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JP2009032397A - 導電性微粒子 - Google Patents

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JP2009032397A JP2007191830A JP2007191830A JP2009032397A JP 2009032397 A JP2009032397 A JP 2009032397A JP 2007191830 A JP2007191830 A JP 2007191830A JP 2007191830 A JP2007191830 A JP 2007191830A JP 2009032397 A JP2009032397 A JP 2009032397A
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Hiroya Ishida
浩也 石田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】導通不良を防止でき、抵抗値を低減できる導電性微粒子を提供する。
【解決手段】基材微粒子、前記基材微粒子の表面に形成されたニッケル層、及び、前記ニッケル層の表面に形成された突起を有する銀又は銅からなる低抵抗金属層からなる導電性微粒子であって、前記突起は、前記ニッケル層と前記低抵抗金属層との間に挟まれた前記低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子を芯材とする導電性微粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、導通不良を防止でき、抵抗値を低減できる導電性微粒子に関する。
バインダー樹脂や粘接着剤と導電性微粒子とを混練した異方性導電材料は、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘接着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シートとして広く用いられている。
これらの異方性導電材料を相対向する回路基板や電極端子の間に挟み込んで使用すれば、回路基板同士を電気的に接続でき、半導体素子等の小型部品を回路基板に電気的に接続できる。異方性導電材料は、例えば、液晶ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電子機器で使用されている。
このような異方性導電材料に用いられる導電性微粒子には、適度な強度を有する樹脂等の非金属粒子を金属めっきした均一な粒径の微粒子が用いられている。しかしながら、異方性導電材料を用いて相対向する電極端子を電気的に接続しようとすると、導電性微粒子と電極端子との間にバインダー樹脂がはさまり、接続抵抗が高くなるといった問題点があった。したがって、低電圧で駆動する電子機器の相対向する電極端子間を異方性導電材料で接続使用しようとすると、電極端子間が導通不良を起こすことがあった。特に近年の電子機器の急激な進歩や発展に伴って低電圧で駆動する電子機器が増えてきており、導電性微粒子と電極端子との接続抵抗を更に低くすることが望まれている。
接続抵抗を低減する目的で、表面に突起を有する導電性微粒子が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この導電性微粒子は、導電性微粒子表面の導電層と電極端子との間に存在するバインダー樹脂を突起が突き破り電極端子表面と接触する導電性微粒子の表面から樹脂をその周囲に向かって排除できる。突起及び導電性微粒子の表面と電極端子とを充分に接触させることで、導電性微粒子と電極端子との間の接続抵抗を低減できる。
しかしながら、このような導電性微粒子は、突起の骨格となる芯材が基材微粒子の表面に付着しており芯材の表面に分厚い複数のめっき層が形成されている。めっき層が分厚いと芯材の形状がめっき層表面に充分にあらわれないため、導電性微粒子の表面に充分な高さの突起が形成されない。
したがって、突起がバインダー樹脂を突き破ったとしても、導電性微粒子と電極端子との接触面からバインダー樹脂を充分に排除できないことがあった。また、硬いニッケルを芯材とする突起はつぶれにくいため、突起はアルミニウムのような柔らかい金属からなる電極端子には突き刺さって密着するが、ITOのような硬い金属からなる電極端子には突起は点接触でしか接触できない。したがって、硬い金属の電極に対してこのような導電性微粒子を用いた場合には、接続抵抗を充分に低減できなかった。
特開2000−243132号公報
本発明は、導通不良を防止でき、抵抗値を低減できる導電性微粒子を提供することを目的とする。
本発明は、基材微粒子、上記基材微粒子の表面に形成されたニッケル層、及び、上記ニッケル層の表面に形成された突起を有する銀又は銅からなる低抵抗金属層からなる導電性微粒子であって、上記突起は、上記ニッケル層と上記低抵抗金属層との間に挟まれた低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子を芯材とする導電性微粒子である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、基材微粒子の表面に銀や銅からなる金属ナノ粒子を芯材として直接付着させると、充分な高さの突起とならないばかりか、導電接続時に芯材が基材微粒子に埋没してしまい突起の高さがより低くなることが明らかにしてきた。しかしながら、基材微粒子の表面にニッケル層を形成させた後、芯材を付着させた場合には、硬いニッケル層が芯材を支える下地層となり、導電接続時に導電性微粒子と電極端子とを圧着すると、突起部分が下地層の上でつぶされ導電性微粒子と電極端子とが面接触することを見出した。導電接続時に突起がバインダー樹脂を突き破り導電接続面から樹脂を排除できるだけでなく、導電性微粒子と接続端子とを面接触で接続できる。
すなわち、導電接続時に突起自身をつぶせば接続抵抗を充分に低減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の導電性微粒子は、基材微粒子、上記基材微粒子の表面に形成されたニッケル層、及び、上記ニッケル層の表面に形成された突起を有する銀又は銅からなる低抵抗金属層からなる。
上記基材微粒子としては、適度な弾性又は復元性を有する微粒子であれば特に限定されず、樹脂微粒子であってもよいし無機微粒子であってもよい。なお、上記基材微粒子は、有機材料と無機材料の両方を用いた有機無機ハイブリッド微粒子であってもよい。
なかでも上記基材微粒子は樹脂微粒子であることがより好ましい。
これらの基材微粒子は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記樹脂微粒子の材質としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ジビニルベンゼン重合体;ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、ジビニルベンゼン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のジビニルベンゼン系重合体;(メタ)アクリル酸エステル重合体等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸エステル重合体は、架橋重合体であっても非架橋重合体であってもよい。また、部分的に架橋された重合体であってもよい。なかでも、ジビニルベンゼン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル重合体がより好ましい。ここで、(メタ)アクリル酸エステルとは、メタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルを意味する。
上記無機微粒子の材質としては特に限定されず、例えば、金属、ガラス、セラミックス、金属酸化物、金属ケイ酸塩、金属炭化物、金属窒化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属リン酸塩、金属硫化物、金属酸塩、金属ハロゲン化物、炭素等が挙げられる。
上記基材微粒子の形状としては特に限定されず、例えば、球状、繊維状、中空状、針状等の特定の形状であってもよいし、不定形状であってもよい。なかでも、良好な電気的接続を得ることができることから、球状であることが好ましい。
上記基材微粒子の平均粒子径としては特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は50μmである。1μm未満であると、無電解めっき時に基材微粒子が凝集しやすく、複数の基材微粒子が凝集した塊がめっきされるおそれがある。50μmを超えると、回路基板等に用いる異方性導電材料に含まれる導電性微粒子として最適な大きさを超えてしまうおそれがある。より好ましい下限は2μm、より好ましい上限は10μmである。
上記基材微粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の基材微粒子の粒子径を測定し、それを算術平均することにより求めることができる。
上記基材微粒子のCV値としては特に限定されないが、好ましい上限は20%である。20%を超えると、得られる導電性微粒子を用いて相対向する電極間隔を任意に制御することが困難となることがある。より好ましい上限は5%である。
なお、上記基材微粒子のCV値は、粒子径分布から得られる標準偏差を平均粒子径で除し、百分率とすることにより求めることができる。
本発明の導電性微粒子は、上記基材微粒子の表面に形成されたニッケル層を有する。
上記ニッケル層は、上記基材微粒子と銀又は銅からなる低抵抗金属層との密着性を高めることができる。また、導電性微粒子が製造されるときや、異方性導電材料と基板とが熱圧着されるときに、ニッケル層は銀又は銅からなる低抵抗金属層が剥がれることを抑制することができる。
また、硬いニッケル層が芯材を支える下地層となり、導電接続時に導電性微粒子と電極端子とを圧着すると、突起部分が下地層の上でつぶされ導電性微粒子と電極端子とが面接触する。
上記ニッケル層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は30nm、好ましい上限は200nmである。30nm未満であると、ニッケル層と銀又は銅からなる低抵抗金属層との密着性が充分に得られないおそれがあり、200nmを超えると、上記ニッケル層が基材微粒子から剥離しやすくなるおそれがある。より好ましい下限は50nm、より好ましい上限は100nmである。
なお、上記ニッケル層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、これらを算術平均した厚さである。
本発明の導電性微粒子は、上記ニッケル層の表面に形成された突起を有する銀又は銅からなる低抵抗金属層を有し、上記突起は、上記ニッケル層と上記低抵抗金属層との間に挟まれた上記低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子を芯材とする。
従来、突起を有する導電性微粒子においては、基材微粒子の表面にニッケルナノ粒子からなる芯材を付着させ、その芯材の表面をニッケルで被覆することにより突起を形成させる方法や、基材微粒子の表面にニッケル層を形成させる際に、ニッケルを異常析出させることによりニッケルからなる突起を形成させる方法等が行われてきた。
しかしながら、前者の方法では芯材の表面にニッケル層の他、複数の層が形成されるため、充分な高さの突起が得られず、導電性微粒子をバインダー樹脂や粘接着剤等と混合、混練することにより、異方性導電ペースト等の異方性導電材料として用いた場合に、突起がバインダー樹脂等を確実に突き破ることができず(樹脂排除性に劣る)、導通不良を生じたり、接続抵抗の低減化を図ることができなかったりすることがあった。また、突起がニッケルからなる芯材により形成されているため、突起がバインダー樹脂等を確実に突き破ったとしても、ニッケルの硬さ故に導電性微粒子を相対向する回路基板等の間に挟んで圧着しても突起がつぶれにくいため、導電性微粒子と回路基板等とは点接触しかすることができず、接続抵抗の低減化が不充分であるという問題があった。また、後者の方法では、突起の位置、数、形等を制御することができないため、導電性微粒子を回路基板の電極間に挟んだ際に、突起と電極とが接触しないことがあったり、突起がバインダー樹脂等を確実に突き破ることができなかったりするため(樹脂排除性に劣る)、導通不良が生じたり、導電性微粒子と回路基板等との間の接続抵抗の低減化を図ることができないという問題があった。
本発明においては、後述するように上記ニッケル層の表面に低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子からなる芯材を付着させ、その表面を銀又は銅からなる低抵抗金属層で被覆することにより、上述したような問題を解決することができる。
上記低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子の粒径としては特に限定されないが、好ましい下限は5nm、好ましい上限は500nmである。5nm未満であると、充分な高さの突起が得られず、充分な樹脂排除性が得られないことがあり、500nmを超えると、突起の高さが高くなりすぎ、得られた導電性微粒子を回路基板の電極間に挟んだ際に、突起が電極に深くめり込み、電極を破損することがある。より好ましい下限は20nm、更に好ましい下限は100nm、より好ましい上限は300nmである。
なお、芯材を骨格とした本発明の導電性微粒子に形成された突起は、導電性微粒子の表面に芯材とほぼ同程度の高さで形成される。一方、従来のように不安定なめっき浴を使用して金属めっき層の表面に突起を異常析出させる方法で導電性微粒子の表面に突起を形成させる場合は、せいぜい50nmの高さまでの突起しか形成できない。したがって、芯材の粒径が100nm以上であれば、異常析出法よりも高さの高い突起を形成させることができる。
上記低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子の少なくとも80%は、上記ニッケル層に接触しているか、又は、ニッケル層から5nm以内の距離に存在することが好ましい。
上記低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子が上記ニッケル層に接触しているか、又は、ニッケル層から5nm以内の距離に存在することにより、上記低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子が確実に銀めっき層により被覆されることになる。
上記銀又は銅からなる低抵抗金属層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は30nm、好ましい上限は500nmである。30nm未満であると、所望の導電性が得られないことがあり、500nmを超えると、充分な高さの突起が得られないことがあり、また、コストが高くなる。
なお、上記銀又は銅からなる低抵抗金属層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、これらを算術平均した厚さである。
上記突起の高さとしては特に限定されないが、好ましい下限は上記基材微粒子の平均粒子径の2%、好ましい上限は上記基材微粒子の平均粒子径の10%である。上記基材微粒子の平均粒子径の2%未満であると、充分な樹脂排除性が得られないことがあり、上記基材微粒子の平均粒子径の10%を超えると、突起が回路基板の電極等に深くめり込み、電極等を破損させるおそれがある。
本発明の導電性微粒子は、更に、最表面に金層が形成されていることが好ましい。最表面に金層を施すことにより、銀又は銅からなる低抵抗金属層やニッケル層の酸化を防止できる。したがって、導電性微粒子の表面が時間とともに劣化せず、低い接続抵抗を安定して維持できる。
上記金層の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は10nm、好ましい上限は100nmである。10nm未満であると、過酷な使用環境では金属層が酸化して接続抵抗値が高くなることがある。100nmを超えると、充分な高さの突起が得られず突起がバインダー樹脂等を確実に突き破ることができない(樹脂排除性に劣る)ことがある。
なお、上記金層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、これらを算術平均した厚さである。
本発明の導電性微粒子を製造する方法としては特に限定されず、例えば、基材微粒子の表面にニッケル層を形成させる工程と、上記ニッケル層の表面に、低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子からなる芯材を付着させる工程と、上記金属ナノ粒子からなる芯材が付着したニッケル層の表面に、銀又は銅からなる低抵抗金属層を形成させる工程とからなる製造方法が挙げられる。
このような導電性微粒子の製造方法もまた、本発明の1つである。
以下、この製造方法について詳述する。
まず、基材微粒子の表面にニッケル層を形成させる工程を行う。
上記基材微粒子の表面にニッケル層を形成させる方法としては特に限定されないが、例えば、無電解ニッケルめっき法等が好適に用いられる。
上記無電解ニッケルめっき法とは、基材微粒子の表面に触媒付与を行い、ニッケル、及び、めっき安定剤を含有するニッケルめっき液中で、触媒付与された上記基材微粒子の表面に無電解めっき法によりニッケル層を形成させる方法である。
上記触媒付与を行う方法としては、例えば、アルカリ溶液でエッチングされた基材微粒子に酸中和、及び、二塩化スズ(SnCl)溶液におけるセンシタイジングを行い、二塩化パラジウム(PdCl)溶液におけるアクチベイジングを行う無電解めっき前処理工程を行う方法等が挙げられる。
なお、センシタイジングとは、絶縁物質の表面にSn2+イオンを吸着させる工程であり、アクチベイチングとは、絶縁性物質表面にSn2++Pd2+→Sn4++Pdで示される反応を起こしてパラジウムを無電解めっきの触媒核とする工程である。
次に、上記ニッケル層の表面に、低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子からなる芯材を付着させる工程を行う。
上記ニッケル層の表面に低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子からなる芯材を付着させる方法としては特に限定されず、基材微粒子の分散液中に、低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子を添加し、基材微粒子の表面上に低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ付着させる方法;基材微粒子を入れた容器に、低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材微粒子の表面上に低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子を付着させる方法等が挙げられる。なかでも、付着させる低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子の量を制御しやすいことから、分散液中の基材微粒子の表面上に低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子を集積させ付着させる方法が好適に用いられる。
次に、上記金属ナノ粒子からなる芯材が付着したニッケル層の表面に、銀又は銅からなる低抵抗金属層を形成させる工程を行う。
具体的には、無電解めっき、置換めっき、電気めっき、還元めっき、スパッタリング等の従来公知の方法により行うことができる。
次に、上記銀又は銅からなる低抵抗金属層に対して、必要に応じて無電解めっき、置換めっき、電気めっき、還元めっき、スパッタリング等の従来公知の方法により金層を形成させる工程を行ってもよい。
本発明によれば、導通不良を防止でき、抵抗値を低減できる導電性微粒子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)パラジウム付着工程
平均粒子径が5μm、CV値が5%のジビニルベンゼン系重合体樹脂粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSP−205)10gをエッチングし水洗した後、パラジウム触媒を8重量%含有するパラジウム触媒化液100mL中に添加し攪拌した。その後、濾別し水洗した。更に、pH6に調整された0.5重量%のジメチルアミンボラン液に添加し、パラジウムにより活性化された基材微粒子を得た。
(2)ニッケル層の形成
得られた基材微粒子に脱イオン水500mLを加え、充分に分散させて懸濁液とした。この懸濁液を攪拌しながら硫酸ニッケル6水和物50g/LからなるpHを7.5に調整した無電解ニッケルめっき液を徐々に添加し、無電解ニッケルめっきを行った。ニッケル層の厚さは77nmであった。
なお、ニッケル層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、これらを算術平均することにより算出した。以下、各金属層の厚さについて同様である。
(3)銀ナノ粒子の付着
基材微粒子を脱イオン水300mL中で3分間攪拌し、分散させた。銀ナノ粒子(平均粒子径200nm)のトルエン分散液からトルエンを留去しながらエタノールで置換して調製したスラリー液(銀含有量1g)を3分間かけて添加し、銀ナノ粒子からなる芯材が付着した基材微粒子を得た。
(4)銀層の形成
次に、銀塩として硝酸銀4.25gを脱イオン水1180mLに室温で溶解した溶液に、還元剤としてベンズイミダゾール15gを加えて溶解し、当初生成した沈殿が完全に溶解したのを確認した後、錯化剤としてコハク酸イミド25g、クエン酸1水和物3.5gを溶解し、その後、結晶調整剤としてグリオキシル酸10gを投入し完全溶解させ無電解銀めっき液を調製した。
次に、銀ナノ粒子からなる芯材が付着した基材微粒子を無電解銀めっき液に投入し、この溶液を攪拌しながら加熱して温度を70℃に保った。その後、ブフナー漏斗で濾別して粒子を分離し、分離した粒子に脱イオン水約1000mLを振りかけ洗浄した。その後、アルコール置換を行い、真空乾燥機で80℃2時間乾燥することにより、銀層が形成された基材微粒子を得た。銀層の厚さは30nmであった。
(5)金層の形成
次に、塩化金酸ナトリウム10gと脱イオン水1000mLとを含む溶液を調製し、得られた銀層が形成された粒子15gを混合して水性懸濁液を調製した。得られた水性懸濁液に、チオ硫酸アンモニウム15g、亜硫酸アンモニウム80g、及び、リン酸水素アンモニウム40gを投入しめっき液を調製した。得られためっき液にヒドロキシルアミン4gを投入後、アンモニアを用いpHを9に合わせ、浴温を60℃にし、15〜20分程度反応させることにより最表面に金層が形成された導電性微粒子を得た。金層の厚さは20nmであった。
(実施例2)
(1)パラジウム付着工程
平均粒子径が5μm、CV値が5%のジビニルベンゼン系重合体樹脂粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSP−205)10gをエッチングし水洗した後、パラジウム触媒を8重量%含有するパラジウム触媒化液100mL中に添加し攪拌した。その後、濾別し水洗した。更に、pH6に調整された0.5重量%のジメチルアミンボラン液に添加し、パラジウムにより活性化された基材微粒子を得た。
(2)ニッケル層の形成
得られた基材微粒子に脱イオン水500mLを加え、充分に分散させて懸濁液とした。この懸濁液を攪拌しながら硫酸ニッケル6水和物50g/LからなるpHを7.5に調整した無電解ニッケルめっき液を徐々に添加し、無電解ニッケルめっきを行った。ニッケル層の厚さは77nmであった。
(3)銅ナノ粒子の付着
基材微粒子を脱イオン水300mL中で3分間攪拌し、分散させた後、その水溶液に銅ナノ粒子(平均粒子径200nm)のトルエン分散液からトルエンを留去しながらエタノールで置換して調製したスラリー液(銅含有量1g)を3分間かけて添加し、銅ナノ粒子からなる芯材が付着した基材微粒子を得た。
(4)銅層の形成
銅ナノ粒子からなる芯材が付着した基材微粒子を脱イオン水500mLに分散させた微粒子懸濁液に対して、濃度40g/Lの硫酸銅(5水和物)水溶液、濃度100g/Lのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)水溶液、濃度50g/Lのグルゴン酸ナドリウム水溶液、濃度25g/Lのホルムアルデヒド水溶液からなるpH10.5に調整された無電解めっき液を徐々に添加し、50℃で攪拌しながら無電解銅めっきを行った。その後、ブフナー漏斗で濾別して粒子を分離し、分離した粒子に脱イオン水約1000mLを振りかけ洗浄した。その後、アルコール置換を行い、真空乾燥機で80℃2時間乾燥することにより、銅層が形成された基材微粒子を得た。銅層の厚さは30nmであった。
(5)金層の形成
次に、塩化金酸ナトリウム10gと脱イオン水1000mLとを含む溶液を調製し、得られた銅層が形成された粒子15gを混合して水性懸濁液を調製した。得られた水性懸濁液に、チオ硫酸アンモニウム15g、亜硫酸アンモニウム80g、及び、リン酸水素アンモニウム40gを投入しめっき液を調製した。得られためっき液にヒドロキシルアミン4gを投入後、アンモニアを用いpHを9に合わせ、浴温を60℃にし、15〜20分程度反応させることにより最表面に金層が形成された導電性微粒子を得た。金層の厚さは20nmであった。
(比較例1)
(1)パラジウム付着工程
平均粒子径が5μm、CV値が5%のジビニルベンゼン系重合体樹脂粒子(積水化学工業社製、ミクロパールSP−205)10gをエッチングし水洗した後、パラジウム触媒を8重量%含有するパラジウム触媒化液100mL中に添加し攪拌した。その後、濾別し水洗した。更に、pH6に調整された0.5重量%のジメチルアミンボラン液に添加し、パラジウムにより活性化された基材微粒子を得た。
(2)ニッケルナノ粒子の付着
基材微粒子を脱イオン水300mL中で3分間攪拌し、分散させた後、その水溶液にニッケルナノ粒子スラリー(三井金属社製、「2020SUS」、平均粒子径200nm)1gを3分間かけて添加し、ニッケルナノ粒子からなる芯材を付着させた基材微粒子を得た。
(3)ニッケル層の形成
得られた基材微粒子に脱イオン水500mLを加え、充分に分散させて懸濁液とした。この懸濁液を攪拌しながら硫酸ニッケル6水和物50g/LからなるpHを7.5に調整した無電解ニッケルめっき液を徐々に添加し、無電解ニッケルめっきを行った。ニッケル層の厚さは77nmであった。
(4)銀層の形成
次に、銀塩として硝酸銀4.25gを脱イオン水1180mLに室温で溶解した溶液に、還元剤としてベンズイミダゾール15gを加えて溶解し、当初生成した沈殿が完全に溶解したのを確認した後、錯化剤としてコハク酸イミド25g、クエン酸1水和物3.5gを溶解し、その後、結晶調整剤としてグリオキシル酸10gを投入し完全溶解させ無電解銀めっき液を調製した。
次に、ニッケル層が形成された基材微粒子を無電解銀めっき液に投入し、この溶液を攪拌しながら加熱して温度を70℃に保った。その後、ブフナー漏斗で濾別して粒子を分離し、分離した粒子に脱イオン水約1000mLを振りかけ洗浄した。その後、アルコール置換を行い、真空乾燥機で80℃2時間乾燥することにより、銀層が形成された基材微粒子を得た。銀層の厚さは30nmであった。
(5)金層の形成
次に、塩化金酸ナトリウム10gと脱イオン水1000mLとを含む溶液を調製し、得られた銀層が形成された粒子15gを混合して水性懸濁液を調製した。得られた水性懸濁液に、チオ硫酸アンモニウム15g、亜硫酸アンモニウム80g、及び、リン酸水素アンモニウム40gを投入しめっき液を調製した。得られためっき液にヒドロキシルアミン4gを投入後、アンモニアを用いpHを9に合わせ、浴温を60℃にし、15〜20分程度反応させることにより最表面に金層が形成された導電性微粒子を得た。金層の厚さは20nmであった。
<評価>
実施例1〜2及び比較例1で得られた導電性微粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)突起の平均高さ
得られた導電性微粒子について、走査電子顕微鏡(SEM)により倍率10000倍で粒子観察を行い、突起の高さを調べた。
上記突起の高さは、導電性微粒子において最表面を形成する導電層の表面から突起として現れている高さを測定した。このとき5nm以上のものを突起として認識した。
突起の平均高さは、認識した任意の20個の突起について高さを測定し、それを算術平均することにより算出した。
(2)接続抵抗値の測定
得られた導電性微粒子を用いて以下の方法により異方性導電材料を作製し、電極間の接続抵抗値の測定を行った。
樹脂バインダーの樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及び、トルエン100重量部を、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて接着性フィルムを得た。
次いで、樹脂バインダーの樹脂としてエポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、「エピコート828」)100重量部、トリスジメチルアミノエチルフェノール2重量部、及び、トルエン100重量部に、得られたそれぞれの導電性微粒子を添加し、遊星式攪拌機を用いて充分に混合した後、離型フィルム上に乾燥後の厚さが7μmとなるように塗布し、トルエンを蒸発させて導電性微粒子を含有する接着性フィルムを得た。なお、導電性微粒子の配合量は、フィルム中の含有量が5万個/cmとなるようにした。
得られた接着性フィルムと導電性微粒子を含有する接着性フィルムとを常温でラミネートすることにより、2層構造を有する厚さ17μmの異方性導電フィルムを得た。
得られた異方性導電フィルムを5×5mmの大きさに切断した。これを、一方に抵抗測定用の引き回し線を有した幅200μm、長さ1mm、高さ0.2μm、L/S20μmのアルミニウム電極のほぼ中央に貼り付けた後、透明なITO電極を有するガラス基板を、電極同士が重なるように位置あわせをしてから貼り合わせた。
このガラス基板の接合部を、10N、100℃の圧着条件で熱圧着して試験片を作製した。電極間の接続抵抗値を測定した。
(3)樹脂排除性
光学顕微鏡(倍率400倍)を使って、接続抵抗値の測定の際に使用した試験片の透明なITO電極を通して導電性微粒子と電極端子との接触面を観察した。観察された導電性微粒子から任意に20個の導電性微粒子を選び、電極端子と接触している導電性微粒子の表面に金属光沢が有るか否かを評価した。金属光沢を有する導電性微粒子の割合を求めた。
なお、バインダー樹脂が電極端子と導電性微粒子との間に存在すると、光学顕微鏡で観察された導電性微粒子の表面光沢は大きく低下する。したがって、試験片を作製する時の熱圧着により、接触面から異方性導電フィルムのバインダー樹脂がきちんと排除されたか否かは導電性微粒子の表面光沢の有無から確認した。
Figure 2009032397
本発明によれば、導通不良を防止でき、抵抗値を低減できる導電性微粒子を提供することができる。

Claims (2)

  1. 基材微粒子、前記基材微粒子の表面に形成されたニッケル層、及び、前記ニッケル層の表面に形成された突起を有する銀又は銅からなる低抵抗金属層からなる導電性微粒子であって、
    前記突起は、前記ニッケル層と前記低抵抗金属層との間に挟まれた前記低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子を芯材とする
    ことを特徴とする導電性微粒子。
  2. 請求項1記載の導電性微粒子の製造方法であって、
    基材微粒子の表面にニッケル層を形成させる工程と、
    前記ニッケル層の表面に、低抵抗金属層と同一金属の金属ナノ粒子からなる芯材を付着させる工程と、
    前記金属ナノ粒子からなる芯材が付着したニッケル層の表面に、銀又は銅からなる低抵抗金属層を形成させる工程とからなる
    ことを特徴とする導電性微粒子の製造方法。
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