JP2009030792A - 遠心クラッチ及びそれを備えた車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】クラッチレリーズ機構を備えた遠心クラッチにおいて、コンパクト化と共に、レリーズポイントの安定化を図る。
【解決手段】遠心クラッチ2は、クラッチハウジング46と、クラッチボス48と、プレート群66と、プレッシャプレート77と、ローラリテーナー78と、皿バネ83と、押圧体40aと、クラッチレリーズ機構86とを備えている。プレッシャプレート77は、軸線の軸方向に関して他方側に変位することで、直接又は間接的にプレート群66を押圧してプレート群66を圧接状態にさせる。皿バネ83は、遠心方向に関して、一方の端部から他方の端部に向けて軸線の軸方向とは傾斜する方向に延びている。皿バネ83の一方の端部は、クラッチハウジング46に対して直接又は間接的に固定されている。皿バネ83は、皿バネ83の他方の端部でもって直接又は間接的にローラリテーナー78を他方側に付勢する。
【選択図】図1
【解決手段】遠心クラッチ2は、クラッチハウジング46と、クラッチボス48と、プレート群66と、プレッシャプレート77と、ローラリテーナー78と、皿バネ83と、押圧体40aと、クラッチレリーズ機構86とを備えている。プレッシャプレート77は、軸線の軸方向に関して他方側に変位することで、直接又は間接的にプレート群66を押圧してプレート群66を圧接状態にさせる。皿バネ83は、遠心方向に関して、一方の端部から他方の端部に向けて軸線の軸方向とは傾斜する方向に延びている。皿バネ83の一方の端部は、クラッチハウジング46に対して直接又は間接的に固定されている。皿バネ83は、皿バネ83の他方の端部でもって直接又は間接的にローラリテーナー78を他方側に付勢する。
【選択図】図1
Description
本発明は遠心クラッチ及びそれを備えた車両に関する。
例えば、特許文献1には、クラッチ解放機構(「クラッチ解放機構」は、「クラッチレリーズ機構」ともいう。)を備えた遠心クラッチが開示されている。図19は、特許文献1に開示された遠心クラッチ200の断面図である。図19に示すように、遠心クラッチ200は、クラッチドラム201と、クラッチハブ202と、プレート群205とを備えている。プレート群205と、クラッチドラム201と共に回転するドライブプレート204、及びクラッチハブ202と共に回転するドリブンプレート203とにより構成されている。遠心クラッチ200では、遠心ボール208に作用する遠心力と、クラッチスプリング206の付勢力とによって、加圧板210と移動板207との間の間隔が広げられる一方、加圧板210とクラッチドラム201の底部との間の間隔が狭められる。これにより、プレート群205が圧接状態となる。
特開平4-316724号公報
特許文献1においては、クラッチスプリング206は、圧縮コイルばねにより構成されている。このため、クラッチスプリング206の付勢力を受け止めるエンドプレート209を移動板207と対向して別途配置する必要がある。また、エンドプレート209と移動板207とは、クラッチスプリング206の付勢力を受け止める際に、変形しないように、比較的剛性の高いものでなければならない。つまり、圧縮コイルばねからなるクラッチスプリング206を使用する場合、比較的剛性が高く、厚さの厚いエンドプレート209と移動板207とを設ける必要がある。従って、クラッチが大形化するという問題がある。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クラッチレリーズ機構を備えた遠心クラッチにおいて、コンパクト化を図ることにある。
本発明に係るクラッチは、クラッチハウジングと、クラッチボスと、プレート群と、プレッシャ部材と、リテーナーと、板バネと、押圧体と、クラッチレリーズ機構とを備えている。クラッチハウジングは、軸線を中心として回転する。クラッチボスは、クラッチハウジングの内側に配置されている。クラッチボスは、軸線を中心として回転する。プレート群は、フリクションプレートと、クラッチプレートと、を有する。フリクションプレートは、クラッチハウジングと共に回転する。クラッチプレートは、フリクションプレートに対して軸線の軸方向に変位可能に対向する。クラッチプレートは、クラッチボスと共に回転する。プレッシャ部材は、プレート群よりも一方側に配置されている。プレッシャ部材は、クラッチハウジングと共に回転する。プレッシャ部材は、軸線の軸方向に変位可能である。プレッシャ部材は、軸線の軸方向に関して他方側に変位することで、直接又は間接的にプレート群を押圧してプレート群を圧接状態にさせる。リテーナーは、プレッシャ部材の一方側の面と対向する。リテーナーは、クラッチハウジングと共に回転する。リテーナーは、軸線の軸方向に変位可能にクラッチハウジングに直接又は間接的に支持されている。リテーナーは、プレッシャ部材と共に、軸線から遠ざかるに従って幅狭となる空間を形成する。板バネは、リテーナーよりも一方側において、クラッチハウジングとリテーナーとの間に設けられている。板バネは、遠心方向に関して、一方の端部から他方の端部に向けて軸線の軸方向とは傾斜する方向に延びている。板バネの一方の端部は、クラッチハウジングに対して直接又は間接的に固定されている。板バネは、板バネの他方の端部でもって直接又は間接的にリテーナーを他方側に付勢する。押圧体は、プレッシャ部材と、リテーナーとの間の空間に配置されている。押圧体は、クラッチハウジングの回転に伴って軸線周りを旋回する。押圧体は、旋回時に生じる遠心力によって、プレッシャ部材をプレート群側に押圧しながら、軸線から遠ざかる方向に移動する。クラッチレリーズ機構は、プレッシャ部材を一方側に押圧し、プレート群の圧接状態を解除させる。
本発明によれば、クラッチレリーズ機構を備えた遠心クラッチのコンパクト化と、レリーズポイントの安定化とを図ることができる。
《実施形態1》
(本実施形態の概要)
本実施形態は、図1に示すように、プレート群66を直接又は間接的に付勢する付勢手段として、板バネの一種である皿バネ83を用い、且つその皿バネ83を、プレート群66に対して、入力側押圧体40aと同じ側に配置することによって、遠心クラッチ2のコンパクト化が図られたものである。
(本実施形態の概要)
本実施形態は、図1に示すように、プレート群66を直接又は間接的に付勢する付勢手段として、板バネの一種である皿バネ83を用い、且つその皿バネ83を、プレート群66に対して、入力側押圧体40aと同じ側に配置することによって、遠心クラッチ2のコンパクト化が図られたものである。
以下、本発明を実施したクラッチ及びそれを備えた車両について、図1に示す遠心クラッチ2及び図3に示す自動二輪車1を例に挙げて説明する。但し、自動二輪車1や遠心クラッチ2は、本発明を実施した好ましい形態の単なる例示である。本発明は、自動二輪車1や遠心クラッチ2に限定されるものではない。本発明に係る車両は、例えば、オフロードタイプの自動二輪車、スクーター又はモペット、若しくはATV:All Terrain Vehicle等の鞍乗型車両であってもよい。又、本発明に係る車両は、四輪車等に代表される鞍乗型車両以外の車両であってもよい。ここで、本明細書において、「自動二輪車」とは、所謂狭義のモーターサイクルのみではなく、オフロード車、スクーター及びモペットなどを含む広義の自動二輪車をいう。
尚、下記説明において、前後左右の方向は、図3に示すシート16に着座した乗員から視た方向をいうものとする。また、図1において、軸線AXよりも上側部分と下側部分とでは、異なる状態の遠心クラッチ2を表している。具体的に、軸線AXよりも上側部分は、プレート群66が圧接していない状態を表している。軸線AXよりも下側部分は、プレート群66が圧接している状態を表している。また、図2は、説明の便宜上、パワーユニット3の一部のみを描画したものである。
図1は、本実施形態に係る遠心クラッチ2の断面図である。図2は、遠心クラッチ2を用いたパワーユニット3の概略構成図である。図3は、パワーユニット3を用いた自動二輪車1の左側面図である。まず、主として図3を参照しながら自動二輪車1の概略構成について説明する。
(自動二輪車1の概略構成)
図3に示すように、自動二輪車1は、車体フレーム10を備えている。車体フレーム10は、ヘッドパイプ11を有している。ヘッドパイプ11の上側には、ハンドル12が取り付けられている。一方、ヘッドパイプ11の下側には、フロントフォーク13を介して、前輪14が回転可能に取り付けられている。
図3に示すように、自動二輪車1は、車体フレーム10を備えている。車体フレーム10は、ヘッドパイプ11を有している。ヘッドパイプ11の上側には、ハンドル12が取り付けられている。一方、ヘッドパイプ11の下側には、フロントフォーク13を介して、前輪14が回転可能に取り付けられている。
車体フレーム10には、燃料タンク15が取り付けられている。車体の前後方向のほぼ中央部分には、シート16が配置されている。
車体フレーム10には、パワーユニット3が懸架されている。車体フレーム10の後半部には、ピボット軸17が設けられている。ピボット軸17には、リアアーム18が揺動可能に支持されている。また、リアアーム18は、リンク機構20と、リアクッションユニット21とを介して車体フレーム10に支持されている。
リアアーム18の後端部には、後輪19が回転可能に取り付けられている。後輪19には、ドリブンスプロケット22が設けられている。一方、パワーユニット3のドライブ軸23には、駆動スプロケット24が設けられている。この駆動スプロケット24とドリブンスプロケット22とには、駆動力伝達機構としてのチェーン25が巻き掛けられている。このチェーン25によって、パワーユニット3の動力が後輪19に伝達される。これにより、後輪19が回転する。
尚、本発明において、パワーユニット3からの動力を後輪19に伝達する駆動力伝達機構は、チェーン25に限定されない。駆動力伝達機構は、例えば、ドライブシャフト、ベルトなどであってもよい。
(パワーユニット3)
次に、主として図2を参照しながら、パワーユニット3の構成について、詳細に説明する。図2に示すように、パワーユニット3は、エンジン4と、変速機構5と、遠心クラッチ2とを備えている。本発明において、エンジンの種類は特に限定されない。本実施形態では、エンジン4が水冷式4サイクル並列4気筒型のエンジンである例について説明する。
次に、主として図2を参照しながら、パワーユニット3の構成について、詳細に説明する。図2に示すように、パワーユニット3は、エンジン4と、変速機構5と、遠心クラッチ2とを備えている。本発明において、エンジンの種類は特に限定されない。本実施形態では、エンジン4が水冷式4サイクル並列4気筒型のエンジンである例について説明する。
−エンジン4−
エンジン4は、図示しない気筒軸が車体前方に向かってやや斜め上方向に延びるように配置されている。エンジン4は、図3に示すクランクケース31と、クランク軸32とを備えている。クランク軸32は、クランクケース31に収納されている。クランク軸32は、車幅方向に延びるように配置されている。
エンジン4は、図示しない気筒軸が車体前方に向かってやや斜め上方向に延びるように配置されている。エンジン4は、図3に示すクランクケース31と、クランク軸32とを備えている。クランク軸32は、クランクケース31に収納されている。クランク軸32は、車幅方向に延びるように配置されている。
−変速機構5−
図2に示すように、クランク軸32は、遠心クラッチ2を介して、変速機構5に接続されている。変速機構5は、メイン軸33と、ドライブ軸23と、ギア選択機構36とを備えている。メイン軸33は、遠心クラッチ2を介してクランク軸32に接続されている。メイン軸33とドライブ軸23とは、それぞれ、クランク軸32と略平行に配置されている。
図2に示すように、クランク軸32は、遠心クラッチ2を介して、変速機構5に接続されている。変速機構5は、メイン軸33と、ドライブ軸23と、ギア選択機構36とを備えている。メイン軸33は、遠心クラッチ2を介してクランク軸32に接続されている。メイン軸33とドライブ軸23とは、それぞれ、クランク軸32と略平行に配置されている。
メイン軸33には、多段の変速ギア34が装着されている。一方、ドライブ軸23には、多段の変速ギア34に対応する複数の変速ギア35が装着されている。複数の変速ギア34と複数の変速ギア35とは、選択された一対のギア同士のみで相互に噛合している。複数の変速ギア34のうち、選択された変速ギア34以外の変速ギア34と、複数の変速ギア35のうち、選択された変速ギア35以外の変速ギア35とのうちの少なくとも一方は、メイン軸33又はドライブ軸23に対して回転可能となっている。つまり、選択されていない変速ギア34と、選択されていない変速ギア35のうちの少なくとも一方は、メイン軸33又はドライブ軸23に対して空転するようになっている。すなわち、メイン軸33とドライブ軸23との間の回転伝達は、相互に噛合する、選択された変速ギア34及び選択された変速ギア35のみを介して行われる。
変速ギア34、35の選択は、ギア選択機構36によって選択される。具体的に、変速ギア34、35の選択は、ギア選択機構36のシフトカム37によって選択される。シフトカム37の外周面には、複数のカム溝37aが形成されている。各カム溝37aには、シフトフォーク38が装着されている。各シフトフォーク38は、それぞれメイン軸33及びドライブ軸23の所定の変速ギア34及び35に係合している。シフトカム37が回転することによって、複数のシフトフォーク38のそれぞれがカム溝37aに案内されてメイン軸33の軸方向に移動する。これにより、変速ギア34及び35のうちの相互に噛合するギアが選択される。具体的に、複数の変速ギア34及び35のうち、シフトカム37の回転角度に応じた位置の一対のギアのみがメイン軸33及びドライブ軸23に対して、それぞれスプラインによる固定状態となる。これにより、変速ギア位置が決定され、変速ギア34及び35を介して、メイン軸33とドライブ軸23との間で所定の変速比で回転伝達が行われる。その結果、図3に示すチェーン25を介して後輪19に動力が伝達され、後輪19が回転する。
尚、このギア選択機構36は、図示しないシフトペダルにより操作される。
−遠心クラッチ2−
次に、遠心クラッチ2の構成について、主として図1を参照しながら詳細に説明する。遠心クラッチ2は、ライダーの操作による操作も可能な遠心クラッチである。本実施形態では、遠心クラッチ2が湿式多板式の摩擦クラッチである例について説明する。
次に、遠心クラッチ2の構成について、主として図1を参照しながら詳細に説明する。遠心クラッチ2は、ライダーの操作による操作も可能な遠心クラッチである。本実施形態では、遠心クラッチ2が湿式多板式の摩擦クラッチである例について説明する。
〜入力側クラッチ部材44(=クラッチハウジング46)〜
遠心クラッチ2は、入力側クラッチ部材44を備えている。入力側クラッチ部材44は、メイン軸33の軸線AXを中心として回転する。本実施形態では、入力側クラッチ部材44は、クラッチハウジング46によって構成されている。クラッチハウジング46は、一端が閉じられた筒状に形成されている。クラッチハウジング46には、メイン軸33が貫通している。クラッチハウジング46は、メイン軸33と同じ軸線AXを有する。
遠心クラッチ2は、入力側クラッチ部材44を備えている。入力側クラッチ部材44は、メイン軸33の軸線AXを中心として回転する。本実施形態では、入力側クラッチ部材44は、クラッチハウジング46によって構成されている。クラッチハウジング46は、一端が閉じられた筒状に形成されている。クラッチハウジング46には、メイン軸33が貫通している。クラッチハウジング46は、メイン軸33と同じ軸線AXを有する。
図4は、クラッチハウジング46の上方斜め上から視た斜視図である。図4に示すように、クラッチハウジング46はハウジング本体46cを備えている。ハウジング本体46cは、底部46aによって一端が閉じられた円筒状に形成されている。底部46aには、メイン軸33が挿入される挿入孔46bが形成されている。ハウジング本体46cには、複数対のアーム46dが設けられている。各アーム46dは、ハウジング本体46cの内周面から、径方向内側に向かって突出するように形成されている。各アーム46dは、底部46aから、車幅方向の外側に向かって延びている。アーム46dは、比較的車幅方向の内側に位置する内側部46eと、比較的車幅方向の外側に位置する外側部46fとを有している。内側部46eの径方向における厚さは、外側部46fの同厚さよりも厚い。このため、内側部46eと外側部46fとの境界には、端面46hが形成されている。また、外側部46fの先端部には、周方向に延びる線条溝46gが形成されている。
図1に示すように、クラッチハウジング46には、シザーズギア45が取り付けられている。具体的に、クラッチハウジング46は、以下に述べるギア45aに対して回転不能に固定されている。シザーズギア45の軸線は、クラッチハウジング46の軸線と共通している。図2に示すように、シザーズギア45は、クランク軸32のギア32aと噛合している。このため、クランク軸32の回転に伴って、シザーズギア45とクラッチハウジング46とが一体的に回転する。
具体的に、シザーズギア45は、図1に示すように、2枚のギア45a、45bと、スプリング49と、2枚のプレート51、52とを備えている。ギア45aとギア45bとは、この2枚のプレート51、52の間に位置している。2枚のプレート51、52は、メイン軸33の軸方向に関して、リベットや、ビスなどの固定手段によって相互に固定されている。これにより、2枚のギア45a、45bは、メイン軸33の軸方向に関して、相互に実質的に固定されている。一方、ギア45aとギア45bとは、回転方向に関して、相互に回転可能となっている。
ギア45aとギア45bとは、歯数が相互に等しい。ギア45aとギア45bとは、周方向に関して、それぞれの歯が互い違いに位置するように配置されている。スプリング49は、ギア45aとギア45bとの間に設けられている。このため、ギア45aとギア45bとには、スプリング49によって搾りトルクが付与される。これにより、エンジン4の変動トルクが吸収される。
シザーズギア45とメイン軸33との間には、ニードルベアリング53と、メイン軸33に対して回転不能に固定されたスペーサ54とが配置されている。このニードルベアリング53によって、シザーズギア45は、メイン軸33に対して回転可能となっている。つまり、シザーズギア45の回転は、直接メイン軸33に伝わらないようになっている。
シザーズギア45の車幅方向における内側の端面には、スプロケット55が接している。このスプロケット55は、図示しないオイルポンプなどを駆動するためのものである。スプロケット55には、メイン軸33が挿入されている。スプロケット55は、メイン軸33と同じ軸線AXを有する。スプロケット55とメイン軸33との間には、ベアリング56と、カラー57とが配置されている。カラー57は、メイン軸33に対して回転不能に固定されている。ベアリング56は、カラー57とスプロケット55との間に配置されている。このため、スプロケット55は、メイン軸33に対して回転可能となっている。よって、スプロケット55は、メイン軸33とは別に、シザーズギア45と共に回転する。その結果、ベルトやチェーンなどの動力伝達手段によりスプロケット55に接続されたオイルポンプなどが駆動される。
カラー57の車幅方向の内側には、スペーサ59と、ベアリング58とが配置されている。スペーサ59は、カラー57に接する一方、スプロケット55には接していない。且つ、スペーサ59は、ベアリング58の内輪58aに接する一方、外輪58bには接していない。
ベアリング58の外輪58bは、クランクケース31に対して固定されている。つまり、メイン軸33の右側端部は、ベアリング58によって、クランクケース31に回転可能に支持されている。一方、図7に示すように、メイン軸33の左側端部は、ベアリング94によって、クランクケース31に回転可能に支持されている。
ベアリング58は、メイン軸33に対して、メイン軸33の軸線AXの軸方向に関して、変位不能に取り付けられている。一方、クラッチボス48とシザーズギア45との間には、スラストベアリング63が配置されている。シザーズギア45と、ニードルベアリング53、スペーサ54、スプロケット55、ベアリング56、カラー57及びスペーサ59は、ベアリング58とスラストベアリング63とによって、メイン軸33の軸線AXの軸方向に関して固定されている。
スペーサ59とベアリング58との間には、皿バネ61と、ワッシャ62とが配置されている。ワッシャ62は、ベアリング58のうち、外輪58bにのみ接している。ワッシャ62は、皿バネ61によって、メイン軸33の軸線AXの軸方向の内側に向かって付勢されている。言い換えれば、ワッシャ62は、皿バネ61によって、ベアリング58の外輪58b側に付勢されている。このため、メイン軸33が回転すると、皿バネ61とワッシャ62との間、及びワッシャ62と外輪58bとの間の少なくとも一方で、摺動抵抗が生じる。この摺動抵抗が、例えば、遠心クラッチ2が切断された状態で、メイン軸33が回転する際の回転抵抗になる。これにより、例えば、遠心クラッチ2が切断された際には、メイン軸33の回転が比較的早く収まる。
〜プレート群66〜
クラッチハウジング46の内側には、入力側クラッチ板としての複数のフリクションプレート64が配置されている。各フリクションプレート64は、メイン軸33の回転方向に関して、クラッチハウジング46に対して固定されている。このため、複数のフリクションプレート64は、クラッチハウジング46と共に回転する。尚、各フリクションプレート64は、メイン軸33の軸線AXの軸方向に関して変位可能である。このため、相互に隣接するフリクションプレート64相互間の距離は可変である。
クラッチハウジング46の内側には、入力側クラッチ板としての複数のフリクションプレート64が配置されている。各フリクションプレート64は、メイン軸33の回転方向に関して、クラッチハウジング46に対して固定されている。このため、複数のフリクションプレート64は、クラッチハウジング46と共に回転する。尚、各フリクションプレート64は、メイン軸33の軸線AXの軸方向に関して変位可能である。このため、相互に隣接するフリクションプレート64相互間の距離は可変である。
複数のフリクションプレート64は、メイン軸33の軸線AXの軸方向に配列されている。相互に隣接するフリクションプレート64相互間のそれぞれには、出力側クラッチ板としてのクラッチプレート65が配置されている。クラッチプレート65は、メイン軸33の軸線AX方向に関して、隣接するフリクションプレート64に変位可能に対向している。各クラッチプレート65は、メイン軸33の軸線AXの軸方向に関して、クラッチボス48に対して固定されている。このため、複数のクラッチプレート65は、クラッチボス48と共に回転する。尚、各クラッチプレート65は、メイン軸33の軸線AXの軸方向に関して変位可能である。このため、相互に隣接するクラッチプレート65相互間の距離は可変である。
本実施形態では、これら複数のフリクションプレート64と複数のクラッチプレート65とによってプレート群66が構成されている。
尚、プレート群66には、遠心クラッチ2がつながるときの荷重変化をなめらかにするためのジャダースプリングが取り付けられていてもよい。具体的に、例えば、クラッチプレート65とフリクションプレート64との間にジャダースプリングを配置し、クラッチプレート65とフリクションプレート64とを相互に離間する方向に付勢してもよい。
〜出力側クラッチ部材47(=クラッチボス48)〜
出力側クラッチ部材47としてのクラッチボス48は、クラッチハウジング46の内側に配置されている。クラッチボス48は、ナット67によって、メイン軸33に対して回転不能に固定されている。つまり、クラッチボス48は、メイン軸33と共に、軸線AXを中心として回転する。
出力側クラッチ部材47としてのクラッチボス48は、クラッチハウジング46の内側に配置されている。クラッチボス48は、ナット67によって、メイン軸33に対して回転不能に固定されている。つまり、クラッチボス48は、メイン軸33と共に、軸線AXを中心として回転する。
〜ローラリテーナー69〜
メイン軸33の車幅方向外側には、シャフト68が配置されている。シャフト68は、メイン軸33とプレッシャプレート77との間に圧入されている。シャフト68は、メイン軸33と共に回転する。シャフト68は、メイン軸33の軸線AXの軸方向に変位可能である。シャフト68には、ローラリテーナー69が装着されている。ローラリテーナー69は、シャフト68に対して回転不能である。つまり、ローラリテーナー69は、シャフト68と共に回転する。一方、シャフト68の軸方向に関しては、ローラリテーナー69は、シャフト68に対して変位可能である。
メイン軸33の車幅方向外側には、シャフト68が配置されている。シャフト68は、メイン軸33とプレッシャプレート77との間に圧入されている。シャフト68は、メイン軸33と共に回転する。シャフト68は、メイン軸33の軸線AXの軸方向に変位可能である。シャフト68には、ローラリテーナー69が装着されている。ローラリテーナー69は、シャフト68に対して回転不能である。つまり、ローラリテーナー69は、シャフト68と共に回転する。一方、シャフト68の軸方向に関しては、ローラリテーナー69は、シャフト68に対して変位可能である。
ローラリテーナー69は、シャフト68から径方向の外側に向かって延びている。ローラリテーナー69の径方向における外側の端部は、メイン軸33の軸線AXの軸方向に関して、プレート群66と対向している。ローラリテーナー69は、シャフト68と共に、車幅方向の内側に向かって変位することで、ローラリテーナー69とクラッチハウジング46の底部46aとの間の距離が短くなる。これにより、プレート群66がローラリテーナー69によって直接押圧される。その結果、プレート群66が圧接状態となる。具体的には、フリクションプレート64とクラッチプレート65とが相互に圧接した状態となる。これにより、フリクションプレート64とクラッチプレート65との間に、回転方向に関する摩擦力が生じる。その結果、クラッチボス48がクラッチハウジング46と共に回転する。
一方、ローラリテーナー69が、シャフト68と共に、車幅方向の外側に向かって変位することで、ローラリテーナー69とクラッチハウジング46の底部46aとの間の距離が長くなる。これにより、プレート群66の圧接状態が解除される。よって、フリクションプレート64とクラッチプレート65との間における回転方向に関する摩擦力が比較的小さくなる。その結果、クラッチハウジング46の回転がクラッチボス48に伝わらなくなる。
このように、本実施形態では、ローラリテーナー69が車幅方向の内外に変位することで遠心クラッチ2の断続が行われる。
尚、クラッチボス48とローラリテーナー69との間には、出力側付勢部材としての出力側オフスプリング71が、周方向に沿って、均等間隔で、複数配置されている。ローラリテーナー69は、この複数の出力側オフスプリング71によって、プレート群66から離れる方向に付勢されている。これにより、ローラリテーナー69に車幅方向の内側に向けた付勢力が付与されていない状態では、ローラリテーナー69は、クラッチハウジング46の底部46aから比較的離れた状態にある。よって、プレート群66は非圧接状態にある。尚、出力側オフスプリング71は、例えば、圧縮コイルばねにより構成することができる。
この出力側オフスプリング71の弾性力が強いほど、遠心クラッチ2がつながりにくく、遠心クラッチ2が切れやすくなる。一方、出力側オフスプリング71の弾性力が弱いほど、遠心クラッチ2がつながりやすく、遠心クラッチ2が切れにくくなる。よって、この出力側オフスプリング71の弾性力を調節することによって、遠心クラッチ2の断続のタイミングを調整することができる。
ローラリテーナー69のプレート群66とは反対側の面には、複数のカム面69aが形成されている。複数のカム面69aは、径方向に関して、プレート群66よりも内側に位置している。複数のカム面69aは、メイン軸33の軸線AXを中心として放射状に配置されている。各カム面69aは、径方向外側にいくに従って車幅方向の外側に向かって延びている。
〜出力側リテーナー72〜
シャフト68には、出力側リテーナー72が取り付けられている。出力側リテーナー72は、シャフト68に対して、回転不能かつ軸線AXの軸方向に変位不能に取り付けられている。出力側リテーナー72は、ローラリテーナー69のプレート群66とは反対側の面と対向している。言い換えれば、出力側リテーナー72は、カム面69aと対向している。出力側リテーナー72は、ローラリテーナー69のカム面69aと共に、軸線AXから遠ざかるに従って幅狭となる空間70を形成している。
シャフト68には、出力側リテーナー72が取り付けられている。出力側リテーナー72は、シャフト68に対して、回転不能かつ軸線AXの軸方向に変位不能に取り付けられている。出力側リテーナー72は、ローラリテーナー69のプレート群66とは反対側の面と対向している。言い換えれば、出力側リテーナー72は、カム面69aと対向している。出力側リテーナー72は、ローラリテーナー69のカム面69aと共に、軸線AXから遠ざかるに従って幅狭となる空間70を形成している。
具体的に、出力側リテーナー72は、スプリングストッパプレート73と、スプリング74とを備えている。スプリングストッパプレート73は、シャフト68に対して固定されている。
スプリング74は、具体的には、2枚の輪帯状の皿バネ74a、74bによって構成されている。皿バネ74aは、径方向の外側に向かって車幅方向の外側に延びている。皿バネ74aの径方向の外側端は、スプリングストッパプレート73に当て止めされている。皿バネ74bの内側端は、皿バネ74aの内側端に当接している。皿バネ74bは、径方向の外側に向かって車幅方向の内側に延びている。この皿バネ74bとカム面69aとによって、上記空間70が形成されている。尚、スプリング74とシャフト68との間には、カラーワッシャ76が配置されている。このカラーワッシャ76によって、シャフト68とスプリング74との直接的な衝突が抑制されている。
尚、本実施形態のように、スプリング74として皿バネ74a、74bを使用することによって、周方向に比較的均一な付勢力を発生させることができる。このため、ローラリテーナー69を、周方向に比較的均一な力で押圧することができる。その結果、周方向に関して、プレート群66の密着ムラを減少させることができ、より好適にプレート群66を密着させることができる。
〜出力側ローラウエイト42〜
空間70には、出力側押圧体40bが配置されている。出力側押圧体40bは、複数の出力側ローラウエイト42により構成されている。出力側ローラウエイト42は、シャフト68の回転に伴って旋回し、その旋回時に生じる遠心力によって、前記ローラリテーナー69をプレート群66側に押圧すると共に、前記スプリング74を車幅方向の外側に押圧しながら、軸線AXから遠ざかる方向に向かって移動する。これにより、ローラリテーナー69がプレート群66側に移動し、プレート群66が圧接状態となる。
空間70には、出力側押圧体40bが配置されている。出力側押圧体40bは、複数の出力側ローラウエイト42により構成されている。出力側ローラウエイト42は、シャフト68の回転に伴って旋回し、その旋回時に生じる遠心力によって、前記ローラリテーナー69をプレート群66側に押圧すると共に、前記スプリング74を車幅方向の外側に押圧しながら、軸線AXから遠ざかる方向に向かって移動する。これにより、ローラリテーナー69がプレート群66側に移動し、プレート群66が圧接状態となる。
出力側ローラウエイト42の形状は、シャフト68の回転に伴って旋回すると共に、径方向内外に移動可能な形状であれば特に限定されない。具体的に、本実施形態では、出力側ローラウエイト42は、略円柱状に形成されている。
より具体的には、出力側ローラウエイト42は、出力側ローラウエイト42の軸方向に関して、中央部分と両側部分と分かれている。両側部分は、相互に回転不能である。一方、中央部分は、両側部分に対して、回転可能である。カム面69aは、この中央部分にのみ当接するように形成されている。言い換えれば、カム面69aに当接する中央部分のみが他の部分に対して回転可能となっている。そうすることで、カム面69aと出力側ローラウエイト42との間の摺動摩擦を軽減することができる。その結果、出力側ローラウエイト42の摩耗を抑制することができる。
〜プレッシャプレート77及びローラリテーナー78〜
プレート群66よりも車幅方向右側には、プレッシャ部材としてのプレッシャプレート77が配置されている。プレッシャプレート77は、ベアリング75の外輪75bに回転不能に取り付けられている。プレッシャプレート77の径方向における外側端部は、図4に示す複数のアーム46dと係合している。これにより、プレッシャプレート77は、クラッチハウジング46に対して回転不能となっている。言い換えれば、プレッシャプレート77は、クラッチハウジング46と共に回転する。一方、軸線AXの軸方向に関しては、プレッシャプレート77は、クラッチハウジング46に対して変位可能である。
プレート群66よりも車幅方向右側には、プレッシャ部材としてのプレッシャプレート77が配置されている。プレッシャプレート77は、ベアリング75の外輪75bに回転不能に取り付けられている。プレッシャプレート77の径方向における外側端部は、図4に示す複数のアーム46dと係合している。これにより、プレッシャプレート77は、クラッチハウジング46に対して回転不能となっている。言い換えれば、プレッシャプレート77は、クラッチハウジング46と共に回転する。一方、軸線AXの軸方向に関しては、プレッシャプレート77は、クラッチハウジング46に対して変位可能である。
プレッシャプレート77とクラッチハウジング46との間には、入力側付勢部材としての入力側オフスプリング79が、クラッチハウジング46の周方向に沿って、均等間隔で複数配置されている。具体的に、複数の入力側オフスプリング79は、図4に示す対をなすアーム46dの各間隙46iに配置されている。入力側オフスプリング79は、圧縮コイルスプリングにより構成されている。この入力側オフスプリング79によって、プレッシャプレート77は、車幅方向の外側に向けて付勢されている。つまり、プレッシャプレート77は、入力側オフスプリング79によって、プレート群66から離れる方向に付勢されている。
このように、本実施形態では、プレッシャ部材としてのプレッシャプレート77は、ベアリング75及びシャフト68を介して間接的にローラリテーナー69を押圧している。これにより、プレッシャプレート77は、プレート群66を間接的に押圧している。
プレッシャ部材としてのプレッシャプレート77は、ローラリテーナー69がプレート群66を押圧する方向と同じ方向から、プレート群66を間接的に押圧している。
プレッシャプレート77よりも車幅方向の外側には、ローラリテーナー78が配置されている。ローラリテーナー78は、軸線AXの軸方向から視て輪帯状に形成されている。ローラリテーナー78は、プレッシャプレート77のプレート群66とは反対側の面と対向している。ローラリテーナー78のプレッシャプレート77側の面には、複数のカム面81が形成されている。複数のカム面81は、軸線AXを中心として放射状に配置されている。各、カム面81は、径方向の外側にいくに従って、車幅方向の内側に向かって延びるように形成されている。これにより、各カム面81とプレッシャプレート77との間に、軸線AXから遠ざかるに従って幅狭となる空間82が形成されている。
ローラリテーナー78の径方向の外側端部78bは、プレッシャプレート77と同じく、図4に示す複数のアーム46dと係合している。言い換えれば、ローラリテーナー78の径方向の外側端部は、クラッチハウジング46に直接支持されている。これにより、ローラリテーナー78は、クラッチハウジング46に対して回転不能となっている。言い換えれば、ローラリテーナー78は、クラッチハウジング46と共に回転する。一方、軸線AXの軸方向に関しては、ローラリテーナー78は、クラッチハウジング46に対して変位可能である。
〜皿バネ83〜
ローラリテーナー78よりも車幅方向右側には、付勢部材としての皿バネ83が配置されている。皿バネ83は板バネの一種である。皿バネ83は輪帯状に形成されている。皿バネ83は、クラッチハウジング46とローラリテーナー78との間に設けられている。皿バネ83は、遠心方向に関して、外側の端部83bから内側の端部83aに向けて、軸線AX方向とは傾斜する方向に延びている。言い換えれば、皿バネ83は、遠心方向に関して、外側の端部83bから、軸線AX寄りの内側の端部83aに向けて、ローラリテーナー78寄りに延びている。
ローラリテーナー78よりも車幅方向右側には、付勢部材としての皿バネ83が配置されている。皿バネ83は板バネの一種である。皿バネ83は輪帯状に形成されている。皿バネ83は、クラッチハウジング46とローラリテーナー78との間に設けられている。皿バネ83は、遠心方向に関して、外側の端部83bから内側の端部83aに向けて、軸線AX方向とは傾斜する方向に延びている。言い換えれば、皿バネ83は、遠心方向に関して、外側の端部83bから、軸線AX寄りの内側の端部83aに向けて、ローラリテーナー78寄りに延びている。
図1に示すように、皿バネ83の遠心方向の長さは、皿バネ83の遠心方向内側の端部83aが、入力側ローラウエイト41が軸線AXに最も近接して位置するときの入力側ローラウエイト41の軸線AX寄りの端部よりも軸線AXから離れるような長さに設定されている。
後述するように、皿バネ83の遠心方向外側の端部83bは、スプリングストッパー84とサークリップ85とによって、クラッチハウジング46に対して直接固定されている。一方、皿バネ83の遠心方向内側の端部83aは、ローラリテーナー78と直接接している。このため、皿バネ83は、遠心方向内側の端部83aでもって、ローラリテーナー78を軸線AX方向内側に直接付勢している。
ローラリテーナー78は、板バネの一種である皿バネ83によって、車幅方向の内側に付勢されている。言い換えれば、ローラリテーナー78は、皿バネ83によって、プレート群66側に付勢されている。
図5に示すように、リング状のスプリングストッパー84には、周方向に配列された複数の開口84aが形成されている。この開口84aには、クラッチハウジング46のアーム46d(図4を参照)が挿入される。これにより、クラッチハウジング46のアーム46dの変形が抑制されている。
皿バネ83は、スプリングストッパー84の径方向内側の部分と当接している。一方、スプリングストッパー84の径方向外側の部分は、アーム46dに形成された端面46hに当接している。これにより、スプリングストッパー84が、端面46hよりも車幅方向左側に移動しないようになっている。
サークリップ85は、図6に示すように、一部が切欠かれたリング状に形成されている。このサークリップ85は、アーム46dに形成された線条溝46g(図4を参照)に嵌められている。これにより、軸線AXの軸方向に関するサークリップ85の移動が規制されると共に、スプリングストッパー84の移動も規制されている。つまり、スプリングストッパー84は、軸線AXの軸方向に関して、サークリップ85と、アーム46dに形成された端面46hとによって固定されている。その結果、皿バネ83の径方向の外側端部は、軸線AXの軸方向に固定される。このように、サークリップ85を用いる皿バネ83の固定法によれば、簡単に皿バネ83を固定することができる。かつ、皿バネ83を簡単に取り外すことができる。
以上説明したように、皿バネ83によって、ローラリテーナー78は、軸線AXの軸方向に関して、プレート群66側に付勢されている。その皿バネ83の付勢力は、入力側ローラウエイト41及びプレッシャプレート77を介して、出力側リテーナー72が取り付けられたシャフト68をプレート群66側に付勢している。よって、出力側リテーナー72も、皿バネ83によって、軸線AXの軸方向に関して、プレート群66側に付勢されている。
尚、後に詳述するが、本実施形態では、図1や図10などに示すように、ローラリテーナー78の皿バネ83を支持する支持部分78aは、クラッチハウジング46に支持されているローラリテーナー78の外側端部78bよりも車幅方向右側に位置している。このため、皿バネ83は、図10に示すように、プレッシャプレート77が最も車幅方向右側に位置するときに、皿バネ83の径方向内側の端部83aが外側の端部83bよりも車幅方向右側に位置するまで変形する。
〜入力側ローラウエイト41〜
空間82には、入力側押圧体40aが配置されている。入力側押圧体40aは、複数の入力側ローラウエイト41によって構成されている。入力側ローラウエイト41は、軸線AXの軸方向に関して、出力側ローラウエイト42よりもプレート群66から離れたところに位置している。つまり、入力側ローラウエイト41は、軸線AXの軸方向に関して、出力側ローラウエイト42よりも右側に位置している。また、入力側ローラウエイト41は、軸線AXに垂直な径方向に関して、出力側ローラウエイト42よりも軸線AXから離れて位置している。このように、入力側ローラウエイト41と出力側ローラウエイト42とを、軸線AXに対して斜めに配置することで、入力側ローラウエイト41と出力側ローラウエイト42との位置的干渉を抑制することができる。その結果、遠心クラッチ2をコンパクト化することができる。
空間82には、入力側押圧体40aが配置されている。入力側押圧体40aは、複数の入力側ローラウエイト41によって構成されている。入力側ローラウエイト41は、軸線AXの軸方向に関して、出力側ローラウエイト42よりもプレート群66から離れたところに位置している。つまり、入力側ローラウエイト41は、軸線AXの軸方向に関して、出力側ローラウエイト42よりも右側に位置している。また、入力側ローラウエイト41は、軸線AXに垂直な径方向に関して、出力側ローラウエイト42よりも軸線AXから離れて位置している。このように、入力側ローラウエイト41と出力側ローラウエイト42とを、軸線AXに対して斜めに配置することで、入力側ローラウエイト41と出力側ローラウエイト42との位置的干渉を抑制することができる。その結果、遠心クラッチ2をコンパクト化することができる。
入力側ローラウエイト41は、クラッチハウジング46の回転に伴って旋回し、その旋回時に生じる遠心力によって、前記プレッシャプレート77をプレート群66側に押圧すると共に、前記スプリング74を車幅方向の外側に押圧しながら、軸線AXから遠ざかる方向に向かって移動する。これにより、ローラリテーナー69がプレート群66側に移動し、プレート群66が圧接状態となる。
入力側ローラウエイト41の形状は、シャフト68の回転に伴って旋回すると共に、径方向内外に移動可能な形状であれば特に限定されない。具体的に、本実施形態では、入力側ローラウエイト41は、略円柱状に形成されている。
より具体的には、入力側ローラウエイト41は、入力側ローラウエイト41の軸方向に関して、中央部分と両側部分と分かれている。両側部分は、相互に回転不能である。一方、中央部分は、両側部分に対して、回転可能である。カム面81は、この中央部分にのみ当接するように形成されている。言い換えれば、カム面81に当接する中央部分のみが他の部分に対して回転可能となっている。そうすることで、カム面81と入力側ローラウエイト41との間の摺動摩擦を軽減することができる。その結果、入力側ローラウエイト41の摩耗を抑制することができる。
〜入力側ローラウエイト41、出力側ローラウエイト42の重量〜
本実施形態では、複数の出力側ローラウエイト42の総重量は、複数の入力側ローラウエイト41の総重量よりも重く設定されている。例えば、出力側ローラウエイト42と入力側ローラウエイト41とは、それぞれ同じ数量だけ設けられており、出力側ローラウエイト42一個あたりの重量を、入力側ローラウエイト41一個あたりの重量よりも重く設定してもよい。出力側ローラウエイト42一個あたりの重量と入力側ローラウエイト41一個あたりの重量とが略同一であり、出力側ローラウエイト42を入力側ローラウエイト41よりも多く設けてもよい。また、出力側ローラウエイト42を入力側ローラウエイト41よりも多く設け、且つ出力側ローラウエイト42一個あたりの重量を、入力側ローラウエイト41一個あたりの重量よりも重く設定してもよい。
本実施形態では、複数の出力側ローラウエイト42の総重量は、複数の入力側ローラウエイト41の総重量よりも重く設定されている。例えば、出力側ローラウエイト42と入力側ローラウエイト41とは、それぞれ同じ数量だけ設けられており、出力側ローラウエイト42一個あたりの重量を、入力側ローラウエイト41一個あたりの重量よりも重く設定してもよい。出力側ローラウエイト42一個あたりの重量と入力側ローラウエイト41一個あたりの重量とが略同一であり、出力側ローラウエイト42を入力側ローラウエイト41よりも多く設けてもよい。また、出力側ローラウエイト42を入力側ローラウエイト41よりも多く設け、且つ出力側ローラウエイト42一個あたりの重量を、入力側ローラウエイト41一個あたりの重量よりも重く設定してもよい。
〜入力側オフスプリング79、出力側オフスプリング71の付勢力〜
また、本実施形態では、複数の出力側オフスプリング71の総付勢力が複数の入力側オフスプリング79の総付勢力よりも弱く設定されている。このように、複数の出力側ローラウエイト42及び複数の入力側ローラウエイト41の総重量、並びに複数の出力側オフスプリング71及び入力側オフスプリング79の総付勢力を設定することによって、出力側ローラウエイト42が遠心方向に移動を開始するクラッチボス48の回転速度が、入力側ローラウエイト41が遠心方向に移動を開始するクラッチハウジング46の回転速度よりも低く設定されている。
また、本実施形態では、複数の出力側オフスプリング71の総付勢力が複数の入力側オフスプリング79の総付勢力よりも弱く設定されている。このように、複数の出力側ローラウエイト42及び複数の入力側ローラウエイト41の総重量、並びに複数の出力側オフスプリング71及び入力側オフスプリング79の総付勢力を設定することによって、出力側ローラウエイト42が遠心方向に移動を開始するクラッチボス48の回転速度が、入力側ローラウエイト41が遠心方向に移動を開始するクラッチハウジング46の回転速度よりも低く設定されている。
具体的に、出力側オフスプリング71と入力側オフスプリング79とが同じ数量だけ設けられており、各出力側オフスプリング71の付勢力を、各入力側オフスプリング79の付勢力よりも弱く設定してもよい。各出力側オフスプリング71の付勢力と、各入力側オフスプリング79の付勢力とを略同一として、出力側オフスプリング71を入力側オフスプリング79よりも多く設けてもよい。また、出力側オフスプリング71を入力側オフスプリング79よりも多く設けると共に、各出力側オフスプリング71の付勢力を、各入力側オフスプリング79の付勢力よりも弱く設定してもよい。
〜クラッチレリーズ機構86〜
本実施形態の遠心クラッチ2には、圧接解除機構としてのクラッチレリーズ機構86が設けられている。クラッチレリーズ機構86は、自動二輪車1のライダーから加えられる力によって、強制的にプレート群66の圧接状態を解除する。このクラッチレリーズ機構86によって、自動二輪車1のライダーによる遠心クラッチ2の切断が可能となっている。
本実施形態の遠心クラッチ2には、圧接解除機構としてのクラッチレリーズ機構86が設けられている。クラッチレリーズ機構86は、自動二輪車1のライダーから加えられる力によって、強制的にプレート群66の圧接状態を解除する。このクラッチレリーズ機構86によって、自動二輪車1のライダーによる遠心クラッチ2の切断が可能となっている。
尚、本実施形態では、自動二輪車1のライダーが、図示しないクラッチレバー又はクラッチペダル等のクラッチ操作手段を操作することによって、クラッチレバー又はクラッチペダルに加えられた力がクラッチレリーズ機構86に付与され、プレート群66の圧接状態が強制的に解除される例について説明する。但し、本発明は、これに限定されない。例えば、自動二輪車1のライダーが、図示しないクラッチレバー又はクラッチペダルを操作することによって、別途設けられたオイルポンプなどの駆動機構が操作され、オイルポンプにより生じた力がクラッチレリーズ機構86に付与され、プレート群66の圧接状態が強制的に解除されるようにしてもよい。
クラッチレリーズ機構86は、図1及び図2に示すプッシュロッド43と、図2及び図7に示すプッシュロッド駆動機構87とを備えている。図1に示すように、プッシュロッド43は、メイン軸33の内部に、軸線AXの軸方向に貫通するようにメイン軸33の内部に形成された貫通孔33aの内部に配置されている。尚、貫通孔33aは、遠心クラッチ2の各摺動部などにオイルを供給するためのオイル供給孔を兼ねている。具体的に、貫通孔33aの内壁とプッシュロッド43との間の隙間89を介してオイルが遠心クラッチ2の各摺動部に供給される。
プッシュロッド43は、短プッシュロッド43aと、長プッシュロッド43bとを備えている。短プッシュロッド43aは、比較的車幅方向外側に配置されている。短プッシュロッド43aの右側端は、シャフト68に当接している。短プッシュロッド43aの軸方向に関するほぼ中央部分には、Oリング88が取り付けられている。これにより、隙間89を介して供給されるオイルが、Oリング88よりも車幅方向の右側にまで達するのが抑制されている。また、Oリング88を設けることで、短プッシュロッド43aがメイン軸33と共に回転するようになっている。一方、長プッシュロッド43bは、メイン軸33と共に回転しない。このため、メイン軸33が回転すると、長プッシュロッド43bに対して、短プッシュロッド43aが相対的に回転することとなる。このことに鑑み、短プッシュロッド43aの長プッシュロッド43b側の端面は、長プッシュロッド43b側に向かって突出する曲面に形成されている。これにより、短プッシュロッド43aが回転するときの、短プッシュロッド43aと長プッシュロッド43bとの間の摺動抵抗が軽減されている。
図2及び図7に示すように、長プッシュロッド43bの左側端は、メイン軸33の左側端よりも左側に位置し、プッシュロッド駆動機構87に至っている。図7は、プッシュロッド駆動機構87を表す断面図である。尚、図7の軸線AXよりも上の部分は、クラッチレリーズ機構86が駆動されていない状態を表している。言い換えれば、図7の軸線AXよりも下の部分は、プッシュロッド43が比較的左側に位置し、プッシュロッド43によってシャフト68が右側に変位していない状態を表している。一方、図7の軸線AXよりも上の部分は、クラッチレリーズ機構86が駆動されている状態を表している。言い換えれば、図7の軸線AXよりも上の部分は、プッシュロッド43が比較的右側に位置し、プッシュロッド43によってシャフト68が右側に変位している状態を表している。
図7に示すように、プッシュロッド駆動機構87は、シリンダ90とピストン91とを備えている。ピストン91は、シリンダ90に対して、軸線AXの軸方向に摺動移動可能である。ピストン91は、長プッシュロッド43bに取り付けられている。このため、ピストン91が摺動移動することで、長プッシュロッド43bも軸線AXの軸方向に移動する。
上述のように、クラッチレリーズ機構86は、遠心クラッチ2がつながっているときに強制的に遠心クラッチ2を切断するための機構である。よって、クラッチレリーズ機構86は、通常、エンジン4の高速回転時に使用される。クラッチレリーズ機構86は、例えば、図10に示すように、2種のローラウエイト41、42の両方が遠心方向外側に位置するときに使用される。2種のローラウエイト41、42の両方が遠心方向外側に位置した状態で、クラッチレリーズ機構86が駆動されると、プッシュロッド43によって、プレッシャプレート77、ローラリテーナー78がさらに車幅方向右側に移動する。よって、2種のローラウエイト41、42の両方が遠心方向外側に位置した状態で、クラッチレリーズ機構86が駆動された図10に示す状態が、最もローラリテーナー78が車幅方向右側に移動した状態となる。
本実施形態では、ローラリテーナー78の支持部分78aが外側端部78bよりも車幅方向左側に位置しているため、図10に示すように、最もローラリテーナー78が車幅方向右側に移動した状態では、皿バネ83は所謂逆ぞり状態となる。具体的には、応力が係っていない状態では径方向の内側端部83aが外側端部83bよりも車幅方向左側に位置している皿バネ83が、内側端部83aが外側端部83bよりも車幅方向右側に位置するまで変形する。
ピストン91とシリンダ90との間には、作動室92が区画形成されている。この作動室92には、オイルが満たされている。自動二輪車1のライダーがクラッチレバー又はクラッチペダルを操作することで、この作動室92内の内圧が上昇する。これにより、ピストン91及び長プッシュロッド43bが右側に変位する。よって、図10に示すように、シャフト68と、そのシャフト68に取り付けられたプレッシャプレート77及び出力側リテーナー72も右側に変位する。その結果、ローラリテーナー69が右側に変位し、プレート群66の圧接状態が解除される。
ピストン91とクランクケース31との間には、圧縮コイルばね93が配置されている。ピストン91は、この圧縮コイルばね93によって、左側に付勢されている。つまり、プッシュロッド43が左側に変位して遠心クラッチ2がつながる方向に付勢されている。これにより、自動二輪車1のライダーにより、クラッチレバーやクラッチペダルの操作が解除された際に、確実にプッシュロッド43が左側に移動する。
例えば、圧縮コイルばね93が設けられていない場合は、クラッチレバーやクラッチペダルの操作が解除されても、プッシュロッド43が依然として右側に位置する事態も考えられる。そのような事態において、例えば、エンジン4が停止しており、遠心クラッチ2がつながっていない状態であれば、プッシュロッド43をそれ以上右側に移動させることができないため、自動二輪車1のライダーがクラッチレバー又はクラッチペダルを操作できない。従って、例えば、自動二輪車1がクラッチレバー又はクラッチペダルを操作した状態でなければエンジン4を始動させられないものである場合は、エンジン4の始動ができない。
それに対して、本実施形態に係る自動二輪車1では、上述のように圧縮コイルばね93が配置されているため、クラッチレバーやクラッチペダルの操作が解除されても、プッシュロッド43が依然として右側に位置する事態の発生が抑制される。よって、エンジン4の停止時において、自動二輪車1のライダーは、常にクラッチレバー又はクラッチペダルを操作することができる。
上述のように、本実施形態では、プレッシャ部材としてのプレッシャプレート77は、ローラリテーナー69がプレート群66を押圧する方向と同じ方向から、プレート群66を間接的に押圧している。
例えば、プレッシャプレート77とローラリテーナー69とがプレート群66を相互に逆方向から押圧する場合、ローラリテーナー69の軸線AXの軸方向に関する位置によって、遠心クラッチ2が切断されるときのプレッシャプレート77の位置が異なる。具体的には、例えば、ローラリテーナー69が軸線AXの軸方向に関して、比較的右側に位置している場合は、プレッシャプレート77を比較的右側にまで変位させなければ遠心クラッチ2が切断されない。一方、例えば、ローラリテーナー69が軸線AXの軸方向に関して、比較的左側に位置している場合は、プレッシャプレート77をそれほど右側にまで変位させなくとも遠心クラッチ2が切断される。このため、プレッシャプレート77とローラリテーナー69とがプレート群66を相互に逆方向から押圧する場合、ローラリテーナー69の軸線AXの軸方向に関する位置によって、遠心クラッチ2が切断されるときのプッシュロッド43の位置が異なる。
それに対して、本実施形態のように、プレッシャプレート77とローラリテーナー69とがプレート群66に対して同じ側に配置されている場合は、遠心クラッチ2が切断されるときのプッシュロッド43の位置が一定となる。
(遠心クラッチ2の動作)
次に、図1、図8〜10を参照して、遠心クラッチ2の動作について説明する。尚、図8〜図10は、遠心クラッチ2が軸線AXに対して回転対称であることに鑑み、遠心クラッチ2の軸線AXよりも一方側の部分の断面のみを示している。
次に、図1、図8〜10を参照して、遠心クラッチ2の動作について説明する。尚、図8〜図10は、遠心クラッチ2が軸線AXに対して回転対称であることに鑑み、遠心クラッチ2の軸線AXよりも一方側の部分の断面のみを示している。
−遠心クラッチ2がつながるとき−
図1に示す遠心クラッチ2の軸線AXよりも上側部分は、エンジン4がアイドリング状態であり、遠心クラッチ2がつながっていない状態を示している。一方、図1に示す遠心クラッチ2の軸線AXよりも下側部分は、クランク軸32の回転速度が速くなり、遠心クラッチ2がつながった直後の状態を示している。
図1に示す遠心クラッチ2の軸線AXよりも上側部分は、エンジン4がアイドリング状態であり、遠心クラッチ2がつながっていない状態を示している。一方、図1に示す遠心クラッチ2の軸線AXよりも下側部分は、クランク軸32の回転速度が速くなり、遠心クラッチ2がつながった直後の状態を示している。
エンジン4が始動され、アイドリング状態であるときは、クランク軸32と共にクラッチハウジング46が回転している。但し、クラッチハウジング46の回転速度は比較的遅い。このため、入力側ローラウエイト41に作用する遠心力は比較的小さい。従って、入力側ローラウエイト41は、比較的内側に位置している。よって、プレッシャプレート77、シャフト68及び出力側リテーナー72は、入力側オフスプリング79の付勢力によって、比較的右側に位置している。また、アイドリング状態では、メイン軸33は回転していないか、又は比較的低回転速度である。よって、出力側ローラウエイト42に作用する遠心力は比較的小さい。従って、出力側ローラウエイト42は、比較的内側に位置している。よって、ローラリテーナー69は、出力側オフスプリング71の付勢力によって、比較的右側に位置している。その結果、ローラリテーナー69とクラッチハウジング46の底部46aとの間の距離は比較的広く、プレート群66は、非圧接状態にある。よって、クラッチハウジング46の回転は、クラッチボス48には伝達されない。
クランク軸32の回転速度が比較的速くなると、それと共に、クラッチハウジング46の回転速度も比較的速くなる。クラッチハウジング46の回転速度が速くなるにつれ、入力側ローラウエイト41に作用する遠心力が大きくなる。その結果、入力側ローラウエイト41が外側に移動する。よって、入力側ローラウエイト41により、プレッシャプレート77が左側に押圧される。これにより、プレッシャプレート77、シャフト68及び出力側リテーナー72が、入力側オフスプリング79の付勢力に抗して、左側に移動する。その結果、出力側ローラウエイト42を介してローラリテーナー69も、出力側オフスプリング71の付勢力に抗して、左側に移動する。つまり、ローラリテーナー69も、プレート群66側に移動する。これにより、プレート群66が圧接状態となり、遠心クラッチ2がつながる。そのときの態様が図1の軸線AXよりも下側部分に表されている。
遠心クラッチ2がつながると、クラッチハウジング46の回転がプレート群66を介してクラッチボス48に伝達される。これにより、クラッチボス48は、クラッチハウジング46と共に回転する。クラッチボス48が回転し始めると、それに伴い、出力側ローラウエイト42が旋回する。よって、出力側ローラウエイト42に作用する遠心力が大きくなる。その結果、出力側ローラウエイト42が遠心方向の外側に移動する。図8は、そのときの状態を表している。
図1の軸線AXよりも下側部分に示すように、遠心クラッチ2は、入力側ローラウエイト41のみが遠心方向の外側に移動したときに、遠心クラッチ2がつながるように構成されている。つまり、遠心クラッチ2は、入力側ローラウエイト41のみが遠心方向の外側に移動したときに、プレート群66が圧接状態となるように構成されている。よって、入力側ローラウエイト41のみが遠心方向の外側に移動した状態からは、ローラリテーナー69は、それ以上左側には実質的に変位することができない。従って、その状態から、さらに出力側ローラウエイト42が遠心方向の外側に移動してもローラリテーナー69は、プレート群66寄りに実質的に変位できないため、その分、図8に示すように、スプリング74と皿バネ83とが変形する。よって、本実施形態に係る遠心クラッチ2では、皿バネ83の弾性力によって遠心クラッチ2の容量が決められている。
−遠心クラッチ2の切断時−
次に、遠心クラッチ2が切断されるときについて説明する。図8に示す遠心クラッチ2がつながった状態において、クランク軸32の回転速度が遅くなると、入力側ローラウエイト41及び出力側ローラウエイト42に作用する遠心力が小さくなる。ここで、本実施形態では、上述のように、出力側ローラウエイト42が遠心方向に移動を開始するクラッチボス48の回転速度が、入力側ローラウエイト41の同回転速度よりも低く設定されている。つまり、クラッチハウジング46とクラッチボス48とが一体として回転しているときは、回転速度が低くなると、まず入力側ローラウエイト41が遠心方向の内側に移動する。但し、出力側ローラウエイト42は、直ちには遠心方向の内側に移動しない。このため、クランク軸32の回転速度が低くなっても、直ちに遠心クラッチ2が切断されるわけではない。遠心クラッチ2がつながっているため、エンジンブレーキが作用する。これにより、メイン軸33の回転が徐々に遅くなる。それに伴って、出力側ローラウエイト42に作用する遠心力が徐々に小さくなる。そして、メイン軸33の回転速度が所定の回転速度以下になると、出力側ローラウエイト42も遠心方向の内側に移動する。その結果、ローラリテーナー69が右側に移動し、遠心クラッチ2が切断される。
次に、遠心クラッチ2が切断されるときについて説明する。図8に示す遠心クラッチ2がつながった状態において、クランク軸32の回転速度が遅くなると、入力側ローラウエイト41及び出力側ローラウエイト42に作用する遠心力が小さくなる。ここで、本実施形態では、上述のように、出力側ローラウエイト42が遠心方向に移動を開始するクラッチボス48の回転速度が、入力側ローラウエイト41の同回転速度よりも低く設定されている。つまり、クラッチハウジング46とクラッチボス48とが一体として回転しているときは、回転速度が低くなると、まず入力側ローラウエイト41が遠心方向の内側に移動する。但し、出力側ローラウエイト42は、直ちには遠心方向の内側に移動しない。このため、クランク軸32の回転速度が低くなっても、直ちに遠心クラッチ2が切断されるわけではない。遠心クラッチ2がつながっているため、エンジンブレーキが作用する。これにより、メイン軸33の回転が徐々に遅くなる。それに伴って、出力側ローラウエイト42に作用する遠心力が徐々に小さくなる。そして、メイン軸33の回転速度が所定の回転速度以下になると、出力側ローラウエイト42も遠心方向の内側に移動する。その結果、ローラリテーナー69が右側に移動し、遠心クラッチ2が切断される。
つまり、本実施形態に係る遠心クラッチ2では、クランク軸32の回転速度がたとえ低くなったとしても、メイン軸33の回転速度が比較的高いときには、遠心クラッチ2の接続状態が維持される。クラッチハウジング46の回転速度が、入力側ローラウエイト41が遠心方向の内側に移動する回転速度にまで低下したとしても、遠心クラッチ2は、クラッチハウジング46とクラッチボス48の回転速度が、出力側ローラウエイト42が遠心方向の内側に移動する回転速度にまで低下するまでつながった状態にある。
具体的に、
入力側ローラウエイト41が遠心方向の内側に移動する回転速度:r1、
出力側ローラウエイト42が遠心方向の内側に移動する回転速度:r2、
とすると、本実施形態では、
r1>r2 ・・・・・(1)
となる。
入力側ローラウエイト41が遠心方向の内側に移動する回転速度:r1、
出力側ローラウエイト42が遠心方向の内側に移動する回転速度:r2、
とすると、本実施形態では、
r1>r2 ・・・・・(1)
となる。
例えば、出力側ローラウエイト42が設けられておらず、プレッシャプレート77が直接プレート群66を押圧する場合は、遠心クラッチ2は、クラッチハウジング46の回転速度がr1にまで低下したときに切断される。
それに対して、出力側ローラウエイト42が設けられた本実施形態では、遠心クラッチ2は、クラッチハウジング46の回転速度がr1よりも低いr2になるまで切断されない。つまり、比較的クラッチハウジング46の回転速度が低くなるまで遠心クラッチ2の接続状態が維持される。その結果、比較的低いエンジン回転数領域においてもエンジンブレーキを働かせることができる。
また、例えば、エンジン4がアイドリング状態にあり、クランク軸32の回転速度が比較的低いにも関わらず、メイン軸33の回転速度が比較的高くなると、図9に示すように、出力側ローラウエイト42のみが遠心方向の外側に移動する。これにより、ローラリテーナー69が左側に押圧されてプレート群66が圧接される。その結果、図9に示すように、遠心クラッチ2が接続される。遠心クラッチ2がつながると、クラッチボス48と共にクラッチハウジング46も回転する。クラッチハウジング46の回転はクランク軸32に伝達し、エンジンブレーキが作用する。これにより、遠心クラッチ2及びメイン軸33の回転速度が低減される。そして、メイン軸33及び遠心クラッチ2の回転速度が上記回転速度r2を下回ると遠心クラッチ2は切断される。
このように、本実施形態では、クランク軸32の回転速度が比較的遅くても、メイン軸33の回転速度が比較的高い場合は、遠心クラッチ2がつながる。その結果、メイン軸33の回転速度が遅くなるまでエンジンブレーキを働かせることができる。
尚、この作用は、出力側ローラウエイト42が遠心方向の内側に移動する回転速度が、入力側ローラウエイト41の同回転速度よりも高い場合においても得られるものである。
(作用及び効果)
以上説明したように、本実施形態では、ローラリテーナー78を付勢する手段として、板バネの一種である皿バネ83が使用されている。且つ、皿バネ83の外側端部83bがクラッチハウジング46に対して固定されている。このため、上記特許文献1に記載されたクラッチとは異なり、外側端部83b側に、皿バネ83の付勢力を受け止める受止部材を別途に設ける必要がない。皿バネ83をクラッチハウジング46に固定するための固定部材を設けるのみで足りる。具体的には、スプリングストッパー84とサークリップ85とのみを設ければ足りる。
以上説明したように、本実施形態では、ローラリテーナー78を付勢する手段として、板バネの一種である皿バネ83が使用されている。且つ、皿バネ83の外側端部83bがクラッチハウジング46に対して固定されている。このため、上記特許文献1に記載されたクラッチとは異なり、外側端部83b側に、皿バネ83の付勢力を受け止める受止部材を別途に設ける必要がない。皿バネ83をクラッチハウジング46に固定するための固定部材を設けるのみで足りる。具体的には、スプリングストッパー84とサークリップ85とのみを設ければ足りる。
例えば、特許文献1に記載されたクラッチのように、圧縮コイルスプリングを使用し、固定部材として、比較的分厚いエンドプレートを設けた場合は、エンドプレートの圧縮コイルスプリングの反力を受ける部分と、エンドプレートのクラッチハウジング46に固定される部分とが比較的離れている。このため、エンドプレートに要求される剛性が比較的高くなる。言い換えれば、エンドプレートの剛性が低い場合は、エンドプレートの圧縮コイルスプリングの反力を受ける部分と、エンドプレートのクラッチハウジング46に固定される部分との間の部分が変形等する虞がある。従って、エンドプレートを比較的分厚く、且つ重量が重いものにする必要がある。
それに対して、スプリングストッパー84とサークリップ85とによって、皿バネ83の外側端部83bをクラッチハウジング46に直接固定する場合は、皿バネ83の反力を受ける部分とクラッチハウジング46に固定される部分とが実質的に等しい。このため、スプリングストッパー84とサークリップ85とに要求される剛性は、上記特許文献1の場合と比較して低い。よって、遠心クラッチ2をコンパクト化及び軽量化することができる。
このように、皿バネ83の一方の端部をクラッチハウジング46に実質的に接するように配置することで、その一方の端部側で皿バネ83の反力を受け止める部材の剛性を比較的低くすることができる。その結果、遠心クラッチ2をコンパクト化及び軽量化することができる。
例えば、皿バネ83の内側端部83aを比較的車幅方向右側に位置させ、外側端部83bを比較的車幅方向左側に位置させることも考えられる。言い換えれば、皿バネ83は、内側端部83aから外側端部83bに向かって車幅方向左側に延びるように配置されていてもよい。但し、その場合は、外側端部83bをクラッチハウジング46に対して固定する必要が生じる。このため、外側端部83bをクラッチハウジング46に対して固定する固定部材を別途設ける必要がある。このように、固定部材を別途設けた場合、別途設けられた固定部材の皿バネ83から付勢力を受ける部分とクラッチハウジング46に対する取り付け部分とが比較的離れることとなる。よって、別途も受けた固定部材には、比較的高い剛性が要求される。従って、固定部材を比較的高い剛性で比較的分厚いものにする必要がある。
それに対して、本実施形態では、皿バネ83が、外側端部83bから内側端部83aに向かって車幅方向左側に延びるように配置されている。このため、クラッチハウジング46に近い外側端部83b側がクラッチハウジング46に対する取り付け部分となっている。よって、比較的低い剛性しか求められないスプリングストッパー84とサークリップ85とによってをクラッチハウジング46に対して固定することができる。その結果、遠心クラッチ2をコンパクト化及び軽量化することができる。
ところで、プレッシャプレート77がプレート群66を押圧する方向と、ローラリテーナー69がプレート群66を押圧する方向を逆方向に設定することも考えられる。つまり、プレッシャプレート77をプレート群66の一方側に配置する一方、ローラリテーナー69をプレート群66の他方側に配置することも考えられる。しかしながら、その場合、クラッチレリーズ機構86を用いて遠心クラッチ2を切断する際のクラッチレリーズポイントにばらつきが生じるという問題が生じる。つまり、遠心クラッチ2が切断される際のプッシュロッド43の位置にばらつきが生じるという問題が生じる。これは、プレート群66の車幅方向右側端の位置と車幅方向左側端の位置の両方が一定しないことに起因する。より具体的に説明すれば、プレート群66の車幅方向左側端の位置が変化すると、プレート群66の圧接状態が解除されるときのローラリテーナー69の車幅方向に関する位置も変化する。その結果、遠心クラッチ2が切断されるときのプッシュロッド43の車幅方向に関する位置が変化する。よって、クラッチレリーズポイントも変化する。
一方、本実施形態に係る遠心クラッチ2では、プレッシャプレート77とローラリテーナー69とがプレート群66に対して同じ側に位置している。プレッシャプレート77とローラリテーナー69とは、同一方向にプレート群66を押圧する。このため、プレート群66の車幅方向の左側端の位置は一定である。よって、プレート群66の圧接状態が解除され、遠心クラッチ2が切断されるときのローラリテーナー69の位置は一定となる。その結果、クラッチレリーズポイントが安定する。
ところで、例えば、特許文献1に記載のクラッチのように、皿バネ83の代わりに周方向に配列された複数の圧縮コイルスプリングを配置することも考えられる。その場合、複数の圧縮コイルスプリングの弾性力は、相互に完全に等しいわけではないため、ローラリテーナー78に対する付勢力が周方向にばらつくこととなる。その結果、プレート群66の好適な密接状態が得られなくなる虞がある。
それに対して、本実施形態のように、皿バネ83を用いた場合は、ローラリテーナー78に対する付勢力が周方向に実質的に均一である。よって、プレート群66の好適な密接状態が得られやすくなる。それにより、着脱性能のよい遠心クラッチ2を得ることができる。
本実施形態のように、皿バネ83を用いた場合、ローラリテーナー78の移動可能範囲の大きさは、専ら皿バネ83の径方向の長さによって決定される。皿バネ83の径方向の長さを長くするほど、ローラリテーナー78の移動可能範囲は大きくなる。その一方で、皿バネ83の径方向の長さを長くするほど皿バネ83に要求される剛性も高くなる。すなわち、ローラリテーナー78の大きな移動可能範囲を確保するためには、皿バネ83の径方向の長さを長くしなければならないものの、皿バネ83に要求される剛性はそれだけ高くなる。よって、皿バネ83の剛性の確保が困難となる。言い換えれば、皿バネ83を用いた場合は、ローラリテーナー78の大きな移動可能範囲の確保が困難となる。つまり、皿バネ83を用いた場合は、プレッシャ部材の大きな移動可能範囲の確保が困難となる。
それに対して、本実施形態では、皿バネ83は、プッシュロッド43が最も車幅方向右側に位置するときに、皿バネ83の応力が付与されていない状態における延びる方向とは逆方向に延びるまで皿バネ83が変形した所謂逆ぞり状態となる。このように、皿バネ83を所謂逆ぞり状態となるまで使用することによって、皿バネ83の外側端部83bの移動可能範囲を広げることができる。その結果、ローラリテーナー78の移動可能範囲を拡大することができる。
皿バネ83の径方向の長さは、図1に示すように、内側端部83aが、入力側ローラウエイト41が軸線AXに最も近接して位置するときの入力側ローラウエイト41の軸線AX寄りの端部よりも軸線AXから離れるような長さ出あることが好ましい。そうすることで、皿バネ83に要求される剛性をさらに低くすることができる。
《変形例1》
以下、上記実施形態の変形例について、図11〜図18を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の変形例1〜4の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素を上記実施形態と共通の参照符号で説明し、説明を省略する。
以下、上記実施形態の変形例について、図11〜図18を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の変形例1〜4の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素を上記実施形態と共通の参照符号で説明し、説明を省略する。
上記実施形態では、出力側リテーナー72を、スプリング74を用いて構成する例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、図11に示すように、スプリング74を有する出力側リテーナー72に替えて、付勢部材を有さないプレート101を配置してもよい。
図11に示す例では、出力側リテーナー72の半径方向の外側部分は、軸線AXから半径方向の遠ざかるに従って左側に延びるように形成されている。これにより、軸線AXから半径方向の遠ざかるに従って左側に延びるカム面102が形成されている。その結果、軸線AXから半径方向の遠ざかるに従って、軸線AX方向の幅が狭くなる空間70が形成されている。
《変形例2》
図12は、本変形例2に係るクラッチの断面図である。本実施形態では、プレッシャプレート77に替えて、プレッシャ部材110が配置されている。プレッシャ部材110の中央部は、ベアリング75の外輪75bに固定されている。これにより、プレッシャ部材110は、シャフト68及びメイン軸33に対して回転自在となっている。
図12は、本変形例2に係るクラッチの断面図である。本実施形態では、プレッシャプレート77に替えて、プレッシャ部材110が配置されている。プレッシャ部材110の中央部は、ベアリング75の外輪75bに固定されている。これにより、プレッシャ部材110は、シャフト68及びメイン軸33に対して回転自在となっている。
(プレッシャ部材110)
図15に示すように、プレッシャ部材110の外周部分には、半径方向の外側に向かって突出する突出部116が形成されている。この突出部116がクラッチハウジング46のアーム46dと係合することで、プレッシャ部材110は、クラッチハウジング46に対して回転止めされている。よって、プレッシャ部材110は、クラッチハウジング46と共に回転する。
図15に示すように、プレッシャ部材110の外周部分には、半径方向の外側に向かって突出する突出部116が形成されている。この突出部116がクラッチハウジング46のアーム46dと係合することで、プレッシャ部材110は、クラッチハウジング46に対して回転止めされている。よって、プレッシャ部材110は、クラッチハウジング46と共に回転する。
プレッシャ部材110の半径方向の外側部分には、複数のガイド部115が形成されている。複数のガイド部115には、第1のガイド部115aと、第2のガイド部111bと、第3のガイド部115cとが含まれる。第1のガイド部115a、第2のガイド部115b及び第3のガイド部115cは、ガイド部対115dを構成している。本変形例2では、このガイド部対115dが、周方向に計6つ配列されている。つまり、計18のガイド部115が形成されている。
第2のガイド部115bの延びる方向X1は、半径方向と略同一である。一方、第1のガイド部115aの延びる方向X2と、第3のガイド部115cの延びる方向X3とは、半径方向と若干異なっている。このように第1〜第3のガイド部115a〜115cを配置することによって、第1のガイド部115aの半径方向外側部分と第2のガイド部115bの半径方向外側部分との間の間隔が比較的狭く設定されている。第3のガイド部115cの半径方向外側部分と第2のガイド部115bの半径方向外側部分との間の間隔が比較的狭く設定されている。その結果、ガイド部対115dの半径方向の外側部分の周方向の幅が比較的狭くなっている。よって、隣接するガイド部対115d相互間に、半径方向外側の幅が比較的広いリブ118を形成するためのスペースを確保するのが容易となっている。比較的幅広に形成されたリブ118の半径方向外側部分には、ねじ孔119が形成されている。
各リブ118は、半径方向の比較的内側に位置し、中心Cから放射状に延びるリブ117と連続するように形成されている。これにより、中心Cからプレッシャ部材110の外周部分にまで延びる複数のリブが形成される。従って、プレッシャ部材110の剛性が向上されている。尚、各リブ118には、ねじ孔119が形成されている。
各ガイド部115には、カム面111が形成されている。具体的に、カム面111は、ガイド部115の延びる方向に延びている。カム面111は、半径方向において、ガイド部115の途中部から外側端部にまで延びている。カム面111は、入力側ローラウエイト41の回転可能な中央部分に当接する。カム面111は、ガイド部115の表面よりも突出して設けられている。
(リテーナー112)
図12に示すように、本変形例2では、プレッシャ部材110に対向する平面視リング状のリテーナー112が配置されている。図12に示すように、リテーナー112は、側面視平板状である。図14に示すように、リテーナー112の外周部には、半径方向の外側に向かって突出する突出部112cが形成されている。この突出部112cがクラッチハウジング46のアーム46dと係合することで、リテーナー112は、クラッチハウジング46に対して回転止めされている。よって、リテーナー112は、クラッチハウジング46と共に回転する。一方、軸線AXの軸方向に関しては、リテーナー112は変位可能となっている。
図12に示すように、本変形例2では、プレッシャ部材110に対向する平面視リング状のリテーナー112が配置されている。図12に示すように、リテーナー112は、側面視平板状である。図14に示すように、リテーナー112の外周部には、半径方向の外側に向かって突出する突出部112cが形成されている。この突出部112cがクラッチハウジング46のアーム46dと係合することで、リテーナー112は、クラッチハウジング46に対して回転止めされている。よって、リテーナー112は、クラッチハウジング46と共に回転する。一方、軸線AXの軸方向に関しては、リテーナー112は変位可能となっている。
図12及び図14に示すように、リテーナー112の半径方向の内側部分には、突起部112bが形成されている。また、リテーナー112の半径方向のほぼ中央部分には、周方向に配列された複数の貫通孔112aが形成されている。
リテーナー112の径方向における内側端部112eは、外側端部112fよりも軸線AX方向右側に位置している。このため、リテーナー112が軸線AX方向の最も右側に位置したときには、皿バネ113は所謂逆ぞり状態となる。
(皿バネ113)
図12に示すように、本変形例2においても、上記実施形態と同様に、皿バネ113の半径方向の外側端部は、スプリングストッパー84とサークリップ85とによって、軸線AXの軸方向に関して、クラッチハウジング46に固定されている。
図12に示すように、本変形例2においても、上記実施形態と同様に、皿バネ113の半径方向の外側端部は、スプリングストッパー84とサークリップ85とによって、軸線AXの軸方向に関して、クラッチハウジング46に固定されている。
図13に示すように、皿バネ113の半径方向の内側端部には、半径方向の内側に向かって突出する複数の突起部113bが形成されている。この突起部113bが、図14に示すリテーナー112の凹部112dに係合している。これにより、周方向に関して、皿バネ113とリテーナー112とは固定されている。また、皿バネ113の半径方向のほぼ中央部分には、周方向に配列された複数の貫通孔113aが形成されている。
(プレッシャ部材110などの組み付け作業)
本変形例2に係るクラッチを組み立てる際には、皿バネ113の貫通孔113aと、リテーナー112の貫通孔112aとにビスを通し、そのビスをプレッシャ部材110のねじ孔119に対して締め付けることによって、プレッシャ部材110、入力側ローラウエイト41、リテーナー112及び皿バネ113を一体化する。それと共に、プレッシャ部材110、入力側ローラウエイト41、リテーナー112及び皿バネ113の軸線AXの軸方向の幅を狭くする。そうした状態で、一体化したプレッシャ部材110、入力側ローラウエイト41、リテーナー112及び皿バネ113をクラッチハウジング46に組み込む。その後、スプリングストッパー84とサークリップ85とを取り付ける。この際、プレッシャ部材110、入力側ローラウエイト41、リテーナー112及び皿バネ113の軸線AXの軸方向の幅が狭く保たれているため、比較的容易にスプリングストッパー84とサークリップ85とを取り付けることができる。スプリングストッパー84とサークリップ85とを取り付けた後に、ねじ孔119に対して締め付けられたビスを取り除き、本変形例2に係るクラッチを組み上げることができる。
本変形例2に係るクラッチを組み立てる際には、皿バネ113の貫通孔113aと、リテーナー112の貫通孔112aとにビスを通し、そのビスをプレッシャ部材110のねじ孔119に対して締め付けることによって、プレッシャ部材110、入力側ローラウエイト41、リテーナー112及び皿バネ113を一体化する。それと共に、プレッシャ部材110、入力側ローラウエイト41、リテーナー112及び皿バネ113の軸線AXの軸方向の幅を狭くする。そうした状態で、一体化したプレッシャ部材110、入力側ローラウエイト41、リテーナー112及び皿バネ113をクラッチハウジング46に組み込む。その後、スプリングストッパー84とサークリップ85とを取り付ける。この際、プレッシャ部材110、入力側ローラウエイト41、リテーナー112及び皿バネ113の軸線AXの軸方向の幅が狭く保たれているため、比較的容易にスプリングストッパー84とサークリップ85とを取り付けることができる。スプリングストッパー84とサークリップ85とを取り付けた後に、ねじ孔119に対して締め付けられたビスを取り除き、本変形例2に係るクラッチを組み上げることができる。
《変形例3》
本変形例3は、上記変形例2のさらなる変形例である。上記変形例2では、2種のローラウエイト41、42が設けられている例について説明した。但し、本発明は、これに限定されない。言い換えれば、2種のローラウエイト41、42は、必須のものではない。例えば、図16に示すように、入力側ローラウエイト41のみを設け、プレッシャ部材110がプレート群66を直接押圧するようにしてもよい。
本変形例3は、上記変形例2のさらなる変形例である。上記変形例2では、2種のローラウエイト41、42が設けられている例について説明した。但し、本発明は、これに限定されない。言い換えれば、2種のローラウエイト41、42は、必須のものではない。例えば、図16に示すように、入力側ローラウエイト41のみを設け、プレッシャ部材110がプレート群66を直接押圧するようにしてもよい。
《変形例4》
本変形例4は、上記変形例3のさらなる変形例である。上記変形例3では、1枚のさらによってプレッシャ部材110が押圧される例について説明した。但し、本発明は、これに限定されるものではない。図17に示すように、クラッチハウジング46とリテーナー112との間に複数枚の皿バネを直列に配置してもよい。
本変形例4は、上記変形例3のさらなる変形例である。上記変形例3では、1枚のさらによってプレッシャ部材110が押圧される例について説明した。但し、本発明は、これに限定されるものではない。図17に示すように、クラッチハウジング46とリテーナー112との間に複数枚の皿バネを直列に配置してもよい。
具体的には、内側端部が皿バネ113の径方向における内側端部と接すると共に、外側端部がリテーナー112に直接固定された皿バネ120をさらに設けてもよい。このように、クラッチハウジング46とリテーナー112との間に複数枚の皿バネを直列に配置することによって、プレッシャ部材110の移動可能範囲をより広くすることができる。
《変形例5》
本変形例5は、上記変形例3のさらなる変形例である。上記変形例3では、皿バネ113の径方向における外側端部の方が内側端部よりも軸線AX方向に関して右側に位置する例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。図18に示すように、皿バネ113を、皿バネ113の径方向における外側端部の方が内側端部よりも軸線AX方向に関して左側に位置するように配置してもよい。この場合、皿バネ113の内側端部をクラッチハウジング46に対して固定するために、スプリングストッパー84を比較的径方向内側にまで延びるものにしなければならない。また、スプリングストッパー84を比較的高剛性にしなければならない。しかしながら、その分、リテーナー112の剛性を低くすることができる。その結果、遠心クラッチ2のコンパクト化及び軽量化を実現することができる。
本変形例5は、上記変形例3のさらなる変形例である。上記変形例3では、皿バネ113の径方向における外側端部の方が内側端部よりも軸線AX方向に関して右側に位置する例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。図18に示すように、皿バネ113を、皿バネ113の径方向における外側端部の方が内側端部よりも軸線AX方向に関して左側に位置するように配置してもよい。この場合、皿バネ113の内側端部をクラッチハウジング46に対して固定するために、スプリングストッパー84を比較的径方向内側にまで延びるものにしなければならない。また、スプリングストッパー84を比較的高剛性にしなければならない。しかしながら、その分、リテーナー112の剛性を低くすることができる。その結果、遠心クラッチ2のコンパクト化及び軽量化を実現することができる。
以上説明したように、軸線AXに対して傾斜した方向に延びる皿バネを用いることによって、皿バネの一方の端部をクラッチハウジング46に比較的近くすることができる。その結果、クラッチハウジング46に比較的近い皿バネの一方の端部に当接する部材の剛性を比較的低くすることができる。その結果、遠心クラッチ2のコンパクト化及び軽量化を実現することができる。
《その他の変形例》
上記実施形態では、本発明を実施した車両の例として、図1に示す所謂狭義のモーターサイクルである自動二輪車1を挙げて説明した。しかし、本発明に係る車両は、これに限定されるものではない。本発明に係る車両は、例えば、オフロードタイプの自動二輪車、スクーター又はモペット、若しくはATV:All Terrain Vehicle等の鞍乗型車両であってもよい。又、本発明に係る車両は、四輪車等の鞍乗型車両以外の車両であってもよい。
上記実施形態では、本発明を実施した車両の例として、図1に示す所謂狭義のモーターサイクルである自動二輪車1を挙げて説明した。しかし、本発明に係る車両は、これに限定されるものではない。本発明に係る車両は、例えば、オフロードタイプの自動二輪車、スクーター又はモペット、若しくはATV:All Terrain Vehicle等の鞍乗型車両であってもよい。又、本発明に係る車両は、四輪車等の鞍乗型車両以外の車両であってもよい。
上記実施形態では、エンジン4を備えた車両を例に挙げて、本発明を実施した好ましい形態例について説明した。但し、本発明に係る車両は、エンジンを備えたものでなくてもよい。例えば、本発明に係る車両は、どのような駆動源を備えていてもよい。例えば、本発明に係る車両は、電動モータ等を駆動源として備えるものであってもよい。
また、上記実施形態では、水冷式4サイクル並列4気筒型のエンジン4を用いた例について説明したが、本発明において、エンジンの種類は特に限定されない。
本発明において、パワーユニット3からの動力を後輪19に伝達する駆動力伝達機構は、チェーン25に限定されない、駆動力伝達機構は、例えば、ドライブシャフト、ベルトなどであってもよい。
上記実施形態では、クラッチハウジング46が入力側クラッチ部材44を構成し、クラッチボス48が出力側クラッチ部材47を構成する例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。例えば、クラッチハウジング46が出力側クラッチ部材47を構成し、クラッチボス48が入力側クラッチ部材44を構成するようにしてもよい。
自動二輪車1のライダーが、図示しないクラッチレバー又はクラッチペダルを操作することによって、オイルポンプなどの駆動機構が操作され、オイルポンプにより生じた力がクラッチレリーズ機構86に付与され、プレート群66の圧接状態が強制的に解除されるようにしてもよい。
《本明細書における用語等の定義》
「自動二輪車」とは、所謂狭義のモーターサイクルのみではなく、オフロード車、スクーター及びモペットなどを含む広義の自動二輪車をいう。
「自動二輪車」とは、所謂狭義のモーターサイクルのみではなく、オフロード車、スクーター及びモペットなどを含む広義の自動二輪車をいう。
本発明は、自動二輪車などの車両に有用である。
1 車両(自動二輪車)
2 遠心クラッチ
40a 押圧体(入力側押圧体)
46 クラッチハウジング
48 クラッチボス
64 フリクションプレート
65 クラッチプレート
66 プレート群
77 プレッシャ部材(プレッシャプレート)
78 リテーナー(ローラリテーナー)
78a 支持部分
78b 外側端部
82 空間
83 皿バネ(板バネ)
83a 内側端部(他方の端部)
83b 外側端部(一方の端部)
86 クラッチレリーズ機構
120 皿バネ(別の板バネ)
AX 軸線
2 遠心クラッチ
40a 押圧体(入力側押圧体)
46 クラッチハウジング
48 クラッチボス
64 フリクションプレート
65 クラッチプレート
66 プレート群
77 プレッシャ部材(プレッシャプレート)
78 リテーナー(ローラリテーナー)
78a 支持部分
78b 外側端部
82 空間
83 皿バネ(板バネ)
83a 内側端部(他方の端部)
83b 外側端部(一方の端部)
86 クラッチレリーズ機構
120 皿バネ(別の板バネ)
AX 軸線
Claims (10)
- 軸線を中心として回転するクラッチハウジングと、
前記クラッチハウジングの内側に配置されており、前記軸線を中心として回転するクラッチボスと、
前記クラッチハウジングと共に回転するフリクションプレートと、前記フリクションプレートに対して前記軸線の軸方向に変位可能に対向し、前記クラッチボスと共に回転するクラッチプレートと、を有するプレート群と、
前記プレート群よりも一方側に配置され、前記クラッチハウジングと共に回転する一方、前記軸線の軸方向に変位可能であり、前記軸線の軸方向に関して他方側に変位することで、直接又は間接的に前記プレート群を押圧して前記プレート群を圧接状態にさせるプレッシャ部材と、
前記プレッシャ部材の一方側の面と対向し、前記クラッチハウジングと共に回転する一方、前記軸線の軸方向に変位可能に前記クラッチハウジングに直接又は間接的に支持されており、前記プレッシャ部材と共に、前記軸線から遠ざかるに従って幅狭となる空間を形成するリテーナーと、
前記リテーナーよりも一方側において、前記クラッチハウジングと前記リテーナーとの間に設けられ、遠心方向に関して、一方の端部から他方の端部に向けて前記軸線の軸方向とは傾斜する方向に延び、前記一方の端部が前記クラッチハウジングに対して直接又は間接的に固定される一方、前記他方の端部でもって直接又は間接的に前記リテーナーを他方側に付勢する板バネと、
前記プレッシャ部材と、前記リテーナーとの間の空間に配置され、前記クラッチハウジングの回転に伴って前記軸線周りを旋回し、前記旋回時に生じる遠心力によって、前記プレッシャ部材を他方側に押圧しながら、前記遠心方向外側に移動する押圧体と、
前記プレッシャ部材を前記一方側に押圧し、前記プレート群の圧接状態を解除させるクラッチレリーズ機構と、
を備えた遠心クラッチ。 - 請求項1に記載された遠心クラッチにおいて、
前記板バネは、輪帯状に形成された皿バネである遠心クラッチ。 - 請求項1又は2に記載された遠心クラッチにおいて、
前記板バネの前記他方の端部は、前記一方の端部よりも前記軸線寄り且つ前記リテーナー寄りである遠心クラッチ。 - 請求項1に記載された遠心クラッチにおいて、
前記板バネは、前記プレッシャ部材が最も一方側に位置するときに、前記板バネの他方の端部が一方の端部よりも一方側に位置するまで変形する遠心クラッチ。 - 請求項1に記載された遠心クラッチにおいて、
前記板バネの他方の端部が、前記リテーナーに支持されており、
前記リテーナーの、前記板バネの他方の端部を支持する部分は、前記リテーナーの前記クラッチハウジングによって直接又は間接的に支持された部分よりも、一方側に位置している遠心クラッチ。 - 請求項1に記載された遠心クラッチにおいて、
前記板バネの前記軸線寄りの端部は、遠心方向に関して、前記押圧体が前記軸線に最も近接して位置するときの前記押圧体の前記軸線寄りの端部よりも前記軸線から離れている遠心クラッチ。 - 請求項1に記載された遠心クラッチにおいて、
一方の端部が、前記軸線の軸方向に関して、前記リテーナーに対して直接又は間接的に固定される一方、他方の端部が前記板バネの一方の端部に直接又は間接的に固定された別の板バネをさらに備えた遠心クラッチ。 - 請求項1に記載された遠心クラッチにおいて、
前記板バネは、前記プレッシャ部材が最も一方側に位置するときに、前記板バネの他方の端部が一方の端部よりも一方側に位置するまで変形する遠心クラッチ。 - 請求項1に記載された遠心クラッチにおいて、
前記板バネの前記軸線寄りの端部は、遠心方向に関して、前記押圧体が前記軸線に最も近接して位置するときの前記押圧体の前記軸線寄りの端部よりも前記軸線から離れている遠心クラッチ。 - 請求項1に記載された遠心クラッチを備えた車両。
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EP08011742.7A EP2009311B1 (en) | 2007-06-29 | 2008-06-27 | Centrifugal clutch |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2007171779 | 2007-06-29 | ||
JP2007250602A JP2009030792A (ja) | 2007-06-29 | 2007-09-27 | 遠心クラッチ及びそれを備えた車両 |
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Publication Number | Publication Date |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2007
- 2007-09-27 JP JP2007250602A patent/JP2009030792A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017155884A (ja) * | 2016-03-03 | 2017-09-07 | 株式会社エフ・シー・シー | 動力伝達装置 |
JP2020090988A (ja) * | 2018-12-05 | 2020-06-11 | 株式会社エフ・シー・シー | 動力伝達装置 |
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WO2020116505A1 (ja) * | 2018-12-05 | 2020-06-11 | 株式会社エフ・シー・シー | 動力伝達装置 |
WO2020116507A1 (ja) * | 2018-12-05 | 2020-06-11 | 株式会社エフ・シー・シー | 動力伝達装置 |
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CN113167336A (zh) * | 2018-12-05 | 2021-07-23 | 株式会社F.C.C. | 动力传递装置 |
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CN113167337B (zh) * | 2018-12-05 | 2022-09-27 | 株式会社F.C.C. | 动力传递装置 |
US11460077B2 (en) | 2018-12-05 | 2022-10-04 | Kabushiki Kaisha F.C.C. | Power transmission device |
CN113167336B (zh) * | 2018-12-05 | 2022-10-18 | 株式会社F.C.C. | 动力传递装置 |
JP7209521B2 (ja) | 2018-12-05 | 2023-01-20 | 株式会社エフ・シー・シー | 動力伝達装置 |
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