JP2009154685A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性をさらに向上したタイヤを提供する。
【解決手段】少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤ赤道面に対して傾斜するコードを相互に交差する向きに配置した傾斜ベルト層とを順に配置してなるベルトを有するタイヤであって、前記傾斜ベルト層のうち、幅が最も広い幅広傾斜ベルト層の幅が、タイヤ断面幅の0.6倍以上であり、前記幅広傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部が、前記周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部よりタイヤ幅方向外側に位置し、前記傾斜ベルト層のうち、前記幅広傾斜ベルト層以外の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部が、前記周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部よりタイヤ幅方向内側に位置し、前記幅広傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が15°以上35°未満および、前記幅広傾斜ベルト層に隣接する少なくとも一方の傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が40°以上60°以下とする。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤ赤道面に対して傾斜するコードを相互に交差する向きに配置した傾斜ベルト層とを順に配置してなるベルトを有するタイヤであって、前記傾斜ベルト層のうち、幅が最も広い幅広傾斜ベルト層の幅が、タイヤ断面幅の0.6倍以上であり、前記幅広傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部が、前記周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部よりタイヤ幅方向外側に位置し、前記傾斜ベルト層のうち、前記幅広傾斜ベルト層以外の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部が、前記周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部よりタイヤ幅方向内側に位置し、前記幅広傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が15°以上35°未満および、前記幅広傾斜ベルト層に隣接する少なくとも一方の傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が40°以上60°以下とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、重荷重用タイヤ、特にはトレーラー車両のように舗装路面において小半径で旋回する車両に装着されるトラック・バス用タイヤに関するものである。
従来の重荷重用タイヤとして、タイヤのカーカスの半径方向外側に2層の周方向ベルト層が配置され、さらにその半径方向外側に、前記周方向ベルト層より幅の広い傾斜ベルト層(以下、「幅広傾斜ベルト層」という)と、前記周方向ベルト層より幅の狭い傾斜ベルト層(以下、「幅狭傾斜ベルト層」という)とが配置されているベルトを有する空気入りラジアルタイヤが提案されている(例えば、特許文献1)。
上述した空気入りラジアルタイヤを装着した車両が小半径で旋回すると、特に旋回の内側部分のベルトに面内曲げ変形が生じ、ベルト層内のせん断変形により、旋回の内側部分の幅広傾斜ベルト層に圧縮力が生じる。この圧縮力により、幅広傾斜ベルト層のベルトコードに塑性変形が生じたり、ベルトコードが破断したりする可能性があった。そこで、上述した従来の空気入りラジアルタイヤでは、幅広傾斜ベルト層の幅を広くすることにより、具体的には、2層の周方向ベルト層より幅広傾斜ベルト層の幅を広くすることによりこの圧縮変形に対応してきた。ところが、近年の車両の高性能化に伴って、より高速での旋回が行われるようになり、この際、タイヤにはより大きな横力が発生する。かような背景から、更なる圧縮変形の低減に対する要求があった。
なお、上述した空気入りラジアルタイヤでは、幅狭傾斜ベルト層はその狭い幅のため、面内曲げ変形による圧縮歪は大きくならず、幅広傾斜ベルト層のような問題は生じていない。
なお、上述した空気入りラジアルタイヤでは、幅狭傾斜ベルト層はその狭い幅のため、面内曲げ変形による圧縮歪は大きくならず、幅広傾斜ベルト層のような問題は生じていない。
そこで、本発明の目的は、上述した問題点を解消して、車両旋回時に車両に装着したタイヤのベルトコードに作用する圧縮歪を低減して、ベルトコードに塑性変形が生じたり、ベルトコードが破断したりすることを避け、耐久性をさらに向上したタイヤを提供することにある。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤ赤道面に沿って延びるコードのゴム引き層による、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤ赤道面に対して傾斜して配列した複数本のコードをゴムで被覆したゴム引き層の2層以上を層間でコード相互が交差する向きに配置した傾斜ベルト層とを順に配置してなるベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
前記傾斜ベルト層のうち、幅が最も広い幅広傾斜ベルト層の幅が、タイヤ断面幅の0.6倍以上であり、
前記幅広傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部が、前記周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部よりタイヤ幅方向外側に位置し、
前記傾斜ベルト層のうち、前記幅広傾斜ベルト層以外の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部が、前記周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部よりタイヤ幅方向内側に位置し、
前記幅広傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が15°以上35°未満および、
前記幅広傾斜ベルト層に隣接する少なくとも一方の傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が40°以上60°以下である
ことを特徴とするタイヤ。
(1)一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤ赤道面に沿って延びるコードのゴム引き層による、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤ赤道面に対して傾斜して配列した複数本のコードをゴムで被覆したゴム引き層の2層以上を層間でコード相互が交差する向きに配置した傾斜ベルト層とを順に配置してなるベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
前記傾斜ベルト層のうち、幅が最も広い幅広傾斜ベルト層の幅が、タイヤ断面幅の0.6倍以上であり、
前記幅広傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部が、前記周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部よりタイヤ幅方向外側に位置し、
前記傾斜ベルト層のうち、前記幅広傾斜ベルト層以外の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部が、前記周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部よりタイヤ幅方向内側に位置し、
前記幅広傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が15°以上35°未満および、
前記幅広傾斜ベルト層に隣接する少なくとも一方の傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が40°以上60°以下である
ことを特徴とするタイヤ。
(2)前記幅広傾斜ベルト層に隣接する少なくとも一方の傾斜ベルト層の幅が、前記幅広傾斜ベルト層の幅の0.3倍以上0.7倍以下であることを特徴とする上記(1)に記載のタイヤ。
本発明によれば、傾斜ベルト層の周方向ベルト層に対する幅を規定し、傾斜ベルト層のベルトコードの角度を適正化することにより、耐久性をさらに向上したタイヤを提供することができる。
以下に、本発明のタイヤの実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
図1に、本発明のタイヤの幅方向断面図を示す。
ビード部1にビードコア2が埋設配置され、両ビード部1の間に跨るカーカス3がタイヤの骨格となり、このカーカス3のそれぞれの端部は、それぞれのビードコア2の周りに巻き返して固定される。カーカス3のクラウン部の径方向外側に、順に、多数本のスチールコードをゴムで被覆した少なくとも1層の周方向ベルト層4と、少なくとも2層、図示例では2層の傾斜ベルト層である内側傾斜ベルト層5および外側傾斜ベルト層6とからなるベルト7が配設される。この例において、内側傾斜ベルト層5は、複数の傾斜ベルト層(図示例では2層)のうち、幅が最も広い幅広傾斜ベルト層である。周方向ベルト層4はタイヤ赤道面Eに沿って延びるコードのゴム引き層である。内側傾斜ベルト層5および外側傾斜ベルト層6は、タイヤ赤道面Eに対して傾斜して配列した複数本のコードをゴムで被覆したゴム引き層であって、内側傾斜ベルト層5および外側傾斜ベルト層6の層間で、コードは相互に交差する向きに配置されている。このベルト7の径方向外側にトレッド部9が配置され、トレッド部9のそれぞれの側部に連続して半径方向内側に延びる一対のサイドウォール部10が存在する。Wはタイヤ断面幅を示す。
図1に、本発明のタイヤの幅方向断面図を示す。
ビード部1にビードコア2が埋設配置され、両ビード部1の間に跨るカーカス3がタイヤの骨格となり、このカーカス3のそれぞれの端部は、それぞれのビードコア2の周りに巻き返して固定される。カーカス3のクラウン部の径方向外側に、順に、多数本のスチールコードをゴムで被覆した少なくとも1層の周方向ベルト層4と、少なくとも2層、図示例では2層の傾斜ベルト層である内側傾斜ベルト層5および外側傾斜ベルト層6とからなるベルト7が配設される。この例において、内側傾斜ベルト層5は、複数の傾斜ベルト層(図示例では2層)のうち、幅が最も広い幅広傾斜ベルト層である。周方向ベルト層4はタイヤ赤道面Eに沿って延びるコードのゴム引き層である。内側傾斜ベルト層5および外側傾斜ベルト層6は、タイヤ赤道面Eに対して傾斜して配列した複数本のコードをゴムで被覆したゴム引き層であって、内側傾斜ベルト層5および外側傾斜ベルト層6の層間で、コードは相互に交差する向きに配置されている。このベルト7の径方向外側にトレッド部9が配置され、トレッド部9のそれぞれの側部に連続して半径方向内側に延びる一対のサイドウォール部10が存在する。Wはタイヤ断面幅を示す。
前記ベルト7において、内側傾斜ベルト層5の幅W5は、タイヤ断面幅Wの0.6倍以上であることが肝要である。
なぜなら、0.6倍未満であると、トレッド部9の幅方向外側部分にベルトが配置されず、内圧を充填した際にこの部分の剛性が弱くなるためにこの部分の径成長が大きくなり、偏摩耗が生ずる原因となるからである。
なぜなら、0.6倍未満であると、トレッド部9の幅方向外側部分にベルトが配置されず、内圧を充填した際にこの部分の剛性が弱くなるためにこの部分の径成長が大きくなり、偏摩耗が生ずる原因となるからである。
ここで、図2に、図1のタイヤの左半部を拡大して示す。
内側傾斜ベルト層5のタイヤ幅方向端部5Eが、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eよりタイヤ幅方向外側に位置し、外側傾斜ベルト層6のタイヤ幅方向端部6Eが、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eよりタイヤ幅方向内側に位置する。すなわち、外側傾斜ベルト層6、周方向ベルト層4、内側傾斜ベルト層5の順にベルト層の幅が広くなっている。
内側傾斜ベルト層5のタイヤ幅方向端部5Eが、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eよりタイヤ幅方向外側に位置し、外側傾斜ベルト層6のタイヤ幅方向端部6Eが、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eよりタイヤ幅方向内側に位置する。すなわち、外側傾斜ベルト層6、周方向ベルト層4、内側傾斜ベルト層5の順にベルト層の幅が広くなっている。
このように、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eよりタイヤ幅方向外側に位置する傾斜ベルト層が1層のみであることが肝要である。
周方向ベルト層4は、ベルトコードが赤道面Eに沿って配置されているため、幅方向剛性は低く、タイヤの使用に伴って、幅方向が縮小する。一方、内側傾斜ベルト層5および外側傾斜ベルト層6はベルトコードが赤道面Eに傾斜する向きに相互に交差して配置されているため、内側傾斜ベルト層5および外側傾斜ベルト層6が重なった部分は幅方向剛性が高く幅方向縮小量は周方向ベルト層4と比較すると小さい値となる。これにより、周方向ベルト層4と内側傾斜ベルト層5および外側傾斜ベルト層6との層間にせん断変形が発生する。それゆえ、周方向ベルト層のタイヤ幅方向外側に交差する2層の傾斜ベルト層が位置するタイヤでは、周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部と、傾斜ベルト層との間に層間セパレーションが発生し易く、この結果、ベルト耐久性が低下してしまう可能性があった。
そこで、図2を例に説明すると、傾斜ベルト層のうち、1枚の内側傾斜ベルト層5を、最広幅として、そのタイヤ幅方向端部5Eが周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eより幅方向外側に位置するようにすれば、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eより幅方向外側に位置しているのは、内側傾斜ベルト層5の1枚だけとなるため、その位置においては傾斜ベルト層の積層によるベルトコードの交差配置は回避される。このため、内側傾斜ベルト層5はタイヤ幅方向に縮小し易くなって、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eと内側傾斜ベルト層5との間の断面内におけるせん断変形が低減し、これにより、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eと内側傾斜ベルト層5との間の層間セパレーションが効果的に抑制され、ベルト耐久性が向上する。
周方向ベルト層4は、ベルトコードが赤道面Eに沿って配置されているため、幅方向剛性は低く、タイヤの使用に伴って、幅方向が縮小する。一方、内側傾斜ベルト層5および外側傾斜ベルト層6はベルトコードが赤道面Eに傾斜する向きに相互に交差して配置されているため、内側傾斜ベルト層5および外側傾斜ベルト層6が重なった部分は幅方向剛性が高く幅方向縮小量は周方向ベルト層4と比較すると小さい値となる。これにより、周方向ベルト層4と内側傾斜ベルト層5および外側傾斜ベルト層6との層間にせん断変形が発生する。それゆえ、周方向ベルト層のタイヤ幅方向外側に交差する2層の傾斜ベルト層が位置するタイヤでは、周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部と、傾斜ベルト層との間に層間セパレーションが発生し易く、この結果、ベルト耐久性が低下してしまう可能性があった。
そこで、図2を例に説明すると、傾斜ベルト層のうち、1枚の内側傾斜ベルト層5を、最広幅として、そのタイヤ幅方向端部5Eが周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eより幅方向外側に位置するようにすれば、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eより幅方向外側に位置しているのは、内側傾斜ベルト層5の1枚だけとなるため、その位置においては傾斜ベルト層の積層によるベルトコードの交差配置は回避される。このため、内側傾斜ベルト層5はタイヤ幅方向に縮小し易くなって、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eと内側傾斜ベルト層5との間の断面内におけるせん断変形が低減し、これにより、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eと内側傾斜ベルト層5との間の層間セパレーションが効果的に抑制され、ベルト耐久性が向上する。
次に、傾斜ベルト層を展開して示した図3を参照して、傾斜ベルトの赤道面に対する傾斜角度について説明する。図において、実線がコードである。
内側傾斜ベルト層5における、タイヤ赤道面Eに対するコードの傾斜角度θ5は15°以上35°未満であり、外側傾斜ベルト層6における、タイヤ赤道面Eに対するコードの傾斜角度θ6は40°以上60°以下である。傾斜ベルト層のうち、幅が広い内側傾斜ベルト層5における、タイヤ赤道面Eに対するコードの傾斜角度の角度を小さくすることで、圧縮力によるコードの塑性変形を防止することができる。
傾斜角度θ5が15°未満の場合、旋回時のコーナリングフォースの発生が小さくなってしまい、傾斜角度θ5が35°以上の場合、圧縮力低減効果が十分に得られない。
内側傾斜ベルト層5と外側傾斜ベルト層6とのコードが交差することにより、横力が加わったときに内側傾斜ベルト層5と外側傾斜ベルト層6との層間にせん断力が生じ、旋回時のコーナリングフォースを得ていたが、傾斜角度θ6が40°未満になると、この層間せん断力が小さくなりすぎ、十分なコーナリングフォースが得られず操縦安定性が悪化するおそれがある。
一方、傾斜角度θ6が60°を超える場合、小旋回時の横力入力方向と外側傾斜ベルト層6のコード軸方向とが一致するため、大きな横力入力が生じた際に外側傾斜ベルト層6のコードが圧縮により塑性変形するおそれがある。
内側傾斜ベルト層5における、タイヤ赤道面Eに対するコードの傾斜角度θ5は15°以上35°未満であり、外側傾斜ベルト層6における、タイヤ赤道面Eに対するコードの傾斜角度θ6は40°以上60°以下である。傾斜ベルト層のうち、幅が広い内側傾斜ベルト層5における、タイヤ赤道面Eに対するコードの傾斜角度の角度を小さくすることで、圧縮力によるコードの塑性変形を防止することができる。
傾斜角度θ5が15°未満の場合、旋回時のコーナリングフォースの発生が小さくなってしまい、傾斜角度θ5が35°以上の場合、圧縮力低減効果が十分に得られない。
内側傾斜ベルト層5と外側傾斜ベルト層6とのコードが交差することにより、横力が加わったときに内側傾斜ベルト層5と外側傾斜ベルト層6との層間にせん断力が生じ、旋回時のコーナリングフォースを得ていたが、傾斜角度θ6が40°未満になると、この層間せん断力が小さくなりすぎ、十分なコーナリングフォースが得られず操縦安定性が悪化するおそれがある。
一方、傾斜角度θ6が60°を超える場合、小旋回時の横力入力方向と外側傾斜ベルト層6のコード軸方向とが一致するため、大きな横力入力が生じた際に外側傾斜ベルト層6のコードが圧縮により塑性変形するおそれがある。
傾斜ベルト層6の幅が、傾斜ベルト層5の幅の0.3倍以上0.7倍以下であることが好適である。
すなわち、0.3倍未満であると、傾斜ベルトとしての剛性が低くなりすぎて十分なコーナリングフォースが得られない。また、タイヤ赤道面E近傍で突起入力が最も厳しくなるが、0.3倍以上とすれば、この領域でベルトが3枚以上のベルト層から構成されることとなり、タイヤ赤道面E近傍での突起入力に対する剛性を確保することができる。
一方、0.7倍を超えると傾斜ベルト層6のコードの対する圧縮力が大きくなってしまう。
すなわち、0.3倍未満であると、傾斜ベルトとしての剛性が低くなりすぎて十分なコーナリングフォースが得られない。また、タイヤ赤道面E近傍で突起入力が最も厳しくなるが、0.3倍以上とすれば、この領域でベルトが3枚以上のベルト層から構成されることとなり、タイヤ赤道面E近傍での突起入力に対する剛性を確保することができる。
一方、0.7倍を超えると傾斜ベルト層6のコードの対する圧縮力が大きくなってしまう。
なお、以上では、内側傾斜ベルト層5が、複数の傾斜ベルト層のうち、幅が最も広い幅広傾斜ベルト層であるとしたが、外側傾斜ベルト層6が、幅が最も広い幅広傾斜ベルト層でもよい。すなわち、図4に示すように、外側傾斜ベルト層6のタイヤ幅方向端部6Eが、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eよりタイヤ幅方向外側に位置し、内側傾斜ベルト層5のタイヤ幅方向端部5Eが、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4Eよりタイヤ幅方向内側に位置するベルト層構造でもよい。この場合、内側傾斜ベルト層5、周方向ベルト層4、外側傾斜ベルト層6の順にベルト層の幅が広くなる。
このように、複数の傾斜ベルト層のうち幅が最も広い幅広傾斜ベルト層のタイヤ径方向の位置は限定されない。なぜなら、傾斜ベルト層は、周方向ベルト層に対して径方向外側にあれば、周方向剛性を受け持つ割合が少なく、横方向剛性を受け持ち、保護層としての役割も果たすからである。これは幅広傾斜ベルト層のタイヤ径方向の配置には無関係であるためである。
また、傾斜ベルト層は2層に限定されず、3層以上でもよい。
このように、複数の傾斜ベルト層のうち幅が最も広い幅広傾斜ベルト層のタイヤ径方向の位置は限定されない。なぜなら、傾斜ベルト層は、周方向ベルト層に対して径方向外側にあれば、周方向剛性を受け持つ割合が少なく、横方向剛性を受け持ち、保護層としての役割も果たすからである。これは幅広傾斜ベルト層のタイヤ径方向の配置には無関係であるためである。
また、傾斜ベルト層は2層に限定されず、3層以上でもよい。
本発明に係る発明例タイヤとして、図2に示すベルト層構造および図3に示す傾斜ベルト層におけるベルトコード角度を有するタイヤ(タイヤサイズは385/55R22.5)を試作し、従来例タイヤとして図2に示すベルト層構造および傾斜ベルト層におけるコード角度を層間で互いに交差する向きにタイヤ赤道面Eに対して52°としたタイヤを試作し、比較例タイヤとして表1に示すベルト層構造および傾斜ベルト層におけるコード角度を有するタイヤを試作し、各試作タイヤについてドラム試験によりベルトコードの評価を行ったので以下に説明する。
発明例タイヤ、従来例タイヤおよび比較例タイヤを、ドラム試験機に装着し、想定される市場での使用荷重4150kgを適用し、タイヤ内圧を700kPa(正規内圧より内圧を下げた条件/市場で起こりえる内圧条件)に調整した。スリップアングル8°、速度30km/h、走行距離5000kmとした。
走行後、傾斜ベルト層をX線撮影して、ベルトコードの塑性変形の有無を確認し、その結果を表1に示す。
比較例タイヤ4のベルト層構造は図5に示すように、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4E、外側傾斜ベルト層6のタイヤ幅方向端部6E、内側傾斜ベルト層5のタイヤ幅方向端部5Eの順で、タイヤ幅方向外側に位置している。
発明例タイヤ、従来例タイヤおよび比較例タイヤを、ドラム試験機に装着し、想定される市場での使用荷重4150kgを適用し、タイヤ内圧を700kPa(正規内圧より内圧を下げた条件/市場で起こりえる内圧条件)に調整した。スリップアングル8°、速度30km/h、走行距離5000kmとした。
走行後、傾斜ベルト層をX線撮影して、ベルトコードの塑性変形の有無を確認し、その結果を表1に示す。
比較例タイヤ4のベルト層構造は図5に示すように、周方向ベルト層4のタイヤ幅方向端部4E、外側傾斜ベルト層6のタイヤ幅方向端部6E、内側傾斜ベルト層5のタイヤ幅方向端部5Eの順で、タイヤ幅方向外側に位置している。
表1の結果より、従来例タイヤおよび比較例タイヤと比較して、幅広傾斜ベルト層の幅が、タイヤ断面幅の0.6倍以上であり、幅広傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部が、周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部よりタイヤ幅方向外側に位置し、幅狭傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部が、周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部よりタイヤ幅方向内側に位置し、幅広傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が15°以上35°未満および、幅狭傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が40°以上60°以下である発明例タイヤ1〜3において、いずれもコードの塑性変形が見られなかった。
比較例タイヤ2では、コードの塑性変形は見られなかったが、横方向剛性が低下し操縦安定性が低下した。
比較例タイヤ2では、コードの塑性変形は見られなかったが、横方向剛性が低下し操縦安定性が低下した。
以上により、傾斜ベルト層の周方向ベルト層に対する幅を規定し、傾斜ベルト層のベルトコードの角度を適正化することにより、耐久性をさらに向上したタイヤを提供することができる。
1 ビード部
2 ビードコア
3 カーカス
4 周方向ベルト層
5 内側傾斜ベルト層
6 外側傾斜ベルト層
7 ベルト
9 トレッド部
10 サイドウォール部
E タイヤ赤道面
W タイヤ断面幅
W5 内側傾斜ベルト層の幅
W6 外側傾斜ベルト層の幅
θ5 内側傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度
θ6 外側傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度
2 ビードコア
3 カーカス
4 周方向ベルト層
5 内側傾斜ベルト層
6 外側傾斜ベルト層
7 ベルト
9 トレッド部
10 サイドウォール部
E タイヤ赤道面
W タイヤ断面幅
W5 内側傾斜ベルト層の幅
W6 外側傾斜ベルト層の幅
θ5 内側傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度
θ6 外側傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度
Claims (2)
- 一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤ赤道面に沿って延びるコードのゴム引き層による、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤ赤道面に対して傾斜して配列した複数本のコードをゴムで被覆したゴム引き層の2層以上を層間でコード相互が交差する向きに配置した傾斜ベルト層とを順に配置してなるベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
前記傾斜ベルト層のうち、幅が最も広い幅広傾斜ベルト層の幅が、タイヤ断面幅の0.6倍以上であり、
前記幅広傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部が、前記周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部よりタイヤ幅方向外側に位置し、
前記傾斜ベルト層のうち、前記幅広傾斜ベルト層以外の傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端部が、前記周方向ベルト層のタイヤ幅方向端部よりタイヤ幅方向内側に位置し、
前記幅広傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が15°以上35°未満および、
前記幅広傾斜ベルト層に隣接する少なくとも一方の傾斜ベルト層における、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が40°以上60°以下である
ことを特徴とするタイヤ。 - 前記幅広傾斜ベルト層に隣接する少なくとも一方の傾斜ベルト層の幅が、前記幅広傾斜ベルト層の幅の0.3倍以上0.7倍以下であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5665766B2 (ja) * | 2009-11-26 | 2015-02-04 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
WO2015063977A1 (ja) * | 2013-10-29 | 2015-05-07 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ |
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2007
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110301 |