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JP2009151060A - 静電荷像現像用トナーとその製造方法、及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナーとその製造方法、及び画像形成装置 Download PDF

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JP2009151060A
JP2009151060A JP2007328430A JP2007328430A JP2009151060A JP 2009151060 A JP2009151060 A JP 2009151060A JP 2007328430 A JP2007328430 A JP 2007328430A JP 2007328430 A JP2007328430 A JP 2007328430A JP 2009151060 A JP2009151060 A JP 2009151060A
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健司 林
Hiroaki Obata
裕昭 小畑
Natsuko Kusaka
奈津子 日下
Mikio Kamiyama
幹夫 神山
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Abstract

【課題】シェルの厚みにムラがなく、帯電立ち上がり性がよく、トナー飛散やプリント画像上での画像カスレが見られない、安定した画像形成ができる静電荷像現像用トナーと製造方法、及びそれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】少なくとも重合体微粒子及び着色剤粒子を凝集、融着してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、予め作製されたコア粒子の上に質量平均粒子径d1及びd2が下記の関係にある粒径の異なる二種類の単分散重合体微粒子を凝集、融着させてシェルを形成してコア・シェル型トナーとし、前記粒径の異なる単分散重合体微粒子の個数比が、大径粒子の個数N1、小径粒子の個数N2とした時、下記関係にあることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 100nm≦d1≦500nm
0.3≦d2/d1≦0.6 0.3≦N1/N2≦1.5
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーに関し、特にコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーと製造方法、及びそれを用いた画像形成装置に関するものである。
近年、複写機やプリンタなどの電子写真方式による画像形成技術の分野においても、デジタル技術が導入され、高画質化が進む中で、1200dpi(dpiとは、2.54cmあたりのドット数)レベルの微小なドット画像を、正確に画像再現する技術が必要になってきた。
このような微小画像を正確に再現する有力手段としてトナーの小粒径化が検討され、製造工程において物性を制御することが可能な、いわゆる重合トナーが注目されてきている。
又、近年の地球環境への配慮という観点から、画像形成装置の電力消費量を低減させる技術が検討され、この課題を解消する手段としても重合トナーが注目されている。その一例として、低融点のワックスを含有させた重合トナーにより、従来よりも低い温度で定着画像を形成することが可能な技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
一方、低温定着が可能なトナーは熱的安定性に難点を有する傾向があり、保管時や輸送時にトナー同士がくっついてしまうブロック化などの現象を発生することがあった。また、安定した画像形成を行う上で、着色剤やワックスなどの成分がトナー表面より露出しないようにトナーを設計する必要もあった。
このようなニーズから、着色剤粒子、ワックスを低軟化点の樹脂中に含有させてなるコア粒子表面に樹脂を被覆した、いわゆるコア・シェル構造のトナーが提案されるようになった(例えば、特許文献2参照)。
さらに、コア・シェル構造のトナーを作製する技術としては、上記の改良技術が種々開発され、又、粒子の作製方法として、例えば、重合体微粒子と着色剤粒子とを会合融着して作製したコア粒子の表面に重合体微粒子を融着させてコア・シェル構造を形成する技術も開発されている(例えば、特許文献3〜5参照)。
特開2001−42564号公報 特開2002−116574号公報 国際公開第98/25185号パンフレット 特開2004−191618号公報 特開2004−271638号公報
ところで、コア・シェル構造のトナーを安定に保管、輸送するには、高温環境におかれても軟化点の低いコアが外に流出しないように、シェルを設計する必要がある。具体的には、シェルをある程度厚くすることになるが、シェルが厚い分、定着時におけるコアの流出性が阻害され、低温での定着が困難になる傾向があった。
又、シェルの厚みにムラのある従来のトナーでは、帯電立ち上がり不良に起因すると推測されるトナー飛散やプリント画像上での画像カスレが見られ、安定した画像形成が阻害されていた。
本発明の目的は、シェルの厚みにムラがなく、帯電立ち上がり性がよく、トナー飛散やプリント画像上での画像カスレが見られない、安定した画像形成ができる静電荷像現像用トナーと製造方法、及びそれを用いた画像形成装置を提供することである。
本発明の発明者は、鋭意検討した結果、少なくとも樹脂および着色剤を含有してなるコア粒子表面に、シェル粒子を付着させたコア・シェル構造を有するトナーにおいて、薄くかつ膜厚ムラのない均一なシェル層を形成することにより、低Tgのコア粒子であっても低温定着性と耐熱保存性の両立が成されるばかりでなく、帯電安定性を確保できることを見いだし、さらに検討を進めた結果、本発明の構成に至った。
即ち、本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成することができる。
(1)
少なくとも重合体微粒子及び着色剤粒子を凝集、融着してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、予め作製されたコア粒子の上に質量平均粒子径d1及びd2が下記の関係にある粒径の異なる二種類の単分散重合体微粒子を凝集、融着させてシェルを形成してコア・シェル型トナーとし、前記粒径の異なる単分散重合体微粒子の個数比が、大径粒子の個数N1、小径粒子の個数N2とした時、下記関係にあることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
100nm≦d1≦500nm
0.3≦d2/d1≦0.6
0.3≦N1/N2≦1.5
(2)
少なくとも重合体微粒子及び着色剤粒子を凝集、融着してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、予め作製されたコア粒子の上に質量平均粒子径d1及びd2が下記の関係にある粒径の異なる二種類の単分散重合体微粒子を凝集、融着させてシェルを形成してコア・シェル型トナーとし、前記粒径の異なる単分散重合体微粒子の個数比が、大径粒子の個数N1、小径粒子の個数N2とした時、下記関係となる様にすることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
100nm≦d1≦500nm
0.3≦d2/d1≦0.6
0.3≦N1/N2≦1.5
(3)
(1)に記載の静電荷像現像用トナーを用いて静電荷像を現像し、トナー画像を形成後、記録材に転写して定着することを特徴とする画像形成装置。
本発明により、シェルの厚みにムラがなく、帯電立ち上がり性がよく、トナー飛散やプリント画像上での画像カスレが見られない、安定した画像形成ができる静電荷像現像用トナーと製造方法、及びそれを用いた画像形成装置を提供することが出来る。
以下、本発明について具体的に説明する。
コア・シェル構造を有するトナーにおいて、シェル層を形成する樹脂として単分散重合体微粒子を用いることにより薄くかつ膜厚ムラのない均一なシェル層を形成することが可能である。すなわち、単分散重合体微粒子を用いることでトナーコア表面に単分散重合体微粒子が配列することで膜厚ムラのない均一な層が形成できる。しかし、単分散重合体微粒子が配列すると粒子と粒子の間に隙間ができ、凝集熱融着して出来たシェル層が膜欠陥あるいは均一でない膜厚になり低温定着と耐熱保存性の両立がなされない。そこで、粒子と粒子の間の隙間を埋めるために、粒径の異なるより小さな単分散重合体微粒子を併用した結果、膜厚ムラのない均一なシェル層を形成することが可能となった。
粒径の異なる単分散重合体微粒子の粒径が大きい方の粒径d1は100nm≦d1≦500nm、粒径d1と小さい方の粒径d2の比は0.3≦d2/d1≦0.6を満たす必要がある。d1、d2が上記の条件を外れると、大粒子間の隙間への小粒子配列が不均一で、小さい粒径の単分散重合体微粒子が単独で配列し、薄くかつ膜厚ムラのない均一なシェル層を形成することができなくなる。
又、薄くかつ膜厚ムラのない均一なシェル層を形成するには、粒径の異なる単分散重合体微粒子の個数比が、大径粒子の個数N1、小径粒子の個数N2とした時、0.3≦N1/N2≦1.5である必要がある。
シェル粒子の添加量は、粒径の異なるシェル粒子のうち粒径の大きい粒子が、コア粒子を真球としたときの表面に最密充填されたときに1層から3層配向させることができる量を添加することが好ましい。すなわち下記式1によりコア粒子表面にシェル粒子が1層配向する時に必要なシェル粒子の個数が計算される。この個数よりシェル粒子の添加量が計算され、1層から3層配向させるのに必要な添加量が決定される。
Figure 2009151060
a:トナー粒子の半径 b:シェル粒子の半径
コア粒子表面に形成されるシェル層の厚さは、シェル粒子の粒径により決定される。シェル粒子を最密充填し1層から3層配向させたときの厚さで好ましくは100〜800nmであり、更に好ましくは150〜500nmである。シェル層が薄くても厚すぎても低温定着と耐熱保存性の両立がなされない。
更に、単分散重合体微粒子の粒度分布は狭く均一であることが好ましく、粒度分布の均一性を表す変動係数CV値が12%以下であることが好ましい。CV値とは単分散重合体微粒子の粒子径の標準偏差を平均粒子径で割った値(標準偏差σ/平均粒子径)である。粒子径の測定は、単分散重合体微粒子を走査型電子顕微鏡を用いて観察し重合体微粒子100個の粒子径を測定し求めた。CV値が12%以上になると粒子径分布が広く膜厚ムラのない均一なシェル層を形成することができにくいことがある。
本発明で使用される単分散重合体微粒子を製造する方法は、従来公知の方法を用いることができ特に限定されない。例えば、ソープフリー重合、マイクロチャネル、膜乳化法、インクジェットノズルによる吐出法等がある。その中で好ましくはソープフリー重合が用いられる。
〔本発明で用いられるトナー素材等〕
(1)結着樹脂
コア部を形成する樹脂およびシェル層を形成する樹脂は、スチレンーアクリル系共重合樹脂が好ましい。また、コア部を形成する樹脂を作製する単量体には、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の共重合体のガラス転移温度(Tg)を引き下げる重合性単量体を共重合することが好ましい。また、シェル層を形成する樹脂を作製するための単量体には、スチレン、メチルメタクリレート、メタクリル酸等の共重合体のガラス転移温度(Tg)を引き上げる重合性単量体を共重合することが好ましい。
本発明に係るトナーを構成する樹脂についてさらに詳しく説明する。
本発明に係るトナーのコアやシェルの構成に各々用いられる重合体(樹脂)としては、下記に記載のような重合性単量体を重合して得られた重合体を用いることが出来る。
本発明に係る樹脂は少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られた重合体を構成成分として含むものであるが、前記重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることがさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
(2)着色剤
本発明のトナーに使用する着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いる事ができる。
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、同156、同158、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いる事ができ、これらの混合物も用いる事ができる。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
着色剤粒子の添加方法としては、重合体微粒子を凝集剤の添加にて凝集させる段階で添加し重合体を着色する。なお、着色剤は表面をカップリング剤等で処理して使用することができる。
(3)ワックス(離型剤)
本発明に係るトナーに使用可能なワックスとしては、従来公知のものが挙げられる。具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
ワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
上記トナーの製造方法で使用可能な重合開始剤、連鎖移動剤及び界面活性剤について説明する。
(4)本発明に使用可能なラジカル重合開始剤
本発明に係るトナーを構成するコアやシェルを構成する樹脂は、前述の重合性単量体を重合して生成されるが、本発明に使用可能なラジカル重合開始剤には以下のものがある。具体的には、油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げられる。
また、乳化重合法で重合体微粒子を形成する場合は水溶性ラジカル重合開始剤が使用可能である。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
複合樹脂粒子を構成する樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく、例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素およびα−メチルスチレンダイマー等が使用される。
(5)分散安定剤
又、反応系中に重合性単量体等を適度に分散させておくために分散安定剤を使用することも可能である。分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができる。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することができる。
本発明に用いられる界面活性剤について説明する。
前述のラジカル重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
〔静電荷像現像用トナーの製造方法〕
次に、本発明に係る静電荷像現像用トナーの製造方法について説明する。
本発明に係るトナーは、たとえば、以下のような工程を経て作製されるものである。
(1)離型剤をラジカル重合性単量体に溶解或いは分散する溶解/分散工程
(2)重合体微粒子の分散液を調製するための重合工程
(3)水系媒体中で重合体微粒子と着色剤粒子を凝集、融着させてコア粒子(会合粒子)を得る凝集・融着工程
(4)会合粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整する第1の熟成工程
(5)コア粒子分散液中に、シェル用の重合体微粒子を添加してコア粒子表面にシェル用粒子を凝集、融着させてコア・シェル構造の着色粒子を形成するシェル化工程
(6)コア・シェル構造の着色粒子を熱エネルギーにより熟成して、コア・シェル構造の着色粒子の形状を調整する第2の熟成工程
(7)冷却された着色粒子分散液から着色粒子を固液分離し、当該着色粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(8)洗浄処理された着色粒子を乾燥する乾燥工程
また、必要に応じて乾燥工程の後に、
(9)乾燥処理された着色粒子に外添剤を添加する工程
を有する場合もある。上記工程については、後で詳述する。
本発明に係るトナーを製造する場合、先ず、重合体微粒子と着色剤粒子とを会合融着させてコアとなる粒子(以下コア粒子という)を作製する。次に、コア粒子分散液中に重合体微粒子を添加して、コア粒子表面にこの重合体微粒子を凝集、融着させることによりコア粒子表面を被覆してコア・シェル構造を有する着色粒子を作製する。このように、本発明に係るトナーは、各種製法で作製されたコア粒子の分散液中に、重合体微粒子を添加してコア粒子に融着させてコア・シェル構造のトナーを作製するものである。
本発明に係るトナーは前述してきたようにシェルの厚みが極めて薄くかつ膜厚が一定していることが特徴であり、シェル形成後は粒径の一定した小粒径で形状の揃ったトナーが好ましい。このような構造と形状を有するトナーを作製するためには、コア粒子は極めて粒径の揃った、均一な形状にしておき、そこにシェル用の重合体微粒子を添加してシェル化を行うことになる。そして、シェル化を行う時に最終的にトナーの形状制御を行って適切な形状を付与させるものであるが、それには粒径が揃った均一な形状を有するコア粒子を作製するのが最も重要である。この様なコア粒子であれば、その表面にシェルを形成する重合体微粒子が均一に付着し、結果として極めて均一な膜厚を有するトナー粒子を作製することが出来る。
本発明に係るトナーを構成するコア粒子は、重合体微粒子と着色剤粒子とを凝集、融着させる製法により作製される。コア粒子の形状は、たとえば、凝集・融着工程の加熱温度、第1の熟成工程の加熱温度と時間を制御することにより制御される。
この中で、第1の熟成工程における時間制御が最も効果的である。熟成工程は、会合粒子の円形度を調整することを目的としていることから、この時間を制御することにより、目的の円形度に到達する。
本発明に係るトナーを構成するコア部は、例えば、樹脂(A)を形成する重合性単量体に離型剤成分を溶解或いは分散させた後、水系媒体中に機械的に微粒分散させ、ミニエマルジョン重合法により重合性単量体を重合させる工程を経て形成した複合重合体微粒子と着色剤粒子とを後述する塩析/融着させる方法が好ましく用いられる。重合性単量体中に離型剤成分を溶かすときは、離型剤成分を溶解させて溶かしても溶融して溶かしてもよい。
以下、本発明に係わるトナーの各製造工程について説明する。
(1)溶解/分散工程
この工程では、ラジカル重合性単量体に離型剤化合物を溶解させて、離型剤化合物を混合したラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。
(2)重合工程
この重合工程の好適な一例においては、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、ワックスを溶解或いは分散含有したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤を添加し、当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。このような重合工程においては、機械的エネルギーを付与して強制的に乳化(液滴の形成)処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの強い撹拌又は超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
この重合工程により、ワックスと結着樹脂とを含有する重合体微粒子が得られる。かかる重合体微粒子は、着色された微粒子であってもよく、着色されていない微粒子であってもよい。着色された重合体微粒子は、着色剤粒子を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。又、着色されていない重合体微粒子を使用する場合には、後述する凝集・融着工程において、重合体微粒子の分散液に、着色剤粒子の分散液を添加し、重合体微粒子と着色剤粒子とを融着させることで着色粒子とすることができる。
(3)凝集・融着工程
前記融着工程における凝集、融着の方法としては、重合工程により得られた重合体微粒子(着色又は非着色の重合体微粒子)を用いた塩析/融着法が好ましい。また、当該凝集・融着工程においては、重合体微粒子や着色剤粒子とともに、離型剤微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子を凝集、融着させることができる。
なお、ここでいう「塩析/融着」とは、凝集と融着を並行して進め、所望の粒子径まで成長したところで、凝集停止剤を添加して粒子成長を停止させ、さらに、必要に応じて粒子形状を制御するための加熱を継続して行うことをいう。
前記凝集・融着工程における「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。ここに、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
着色剤粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤粒子の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。又、使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。尚、着色剤粒子は表面改質されていてもよい。着色剤粒子の表面改質法は、溶媒中に着色剤粒子を分散させ、その分散液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤粒子を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤粒子(顔料粒子)が得られる。
好ましい凝集、融着方法である塩析/融着法は、重合体微粒子と着色剤粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩及び3価の塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記重合体微粒子のガラス転移点以上であって、且つ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。
凝集、融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好ましい。この理由として明確では無いが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。また、塩析剤を添加する温度としては少なくとも重合体微粒子のガラス転移温度以下であることが必要である。この理由としては、塩析剤を添加する温度が重合体微粒子のガラス転移温度以上であると重合体微粒子の塩析/融着は速やかに進行するものの、粒径の制御を行うことができず、大粒径の粒子が発生したりする問題が発生する。この添加温度の範囲としては樹脂のガラス転移温度以下であればよいが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
また、塩析剤を重合体微粒子のガラス転移温度以下で加え、その後にできるだけ速やかに昇温し、重合体微粒子のガラス転移温度以上であって、かつ、前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱する。この昇温までの時間としては1時間未満が好ましい。更に、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては、0.25℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確では無いが、瞬時に温度を上げると塩析が急激に進行するため、粒径制御がやりにくいという問題があり、5℃/分以下が好ましい。この融着工程により、重合体微粒子及び任意の微粒子が塩析/融着されてなる会合粒子(コア粒子)の分散液が得られる。
(4)第1の熟成工程
そして、凝集・融着工程の加熱温度や特に第1の熟成工程の加熱温度と時間の制御することにより、粒径が一定で分布が狭く形成したコア粒子表面が平滑だが均一な形状を有するものになるように制御する。具体的には、凝集・融着工程で加熱温度を低めにして重合体微粒子同士の融着の進行を抑制させて均一化を促進させ、第1の熟成工程で加熱温度を低めに、かつ、時間を長くしてコア粒子の表面が均一な形状のものに制御する。
(5)シェル化工程
シェル化工程では、コア粒子分散液中にシェル用の重合体微粒子分散液を添加してコア粒子表面にシェル用の重合体微粒子を凝集、融着させ、コア粒子表面にシェル用の重合体微粒子を被覆させて着色粒子を形成する。
具体的には、コア粒子分散液は上記凝集・融着工程及び第1の熟成工程での温度を維持した状態でシェル用重合体微粒子の分散液を添加し、加熱撹拌を継続しながら数時間かけてゆっくりとシェル用重合体微粒子をコア粒子表面に被覆させて着色粒子を形成する。加熱撹拌時間は、1時間〜7時間が好ましく、3時間〜5時間が特に好ましい。
(6)第2の熟成工程
シェル化により着色粒子が所定の粒径になった段階で塩化ナトリウムなどの停止剤を添加して粒子成長を停止させ、その後もコア粒子に付着させたシェル用重合体微粒子を融着させるために数時間加熱撹拌を継続する。そして、シェル化工程ではコア粒子表面に厚さが100〜300nmのシェルを形成する。このようにして、コア粒子表面に重合体微粒子を固着させてシェルを形成し、丸みを帯び、しかも形状の揃った着色粒子が形成される。
本発明では、第2の熟成工程の時間を長めに設定したり、熟成温度を高めに設定することで着色粒子の形状を真球方向に制御することが可能である。
(7)冷却工程・固液分離・洗浄工程
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
この固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却された着色粒子の分散液から当該着色粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウエット状態にある着色粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
(8)乾燥工程
この工程は、洗浄処理されたケーキを乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥された着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理された着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(9)外添処理工程
この工程は、乾燥された着色粒子に必要に応じ外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
複合重合体微粒子の重量平均粒径(分散粒子径)は、10〜1000nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは30〜300nmの範囲とされる。
この重量平均粒径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定された値である。
〔本発明に係わる画像形成方法及び画像形成装置〕
本発明に係るトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよいが、二成分現像剤として特に好ましく用いられる。
次に、本発明に係るトナーが使用可能な画像形成方法について説明する。本発明に係るトナーは、たとえば、プリント速度が400mm/sec(A4用紙に換算して85枚/分の出力性能)レベルの高速の画像形成装置に使用される。具体的には、短時間で大量の文書をオンデマンドに作成ことが可能なプリンタなどが挙げられる。また、本発明では、定着ローラの温度を150℃以下、好ましくは130℃以下の温度にする画像形成方法に適用することも可能である。
これは、本発明に係るトナーがその表面を覆うシェルがうすいものでありながら十分な耐久性を有していることと、シェルがうすい分短時間で定着が行えるようになっていることによるとおもわれる。
図1は、本発明のトナーを使用することが可能な画像形成装置の一例で、その断面図を示すものである。
図1の画像形成装置は、転写工程後に感光体上に残存したトナーをクリーニング手段により回収し、回収したトナーを現像装置に再度供給してリサイクル使用するトナーリサイクル手段に相当する回収トナー搬送路を有する画像形成装置である。
図1中、10は静電潜像担持体である感光体ドラムで、例えば、有機感光体(OPC感光体)を導電性のドラム上に塗布したもので接地されて時計方向に駆動回転する。11はコロナ放電によって感光体ドラム10周面に負の一様な帯電を行いVHの電位を与えるスコロトロン帯電器である。スコロトロン帯電器11による帯電を行う前に、前プリントまでの感光体の履歴を除去するために感光体周面を除電する必要があり、帯電前露光手段に該当するPCL11Aで感光体周面を露光、除電する。
スコロトロン帯電器11による感光体ドラム10への一様帯電ののち、像露光手段に該当するレーザ書込み装置12により画像信号に基づいた像露光が行われる。この像露光はコンピュータ、または画像読取り装置から入力される画像信号を画像信号処理部によって処理を行ったのちレーザ書込み装置12に入力して像露光を行い、感光体ドラム10上に静電潜像を形成する。
レーザ書込み装置12は、図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転多面鏡12a、fθレンズ12b等を経て複数の反射鏡12dにより主走査を行うもので、感光体ドラム10の回転により副走査が行われて静電潜像が形成される。本実施例では、画像部に対して上記画像信号に基づいて露光を行い、露光部が電位の絶対値が低いVLになる反転潜像を形成する。
感光体ドラム10周縁には、負に帯電した導電性の本発明に係るトナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を内蔵した現像手段に該当する現像装置14が設けられる。現像装置14では、内蔵された磁石体により現像剤が保持され、回転する現像スリーブにより反転現像が行われ、感光体ドラム10上にトナー画像が形成される。さらに、感光体ドラム10上に形成されたトナー画像は、転写手段に該当する転写ローラ16aにより、転写材P上に転写される。
次いで、トナー画像が転写された転写材Pは、わずかの間隙をもって配置された尖頭電極16cにより除電され、感光体ドラム10周面より分離して、定着手段に該当する定着装置17に搬送される。定着装置17では、加熱ローラ17aと加圧ローラ17bの加熱・加圧によりトナー像が溶融して転写材P上に固定された後、排出ローラによりトレイ部54に排出される。
なお、転写ローラ16aは転写材Pの通過後より次のトナー像転写時までの間、感光体ドラム10周面より退避離間している。
一方、転写材Pにトナー像を転写した感光体ドラム10は、交流コロナ放電器を用いた除電器19により除電を受けたのち、感光体クリーニング手段に該当するクリーニング装置20で残留トナーの除去が行われる。すなわち、感光体ドラム10に当接したゴム材からなるクリーニングブレード20aにより、周面上の残留トナーはクリーニング装置20内に掻き落とされ、掻き落とされた回収トナーはスクリュー等を内蔵した回収トナー搬送路21により現像装置14に送られる。
クリーニング装置20により残留トナーが除去された感光体ドラム10は、PCL11Aで露光を受けたのち帯電器11により一様帯電を受け、次の画像形成サイクルに入る。
図2は、図1の画像形成装置に使用可能な定着装置17の一例を示す断面図であり、加熱ローラ17aとこれに当接する加圧ローラ17bとを備えている。なお、図2において、Tは転写紙(画像形成支持体)P上に形成されたトナー像である。
加熱ローラ17aは、フッ素樹脂または弾性体からなる被覆層171が芯金172の表面に形成され、線状ヒーターよりなる加熱部材173を内包している。
芯金172は、金属から構成され、その内径は10mm〜70mmとされる。芯金172を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅等の金属あるいはこれらの合金を挙げることができる。
芯金172の肉厚は0.1mm〜15mmとされ、省エネルギーの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
被覆層171を構成するフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)およびPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などが挙げられる。
フッ素樹脂からなる被覆層171の厚みは10μm〜500μmとされ、好ましくは20μm〜400μmである。また、被覆層171を構成する弾性体としては、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムなどが挙げられる。被覆層171を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とされる。また、弾性体からなる被覆層171の厚みは0.1mm〜30mmとされ、好ましくは0.1mm〜20mmとされる。
加熱部材173は、ハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ローラ17bは、弾性体からなる被覆層174が芯金175の表面に形成されてなる。被覆層174を構成する弾性体は特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの各種軟質ゴムおよびスポンジゴムを挙げられ、被覆層174を構成するものとして例示したシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムを用いることが好ましい。被覆層174を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは70°未満、更に好ましくは60°未満とされる。また、被覆層220の厚みは0.1mm〜30mmとされ、好ましくは0.1〜20mmとされる。
芯金175を構成する材料としては特に限定されるものではないが、アルミニウム、鉄、銅などの金属またはそれらの合金を挙げることができる。
加熱ローラ17aと加圧ローラ17bとの当接荷重(総荷重)は、通常40N〜350Nとされ、好ましくは50N〜300N、さらに好ましくは50N〜250Nである。この当接荷重は、加熱ローラ17aの強度(芯金110の肉厚)を考慮して規定され、例えば0.3mmの鉄よりなる芯金を有する加熱ローラにあっては、250N以下とすることが好ましい。
また、耐オフセット性および定着性の観点から、ニップ幅としては4mm〜10mmであることが好ましく、当該ニップの面圧は0.6×105Pa〜1.5×105Paであることが好ましい。
なお、本発明に係る画像形成装置は、加熱ロール方式の定着装置の代わりに誘導加熱方式の定着装置を使用することも可能である。
本発明に使用される転写材Pは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、記録材或いは転写紙と通常よばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙や上質紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものはない。
〔着色剤粒子分散液の調製例1〕
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に撹拌、溶解し、C.I.Pigment Blue 15:3;25質量部を徐々に添加し、次いで、「クリアミックスWモーションCLM−0.8」(エムテクニック杜製)を用いて分散して体積基準のメジアン径が158nmである着色剤粒子〔1〕を含有する着色剤粒子分散液〔1〕を得た。
なお、体積基準のメジアン径は「MICROTRAC UPA 150」(HONEYWELL社製)により下記の測定条件で測定したものである。
[測定条件]
・サンプル屈折率:1.59
・サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
・溶媒屈折率:1.33
・溶媒粘度:30℃にて0.797Pa.s、20℃にて1.002Pa.s
・測定セルにイオン交換水を入れ、ゼロ点調整を行った。
〔着色剤粒子分散液の調製例2〕
着色剤粒子分散液の調製例におけるC.I.Pigment Blue 15:3をC.I.Pigment Red 122に変更した以外は同様に着色剤粒子分散液を調製し、体積基準のメジアン径が183nmである着色剤粒子〔2〕を含有する着色剤粒子分散液〔2〕を得た。
〔着色剤粒子分散液の調製例3〕
着色剤粒子分散液の調製例におけるC.I.Pigment Blue 15:3をC.I.Pigment Yellow 74に変更した以外は同様に着色剤粒子分散液を調製し、体積基準のメジアン径が176nmである着色剤粒子〔3〕を含有する着色剤粒子分散液〔3〕を得た。
〔着色剤粒子分散液の調製例4〕
着色剤粒子分散液の調製例におけるC.I.Pigment Blue 15:3をMogul Lに変更した以外は同様に着色剤粒子分散液を調製し、体積基準のメジアン径が171nmである着色剤粒子〔4〕を含有する着色剤粒子分散液〔4〕を得た。
〔コア形成用重合体粒子の調製例1〕
1)第1段重合(核粒子の形成):
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に下記式(P)で表されるアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム;KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン532質量部、n−ブチルアクリレート200質量部、メタクリル酸68質量部、n−オクチルメルカプタン16.4質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたって加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行い、核粒子の分散液であるラテックス〔A1〕を調製した。このラテックス〔A1〕中の核粒子の重量平均分子量(Mw)は16,500であった。
式(P):C1021(OCH2CH22SO3Na
2)第2段重合(中間層の形成):
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン111.2質量部、n−ブチルアクリレート52.2質量部、メタクリル酸12.3質量部、n−オクチルメルカプタン1.75質量部からなる単量体混合液に、離型剤として、パラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製)93.8質量部を添加し、80℃に加温して溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、上記式1で表されるアニオン系界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤溶液を80℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、上記のラテックス〔A1〕を固形分換算で32.8質量部添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エムテクニック社製)により、前記離型剤の単量体溶液を30min混合分散させ、分散粒子径340nmの乳化粒子(油滴)を含有する分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この分散液に、重合開始剤(KPS)6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたって加熱、撹拌することにより重合(第2段重合)を行い、ラテックス〔A2〕を調製した。このラテックス〔A2〕の重量平均分子量(Mw)は24,000であった。
3)第3段重合(外層の形成):
上記のようにして得られた樹脂粒子〔A2〕に、重合開始剤(KPS)5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン327質量部、n−ブチルアクリレート103質量部、n−オクチルメルカプタン7.08質量部からなる単量体混合液を1時間かけて満下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱、撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、多層構造を有する複合樹脂粒子よりなるコア形成用樹脂粒子〔A〕の分散液であるラテックス〔A3〕を得た。このコア形成用樹脂粒子〔A〕の重量平均分子量(Mw)は26,800であった。また、このコア形成用樹脂粒子〔A〕を構成する複合樹脂粒子の質量平均粒径は134nmであった。また、このコア形成用樹脂粒子〔A〕のガラス転移点温度(Tg)は39.6℃であった。
〔シェル形成用重合体粒子1〜13〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた1Lの反応容器にイオン交換水a質量部とパラスチレンスルホン酸ナトリウムb質量部とメタノールc質量部とアニオン系界面活性剤(式(P))d部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を70℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、スチレン111.2質量部、n−ブチルアクリレート35.2質量部、メタクリル酸13.6質量部、n−オクチルメルカプタン4.5質量部を添加し、重合開始剤(過硫酸カリウム;KPS)3質量部をイオン交換水40質量部に溶解させた水溶液を添加し、この系を75℃にて10時間にわたって加熱、撹拌することによってシェル形成用樹脂粒子〔x〕を調製し、下記表1に示した。
表1の記載におけるシェル形成用樹脂粒子〔x〕の重量平均分子量(Mw)はeであった。また、シェル形成用樹脂粒子〔x〕を構成する複合樹脂粒子の個数平均粒径はfnmであり、Cv値g%であった。また、このシェル形成用樹脂粒子〔x〕のガラス転移点温度(Tg)はh℃であった。
Figure 2009151060
〔トナー1〜16、比較トナー1〜12作製例〕
1)コア粒子の形成:
上記のコア形成用樹脂粒子〔A〕のラテックス〔A3〕を固形分換算で420質量部と、イオン交換水900質量部と、着色剤微粒子分散液〔1〕200質量部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温した。その状態で「コールターカウンターTA−II」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム20質量部をイオン交換水100質量部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温度70℃にて1時間にわたって加熱撹拌することにより融着を継続させ、コア粒子〔1〕を形成した。このコア粒子〔1〕の円形度を「FPIA2000」(システックス社製)にて測定したところ、その平均値は0.915であった。
2)シェル層の形成:
次いで、70℃においてシェル形成用重合体粒子〔A〕のラテックスi質量部とシェル形成用重合体粒子〔B〕のラテックスj質量部を添加し、さらに塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、10分間かけて添加した後、75℃(シェル化温度)まで昇温し、1時間にわたって撹拌を継続し、コア粒子の表面に、シェル形成用樹脂粒子を融着させた後、塩化ナトリウム50質量部をイオン交換水250質量部に溶解した水溶液を加え、75℃で1時間熟成処理を行い、シェル層を形成させた。
その後、6℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コア粒子の表面にシェル層が形成されたトナー1を作製した。
〔トナーの作製例2〜16,比較用トナーの作製例1〜12〕
トナー1の作製例において、シェル形成用樹脂粒子、シェル形成用樹脂粒子添加部数をそれぞれ下記表に記載の通り変更したことの他は同様にしてトナー2〜16および比較用トナー1〜12を作製した。
Figure 2009151060
Figure 2009151060
Figure 2009151060
〔トナー粒子の外添剤処理〕
次いで、上記で作製した「トナー1〜16」及び「比較用トナー1〜12」の各々に疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1質量%添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合した。その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去し外添剤添加済の「トナー1〜16」「比較用トナー1〜12」を調製した。
〔トナー評価〕
上記で作製した「トナー1〜16」及び「比較用トナー1〜12」を用いて下記評価を行った。なお、評価基準の◎と○を合格、×を不合格とする。
〈プリント画像の作成〉
プリント画像は、プリント画像電子写真方式を採用する市販の複合機「Sitios9331」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を用い、線速を280mm(約50枚/分)に、現像ローラーを外径9mmに、定着機を図4の構成をとる定着装置(ベルト180と加熱ローラを用いたタイプ)に変更してプリントを行い、プリント画像を作成した。複合機の機内の状態、プリント画像を下記項目について評価を行った。
〈帯電速度〉
帯電速度は、トナーを現像装置に供給したときの帯電立ち上がり性能で評価した。具体的には、画素率が75%と画像部の多い原稿を用い、トナー消費量(供給量)が著しく多いプリントモードで1000枚のプリント打ち出しを行った後、帯電立ち上がり不良による機内のトナー飛散の状態と、プリント画像の画像カスレの程度を目視により評価した。
評価基準
◎:機内のトナー汚れ、プリント画像のカスレ共に全くない
○:機内のトナー汚れはないが、プリント画像の後端に軽微なカスレあり(実用可)
×:機内のトナー汚れ、プリント画像のカスレあり(実用上問題あり)
〈画像保持性〉
画像保持性は、高温高湿(30℃、90%RH)に72時間放置した現像剤を現像器に投入してプリントを行い、そのプリント画像を目視で評価した。なお、原稿としては、写真画像、文字およびハーフトーン画像を有するものを用いた。
評価基準
◎:階調性変動が目視で確認されない
○:淡色(ハーフトーン)、写真画像が暗く感じるが実用上問題なし
×:3ポイントの文字「e」の判別ができず、実用上問題
尚、本発明における帯電安定性の良否は、帯電速度と画像保持性の総合した特性と考えられる。
〈耐熱保管性〉
トナー0.5gを内径21mmの10mlガラス瓶に取り蓋を閉めて、タップデンサーKYT−2000(セイシン企業製)で室温にて600回振とうした後、蓋を取った状態で55℃、35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながらのせて、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)にセットし、押さえバー、ノブナットで固定し、送り幅1mmの振動強度に調整し、10秒間振動を加えた後、篩上の残存したトナー量の比率(質量%)を測定した。
トナー凝集率は下記式により算出される値である。
(トナー凝集率(%))=(篩上の残存トナー質量(g))/0.5(g)×100
下記に記載の基準によりトナーの耐熱保管性の評価を行った。
◎:トナー凝集率が15質量%未満(トナーの耐熱保管性が極めて良好)
○:トナー凝集率が20質量%以下(トナーの耐熱保管性が良好)
×:トナー凝集率が20%を超える(トナーの耐熱保管性が悪く、使用不可)
〈最低定着温度〉
上記評価機の定着装置の加熱ローラー表面温度を、紙表面温度が80〜150℃の範囲内で10℃刻みで変化するように変更し、各変更温度でトナー画像を定着して定着画像を作製した。なお、プリント画像の作成に当たっては、A4版サイズの上質紙(80g/m2)を使用した。
定着して得られたプリント画像の定着強度を、「電子写真技術の基礎と応用:電子写真学会編」第9章1.4項に記載のメンディングテープ剥離法に準じた方法を用いて定着率により評価した。
具体的には、トナーの付着量が0.6mg/cm2である2.54cm角のベタ黒プリント画像を作製した後、「スコッチメンディングテープ」(住友3M社製)で剥離する前後の画像濃度を測定し、画像濃度の残存率を定着率として求めた。
定着率が95%以上得られた「転写材(紙)表面温度」を最低定着温度とする。なお、転写材(紙)表面温度は非接触温度計で測定した。なお、画像濃度は反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)で測定した。
評価基準
◎:最低定着温度100℃未満での定着が可能
○:最低定着温度100℃以上、130℃未満での定着が可能
×:最低定着温度130℃以上での定着が可能
Figure 2009151060
表5より明らかな如く、本発明内の実施例1〜18はいずれの特性も良好であるが、本発明外の比較例1〜10は少なくともいずれかの特性に問題があることがわかる。
本発明のトナーを使用する画像形成装置の一例の断面図。 本発明の画像形成装置に使用可能な定着装置の一例を示す断面図。
符号の説明
10 感光体ドラム
12 レーザ書込み装置
12a 回転多面鏡
14 現像装置
16a 転写ローラ
P 転写材

Claims (3)

  1. 少なくとも重合体微粒子及び着色剤粒子を凝集、融着してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、予め作製されたコア粒子の上に質量平均粒子径d1及びd2が下記の関係にある粒径の異なる二種類の単分散重合体微粒子を凝集、融着させてシェルを形成してコア・シェル型トナーとし、前記粒径の異なる単分散重合体微粒子の個数比が、大径粒子の個数N1、小径粒子の個数N2とした時、下記関係にあることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    100nm≦d1≦500nm
    0.3≦d2/d1≦0.6
    0.3≦N1/N2≦1.5
  2. 少なくとも重合体微粒子及び着色剤粒子を凝集、融着してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、予め作製されたコア粒子の上に質量平均粒子径d1及びd2が下記の関係にある粒径の異なる二種類の単分散重合体微粒子を凝集、融着させてシェルを形成してコア・シェル型トナーとし、前記粒径の異なる単分散重合体微粒子の個数比が、大径粒子の個数N1、小径粒子の個数N2とした時、下記関係となる様にすることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
    100nm≦d1≦500nm
    0.3≦d2/d1≦0.6
    0.3≦N1/N2≦1.5
  3. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを用いて静電荷像を現像し、トナー画像を形成後、記録材に転写して定着することを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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