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JP2009052006A - 酵素含有洗浄剤組成物 - Google Patents

酵素含有洗浄剤組成物 Download PDF

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JP2009052006A
JP2009052006A JP2007246144A JP2007246144A JP2009052006A JP 2009052006 A JP2009052006 A JP 2009052006A JP 2007246144 A JP2007246144 A JP 2007246144A JP 2007246144 A JP2007246144 A JP 2007246144A JP 2009052006 A JP2009052006 A JP 2009052006A
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amylase
enzyme
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hydrolase
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Hitoshi Ito
仁 伊藤
Keisuke Igarashi
敬祐 五十嵐
Yoshihiko Hirata
善彦 平田
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Saraya Co Ltd
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Abstract

【課題】 強固に付着した汚染物に対する洗浄力に優れた酵素含有洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 加水分解酵素にソホロリピッドを添加した洗浄剤組成物を検討した結果、他の界面活性剤及び加水分解酵素の組み合わせでは見られない、固着した汚染物に対する優れた洗浄力を見出すことに成功した。即ち、本発明は、(a)加水分解酵素の配合量が、0.01〜10重量%であり、(b)ソホロリピッドの配合量は、0.1から10重量%である、酵素配合洗浄剤組成物に関するものである。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
産業上での利用分野
本発明は、加水分解酵素にバイオサーファクタントであるソホロリピッドを添加する、酵素含有洗浄剤組成物に関する。ソホロリピッド及び加水分解酵素が共存することによって、従来の界面活性剤よりも著しく洗浄力を向上させることができることを特徴とする。
洗浄剤に界面活性剤及び酵素を配合させることで、洗浄力を向上できることが以前より知られている。酵素配合の洗濯用洗剤、食器洗い乾燥機用洗剤、医療器具の予備浸漬/洗浄剤、外食産業や給食における食器の予備浸漬/洗浄剤などが実用化され、そこではアミラーゼやプロテアーゼ、リパーゼなどの加水分解酵素が使用されている。
これまでも、界面活性剤及び加水分解酵素の相互作用に関する報告はあり、相乗的な洗浄力効果に関する報告もなされている(特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、強固に付着したデンプン汚れやタンパク質汚れ、油脂汚れに対して十分に洗浄効果を示す洗浄剤組成物は未だ見出されていないのが現状である。例えば、自動食器洗い乾燥機では、箸に付着したご飯粒や、皿に付着したタマゴ汚れが除去できないなどの問題が生じている。
特開平5−271690 特表2002−517554 特開2003−13093 特開2006−70231
発明が解決しようとする課題
本発明は、強固に付着した汚染物に対する洗浄力に優れた酵素含有洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
本発明者らは、加水分解酵素にソホロリピッドを添加した洗浄剤組成物を検討した結果、従来の界面活性剤及び加水分解酵素の組み合わせでは見られない、固着した汚染物に対する優れた洗浄力を見出すことに成功した。即ち、本発明は、(a)加水分解酵素の配合量が、0.01〜10重量%であり、(b)ソホロリピッドの配合量は、0.1から10重量%である、酵素配合洗浄剤組成物に関するものである。
本発明は、加水分解酵素として、産業用に市販されているアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼからなる群より選ばれる、少なくとも一種を含む。
本発明は、アミラーゼのうち、少なくともノボザイム社製デュラミル120Tを選択できる。
本発明は、好ましくはソホロリピッド及び加水分解酵素に加え、洗浄補助成分をさらに選択することができる。
発明の効果
本発明により、ソホロリピッド及び加水分解酵素による相乗的効果が得られ、従来の界面活性剤及び加水分解酵素の組み合わせでは除去することができなかった汚染物も除去できる、著しく優れた洗浄力を持った洗浄剤が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本洗浄組成物は加水分解酵素及び界面活性剤としてソホロリピッドを含む。ソホロリピッド以外の界面活性剤を配合した場合では、ソホロリピッドを配合した場合と比較して優れた洗浄力が得られない。
驚くべきことに、本発明においては、ソホロリピッドの実使用濃度は臨界ミセル濃度以上を必要としない。
ソホロリピッドはこれを産生する公知のカンジダ属酵母、すなわちカンジダボンビコラ、カンジダアピコラ、カンジダペトロフィラム、カンジダボンゴリエンシス等を用い、発酵法で得られたものを用いる。発酵方法及びソホロリピッドの回収方法は当該分野で公知の任意の方法を適用することが出来る。
本発明において、ソホロリピッドは発酵及び回収工程のみから得られたままの組成比及び人為的に調整した任意の組成比で使用することが出来るが、用途により低起泡性の洗浄剤組成物を得ようとするときはソホロリピッドのラクトン型/酸型の比率が35:65〜88:12さらには50:50〜88:12が好ましい(特許文献3)。また、特許文献4に記載されている手法から得られる酸型ソホロリピッドも選択することができる。この際のラクトン型/酸型の比率が0:100となる。
本発明において使用される加水分解酵素は、いずれも産業用に市販され、容易に入手可能なアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼである。以下これらについて詳述する。
本発明の洗浄剤組成物で使用できるアミラーゼは、α−アミラーゼ、β−アミラーゼなどが挙げられる。他にも澱粉枝切り酵素として、プルラナーゼやイソプルラナーゼなども挙げられる。
アミラーゼは、例えば、洗浄組成物1g当たり0.074〜740kU/L単位、より好ましくは50〜150kU/L単位の量で使用し得る。この範囲以下では洗浄力への寄与が著しく小さく、この範囲以上では配合量に見合う洗浄力の増加が得られない。
使用するアミラーゼはさらに好ましくはノボザイム製のデュラミル120Tである。
U/Lとは、ファデバス アミラーゼテスト(登録商標:日本ファーマ・プロモーション株式会社)を使用し、得られた吸光値から検量線により算出されたアミラーゼ活性単位から得られたものである。アミラーゼ活性を測定した条件は、30℃で4分間である。
本組成物中で使用できるプロテアーゼは、セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼなどが挙げられる。
プロテアーゼは、例えば、プロテアーゼ活性として洗浄組成物1g当たり0.022〜220mg/ml・g単位、より好ましくは15〜30mg/ml・g単位の量で使用し得る。この範囲以下では洗浄力への寄与が著しく小さく、この範囲以上では配合量に見合う洗浄力の増加が得られない。
プロテアーゼ活性値(mg/ml・g)は、基質としてカゼインを使用し、40℃で10分間インキュベーションする間に、カゼインから遊離するチロシン量を洗浄組成物1g当たりに換算されるものである。
本組成物中で使用すべきリパーゼは、トリアシルグリセリドリパーゼが挙げられる。
リパーゼは、例えば、洗浄組成物1g当たり0.5〜5000LU単位、より好ましくは300〜1000LU単位の量で使用し得る。この範囲以下では洗浄力への寄与が著しく小さく、この範囲以上では配合量に見合う洗浄力の増加が得られない。
加水分解酵素の配合量としては、0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜3重量%である。一方、ソホロリピッドの配合量としては、0.1から10重量%であり、より好ましくは2〜4重量%である。この範囲内であれば、ソホロリピッド及び加水分解酵素の相乗効果により洗浄力を著しく高めることができる。
その他の成分として、苛性ソーダ、苛性カリウム、ソーダ灰、重曹、メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウムなどのアルカリ剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ゼオライト、グルコン酸、グルコン酸ナトリウムなどの水軟化剤、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウムなどの工程剤、シリコーン系乳化物、オクタメチルシクロテトラシロキサン、2−オクチルドデカノール、オクタデセニルアルコールなどの消泡剤、トクシールなどの流動性改質剤、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸、過炭酸ソーダ、過ホウ酸ソーダなどの漂白剤、または漂白活性剤、スケール付着防止剤としてのキレート剤または高分子分散剤、プロピレングリコール、グリセリン、エタノールなどの溶剤、酵素失活抑制剤等が必要に応じて配合される。
洗浄補助成分の含有量及び種類は、意図される洗浄剤組成物の形態、様態及び用途によって、適宜選択され得る。
形態及び様態では、例えば、粉末や液状、ゲル状、タブレット状、シート状、カプセル状などが挙げられる。
本発明において、使用用途は一般家庭用または業務用の食器洗い機用洗浄剤、浸漬用洗浄剤、衣料用洗浄剤などが挙げられる。
以下の実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
洗浄力試験
試験試料として、表1の実施例1及び比較例1〜3を作製し、強固に付着させたデンプン汚れに対する洗浄力を比較した。
Figure 2009052006
パック入りご飯(S&B食品)を電子レンジで温め、直径19cmの磁器製の皿の中央部全体に箸を使って広げた。ご飯の量は皿一枚当たり1/2パック(約100g)とした。10分間放置後、ご飯を除き室温で1時間乾燥させた。44℃の温水に試験物を0.15%(W/V)となるように添加し、ご飯で汚した皿をラックに立てて半分だけが液に浸るようにして静かに20分間放置した。皿を引き上げ、すぐに業務用食器洗浄機(ZANUSSI 520)を用いて60℃で1分間洗浄した後、乾燥させた。皿の表全体にヨウ素溶液を流した後、ヨウ素溶液を完全に切った。
表2のように、洗浄力を残留デンプンの発色程度から評価を行った。なお、評価結果については表3に示した。
Figure 2009052006
Figure 2009052006
ソホロリピッド及びアミラーゼを配合した実施例1のみが、デンプン汚れに対して優れた洗浄力を示した。ソホロリピッドまたはアミラーゼのみ配合した比較例1及び比較例2の洗浄力はソホロリピッド、アミラーゼともに無配合の比較例3と変らず、それぞれ単独ではほとんど洗浄効果は認められなかった。すなわち、ソホロリピッド及びアミラーゼが共存する配合系においてのみ、これらが相乗的に働きデンプン汚れに対する洗浄効果が発揮された。
このとき、浸漬洗浄液におけるソホロリピッド濃度は、文献に記載されている臨界ミセル濃度の1/2以下であった。
デンプン汚れに対する洗浄力に対して寄与していると考えられる洗浄成分、ソホロリピッド及びアミラーゼのみを用いて、同様の試験を行った。
表4の実施例2及び比較例4〜6を作製し、実施例1と同様の試験を行った。なお、評価結果については表5に示した。
Figure 2009052006
Figure 2009052006
洗浄成分をソホロリピッド及びデュラミル120Tのみで行った洗浄力試験においても、実施例1と同様の結果が得られた。ソホロリピッド及びアミラーゼのみの組成であっても、これらが相乗的に働くことによって高い洗浄力を発揮することが認められた。
実施例2のソホロリピッドを従来の界面活性剤に置き換え、実施例1及び実施例2と同様の試験に供した。
表6の比較例7〜17を作製し、実施例1及び実施例2と同様の試験を行った。なお、評価結果については表7に示した。
Figure 2009052006
Figure 2009052006
比較例7〜17では、デンプン汚れに対してほとんど洗浄力が見られなかった。すなわち、ソホロリピッドのみがアミラーゼと相乗的に働いてデンプン汚れに対して高い洗浄力を示したが、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤を含む、従来の洗浄用界面活性剤では同様の効果は認められなかった。
実施例2、比較例5及び比較例7〜17を使用し、α−アミラーゼ活性の測定を行った。以下に、実施例に用いたα−アミラーゼ活性測定法〔ファデバス法〕を示す。
α−アミラーゼ活性測定
(1)サンプルの吸光度の測定
13.5gのサンプルを1000gの蒸留水に溶解し、サンプル溶液とした。4mlの蒸留水に、0.15%となるように500μlのサンプル溶液を添加した。30℃で5分間加温した後に、ファデバス・アミラーゼテスト〔日本ファーマ・プロモーション(株)より入手、製品番号7M5009〕を1錠添加し、15秒間攪拌した。30℃で2分間及び4分間反応させた後に、1mlの0.5N水酸化ナトリウムを添加することで反応を停止させ、遠心分離(15000rpm、5分間)にて不要成分を沈殿させ、得られた遠心上澄みの620nmにおける吸光度を測定した。
(2)ブランクの吸光度の測定
4mlの蒸留水に対して、ファデバス・アミラーゼテストを1錠添加し、15秒間攪拌した。30℃で2分間及び4分間反応させた後に、1mlの0.5N水酸化ナトリウムを添加、攪拌し、500μlのサンプル溶液を添加した。遠心分離(15000rpm、5分間)を行った後、得られた上澄みの620nmにおける吸光度を測定した。
(3)アミラーゼ活性の算出
ファデバス・アミラーゼテストに同封されている国際単位の検量線を基準とし、これに(1)及び(2)の吸光度の差を当てはめることで、α−アミラーゼの活性を算出した。
サンプル中のアミラーゼ活性は、界面活性剤を添加していないサンプル(比較例5)、ソホロリピッドを含むノニオン性界面活性剤群(実施例2及び比較例7〜10)、両性界面活性剤群(比較例16及び比較例17)、アニオン性界面活性剤群(比較例11〜15)の順番に下がっていく傾向があった。このことから、ソホロリピッドがアミラーゼ活性を向上させることによって洗浄力を向上させているのではなく、異なるメカニズムを通じてアミラーゼと相乗的に働くことによって、著しく高い洗浄力を発揮していることが分かった。
実施例1〜4の結果から、ソホロリピッド及びデュラミル120Tを同時に含有する組成物を適用することによって、他の界面活性剤との組み合わせでは得られないデンプン汚れに対する顕著な洗浄力を発揮することは明らかである。また、ソホロリピッド単独またはアミラーゼ単独では、洗浄力としての性能は十分に発揮されず、両者が共存する条件でのみ顕著な洗浄力が発揮された。
以下に、デンプン汚れに対するソホロリピッド及びアミラーゼの組み合わせ物による洗浄メカニズムの仮説モデルを立てた。
今回の実施例により、ソホロリピッドが汚染物または/及びアミラーゼに対して、洗浄力を高めるような作用をもたらしていることは明らかである。そのため、次のようなモデルが予想される。
(1)プレミセル(小型ミセル)でも洗浄力を発揮する。
界面活性剤は臨界ミセル濃度を境界にして、ミセル構造を形成し始めるが、臨界ミ セル濃度以下においても、数分子から10分子によってプレミセルという構造体を形 成する。一般的には、プレミセル状態では洗浄力としての効果は非常に低いが、ソホ ロリピッドの場合では、プレミセルの状態でもある程度の洗浄力を発揮するためにデ ンプン汚れが洗浄された。今回の場合では、デンプン汚れのような強固に付着した汚 染物に対しては、アミラーゼのような酵素の洗浄力も必要であったために、ソホロリ ピッド及びアミラーゼが共存した場合にのみ、洗浄力が発揮された。
(2)ソホロリピッドがアミラーゼを汚染物に集中させる。
ソホロリピッドは嵩高い分子構造をしているため、その分子間にタンパク質などの 他分子を取り込みやすい。臨界ミセル濃度以下では、ソホロリピッドは界面に集中し 、実施例1及び2の試験では、固相である皿に付着したデンプン汚れ及び液相である 洗浄液の界面に単分子膜を形成していると考えられ、その部分にアミラーゼが集まる ことで高い洗浄力が発揮された。
以上のことから、ソホロリピッドがアミラーゼ活性を向上させているのではなく、汚染物に対して洗浄力を向上させるように働いていることは明らかである。そのため、アミラーゼ以外のプロテアーゼやリパーゼ等の加水分解酵素とソホロリピッドの組み合わせも可能である。
試験に使用したサンプルのアミラーゼ活性測定結果

Claims (6)

  1. 加水分解酵素及びソホロリピッドを含む酵素含有洗浄剤組成物。
  2. 加水分解酵素が、アミラーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼからなる群より選ばれる少なくとも一種類である、請求項1に記載の酵素含有洗浄剤組成物。
  3. 前記加水分解酵素がそれぞれ産業用に市販されている工業原料から少なくとも一種類選ばれる、請求項1〜2の酵素含有洗浄剤組成物。
  4. 前記アミラーゼがノボザイム社製デュラミル120Tである、請求項1〜3に記載の酵素含有洗浄剤組成物。
  5. 洗浄補助成分をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の酵素含有洗浄剤組成物。
  6. (a)前記加水分解酵素の配合量としては、0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜3重量%であり、(b)ソホロリピッドの配合量としては、0.1から10重量%であり、より好ましくは2〜4重量%であることを特徴とする酵素含有洗浄剤組成物。
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