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JP2009086280A - 感光性銀ペースト、電極パターンの製造方法、電極パターンおよびプラズマディスプレイパネル - Google Patents

感光性銀ペースト、電極パターンの製造方法、電極パターンおよびプラズマディスプレイパネル Download PDF

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JP2009086280A
JP2009086280A JP2007255913A JP2007255913A JP2009086280A JP 2009086280 A JP2009086280 A JP 2009086280A JP 2007255913 A JP2007255913 A JP 2007255913A JP 2007255913 A JP2007255913 A JP 2007255913A JP 2009086280 A JP2009086280 A JP 2009086280A
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pattern
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Hideyuki Ito
秀之 伊藤
Koichi Takagi
幸一 高木
Satoshi Okitsu
諭 興津
Yozo Kosaka
陽三 小阪
Tomofumi Katajima
智文 片島
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Taiyo Holdings Co Ltd
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Taiyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】量産性高く、良好な耐薬品性とともに十分な導電性、信頼性を得ることが可能な電極パターンを提供する。
【解決手段】カルボキシル基を含有する有機バインダー(A)100質量部に対して銀粉(B)400〜800質量部、ガラスフリット(C)0.1〜70質量部、平均粒径0.1〜2μmの無機酸化物(D)0.1質量部〜10質量部、光重合性モノマー(E)20〜100質量部、光重合開始剤(F)1〜30質量部を含有する感光性銀ペーストを用いて、銀ペーストパターンを形成し、この一部を被覆するように導電性ペーストパターンを形成し、同時焼成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えばプラズマディスプレイなどに用いられる電極パターンおよびその製造方法に係り、電極パターンの形成に用いられる感光性銀ペースト、電極パターンの製造方法、電極パターンおよびプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略称する)は、プラズマ放電による発光を利用して映像や情報の表示を行なう平面ディスプレイであり、パネル構造・駆動方法によってDC型とAC型に分類される。PDPによるカラー表示の原理は、リブ(隔壁)8によって離間された前面ガラス基板と背面ガラス基板に形成された対向する両電極間のセル空間(放電空間)内でプラズマ放電を生じさせ、各セル空間内に封入されているHe、Xe等のガスの放電により発生する紫外線で背面ガラス基板内面に形成された蛍光体を励起し、3原色の可視光を発生させるものである。各セル空間は、DC型PDPにおいては格子状のリブにより区画され、一方、AC型PDPにおいては基板面に平行に列設されたリブにより区画されるが、いずれにおいてもセル空間の区画は、リブによりなされている。
図1は、フルカラー表示の3電極構造の面放電方式PDPの構造例を部分的に示している。前面ガラス基板1の下面には、放電のための透明電極3a又は3bと、透明電極のライン抵抗を下げるためのバス電極4a又は4bとから成る一対の表示電極2a、2bが、所定のピッチで多数列設されている。これらの表示電極2a、2bの上には、電荷を蓄積するための透明誘電体層5(低融点ガラス)が印刷、焼成によって形成され、その上に保護層(MgO)6が蒸着されている。保護層6は、表示電極の保護、放電状態の維持等の役割を有している。
一方、背面ガラス基板7の上には、放電空間を区画するストライプ状のリブ(隔壁)8と各放電空間内に配されたアドレス電極(データ電極)9が所定のピッチで多数列設されている。また、各放電空間の内面には、赤(10a)、青(10b)、緑(10c)の3色の蛍光体膜が規則的に配され、フルカラー表示においては、赤、青、緑の3原色の蛍光体膜10a、10b、10cで1つの画素が構成される。さらに、放電空間を形成する一対の表示電極2a、2bの両側部には、画像のコントラストをさらに高めるために、同様にストライプ状のブラックパターンが形成されている。
なお、このような構造のPDPは、一対の表示電極2aと2bの間に交流のパルス電圧を印加し、同一基板上の電極間で放電させるので、「面放電方式」と呼ばれている。そして、放電により発生した紫外線が背面ガラス基板7の蛍光体膜10a、10b、10cを励起し、発生した可視光が前面基板1の透明電極3a、3bを透過することにより、画像が形成される。
このような構造のPDPにおけるバス電極4a、4bやアドレス電極9には、従来銀電極が用いられていた。しかしながら、銀電極では、PDPの製造過程上で硝酸等の薬品処理を行った際の十分な耐薬品性が得られないという欠点があった。そこで、例えば特許文献1において、薬品処理を行う部位の銀電極上に金電極を重ねて形成することで、耐薬品性が改善されることが開示されている。
特開2003−031133号公報
通常、銀電極、金電極は、それぞれ感光性銀ペースト、金ペーストを用いてパターンを形成し、焼成することにより形成される。このとき、プロセスコスト、リードタイムを削減して、量産性を向上させるために、感光性銀ペースト上に金ペースト塗布し、同時に焼成すると、電極接合部の膨れ又は切れといった現象が生じてしまう。そして、このような現象は、電極の欠損となり、導電性、信頼性の低下を引き起こし、PDPにおける性能低下や歩留まりの低下の要因となる。
近年、PDPにおいて、高精細のフルスペックハイビジョンが主流となりつつあり、電極パターンの微細化が要求されている。そして、電極パターンの微細化により、より一層電極の欠損の影響を受けやすくなるという問題がある。
本発明は、金ペーストを含む導電性ペーストと同時焼成することにより、良好な耐薬品性とともに十分な導電性、信頼性を得ることが可能な電極パターンを量産性高く形成するための感光性銀ペーストを提供することを目的とするものである。
また、本発明は、量産性高く、良好な耐薬品性とともに十分な導電性、信頼性を得ることが可能な電極パターンの製造方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、量産性高く、良好な耐薬品性を有し、良好な導電性、信頼性が得られることにより、微細化が可能な電極パターンを提供することを目的とするものである。
さらに、本発明は、量産性高く、良好な性能を有し、高精細化に対応することが可能なプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とするものである。
通常、銀電極を形成するための感光性銀ペーストには、下地基板との密着性を付与するために所定量のガラスフリットが含まれており、その上層に塗布され、金電極を形成するための金ペーストにも、下地電極(銀電極)との密着性を付与するために、同様にガラスフリットが含まれている。発明者らは、感光性銀ペーストと、金ペーストを含む、いわゆる導電性ペーストを積層し、焼成する際に、感光性銀ペーストに含まれるガラスフリットと導電性ペーストに含まれるガラスフリットが混ざり合うことにより、電極内部に気泡が発生し、電極が膨れてしまうという知見を得た。そして、所定粒径のアモルファスシリカを加えることにより、感光性銀ペーストに含まれるガラスフリットと導電性ペーストに含まれるガラスフリットの混ざり合いを抑制することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の一態様によれば、カルボキシル基を含有する有機バインダー(A)100質量部に対して、銀粉(B)400〜800質量部、ガラスフリット(C)0.1〜70質量部、平均粒径0.1〜2μmであり、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化カルシウムの少なくとも一種から選ばれる無機酸化物(D)0.1質量部〜10質量部、光重合性モノマー(E)20〜100質量部、光重合開始剤(F)1〜30質量部を含有することを特徴とする感光性銀ペーストとが提供される。
また、本発明の一態様において、カルボキシル基を含有する有機バインダー(A)100質量部に対して銀粉(B)400〜800質量部、ガラスフリット(C)0.1〜70質量部、平均粒径0.1〜2μmであり、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化カルシウムの少なくとも一種から選ばれる無機酸化物(D)0.1質量部〜10質量部、光重合性モノマー(E)20〜100質量部、光重合開始剤(F)1〜30質量部を含有する感光性銀ペーストを、基板上に塗布し、塗布された感光性銀ペーストを乾燥させ、露光・現像して銀ペーストパターンを形成し、銀ペーストパターンの一部を被覆するように、導電性ペーストを塗布し、乾燥させて導電性ペーストパターンを形成し、銀ペーストパターンと導電性ペーストパターンを焼成することを特徴とする電極パターンの製造方法が提供される。
そして、本発明の一態様において、これら感光性銀ペースト、電極パターンの製造方法を用いて形成される電極パターンを備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルが提供される。
そして、本発明の一態様によれば、基板上に形成され、平均粒径0.1〜2.0μmであり、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化カルシウムの少なくとも一種から選ばれる無機酸化物を含むガラス成分と、銀粉を含む第1の電極層と、この第1の電極層の一部を被覆するように形成され、ガラス成分と、導電性粉末を含む第2の電極層を備えることを特徴とする電極パターンと、これを用いたプラズマディスプレイパネルが提供される。
本発明の一態様の感光性銀ペーストによれば、導電性ペーストと同時焼成することにより、良好な耐薬品性とともに十分な導電性、信頼性を得ることが可能な電極パターンを量産性高く形成することが可能となる。
また、本発明の一態様の電極パターンの製造方法によれば、量産性高く、良好な耐薬品性とともに十分な導電性、信頼性を得ることが可能となる。
また、本発明の一態様の電極パターンによれば、量産性高く、良好な耐薬品性を有し、良好な導電性、信頼性が得られることにより、微細化が可能となる。
さらに、本発明の一態様のプラズマディスプレイパネルによれば、量産性高く、良好な性能を有し、高精細化に対応することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態において、感光性銀ペーストは、カルボキシル基を含有する有機バインダー(A)100質量部に対して、銀粉(B)400〜800質量部、ガラスフリット(C)0.1〜70質量部、平均粒径0.1〜2μmであり、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化カルシウムの少なくとも一種から選ばれる無機酸化物(D)0.1質量部〜10質量部、光重合性モノマー(E)20〜100質量部、光重合開始剤(F)1〜30質量部を含有するものである。
ここで、有機バインダー(A)としては、アルカリ可溶樹脂としてカルボキシル基を有する樹脂、具体的にはそれ自体がエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂およびエチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。具体的には、以下のようなものが挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、メチル(メタ)アクリレートなどの不飽和二重結合を有する化合物を共重合させることによって得られるカルボキシル基含有樹脂、
(2)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、メチル(メタ)アクリレートなどの不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、グリシジル(メタ)アクリレートや(メタ)アクリル酸クロライドなどにより、エチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(3)グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、メチル(メタ)アクリレートなどの不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基にテトラヒドロフタル酸無水物などの多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(4)無水マレイン酸などの不飽和二重結合を有する酸無水物と、スチレンなどの不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(5)多官能エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸などの不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基にテトラヒドロフタル酸無水物などの多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂、
(6)メチル(メタ)アクリレートなどの不飽和二重結合を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートの共重合体のエポキシ基に、1分子中に1つのカルボキシル基を有し、エチレン性不飽和結合を持たない有機酸を反応させ、生成した2級の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂、
(7)ポリビニルアルーコールなどの水酸基含有ポリマーに多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂、及び
(8)ポリビニルアルーコールなどの水酸基含有ポリマーに、テトラヒドロフタル酸無水物などの多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物をさらに反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂などが挙げられ、特に(1)、(2)、(3)、(6)の樹脂が好適に用いられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、他の類似の表現についても同様である。
このカルボキシル基含有樹脂及びカルボキシル基含有感光性樹脂は、単独でまたは混合して用いてもよいが、いずれの場合でもこれらは合計で組成物全量の10〜80質量%の割合で配合することが好ましい。これらのポリマーの配合量が上記範囲よりも少な過ぎる場合、形成する皮膜中の上記樹脂の分布が不均一になり易く、充分な光硬化性および光硬化深度が得られ難く、選択的露光、現像によるパターニングが困難となる。一方、上記範囲よりも多過ぎると、焼成時のパターンのよれや線幅収縮を生じ易くなるので好ましくない。
また、カルボキシル基含有樹脂及びカルボキシル基含有感光性樹脂としては、それぞれ重量平均分子量1,000〜100,000、好ましくは5,000〜70,000、および酸価50〜250mgKOH/g、かつ、カルボキシル基含有感光性樹脂の場合、その二重結合当量が350〜2,000、好ましくは400〜1,500のものを好適に用いることができる。上記樹脂の分子量が1,000より低い場合、現像時の皮膜の密着性に悪影響を与え、一方、100,000よりも高い場合、現像不良を生じ易くなる。また、酸価が50mgKOH/gより低い場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が不充分で現像不良を生じ易く、一方、250mgKOH/gより高い場合、現像時に皮膜の密着性の劣化や光硬化部(露光部)の溶解が生じてしまう。さらに、カルボキシル基含有感光性樹脂の場合、感光性樹脂の二重結合当量が350よりも小さいと、焼成時に残渣が残り易くなり、一方、2,000よりも大きいと、現像時の作業余裕度が狭く、また光硬化時に高露光量が必要となる。
また、光重合性モノマー(E)は、組成物の光硬化性の促進及び現像性を向上させるために用いられる。例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレートに対応する各メタクリレート類;フタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、こはく酸、トリメリット酸、テレフタル酸等の多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−又はそれ以上のポリエステルなどが挙げられるが、特定のものに限定されるものではなく、またこれらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの光重合性モノマーの中でも、1分子中に2個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。
このような光重合性モノマー(E)の配合量は、有機バインダー(カルボキシル基含有感光性樹脂及び/又はカルボキシル基含有樹脂)(A)100質量部当り、20〜100質量部が適当である。光重合性モノマー(E)の配合量が上記範囲よりも少ない場合、組成物の充分な光硬化性が得られ難くなり、一方、上記範囲を超えて多量になると、皮膜の深部に比べて表面部の光硬化が早くなるため硬化むらを生じ易くなる。
また、光重合開始剤(F)の具体的なものとしては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシー2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;又はキサントン類;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィネイト等のフォスフィンオキサイド類;各種パーオキサイド類などが挙げられ、これら公知慣用の光重合開始剤を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの光重合開始剤(F)の配合割合は、有機バインダー(カルボキシル基含有感光性樹脂及び/又はカルボキシル基含有樹脂)(A)100質量部当り、1〜30質量部が適当であり、好ましくは、5〜20質量部である。
また、上記のような光重合開始剤(F)は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような光増感剤の1種あるいは2種以上と組み合わせて用いることができる。
さらに、より深い光硬化深度を要求される場合、必要に応じて、可視領域でラジカル重合を開始するチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュアー784等のチタノセン系光重合開始剤、ロイコ染料等を硬化助剤として組み合わせて用いることができる。
また、銀粉(B)としては、球状、フレーク状、樹脂状のものを用いることができるが、光特性、分散性を考慮すると球状のものを用いることが好ましい。平均粒径としては、解像度の点から0.5〜3.0μmのものを用いることが好ましい。そして、これらの銀粉の酸化防止、組成物内での分散性向上、現像性の安定化のため、脂肪酸による処理を行なうことが好ましい。脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
このような銀粉(B)の配合量としては、カルボキシル基を含有する有機バインダー(A)100質量部に対して400〜800質量部とすることができる。400質量部未満の場合、かかるペーストから得られる導電体パターンの充分な導電性が得られず、一方、800質量部を超えて多量になると、光透過性が低減し、組成物の充分な光硬化性が得られ難くなるためである。
また、ガラスフリット(C)は、軟化点(SP)が400℃〜600℃であり、ガラス転移温度が300〜500℃のものを用いることができる。また、解像度の点からは、平均粒径10μm以下、好ましくは3μm以下であることが好ましい。
そして、このようなガラスフリット(C)の配合量は、カルボキシル基を含有する有機バインダー(A)100質量部に対して0.1〜70質量部とすることができる。さらに、基板との密着性を向上させるためには、感光性銀ペースト総量に対して6〜8質量%とすることが好ましい。6質量%未満の場合は、焼成後に充分な密着が得られず、一方、8質量%を超える場合は、抵抗値が高くなり、導電性が低下するためである。
さらに、無機酸化物(D)としては、平均粒径0.1〜2μmのものを用いることができる。さらに解像度の点では、0.1〜1μmであることが好ましい。また、焼成時の気泡発生を抑制するために、無孔質のものを用いることが好ましい。球状のものを用いることにより、効果的にガラスフリットの混ざり合いを抑制することができるからである。なお、本発明でいう球状とは、SEMによる投影像から任意の10点の長辺と短辺を測定し、その比の平均が0.9〜1.1であるものを意味する。
このような無機酸化物(D)の配合量は、カルボキシル基を含有する有機バインダー(A)100質量部に対して0.1〜10質量部とすることができる。0.1質量部未満では、膨れに対して十分な低減効果が無く、10質量部を超えると電極の抵抗値が高くなるためである。
このような無機酸化物として、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどを用いることができる。また、これら無機酸化膜はアモルファスであることが好ましい。
さらに、溶剤として、適宜の量の有機溶剤を配合することができる。具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テルピネオールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、光硬化性樹脂組成物に多量の無機粉末を配合した場合、得られる組成物の保存安定性が悪く、ゲル化や流動性の低下により塗布作業性が悪くなる傾向がある。従って、組成物の保存安定性向上のため、無機粉末の成分である金属あるいは酸化物粉末との錯体化あるいは塩形成などの効果のある化合物を、安定剤として添加することができる。安定剤としては、マロン酸、アジピン酸、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、クエン酸、ステアリン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等の各種有機酸などの酸が挙げられ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、必要に応じて、シリコーン系、アクリル系等の消泡・レベリング剤、皮膜の密着性向上のためのシランカップリング剤等の添加剤を配合することができる。
また、必要に応じて、公知慣用の酸化防止剤や、保存時の熱的安定性を向上させるための熱重合禁止剤、焼成時における基板との結合成分としての金属酸化物、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物などの微粒子を添加することもできる。
このようにして構成される感光性銀ペーストを、基板上に塗布し、塗布された感光性銀ペーストを乾燥させ、露光・現像して銀ペーストパターンを形成し、銀ペーストパターンの一部を被覆するように、導電性ペーストを塗布し、乾燥させて導電性ペーストパターンを形成し、銀ペーストパターンと導電性ペーストパターンを焼成することにより、電極パターンが形成される。
ここで導電性ペーストとしては、例えばAu、Ag、Cu、Pd、Pt、Al、Ni、Wを含む導電性粉末、ガラスフリット、樹脂などを含有するものを用いることができる。
このような導電性ペーストに用いられる導電性粉末の平均粒径は0.01〜5μmであることが好ましい。0.01μm未満では、製造しにくくコストが高くなり、また、5μmを超えると、緻密性が悪く抵抗値が高くなるためである。さらに好ましくは0.05〜1μmである。
導電性ペーストを構成する導電性粉末としては、形状が球形、不定形、塊状、鱗片状、針状、棒状などどのような形状でも良い。
また、導電性粉末としては、Auを含むことが好ましい。また、これにAu以外の貴金属粉を加えた場合、焼結性があれば良い。例えば、Ag、Cu、Pd、Pt、Al、Ni、Wなどの各粉体、またこれらの2種類以上の混合粉、合金粉を使用することができる。特に、銀粉が好ましい。そして、その配合量は、金粉100重量部に対して、1〜80重量部であることが好ましい。1重量部未満であると印刷適正が悪くなり、80重量部を超えると十分な耐薬品性が得られなくなるためである。より好ましくは5〜30重量部である。
また、このとき、銀粉の平均粒径は0.01〜5μmであることが望ましく、好ましくは0.05〜5μmである。0.01μm未満では、製造しにくくコストが高くなり、また、5μmを超えると、このような導電性ペーストを用いて形成された電極部分の緻密性が悪く抵抗値が高くなると共に印刷適正も悪くなるためである。
ガラスフリットとしては、例えば、軟化点が400〜600℃であり熱膨張係数α300が35×10−7〜350×10−7/℃、ガラス転移温度が300〜500℃であるガラスフリットを使用することができ、ZnO系ガラス、B−アルカリ土類金属酸化物系ガラス等の酸化アルカリを含まないガラスフリットを使用することが望ましい。
ガラスフリットの軟化点が600℃を超えると、焼成温度を高くする必要があり、例えば、基板など電極パターン被形成体の耐熱性が低い場合には、焼成段階で熱変形を生じてしまう。また、400℃未満では、焼成により有機成分が完全に分解、揮発して除去される前にガラスフリットが融着するため、形成される電極パターンに空隙が生じやすくなる。
さらに、ガラスフリットの熱膨張係数α300Oが35×10−7/℃未満である場合、或いは350×10−7/℃を超える場合には、電極パターン被形成体の熱膨張係数との差が大きくなりすぎる場合があり、歪みなどを生じてしまう。また、ガラスフリットの粒径(D50)は0.1〜5μm、好ましくは0.5〜4μmの範囲である。
そして、ガラスフリットの配合量は、金粉100重量部に対してガラスフリット1〜20重量部であることが好ましい。1重量部未満であるとガラス基板との密着性が悪くなり、20重量部を超えると抵抗値が高くなるためである。
さらに、必要に応じて、導電性粉末、ガラスフリット以外の無機成分として、無機フィラー、無機顔料を使用することができる。
また、樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリルエステル、アルキッド樹脂などのポリエステル系樹脂、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルへキシルメタクリレート、2−ヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ドデシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、オクチルアクリレート、セチルメタクリレート、セチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルメタクリレート、デシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ダイアセトンアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、α−メチルスチレン、スチレン、ビニルトルエン、N−ビニル−2−ピロリドン等のモノマーからなる共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどを用いることができる。そして、樹脂の配合量は、金粉100重量部に対して2〜10重量部であることが好ましい。
さらに、溶剤として、α−、β−、γ−テルピネオールのようなテルペン類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールジアルキルエーテルアセテート類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−エチルヘキサノール、1−ブトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、モノ又はポリアルコール類の脂肪酸エステル類が例示され、これらを単独または2種類以上混合してもよい。
さらに、可塑剤、沈降防止剤、分散剤、消泡剤、染料、シランカップリング剤、増粘剤、レベリング剤を必要に応じて適宜使用することができる。
そして、このような感光性銀ペーストと金ペーストを用いて、以下のようにして電極パターンが形成される。
先ず、例えばPDPの背面ガラス基板となるガラス基板上に、感光性銀ペーストを塗布する。このとき、塗布方法としては、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などのパターニング方法を用いることができる。
次いで、塗布された感光性銀ペーストを乾燥させる。このとき、熱風循環式乾燥炉、遠赤外線乾燥炉等を用いて、例えば60〜120℃で5〜40分程度乾燥させることにより、有機溶剤を蒸発させ、タックフリーの塗膜が得られる。
そして、乾燥された感光性銀ペーストの塗膜を、選択的に露光する。このとき、所定の露光パターンを有するネガマスクを用いた接触露光及び非接触露光を用いることができる。露光光源としては、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー光、メタルハライドランプ、無電極ランプなどが使用される。露光量としては50〜1000mJ/cm程度が好ましい。
そして、露光された感光性銀ペーストの塗膜を現像することにより、所定の銀ペーストパターンを形成する。このとき、現像方法としてはスプレー法、浸漬法等が用いられる。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムなどの金属アルカリ水溶液や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン水溶液、特に約1.5質量%以下の濃度の希アルカリ水溶液が好適に用いられる。なお、これらの現像液に限定されるものではなく、組成物中のカルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基がケン化され、未硬化部(未露光部)が除去されればよい。また、現像後に、不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行なうことが好ましい。
このようにして形成された銀ペーストパターンの一部を被覆するようにAuなどの導電性粉末を含む導電性ペーストを塗布し、導電性ペーストパターンを形成する。導電性ペーストは、感光性銀ペーストと同様に、スクリーン印刷などにより塗布され、感光性銀ペーストと同様にして乾燥される。
このようにして、銀ペーストパターンと、この一部を被覆する導電性ペーストパターンが形成された基板を、空気中又は窒素雰囲気下、580〜600℃で5〜30分加熱処理することにより、銀ペーストパターンと導電性ペーストパターンを同時焼成する。その際の昇温レートは、例えば5〜30℃/minとする。
焼成により、銀ペーストパターンと導電性ペーストパターンに含有されていた有機成分が焼失し、平均粒径0.1〜2.0μmのアモルファスシリカを含むガラス成分と、銀粉を含む電極層と、この銀粉を含む電極層の一部を被覆するように形成され、ガラス成分と、Auなどの導電性粉末を含む電極層を有する電極パターンが形成される。
図2に、背面ガラス基板上に形成された電極パターンの上面図を、図3に図2のC−C´の断面図を示す。なお、図2においては、特にアドレス電極の表示領域と端子部のみを平面的に示している。図に示すように、端子部分の銀粉を含む電極層11の一部(端部)が、Auなどの導電性粉末を含む電極層12により被覆されている。
このように形成された電極パターンは、例えばPDPにおいて、図1に示すバス電極4a、4b、アドレス電極9として用いられる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、以下において「部」は、特に断りのない限りすべて質量部であるものとする。
Figure 2009086280
表1におけるガラスフリットは、酸化ビスマス(Bi)系ガラスフリットである。
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタクリル酸を0.87:0.13のモル比で仕込み、溶媒としてジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ、窒素雰囲気下、80℃で2〜6時間攪拌し、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を冷却し、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン、触媒としてテトラブチルホスホニウムブロミドを用い、冷却後取り出し、有機バインダー(A1)を生成した。この有機バインダー(A)は、重量平均分子量が約10,000、酸価が95mgKOH/gであった。
なお、得られた共重合樹脂の重量平均分子量の測定は、(株)島津製作所製ポンプLC−6ADと昭和電工(株)製カラムShodex(登録商標)KF−804、KF−803、KF−802を三本つないだ高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
ガラスフリットとしては、Bi23、B23 、ZnO、SiO2、BaOをからなる無鉛ガラスフリットを粉砕し、平均粒径1.6μmとしたものを使用した。軟化点が583℃のものをガラスフリットA、軟化点が542℃のものをガラスフリットB、525℃のものをガラスフリットCとした。なお、ガラスフリットの軟化点は、示差熱分析により、アルミナ粉末を標準物質として、昇温速度10℃/分で室温から800℃まで昇温し、得られた吸熱ピークのピークトップの温度をとした。
無機酸化物としては、アモルファスシリカを用い、平均粒径0.5μmのものをアモルファスシリカA、平均粒径7nmのものをアモルファスシリカBとした。
表2に示す組成比にて配合し、攪拌機により攪拌後、3本ロールミルにより練肉してペースト化を行なった。
Figure 2009086280
表2の各感光性銀ペーストについて、300メッシュのポリエステルスクリーンを用いてガラス基板上に塗布した後、遠赤外線乾燥炉にて90℃で20分間乾燥し、タックフリーの塗膜を形成した。その後、光源をメタルハライドランプとし、ライン幅80μm、スペース幅100μmのストライプ状のネガマスクをもちいて、塗膜上の積算光量が300mJ/cmとなるように露光した後、液温30℃の0.4wt%NaCO水溶液を用いて、20秒間現像を行い、水洗後エアブローにて乾燥し、銀ペーストパターンを作製した。
作製された銀ペーストパターンについて、接続部電極膨れを以下の方法により評価した。
現像後の銀ペーストパターンの接続部に、表1の組成物で作製した導電性ペーストを、325メッシュのSUSスクリーンを用いて接続部分にパターン印刷後、遠赤外線乾燥炉にて150℃で20間乾燥し、タックフリーの塗膜を形成した。
次に、昇温レート20℃/min、600℃で10分間焼成を行い、接続部電極の膨れの有無を顕微鏡で観察した。
接続部電極の膨れの有無を○、×で評価した。
○:膨れ無し
×:膨れ有
表2に示す結果から明らかなように、本実施例に係る感光性銀ペーストにより、ライン80μm、スペース幅100μmという高精細な電極パターンを、銀ペーストパターンと導電性ペーストパターンの同時焼成により作製することができた。また、本実施例に係る電極パターンの製造方法により、銀ペーストパターンと導電性ペーストパターンを少なくとも一部分重ねた状態で、同時焼成しても、接続部に膨れなく電極パターンを形成することが可能であった。
そして、このようにして形成された本実施例に係る電極パターンは、充分な導電性が得られるとともに、銀粉を含む電極層を被覆するように導電性粉末を含む電極層が形成されているため、良好な耐薬品性を得ることができた。
面放電方式のAC型PDPの部分分解斜視図。 背面ガラス基板上に形成された電極のパターンの上面図。 図2のC−C’の断面図。
符号の説明
1 前面ガラス基板
2a,2b 表示電極
3a,3b 透明電極
4a,4b バス電極
5 透明誘電体層
6 保護層
7 背面ガラス基板
8 リブ
9 アドレス電極
10a,10b,10c 蛍光体膜
11 銀粉を含む電極層
12 導電性粉末を含む電極層

Claims (13)

  1. カルボキシル基を含有する有機バインダー(A)100質量部に対して、銀粉(B)400〜800質量部、ガラスフリット(C)0.1〜70質量部、平均粒径0.1〜2μmであり、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化カルシウムの少なくとも一種から選ばれる無機酸化物(D)0.1質量部〜10質量部、光重合性モノマー(E)20〜100質量部、光重合開始剤(F)1〜30質量部を含有することを特徴とする感光性銀ペースト。
  2. 前記無機酸化物(D)は、球状であることを特徴とする請求項1に記載の感光性銀ペースト。
  3. 前記無機酸化物(D)は、アモルファスであることを特徴とする請求項2に記載の感光性銀ペースト。
  4. 前記ガラスフリット(C)は、前記感光性銀ペースト総量に対して6〜8質量%含有されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の感光性銀ペースト。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の感光性銀ペーストを、基板上に塗布し、
    塗布された前記感光性銀ペーストを乾燥させ、露光・現像して銀ペーストパターンを形成し、
    前記銀ペーストパターンの一部を被覆するように、導電性ペーストを塗布し、乾燥させて導電性ペーストパターンを形成し、
    前記銀ペーストパターンと前記導電性ペーストパターンを焼成することを特徴とする電極パターンの製造方法。
  6. 前記導電性ペーストは、少なくともAu、Ag、Cu、Pd、Pt、Al、Ni、Wを含む導電性粒子を備えることを特徴とする請求項5に記載の電極パターンの製造方法。
  7. 基板上に形成され、平均粒径0.1〜2.0μmの無機酸化物を含むガラス成分と、銀粉を含む第1の電極層と、
    この銀電極層の一部を被覆するように形成され、ガラス成分と、導電性粒子を含む第2の電極層を備えることを特徴とする電極パターン。
  8. 前記無機酸化物は、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化カルシウムであることを特徴とする請求項7に記載の電極パターン。
  9. 前記無機酸化物は、アモルファスであることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の電極パターン。
  10. 前記導電性粒子は、少なくともAu、Ag、Cu、Pd、Pt、Al、Ni、Wを含むことを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の電極パターン。
  11. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の感光性銀ペーストを用いて形成される電極パターンを備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  12. 請求項5乃至請求項6に記載の電極パターンの製造方法を用いて形成される電極パターンを備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  13. 請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載の電極パターンを備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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