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JP2009054876A - プリント配線板 - Google Patents

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Ryoji Kato
亮二 加藤
Masatoshi Mitomi
政利 三富
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Abstract

【課題】グランド層または電源層が設けられたプリント配線板において、特性インピーダンスの場所による変動を低減する。
【解決手段】絶縁層11の一方の面に接着層12を介して所定の配線パターンの信号線13を配設する。絶縁層11の他方の面に接着層14を介してグランド層または電源層を形成する電極面15を配置する。信号線13を皮膜層16で被覆し、電極面15を皮膜層17で被覆する。電極面15に配線パターンに等しいパターンを備える線状開口部18を設ける。線状開口部18を対応する信号線に沿って配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波線路として用いられるプリント配線板に関し、特にマイクロストリップライン構造やストリップライン構造などを採用したプリント配線板に関する。
高周波回路を実装するプリント配線板として、マイクロストリップラインやストリップラインなどの伝送線路が多く用いられるが、高周波を扱う場合、信号の反射や波形の歪みの発生を抑えるために伝送線路のインピーダンスを実装デバイスの入出力インピーダンスに整合させる必要がある。マイクロストリップラインやストリップラインでは、絶縁層を挟んで、ベタ電極状に形成されたグランド層や電源層に平行に信号線が配置されるため、その特性インピーダンスは、信号線の幅や厚さ、絶縁層の実効比誘電率やその厚さなどによって決定される。
一方、近年では電子機器の小型化にともなって、絶縁層の薄い回路基板への需要が拡大している。特にフレキシブル配線基板は、その応用性の広さから様々な分野においてその使用が拡大している。高周波線路における特性インピーダンスZは、単位長さ当たりのインダクタンスとキャパシタンスをそれぞれL、Cとするとき、Z=(L/C)1/2と表され、またキャパシタンスCは信号線の幅に比例し、絶縁層の厚さに反比例する。そのため必要とされる特性インピーダンスを維持しながら、絶縁層を薄くするには、信号線の幅を狭くする必要がある。
しかし、信号線の幅を狭くするには加工上の限界がある。したがって、信号線の幅を大幅に狭くすることなく絶縁層の厚さの減少分を相殺してキャパシタンスCの増大を抑えるために、従来ベタ電極とされていたグランド層や電源層を、全体的、あるいは部分的にメッシュ状の電極面としたものが提案されている(特許文献1〜3参照)。
特開2007−049060号公報 特開2007−116010号公報 特開2007−141990号公報
しかし、メッシュ状の電極面を用いる場合、微視的には1つの伝送線路においてもキャパシタンスCが場所によって異なる。特にメッシュのパターンに対する信号線の配向によって、信号線の縁辺がメッシュと重なるパターンが変化するため、信号線の向きが変わるところで伝送線路の特性インピーダンスが大きく変化する場合があり、そのような部分で信号の反射、波形の歪みを発生し、伝送損失が増大する。したがって、メッシュ状の電極面を用いる構成では自由な配線パターンの設計が制限され、特に信号線が高密度に様々方向に配設される近年の回路パターンにおいては不利である。
本願発明は、グランド層または電源層が設けられたプリント配線板において、絶縁層が薄くても信号線の幅を大幅に狭くせずに伝送線路に要求される特性インピーダンスを確保し、更に特性インピーダンスの場所による変動を低減すことを課題としている。
本発明のプリント配線板は、グランド層または電源層を構成する電極面に対して、絶縁層を介して所定の配線パターンの信号線が配設されるプリント配線板であって、電極面には、信号線に沿って配線パターンに等しいパターンで形成される線状開口部が設けられることを特徴としている。
信号線の少なくとも片側の縁辺と、これに対応する線状開口部を形成する電極面の片側の縁辺とが絶縁層を挟んで所定幅に渡って重なり合うことが好ましく、特に信号線の両側の縁辺と、これに対応する電極面の両側の縁辺とが絶縁層を挟んで所定量に渡って重なり合うことがより好ましい。
プリント配線板は例えばマイクロストリップライン構造、またはストリップライン構造を備える。またプリント配線板は例えばフレキシブル配線基板である。
以上のように、本発明によれば、グランド層または電源層が設けられたプリント配線板において、絶縁層が薄くても信号線の幅を大幅に狭くせずに伝送線路に要求される特性インピーダンスを確保し、更に特性インピーダンスの場所による変動を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態であるプリント配線板の構造を示す断面図である。また図2は、プリント配線板の一部を拡大した模式的な平面図である。
第1の実施形態においてプリント配線板10はマイクロストリップライン構造の例えばフレキシブル配線基板であり、絶縁層11は厚さDのフィルム状の可撓性絶縁素材からなる。絶縁層11の一方の面には、接着層12を介して所定の配線パターンの信号線13が配設され、他方の面には接着層14を介して電極面15が配設されたグランド層(または電源層)が形成される。また、信号線13および電極面15は、それぞれ皮膜層16、17により被覆・保護される。
電極面15は、絶縁層11の略全体を覆うが、信号線13の配線パターンに沿う線状の領域は開口部18とされる。すなわち、電極面15においては、信号線13の配線パターンに対応した領域の導体が抜き取られ、信号線13の配線パターンに等しいパターンの開口パターンが形成される。なお図2では、信号線13が実線で示され、電極面15が破線で示される。図2に示されるように、線状開口部18を形成する電極面15の縁辺部15aは、信号線13の縁辺部13aに平行に配設される。
また本実施形態において、電極面15に形成された線状開口部18の幅wは、対応する信号線13の幅Wよりも狭く形成され、その幅方向の中心は信号線13の略中央に対応する位置に配置される。したがって、信号線13の両側の縁辺13aは、それぞれ電極面15の両側の縁辺15aと、幅d=(W−w)/2の領域でオーバーラップする。
なお、伝送線路の高周波における特性インピーダンスZは、例えばシングルエンドで約50Ω、作動で約100Ωに設定され、信号線13とグランド層15の間の間隔D(接着層12、14は無視し得るものとして)は、例えば約10μm〜50μmに設定され、特に25μm〜50μmに設定されることが好ましい。このとき、信号線の幅Wは例えば約100μmである。
以上のように、第1実施形態によれば、信号線に沿って電極面に線状開口部を設けることにより、配線パターンに係わらず伝送線路に沿った容量成分の変動を抑え、特性インピーダンスの変動を抑えることができ、伝送損失を低減することができる。また、これにより配線パターンの設計において、自由なパターンの設計が可能となる。更に、本実施形態では、配線パターンに沿った領域のみが開口部とされるので、その他の領域はベタ電極面とすることができるので、電極面の直流抵抗を十分に低減できる。
次ぎに、図3、4を参照して、第1実施形態の変形例について説明する。第1実施形態では、線状開口部18の幅wは、信号線13の幅Wよりも狭く設定されたが、図3の変形例では、幅w>Wとされ、図4の変形例ではw=Wとされる。
また、図3の変形例では、線状開口部18’の中心が、第1実施形態と同様に信号線13の中心と略等しい位置に配置され、図4の変形例では、線状開口部18”の中心が信号線13の中心からずれた位置に配置される。図3、図4に示される変形例においても、線状開口部18’、18”は、信号線13に沿って設けられるため、容量成分の変動による特性インピーダンスの変動を抑えることができ、伝送損失を低減することができる。
次ぎに図5を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、マイクロストリップライン構造のプリント配線板を例に説明を行なったが、第2実施形態では、ストリップライン構造を適用した場合について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一参照符号を用いその説明は省略する。
図5は、第2実施形態におけるストリップライン構造のプリント配線板の構造を模式的に示す断面図である。信号線13は、絶縁層19内に埋設され、所定の配線パターンに従って配設される。絶縁層19の両面には接着層12、14を介して電極面20、21が設けられる。すなわち、信号線13は、電極面20、21と各々絶縁層19を挟んで配設される。また、電極面20、21には、各々信号線13の配線パターンに沿った線状開口部22、23が設けられる。
また、第1実施形態と同様に、本実施形態では、線状開口部22、23の幅wが信号線13の幅Wよりも狭く設定されるとともに、その幅方向の中心が信号線13の略中心に配置される。なお、第1実施形態の変形例と同様に、線状開口部22、23の幅wを信号線13の幅Wよりも広くあるいは等しく設定し、あるいはその中心位置を信号線13の中心からずらして配置することも可能である。
図6は第2実施形態の変形例であるストリップライン構造のプリント配線板の模式的な断面図である。本変形例では、第2実施形態における電極面20、21の一方にのみ線状開口部を設け、他方の電極面はベタ電極とする。図6の例では、上側の電極面20’がベタ電極とされ、下側の電極面21にのみ線上開口部23が設けられる。なお、本変形例も第1実施形態の変形例と組み合わせて構成することも可能である。
以上のように、第2実施形態やその変形例においても、第1実施形態と同様に、信号線に沿った容量成分の変動を抑え、特性インピーダンスの変動を抑えることができ、伝送損失を低減することができる。
本実施形態においては、フレキシブル配線基板を例に説明を行なったが、本発明は、リジッドな配線基板にも適用することができる。また、本実施形態では、信号線、電極面と絶縁層との間に接着層を設けたが、信号線、電極面が絶縁層に直接設けられる構成とすることもできる。また、絶縁層、接着層、皮膜層、信号線、電極面には、従来周知の様々な材料を様々に組み合わせて使用できる。
第1実施形態のプリント配線板の構成を示す断面図である。 第1実施形態のプリント配線板の模式的な部分拡大平面図である。 第1実施形態の変形例のプリント配線板の構成を示す断面図である。 第1実施形態の別の変形例のプリント配線板の構成を示す断面図である。 第2実施形態のプリント配線板の構成を示す断面図である。 第2実施形態の変形例のプリント配線板の構成を示す断面図である。
符号の説明
10 プリント配線板
11、19 絶縁層
12、14 接着層
13 信号線
15、20、20’、21 電極面
16、17 被膜層
18、18’、18”、22、23 線状開口部

Claims (6)

  1. グランド層または電源層を構成する電極面に対して、絶縁層を介して所定の配線パターンの信号線が配設されるプリント配線板であって、前記電極面には、前記信号線に沿って前記配線パターンに等しいパターンで形成される線状開口部が設けられることを特徴とするプリント配線板。
  2. 前記信号線の少なくとも片側の縁辺と、これに対応する線状開口部を形成する前記電極面の片側の縁辺とが前記絶縁層を挟んで所定幅に渡って重なり合うことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 前記信号線の両側の縁辺と、これに対応する前記電極面の両側の縁辺とが前記絶縁層を挟んで所定幅に渡って重なり合うことを特徴とする請求項2に記載のプリント配線板。
  4. マイクロストリップライン構造を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のプリント配線板。
  5. ストリップライン構造を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のプリント配線板。
  6. フレキシブル配線基板であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のプリント配線板。
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