JP2009018439A - 表面エンボスを有する化粧シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】化粧シートの巻き取り適性に優れ、化粧シート裏面への凹凸の裏抜けの問題もない、深くてシャープな表面エンボスを有する化粧シートを製造する方法を提供すること。【解決手段】着色熱可塑性樹脂層の表面に絵柄模様を印刷し、この上に接着剤を塗布、乾燥し、さらにこの上に前記熱可塑性樹脂からなる透明熱可塑性樹脂層を押出しラミネートし、最後にこの上に表面保護層として硬化型樹脂と添加剤からなる樹脂を塗工、硬化し、前記着色熱可塑性樹脂層の裏面に、表面をマット処理した2軸延伸ポリエステルフィルムを重ね合わせ、重ね合わせた状態で、エンボス版と熱圧ロールにて、前記表面保護層側より最大深さ約100μmの表面エンボスを設けてなることを特徴とする。
【選択図】 図1
【選択図】 図1
Description
本発明は、住宅、店舗、オフィス等の家具、建具、什器、新幹線等の車両の前後の仕切りなど用いられる深凹凸化粧シートに関する。更に詳しくは、化粧シートの裏面がフラットであり、エンボス版の凹凸再現性、寸法安定性、化粧シートの巻き取り適性に優れた深凹凸化粧シートに関する。
化粧シートの表面にエンボス凹凸を設ける方法としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、共重合ポリエステル樹脂、非晶状態の結晶性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂などの熱可塑性樹脂からなる化粧シートの表面側の樹脂層を溶融押出して積層しつつエンボスロールにて凹凸を設け、その後硬化型樹脂を表面に塗工、硬化して表面保護層を形成する方法が知られている。
しかしながらエンボス後に表面保護層を形成すると形成した凹凸を埋めるように塗工することとなり、スキージなどで余分な硬化型樹脂を履き取ったとしてもやはりシャープな表面エンボスの再現が薄れるという問題があった。
複数の熱可塑性樹脂シートを積層してから表面に硬化型樹脂を塗工、硬化させた後に表面からエンボスを付与して表面エンボスを有する化粧シートを製造する方法も知られている。しかし化粧シート全体として硬いシートとすると、ロールで製造した後での巻き取り適性に欠けるものとなり、表面保護層以外を柔らかいものとするとエンボスにより設ける凹凸が化粧シート裏面へ裏抜けし、この化粧シートを化粧板基材に貼り合わせる場合などの密着性に問題があった。
特開平4−299139号
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、化粧シートの巻き取り適性に優れ、化粧シート裏面への凹凸の裏抜けの問題もない、深くてシャープな表面エンボスを有する化粧シートを製造する方法を提供することにある。
本発明はこの課題を解決するものであり即ち請求項1記載の発明は、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、共重合ポリエステル樹脂、非晶状態の結晶性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂のいずれかの熱可塑性樹脂からなる化粧シートの製造方法であって、前記熱可塑性樹脂からなる着色熱可塑性樹脂層の表面に絵柄模様を印刷し、この上に接着剤を塗布、乾燥し、さらにこの上に前記熱可塑性樹脂からなる透明熱可塑性樹脂層を押出しラミネートし、最後にこの上に表面保護層として硬化型樹脂と添加剤からなる樹脂を塗工、硬化し、前記着色熱可塑性樹脂層の裏面に、表面をマット処理した2軸延伸ポリエステルフィルムを重ね合わせ、重ね合わせた状態で、エンボス版と熱圧ロールにて、前記表面保護層側より最大深さ約100μmの表面エンボスを設けてなることを特徴とする、表面エンボスを有する化粧シートの製造方法である。
本発明はその請求項1に記載の発明により、2軸延伸ポリエステルフィルムの引張弾性率が約4GPa程度で、化粧シートの熱可塑性樹脂がポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、共重合ポリエステル樹脂、非晶状態の結晶性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂のいずれかであり、これらの引っ張り弾性率が1〜2GPa程度の為、凹凸を付与しても寸法変化しにくく、且つ、凹凸の裏抜け少なくなる効果がある。且つ化粧シート製造時に容易に巻き取ることが出きるのでロール−ツーロールでの生産が容易になる効果がある。
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明の化粧シートの製造方法におけるエンボス付与の状態を示す。2軸延伸ポリエステルフィルム10を背面に貼り合せた状態として、着色熱可塑性樹脂層1と絵柄模様による絵柄層2と接着剤による接着剤層3と透明熱可塑性樹脂層4と表面保護層5を有する化粧シートとなっている状態で、表面からエンボス版20の凹凸部21により表面にエンボスを設け、その後背面から2軸延伸ポリエステルフィルム10を剥がしていく状態を示している。
本発明における2軸延伸ポリエステルフィルム10はその表面をマット処理したものを用いる。これにより化粧シートの表裏に対して、表面側のエンボス版の摩擦係数より大きいものとなり、化粧シートがエンボス版20を押し付けても動かず、凹凸付与の再現性と残留応力が少なくなるので、剥離後のシボ戻りもし難くなり、凹凸の裏抜けがなくなる。
本発明における着色熱可塑性樹脂層1としては、ポリ塩化ビニル樹脂、非晶状態の結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、2軸延伸ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂などからなる単層あるいは複数の層からなるものが用いられる。着色熱可塑性樹脂層1の厚みは、ハンドリング性、刃物摩滅度などを考慮すると、50〜200μmが望ましく、特に取り扱いやすさと剥離時の切れにくさから12〜25μmが最適である。
絵柄層2としては、公知の不透明な無機、有機顔料からなる2液のウレタン系樹脂バインダー、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂共重合体等からなるグラビアインキが使用可能であり、これを通常のグラビア印刷により設けることができる。
接着剤層3としては、公知の2液ウレタン樹脂接着剤等が使用可能である。乾燥後の塗布量が1〜10g/m2程度が望ましい。
透明熱可塑性樹脂層4としては、前記着色熱可塑性樹脂層1と同様に、ポリ塩化ビニル樹脂、非晶状態の結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂、2軸延伸ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂などからなる単層あるいは複数の層からなるものが用いられる。透明熱可塑性樹脂層4の厚みは、耐候性、耐熱性、巻取りのしやすさや、耐傷性等などを考慮すると70〜200μmが望ましい。
表面保護層5としては、公知の紫外線硬化型樹脂や2液ウレタン樹脂が使用可能であり、これらに適宜ベンゾトリアゾール系、トリアジン系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ガラスビーズなどを適宜添加する。表面保護層5の厚みは、耐衝撃性試験、耐キャスター性試験の復元性を考慮すると、乾燥後の塗布量で6〜15g/m2程度が好適である。
このようにして得た化粧シートとその背面の2軸延伸ポリエステルフィルムを、エンボス版20にて表面にエンボスを付与する。エンボス版の加熱温度は130℃程度とするのが好適である。これにより化粧シートが50〜100℃程度に熱せられた状態となり、これにより表面にエンボスを設け、その後2軸延伸ポリエステルフィルムを剥離することで凹凸の裏抜けは殆ど発生しなくなる。その後、化粧シートを冷却する。
着色熱可塑性樹脂層1として厚み70μmのポリオレフィン樹脂着色シート(リケンテクノス(株)製:「リベストTPO」)を用い、これに絵柄層2としてグラビア印刷機にて2液ウレタン樹脂バインダーインキを用いた木目柄印刷を行なった。
この絵柄層2上に接着剤層3として、ポリエステルポリオール100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)を13重量部混合したものを用い、乾燥後の重量が1g/m2となるように塗工した。そして、この上に透明熱可塑性樹脂層4としてポリプロピレン樹脂を厚み70μmとなるように押出ラミネートした。
この絵柄層2上に接着剤層3として、ポリエステルポリオール100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート(硬化剤)を13重量部混合したものを用い、乾燥後の重量が1g/m2となるように塗工した。そして、この上に透明熱可塑性樹脂層4としてポリプロピレン樹脂を厚み70μmとなるように押出ラミネートした。
この表面に表面保護層5として、ウレタンアクリレート(ダイセル・ユーシービ(株)製「Ebecryl4858」)100部とペンタエリスリトールテトラアクリレート(ダイセル・ユーシービ(株)製「PETA−K」)20部、ベンゾフェノン系光開始剤(ダイセル・ユーシービ(株)製「Ebecryl BZO」)0.5部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤0.5部、ヒンダードアミン系光安定剤0.5部、ガラスビーズ2部を添加した紫外線硬化型樹脂を用い、これを厚さ5μmとなるように塗布し、メタルハライドランプによる紫外線照射により硬化させた。
このようにして得た化粧シート背面に、表面をマット調とした2軸延伸ポリエステルフィルム10として厚み12μm(東洋紡績(株)製:「E3120」)を用いて、これを貼り合わせ、エンボス版20として最大深度140μmのエンボス版で、エンボス条件がヒーター温度110℃、余熱ロール80℃、スライダックヒーター110℃/160℃/170℃、となるようにし、エンボスロールを温水加熱で30℃としてライン速度11m/min、の上に前記化粧シートを繰り出しながらエンボス加工を施し、表面エンボスを有する化粧シートを得た。裏面の高低差は1μm以下であった。
<比較例1>
化粧シート背面に、表面をマット調とした2軸延伸ポリエステルフィルムを貼り合わせなかった以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。裏面の高低差は平均65μmであった。
化粧シート背面に、表面をマット調とした2軸延伸ポリエステルフィルムを貼り合わせなかった以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。裏面の高低差は平均65μmであった。
本発明により得られる表面エンボスを有する化粧シートは、住宅、店舗、オフィス等の家具、建具、什器、新幹線等の車両の前後の仕切りなどに使用可能である。
10…2軸延伸ポリエステルフィルム
1…着色熱可塑性樹脂層
2…絵様層
3…接着剤層
4…透明熱可塑性樹脂層
5…表面保護層
20…エンボス版
21…凹凸部
1…着色熱可塑性樹脂層
2…絵様層
3…接着剤層
4…透明熱可塑性樹脂層
5…表面保護層
20…エンボス版
21…凹凸部
Claims (1)
- ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、共重合ポリエステル樹脂、非晶状態の結晶性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂のいずれかの熱可塑性樹脂からなる化粧シートの製造方法であって、前記熱可塑性樹脂からなる着色熱可塑性樹脂層の表面に絵柄模様を印刷し、この上に接着剤を塗布、乾燥し、さらにこの上に前記熱可塑性樹脂からなる透明熱可塑性樹脂層を押出しラミネートし、最後にこの上に表面保護層として硬化型樹脂と添加剤からなる樹脂を塗工、硬化し、前記着色熱可塑性樹脂層の裏面に、表面をマット処理した2軸延伸ポリエステルフィルムを重ね合わせ、重ね合わせた状態で、エンボス版と熱圧ロールにて、前記表面保護層側より最大深さ約100μmの表面エンボスを設けてなることを特徴とする、表面エンボスを有する化粧シートの製造方法。
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JP2007180702A JP2009018439A (ja) | 2007-07-10 | 2007-07-10 | 表面エンボスを有する化粧シートの製造方法 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010194903A (ja) * | 2009-02-26 | 2010-09-09 | Toppan Cosmo Inc | 床用化粧材 |
JP2011067975A (ja) * | 2009-09-24 | 2011-04-07 | Dainippon Printing Co Ltd | 化粧シート及び化粧材 |
WO2016008783A1 (en) * | 2014-07-15 | 2016-01-21 | Tarkett Gdl S.A. | Low cost surface covering tiles and the process for their manufacture |
JP2016079604A (ja) * | 2014-10-14 | 2016-05-16 | 株式会社トッパン・コスモ | 床材用化粧シートの製造方法 |
EP3106301A1 (en) * | 2015-06-18 | 2016-12-21 | Tarkett GDL S.A. | Low cost surface covering tiles and the process for their manufacture |
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2007
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