JP2009083686A - 自動車の車体構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】クラッシュボックス3の断面は、略十字形状の閉断面(略十字ボックス形状)となっており、具体的には、上下左右それぞれの四方に、略矩形の凸部35,36,37,38が突出するようにして形成しており、各凸部35,36,37,38の各辺の長さLは、ほぼ均等となるように設定している。そして、各辺間の角部(39,40)のなす角度αも、ほぼ直角(90°)となるように設定している。
【選択図】図3
Description
このため、クラッシュボックスの縦方向、横方向いずれの方向の剛性も高めることができ、例えば、車幅方向のオフセット荷重を受けた場合であっても、倒れ変形するのを防止することができる。
上記構成によれば、締結具の近傍にクラッシュボックスの突出部が位置することになるため、クラッシュボックスから取付けプレートに伝達される衝突荷重が、確実に締結具に伝達されることになる。
よって、クラッシュボックスによって効率的に衝突エネルギーを受けることが可能となり、クラッシュボックスによる衝突エネルギー吸収性能を高めることができる。
上記構成によれば、各辺の長さを略均等としたことで、辺の長さによって変化する「つぶれピッチ」を閉断面の全周において、同じにできるため、クラッシュボックスが座屈変形する際の変形モードを、一定のモードに安定させることができる。
よって、衝突荷重の入力角度が変化しても、座屈変形モードを常に一定にすることができ、クラッシュボックスの衝突エネルギーの吸収性能を安定化させることができる。
上記構成によれば、クラッシュボックスの略十字閉断面の上方の突出部の上端壁が車体フレームの上壁と略一致して、略十字閉断面の下方の突出部の下端壁が車体フレームの下壁と略一致することになるため、正面視において、略十字閉断面のクラッシュボックスは、縦長の長方形断面の車体フレームと、上方の突出部、下方の突出部で重合すると共に、左右方向の2つの突出部とも重合することになる。
このため、衝突荷重を受けた際に、クラッシュボックスの基部側が確実に車体フレームで支持されることになるため、クラッシュボックスに確実に座屈変形を生じさせることができ、クラッシュボックスで衝突エネルギーを吸収させることができる。
よって、略十字閉断面のクラッシュボックスであっても、縦長の長方形断面の車体フレームの先端で確実に衝突エネルギーを吸収させることができる。
上記構成によれば、クラッシュボックスの略十字閉断面の4つの突出部が斜め方向に延びることで、クラッシュボックスの閉断面が「略X字」閉断面として位置することになり、この4つの突出部の上下方向中央位置の側壁が、それぞれ正面視で縦長の長方形断面の車体フレームの側壁と交差することになる。
このため、衝突荷重を受けた際には、クラッシュボックスの基部側が確実に車体フレームで支持されることになるため、クラッシュボックスに確実に座屈変形を生じさせることができ、クラッシュボックスで衝突エネルギーを吸収させることができる。
よって、略X字閉断面のクラッシュボックスであっても、縦長の長方形断面の車体フレームの先端で確実に衝突エネルギーを吸収させることができる。
上記構成によれば、突出部の断面幅が外周端部側よりも基端部側の方が広いため、正面視において、クラッシュボックスの外周側に広いスペース空間を確保しつつ、内周側で閉断面領域を増やすことができる。
よって、突出部間に締結具を位置するように設定した場合であっても、締結具の作業工具の作業スペースを充分に確保することで締結作業を容易にして、クラッシュボックスの断面積を大きくすることで、断面係数を大きくして、クラッシュボックスの折れ曲り剛性を高めることができる。
上記構成によれば、溶接ポイントである重ね合わせる壁面を略十字閉断面の突出部の外端壁に設定したことで、略十字閉断面内で最も空間長さの長い対向する2つの突出部の内部空間を有効に利用して、容易に、スポットガン等を差込んでスポット溶接することができる。
よって、クラッシュボックスの溶接作業性を、略十字閉断面の内部空間を有効に利用して、高めることができる。
上記構成によれば、縦長の長方形断面の車体フレームに左右方向に延びる補強部材を設けることで、正面視において、クラッシュボックスの略十字閉断面と略一致するように、車体フレームと補強部材とで略十字形状を形成することになる。
上記構成によれば、フレーム取付け面部とプレート取付け面部を車両前後方向に延びる梁部で橋渡すことで、衝突荷重を受けた際に、梁部が「突っ張り力」を発揮するため、補強部材によるにクラッシュボックスの支持剛性を、さらに高めることができる。
また、この梁部が、車体フレームの先端側から遠ざかるほど小さくなるため、例えば、車体フレームの側方に車載部材を配設する場合であっても、この梁部が邪魔になるのを回避することができる。
よって、補強部材によるクラッシュボックスの支持剛性を高めることができると共に、車体フレーム側方のレイアウトスペースを確保することができる。
よって、車両前後方向に延びる車体フレームの先端にクラッシュボックスを設ける自動車の車体構造において、正面からの荷重を受けた場合だけでなく、車幅方向のオフセット荷重を受けた場合であっても、確実にクラッシュボックスを座屈変形させて、衝突エネルギーの吸収性能を確実に発揮させることができる。
一方、凸部37,38の基端部側では、幅Q1を大きくしていることで、クラッシュボックス3の断面係数を大きくでき、クラッシュボックス3の倒れ方向の剛性を高めることができる。
具体的には、図2、図3に示すように、左側凸部37と右側凸部38の外端壁37c、38cの上下方向中央位置に、上下方向に延びる中央切欠き溝51,51を形成して、上側凸部35の側壁35a、35bと下側凸部36の側壁36a,36bには、上下方向中央位置から内折れ稜線39を挟んで右側凸部38と左側凸部37の基部まで切欠いた上部切欠き溝52と下部切欠き溝53を形成している。
発生する2種類の変形パターンは、右側の上段に示す「第一変形パターン」T1と右側の下段に示す「第二変形パターン」T2である。
具体的には、図6に示すように、クラッシュボックス3の前端部3bから順次、後方側(3a)に向って第一変形パターンT1と第二変形パターンT2を交互に発生させながら、繰り返して座屈変形していくことで、クラッシュボックス3を軸圧縮させて、衝突エネルギーを吸収していく。
この実施形態の車体構造は、車幅方向に延びるように配設したバンパービーム2と、このバンパービーム2の車幅方向側端部に前端部が接続される車両前後方向に延びるクラッシュボックス3と、このクラッシュボックス3の基端部が接続されるセットプレート4とを備え、このセットプレート4が車両前後方向に延びるフロントサイドフレーム1,1の前端部にボルトB・ナットNを介して取り付けられる車体構造であって、クラッシュボックス3の断面形状を、略十字状の閉断面形状で形成している。
このため、クラッシュボックス3の縦方向、横方向いずれの方向の剛性も高めることができ、例えば、車幅方向のオフセット荷重を受けた場合であっても、倒れ変形するのを防止することができる。
これにより、ボルトB・ナットNの近傍にクラッシュボックス3の各凸部35,36,37,38が位置することになるため、クラッシュボックス3からセットプレート4に伝達される衝突荷重が、確実にボルトB・ナットNに伝達されることになる。
よって、クラッシュボックス3によって、効率的に衝突エネルギーを受けることが可能となり、クラッシュボックス3による衝突エネルギー吸収性能を高めることができる。
これにより、辺の長さによって変化する「つぶれピッチ」を閉断面の全周において同じにできるため、クラッシュボックス3が座屈変形する際の変形モードを一定のモードに安定させることができる。
よって、衝突荷重の入力角度が変化しても、座屈変形モードを常に一定にすることができ、クラッシュボックス3の衝突エネルギーの吸収性能を安定化させることができる。
これにより、正面視において、略十字閉断面のクラッシュボックス3が、縦長長方形断面のフロントサイドフレーム1と、上側凸部35と下側凸部36で重合すると共に、左側凸部37と右側凸部38の側部壁37a、37b、38a、38bとも交差することになる。
このため、衝突荷重を受けた際に、クラッシュボックス3の基端部3a側が確実にフロントサイドフレーム1に支持されることになり、クラッシュボックス3に座屈変形を生じさせることができ、クラッシュボックス3で衝突エネルギーを吸収することができる。
よって、略十字閉断面のクラッシュボックス3であっても、縦長長方形断面のフロントサイドフレーム1の先端で確実に衝突エネルギーを吸収させることができる。
これにより、衝突荷重を受けた際には、クラッシュボックス3の基端部3aが全て支持されて、クラッシュボックス3全周で確実に座屈変形を生じさせることができ、衝突エネルギーを吸収させることができる。
よって、略十字閉断面のクラッシュボックス3の全周で、確実に衝突エネルギーを吸収させることができる。
これにより、衝突荷重を受けた際に、連結梁部15c、15dが「突っ張り力」を発揮して、補強ブラケット15で、確実にクラッシュボックス3の支持剛性をさらに高めることができる。
また、三角形状の連結梁部15c、15dが、フロントサイドフレーム1,1の前端側から遠ざかるほど小さくなるため、例えば、フロントサイドフレーム1,1の側方にシュラウドパネル等(図示せず)を配設する場合であっても、この連結梁部15c、15dが邪魔になるのを回避することができる。
よって、補強ブラケット15によって、さらにクラッシュボックス3の支持剛性を高めることができると共に、フロントサイドフレーム1側方のレイアウトスペースを確保することができる。
これにより、凸部35,36,37,38間でボルトB・ナットNの締結作業をする際に、ボルト・ナットの締結工具(図示せず)の作業スペースを充分に確保することができる。
また、右側凸部38と左側凸部37の基端部側(Q1)の断面を大きくできるため、クラッシュボックス3の倒れ方向の剛性を高めることができる。
よって、クラッシュボックス3の締結作業を容易に行なうことができ、また、クラッシュボックス3の倒れ変形を防止することができる。
これにより、スポットガン(図示せず)を上側凸部35と下側凸部36の内部空間に差込んで、スポット溶接を行なうことができるため、十字閉断面内で最も空間長さの長い位置を利用して、容易に溶接作業を行なうことができる。
よって、クラッシュボックス3の溶接作業性を、より高めることができる。
このため、衝突荷重を受けた際には、クラッシュボックス203の基端部側が確実にフロントサイドフレーム1に支持されることになるため、クラッシュボックス203を確実に座屈変形させることができ、クラッシュボックス203で衝突エネルギーを吸収させることができる。
よって、略X字閉断面のクラッシュボックス203であっても、縦長の長方形断面のフロントサイドフレーム1の先端で、確実に衝突エネルギーを吸収させることができる。
この発明の取付けプレートは、実施形態のセットプレート4に対応し、
以下、同様に、
車体フレームは、フロントサイドフレーム1に対応し、
締結具は、ボルトB・ナットNに対応し、
突出部は、凸部35,36,37,38,235,236,237,238に対応し、
補強部材は、補強ブラケット15に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる自動車の車体構造に適用する実施形態を含むものである。
実施形態では、フロントサイドフレーム1の前端部に取付けるクラッシュボックス3を前提に説明したが、リアサイドフレームの後端部に取付けるクラッシュボックスで、同様の構成を採用してもよい。
2…バンパービーム
3,103,203…クラッシュボックス
4…セットプレート
15…補強ブラケット
31…折り曲げ部材
32…折り曲げ部材
35…上側凸部
36…下側凸部
37…左側凸部
38…右側凸部
Claims (9)
- 車幅方向に延びるように配設したバンパービームと、
該バンパービームの車幅方向側端部に先端部が接続される車両前後方向に延びるクラッシュボックスと、
該クラッシュボックスの基端部が一方面に接続される取付けプレートとを備え、
前記取付けプレートの他方面が車両前後方向に延びる車体フレームの先端部に締結具を介して取り付けられる自動車の車体構造であって、
前記クラッシュボックスの断面形状を、略十字の閉断面形状として形成した
自動車の車体構造。 - 前記取付けプレートの四隅に前記締結具を挿通する締結穴を形成して、
該締結穴間に前記クラッシュボックスの略十字閉断面の突出部が位置するように設定した
請求項1記載の自動車の車体構造。 - 前記クラッシュボックスの略十字閉断面の各辺の長さを略均等に形成した
請求項1又は2記載の自動車の車体構造。 - 前記車体フレームを縦長の長方形断面で形成すると共に、
前記クラッシュボックスの略十字閉断面の4つの突出部を車両上下方向及び左右方向に延びるように形成して、
該突出部のうち上方の突出部の上端壁を前記車体フレームの上壁と正面視で略一致するように設定して、
該突出部のうち下方の突出部の下端壁を前記車体フレームの下壁と正面視で略一致するように設定した
請求項1〜3いずれか記載の自動車の車体構造。 - 前記車体フレームを縦長の長方形断面で形成すると共に、
前記クラッシュボックスの略十字閉断面の4つの突出部をそれぞれ車両上下方向に傾斜して延びるように形成して、
各突出部の上下方向中央位置の側壁をそれぞれ正面視で車体フレームの側壁と交差するように設定した
請求項1〜3いずれか記載の自動車の車体構造。 - 前記クラッシュボックスの略十字閉断面の突出部の断面幅を、外周端部側よりも基端部側を広く形成した
請求項2〜5いずれか記載の自動車の車体構造。 - 前記クラッシュボックスを、複数の部材の壁面を重ね合わせてスポット溶接することにより形成するものであって、
前記重ね合わせる壁面を、前記略十字閉断面の突出部の外端壁に設定した
請求項1〜6いずれか記載の自動車の車体構造。 - 前記クラッシュボックスの左右方向に延びる突出部に、正面視で略一致するように、前記車体フレームに左右方向に延びる補強部材を設けた
請求項4記載の自動車の車体構造。 - 前記補強部材が、車体フレーム側面に取付けられるフレーム取付け面部と、
前記取付けプレートの他方面に取付けられるプレート取付け面部と、
該フレーム取付け面部及び該プレート取付け面部を車両前後方向に延びて橋渡す梁部とを備え、
該梁部の車幅方向幅を車体フレームの先端側から遠ざかるほど小さくなるように形成した
請求項8記載の自動車の車体構造。
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