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JP2009056888A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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JP2009056888A
JP2009056888A JP2007224641A JP2007224641A JP2009056888A JP 2009056888 A JP2009056888 A JP 2009056888A JP 2007224641 A JP2007224641 A JP 2007224641A JP 2007224641 A JP2007224641 A JP 2007224641A JP 2009056888 A JP2009056888 A JP 2009056888A
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豊 大沼
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Abstract

【課題】ステアリングホイールに適切な操作反力トルクを付与することができる態様で、伝達比可変装置及びパワーステアリング装置を用いてステアバイワイヤ式のステアリングシステムを実現すること。
【解決手段】本発明による車両用操舵装置は、伝達比可変装置及びパワーステアリング装置のいずれにも異常が検出されない場合には、伝達比可変装置により操舵反力制御を行い、パワーステアリング装置により舵角制御を行うことを特徴とする。そして、ワーステアリング装置に異常が検出されない状況下で伝達比可変装置に異常が検出された場合には、伝達比可変装置の伝達比可変機構をロックすると共に、パワーステアリング装置の制御を舵角制御からトルク制御へと徐々に移行させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、伝達比可変装置及びパワーステアリング装置を用いてトルク制御及び舵角制御を行う車両用操舵装置に関する。
従来から、伝達比可変装置が失陥した場合に、ステアリングホイールの操作力に基づくパワーステアリング装置の制御に代え、ステアリングホイールの操作量に基づくパワーステアリング装置の制御を行う車両用操舵装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−90947号公報
ところで、特許文献1に記載の技術では、伝達比可変装置のモータが失陥した場合に、ロック機構によるロックを行う前に、ステアリングホイールの操作力に基づくパワーステアリング装置のトルク制御に代え、ステアリングホイールの操作量に基づくパワーステアリング装置の舵角制御を行うことで、いわゆるステアバイワイヤ式のステアリングシステムを実現している。しかしながら、ステアバイワイヤ式のステアリングシステムが実現された状態では、伝達比可変装置のモータが失陥しているので、ステアリングホイールに適切な操作反力トルクを付与することができない。
本発明は、ステアリングホイールに適切な操作反力トルクを付与することができる態様で、伝達比可変装置及びパワーステアリング装置を用いてステアバイワイヤ式のステアリングシステムを実現する車両用操舵装置の提供を目的とする。
また、本発明は、伝達比可変装置の異常発生時の舵角制御からトルク制御への切替に起因したトルクの急変を適切に防止することができる車両用操舵装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る車両用操舵装置は、伝達比可変装置及びパワーステアリング装置のいずれにも異常が検出されない場合には、伝達比可変装置により操舵反力制御を行い、パワーステアリング装置により舵角制御を行うことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明に係る車両用操舵装置において、
パワーステアリング装置に異常が検出されない状況下で伝達比可変装置に異常が検出された場合には、伝達比可変装置の伝達比可変機構をロックすると共に、パワーステアリング装置の制御を舵角制御からトルク制御へと徐々に移行させることを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明に係る車両用操舵装置において、
前記パワーステアリング装置の舵角制御からトルク制御への段階的な移行は、伝達比可変装置に異常が検出された時点の舵角制御の目標値とトルク制御の目標値との差に基づいて、前記パワーステアリング装置のアクチュエータの目標電流を徐々に変化させることを含むことを特徴とする。
第4の発明は、第2又は3の発明に係る車両用操舵装置において、
前記パワーステアリング装置のトルク制御の目標値は、車速を少なくとも1つのパラメータとして決定されることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明に係る車両用操舵装置において、
前記パワーステアリング装置のトルク制御の目標値は、摩擦反力トルク成分を補正して決定されることを特徴とする。
第6の発明に係る車両用操舵装置目標操舵反力を決定する目標操舵反力決定手段と、
目標操舵角を決定する目標操舵角決定手段と、
目標アシストトルクを決定する目標アシストトルク決定手段と、
前記目標操舵反力が実現されるように伝達比可変装置を制御する操舵反力制御手段と、
前記目標アシストトルクが実現されるようにパワーステアリング装置を制御するアシストトルク制御手段と、
前記目標操舵角が実現されるように前記パワーステアリング装置を制御する操舵角制御手段とを備え、
前記操舵反力制御手段及び前記操舵角制御手段が、前記伝達比可変装置が正常な場合に機能し、
前記アシストトルク制御手段が、前記伝達比可変装置に異常が検出された場合に機能し、
前記伝達比可変装置の異常に起因して前記パワーステアリング装置の制御が前記操舵角制御手段による舵角制御から前記アシストトルク制御手段によるトルク制御に移行する際、該移行に起因した前記パワーステアリング装置の発生トルクの急変を抑制することを特徴とする。
本発明によれば、ステアリングホイールに適切な操作反力トルクを付与することができる態様で、伝達比可変装置及びパワーステアリング装置を用いてステアバイワイヤ式のステアリングシステムを実現することができる。また、一実施例では、伝達比可変装置の異常発生時の舵角制御からトルク制御への切替に起因したトルクの急変を適切に防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明による車両用操舵装置の一実施例を概略的に示す全体図である。車両用操舵装置10は、運転者が操作するステアリングホイール11を含むステアリングコラム12を備える。ステアリングコラム12は、ステアリングホイール11の回転軸となるステアリングシャフト14を回転可能に支持する。ステアリングシャフト14は、ゴムカップリング13等を介して中間シャフト(インターミディエイトシャフト)16に接続される。中間シャフト16はピニオン17に接続され、ステアリングギアボックス31内でピニオン17がステアリングラック(転舵ロッド)18に噛合される。ステアリングラック18の両端には、それぞれタイロッド19の一端が接続されると共に各タイロッド19の他端にはナックルアーム等(図示せず)を介して転舵輪(図示せず)が接続されている。また、中間シャフト16又はステアリングシャフト14には、ステアリングホイール11の操舵角に応じた信号を発生する舵角センサ74や、ステアリングシャフトに生ずる操舵トルクに応じた信号を発生するトルクセンサ15が設けられる。尚、トルクセンサ15は、伝達比可変装置30より転舵輪側に配置されてもよいが、好ましくは、伝達比可変装置30よりステアリングホイール11付近に配置される。
車両用操舵装置10は、パワーステアリング装置20を備える。パワーステアリング装置20は、主要な構成要素として、操舵補助用のアクチュエータ22(以下、「アシストモータ22」という)、及び、アシストモータ22の回転角(以下、「転舵モータ回転角」ともいう)を検出する回転角センサ24を備える。アシストモータ22は、例えば3相交流モータで構成される。アシストモータ22は、ステアリングギアボックス31内にステアリングラック18と同軸に設けられ、その駆動力によりステアリングラック18の移動を助勢する。パワーステアリング装置20の構成自体は、任意であってよく、例えば特開2007−90947号に開示されるような構成であってよい。パワーステアリング装置20のアシストモータ22は、後述のECU80により制御される。アシストモータ22の制御態様については、後述する。
車両用操舵装置10は、伝達比可変装置30を備える。図2は、伝達比可変装置30の主要構成要素の断面図である。伝達比可変装置30は、入力軸60、及び、出力軸62、差動機構40、アクチュエータ34(以下、「VGRSモータ34」という)、VGRSモータ34の回転角(以下、「反力モータ回転角」ともいう)を検出する回転角センサ76、及び、ロック機構50とを含む。尚、VGRSモータ34は、例えば3相交流モータで構成される。また、差動機構40は、後述する如く、ドリブンギア38と、ステータギア42と、波動発生装置46と、フレキシブルギア48とを含む。
入力軸60の上端には、中間シャフト16の下端が連結される。入力軸60の下端には、ステータギア42が設けられる。出力軸62の下側には、ピニオン17が設けられる。出力軸62の上側には、ドリブンギア38が設けられる。ドリブンギア38及びステータギア42の内周面には、それぞれ異なる歯数(ドリブンギア38の歯数<ステータギア42の歯数)のギアが形成されている。ドリブンギア38及びステータギア42の内側には、それぞれのギアに同時に噛合するフレキシブルギア48が設けられる。即ち、フレキシブルギア48の外側に形成された歯(歯数は、ドリブンギア38の歯数と同じ)に、ドリブンギア38及びステータギア42の内側に形成された歯が噛合する。フレキシブルギア48の内側は、波動発生装置46の外輪上に嵌合される。ハウジング32には、VGRSモータ34のケース34aが固定されている。VGRSモータ34は、モータシャフト35を有し、モータシャフト35は、波動発生装置46のカムに接続される。モータシャフト35内には、入力軸60が回転可能に挿通されている。即ち、入力軸60とモータシャフト35とは、互いに独立に回転可能であるように構成されている。
図3は、図2のラインA−Aにより切断したロック機構50の断面図である。ロック機構50は、VGRSモータ34のモータシャフト35まわりに搭載される。ロック機構50は、回動ピン54まわりに回動可能なロックレバー(ロックアーム)52を有する。回動ピン54は、伝達比可変装置30のハウジング32に固定される。これにより、ロックレバー52は、ハウジング32等の車体に対して回転不能な部位に支持されることになる。ロックレバー52の先端には、後述するロックホルダ36の凹部37に係合する係合部52aが設けられている。
VGRSモータ34のモータシャフト35上には、略リング状のロックホルダ36が設けられる。ロックホルダ36は、硬質な材料から形成され、モータシャフト35と共に回転するように、モータシャフト35に対して実質的に回転不能に設けられている。ロックホルダ36の周部には、ロックレバー52の係合部52aが係合する凹部37が形成されている。
ロックレバー52は、回動ピン54まわりに設けられたリターンスプリング53によりロックホルダ36に向けて付勢されている。即ち、リターンスプリング53は、ロックホルダ36(モータシャフト35)に向かって回動するようにロックレバー52を付勢している。ロックレバー52の係合部52aは、凹部37内に嵌入されると、リターンスプリング53の弾性力により凹部37内に保持された状態となる。これにより、ロック状態が実現される。
ロック状態が実現されると、VGRSモータ34のモータシャフト35は、ロックレバー52とロックホルダ36との係合により、伝達比可変装置30のハウジング32に対して固定された状態となる。即ち、VGRSモータ34のモータシャフト35は、その回転方向の移動が、ロックホルダ36の凹部37に嵌入したロックレバー52の係合部52aにより係止され、ハウジング32(車体)に対して回転不能な状態となる。この場合、ステアリングホイール11が回転すると、入力軸60(ステータギア42)が回転し、フレキシブルギア48を介してドリブンギア38が回転される。この際、モータシャフト35には、フレキシブルギア48を介して回転反力が伝達されるが、モータシャフト35は、ロックレバー52により回転不能な状態とされているので、モータシャフト35が当該回転反力で回転されることは無い(即ち、ステアリングホイール11の回転は、ロック状態であっても確実に転舵輪に伝達される)。
ロック機構50は、ソレノイド56により電磁的に作動される。例えばイグニッションオン時(システム正常時)にソレノイド56への通電がなされると、ソレノイド56が発生する吸引力によりロックレバー52がリターンスプリング53からの付勢力に抗して回動し、ロックレバー52の係合部52aがロックホルダ36の凹部37内から離脱する。これにより、アンロック状態が実現される。アンロック状態が実現されると、差動機構40が機能する状態が形成される。
尚、伝達比可変装置30の構成自体は、入力軸60(ひいてはステアリングシャフト14及びステアリングホイール11)に回転トルク(操舵反力)を伝達することができるVGRSモータ34、入力軸60と出力軸62との間の回転差を吸収する差動機構40、及び、ロック時に入力軸60と出力軸62とを直結状態にするロック機構50を備えている限り、任意であってよく、また、VGRSモータ34や差動機構40等の構成は、同等の機能を実現できる限り、上述の構成以外の構成であってもよい。
次に、上述の車両用操舵装置10の主要動作について説明する。車両用操舵装置10は、以下で説明する各種制御を行うECU80を備える。ECU80は、操舵システムを統括する単一のECUであってもよいし、2つ以上のECUにより協動して実現されてもよい。ECU80には、以下で説明する各種制御を実現するための情報ないしデータが入力され、より具体的には、ECU80には、トルクセンサ15、回転角センサ24、舵角センサ74、回転角センサ76、車速センサ(図示せず)等から各種のセンサ値が入力される。また、ECU80には、伝達比可変装置30のVGRSモータ34の作動電流(以下、「反力モータ電流」という)を検出する電流センサ(図示せず)、及び、パワーステアリング装置20のアシストモータ22の作動電流(以下、「転舵モータ電流」という)を検出する電流センサ(図示せず)が接続され、反力モータ電流及び転舵モータ電流を表す信号が入力される。また、ECU80には、制御対象として伝達比可変装置30及びパワーステアリング装置20が接続されている。
図4は、システム正常時にECU80により実現される制御内容を模式的に示す図である。ECU80は、システム正常時、即ち伝達比可変装置30及びパワーステアリング装置20のいずれにも異常が検出されない場合には、伝達比可変装置30により操舵反力制御を行い、パワーステアリング装置20により舵角制御を行う。操舵反力制御及び舵角制御は、図4に模式的に示すように、ECU80の操舵反力制御部82及び舵角制御部84により実現される。
図5は、ECU80の操舵反力制御部82及び舵角制御部84の機能ブロック図である。
舵角制御部84では、図5に示すように、舵角センサ74から入力される操舵角(ハンドル角)θと車速センサから入力される車速vとに基づいて、目標ヨーレイト(γ*)が演算される。尚、記号*は目標値であることを表す。次いで、目標ヨーレイト(γ*)に基づいて目標転舵モータ回転角(θesp*)が演算される。次いで、回転角センサ24から入力される転舵モータ回転角(θesp)と目標転舵モータ回転角(θesp*)との差に基づいて、目標転舵モータ電流(Iesp*)が演算される。次いで、転舵モータ電流(検出値)と目標転舵モータ電流(Iesp*)と差に基づいて、モータ駆動デューティ(DUTYesp)が演算される。この際、モータ駆動デューティ(DUTYesp)は、回転角センサ24からの転舵モータ回転角(θesp)を考慮して決定される。パワーステアリング装置20のアシストモータ22は、このようにして演算・出力されるモータ駆動デューティ(DUTYesp)に従って制御され、舵角制御が実現される。
操舵反力制御部82では、図5に示すように、舵角センサ74から入力される操舵角(ハンドル角)θと車速センサから入力される車速vとに基づいて、目標操舵トルク(Tr*)が演算される。次いで、トルクセンサ15から入力される操舵トルク(Tr)と目標操舵トルク(Tr*)との差に基づいて、目標反力モータ電流(Ivgrs*)が演算される。次いで、反力モータ電流(検出値)と目標反力モータ電流(Ivgrs*)と差に基づいて、モータ駆動デューティ(DUTYvgrs)が演算される。この際、モータ駆動デューティ(DUTYvgrs)は、回転角センサ76からの転舵モータ回転角(θvgrs)を考慮して決定される。伝達比可変装置30のVGRSモータ34は、このようにして演算・出力されるモータ駆動デューティ(DUTYvgrs)に従って制御され、操舵反力制御が実現される。
このようにして本実施例によれば、従来では舵角制御に用いられる伝達比可変装置30を操舵反力制御に用い、従来ではトルクアシスト制御に用いられるパワーステアリング装置20を舵角制御に用いることで、伝達比可変装置30の差動機構40を利用したいわゆるステアバイワイヤ式のステアリングシステムを実現することができる。
次に、本実施例の車両用操舵装置10におけるフェールセーフについて説明する。
以下の表1は、本実施例の車両用操舵装置10における想定される故障状態と、それに対応する制御態様を表す表である。
本実施例の車両用操舵装置10では、表1に示すように、2つの故障状態I,IIが想定される。故障状態Iは、舵角センサ74、VGRSモータ34、及び、VGRSモータ34の回転角センサ76の少なくともいずれか1つに故障が検出された状態である。より一般的には、故障状態Iは、パワーステアリング装置20によるトルクアシスト制御は可能であるが伝達比可変装置30による操舵反力制御が不能である故障状態をいう。従って、パワーステアリング装置20によるトルクアシスト制御の態様や伝達比可変装置30による操舵反力制御の態様に依存して、故障検出部位は表1に示すものと異なる場合も有りうる。
故障状態Iが検出されると、表1に示すように、伝達比可変装置30のロック機構50によりロック状態が形成され(伝達比可変装置30の制御が禁止され)、パワーステアリング装置20によるトルクアシスト制御が実行される。即ち、伝達比可変装置30の制御は、正常時の操舵反力制御から制御禁止状態に移行し、パワーステアリング装置20の制御は、正常時の舵角制御からトルクアシスト制御に移行する。
故障状態IIは、トルクセンサ15、アシストモータ22、及び、アシストモータ22の回転角センサ24の少なくともいずれか1つに故障が検出された状態である。尚、上述の故障状態Iと故障状態IIの双方が検出された場合には、故障状態IIが優先される。故障状態IIが検出されると、表1に示すように、パワーステアリング装置20及び伝達比可変装置30の制御が共に禁止される。
図6は、上述の故障状態Iに関連した処理であって、本実施例のECU80により実現される処理を示すフローチャートである。図6の処理ルーチンは、例えば車両のイグニッションスイッチがオンとなった後、オフとなるまで、所定周期毎に繰り返し実行されてよい。
ステップ100では、システムが正常であるか否かが判定される。システムが正常の場合には、ステップ102乃至106の処理が実行され、上述の如く舵角制御が実現される(図5参照)。即ち、操舵角θ等に応じた目標転舵角(目標転舵モータ回転角θesp*)が算出され(ステップ102)、目標転舵角と実転舵角(θesp)との偏差に応じて、目標電流I0*が算出され(ステップ104)、当該算出された目標電流I0*が目標転舵モータ電流(Iesp*)として用いられる(ステップ106)。一方、システムが正常でない場合には、ステップ108に進む。
ステップ108では、システム異常の原因が故障状態Iであるか否かが判定される。故障状態Iである場合には、ステップ112に進み、故障状態Iで無い場合(典型的には、故障状態IIである場合)には、ステップ110に進む。ステップ110では、目標転舵モータ電流(Iesp*)がゼロとされる(即ちパワーステアリング装置20の制御が禁止される)。
ステップ112では、トルクセンサ15からの出力値及び車速センサからの車速に応じて目標電流I0*が算出される。尚、この目標電流I0*の算出には、通常のトルクアシスト制御で用いられるマップが用いられてよい。例えば、図7に示すようなマップを用いる。この場合、車速が高速域、中速域及び低速域のいずれに属するかを判定し、車速の属する速度域に応じた曲線を用いて、トルク値に応じたベースアシスト電流ITbase*が演算される。ここでは、目標電流I0*=ベースアシスト電流ITbase*として目標電流I0*が算出される。
ステップ120では、電流補正値ΔIの演算処理が実行される。この処理については図8を参照して後に説明する。
ステップ130では、上記のステップ112で算出した目標電流I0*と、上記のステップ120で算出した電流補正値ΔIとを用いて、目標転舵モータ電流Iesp*がIesp*=I0*−ΔIとして算出される。即ち、目標電流I0*が電流補正値ΔIにより補正されて最終的な目標転舵モータ電流Iesp*が導出される。
図8は、電流補正値ΔIの演算処理の一例を示すフローチャートである。
ステップ122では、今回周期で初めて故障状態Iが検出されたか否かが判定される。今回周期で初めて故障状態Iが検出された場合には、ステップ124に進み、それ以外の場合には、即ち、前回周期から連続して故障状態Iが検出されている場合には、ステップ126に進む。尚、ステップ124に進む場合には、上述の如く伝達比可変装置30のロック機構50によりロック状態が形成され、伝達比可変装置30の制御が不能化されることになる。
ステップ124では、電流補正値ΔI=今回周期のIT*−前回周期のI0*として演算される。尚、今回周期のIT*とは、今回周期の上記のステップ112で算出される目標電流IT*である。また、前回周期のI0*とは、前回周期の上記ステップ104で算出される目標電流I0*(即ち、前回周期の目標転舵モータ電流Iesp*)である。電流補正値ΔIは、電流補正値ΔI=(今回周期のIT*−前回周期のI0*)×Kとして演算されてもよい。この場合、Kは、0<K<1の定数である。
ステップ126では、電流補正値ΔIは、電流補正値ΔI=前回周期のΔI×Kとして演算される。ここで、Kは、0<K<1の定数である。
ステップ128では、上記のステップ126で演算した電流補正値ΔIの絶対値が所定値未満であるか否かが判定される。所定値は、電流補正値ΔIが実質的に補正の意義を有するほど大きい値か否かを判定するための値であり、従って、アシストモータ22のデューティ制御で設定可能なデューティの最小分解能に対応する値であってよい。本ステップ128において、電流補正値ΔIの絶対値が所定値未満である場合には、ステップ129に進み、それ以外の場合には、今回周期演算処理はそのまま終了する。
ステップ129では、上記のステップ126で演算した電流補正値ΔIが0に設定される。尚、電流補正値ΔIが0に設定されると、上記の図6のステップ130の処理では、Iesp*=I0*となる。従って、舵角制御からトルクアシスト制御への移行が完了することになる。
このようにして、図8に示す処理によれば、電流補正値ΔIは、前回周期の目標電流I0*と今回周期の目標電流IT*との差(或いは当該差のK倍の値)を初期値として、時間の経過と共に、徐々に減少していく。これに伴い、上記の図6のステップ130で用いられる電流補正値ΔIは、前回周期の目標電流I0*と今回周期の目標電流IT*との差(或いは当該差のK倍の値)を初期値として、時間の経過と共に、徐々に減少していく。従って、本実施例では、故障状態Iが検出された周期で、目標転舵モータ電流Iesp*が、直ちに目標電流IT*とされるのではなく、目標転舵モータ電流Iesp*は、前回周期の目標電流I0*(目標転舵モータ電流Iesp*)から徐々に目標電流IT*に移行するように変化される。従って、故障状態Iが検出された場合に、パワーステアリング装置20の制御を舵角制御からトルクアシスト制御に即座に切り替えると、当該切り替え時にアシストモータ22の発生トルクに急変が生じうるが、本実施例では、かかる急変を防止することができ、ユーザに違和感を与え無い態様でパワーステアリング装置20の制御を舵角制御からトルクアシスト制御に切り替えることができる。即ち、伝達比可変装置30の異常発生時に、パワーステアリング装置20の制御を舵角制御からトルク制御に切替える(移行させる)構成では、伝達比可変装置30の異常発生時においても操舵トルクを発生させてユーザの操舵操作を依然として支援できる反面、舵角制御からトルク制御への切替時に、当該切替に起因したパワーステアリング装置20の発生トルクの急変が生じうり、ユーザに違和感を与えうる虞があるが、本実施例では、パワーステアリング装置20の制御を舵角制御からトルクアシスト制御に徐々に切り替えることで、かかる違和感を防止することができる。
尚、図8に示す処理では、時間の経過と共に指数関数的に電流補正値ΔIの値を低減させているが、時間の経過と共に徐々に低減させる態様であれば低減態様は任意である。例えば、電流補正値ΔIの値を時間の経過と共に一定量ずつ低減させてもよい。
図9は、車速と車両用操舵装置10のステアリングギア比との関係を示す図である。図9において、正常時特性として示す曲線は、システム正常時に採用されてよい特性曲線を示す。かかる特性は、上述の如くパワーステアリング装置20の舵角制御により実現される。ところで、上述の如く、故障状態Iが検出されて伝達比可変装置30のロック機構50によりロック状態が形成されると、車両用操舵装置10のステアリングギア比は固定となる。このとき、高速走行時の車両安定性を確保するには、固定時のステアリングギア比を図9の異常時特性Iのような特性とするのが良い。しかしながら、この異常時特性Iの場合、システム正常時のVGRSモータ34の差動角が大きく、操舵反力制御の精度が悪くなる問題がある。
そこで、好ましくは、固定時のステアリングギア比を図9の異常時特性IIのような特性となるように伝達比可変装置30を構成し、高速走行時の車両安定性は、図10以降を参照して説明する目標電流IT*の算出方法により確保する。
図10は、目標電流IT*の算出方法のその他の一例を示すフローチャートである。図10に示す処理は、上述の図6のステップ112の処理として適用されてよい。
ステップ200では、上述の図7に示したマップを用いて、トルクセンサ15からのトルク値及び車速センサからの車速に応じてベースアシスト電流ITbase*が演算される。
ステップ202では、トルクセンサ15からのトルク値及び車速センサからの車速に基づいて、図11に示すマップを用いて、トルクアシスト補正量IT_1*が演算される。トルクアシスト補正量IT_1*の算出に用いるマップは、図11に示すように、車速が高くなるにつれてアシストトルクが小さくなるように作成される。即ち、トルクセンサ15の検出値に対するアシストトルクの低減量は、車速が高くなるにつれて大きくなる。
ステップ204では、舵角センサ74からの舵角速度(舵角の時間微分値)及び車速センサからの車速に基づいて、図12に示すマップを用いて、ステアリングホイール11の操作に対して作用する粘性反力の補正量IT_2*が演算される。粘性反力補正量IT_2*の算出に用いるマップは、図12に示すように、車速が高くなるにつれてアシストトルクが小さくなるように(粘性反力が大きくなるように)作成される。即ち、舵角速度に対するアシストトルクの低減量は、不安定になりやすい高速時に大きくなる。
ステップ204では、車速センサからの車速に基づいて、図13に示すマップを用いて、ステアリングホイール11の操作に対して作用する摩擦反力トルクの補正量IT_3*が演算される。具体的には、図13に示すマップを用いて、車速に応じた摩擦反力トルクを算出し、当該算出した摩擦反力トルクに応じた摩擦反力トルク補正量IT_3*を演算する。図13に示すマップは、不安定になりやすい高速時により大きい摩擦反力が付加されるように作成されている。
ステップ208では、上記のステップ200乃至ステップ206で得られた各値に基づいて、目標電流IT*が、IT*=ITbase*+IT_1*+IT_2*+IT_3*として演算される。尚、IT*が負となる場合には、IT*=0とされてよい。
このように図10に示す処理によれば、故障状態Iが検出された場合のステアリングギア比を高速安定性に不利な特性(例えば図9の異常時特性II)にした場合でも、高速走行時にパワーステアリング装置20のトルクアシスト制御の摩擦、粘性、バネ特性を大きくすることで、高速走行時の車両安定性を確保することができる。これにより、システム正常時の伝達比可変装置30による操舵反力制御の精度を高めつつ、高速走行時の車両安定性を確保することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
本発明による車両用操舵装置の一実施例を概略的に示す全体図である。 伝達比可変装置30の主要構成要素の断面図である。 図2のラインA−Aにより切断したロック機構50の断面図である。 システム正常時にECU80により実現される制御内容を模式的に示す図である。 ECU80の操舵反力制御部82及び舵角制御部84の機能ブロック図である。 故障状態Iに関連した処理を示すフローチャートである。 正常時マップの一例を示す図である。 電流補正値ΔIの演算処理の一例を示すフローチャートである。 車速と車両用操舵装置10のステアリングギア比との関係を示す図である。 目標電流IT*の算出方法のその他の一例を示すフローチャートである。 トルクアシスト補正量IT_1*の算出に用いるマップを示す図である。 粘性反力補正量IT_2*の算出に用いるマップを示す図である。 摩擦反力トルク補正量IT_3*の算出に用いるマップを示す図である。
符号の説明
10 車両用操舵装置
11 ステアリングホイール
12 ステアリングコラム
13 ゴムカップリング
14 ステアリングシャフト
15 トルクセンサ
16 中間シャフト
17 ピニオン
18 ステアリングラック
19 タイロッド
20 パワーステアリング装置
22 アシストモータ
24 回転角センサ
30 伝達比可変装置
31 ステアリングギアボックス
32 ハウジング
34 VGRSモータ
35 モータシャフト
36 ロックホルダ
37 凹部
38 ドリブンギア
40 差動機構
42 ステータギア
46 波動発生装置
48 フレキシブルギア
50 ロック機構
52 ロックレバー
52a 係合部
53 リターンスプリング
54 回動ピン
56 ソレノイド
60 入力軸
62 出力軸
74 舵角センサ
76 回転角センサ
80 ECU
82 操舵反力制御部
84 舵角制御部

Claims (6)

  1. 伝達比可変装置及びパワーステアリング装置のいずれにも異常が検出されない場合には、伝達比可変装置により操舵反力制御を行い、パワーステアリング装置により舵角制御を行うことを特徴とする、車両用操舵装置。
  2. パワーステアリング装置に異常が検出されない状況下で伝達比可変装置に異常が検出された場合には、伝達比可変装置の伝達比可変機構をロックすると共に、パワーステアリング装置の制御を舵角制御からトルク制御へと徐々に移行させる、請求項1に記載の車両用操舵装置。
  3. 前記パワーステアリング装置の舵角制御からトルク制御への段階的な移行は、伝達比可変装置に異常が検出された時点の舵角制御の目標値とトルク制御の目標値との差に基づいて、前記パワーステアリング装置のアクチュエータの目標電流を徐々に変化させることを含む、請求項2に記載の車両用操舵装置。
  4. 前記パワーステアリング装置のトルク制御の目標値は、車速を少なくとも1つのパラメータとして決定される、請求項2又は3に記載の車両用操舵装置。
  5. 前記パワーステアリング装置のトルク制御の目標値は、摩擦反力トルク成分を補正して決定される、請求項4に記載の車両用操舵装置。
  6. 目標操舵反力を決定する目標操舵反力決定手段と、
    目標操舵角を決定する目標操舵角決定手段と、
    目標アシストトルクを決定する目標アシストトルク決定手段と、
    前記目標操舵反力が実現されるように伝達比可変装置を制御する操舵反力制御手段と、
    前記目標アシストトルクが実現されるようにパワーステアリング装置を制御するアシストトルク制御手段と、
    前記目標操舵角が実現されるように前記パワーステアリング装置を制御する操舵角制御手段とを備え、
    前記操舵反力制御手段及び前記操舵角制御手段が、前記伝達比可変装置が正常な場合に機能し、
    前記アシストトルク制御手段が、前記伝達比可変装置に異常が検出された場合に機能し、
    前記伝達比可変装置の異常に起因して前記パワーステアリング装置の制御が前記操舵角制御手段による舵角制御から前記アシストトルク制御手段によるトルク制御に移行する際、該移行に起因した前記パワーステアリング装置の発生トルクの急変を抑制することを特徴とする、車両用操舵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101878939B1 (ko) * 2017-06-14 2018-07-16 주식회사 만도 차량 능동전륜조향장치 및 제어방법
CN113272201A (zh) * 2018-12-06 2021-08-17 株式会社万都 转向装置及转向控制方法

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