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JP2009014033A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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JP2009014033A JP2007173975A JP2007173975A JP2009014033A JP 2009014033 A JP2009014033 A JP 2009014033A JP 2007173975 A JP2007173975 A JP 2007173975A JP 2007173975 A JP2007173975 A JP 2007173975A JP 2009014033 A JP2009014033 A JP 2009014033A
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Abstract

【課題】ハブ輪と等速自在継手との接合部や等速自在継手の内部のガタに起因するNVH特性の低下を防止できる車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】ハブ輪1と、ハブ輪の孔部22に嵌挿される等速自在継手3の外側継手部材の軸部12とが一体化される凹凸嵌合構造Mを備える。外側継手部材は、軸線に対して周方向一方にねじれた第1外側トラック溝14aと、周方向他方にねじれた第2外側トラック溝14bと、これらのトラック溝間に軸線方向にストレートに延びる第3外側トラック溝とが形成される。内側継手部材は、外側継手部材の第1・第2外側トラック溝14a、14b間に対応して相反する方向にねじれた第1・第2内側トラック溝16a、16bと、外側継手部材の第3外側トラック溝に対応して軸線方向にストレートに延びる第3内側トラック溝とが形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両において車輪を車体に対して回転自在に支持するための車輪用軸受装置に関する。
車輪用軸受装置には、第1世代と称される複列の転がり軸受を単独に使用する構造から、外方部材に車体取付フランジを一体に有する第2世代に進化し、さらに、車輪取付フランジを一体に有するハブ輪の外周に複列の転がり軸受の一方に内側軌道面が一体に形成された第3世代、さらには、ハブ輪に等速自在継手が一体化され、この等速自在継手を構成する外側継手部材の外周に複列の転がり軸受の他方の内側軌道面が一体に形成された第4世代のものまで開発されている。
例えば、特許文献1には、第3世代と呼ばれるものが記載されている。第3世代と呼ばれる車輪用軸受装置は、図11に示すように、外径方向に延びるフランジ101を有するハブ輪102と、このハブ輪102に外側継手部材103が固定される等速自在継手104と、ハブ輪102の外周側に配設される外方部材105とを備える。
等速自在継手104は、前記外側継手部材103と、この外側継手部材103の椀形部107内に配設される内側継手部材108と、この内側継手部材108と外側継手部材103との間に配設されるボール109と、このボール109を保持する保持器110とを備える。また、内側継手部材108の中心孔の内周面にはスプライン部111が形成され、この中心孔に図示省略のシャフトの端部スプライン部が挿入されて、内側継手部材108側のスプライン部111とシャフト側のスプライン部とが係合される。
また、ハブ輪102は、筒部113と前記フランジ101とを有し、フランジ101の外端面114(反継手側の端面)には、図示省略のホイールおよびブレーキロータが装着される短筒状のパイロット部115が突設されている。なお、パイロット部115は、大径の第1部115aと小径の第2部115bとからなり、第1部115aにブレーキロータが外嵌され、第2部115bにホイールが外嵌される。
そして、筒部113の椀形部107側端部の外周面に切欠部116が設けられ、この切欠部116に内輪117が嵌合されている。ハブ輪102の筒部113の外周面のフランジ近傍には第1内側軌道面118が設けられ、内輪117の外周面に第2内側軌道面119が設けられている。また、ハブ輪102のフランジ101にはボルト装着孔112が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ101に固定するためのハブボルトがこのボルト装着孔112に装着される。
外方部材105は、その内周に2列の外側軌道面120、121が設けられると共に、その外周にフランジ(車体取付フランジ)132が設けられている。そして、外方部材105の第1外側軌道面120とハブ輪102の第1内側軌道面118とが対向し、外方部材105の第2外側軌道面121と、内輪117の軌道面119とが対向し、これらの間に転動体122が介装される。
ハブ輪102の筒部113に外側継手部材103の軸部123が挿入される。軸部123は、その反椀形部の端部にねじ部124が形成され、このねじ部124と椀形部107との間にスプライン部125が形成されている。また、ハブ輪102の筒部113の内周面(内径面)にスプライン部126が形成され、この軸部123がハブ輪102の筒部113に挿入された際には、軸部123側のスプライン部125とハブ輪102側のスプライン部126とが係合する。
そして、筒部113から突出した軸部123のねじ部124にナット部材127が螺着され、ハブ輪102と外側継手部材103とが連結される。この際、ナット部材127の内端面(裏面)128と筒部113の外端面129とが当接するとともに、椀形部107の軸部側の端面130と内輪117の外端面131とが当接する。すなわち、ナット部材127を締付けることによって、ハブ輪102が内輪117を介してナット部材127と椀形部107とで挟持される。
特開2004−340311号公報
従来では、前記したように、軸部123側のスプライン部125とハブ輪102側のスプライン部126とが係合するものである。このため、軸部123側及びハブ輪102側の両者にスプライン加工を施す必要があって、コスト高となるとともに、圧入時には、軸部123側のスプライン部125とハブ輪102側のスプライン部126との凹凸を合わせる必要があり、この際、歯面を合わせることによって、圧入すれば、この凹凸歯が損傷(むしれる)おそれがある。また、歯面を合わせることなく、凹凸歯の大径合わせにて圧入すれば、円周方向のガタが生じやすい。このように、円周方向のガタがあると、回転トルクの伝達性に劣るとともに、異音が発生するおそれもあった。このため、従来のように、スプライン嵌合による場合、凹凸歯の損傷及び円周方向のガタの両者を成立させることは困難であった。
このように、ハブ輪と等速自在継手との接合部や等速自在継手の内部において生じるいわゆる「ガタ」が大きいと、車のNVH(車の快適性を表す三大要素「ノイズ」「バイブレーション」「ハーシュネス」)特性が低下する。そこで、近年では、NVH特性を向上させるために、このようなガタを無くすことが求められている。
本発明は、上記課題に鑑みて、ハブ輪と等速自在継手との接合部や等速自在継手の内部のガタに起因するNVH特性の低下を防止できて高精度の回転伝達が可能な車輪用軸受装置を提供する。
本発明の第1の車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、ハブ輪と、ハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材の軸部とが一体化される凹凸嵌合構造を備え、かつ前記等速自在継手は、軸線に対して周方向一方に所定角度だけねじれた第1外側トラック溝と、周方向他方に所定角度だけねじれた第2外側トラック溝と、これらのトラック溝間に軸線方向にストレートに延びる第3外側トラック溝とが形成された外側継手部材と、外側継手部材の第1・第2外側トラック溝に対応して相反する方向に所定角度だけねじれた第1・第2内側トラック溝と、外側継手部材の第3外側トラック溝に対応して軸線方向にストレートに延びる第3内側トラック溝とが形成された内側継手部材と、外側トラック溝とこれに対応する内側トラック溝との間に収容されるトルク伝達用ボールと、トルク伝達用ボールを保持するケージとを備えたものである。
本発明の第1の車輪用軸受装置によれば、凹凸嵌合構造は、凸部と凹部との嵌合接触部位の全体が密着しているので、この嵌合構造において、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されない。
等速自在継手は、各外側継手部材と内側継手部材とに、クロスグルーブタイプの交互に傾斜(クロス)するトラック溝と、これらのトラック溝間に配置されて軸線方向にストレートに延びるトラック溝とを備える。これによって、トルク伝達用ボールのガタツキを少なく、かつ滑らかな転動を得ることができる。
凹凸嵌合構造は、外側継手部材の軸部がハブ輪の孔部に圧入されることにより、外側継手部材の軸部の外径面の凸部とその凸部に嵌合するハブ輪の内径面の凹部との嵌合接触部位全域が密着されてなるものである。この凹凸嵌合構造では、外側継手部材の継手側突出部位に対する軸方向外方への引き抜き力付与による分離を許容するものであってもよい。
本発明の第2の車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、ハブ輪と等速自在継手とを分離可能型の連結手段にて連結し、かつ前記等速自在継手は、軸線に対して周方向一方に所定角度だけねじれた第1外側トラック溝と、周方向他方に所定角度だけねじれた第2外側トラック溝と、これらのトラック溝間に軸線方向にストレートに延びる第3外側トラック溝とが形成された外側継手部材と、外側継手部材の第1・第2外側トラック溝に対応して相反する方向に所定角度だけねじれた第1・第2内側トラック溝と、外側継手部材の第3外側トラック溝に対応して軸線方向にストレートに延びる第3内側トラック溝とが形成された内側継手部材と、外側トラック溝とこれに対応する内側トラック溝との間に収容されるトルク伝達用ボールと、トルク伝達用ボールを保持するケージとを備えたものである。
本発明の第2の車輪用軸受装置によれば、ハブ輪と等速自在継手とを分離可能型の連結手段にて連結しているので、長期の使用によって、部品の一部に不具合が生じたり、劣化したりしたりした場合に、ハブ輪と等速自在継手とを分離することによって、修理や点検、さらには部品の交換等を行うことができる。
また、この等速自在継手も、前記した第1の車輪用軸受装置と同様は、各外側継手部材と内側継手部材とに、クロスグルーブタイプの交互に傾斜(クロス)するトラック溝と、これらのトラック溝間に配置されて軸線方向にストレートに延びるトラック溝とを備える。これによって、トルク伝達用ボールのガタツキを少なく、かつ滑らかな転動を得ることができる。
前記連結手段を、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材とを分離可能に連結するねじ手段にて構成することができる。
転がり軸受の一方の内側軌道面をハブ輪の外径面に形成するとともに、転がり軸受の他方の内側軌道面を等速自在継手の外側継手部材の外径面に形成するのが好ましい。すなわち、4世代の車輪用軸受装置とするのが好ましい。
本発明では、嵌合構造において、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されない。このため、嵌合部位の全てが回転トルク伝達に寄与し、安定したトルク伝達が可能であり、しかも、異音の発生も生じさせない。
凹部が形成される部材には、スプライン部等を形成しておく必要がなく、生産性に優れ、かつスプライン同士の位相合わせを必要とせず、組立性の向上を図るとともに、圧入時の歯面の損傷を回避することができ、安定した嵌合状態を維持できる。
等速自在継手においては、トルク伝達用ボールのガタツキを少なく、かつ滑らかな転動を得ることができ、高効率化を図ることができて、運転中の昇温を抑制することができる。これによって、等速自在継手の内部に封入されたグリースの劣化を防止できて長寿命化を図ることができる。
このように、ハブ輪と等速自在継手との接合部、及び等速自在継手の内部のガタを小さくすることができ、この車輪用軸受装置を使用した車のNVH特性の向上を図ることができる。
分離可能型の連結手段にて連結したものでは、修理や点検、さらには部品の交換等を短時間に簡単に行うことができ、装置全体の寿命を延ばすことができる。
転がり軸受の一方の内側軌道面をハブ輪の外径面に形成するとともに、転がり軸受の他方の内側軌道面を等速自在継手の外側継手部材の外径面に形成したもの、いわゆる4世代の車輪用軸受装置であれば、装置全体の軽量化及びコンパクト化を図ることができる。しかも、本発明では、等速自在継手においては運転中の昇温を抑制できるので、等速自在継手の外側継手部材の外径面に形成される内側転道面への熱影響を抑えることができ、転がり軸受の長寿命化を図ることができる。
以下本発明の実施の形態を図1〜図10に基づいて説明する。図1に第1実施形態の車輪用軸受装置を示し、この車輪用軸受装置は、ハブ輪1と、複列の転がり軸受2と、等速自在継手3とが一体化されてなる。
等速自在継手3は、外側継手部材としての外輪5と、外輪5の内側に配された内側継手部材としての内輪6と、外輪5と内輪6との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、外輪5と内輪6との間に介在してボール7を保持するケージ8とを主要な部材として構成される。内輪6はその孔部内径6aに図示省略のシャフトの端部を圧入することによりスプライン嵌合してシャフトとトルク伝達可能に結合されている。
外輪5はマウス部11とステム部(軸部)12とからなり、マウス部11は一端にて開口した椀状で、その内周面に、図2に示すように、軸線に対して周方向一方に所定角度αだけねじれた第1外側トラック溝14aと、周方向他方に所定角度αだけねじれた第2外側トラック溝14bと、これらのトラック溝14a、14b間に軸線方向にストレートに延びる第3外側トラック溝14cとが形成されている。
また、内輪6は、その外周面に、軸線に対して周方向他方に所定角度αだけねじれた第1内側トラック溝16aと、周方向一方に所定角度αだけねじれた第2内側トラック溝16bと、これらのトラック溝16a、16b間に軸線方向にストレートに延びる第3内側トラック溝16cとが形成されている。
外輪5の第1外側トラック溝14aと内輪6の第1内側トラック溝16aとは相反する方向にねじれ、外輪5の第2外側トラック溝14bと内輪6の第2内側トラック溝16bとは相反する方向にねじれている。
ケージ8は、第1外側トラック溝14aと第1内側トラック溝16aとで構成される第1ボールトラックの第1ボール7aが保持されるポケット9と、第2外側トラック溝14bと第2内側トラック溝16bとで構成される第2ボールトラックの第2ボール7bが保持されるポケット9と、第3外側トラック溝14cと第3内側トラック溝16cとで構成される第3ボールトラックの第3ボール7cが保持されるポケット9とが形成されている。
ハブ輪1は、筒部20と、筒部20の反継手側の端部に設けられるフランジ21とを有する。筒部20の孔部22は、軸方向中間部の軸部嵌合孔22aと、反継手側のテーパ孔22bと、継手側の大径孔22cとを備える。すなわち、軸部嵌合孔22aにおいて、後述する凹凸嵌合構造M(非分離型の連結手段)を介して等速自在継手3の外輪5の軸部12とハブ輪1とが結合される。なお、軸部嵌合孔22aと大径孔22cとの間に、ハブ輪1の孔部22に圧入方向に沿って縮径するテーパ部22dを形成している。
転がり軸受2は、ハブ輪1の軸部12の継手側に設けられた段差部23に嵌合する内輪24と、ハブ輪1の軸部12に外嵌される外方部材25とを備える。外方部材25は、その内周に2列の外側軌道面(アウターレース)26、27が設けられ、第1外側軌道面26とハブ輪1の軸部外周に設けられる第1内側軌道面(インナーレース)28とが対向し、第2外側軌道面27と、内輪24の外周面に設けられる第2内側軌道面(インナーレース)29とが対向し、これらの間に転動体30としてのボールが介装される。なお、外方部材25の両開口部にはシール部材Sが装着されている。
この場合、ハブ輪1の継手側の端部を加締めて、その加締部31にて内輪24に予圧を付与するものである。これによって、内輪24をハブ輪1に締結することができる。またハブ輪1のフランジ21にはボルト装着孔32が設けられて、ホイールおよびブレーキロータをこのフランジ21に固定するためのハブボルト33がこのボルト装着孔32に装着される。
凹凸嵌合構造Mは、図3と図4に示すように、例えば、軸部12の端部に設けられて軸方向に延びる凸部35と、ハブ輪1の孔部22の内径面(この場合、軸部嵌合孔22aの内径面37)に形成される凹部36とからなり、凸部35とその凸部35に嵌合するハブ輪1の凹部36との嵌合接触部位38全域が密着している。すなわち、軸部12の反マウス部側の外周面に、複数の凸部35が周方向に沿って所定ピッチで配設され、ハブ輪1の孔部22の軸部嵌合孔22aの内径面37に凸部35が嵌合する複数の凹部36が周方向に沿って形成されている。つまり、周方向全周にわたって、凸部35とこれに嵌合する凹部36とがタイトフィットしている。
この場合、各凸部35は、その断面が凸アール状の頂点を有する三角形状(山形状)であり、各凸部35の凹部嵌合部位とは、図4(b)に示す範囲Aであり、断面における山形の中腹部から山頂にいたる範囲である。また、周方向の隣合う凸部35間において、ハブ輪1の内径面37よりも内径側に隙間40が形成されている。
このように、ハブ輪1と等速自在継手3の外輪5の軸部12とを凹凸嵌合構造Mを介して連結できる。この際、ハブ輪1の継手側の端部を加締めて、その加締部31にて内方部材(内輪)24に予圧を付与するものであるので、外輪5のマウス部11にて内輪24に予圧を付与する必要がなく、ハブ輪1の端部(この場合、加締部31)に対してマウス部11を接触させない非接触状態としている。
ところで、等速自在継手3の外輪5の軸部12には、後述するはみ出し部45を収納するポケット部50を設けている。軸部12の凸部35の端縁近傍に周方向溝51を設けることによって、ポケット部50を形成している。図5に示すように、周方向溝51は、その凸部35側の側面51aは、軸方向に対して直交する平面であり、反凸部側の側面51bは、溝底51cから反凸部側に向かって拡径するテーパ面である。
また、この側面51bよりも反スプライン側には、調芯用の円盤状の鍔部52が設けられている。鍔部52の外径寸法D4が孔部22の嵌合孔22aの孔径Dと同一乃至嵌合孔22aの孔径Dよりも僅かに小さく設定される。この場合、鍔部52の外径面52aと孔部22の嵌合孔22aの内径面との間に微小隙間tが設けられている。
次に、凹凸嵌合構造Mの嵌合方法を説明する。この場合、図3に示すように、軸部12の外径部には熱硬化処理を施し、この硬化層Hに軸方向に沿う凸部41aと凹部41bとからなるスプライン41を形成する。このため、スプライン41の凸部41aが硬化処理されて、この凸部41aが凹凸嵌合構造Mの凸部35となる。なお、この実施形態での硬化層Hの範囲は、クロスハッチング部で示すように、スプライン41の外端縁から外輪5のマウス部11の底壁の一部までである。この熱硬化処理としては、高周波焼入れや浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。ここで、高周波焼入れとは、高周波電流の流れているコイル中に焼入れに必要な部分を入れ、電磁誘導作用により、ジュール熱を発生させて、伝導性物体を加熱する原理を応用した焼入れ方法である。また、浸炭焼入れとは、低炭素材料の表面から炭素を浸入/拡散させ、その後に焼入れを行う方法である。軸部12のスプライン41のモジュールを0.5以下の小さい歯とする。ここで、モジュールとは、ピッチ円直径を歯数で割ったものである。
また、ハブ輪1の内径側を未焼き状態に維持できる。すなわち、ハブ輪1の孔部22の内径面37側においては熱硬化処理を行わない未硬化部(未焼き状態)とする。外輪5の軸部12の硬化層Hとハブ輪1の未硬化部との硬度差は、HRCで30ポイント以上とする。
この際、凸部35の突出方向中間部位が、凹部形成前の凹部形成面(この場合、ハブ輪1の孔部22の内径面37)の位置に対応する。すなわち、孔部22の内径面37の内径寸法Dを、凸部35の最大外径、つまりスプライン41の凸部41aである前記凸部35の頂点を結ぶ円の最大直径寸法(外接円直径)D1よりも小さく、凸部間の軸部外径面に外径寸法、つまりスプライン41の凹部41bの底を結ぶ円の最大直径寸法D2よりも大きく設定される。すなわち、D2<D<D1とされる。
スプライン41は、従来からの公知公用の手段である転造加工、切削加工、プレス加工、引き抜き加工等の種々の加工方法によって、形成することがきる。また、熱硬化処理としては、高周波焼入れ、浸炭焼入れ等の種々の熱処理を採用することができる。
そして、図3に示すように、ハブ輪1の軸心と等速自在継手3の外輪5の軸心とを合わせた状態で、ハブ輪1に対して、外輪5の軸部12を挿入(圧入)していく。この際、ハブ輪1の孔部22に圧入方向に沿って縮径するテーパ部22dを形成しているので、このテーパ部22dが圧入開始時のガイドを構成することができる。また、孔部22の内径面37の径寸法Dと、凸部35の最大外径寸法D1と、スプライン41の凹部の最大外径寸法D2とが前記のような関係であり、しかも、凸部35の硬度が孔部22の内径面37の硬度よりも30ポイント以上大きいので、シャフト10を内輪6の孔部22に圧入していけば、この凸部35が内径面37に食い込んでいき、凸部35が、この凸部35が嵌合する凹部36を軸方向に沿って形成していくことになる。
これによって、図4に示すように、軸部12の端部の凸部35と、これに嵌合する凹部36との嵌合接触部位38の全体が密着している。すなわち、相手側の凹部形成面(この場合、孔部22に内径面37)に凸部35の形状の転写を行うことになる。この際、凸部35が孔部22の内径面37に食い込んでいくことによって、孔部22が僅かに拡径した状態となって、凸部35の軸方向の移動を許容し、軸方向の移動が停止すれば、孔部22が元の径に戻ろうとして縮径することになる。言い換えれば、凸部35の圧入時にハブ輪1が径方向に弾性変形し、この弾性変形分の予圧が凸部35の歯面(凹部嵌合部位の表面)に付与される。このため、凸部35の凹部嵌合部位の全体がその対応する凹部36に対して密着する凹凸嵌合構造Mを確実に形成することができる。
ところで、ハブ輪1に対して外輪5の軸部12を圧入していけば、凸部35にて形成される凹部36から材料がはみ出してはみ出し部45が形成される。はみ出し部45は、凸部35の凹部嵌合部位が嵌入(嵌合)する凹部36の容量の材料分であって、形成される凹部36から押し出されたもの、凹部36を形成するために切削されたもの、又は押し出されたものと切削されたものの両者等から構成される。
そこで、この実施形態では、前記したように、はみ出し部45を収納するポケット部50を軸部12に設けている。
軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入していけば、形成されるはみ出し部45は、図5に示すように、カールしつつポケット部50内に収納されて行く。すなわち、孔部22の内径面から削り取られたり、押し出されたりした材料の一部がポケット部50内に入り込んでいく。
このように、前記圧入による凹部形成によって生じるはみ出し部45を収納するポケット部50を設けることによって、はみ出し部45をこのポケット部50内に保持(維持)することができ、はみ出し部45が装置外の車両内等へ入り込んだりすることがない。すなわち、はみ出し部45をポケット部50に収納したままにしておくことができ、はみ出し部45の除去処理を行う必要がなく、組立作業工数の減少を図ることができて、組立作業性の向上及びコスト低減を図ることができる。
本発明では、凹凸嵌合構造は、凸部35と凹部36との嵌合接触部位38の全体が密着しているので、この嵌合構造において、径方向及び円周方向においてガタが生じる隙間が形成されない。このため、嵌合部位の全てが回転トルク伝達に寄与し、安定したトルク伝達が可能であり、しかも、異音の発生も生じさせない。
凹部が形成される部材(この場合、ハブ輪1)には、スプライン部等を形成しておく必要がなく、生産性に優れ、かつスプライン同士の位相合わせを必要とせず、組立性の向上を図るとともに、圧入時の歯面の損傷を回避することができ、安定した嵌合状態を維持できる。
外輪5と内輪6とに、クロスグルーブタイプの交互に傾斜(クロス)するトラック溝14a、14b、16a、16bと、これらのトラック溝14a、14b、16a、16b間に配置されて軸線方向にストレートに延びるトラック溝14c、16cとを備える。これによって、トルク伝達用ボール7a、7bのガタツキを少なく、かつ滑らかな転動を得ることができ、高効率化を図ることができて、運転中の昇温を抑制することができる。等速自在継手の内部に封入されたグリースの劣化を防止できて長寿命化を図ることができる。
前記実施形態のように、軸部12に形成するスプライン41は、モジュールが0.5以下の小さい歯を用いたので、このスプライン41の成形性の向上を図ることができるとともに、圧入荷重の低減を図ることができる。なお、凸部35を、この種のシャフトに通常形成されるスプラインをもって構成することができるので、低コストにて簡単にこの凸部35を形成することができる。
また、軸部12をハブ輪1に圧入していくとによって、凹部36を形成していくと、この凹部36側に加工硬化が生じる。ここで、加工硬化とは、物体に塑性変形(塑性加工)を与えると,変形の度合が増すにつれて変形に対する抵抗が増大し,変形を受けていない材料よりも硬くなることをいう。このため、圧入時に塑性変形することによって、凹部36側のハブ輪1の内径面37が硬化して、回転トルク伝達能力の向上を図ることができる。
ハブ輪1の内径側は比較的柔らかい。このため、外輪5の軸部12の外径面の凸部35をハブ輪1の孔部内径面の凹部36に嵌合させる際の嵌合性(密着性)の向上を図ることができ、径方向及び円周方向においてガタが生じるのを精度良く抑えることができる。
ところで、前記図4に示すスプライン41では、凸部41aのピッチと凹部41bのピッチとが同一設定される。このため、前記実施形態では、図4(b)に示すように、凸部35の突出方向中間部位の周方向厚さLと、周方向に隣り合う凸部35間における前記中間部位に対応する位置での周方向寸法L0とがほぼ同一となっている。
これに対して、図6に示すように、凸部35の突出方向中間部位の周方向厚さL2を、周方向に隣り合う凸部35間における前記中間部位に対応する位置での周方向寸法L1よりも小さいものであってもよい。すなわち、スプライン41において、凸部35の突出方向中間部位の周方向厚さ(歯厚)L2を、凸部35間に嵌合する相手側つまりハブ輪1側の凸部43の突出方向中間部位の周方向厚さ(歯厚)L1より小さくしている。
したがって、凸部(凸歯)35の歯厚の総和Σ(B1+B2+B3+・・・)を、ハブ輪1側の全周における凸部43の歯厚の総和Σ(A1+A2+A3+・・・)よりも小さく設定している。これによって、ハブ輪1側の凸部43のせん断面積を大きくすることができ、ねじり強度を確保することができる。しかも、凸部35の歯厚が小であるので、圧入荷重を小さくでき、圧入性の向上を図ることができる。凸部35の周方向厚さの総和を、相手側の凸部43における周方向厚さの総和よりも小さくする場合、全凸部35の周方向厚さL2を、周方向に隣り合う凸部35間における周方向の寸法L1よりも小さくする必要がない。すなわち、複数の凸部35のうち、任意の凸部35の周方向厚さが周方向に隣り合う凸部間における周方向の寸法と同一であっても、この周方向の寸法よりも大きくても、総和で小さければよい。なお、図6における凸部35は、断面台形(富士山形状)としている。
ところで、前記実施形態においては、軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入するものであるので、この圧入方向と相反する方向に、引き抜き力を付与すれば、軸部12をハブ輪1の孔部22から引き抜くことができる。すなわち、ハブ輪1と等速自在継手3とを分離することができる。また、分離した後は、新たなハブ輪1に、この等速自在継手3に外輪5の軸部12を孔部22に圧入すれば、この凸部35が内径面37に食い込んでいき、凸部35が、この凸部35が嵌合する凹部36を軸方向に沿って形成していくことになる。これによって、凸部35の凹部嵌合部位の全体がその対応する凹部36に対して密着する凹凸嵌合構造Mを形成することができて、再度、車輪用軸受装置を構成することができる。
このように、ハブ輪1と等速自在継手3とを分離することができる。分離可能であれば、長期の使用によって、部品の一部に不具合が生じたり、劣化したりしたりした場合に、ハブ輪と等速自在継手とを分離することによって、修理や点検、さらには部品の交換等を行うことができる。すなわち、修理や点検、さらには部品の交換等を短時間に簡単に行うことができ、装置全体の寿命を延ばすことができる。
なお、ハブ輪1と等速自在継手3とを分離する場合、前記したように、圧入方向と相反する方向に、を付与する必要がある。しかしながら、通常の使用状態では、車輪用軸受装置においては、このような引き抜き力が作用せず、使用状態においてハブ輪1と等速自在継手3とが分離することがない。
図7から図10に示す車輪用軸受装置では、ハブ輪1と等速自在継手3とを分離可能型の連結手段にて連結したものである。
図7に示す第2実施形態では、軸部12の端部にねじ部71を設け、ねじ部71にナット部材75を螺着している。すなわち、ハブ輪1の孔部22に雌スプライン72を形成するととともに、軸部12に雌スプライン72に嵌合する雄スプライン73を形成する。ハブ輪1の孔部22の雌スプライン72に軸部12の雄スプライン73を嵌合させた状態で、このハブ輪1の孔部22から突出した軸部12のねじ部71にナット部材75を螺着する。これによって、ナット部材75をハブ輪1の端面69に当接させて、ハブ輪1の抜け止めを行い、かつハブ輪1の内周面と軸部12の外周面との間にスプライン嵌合部が形成されて、ハブ輪1と外輪5の回り止めを行う。
図8の第3実施形態では、ハブ輪1の孔部22を、継手側から反継手側に向かって縮径するテーパ孔とされ、これに対応して、外輪5の軸部12をテーパ軸としている。このため、母線がテーパ状をなすスプライン(セレーション)同士の嵌合のため、周方向のガタを殺すことができる共に、省スペースで効果的に嵌合長さを長くできる。すなわち、軽量化・コンパクト化を図ることができるとともに、ガタのない強固な結合が可能となる。
図7と図8に示す実施形態では、ナット部材75を螺退させることによって、ナット部材75を軸部12から取外すことができる。このように、ナット部材75を取外せば、軸部12をハブ輪1から引き抜くことができる。つまり、ハブ輪1と等速自在継手3とを分離することができる。
図9の第4実施形態では、軸部12にねじ孔80を設け、このねじ孔80にボルト部材81を螺着する。この場合、ボルト部材81の頭部81aとハブ輪1の端面69との間にスペーサ(プレート)82を介在させる。ハブ輪1の孔部22の雌スプライン72に軸部12の雄スプライン73を嵌合させた状態で、ボルト部材81のねじ軸部81bを軸部12のねじ孔80に螺合する。これによって、プレート82がハブ輪1の端面に圧接(当接)して、ハブ輪1の抜け止めを行い、かつハブ輪1の内周面と軸部12の外周面との間にスプライン嵌合部が形成されて、ハブ輪1と外輪5の回り止めを行う。
図10に示す第5実施形態では、外輪5のマウス部11の底壁外面に、径方向に延びる凹凸部からなるフェーススプライン90を形成するとともに、ハブ輪1の端面(継手側の端面)に、径方向に延びる凹凸部からなるフェーススプライン91を形成する。また、ハブ輪1の孔部22に内鍔部85を設け、この内鍔部85に、ボルト部材86が挿通される貫通孔87を設けるとともに、外輪5のマウス部11の底壁にねじ孔88を設ける。
外輪5のマウス部11のフェーススプライン90とハブ輪1の継手側端面のフェーススプライン91とを嵌合させた状態で、ボルト部材86のねじ軸部86bを外輪5のマウス部11の底壁のねじ孔88に螺着する。ボルト部材86の頭部86aがハブ輪1の端面69(反継手側の端面)に圧接(当接)して、ハブ輪1の抜け止めを行い、外輪5のマウス部11のフェーススプライン90とハブ輪1の端面のフェーススプライン91とが嵌合されて、ハブ輪1と外輪5の回り止めを行う。
図9と図10に示す実施形態においては、ボルト部材81を螺退させることによって、ボルト部材81を取外すことができる。このように、ボルト部材81を取外せば、ハブ輪1と等速自在継手3とを分離することができる。
前記実施形態では、第3世代の車輪用軸受装置を示したが、第1世代や第2世代さらには第4世代であってもよい。ここで、第4世代の車輪用軸受装置とは、転がり軸受の一方の内側軌道面をハブ輪の外径面に形成するとともに、転がり軸受の他方の内側軌道面を等速自在継手の外側継手部材の外径面に形成するものである。
4世代であれば、本発明においては、等速自在継手においては運転中の昇温を抑制できるので、等速自在継手3の外輪5の外径面に形成される内側転道面29への熱影響を抑えることができ、転がり軸受の長寿命化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、凹凸嵌合構造Mの凸部35の形状として、前記図2に示す実施形態では断面三角形状であり、図5に示す実施形態では断面台形(富士山形状)であるが、これら以外の半円形状、半楕円形状、矩形形状等の種々の形状のものを採用でき、凸部35の面積、数、周方向配設ピッチ等も任意に変更できる。すなわち、スプライン41を形成し、このスプライン41の凸部(凸歯)41aをもって凹凸嵌合構造Mの凸部35とする必要はなく、キーのようなものであってもよく、曲線状の波型の合わせ面を形成するものであってもよい。要は、軸方向に沿って配設される凸部35を相手側に圧入し、この凸部35にて凸部35に密着嵌合する凹部36を相手側に形成することができて、凸部35とこれに嵌合する凹部との嵌合接触部位38の全体が密着し、しかも、ハブ輪1と等速自在継手3との間で回転トルクの伝達ができればよい。
また、ハブ輪1の孔部22としては円孔以外の多角形孔等の異形孔であってよく、この孔部22に嵌挿する軸部12の端部の断面形状も円形断面以外の多角形等の異形断面であってもよい。さらに、ハブ輪1に軸部12を圧入する際に凸部35の圧入始端部のみが、凹部36が形成される部位より硬度が高ければよいので、凸部35の全体の硬度を高くする必要がない。図4等では隙間40が形成されるが、凸部35間の凹部まで、ハブ輪1の内径面37に食い込むようなものであってもよい。なお、凸部35側と、凸部35にて形成される凹部形成面側との硬度差としては、前記したようにHRCで30ポイント以上とするのが好ましいが、凸部35が圧入可能であれば30ポイント未満であってもよい。
凸部35の端面(圧入始端)は前記実施形態では軸方向に対して直交する面であったが、軸方向に対して、所定角度で傾斜するものであってもよい。この場合、内径側から外径側に向かって反凸部側に傾斜しても凸部側に傾斜してもよい。
また、ポケット部50の形状としては、前記実施形態では、その周方向溝51は反スプライン側の側面51bを、溝底51cから反スプライン側に向かって拡径するテーパ面としたが、このようなテーパ面としないものであってもよく、要は、生じるはみ出し部45を収納(収容)できるものであればよく、そのため、ポケット部50の容量として、生じるはみ出し部45に対応できるものであればよい。
なお、凸部35を圧入する場合、凹部36が形成される側を固定して、凸部35を形成している側を移動させても、逆に、凸部35を形成している側を固定して、凹部36が形成される側を移動させても、両者を移動させてもよい。なお、等速自在継手3において、内輪6とシャフトとを前記各実施形態に記載した凹凸嵌合構造Mを介して一体化してもよい。
ところで、前記図1の車輪用軸受装置では、軸部12側に凸部35を構成するスプライン41を形成するとともに、この軸部12のスプライン41に対して硬化処理を施し、ハブ輪1の内径面を未硬化(生材)としている。これに対して、ハブ輪1の孔部22の内径面に硬化処理を施されたスプラインを形成するとともに、軸部12には硬化処理を施さないものであってもよい。つまり、ハブ輪1側に凸部35を設け、軸部12側に凹部36を設ける。
この場合も、軸部12をハブ輪1の孔部22に圧入すれば、ハブ輪1側の凸部35によって、軸部12の外周面にこの凸部35が嵌合する凹部36を形成することができる。これによって、凸部35とこれに嵌合する凹部との嵌合接触部位38の全体が密着している。
本発明の第1実施形態を示す車輪用軸受装置の縦断面図である。 前記車輪用軸受装置の等速自在継手の要部簡略図である。 前記車輪用軸受装置の分解状態を示す断面図である。 前記車輪用軸受装置の凹凸嵌合構造を示し、(a)は拡大断面図であり、(b)は(a)のX部拡大図である。 前記車輪用軸受装置の要部拡大断面図である。 前記車輪用軸受装置の凹凸嵌合構造の変形例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態を示す車輪用軸受装置の縦断面図である。 本発明の第3実施形態を示す車輪用軸受装置の縦断面図である。 本発明の第4実施形態を示す車輪用軸受装置の縦断面図である。 本発明の第5実施形態を示す車輪用軸受装置の要部断面図である。 従来の車輪用軸受装置の断面図である。
符号の説明
1 ハブ輪
2 軸受
3 等速自在継手
7 ボール
8 ケージ
12 軸部
14a 外側トラック溝
14b 外側トラック溝
14c 外側トラック溝
16a 内側トラック溝
16b 内側トラック溝
16c 内側トラック溝
22 孔部
M 凹凸嵌合構造

Claims (6)

  1. ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、
    ハブ輪と、ハブ輪の孔部に嵌挿される等速自在継手の外側継手部材の軸部とが一体化される凹凸嵌合構造を備え、かつ前記等速自在継手は、軸線に対して周方向一方に所定角度だけねじれた第1外側トラック溝と、周方向他方に所定角度だけねじれた第2外側トラック溝と、これらのトラック溝間に軸線方向にストレートに延びる第3外側トラック溝とが形成された外側継手部材と、外側継手部材の第1・第2外側トラック溝に対応して相反する方向に所定角度だけねじれた第1・第2内側トラック溝と、外側継手部材の第3外側トラック溝に対応して軸線方向にストレートに延びる第3内側トラック溝とが形成された内側継手部材と、外側トラック溝とこれに対応する内側トラック溝との間に収容されるトルク伝達用ボールと、トルク伝達用ボールを保持するケージとを備えたことを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記凹凸嵌合構造は、外側継手部材の軸部をハブ輪の孔部に圧入して、外側継手部材の軸部の外径面の凸部とその凸部に嵌合するハブ輪の内径面の凹部との嵌合接触部位全域が密着することを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記凹凸嵌合構造は、外側継手部材のハブ輪に対する軸方向外方への引き抜き力付与による分離を許容することを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、
    ハブ輪と等速自在継手とを分離可能型の連結手段にて連結し、かつ前記等速自在継手は、軸線に対して周方向一方に所定角度だけねじれた第1外側トラック溝と、周方向他方に所定角度だけねじれた第2外側トラック溝と、これらのトラック溝間に軸線方向にストレートに延びる第3外側トラック溝とが形成された外側継手部材と、外側継手部材の第1・第2外側トラック溝に対応して相反する方向に所定角度だけねじれた第1・第2内側トラック溝と、外側継手部材の第3外側トラック溝に対応して軸線方向にストレートに延びる第3内側トラック溝とが形成された内側継手部材と、外側トラック溝とこれに対応する内側トラック溝との間に収容されるトルク伝達用ボールと、トルク伝達用ボールを保持するケージとを備えたことを特徴とする車輪用軸受装置。
  5. 前記連結手段が、ハブ輪と等速自在継手の外側継手部材とを分離可能に連結するねじ手段にて構成したことを特徴とする請求項4に記載の車輪用軸受装置。
  6. 転がり軸受の一方の内側軌道面をハブ輪の外径面に形成するとともに、転がり軸受の他方の内側軌道面を等速自在継手の外側継手部材の外径面に形成したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の車輪用軸受装置。
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