JP2009051793A - 骨疾患治療剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 3β,5α−ジヒドロキシエルゴスタ−7,22−ジエン−6−オン、セレビステロール、及びこれらの化合物の薬学的に許容される塩からなる群から選択される一つ以上を有効成分として含有することを特徴とする骨疾患治療剤を使用する。
【選択図】 図11
Description
(1)有効成分の有無の判定方法
抽出液や分画液中の有効成分による活性及び細胞毒性の測定は、次のようにして行なった。
マウス(♀、5乃至7週齢)の脛骨及び大腿骨から採取した骨髄細胞1.3×108個と、頭蓋骨から採取した骨芽細胞様間質細胞1.0×106個とを、10%牛胎児血清含有α−MEM(Minimun Essential Medium α- Medium)7.2mlに懸濁させた。これを、48穴の破骨細胞活性アッセイ用基質プレートに、150μl/ウェルで分注した。1,25−ジヒドロキシビタミンD3の10%牛胎児血清含有α−MEM溶液(濃度:20ng/ml)50μl/ウェルと、被験試料をメタノールに溶解し、それを10%牛胎児血清含有α−MEMで希釈したもの50μl/ウェルとを加え、全量250μl/ウェルとした。炭酸ガスインキュベータを用い、37℃、炭酸ガス濃度5%にて7日間培養した。なお、培養3日目には、各ウェル中の上澄み液100μlを除去し、代わりに、1,25−ジヒドロキシビタミンD3の10%牛胎児血清含有α−MEM溶液(濃度:40ng/ml)50μl/ウェルと、被験試料を培養開始前に使用したものの2倍の濃度で含有する被験試料の10%牛胎児血清含有α−MEM溶液50μl/ウェルとを添加した。
上記のように、骨髄細胞と骨芽細胞様間質細胞とを、活性ビタミンD3の存在下で共存培養を行なうと、TRAP(酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ)を有する破骨様多核細胞(破骨細胞)に分化する。この細胞は、TRAP染色液で染色される。この染色された細胞の数を計測することにより、破骨細胞の形成が抑制されたか否かが分かる。
MTTとは、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム ブロミドを指す。この化合物は、水溶性であり、水溶液は黄色を示すが、脱水素酵素によって、MTTとNADHとの間で酸化還元反応が生じると、MTTが還元されて青色のフォルマゾンとなる。この脱水素酵素は、ミトコンドリアの呼吸鎖に関連する酵素であるので、細胞の健康状態の指標となる。即ち、細胞が元気であれば、酵素活性が高く、フォルマゾンが多く生成されるが、細胞が死んでしまうと、フォルマゾンは生成されない。よって、波長570nmにおける吸光度測定によって、生成されたフォルマゾンの量、ひいては細胞の生存率を計測することができる。
菌床栽培において、種菌の植え付けから約120日後にグリフォラ・ガルガル子実体を収穫した。これに、45℃の温風を一昼夜、その後70℃の温風を1時間あて、乾燥させた。このようにして温風乾燥されたグリフォラ・ガルガル子実体を、原料として用いた。
抽出方法の概略は、図3及び図6に示すとおりである。具体的には、次のようにして有効成分を抽出した。
温風乾燥されたグリフォラ・ガルガル子実体500gをヘキサン5lに入れ、室温にて放置した。濾過により、へキサン溶液と残渣とに分けた。残渣にヘキサン5lを加え、室温にて放置し、更に抽出を行った。濾過により、へキサン溶液と残渣とに分け、更にもう一度、残渣にヘキサン5lを加え、室温にて放置して抽出を行った。ヘキサン溶液すべてを合一させ、次いでヘキサンを留去したところ、6.3gの固形分(ヘキサン可溶画分)が得られた。
(3−1)で得られた固形分(5.2g使用)を、フラッシュ・カラム・クロマトグラフィー(シリカゲル60N;関東化学社製;充填剤重量:350g;φ4cm×60cm)に供した。具体的には、先ず、上記固形分のヘキサン/酢酸エチル(9:1(容量))溶液をカラムに流し、有効成分をカラムに保持させた。次いで、溶出液として、ヘキサン/酢酸エチル(9:1(容量))混液500ml、塩化メチレン500ml、塩化メチレン/アセトン(8:2(容量))混液500ml、アセトン500ml及び100%エタノール1,000mlをこの順で流した。
(3−2)で得られた画分の中、GA−H−8をさらに分画した。
(3−3)で行なった分画によって得られたGA−H−8−9/10の溶媒を留去したところ、66.5mg(画分9:21.9mg;画分10:44.6mg)の固形分が得られた。この固形分を、調製用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60F254;メルク社製;20cm×20cm)に供した。塩化メチレン/メタノール(95:5(容量))混液、酢酸1%で展開させた。
(3−4)に記載の処理によって得られた画分GA−H−8−9/10−20を、Sep pak固層抽出カートリッジ(ウォーターズ社製;ODS)に通し、次いでメタノール/水(9:1(容量))混液を流した。得られた溶出部を、高性能液体クロマトグラフ装置に接続されたODSカラム(資生堂社製;C18 Capcell pak AQ)に通し、有効成分を保持させた。メタノール/水(9:1(容量))混液を流し、GA−H−8−9/10−20−1乃至GA−H−8−9/10−20−19の画分を得た。
(3−5)で得られたGA−H−8−9/10−20−13の溶媒を留去し、残渣として1.4mgの化合物1を得た。
(3−3)で行なった分画によって得られたGA−H−8−12の溶媒を留去したところ、60.3mgの固形分が得られた。この固形分を、調製用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60F254;メルク社製;20cm×20cm)に供した。塩化メチレン/メタノール(9:1(容量))混液、酢酸1%で展開させた。
(3−7)に記載の処理によって得られた画分GA−H−8−12−17〜19を、Sep pak固層抽出カートリッジ(ウォーターズ社製;ODS)に通し、次いでメタノール/水(95:5(容量))混液を流した。得られた溶出部を、高性能液体クロマトグラフ装置に接続されたODSカラム(資生堂社製;C18 Capcell pak AQ)に通し、有効成分を保持させた。メタノール/水(95:5(容量))混液を流し、GA−H−8−12−17〜19−1乃至GA−H−8−12−17〜19−30の画分を得た。
(3−8)で得られたGA−H−8−12−17〜19−19とGA−H−8−12−17〜19−23を合一させた後、溶媒を留去し、残渣として2.4mgの化合物2を得た。
(3−6)で得た化合物1と、(3−9)で得た化合物2の各々を、CD3ODに溶解させ、ジョエル(JOEL)社製ラムダ500FT 1H−NMRスペクトロメーターと、ジョエル(JOEL)社製ラムダ500FT 13C−NMRスペクトロメーターに供した。
実施例1の(1−1)に記載した共存培養法において、ウェル当たり、化合物1(3β,5α−ジヒドロキシエルゴスタ−7,22−ジエン−6−オン)については0.1875μg、0.375μg、0.78125μgをメタノールに溶解し、それを10%牛胎児血清含有α−MEMで希釈して50μlとしたものを、化合物2(セレビステロール)については1.5625μg、3.1215μgをメタノールに溶解し、それを10%牛胎児血清含有α−MEMで希釈して50μlとしたものを用いた。ウェル中の培養液の量は250μlであるから、培養液中の濃度では、化合物1は0.75μg/ml、1.5μg/ml、3.125μg/mlであり、化合物2は6.25μg/ml、12.5μg/mlであった。共存培養終了後、実施例1の(1−2)に記載したTRAP染色法と、(1−3)に記載したMTTアッセイ法を行なった。
8名の被験者の血液及び尿を採取し、グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)、骨型アルカリホスファターゼ(以上、血清中)及びデオキシピリジノリン(尿中)を、以下の方法で定量した。
Claims (4)
- 式(I)
- 骨疾患が骨粗鬆症である、請求項1に記載の骨疾患治療剤。
- 破骨細胞形成阻害剤である、請求項2に記載の骨疾患治療剤。
- 有効成分が3β,5α−ジヒドロキシエルゴスタ−7,22−ジエン−6−オン及び/又はセレビステロールである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の骨疾患治療剤。
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