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JP2009034857A - タイヤ構成部材の製造装置及び製造方法 - Google Patents

タイヤ構成部材の製造装置及び製造方法 Download PDF

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JP2009034857A JP2007199573A JP2007199573A JP2009034857A JP 2009034857 A JP2009034857 A JP 2009034857A JP 2007199573 A JP2007199573 A JP 2007199573A JP 2007199573 A JP2007199573 A JP 2007199573A JP 2009034857 A JP2009034857 A JP 2009034857A
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Abstract

【課題】加硫時にタイヤ内のプライコードに作用する張力を低下させ、ビード部に不良が発生するのを抑制する。
【解決手段】一定長に切断されたプライコードCの両端部を保持して、プライコードCを、剛性コア21の外面のトレッド成型部22からビード成型部24に向かって、剛性コア21の子午線に沿って配置するように移動させて、剛性コア21外面の被貼付体に貼り付ける。その際、剛性コア21を周方向の両方向に交互に回転させ、プライコードCのサイド成型部23付近に配置される一部を、剛性コア21の子午線に対して周方向に変位させ、剛性コア21側面の被貼付体上に、湾曲形状や波状形状等に弛ませながら配置して貼り付ける。
【選択図】 図2

Description

本発明は、タイヤ構成部材を製造する製造装置及び製造方法に関し、特に、製品タイヤの内面形状に対応する外面形状を有する剛性(剛体)コアやタイヤ成型ドラム等の支持体(ここでは、それらを総称して「タイヤ構成部材の支持体」という)の外面に配置した後述する被貼付体に、一定長に切断されたプライコードを配置して貼り付ける装置を備えたタイヤ構成部材の製造装置及び同製造方法に関する。
各種の車両に使用される空気入りタイヤ等のタイヤは、一般に、カーカスプライやビードコア等の複数の部材から構成され、これら未加硫ゴムやコード等からなる各種タイヤ構成部材を組み合わせて未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)を成型し、加硫成型して所定形状の製品タイヤが製造される。
この未加硫タイヤの成型工程では、従来、剛性コアの外面に、インナーライナ等のタイヤ内面側部材を配置して仕掛かりのタイヤ構成部材(ここでは、「被貼付体」という)を形成し、その外表面上に未加硫ゴムで被覆したゴム被覆コード(タイヤ構成用コード)を貼り付ける等してタイヤ構成部材であるカーカスプライを形成することが行われている。また、そのためのものとして、このカーカスプライを構成するタイヤ構成用コード(プライコード)を一定長に切断し、剛性コア外面の被貼付体上に複数配列させてカーカスプライを形成するタイヤ構成部材の製造装置(製造方法)も知られている(特許文献1参照)。
この従来のタイヤ構成部材の製造装置は、一定長に切断されたプライコードの両端部をコード保持手段で保持して長手方向に張力を付加し、その状態で、コード保持手段を剛性コアの外面形状に対応させて剛性コアの半径方向内側及び軸線方向内側へ移動させ、プライコードを剛性コア外面の子午線方向に沿って被貼付体に配置する。このように、プライコードを1本ずつ、剛性コアの一対のビード成型部(半径方向内側部)間に亘って配置して植え込み、これを剛性コアの周方向に沿って順次繰り返して複数配列させ、プライコードを被貼付体外面の略全体に亘って放射状に貼り付ける等してカーカスプライを形成(製造)する。
ここで、この従来の製造装置では、各プライコードの配置中は剛性コアの回転等は行わず、各プライコードは、常に剛性コアの中心軸線に向かって子午線に沿うように被貼付体に配置され、その外面に対して放射状の各位置に貼り付けられる。そのため、このようにして成型された未加硫タイヤでは、後工程の加硫工程において、加硫中の内圧によるタイヤ膨張(拡張)に伴い、一対のビードコア間のプライコードに引き伸ばされる方向の力が作用し、プライコードが引っ張られて比較的大きな張力が作用する傾向がある。
即ち、上記した従来の製造装置では、剛性コアの外面側にプライコードを含む各タイヤ構成部材を順次積層等して未加硫タイヤを成型した後、未加硫タイヤを剛性コアから取り外して周知のブラダー式の加硫機で加硫する場合に、その際のブラダーの内圧により加硫中のタイヤが膨張する。また、他の加硫機、例えば特許文献2に記載されたものでは、加圧一次作動流体により、加硫用金型内に画定される成形キャビティの壁に対し、未加硫タイヤの外面を押圧する際に、加圧一次作動流体の圧力によりタイヤが膨張する。
このように、圧力の付加の仕方や加硫方式等に関わらず、未加硫タイヤをタイヤ内面に圧力を付加しつつ加硫する場合等、加硫中のタイヤに膨張が生じるものでは、剛性コアの子午線に沿って配置した各プライコードに上記した張力が作用する。その結果、このタイヤでは、加硫時に、ビード部のプライコードが他方側のビード部側に引っ張られて、それぞれビードコアから引き抜かれる方向の力が作用し、プライコードがビードコアから引き抜けたり、或いは、その端部(切断端)が移動して配置位置が変動等する恐れがある。同時に、この張力によるプライコードの移動や伸び等に伴い、例えばワイヤーチェーファ等の、プライコードの近傍に配置される部材が、当初の配置位置から移動又は変位して位置ずれし、セット位置不良が発生する等、ビード部を中心に不良が発生する恐れがある。
このような問題は、ビード部の構造に関係なく発生するものであり、例えばプライコード(カーカスプライ)の端部をビードコア周りに折り返してタイヤ半径方向外側に向かって巻き上げるように配置した巻上構造のビード部や、折り返したプライコードの端部をビードコアの外面に巻き付けるように配置した巻付構造(ビードワインド構造)のビード部、又は、折り返し等を行わずにプライコードの端部を一対の分割型のビードコアで挟み込んで係止した挟込構造のビード部等、種々のビード部構造等のタイヤで同様に発生する恐れがある。従って、このようにプライコードを被貼付体に順次配置して成型するタイヤでは、そのビード部の構造等を問わず、加硫時にプライコードに作用する張力を低下させて、ビード部を中心とした上記問題の発生を抑制する必要がある。
特開2006−142669号公報 特表2006−506254号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、タイヤ構成部材の支持体上の被貼付体に貼り付けたプライコードに作用する加硫時のタイヤ膨張に伴う張力を低下させ、ビード部のプライコードの引き抜けや、プライコード近傍に配置される部材にセット位置不良が生じるのを防止して、ビード部に不良が発生するのを抑制することである。
請求項1の発明は、タイヤ構成部材の支持体の外面に配置した被貼付体にプライコードを貼り付けてタイヤ構成部材を製造するタイヤ構成部材の製造装置であって、一定長に切断された前記プライコードの両端部を保持するコード保持手段と、該コード保持手段により保持されたプライコードを前記支持体の外面の子午線方向に沿って配置するように、前記コード保持手段を前記支持体の半径方向及び軸線方向へ移動させる移動手段と、該移動手段により移動する前記コード保持手段で前記プライコードを前記被貼付体の外面側に配置中に、前記コード保持手段を前記支持体の周方向に相対変位させる変位手段と、を備え、該変位手段により前記移動するコード保持手段を相対変位させ、前記プライコードの一部を前記支持体の子午線に対して変位させて前記被貼付体上に配置することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載されたタイヤ構成部材の製造装置において、前記変位手段は、前記支持体を軸線周りに回転させて前記コード保持手段を前記支持体の周方向に相対変位させることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載されたタイヤ構成部材の製造装置において、前記変位手段は、前記コード保持手段を前記支持体の周方向の一方向に、又は両方向に相対変位させることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載されたタイヤ構成部材の製造装置において、前記変位手段による前記コード保持手段の相対変位のタイミング、及び/又は、変位速度、及び/又は、変位量、及び/又は、変位方向が変更可能に構成されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、タイヤ構成部材の支持体の外面に配置した被貼付体にプライコードを貼り付けてタイヤ構成部材を製造するタイヤ構成部材の製造方法であって、一定長に切断された前記プライコードの両端部を保持する工程と、該保持されたプライコードを前記支持体の外面のトレッド成型部から子午線方向に沿うように前記被貼付体の外面側に配置する工程と、該配置途中のプライコードの配置位置を前記支持体の周方向に相対変位させる工程と、を有し、前記プライコードの一部を前記支持体の子午線に対して周方向に変位させて前記被貼付体上に配置することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載されたタイヤ構成部材の製造方法において、前記相対変位させる工程は、前記プライコードの配置位置を前記支持体の周方向の一方向に、又は両方向に相対変位させることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5に記載されたタイヤ構成部材の製造方法において、前記相対変位させる工程は、前記プライコードの前記支持体の子午線に対して周方向に変位する前の位置と端部側の位置とが、前記支持体の同じ子午線上に位置するように、前記プライコードの配置位置を前記支持体の周方向の両方向に相対変位させることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項5ないし7のいずれかに記載されたタイヤ構成部材の製造方法において、前記相対変位させる工程は、前記プライコードが少なくとも前記支持体のトレッド成型部の前記被貼付体上に配置された後に前記プライコードの配置位置の相対変位を開始することを特徴とする。
本発明によれば、タイヤ構成部材の支持体上の被貼付体に貼り付けたプライコードに作用する加硫時のタイヤ膨張に伴う張力を低下させることができ、ビード部のプライコードの引き抜けや、プライコード近傍に配置される部材にセット位置不良が生じるのを防止して、ビード部に不良が発生するのを抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のタイヤ構成部材の製造装置は、タイヤ構成部材の支持体である剛性コアと、その外面に配置した被貼付体に、カーカスプライを構成する上記したプライコード(カーカスコード)を配置して貼り付けるプライコード配置装置(貼付装置)等を備えている。また、この製造装置は、ゴム被覆コードを一定長に切断等して形成したタイヤ構成用コードである複数のプライコードを、被貼付体に貼り付けて配列させる等して、タイヤ構成部材であるカーカスプライを形成及び製造するものであり、他の周知の構成と共に未加硫タイヤの成型装置を構成する。
図1は、本実施形態のタイヤ構成部材の製造装置が備えるプライコード配置装置(以下、コード配置装置という)を模式的に示す平面図である。
本実施形態のコード配置装置1は、基本的には上記した特許文献1に記載されたもの(コード貼付装置)と同じ構造である。即ち、このコード配置装置1は、図示のように、フレーム2と、フレーム2の一端に設けられたモータ3と、フレーム2に移動可能に取り付けられた一対のマニピュレータ4A、4Bと、フレーム2に対してマニピュレータ4A、4Bの反対側に配置され、フレーム2をその長手方向と直交する方向に進退可能にする可動機構5等から構成されている。なお、コード配置装置1は、フレーム2の長手方向の中心を通る中心線Pを挟んで略対称に構成され、その図示右側に、剛性コア(図1では図示せず)が中心線P上に配置される。
可動機構5は、本発明の移動手段の一部を構成し、支持部材51と、支持部材51に移動可能に支持された一対のガイド部材52と、一端が支持部材51に固定され、他端から進退するピストンロッド53の先端がフレーム2の側面に固定されたエアシリンダ54とから構成され、フレーム2を、ガイド部材52を介して支持部材51により支持している。可動機構5は、ピストンロッド53をエアシリンダ54内から進退させて左右に移動させることで、フレーム2を、その長手方向と直交する方向(図では左右方向)にガイド部材52により案内して進退(移動)させる。ただし、可動機構5を、ピストン・シリンダ機構に代えて、他の駆動機構、例えばモータとボールネジ伝動機構や歯車伝動機構等を用いて構成し、これによりフレーム2を移動させることもできる。
このフレーム2内には、ネジ杆31が、モータ3により正逆回転可能に配置され、その長手方向の中央部を挟んだ両側には、互いに逆回りに旋回するネジ溝からなる左ネジ31Aと右ネジ31Bとが形成されている。また、これら各ネジ31A、31Bには、それぞれ内部にボールナットを有するスライダ32A、32Bが螺合して取り付けられ、スライダ32A、32Bの一方側(図では右側)には、それぞれ同じ方向に向かって伸びる一対のマニピュレータ4A、4Bの固定部(基端部)41A、41Bが固定されている。従って、モータ3によりネジ杆31を正逆回転させると、スライダ32A、32B及び、一対のマニピュレータ4A、4Bが、中心線Pを挟んでフレーム2の長手方向に互いに接近及び離隔し、同期して同じ距離だけ移動する。
マニピュレータ4A、4Bは、中心線Pに対して向きが反対な同じ構成を有しており、それぞれ固定部41A、41Bに取り付けられた一対の第1アーム6A、6B及びエアシリンダ7A、7Bと、板状の第2アーム8A、8Bと、プライコードの保持手段を構成するハンド9A、9Bと、ハンド9A、9Bの先端(自由端)に設けられた、プライコードを掴んで保持するフィンガーチャック10A、10B、及びエアシリンダのピストンロッド等により進退する押付け部材11A、11Bと、を有する。
第1アーム6A、6Bは、それぞれ一端がスライダ32A、32Bと一体の固定部41A、41Bに固定され、他端に板状の第2アーム8A、8Bが回転軸14A、14Bを介して回転自在に取り付けられている。エアシリンダ7A、7Bは、それぞれ一端が固定部41A、41Bの第1アーム6A、6Bに隣接する位置に回転可能に取り付けられ、そのピストンロッド12A、12Bの先端には第2アーム8A、8Bが回転軸13A、13Bを介して回転自在に取り付けられている。これらに対し、ハンド9A、9Bは、それぞれ一端が回転軸15A、15Bを介して第2アーム8A、8Bの先端に回転可能に取り付けられ、他端側の自由端側に、プライコードを挟み込み可能な一対の挟込部材からなる互いに対をなすフィンガーチャック10A、10B、及びプライコードの押付け部材11A、11Bが、それぞれ隣接して設けられている。
また、このハンド9A、9Bは、それぞれフィンガーチャック10A、10Bの開閉と、押付け部材11A、11Bの進退を行うためのエアシリンダ等の各駆動手段(図示せず)を内蔵している。フィンガーチャック10A、10Bは、この駆動手段によりそれぞれ連動して駆動され、上記した一定長に切断されたプライコードの両端部を掴んで保持及び開放するコード保持手段を構成している。一方、押付け部材11A、11Bは、上記した駆動手段により進退して、各フィンガーチャック10A、10Bにより保持されたプライコードに接触しない位置と接触して押圧する位置との間で移動し、その両端部を対向する部材に押し付ける押付け手段を構成している。即ち、押付け部材11A、11Bは、例えばプライコードの各端部を、剛性コアのビード成型部に向かって押し付けて被貼付体の表面等に貼り付け、又は各端部を保持するための一対の端部保持部材の所定位置に同様に貼り付ける等、プライコードの両端部の所定位置への貼り付け等を行う。
マニピュレータ4A、4Bは、これら第1アーム6A、6B、エアシリンダ7A、7B、及び第2アーム8A、8B等により、一対のリンク機構を構成し、エアシリンダ7A、7Bのピストンロッド12A、12Bを進退させることにより、第2アーム8A、8Bをそれぞれ回転軸14A、14Bを中心に時計方向又は反時計方向に回転させる。その際、マニピュレータ4A、4Bは、ピストンロッド12A、12Bを同期して進退させ、回転軸15A、15B間の間隔、つまり、第2アーム8A、8Bの先端側及びハンド9A、9Bの間隔を接近又は離隔させて、フィンガーチャック10A、10B及び押付け部材11A、11Bを同期して移動させる。このようにして、マニピュレータ4A、4Bは、フィンガーチャック10A、10B間の間隔を調整し、フィンガーチャック10A、10Bにより保持するプライコードに対して、その長手方向に張力を付加するとともに、付加する張力を調整する。
以上に加えて、コード配置装置1は、装置全体の制御を行う制御手段である制御装置60を備えている。制御装置60は、例えば、各種のデータ処理や解析、演算等を行う中央演算処理装置(CPU)61や、各種の制御プログラム等を格納するROM62、及びCPU61の処理用データ等を一時的に格納等するRAM63等を備えたマイクロコンピュータから構成されている。また、制御装置60は、外部機器との接続のためのインターフェース(図示せず)等を有し、それらを介して、モータ3、可動機構5、及びマニピュレータ4A、4B等の装置の各部やセンサ等に接続されるとともに、剛性コア等の未加硫タイヤの成型時に使用される他の装置等にも接続され、それらとの間で制御信号を含む各種信号(データ)を送受信する。即ち、この制御装置60は、コード配置装置1を含めたタイヤ成型装置全体の制御を行い、所定のプログラムに基づいて接続された各部を予め設定されたタイミングで関連動作させる等、装置各部を連動して作動させて、プライコードの剛性コアへの配置を含む貼り付け動作(工程)等からなるタイヤ成型工程を実行させる。
図2は、このコード配置装置1により1本のプライコードCを剛性コア21の外面側に配置する動作を示す模式図であり、図3は、このプライコードCの配置手順を示すフローチャートである。
なお、図2では、剛性コア21は軸線方向(図では上下方向)の断面の一方側を拡大して、コード配置装置1はマニピュレータ4A、4Bの先端側(図1の右側)のみ、それぞれ示している。また、コード配置装置1による、プライコードCの剛性コア21への配置動作については、第2アーム8A、8Bや、ハンド9A、9B、及びフィンガーチャック10A、10Bに掴まれたプライコードC等の軌跡により示している。
ここで、プライコードCは、少なくとも1本のスチールや有機繊維等のコードを未加硫ゴムで被覆する等して形成された線状部材であり、図示しない切断手段により、剛性コア21(製造するタイヤ)のサイズや種類、又は後述する配置パターン等に対応する所定長さの一定長に切断されてコード配置装置1に1本ずつ供給される。また、コード配置装置1のフレーム2の長手方向の中心線Pと、剛性コア21の赤道面Eとは、互いに一致するように配置されており、マニピュレータ4A、4B等も剛性コア21の赤道面Eを挟んで対称に配置されている。更に、図示は省略するが、剛性コア21の外面には、上記した被貼付体を貼り付ける等して配置済みであり、コード配置装置1は、この被貼付体にプライコードCを1本ずつ貼り付けてタイヤ構成部材であるカーカスプライを形成(製造)する。
一方、剛性コア21は、その回転角度や速度及び回転方向等を調節して変更可能な、例えばステッピングモータ等の電動モータ及び、モータの回転力を伝達する歯車伝達機構等を備えた回転駆動手段(図示せず)により、軸線周りに回転可能に支持されるとともに、制御装置60により制御されて作動する回転駆動手段により駆動されて所定のタイミングで回転する等、周知の構成を備えている。
また、本実施形態のコード配置装置1では、プライコードCの両端部を保持するコード保持手段である一対のフィンガーチャック10A、10Bは、フレーム2、可動機構5、モータ3、及びマニピュレータ4A、4B等からなる移動手段により、剛性コア21の赤道面Eを挟んで左右略対称に連動して移動等する。その際、移動手段は、フィンガーチャック10A、10Bにより保持されたプライコードCを、剛性コア21の外面の子午線方向(ラジアル方向)に沿って被貼付体上に配置するように、各フィンガーチャック10A、10Bを、剛性コア21の外面形状に応じて、その半径方向(図2では左右方向)及び軸線方向(図2では上下方向)等へ連動して移動させて、以下で説明するプライコードCの配置等を実行させる。ただし、ここでは、後述するように、上記した加硫時のタイヤ膨張に伴いプライコードCに作用する張力を低下等させるため、プライコードCの一部の配置位置が剛性コア21の子午線からずれるように、その一部を変位させて配置し、プライコードCの両端部間の一部を弛ませた状態(弛み形状)で被貼付体上に貼り付けるようになっている。
このコード配置装置1でプライコードCの貼り付けを行うときには、まず、図2に示すように、フィンガーチャック10A、10Bで供給されるプライコードCを受け取るため、可動機構5によりフレーム2を移動(図3、S101)させて、マニピュレータ4A、4B(フィンガーチャック10A、10B)を所定位置に配置し、それらの長手方向の延長線が剛性コア21の中心軸線に交差するように配置する。次に、モータ3を作動させてマニピュレータ4A、4Bを互いに接近又は離間させ、フィンガーチャック10A、10Bの間隔をプライコードCの長さに相当する間隔に設定する(図3、S102)。
その状態で、プライコードCの供給装置(図示せず)から供給される一定長に切断された1本のプライコードCを、フィンガーチャック10A、10Bにより受け取り、その両端部を両フィンガーチャック10A、10Bで掴んで保持する(図3、S103)。続いて、エアシリンダ7A、7Bに供給するエアの圧力、即ち、ピストンロッド12A、12Bに作用する圧力を調節し、第2アーム8A、8B及びフィンガーチャック10A、10B等を介してプライコードCに作用する張力を調節し、その長手方向に所定の張力を付加する(図3、S104)。
次に、プライコードCに張力が付加された状態を維持しつつ、マニピュレータ4A、4Bの各ハンド9A、9B及びフィンガーチャック10A、10B(プライコードCの両端部)を、剛性コア21の外面形状に応じて、ここでは、その半径方向内側及び軸線方向内側へ順次移動させる。これにより、フィンガーチャック10A、10Bを、剛性コア21の中心軸線を含む面内で中心軸線に向かって移動させて、保持されたプライコードCの貼り付けを開始し、プライコードCを、剛性コア21の外面のトレッド成型部(製品タイヤのトレッド部に対応する半径方向外側部)22から、サイド成型部(製品タイヤのサイド部に対応する側面部)23を経由して、ビード成型部(製品タイヤのビード部に対応する半径方向内側部)24の方向へ、その子午線方向に沿うように被貼付体の外面側に配置する(図3、S105)。
具体的には、まず、可動機構5により、フレーム2を剛性コア21に接近する方向に移動させて、マニピュレータ4A、4B全体及びプライコードCを剛性コア21に接近させ、プライコードCの長手方向の中央部を、剛性コア21のトレッド成型部22(ここでは赤道面E付近)に位置する被貼付体の周面(中央部)に当接(図2のプライコードC1)させる。
続いて、このフレーム2の移動を続行しながら、モータ3を回転させてマニピュレータ4A、4Bの間隔を徐々に狭め、これらに同期してエアシリンダ7A、7Bを作動させて、第2アーム8A、8Bをフィンガーチャック10A、10Bが互いに接近する方向に徐々に回転させる。これにより、第2アーム8A、8Bの位置及び角度を、それぞれ図2のD1〜D7及びF1〜F7に示すように順次変化させて、プライコードCを保持するフィンガーチャック10A、10Bを同様に移動させる。同時に、プライコードCを、図2のC1〜C8に示すように、張力が付加された状態のまま剛性コア21上の被貼付体の外面側に、その半径方向外側から内側に向かって順次配置して植え込む。
ここで、本実施形態のタイヤ構成部材の製造装置は、以上のように、移動するフィンガーチャック10A、10Bで、プライコードCを剛性コア21外面の被貼付体の外面側に配置中に、フィンガーチャック10A、10Bを、剛性コア21の周方向(周方向に略沿う方向に限らず、実質的に周方向に向かう方向を含む)に相対変位させる変位手段を備えている。本製造装置は、プライコードCの配置途中の所定の段階(タイミング)で、この変位手段によりフィンガーチャック10A、10Bを相対変位させ、それらにより保持されたプライコードCの両端部と、被貼付体上に配置済みの部分との間の側部を同方向に相対変位させる。これにより、配置途中のプライコードCの配置位置を剛性コア21の周方向に相対変位させながら被貼付体上に、上記したように、その一部を弛ませるようにして順次配置する(図3、S106)。
この変位手段は、例えばフィンガーチャック10A、10Bを含むコード配置装置1(図1参照)の全体を、フィンガーチャック10A、10Bの移動面に直交する方向に、その移動と連動して昇降変位させる昇降手段を別途設けて構成する等してもよいが、ここでは、剛性コア21及びその上記した回転駆動手段等により変位手段を構成している。即ち、この製造装置では、コード配置装置1は変位等させずにプライコードCの上記した配置動作のみを実行させ、これと連動して、制御装置60により制御して、回転駆動手段により剛性コア21を回転させるようになっており、これら既存の構成を変位手段(回転変位手段)にしている。これにより、プライコードCの配置中に、配置位置のプライコードCが剛性コア21の子午線方向から周方向に向かって徐々にずれるように、剛性コア21を軸線周りに回転させて、フィンガーチャック10A、10B及び、プライコードCの配置位置を、剛性コア21の周方向の一方向に、又は両方向(ここでは両方向)に相対変位させる。
図4は、このように剛性コア21を回転させつつプライコードCを配置したときの剛性コア21(被貼付体)の外面に対するプライコードCの配置位置の軌跡を示す模式図であり、剛性コア21の軸線方向外側(図2の下側)から見た側面図である。また、図では、剛性コア21とプライコードCを抜き出して示し、かつ、プライコードCは、剛性コア21外面の被貼付体上に配置済みの部分のみを順に示す。
図示のように、プライコードCは、上記したフィンガーチャック10A、10Bの移動に伴い、剛性コア21の中心軸線を含む面内(図の一点鎖線F)で常に中心軸線に向かって配置され、各配置位置における剛性コア21の子午線方向に向かって順次配置(図の矢印T)される。この配置中の所定のタイミングで剛性コア21を回転させることで、フィンガーチャック10A、10Bにより保持されたプライコードCの両端部、及びプライコードCの配置位置が剛性コア21の周方向に、例えば連続して相対変位し、プライコードCの一部が各変位方向に湾曲又は屈曲等して配置される。
ここでは、プライコードCが、少なくとも剛性コア21のトレッド成型部22の被貼付体上に配置(図2に示すプライコードC1参照)された後に、剛性コア21を回転させてプライコードCの配置位置の相対変位を開始する。これにより、プライコードCの剛性コア21のショルダー部付近からビード成型部24までの間に配置される部分(図2に示すプライコードC2からC8参照)の全部又は一部、特に、そのサイド成型部23に配置される部分を中心に、剛性コア21の周方向に変位させ、同一の子午線に対してずれた位置に被貼付体上に配置して貼り付ける。
その際、本実施形態では、まず、剛性コア21を周方向の一方向(図4A参照)に所定速度で連続して回転(正転)させ(図4Aの矢印S)、順次配置されるプライコードCの配置位置を、剛性コア21の周方向の回転方向と逆方向に徐々に相対変位(図4B参照)させる。続いて、プライコードCが所定位置(図では剛性コア21のサイド成型部23の略中間位置近傍)まで配置されたときに、剛性コア21の回転速度を徐々に変化させて回転方向を逆方向にし、剛性コア21を同方向に連続して回転(逆転)させる(図4Bの矢印R)。この回転により、プライコードCの配置位置を、剛性コア21の周方向の上記と逆方向に徐々に相対変位(図4C参照)させ、プライコードCの一部(変位部)を中央部で屈曲した形状に配置する。
このように、プライコードCの配置と剛性コア21の回転とを組み合わせて、プライコードCを、剛性コア21の周方向の両方向に相対変位させ、少なくとも1回以上(ここでは1回)両方向に交互に変位させる等して、プライコードCの一部を、1回以上屈曲や迂曲等させて被貼付体上に、剛性コア21の子午線に対して周方向に変位させて配置する。その際、このタイヤ構成部材の製造装置では、剛性コア21を両方向に向かって略同じ距離(角度)だけ回転させる等して正逆転させ、配置途中のプライコードCの両端部及び、その配置位置を剛性コア21の周方向の両方向に、それぞれ略同じ変位量だけ相対変位させる。これにより、プライコードCの剛性コア21の子午線に対して変位する前の位置(ここではトレッド成型部22に配置された中央部)と、その端部側の位置とを、剛性コア21の同じ子午線上に位置させ、プライコードCの前記変位前位置と、剛性コア21のビード成型部24の外面側に配置される端部(特にビードコアにより係止される切断端を含む部分)とを、略同じ子午線上に配置するようになっている。
なお、プライコードCは、その端部が剛性コア21の外面側の所定位置に配置されるように、それぞれ剛性コア21の周方向への変位量や被貼付体への配置パターン等の各配置条件に応じて、その長さが調整されて切断される。従って、このプライコードCは、通常の放射状に配置されるものに比べて長く形成されるものの、その端部は同様の位置に配置される。
また、ここでは、上記した制御装置60(図1参照)により剛性コア21の回転を制御し、その回転の角度や速度、或いは回転のタイミングや方向等を任意に変更して調節可能になっている。即ち、制御装置60は、フィンガーチャック10A、10Bの相対変位を制御する変位制御手段でもあり、その変位手段による相対変位(ここでは剛性コア21の回転)を制御して、相対変位の例えば開始や終了及び変位時間等を含む相対変位のタイミングや、変位速度、変位量、変位方向等の全て、又は、それらのいずれか1以上を任意に組み合わせたものが変更可能に構成されている。これにより、配置中のプライコードCの相対変位開始位置(剛性コア21の回転開始位置)や終了位置、又はプライコードCの周方向の変位角度や方向、変位量、或いは、その変位形状や弛み量等のプライコードCの変位の仕方を調節し、又は変更して制御する。
以上のように、本製造装置は、プライコードCの配置中に、剛性コア21の回転により、移動するフィンガーチャック10A、10Bを剛性コア21の周方向に相対変位させ、配置途中のプライコードCの被貼付体上への配置位置を同方向に相対変位させる。この相対変位により、プライコードCの一部を剛性コア21の子午線に対して周方向に変位させ、被貼付体上に、子午線に沿った直線状態に対して弛ませた状態(弛み形状)で配置して弛ませながら貼り付ける。このようにして、プライコードCを、剛性コア21のトレッド成型部22、サイド成型部23、ビード成型部24の順に配置し、表面を覆う未加硫ゴムの粘着力により、被貼付体の外面上等に接着して保持させる。
その後、剛性コア21の回転を停止し、プライコードCの両端部が剛性コア21外面のビード成型部24に対向する所定位置(図2に示すプライコードC8参照)に到達すると、押付け部材11A、11Bを前進させてプライコードCの両端部を対向する被貼付体の所定位置に向かって押し付ける(図3、S107)。この押圧により、プライコードCの両端部を被貼付体等に貼り付け、これと同時に、フィンガーチャック10A、10Bを開いてプライコードCを解放し、1本のプライコードCの配置を完了する。
本製造装置は、続いて、フィンガーチャック10A、10Bを初期位置に戻してコード配置装置1を初期状態に復帰させ、剛性コア21を、プライコードCの配置間隔(貼付ピッチ)に相当する所定角度だけ回転させ、次のプライコードCを、コード配置装置1により以上と同様に配置(図3のS101〜S107)する。これら、プライコードCの配置と剛性コア21の回転を繰り返し行い、プライコードCを、剛性コア21の周方向に沿って順次配置して、その全外面を覆うように複数配列させ、プライコードCを剛性コア21上の被貼付体に1層又は複数層配置する等してカーカスプライを形成する。その後、他のタイヤ構成部材を組み合わせる等して未加硫タイヤを成型し、この未加硫タイヤを加硫工程で加硫成型して製品タイヤが製造される。
以上説明したように、本実施形態のタイヤ構成部材の製造装置では、プライコードCの一部(ここでは剛性コア21の側面側に配置される一部)を、剛性コア21の子午線に対して周方向に相対変位させて被貼付体上に配置して貼り付けるため、未加硫タイヤ内において、各プライコードCを、一対のビードコア間で子午線に沿った直線状に対して一部が弛んだ状態で変位させて配置することができる。これにより、上記したように、加硫中の未加硫タイヤの膨張(拡張)に伴い、プライコードCが引っ張れて張力が作用したときには、プライコードCが子午線に沿うように変位(変形)することで張力を吸収できるため、加硫時のプライコードCに作用する張力を小さくすることができる。
その結果、一対のビードコア間のプライコードCが引き伸ばされる現象や、上記したプライコードCが引っ張られてビードコアから引き抜かれるのを防止できるとともに、その端部(切断端)が移動して配置位置が変動等するのを抑制することができる。同時に、このようにプライコードCの移動や伸び等を減少できることに起因して、ワイヤーチェーファ等のプライコードCの近傍に配置される部材が、当初の配置位置から移動又は変位し難くなり、その加硫時の位置ずれ等を防止して、加硫後のタイヤ内で所定位置に安定かつ確実に配置することができる。そのため、このような部材のセット位置不良の発生等を防止することができ、ビード部を中心とした不良の発生を抑制して、タイヤの品質を高めることもできる。
従って、本実施形態によれば、ビード部の構造等に関わらず、例えば上記した巻上構造やビードワインド構造、又は挟込構造のビード部等、種々のビード部構造等のタイヤにおいて、プライコードCに作用する加硫時のタイヤ膨張に伴う張力を低下させることができ、ビード部のプライコードCの引き抜けや、プライコードC近傍に配置される部材にセット位置不良が生じるのを防止して、ビード部に不良が発生するのを抑制することができる。
また、ここでは、上記した変位制御手段(制御装置60)により制御して、プライコードCの相対変位の仕方や条件等を適宜変更及び調節して設定できるため、プライコードCを、成型するタイヤの種類やサイズ、又は加硫時のタイヤ膨張の程度等に応じて、それぞれに適した状態で配置することができ、プライコードCに作用する加硫時の張力を確実に低減することができる。同時に、本製造装置では、プライコードCの配置位置を、剛性コア21を回転させて相対変位させるため、変位手段を別途設けたものに比べて、装置の構成が単純になり、装置の大型化を防止することもできる。
ここで、本実施形態のプライコードCは、加硫終了後に上記した弛みが無くなり、一対のビードコア間でタイヤ子午線方向に沿って配置されて放射形状をなすように、加硫時の未加硫タイヤの膨張量を考慮して、その膨張量や変位量等に応じた長さに切断されて形成される。しかしながら、プライコードCは、その長さが最適長さよりも短い等、長さが最適長さから多少増減等した場合であっても、従来の未加硫タイヤ内で子午線方向に配置されるものと比較して、その一部が予め弛んだ状態に配置されるため、加硫時に作用する張力が減少する。
また、本実施形態では、プライコードCの配置位置を、剛性コア21の周方向の両方向に連続して相対変位させたが、プライコードCの配置位置は、剛性コア21を周方向の一方向のみに回転させて周方向の一方向に連続して相対変位させ、又は、一方向や両方向に間欠的(不連続)に相対変位させてもよい。ただし、一方向に相対変位させた場合には、プライコードCは、剛性コア21の周方向に徐々に変位して湾曲等し、プライコードCの変位前の位置と変位後(端部)の位置が剛性コア21の周方向にずれて、異なる剛性コア21の子午線上に位置することになる。そのため、この場合には、加硫時のプライコードCの変位量等によっては、加硫後のタイヤ内におけるプライコードCの位置が、トレッド部とサイド部又はビード部とで、周方向にずれて異なる子午線位置になる恐れがある。
従って、プライコードCは、本実施形態のように、その配置位置を剛性コア21の両方向に相対変位させて、変位前と端部側の両位置が、剛性コア21の同じ子午線上(同一周方向位置)になるように配置するのがより望ましい。このようにすることで、プライコードCを、加硫後のタイヤ内で、より確実に放射形状をなすようにラジアル方向に延在させて配置することができる。また、プライコードCは、少なくとも剛性コア21のトレッド成型部22に配置された後に配置位置の相対変位を開始し、サイド部23の外面側を中心に変位させるのがより望ましく、これにより、プライコードCを、被貼付体上に円滑かつ安定して配置できるとともに、その配置制御も容易になる。
なお、本実施形態では、プライコードCを1回のみ屈曲した形状に配置したが、剛性コア21の周方向の両方向に交互に複数回変位させて、例えば正弦波状やジグザグ状等の湾曲又は屈曲等してウエーブした波状形状に配置してもよい。また、ここでは、プライコードCを被貼付体上に配置する場合を例に採り説明したが、成型するタイヤのビード部構造やビードコアに対する端部の配置形状等に応じて、その端部側を剛性コア21から離間させて配置する必要があるときには、プライコードCの一部は、剛性コア21上の被貼付体の外面から離れた位置に配置される等、被貼付体の外面側の所定位置に配置される。
更に、以上の説明では、タイヤ構成部材の支持体として剛性コア21を用いたが、この支持体としては、拡縮可能なタイヤ成型ドラムや支持リング等、未加硫タイヤの成型工程中で使用されて、外周面や外面側等に配置されるタイヤ構成部材や、成型中の未加硫タイヤを支持して所定形状に維持等するための他の支持体であってもよい。加えて、プライコードCは、このコード配置装置1と同様に構成される複数のコード配置装置を支持体の外側に複数設置し、それらにより複数本ずつ同時に配置するようにしてもよい。
(タイヤ製造試験)
本発明の効果を確認するため、以上のようにプライコードCを配置して成型した実施例の未加硫タイヤ(以下、実施品という)と、配置中のプライコードCを剛性コア21の周方向に変位させずに子午線に沿って配置して成型した従来例の未加硫タイヤ(以下、従来品という)とをそれぞれ試作し、プライコードCを変位させて配置する効果について試験して評価した。試験では、実施品及び比較品を成型して剛性コア21から取り外し、それぞれ同じ条件で10本ずつ加硫した後、加硫後のタイヤを解剖(分解)してプライコードCのビードコアからの引き抜けの発生の有無を確認し、その結果を比較して評価した。
これら実施品及び比較品はともに、JATMA YEAR BOOK(2007、日本自動車タイヤ協会規格)で定めるタイヤサイズ11R22.5のトラック及びバス用ラジアルプライタイヤである。また、未加硫タイヤは、それぞれブラダー式の加硫機で加硫成型し、その際、ブラダーの内圧(ゲージ圧)を最高20kg/cmGにして、タイヤを内側から加圧して加硫成型した。
表1に、この試験結果を示す。
Figure 2009034857
その結果、従来品では、10本中10本のタイヤでプライコードCの引き抜けが発生したが、実施品では、プライコードCの引き抜けは確認されなかった。これより、実施品では、従来品に比べて、加硫時にプライコードCに作用する張力が大幅に低下して、その引き抜けを完全に防止できることが分かった。
以上の結果から、本発明により、プライコードCに作用する加硫時のタイヤ膨張に伴う張力を低下させることができ、ビード部のプライコードCの引き抜け等を防止して、ビード部に不良が発生するのを抑制できることが証明された。
本実施形態のタイヤ構成部材の製造装置が備えるプライコード配置装置を模式的に示す平面図である。 本実施形態のコード配置装置により1本のプライコードを剛性コアの外面側に配置する動作を示す模式図である。 本実施形態のプライコードの配置手順を示すフローチャートである。 剛性コアを回転させつつプライコードを配置したときの剛性コア(被貼付体)の外面に対するプライコードの配置位置の軌跡を示す模式図である。
符号の説明
1・・・コード配置装置、2・・・フレーム、3・・・モータ、4A、4B・・・マニピュレータ、5・・・可動機構、6A、6B・・・第1アーム、7A、7B・・・エアシリンダ、8A、8B・・・第2アーム、9A、9B・・・ハンド、10A、10B・・・フィンガーチャック、11A、11B・・・押付け部材、12A、12B・・・ピストンロッド、13A、13B・・・回転軸、14A、14B・・・回転軸、15A、15B・・・回転軸、21・・・剛性コア、22・・・トレッド成型部、23・・・サイド成型部、24・・・ビード成型部、31・・・ネジ杆、31A・・・左ネジ、31B・・・右ネジ、32A、32B・・・スライダ、41A、41B・・・固定部、51・・・支持部材、52・・・ガイド部材、53・・・ピストンロッド、54・・・エアシリンダ、60・・・制御装置、61・・・CPU、62・・・ROM、63・・・RAM、C・・・プライコード、E・・・赤道面、P・・・中心線。

Claims (8)

  1. タイヤ構成部材の支持体の外面に配置した被貼付体にプライコードを貼り付けてタイヤ構成部材を製造する製造装置であって、
    一定長に切断された前記プライコードの両端部を保持するコード保持手段と、
    該コード保持手段により保持されたプライコードを前記支持体の外面の子午線方向に沿って配置するように、前記コード保持手段を前記支持体の半径方向及び軸線方向へ移動させる移動手段と、
    該移動手段により移動する前記コード保持手段で前記プライコードを前記被貼付体の外面側に配置中に、前記コード保持手段を前記支持体の周方向に相対変位させる変位手段と、を備え、
    該変位手段により前記移動するコード保持手段を相対変位させ、前記プライコードの一部を前記支持体の子午線に対して変位させて前記被貼付体上に配置することを特徴とするタイヤ構成部材の製造装置。
  2. 請求項1に記載されたタイヤ構成部材の製造装置において、
    前記変位手段は、前記支持体を軸線周りに回転させて前記コード保持手段を前記支持体の周方向に相対変位させることを特徴とするタイヤ構成部材の製造装置。
  3. 請求項1又は2に記載されたタイヤ構成部材の製造装置において、
    前記変位手段は、前記コード保持手段を前記支持体の周方向の一方向に、又は両方向に相対変位させることを特徴とするタイヤ構成部材の製造装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載されたタイヤ構成部材の製造装置において、
    前記変位手段による前記コード保持手段の相対変位のタイミング、及び/又は、変位速度、及び/又は、変位量、及び/又は、変位方向が変更可能に構成されていることを特徴とするタイヤ構成部材の製造装置。
  5. タイヤ構成部材の支持体の外面に配置した被貼付体にプライコードを貼り付けてタイヤ構成部材を製造する製造方法であって、
    一定長に切断された前記プライコードの両端部を保持する工程と、
    該保持されたプライコードを前記支持体の外面のトレッド成型部から子午線方向に沿うように前記被貼付体の外面側に配置する工程と、
    該配置途中のプライコードの配置位置を前記支持体の周方向に相対変位させる工程と、を有し、
    前記プライコードの一部を前記支持体の子午線に対して周方向に変位させて前記被貼付体上に配置することを特徴とするタイヤ構成部材の製造方法。
  6. 請求項5に記載されたタイヤ構成部材の製造方法において、
    前記相対変位させる工程は、前記プライコードの配置位置を前記支持体の周方向の一方向に、又は両方向に相対変位させることを特徴とするタイヤ構成部材の製造方法。
  7. 請求項5に記載されたタイヤ構成部材の製造方法において、
    前記相対変位させる工程は、前記プライコードの前記支持体の子午線に対して周方向に変位する前の位置と端部側の位置とが、前記支持体の同じ子午線上に位置するように、前記プライコードの配置位置を前記支持体の周方向の両方向に相対変位させることを特徴とするタイヤ構成部材の製造方法。
  8. 請求項5ないし7のいずれかに記載されたタイヤ構成部材の製造方法において、
    前記相対変位させる工程は、前記プライコードが少なくとも前記支持体のトレッド成型部の前記被貼付体上に配置された後に前記プライコードの配置位置の相対変位を開始することを特徴とするタイヤ構成部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011161773A (ja) * 2010-02-09 2011-08-25 Sumitomo Rubber Ind Ltd カーカスプライの成形装置及びそれを用いた空気入りタイヤの製造方法。

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