンダヘッドカバーの頂壁と平行なバッフルプレートが同頂壁と間隔をおいて配置されるとともに、前記頂壁とバッフルプレートとの間に区画壁が設けられ、前記シリンダヘッドカバーとバッフルプレートの間に前記区画壁によってオイルミスト分離室が形成され、その分離室と対応するようにバッフルプレートにはオイルの排出口が形成され、該分離室の内部に複数の分離壁が千鳥状に配設され、各分離壁によって該分離室の内部に蛇行通路が形成されていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項において、前記フィルタを設けた分離壁は本体ケースに対し取り外し可能に装着されていることを要旨とする。
(作用)
この発明はオイルミスト分離室に吸入されたオイルミスト含有空気の一部が蛇行通路を流れるとともに、残りのオイルミスト含有空気は、前記分離壁に設けられたフィルタを透過し、該フィルタによってオイルミストが空気から分離される。このため、単に仕切板を設けた従来の構造と比較して、前記フィルタによってオイルミストの分離効率を向上することができる。仮に、フィルタが長期使用により不純物によって目詰まりを生じたとしても、オイルミストの分離効率は従来の仕切板を配設した分離装置と同程度に保たれ、オイルミストは分離壁に衝突して分離され、分離能力が維持される。
(作用)
この発明はオイルミスト分離室に吸入されたオイルミスト含有空気の一部が蛇行通路を流れるとともに、残りのオイルミスト含有空気は、前記分離壁に設けられたフィルタを透過し、該フィルタによってオイルミストが空気から分離される。このため、単に仕切板を設けた従来の構造と比較して、前記フィルタによってオイルミストの分離効率を向上することができる。仮に、フィルタが長期使用により不純物によって目詰まりを生じたとしても、オイルミストの分離効率は従来の仕切板を配設した分離装置と同程度に保たれ、オイルミストは分離壁に衝突して分離され、分離能力が維持される。
本発明によれば、オイルミストの分離効率を向上することができるとともに、フィルタの目詰まりを抑制することができ、仮にフイルタが目詰まりを起したとしてもオイルミストの分離能力を維持することができる。
以下、本発明を具体化したエンジンのオイルミスト分離装置の一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図3に示すように、この実施形態においては、エンジンのシリンダヘッド11上に合成樹脂製のシリンダヘッドカバー12が装着されている。図4に示すようにこのシリンダヘッドカバー12の天板12aの外周縁には左右の側壁12b,12c及び前後の側壁12d,12eが一体に形成されている。前記天板12aの裏面には第1区画壁12fが一体に形成され、前記天板12a、側壁12b及び第1区画壁12fにより第1溝13が形成されている。同じく天板12aの裏面には第2区画壁12gが平面視細長袋状に一体形成され、前記天板12a及び第2区画壁12gにより第2溝14が形成されている。
図3に示すように、この実施形態においては、エンジンのシリンダヘッド11上に合成樹脂製のシリンダヘッドカバー12が装着されている。図4に示すようにこのシリンダヘッドカバー12の天板12aの外周縁には左右の側壁12b,12c及び前後の側壁12d,12eが一体に形成されている。前記天板12aの裏面には第1区画壁12fが一体に形成され、前記天板12a、側壁12b及び第1区画壁12fにより第1溝13が形成されている。同じく天板12aの裏面には第2区画壁12gが平面視細長袋状に一体形成され、前記天板12a及び第2区画壁12gにより第2溝14が形成されている。
図3に示すように、前記第1及び第2区画壁12f,12gの下端縁には、平板状をなす合成樹脂製のバッフルプレート15の上面が溶着されている。このバッフルプレート15によって前記シリンダヘッドカバー12に形成された第1溝13及び第2溝14の下側開口部がそれぞれ閉鎖され、オイルミスト含有空気からオイルミストを分離するためのトンネル状の第1オイルミスト分離室16及び第2オイルミスト分離室17が形成されている。
前記第1オイルミスト分離室16及び第2オイルミスト分離室17にそれぞれ適用されるオイルミスト分離構造は、ほぼ同様の構成であるため、前記第1オイルミスト分離室16側の分離構造について以下に説明し、第2オイルミスト分離室17側の分離構造については、同一の符号を付して後述するように説明を簡略する。
図1及び図3に示すように、前記シリンダヘッドカバー12にはブローバイガス等のオイルミスト含有空気を図示しない配管を通して前記第1オイルミスト分離室16の内部に吸入するための吸入口19aを有する吸入筒19が一体に形成されている。前記バッフルプレート15には第1オイルミスト分離室16の内部に吸入され、かつオイルミストが分離された空気をエンジンの吸入側20へ図示しない配管を通して送出するための出口15aが形成されている。
図1に示すように、前記第1オイルミスト分離室16の内部には第1〜第4分離壁21〜24が千鳥状に配設されている。そして、各分離壁21〜24によって第1オイルミスト分離室16の内部に蛇行通路16Aが形成されている。前記各分離壁21〜24は合成樹脂製の四角環状の取付枠25と、該取付枠25の内部に装着されたフィルタ26とによって構成されている。前記フィルタ26として例えば天然繊維や合成繊維等からなる不織布が用いられる。本実施形態では前記フィルタ26の不織布の目付けを50〜500g/m2としている。前記第1分離壁21及び第3分離壁23の取付枠25は前記シリンダヘッドカバー12の天板12aの裏面及び側壁12bの内面に溶着され、取付枠25と区画壁12fとの間に通路tが形成されている。前記第2分離壁22及び第4分離壁24の取付枠25は前記シリンダヘッドカバー12の天板12aの裏面及び区画壁12fの内面に溶着され、取付枠25と側壁12bとの間に通路tが形成されている。
図3に示すように、前記バッフルプレート15には前記第1オイルミスト分離室16の内部でそれぞれ分離され、バッフルプレート15の上面に回収された潤滑油を下方の後述のオイル回収溝28に導くための排出孔15bが複数箇所に、かつ図1に示すように第1オイルミスト分離室16の長手方向に所定の間隔をおいて形成されている。図3に示すように前記バッフルプレート15の下面には溝部材27が溶着され、溝部材27とバッフルプレート15との間にオイル回収溝28が形成されている。前記溝部材27にはオイル回収溝28に貯留された潤滑オイルを下方に落下させるための孔27aが複数箇所に形成されている。
前記第2オイルミスト分離室17の内部にも図3及び図4に示すように前述した第1オイルミスト分離室16側に設けられた各分離壁21〜24と同様な第1〜第4分離壁21〜24が配設されるとともに、蛇行通路17Aが形成されている。前記バッフルプレート15にはオイルミスト含有空気を蛇行通路17Aに吸入するための吸入口(図示略)及び前記バッフルプレート15に設けた出口15aと同様の出口(図示略)が設けられている。
次に、前記のように構成されたエンジンのオイルミスト分離装置の作用を前記第1オイルミスト分離室16側について説明する。
オイルミスト含有空気は、図示しない配管及び吸入筒19を通して第1オイルミスト分離室16の蛇行通路16Aに吸入される。この蛇行通路16Aに吸入されたオイルミスト含有空気は、第1〜第4分離壁21〜24のフィルタ26を透過し、このフィルタ26によって空気中に含まれるオイルミストが分離される。
オイルミスト含有空気は、図示しない配管及び吸入筒19を通して第1オイルミスト分離室16の蛇行通路16Aに吸入される。この蛇行通路16Aに吸入されたオイルミスト含有空気は、第1〜第4分離壁21〜24のフィルタ26を透過し、このフィルタ26によって空気中に含まれるオイルミストが分離される。
オイルミストを分離された空気は、出口15aから図示しない配管を通してエンジンの吸入側20に吸入される。
一方、前記第1〜第4分離壁21〜24のフィルタ26によって分離されたオイルはバッフルプレート15の上面に回収された後、図3に示す複数の排出孔15bからオイル回収溝28に流れ、溝部材27の孔27aから例えば図示しないカム機構に供給される。
一方、前記第1〜第4分離壁21〜24のフィルタ26によって分離されたオイルはバッフルプレート15の上面に回収された後、図3に示す複数の排出孔15bからオイル回収溝28に流れ、溝部材27の孔27aから例えば図示しないカム機構に供給される。
仮に、第1〜第4分離壁21〜24のフィルタ26に長期使用等により不純物が付着して目詰まりを生じたとしても、蛇行通路16Aが存在するので、図2に矢印で示すように蛇行通路16Aをオイルミスト含有空気が流れる。そして、このときオイルミスト含有空気は、第1〜第4分離壁21〜24に衝突してオイルが分離される。このため、オイルミストの分離効率は従来の仕切板を配設したオイルミスト分離装置と同程度に保たれ、分離能力が維持される。
なお、前記第2オイルミスト分離室17側のオイルミスト分離装置の作用も前記第1オイルミスト分離室16側のオイルミスト分離装置の作用と同様である。
上記実施形態のエンジンのオイルミスト分離装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
上記実施形態のエンジンのオイルミスト分離装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、オイルミスト含有空気が透過されるフィルタ26によってオイルミストを分離するようにした。このため、フィルタとしての機能を持たない仕切板を用いた従来の分離装置と比較して、前記フィルタ26によってオイルミスト含有空気中に含まれるオイルミストを効率よく分離することができ、オイルミストの分離効率を向上することができる。
(2)上記実施形態では、フィルタ26に不純物が付着しても蛇行する空気流によって剥がれ易く、フィルタ26の目詰まりが抑制される。仮に、第1〜第4分離壁21〜24のフィルタ26が長期使用により目詰まりを生じたとしても、蛇行通路16Aがあるので、オイルミストの分離効率は従来の仕切板を配設した分離装置と同程度に保たれ、分離の能力が維持される。
ちなみに、従来の仕切板を用いた蛇行通路を有するオイルミスト分離装置のオイルミストの分離効率と、本実施形態のオイルミスト分離装置のオイルミストの分離効率とを実験により測定したところ、図5に示すようなデータが得られた。本実施形態の分離装置は、図1に示す第1〜第4分離壁21〜24の高さ寸法及び幅寸法をそれぞれ40mm、取付枠25自体の幅寸法を2mm、従って、フィルタ26の高さ寸法及び幅寸法をそれぞれ36mm、前記各通路tの水平方向の幅寸法をそれぞれ10mm、第1〜第4分離壁21〜24の各配列ピッチをそれぞれ40mmとした。又、フィルタ26を形成する不織布の目付けを320g/m2とした。一方、比較例のオイルミスト分離装置として、上述した実験条件のうち前記第1〜第4分離壁21〜24をフィルタ機能を持たない単なる仕切板としたことのみが異なるものを用いた。実験の結果、本実施形態のオイルミスト分離装置の場合には、オイルミストの粒径により分離効率の差が生じるものの、本実施形態の分離装置の方が比較例の分離装置のオイルミストの分離効率よりも優れていることが判明した。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図6に示すように、前記シリンダヘッドカバー12の天板12aの裏面に第1〜第4分離壁21〜24の取付枠25を係合する係合溝12hを設けるとともに、前記側壁12bの内面に取付枠25に形成されたT字状のフランジ部25aを係合する係合溝12iを形成する。そして、第1〜第4分離壁21〜24を前記係合溝12h,12iに取り外し可能に嵌合するようにし、シリンダヘッドカバー12に対するバッフルプレート15の取り付けにより第1〜第4分離壁21〜24が第1及び第2オイルミスト分離室16,17内に千鳥状に装着されるようにしてもよい。この場合には、第1〜第4分離壁21〜24のフィルタ26が目詰まりを起こして機能を低下させた場合に、新しい第1〜第4分離壁21〜24と交換することができるという利点がある。
・図6に示すように、前記シリンダヘッドカバー12の天板12aの裏面に第1〜第4分離壁21〜24の取付枠25を係合する係合溝12hを設けるとともに、前記側壁12bの内面に取付枠25に形成されたT字状のフランジ部25aを係合する係合溝12iを形成する。そして、第1〜第4分離壁21〜24を前記係合溝12h,12iに取り外し可能に嵌合するようにし、シリンダヘッドカバー12に対するバッフルプレート15の取り付けにより第1〜第4分離壁21〜24が第1及び第2オイルミスト分離室16,17内に千鳥状に装着されるようにしてもよい。この場合には、第1〜第4分離壁21〜24のフィルタ26が目詰まりを起こして機能を低下させた場合に、新しい第1〜第4分離壁21〜24と交換することができるという利点がある。
・図7(a)に示すように前記第1オイルミスト分離室16の内部に第1〜第4分離壁21〜24をその通路t側の端部がオイルミスト含有空気の流通方向上流側に位置するように、即ち、オイルミスト含有空気の蛇行通路16Aが長くなる方向に傾斜するようにして配設してもよい。この場合にはオイルミスト含有空気の蛇行通路16Aが長くなるので、オイルミストの分離効率を向上することができる。同様の趣旨で、図7(b)に示すように前記第1〜第4分離壁21〜24の形状を円弧としてもよい。図7(c)に示すように、第1分離壁第1〜第4分離壁21〜24の先端部にそれぞれフィルタの機能を持たない分離板29をオイルミスト含有空気の流通方向の上流側に向かって突出するように、かつ分離壁と直交するように設け、蛇行通路16Aが長くなるようにしてもよい。
・図示しないが、前記分離壁21〜24の枚数を2枚にしたり、3枚にしたり5枚以上にしたりしてもよい。
・前記バッフルプレート15に対し前記第1及び第2区画壁12f,12gあるいは第1〜第4分離壁21〜24を形成してもよい。
・前記バッフルプレート15に対し前記第1及び第2区画壁12f,12gあるいは第1〜第4分離壁21〜24を形成してもよい。
・前記フィルタ26として、多孔質材料を用いたり、例えば天然繊維や合成繊維等からなる織布、金属又はセラミックからなる網状構造体、ラバーフォームやプラスチックフォーム等のプラスチック又はゴムからなるフォーム等を用いたりしてもよい。
・前記実施形態では、シリンダヘッドカバー12の内部に区画壁12f,12gを設け、この区画壁12f,12gの下端縁にバッフルプレート15を接合固定して、第1及び第2オイルミスト分離室16,17を形成するようにした。これに代えて、図示しないが別途、筒状の本体ケースを製造し、この本体ケースにオイルミスト含有空気の入口と、オイルミストを分離された空気の出口とを設け、前記本体ケースの内部のオイルミスト分離室に前記第1〜第4分離壁21〜24と同様の構造の複数の分離壁を配設することにより、ユニット化したオイルミスト分離装置としてもよい。
11…シリンダヘッド、12…シリンダヘッドカバー、12f,12g…区画壁、15…バッフルプレート、15b…連通孔、16…第1オイルミスト分離室、16A,17A…蛇行通路、17…第2オイルミスト分離室、21〜24…第1〜第4分離壁、26…フィルタ。
Claims (6)
- オイルミスト含有空気の通路を形成するオイルミスト分離室内に複数の分離壁を配設して、各分離室により蛇行通路を形成し、前記各分離壁のうち少なくとも1枚の分離壁に、オイルミスト含有空気を透過させてオイルミストを分離するフィルタを設けたことを特徴とするエンジンのオイルミスト分離装置。
- 請求項1において、前記分離壁は環状の取付枠と、この取付枠の内部に張設されたフィルタとによって形成されていることを特徴とするエンジンのオイルミスト分離装置。
- 請求項1又は2において、前記フィルタは不織布よりなることを特徴とするエンジンのオイルミスト分離装置。
- 請求項3において、前記フィルタの不織布の目付けは50〜500g/m2の範囲に設定されていることを特徴とするエンジンのオイルミスト分離装置。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、エンジンのシリンダヘッドカバーの内部に同シリンダヘッドカバーの頂壁と平行なバッフルプレートが同頂壁と間隔をおいて配置されるとともに、前記頂壁とバッフルプレートとの間に区画壁が設けられ、前記シリンダヘッドカバーとバッフルプレートの間に前記区画壁によってオイルミスト分離室が形成され、その分離室と対応するようにバッフルプレートにはオイルの排出口が形成され、該分離室の内部に複数の分離壁が千鳥状に配設され、各分離壁によって該分離室の内部に蛇行通路が形成されていることを特徴とするエンジンのオイルミスト分離装置。
- 請求項1〜5のいずれか一項において、前記フィルタを設けた分離壁は本体ケースに対し取り外し可能に装着されていることを特徴とするエンジンのオイルミスト分離装置。
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