JP2009052247A - 開閉体制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開閉体11を開閉駆動する駆動手段2と、車両ドアの開閉状態を検知するドア開閉状態検知手段と、開閉体の作動情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された作動情報に基づき開閉体11の異物の挟み込みを検出する挟み込み検知手段とを有するとともに、駆動手段2を駆動制御する制御手段3とを備える開閉体制御装置1に関する。
制御手段3は、初期化を行う際に、ドア開閉状態検知手段より開状態信号が検知されている場合には、初期化をキャンセルし、ドア開閉状態検知手段より閉状態信号が検知されている場合にのみ初期化を実行する初期化処理手段を備える。
【選択図】図1
Description
この制御の例として、ウインドウに掛かる負荷荷重に対応して検出される検出データ(例えば、ウインドウ駆動モータ回転速度等)に対してしきい値を設定し、このしきい値をもとに挟み込み検出するものが知られている。そして、このしきい値を検出データをもとに更新(学習)していく技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。このように、しきい値を学習により更新していくことによって、経年変化等による摺動抵抗の変化の影響を排除してより安定した挟み込み検出を行うことができる。
このため、挟み込み検出を行うための学習データを更新する機会を多く確保して、実情に即して学習データを更新することが可能であると共に、外乱等を含んでいた場合でも学習データの更新を適正に行うことができる。
しかし、このような学習データは、種々の場面で初期化する必要が生じる。
つまり、工場出荷時や車両修理完了時等の必要時期には、開閉体装置の機構や取付け状態に変化が生じたり、設計段階との相違が生じたりする可能性が排除できない。
このため、学習データの初期化が行われるが、この初期化することについての技術もまた提案されている(特許文献2参照)。
この技術では、初期化必要時期(工場出荷時や車両修理完了時等)に、車両用窓の自動開閉を連続的若しくは断続的に行ってモータにかかる負荷を検出し、この値により検出基準値を作成して保存する。
つまり、例えばサッシュレスドアのように、ドア開作動時とドア閉作動時とで開閉体の摺動抵抗が異なるドアの場合、学習する速度変動がドアの開閉状態により全く異なる。
特に、ドア閉状態では、ドア開状態にはないウエザーストリップによる減速が現れるため、ドア開状態で学習データの初期化を行うと挟み込みの誤検出が引起される可能性が完全には排除できない。
そのため、学習データの初期化は必ずドア閉状態で行う必要があるが、ドア開状態とドア閉状態のどちらでも初期化を行うことが可能であると、工場出荷時やディーラ修理時にドア開状態で初期化された製品が流出する恐れがある。
例えば、サッシュレスドアのようなドアの場合、ドア開状態とドア閉状態とでは、ウインドウガラスの摺動抵抗が異なり、ドア開状態において初期化して、学習データを保存してしまうと、挟み込み検知の誤検知が発生する恐れがある。
このため、ドア開状態である場合には、初期化をキャンセルして、学習データの登録を行わないようにし、ドア閉状態のときにのみ、初期化を行い、学習データを登録することとしたものである。
このように、ドア開状態での初期化をキャンセルし、学習データを登録しないこととしたため、ドア閉状態での作動時のみに現れるウエザーストリップでの速度変動を学習させた状態でのみ初期化及び学習データ登録を行うことができる。
このため、工場出荷時やディーラ修理時に誤ってドア開状態で初期化された製品の流出を防ぐことができ、挟み込み検知の誤検知が発生することを有効に防止することができる。
また、ウエザーストリップでの挟み込みの検知の誤検知をもまた有効に防止することが可能となるので、不感帯を従来製品よりも狭く設定することができる。
つまり、この状態では、ドア開状態にはないウエザーストリップによる減速も参酌された正確な学習データが記憶されているため、より確実に挟み込みを防止することができる。
更に、このとき、前記ドア開閉状態検知手段は、車両に備えられたドアクローザからの信号に基づき前記車両ドアの開閉状態を検知するよう構成されている。
このように構成されていることにより、ドアの開閉状態を確実に検知可能であり、特別なセンサ等を追加することが不要となる。
また、工場出荷時及びディーラ修理時に誤ってドア開状態で作動情報を初期化した製品が流出することを有効に防止することができる。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、例えば、サッシュレスドアのような、ドア開状態とドア閉状態とで、パワーウインドウの摺動抵抗の異なるドアにおいて、ドア開状態での学習データの初期化をキャンセルし、ドア閉状態においてのみ学習データの初期化を行なう初期化制御を採用したことにより、挟み込みの誤検出が引起されることを有効に防止することができる開閉体制御装置としてのパワーウインドウ装置に関するものである。
図1に本実施形態のパワーウインドウ装置1の説明図、図2にその電気構成図を示す。
本実施形態のパワーウインドウ装置1は、車両のドア10に配設される開閉体としてのウインドウガラス11をモータ23の回転駆動により昇降(開閉)作動させるものである。
パワーウインドウ装置1は、ウインドウガラス11を開閉駆動する駆動手段2と、駆動手段2の作動を制御するための制御手段3と、乗員が作動を指令するための操作スイッチ4を主要構成要素としている。
本実施形態に係る駆動手段2では、モータ23が正逆回転すると、スプロケットを介して回転力がテープ24に伝達され、この回転力によってテープ24が回動することにより、スライダ25がガイドレール22を上下方向に案内される。スライダ25がガイドレール22を上下方向に案内されると、スライダ25はキャリアプレート11aを介してウインドウガラス11を上下方向に移動させる。このように駆動手段2は、モータ23の作動によってウインドウガラス11を開閉駆動する。
回転検出装置27は、モータ23の回転と同期したパルス信号(速度検出信号,回転速度信号等)を制御手段3へ出力するものである。本実施形態に係る回転検出装置27は、モータ23の出力軸と共に回動するマグネットの磁気変化を複数のホール素子で検出するように構成されている。このような構成により、回転検出装置27は、モータ23の回転に同期したパルス信号を出力する。
すなわち、パルス信号は、ウインドウガラス11の所定移動量毎もしくはモータ23の所定回転角毎に出力される。これにより、回転検出装置27は、モータ23の回転速度に略比例するウインドウガラス11の移動速度に応じた信号を出力可能である。
後述するが、制御手段3に備えられるマイクロコンピュータ31は、このパルス信号によりウインドウガラス11の開閉位置を検出する。
また、本実施形態では、モータ23に回転検出装置27を一体に設けているが、これに限らず、公知の手段によってウインドウガラス11の位置及び移動速度等を直接的に検出するようにしてもよい。
マイクロコンピュータ31,駆動回路32には、車両に搭載されるバッテリ5から作動に必要な電力が供給される。
本実施形態に係るマイクロコンピュータ31は、CPU、ROM,RAM等の不図示のメモリ、入力回路、出力回路等を備えるマイクロコンピュータである。
このCPUは、不図示のメモリ、入力回路及び出力回路は、バスを介して互いに接続されている。
なお、構成はこれに限らず、マイクロコンピュータ31をDSPやゲートアレイで構成してもよい。
また、このマイクロコンピュータ31は、回転検出装置27からパルス信号を受け取り、このパルス信号に基づいてウインドウガラス11の上端部と窓枠との間における異物の挟み込みの検出が可能となっている。
異物の挟み込みが検出された場合には、マイクロコンピュータ31は、駆動回路32を介してモータ23を開方向へ回転させて、ウインドウガラス11を開駆動する。このように、本実施形態に係るマイクロコンピュータ31は、記憶手段及び挟み込み検知手段として機能する。
すなわち、駆動回路32は、マイクロコンピュータ31から正回転指令信号を受けたときは、モータ23を正回転方向に回転させるようにモータ23へ電力を供給し、マイクロコンピュータ31から逆回転指令信号を受けたときは、モータ23を逆回転方向に回転させるようにモータ23へ電力を供給する。
なお、駆動回路32は、リレー回路を用いて極性を切換えるように構成してもよい。また、駆動回路32がマイクロコンピュータ31内に組み込まれた構成であってもよい。
また、マイクロコンピュータ31は、パルスエッジをカウントしている。このパルスカウント値は、ウインドウガラス11の開閉動作に伴って加減算される。マイクロコンピュータ31は、このパルスカウント値の大きさによってウインドウガラス11の開閉位置を特定する。
本実施形態においては、このマイクロコンピュータ31は、後述する初期化処理により学習データが書き込まれた後、通常使用状態では、原則としてウインドウガラス11が閉動作する毎にこの学習データを更新する。
なお、本実施形態では、挟み込みが検出された場合を除き、回転速度データに影響を与える外力がウインドウガラス11に掛かるような高速走行時,ドア開閉動作時,凍結時,悪路走行時等であっても、このような状況を反映して学習データの更新を行うように構成されている。
ただし、構成はこれに限られることはなく、従来のように上記外力が掛からない状況のときのみ学習データを更新してもよい。
しかしながら、学習機会を多くする構成とすると、上記外力が掛かる場合でも、以後のウインドウガラス11の閉動作時に挟み込みの誤検出を発生させることのないように学習データを更新するので、上記センサ等による判断処理が不要となる。これにより、全体構成を簡略化することが可能となり、コスト上昇を抑えることができる。
また、操作スイッチ4は、他端側へ1段階操作されると閉スイッチがオンされ、ウインドウガラス11を通常閉動作(すなわち操作している間だけ閉動作)させるための通常閉指令信号をマイクロコンピュータ31へ出力する。
また、操作スイッチ4は、他端側へ2段階操作されると閉スイッチ及びオートスイッチが共にオンされ、ウインドウガラス11をオート閉動作(すなわち操作を止めても全閉位置まで閉動作)させるためのオート閉指令信号をマイクロコンピュータ31へ出力する。
一方、マイクロコンピュータ31は、操作スイッチ4から通常閉指令信号を受けている間中(操作スイッチ4が操作されている間中)、駆動回路32を介してモータ23を駆動し、ウインドウガラス11を通常閉動作させる。
すなわち、挟み込みが生じると、ウインドウガラス11の移動速度およびこれに関連してモータ23の回転速度が低下する(回転周期が長くなる)。
このため本実施形態に係るマイクロコンピュータ31は、モータ23の回転速度の変動を常時監視している。
このように本実施形態に係るマイクロコンピュータ31では、この回転速度の変動に基づいて、まず挟み込みの開始を検出し、次いで挟み込みの開始が検出されてから回転速度が所定量変動したことを検出した場合に、挟み込みと判定(確定)する。
なお、挟み込みと判定した場合に、モータ23の作動を停止してウインドウガラス11のそれ以上の閉動作を停止させて、ウインドウガラス11にて挟持した異物を解放可能とするように制御してもよい。
本実施形態においては、ドア10の開閉状態は、カーテシスイッチからの信号及び/若しくはドアクローザからの信号により検知されるよう構成されている。
このため、特別にセンサ等を備える必要がなく、簡易な構成及び低いコストで本実施形態に係る構成を実現できる。
このドア開閉信号28は、マイクロコンピュータ31に入力されて、後述する初期化実行処理に使用される。
図3に、本実施形態に係るパワーウインドウ装置1の初期化処理のフローについて説明する。
まず、ステップS11で初期化動作を開始する。
次いで、ステップS12で、ドア10が閉状態か否かを判定する。
ステップS12でドア10が閉状態ではないと判定した場合(ステップS12:No)、ステップS13で、初期化をキャンセルしてリターンする。
つまり、ドア開状態である場合には、初期化をキャンセルして、学習データの更新を行わないようにし、ドア閉状態のときにのみ、初期化を行い、学習データを更新することとしたものである。
特に、ドア閉状態においては、ドア開状態にはないウエザーストリップによる減速も表れるため、ドア開状態及びドア閉状態両者を同一に扱うことはできない。
このため、工場出荷時やディーラ修理時に誤ってドア開状態で初期化された製品の流出を防ぐことができ、挟み込み検知の誤検知が発生することを有効に防止することができる。
また、ウエザーストリップでの挟み込みの検知の誤検知をもまた有効に防止することが可能となるので、不感帯を従来製品よりも狭く設定することができる。
次いで、ステップS15で学習データ更新量を算出する。
この学習データ量の算出は、例えば、ウインドウガラス11の閉動作を連続的若しくは断続的に所定回(n回、n≧1の自然数)実行し、これに伴い回転検出装置27から受け取るパルス信号に基づいてモータ23の回転速度ωn(n≧1の自然数)を算出し、その平均値をとり閾値とすることにより行うとよい。
この回転速度差Δω0は、各パルスカウント値に対応させて記憶されるデータ列であり、これらの回転速度情報は、学習データの更新のためのデータ列として記憶される。
これにより、ウインドウガラス11の所定移動間隔毎に学習データΔωの特徴を記憶することができるので、各位置に合わせた挟み込み検出が可能となる。
このように、初期化及び学習データの更新が実行された後、初期化処理の完了フラグを立てる。
この完了フラグは、ウインドウガラス11のオート開作動及び挟み込み検知機能の作動を行うための可能条件となっている。
つまり、この初期化の完了フラグが立っていなければ、ウインドウガラス11のオート開作動挟み込み検知機能の作動は実行されない。
このため、工場出荷時やディーラ修理時に誤ってドア開状態で初期化された製品が流出することが更に確実に防止され、挟み込み検知の誤検知が発生することを有効に防止することができる。
5‥バッテリ、10‥ドア、10a‥インナパネル、11‥ウインドウガラス、
11a‥キャリアプレート、21a,21b‥ブラケット、22‥ガイドレール、
23‥モータ、24‥テープ、25‥スライダ、27‥回転検出装置、
28‥ドア開閉信号、31‥マイクロコンピュータ、32‥駆動回路
Claims (5)
- 開閉体を開閉駆動する駆動手段と、
車両ドアの開閉状態を検知するドア開閉状態検知手段と、
該開閉体の作動情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された前記作動情報に基づき開閉体の異物の挟み込みを検出する挟み込み検知手段とを有するとともに、前記駆動手段を駆動制御する制御手段とを備える開閉体制御装置であって、
前記制御手段は、前記記憶手段に情報が記憶されていない状態で前記記憶手段に作動情報を記憶させる初期化を行う際に、前記ドア開閉状態検知手段より開状態信号が検知されている場合には、初期化をキャンセルし、前記ドア開閉状態検知手段より閉状態信号が検知されている場合にのみ初期化を実行する初期化処理手段を備えることを特徴とする開閉体制御装置。 - 前記制御手段は、前記初期化処理手段が初期化終了を検知することにより、前記開閉体の自動上昇動作を可能とすることを特徴とする請求項1に記載の開閉体制御装置。
- 前記制御手段は、前記初期化処理手段が初期化終了を検知することにより、前記挟み込み検知手段の挟み込みの検出を可能とすることを特徴とする請求項1に記載の開閉体制御装置。
- 前記ドア開閉状態検知手段は、車両に備えられたカーテシスイッチからの信号に基づき前記車両ドアの開閉状態を検知することを特徴とする請求項1に記載の開閉体制御装置。
- 前記ドア開閉状態検知手段は、車両に備えられたドアクローザからの信号に基づき前記車両ドアの開閉状態を検知すること特徴とする請求項1に記載の開閉体制御装置。
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