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JP2009042658A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示品位の良好な液晶表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 ホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶表示パネルLPNの一方の外面に設けられた第1光学素子OD1は、第1偏光板51、ネマティック液晶分子を液晶状態において法線方向に沿ってハイブリッド配向した状態で固定化させた第1位相差板RF1、1軸または負の2軸の屈折率異方性を有する第2位相差板RF2を含む。液晶表示パネルの他方の外面に設けられた第2光学素子OD2は、第2偏光板52、2軸の屈折率異方性を有する第3位相差板RF3、ネガティブCプレート相当の屈折率異方性を有する第4位相差板RF4を含む。
【選択図】 図3

Description

この発明は、液晶表示装置に係り、特に、ホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層を備えた透過型の液晶表示装置に関する。
ツイステッドネマティック(TN)モードの液晶表示装置と同様に正面から見た場合の表示特性が優れている垂直配向(VA;Vertically Aligned)モードの液晶表示装置において、視野角補償用位相差フィルムを適用することで、広視野角化を実現しようとする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、STN(Super Twisted Nematic)モードなどの液晶表示装置において適用可能な2軸性の複屈折フィルムを製造する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−099236号公報 特開2005−181451号公報
近年、一対の基板間にホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層を保持することによって構成された液晶表示装置においては、さらなるコントラストの向上及び視野角の拡大といった表示品位の改善が要求されている。
この発明の目的は、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することにある。
この発明の態様による液晶表示装置は、
互いに対向して配置された第1基板と第2基板との間にホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層を保持した液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの一方の外面に設けられ、第1偏光板と、前記第1偏光板と前記液晶表示パネルとの間に配置されその進相軸及び遅相軸を透過する所定波長の光の間に所定の位相差を与えるとともにネマティック液晶分子を法線方向に沿ってハイブリッド配向した状態で固定化させた第1位相差板と、前記第1偏光板と前記第1位相差板との間に配置され1軸または負の2軸の屈折率異方性を有する第2位相差板と、を有する第1光学素子と、
前記液晶表示パネルの他方の外面に設けられ、第2偏光板と、前記第2偏光板と前記液晶表示パネルとの間に配置され2軸の屈折率異方性を有する第3位相差板と、前記第3位相差板と前記液晶表示パネルとの間に配置されネガティブCプレート相当の屈折率異方性を有する第4位相差板と、を有する第2光学素子と、を備え、
前記第1光学素子及び前記液晶表示パネルを透過した光の偏光状態は、前記第2光学素子を透過した光と略同一の楕円率を有する直線偏光であることを特徴とする。
この発明によれば、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することができる。
以下、この発明の一実施の形態に係る液晶表示装置について図面を参照して説明する。ここでは、バックライト光を利用して(選択的に透過して)画像を表示する透過型の液晶表示装置を例に説明する。
図1及び図2に示すように、液晶表示装置は、アクティブマトリクスタイプのカラー液晶表示装置であって、透過型の液晶表示パネルLPNを備えている。この液晶表示パネルLPNは、アレイ基板(第1基板)ARと、アレイ基板ARと互いに対向して配置された対向基板(第2基板)CTと、これらのアレイ基板ARと対向基板CTとの間に保持された液晶層LQと、を備えて構成されている。
また、この液晶表示装置は、液晶表示パネルLPNの一方の外面(すなわちアレイ基板ARの液晶層LQと接触する面とは反対側の外面)に設けられた第1光学素子OD1、及び、液晶表示パネルLPNの他方の外面(すなわち対向基板CTの液晶層LQと接触する面とは反対側の外面)に設けられた第2光学素子OD2を備えている。さらに、このように透過型の液晶表示装置は、第1光学素子OD1側から液晶表示パネルLPNを照明するバックライトユニットBLを備えている。
このような液晶表示パネルLPNは、画像を表示する表示領域DSPを備えている。表示領域DSPは、m×n個のマトリクス状に配置された複数の画素PXによって構成されている。
アレイ基板ARは、ガラス板や石英板などの光透過性を有する絶縁基板10を用いて形成されている。すなわち、このアレイ基板ARは、表示領域DSPにおいて、画素毎に配置されたm×n個の画素電極EP、これらの画素電極EPの行方向に沿ってそれぞれ形成されたn本の走査線Y(Y1〜Yn)、これらの画素電極EPの列方向に沿ってそれぞれ形成されたm本の信号線X(X1〜Xm)、各画素PXにおいて走査線Yと信号線Xとの交差部を含む領域に配置されたm×n個のスイッチング素子Wなどを有している。
アレイ基板ARは、さらに、表示領域DSPの周辺の駆動回路領域DCTにおいて、n本の走査線Yに接続された走査線ドライバYDを構成する少なくとも一部、及び、m本の信号線Xに接続された信号線ドライバXDを構成する少なくとも一部を備えている。走査線ドライバYDは、コントローラCNTによる制御に基づいてn本の走査線Yに順次走査信号(駆動信号)を供給する。また、信号線ドライバXDは、コントローラCNTによる制御に基づいて各行のスイッチング素子Wが走査信号によってオンするタイミングでm本の信号線Xに映像信号(駆動信号)を供給する。これにより、各行の画素電極EPは、対応するスイッチング素子Wを介して供給される映像信号に応じた画素電位にそれぞれ設定される。
各スイッチング素子Wは、例えば、nチャネル薄膜トランジスタであり、絶縁基板10上に配置された半導体層12を備えている。この半導体層12は、例えば、ポリシリコンやアモルファスシリコンなどによって形成可能であり、ここではポリシリコンによって形成されている。半導体層12は、チャネル領域12Cを挟んだ両側にそれぞれソース領域12S及びドレイン領域12Dを有している。この半導体層12は、ゲート絶縁膜14によって覆われている。
スイッチング素子Wのゲート電極WGは、走査線Yに接続されている(あるいは走査線Yと一体的に形成されている)。ゲート電極WG及び走査線Yは、ともにゲート絶縁膜14上に配置されている。これらのゲート電極WG及び走査線Yは、層間絶縁膜16によって覆われている。
スイッチング素子Wのソース電極WS及びドレイン電極WDは、層間絶縁膜16上においてゲート電極WGの両側に配置されている。ソース電極WSは、信号線Xに接続される(あるいは信号線Xと一体に形成される)とともに、半導体層12のソース領域12Sにコンタクトしている。ドレイン電極WDは、画素電極EPに接続される(あるいは画素電極EPと一体に形成される)とともに、半導体層12のドレイン領域12Dにコンタクトしている。これらのソース電極WS、ドレイン電極WD、及び、信号線Xは、有機絶縁膜18によって覆われている。
画素電極EPは、有機絶縁膜18上に配置され、ドレイン電極WDと電気的に接続されている。この画素電極EPは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)などの光透過性を有する導電材料によって形成される。すべての画素PXに対応した画素電極EPは、配向膜20によって覆われている。
一方、対向基板CTは、ガラス板や石英板などの光透過性を有する絶縁基板30を用いて形成されている。すなわち、この対向基板CTは、表示領域DSPにおいて、対向電極ETなどを備えている。対向電極ETは、複数の画素PXに対応して画素電極EPに対向するように配置されている。この対向電極ETは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)などの光透過性を有する導電材料によって形成されている。また、この対向電極ETは、配向膜36によって覆われている。
カラー表示タイプの液晶表示装置は、各画素に対応して液晶表示パネルLPNの内面に設けられたカラーフィルタ層34を備えている。図2に示した例では、カラーフィルタ層34は、対向基板CTに設けられている。カラーフィルタ層34は、互いに異なる複数の色、例えば赤色、青色、緑色といった3原色にそれぞれ着色された着色樹脂によって形成されている。赤色着色樹脂、青色着色樹脂、及び緑色着色樹脂は、それぞれ赤色画素、青色画素、及び緑色画素に対応して配置されている。なお、このようなカラーフィルタ層34は、アレイ基板AR側に配置しても良い。
また、各画素PXは、図示しないブラックマトリクスによって区画されている。このブラックマトリクスは、アレイ基板ARに設けられた走査線Yや信号線X、スイッチング素子Wなどの配線部に対向するように配置されている。
このような対向基板CTと、上述したようなアレイ基板ARとをそれぞれの配向膜20及び配向膜36を対向するように配置したとき、両者の間に配置された図示しないスペーサ(例えば樹脂材料によって形成された柱状スペーサ)により、所定のギャップが形成される。液晶層LQは、これらアレイ基板ARの配向膜20と対向基板CTの配向膜36との間に形成されたギャップに封入された液晶分子40を含む液晶組成物で構成されている。この実施の形態では、液晶層LQは、ツイスト角が0deg(ホモジニアス配向)の液晶分子40を含んでいる。
この実施の形態に係る液晶表示装置においては、図3に示すように、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、これらを通過した光の偏光状態を制御する。すなわち、第1光学素子OD1は、楕円偏光あるいは略直線偏光の偏光状態を有する光が液晶表示パネルLPNに入射するように自身を通過する光の偏光状態を制御する。つまり、第1光学素子OD1に入射したバックライト光の偏光状態は、第1光学素子OD1を通過した際に所定の偏光状態に変換される。その後、第1光学素子OD1を通過したバックライト光は、所定の偏光状態を保って液晶層LQに入射する。そして、液晶表示パネルLPNから出射された出射光は、楕円偏光あるいは略直線偏光の偏光状態を有している。
また、第2光学素子OD2は、楕円偏光あるいは略直線偏光の偏光状態を有する光が液晶表示パネルLPNに入射するように自身を通過する光の偏光状態を制御する。つまり、第2光学素子OD2に入射した光の偏光状態は、第2光学素子OD2を通過した際に所定の偏光状態に変換される。
このとき、第2光学素子OD2を通過する光の偏光状態は、液晶表示パネルLPNから出射された光の偏光状態と略一致する。つまり、第1光学素子OD1及び液晶表示パネルLPNを透過した光の偏光状態は、第2光学素子OD2を透過した光と略同一の楕円率(=短軸方向の振幅Es/長軸方向の振幅Ep)を有する略直線偏光(楕円率<0.1)あるいは楕円偏光(楕円率>0.7)である。このような構成により、液晶表示パネルLPNの法線方向におけるコントラストの向上が可能となるとともに、視野角の拡大が可能となる。
以下に、略直線偏光を利用した第1実施形態と、楕円偏光を利用した第2実施形態について説明する。
《第1実施形態》
図3に示すように、第1実施形態に係る液晶表示装置においては、第1光学素子OD1は、1つの第1偏光板51と、第1偏光板51と液晶表示パネルLPNとの間に配置された第1位相差板RF1及び第2位相差板RF2と、を備えて構成されている。図3に示した例では、第1位相差板RF1は、第1偏光板51と液晶表示パネルLPN(アレイ基板AR)との間に配置されている。また、第2位相差板RF2は、第1偏光板51と第1位相差板RF1との間に配置されている。
第2光学素子OD2は、1つの第2偏光板52と、第2偏光板52と液晶表示パネルLPNとの間に配置された第3位相差板RF3及び第4位相差板RF4と、を備えて構成されている。図3に示した例では、第3位相差板RF3は、第2偏光板52と液晶表示パネルLPN(対向基板CT)との間に配置されている。また、第4位相差板RF4は、第3位相差板RF3と液晶表示パネルLPN(対向基板CT)との間に配置されている。
ここで適用される第1偏光板51及び第2偏光板52は、光の進行方向に直交する平面内において、互いに直交する吸収軸及び透過軸を有している。このような偏光板は、ランダムな方向の振動面を有する光から、透過軸と平行な1方向の振動面を有する光すなわち直線偏光の偏光状態を有する光を取り出すものである。
ここで適用される第1位相差板RF1は、光学的に異方性を有する位相差板であり、光学的に正の1軸性の屈折率異方性を有するネマティック液晶分子61を液晶状態において法線方向(すなわち位相差板の厚み方向)に沿ってハイブリッド配向した状態で固定化させた液晶フィルム層60を有している。
このような液晶フィルム層60において、例えば、アレイ基板AR側の界面近傍では、液晶分子61Aが界面に対して比較的小さなチルト角をなすように配向している(すなわち液晶分子61Aが界面とほぼ平行に配向している)のに対して、第2位相差板RF2側の海面近傍では、液晶分子61Bが界面に対して比較的大きなチルト角をなすように配向している(すなわち液晶分子61Bが界面に対してほぼ垂直に配向している)。このような第1位相差板RF1としては、NHフィルム(新日本石油(株)製)を適用可能である。このような液晶フィルムは、液晶層LQに含まれる液晶分子40の配向により視角に依存して変化する液晶層LQのリタデーションを光学的に補償する機能を有しており、視野角拡大機能を有した位相差板に相当する。
屈折率異方性を有する液晶分子40の配列が印加電圧に応じて変化する液晶層LQや、屈折率異方性を有する位相差板において、複屈折を議論する上では、相対的に屈折率の大きな軸が遅相軸に対応し、相対的に屈折率の小さな軸が進相軸に対応する。遅相軸は、異常光線の振動面と一致するものとする。進相軸は、常光線の振動面と一致するものとする。液晶層LQを通過する常光線及び異常光線の屈折率をそれぞれno及びneとし、それぞれの光線の進行方向に沿った液晶層LQの厚さをdとしたとき、液晶層LQの位相差値(リタデーション値)は、Δn・d(nm)=(ne・d−no・d)で定義される(つまり、Δn=ne−no)。また、位相差板については、互いに直交する3つの軸に対応した主屈折率を適用し、位相差板の面内での互いに直交する軸に対応した主屈折率をそれぞれnx及びnyとし、その法線方向(すなわち位相差板の厚み方向)の軸に対応した主屈折率をnzとしたとき、位相差板の厚みをdとすると、位相差板の正面位相差値(正面リタデーション値)は、R=(nx−ny)×dで定義される。また、位相差板の法線位相差値は、Rth=[(nx−ny)/2−nz]×dで定義される。
第1光学素子OD1に含まれる第1位相差板RF1及び第2位相差板RF2、及び、第2光学素子OD2に含まれる第3位相差板RF3及び第4位相差板RF4は、それぞれ互いに直交する遅相軸及び進相軸を有している。
すなわち、この第1位相差板RF1は、上述した視野角拡大機能のほかに、液晶分子61の配向方位(ダイレクター)を遅相軸とし、それに直交する面内方位を進相軸とし、これらをそれぞれ透過する所定波長(例えば550nm)の光の間に所定の位相差(λを波長とし、mを正数としたとき、λ/mの位相差)を与える位相差板としての機能を有している。
第2位相差板RF2は、1軸または負の2軸の屈折率異方性(つまり、nx>ny≧nz)を有している。この第2位相差板RF2は、その面内に進相軸及び遅相軸を有し、これらの進相軸及び遅相軸を透過する所定波長(例えば550nm)の光の間に所定の位相差(λを波長とし、nを正数としたとき、λ/nの位相差)を与える位相差板としての機能を有している。
第3位相差板RF3は、2軸の屈折率異方性を有している。この第3位相差板RF3は、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で与えられるNz係数が0.5である。このような第3位相差板RF3は、その面内に進相軸及び遅相軸を有し、進相軸及び遅相軸を透過する所定波長(例えば550nm)の光の間に所定の位相差(λ/nの位相差)を与える位相差板としての機能を有している。
第4位相差板RF4は、ネガティブCプレート相当の屈折率異方性(つまり、nx=ny>nz)を有している。この第4位相差板RF4は、その法線方向(厚み方向)に光軸を有している。
このような第2位相差板RF2及び第3位相差板RF3としては、ゼオノア((株)オプテス製)や、アートン(JSR製)などが適用可能である。また、第4位相差板RF4としては、VACフィルム(住友化学(株)製)、NCフィルム(日東電工(株)製)などが適用可能である。
次に、この第1実施形態における第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2の液晶表示パネルLPNへの配置の具体例について検討する。
ここでは、対向基板CT側から液晶表示装置を観察した図4に基づき説明する。アレイ基板AR(または対向基板CT)の主面に平行な平面内において、便宜上、互いに直交するX軸及びY軸を定義し、この平面の法線方向をZ軸と定義する。面内とは、X軸及びY軸で規定される平面内に相当する。ここで、例えば、X軸は画面の水平方向に対応し、Y軸は画面の垂直方向に対応するものとする。また、X軸の正(+)の方向(0°方位)が画面の右側に対応し、X軸の負(−)の方向(180°方位)が画面の左側に対応するものとする。さらに、Y軸の正(+)の方向(90°方位)が画面の上側に対応し、Y軸の負(−)の方向(270°方位)が画面の下側に対応するものとする。
液晶表示パネルLPNにおいては、アレイ基板AR側の配向膜20のラビング方向は、X軸に対して45°の方位に設定されている。
第1光学素子OD1の液晶表示パネルLPNへの配置は、配向膜20のラビング方向に基づいて設定される。すなわち、第1位相差板RF1は、その遅相軸D1が配向膜20のラビング方向(つまり、液晶層LQに含まれる液晶分子40のダイレクター)とほぼ平行となるように45°の方位を向くように配置される。つまり、第1位相差板RF1は、第1位相差板RF1に含まれる液晶分子のハイブリッド方向は、配向膜20のラビング方向とは逆方向となる225°の方位を向くように配置される。また、第2位相差板RF2の遅相軸D2は、第1位相差板RF1の遅相軸D1とほぼ直交するように135°の方位を向くように配置される。さらに、第1偏光板1は、その吸収軸A1が第1位相差板RF1の遅相軸D1及び第2位相差板RF2の遅相軸D2に対しほぼ45°の角度をなすように、90°の方位を向くように配置される。
一方、第2光学素子OD2の液晶表示パネルLPNへの配置については、例えば黒表示時の液晶層LQを透過した直線偏光の方位(この場合にはX軸と平行な方位)に基づいて設定される。すなわち、第2光学素子OD2においては、第2偏光板52は、その吸収軸A2が第1光学素子OD1及び液晶層LQを透過した後の略直線偏光の長軸方向に対して略平行となるように配置される。すなわち、第2偏光板52は、その吸収軸A2が第1偏光板51の吸収軸A1と略直交するように0°の方位を向くように配置される。また、第3位相差板RF3は、その遅相軸D3が第2偏光板52の吸収軸A2に対して略直交するように90°の方位を向くように配置される。第4位相差板RF4は、第3位相差板RF3の上に蒸着もしくはコーティングによって形成される。
このような構成により、第1光学素子OD1は、所定の楕円率を有する略直線偏光あるいは楕円偏光に変換する機能を有している。また、第2光学素子OD2は、第1光学素子OD1と液晶表示パネルLPNとを透過した光の楕円率と略同等の楕円率(<0.1)を有する略直線偏光に変換する機能を有している。
《第2実施形態》
図5に示すように、第2実施形態に係る液晶表示装置においては、第1光学素子OD1は、1つの第1偏光板51と、第1偏光板51と液晶表示パネルLPNとの間に配置された第1位相差板RF1及び第3位相差板RF3と、を備えて構成されている。図5に示した例では、第1位相差板RF1は、第1偏光板51と液晶表示パネルLPN(アレイ基板AR)との間に配置されている。また、第3位相差板RF3は、第1偏光板51と第1位相差板RF1との間に配置されている。
第2光学素子OD2は、1つの第2偏光板52と、第2偏光板52と液晶表示パネルLPNとの間に配置された第2位相差板RF2及び第4位相差板RF4と、を備えて構成されている。図5に示した例では、第2位相差板RF2は、第2偏光板52と液晶表示パネルLPN(対向基板CT)との間に配置されている。また、第4位相差板RF4は、第2位相差板RF2と液晶表示パネルLPN(対向基板CT)との間に配置されている。
ここで適用される第1偏光板51及び第2偏光板52、第1位相差板RF1、第2位相差板RF2、第3位相差板RF3、及び、第4位相差板RF4は、いずれも第1実施形態で適用したものと同一であり、詳細な説明を省略する。
また、この第2実施形態において、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2の液晶表示パネルLPNへの配置については、図4に示した第1実施形態と同一である。
すなわち、液晶表示パネルLPNにおいては、アレイ基板AR側の配向膜20のラビング方向は、X軸に対して45°の方位に設定されている。
第1光学素子OD1の液晶表示パネルLPNへの配置は、配向膜20のラビング方向に基づいて設定される。すなわち、第1位相差板RF1は、その遅相軸D1が配向膜20のラビング方向(つまり、液晶層LQに含まれる液晶分子40のダイレクター)とほぼ平行となるように45°の方位を向くように配置される。つまり、第1位相差板RF1は、第1位相差板RF1に含まれる液晶分子のハイブリッド方向は、配向膜20のラビング方向とは逆方向となる225°の方位を向くように配置される。また、第3位相差板RF3の遅相軸D3は、第1位相差板RF1の遅相軸D1とほぼ45度の角度をなすように90°の方位を向くように配置される。さらに、第1偏光板1は、その吸収軸A1が第3位相差板RF3の遅相軸D3と略平行となるように、90°の方位を向くように配置される。
一方、第2光学素子OD2の液晶表示パネルLPNへの配置については、例えば黒表示時の液晶層LQを透過した直線偏光の方位(この場合にはX軸と平行な方位)に基づいて設定される。すなわち、第2光学素子OD2においては、第2偏光板52は、その吸収軸A2が第1光学素子OD1及び液晶層LQを透過した後の略直線偏光の長軸方向に対して略平行となるように配置される。すなわち、第2偏光板52は、その吸収軸A2が第1偏光板51の吸収軸A1と略直交するように0°の方位を向くように配置される。また、第2位相差板RF2は、その遅相軸D2が第2偏光板52の吸収軸A2に対して略45度の角度をなし、第1位相差板RF1の遅相軸D1に対して略直交するように135°の方位を向くように配置される。第4位相差板RF4は、第3位相差板RF3の上に蒸着もしくはコーティングによって形成される。
このような構成により、第1光学素子OD1は、所定の楕円率を有する略直線偏光あるいは楕円偏光に変換する機能を有している。また、第2光学素子OD2は、第1光学素子OD1と液晶表示パネルLPNとを透過した光の楕円率と略同等の楕円率(>0.7)を有する楕円偏光に変換する機能を有している。
《第3位相差板による視野角補償》
次に、上述した第1実施形態及び第2実施形態において適用した第3位相差板RF3の機能について説明する。
すなわち、第3位相差板RF3は、その遅相軸D3が第1偏光板51の吸収軸A1に対して平行となる方位(例えば90°の方位)あるいは直交となる方位(例えば0°の方位)に設定される。このような第3位相差板RF3は、第1偏光板51の吸収軸A1と第2偏光板52の吸収軸A2とが直交するような構成の場合において、偏光板の視野角特性を改善する機能を有している。
すなわち、この実施の形態で適用される偏光板は、図6に示すようなコントラスト比の視野角依存性を有している。
ここで、図6においては、中心が液晶表示パネルLPNの法線方向に相当し、法線方向を中心とした同心円は、法線に対する倒れ角度(視角)が20°、40°、60°、及び、80°に相当する。ここで示した特性図は、各方位について等コントラスト比の領域を結ぶことで得られたものである。また、後述するコントラスト比の視野角依存性に関するシミュレーション結果についても同様である。
図6に示したように、偏光板の視野角特性においては、全方位について等方的な特性が得られず、45°−225°方位や、135°−315°方位において、視角の増大に伴って急激にコントラストが低下する。第3位相差板RF3は、このような視野角特性を有する偏光板を適用したときに、偏光板の視野角特性を改善する機能を有している。
図7は、Nz係数=1.0の第3位相差板RF3、Nz係数=0.5の第3位相差板RF3、及び、Nz係数=0.1の第3位相差板RF3を、それぞれ遅相軸D3が第1偏光板51の吸収軸A1に平行となるように配置し、第2偏光板52の吸収軸A2と90°の角度をなすように配置した場合の偏光板の視野角特性をシミュレーションした特性図である。なお、これらのシミュレーションでは、第3位相差板RF3のNz係数以外の条件は全て同一とした。
図7より明らかなように、第3位相差板RF3のNz係数としては、略0.5が好ましい。これにより、偏光板の視野角依存性が改善され、ほぼ全方位でコントラスト比(CR)500:1以上が得られる。なお、第3位相差板RF3の遅相軸D3が第1偏光板51の吸収軸A1と平行もしくは直交に配置されているため位相差は発生しない。そのため、第3位相差板RF3の位相差値については特に限定されない。
《第2光学素子における法線位相差の最適化》
次に、上述した第1実施形態及び第2実施形態において適用した第2光学素子OD2の法線位相差Rthの最適範囲について検討する。この第2光学素子OD2の法線位相差Rthは、図3に示した第1実施形態においては第4位相差板RF4の法線位相差に相当し、また、図5に示した第2実施形態においては第2位相差板RF2及び第4位相差板RF4のそれぞれの法線位相差の総和に相当する。また、第2実施形態において、第2位相差板RF2が1軸の屈折率異方性(つまり、nx>ny=nz)を有する場合には、第2光学素子OD2の法線位相差Rthは、第4位相差板RF4の法線位相差に相当する。
第2光学素子OD2の法線位相差Rth以外は全て同一条件の液晶表示装置についてコントラスト比の視野角依存性をシミュレーションしたところ、図8に示すような結果が得られた。
ここに示したシミュレーション結果から、法線位相差Rthが100nm以上200nm以下である第2光学素子OD2を適用することにより、ほぼ全方位にわたり60°以内の視角範囲においてコントラスト比10:1以上が得られることが確認された。より望ましくは、法線位相差Rthが150nm以上170nm以下である第2光学素子OD2を適用することにより、ほぼ全方位にわたり80°以内の視角範囲においてコントラスト比10:1以上が得られることが確認された。
よって、第2光学素子OD2の法線位相差Rthの最適範囲は、100nm以上200nm以下、より望ましくは150nm以上170nm以下である。このような第2光学素子OD2を適用することにより、第2光学素子OD2を透過した光の偏光状態の視角依存性を、第1光学素子OD1及び液晶表示パネルLPNを透過した光の偏光状態の視角依存性にマッチングさせることが可能となる。
つまり、第1光学素子OD1及び液晶表示パネルLPNを透過した光の楕円率、及び、第2光学素子OD2を透過した光の楕円率は、視角に依存して変化するが、上述した最適範囲の法線位相差を有する第2光学素子OD2を適用することにより、視角にかかわらず、第1光学素子OD1及び液晶表示パネルLPNを透過した光の楕円率と、第2光学素子OD2を透過した光の楕円率とが略同等となる。これにより、特に黒表示時において、高コントラスト比が得られる視野角の拡大が可能となる。
《第1位相差板における液晶分子の平均傾斜角の最適化》
次に、上述した第1実施形態及び第2実施形態において適用した第1位相差板RF1の平均傾斜角の最適範囲について、液晶層LQへの印加電圧と、残留位相差R(LQ)との関係に基づいて検討する。
すなわち、図9に示すように、ホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層LQに対しては、比較的高い電圧(例えば6V)を印加しても残留位相差R(LQ)がゼロにはならない。したがって、液晶層LQの残留位相差R(LQ)を加味した光学補償がなされる。つまり、黒表示のときの最適化を考えると、液晶層LQに比較的高い黒表示用電圧を印加したとき、液晶分子は比較的高チルト角で配向するため、残留位相差値は小さくなる。このように配向した液晶分子に対しては、比較的小さなチルト角でハイブリッド配向した液晶分子を含む第1位相差板RF1によって光学補償がなされる。また、液晶層LQに比較的低い黒表示用電圧を印加したとき、液晶分子は比較的低チルト角で配向するため、残留位相差値は大きくなる。このように配向した液晶分子に対しては、比較的大きなチルト角でハイブリッド配向した液晶分子を含む第1位相差板RF1によって光学補償がなされる。
ここで、第1位相差板RF1の平均傾斜角に着目する。平均傾斜角とは、深さ方向の主屈折率nzが法線方向に対してなす角度として定義し、簡易的には〔(高チルト角+低チルト角)/2+低チルト角〕で与えられる値として定義する。上述した第1位相差板RF1において、例えば、図3に示したように、「高チルト角」とはハイブリッド配向した液晶分子のうちアレイ基板主面に対して最も大きな傾きを持って立ち上がった液晶分子61Bのチルト角(主面に対する傾き)に相当し、また、「低チルト角」とはハイブリッド配向した液晶分子のうちアレイ基板主面に対して最も小さな傾きを持って立ち上がった液晶分子61Aのチルト角に相当する。
液晶層LQの残留位相差値R(LQ)が50nm以上となるような黒表示電圧を設定したとき、このような残留位相差値を有する液晶層LQの光学補償に必要な第1位相差板RF1の液晶分子の平均傾斜角は35度以上である。このような設定により、比較的低電圧駆動が可能となり、汎用性の高い低コストの駆動回路を適用することが可能である。
《第1実施形態に相当する実施例1及び比較例1乃至3の説明》
まず、実施例1の構成について説明する。基本構成は、図3に示した通りである。
液晶表示パネルLPNについて、液晶層LQは、ホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶組成物で構成されており、例えば、液晶組成物としてMJ041113(メルク社製、Δn=0.065)を適用した。このとき、液晶分子40のダイレクター(液晶分子の長軸方向)は、アレイ基板AR側の配向膜20のラビング方向によって規制され、X軸に対して45°の角度をなすように設定した。また、液晶層LQにおけるギャップは4.5μmに設定した。なお、黒表示を実現するために液晶層LQに印加する黒表示用電圧は4.0(V)に設定され、この時、液晶層LQの残留位相差値R(LQ)は60(nm)であった。
液晶分子40に起因する複屈折を補償するために、アレイ基板ARの外面に配置すべき第1光学素子OD1について、第1位相差板RF1の遅相軸D1は、225°の方位に設定する。なお、第1位相差板RF1の正面位相差値R(RF1)は、100nmに設定した。また、第1位相差板RF1を構成する液晶分子の平均傾斜角は、35度に設定した。このような第1位相差板RF1としては、NHフィルム(新日本石油(株)製)を適用した。
第2位相差板RF2の遅相軸D2は、135°の方位に設定する。なお、第2位相差板RF2の正面位相差値R(RF2)は、液晶層LQの残留位相差値R(LQ)と第1位相差板RF1の正面位相差値R(RF1)との和に相当するように、160nmに設定した。したがって、R(LQ)+R(RF1)=R(RF2)を満足することになるので、正面の黒表示においては、第1光学素子OD1だけで液晶層LQを光学的に補償できることになる。また、この実施例においては、第2位相差板RF2のNz係数は、1.0に設定した。このような第2位相差板RF2としては、ゼオノア((株)オプテス製)を適用した。
第1偏光板51の吸収軸A1は、90°の方位に設定する。一方、対向基板CT側の外面に配置すべき第2光学素子OD2の第2偏光板52の吸収軸A2は、0°の方位に設定する。
第3位相差板RF3の遅相軸D3は、90°の方位に設定する。また、第3位相差板RF3のNz係数は、0.5に設定した。このような第3位相差板RF3としては、ゼオノア((株)オプテス製)を適用した。第4位相差板RF4は、X−Y平面内に遅相軸を有していないため、他の光学素子との軸角度については特に限定されない。
上述したような実施例1によれば、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションしたところ、図10に示すような結果が得られた。すなわち、等コントラスト比10:1の視野角範囲は、画面のほぼ全方位で160°と十分な広視野角化を実現できていることが確認できた。また、等コントラスト比100:1の高コントラスト領域も全方位について拡大していることが確認できた。
次に、比較例について説明する。ここで説明する比較例1乃至3は、実施例1と同様に、いずれも第1光学素子OD1及び液晶表示パネルLPNを透過した後の光の偏光状態が楕円率<0.1となる略直線偏光となるように構成されている。
比較例1は、実施例1の構成において、第4位相差板を適用せず、第2位相差板RF2のNz係数を1.8から3.0までの範囲で変化させた構成の液晶表示装置である。この比較例1において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションしたところ、図11に示すように、第2位相差板RF2のNz係数をどのように設定しても実施例1と同様な効果が得られないことがわかる。
比較例2は、実施例1の構成において、第4位相差板を適用せず、1軸性の第2位相差板RF2(Nz係数=1.0)を適用した構成の液晶表示装置である。この比較例2において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションしたところ、図12に示すように、等コントラスト比10:1の領域も100:1の領域も非常に狭くなることがわかる。
比較例3は、実施例1の構成において、第3位相差板を適用しない構成の液晶表示装置である。この比較例3において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションしたところ、図13に示すように、特に、等コントラスト比100:1の領域が非常に狭くなることがわかる。
以上のことから、等コントラスト比10:1の領域だけでなく、等コントラスト比100:1の領域も全方位にわたって拡大するためには、第1偏光板51及び第2偏光板52による偏光板の視野角補償として第3位相差板RF3を適用すること、第1光学素子及び液晶表示パネルを透過した光の偏光状態と第2光学素子を透過した光の偏光状態とを視角にかかわらず同等となるように光学補償するために第4位相差板RF4としてネガティブCプレートを適用することを同時に満足する必要がある。
《第2実施形態に相当する実施例2及び比較例4乃至6の説明》
まず、実施例2の構成について説明する。基本構成は、図5に示した通りである。つまり、実施例1と異なるのは、第2位相差板RF2を第2偏光板52と第4位相差板RF4との間に配置し、かつ、第3位相差板RF3を第1偏光板51と第1位相差板RF1との間に配置した点のみであり、軸角度の関係は実施例1と同一である。
上述したような実施例2によれば、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションしたところ、図14に示すような結果が得られた。すなわち、等コントラスト比10:1の視野角範囲は、画面のほぼ全方位で160°と十分な広視野角化を実現できていることが確認できた。また、等コントラスト比100:1の高コントラスト領域も全方位について拡大していることが確認できた。
次に、比較例について説明する。ここで説明する比較例4乃至6は、実施例2と同様に、いずれも第1光学素子OD1及び液晶表示パネルLPNを透過した後の光の偏光状態が楕円率>0.7となる楕円偏光となるように構成されている。
比較例4は、実施例2の構成において、第4位相差板を適用せず、第2位相差板RF2のNz係数を1.8から3.0までの範囲で変化させた構成の液晶表示装置である。この比較例4において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションしたところ、図15に示すように、第2位相差板RF2のNz係数をどのように設定しても実施例2と同様な効果が得られないことがわかる。
比較例5は、実施例2の構成において、第4位相差板を適用せず、1軸性の第2位相差板RF2(Nz係数=1.0)を適用した構成の液晶表示装置である。この比較例5において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションしたところ、図16に示すように、等コントラスト比10:1の領域も100:1の領域も非常に狭くなることがわかる。
比較例6は、実施例2の構成において、第3位相差板を適用しない構成の液晶表示装置である。この比較例6において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションしたところ、図17に示すように、特に、等コントラスト比100:1の領域が非常に狭くなることがわかる。
以上のことから、この実施例2においても、等コントラスト比10:1の領域だけでなく、等コントラスト比100:1の領域も全方位にわたって拡大するためには、第1偏光板51及び第2偏光板52による偏光板の視野角補償として第3位相差板RF3を適用すること、第1光学素子及び液晶表示パネルを透過した光の偏光状態と第2光学素子を透過した光の偏光状態とを視角にかかわらず同等となるように光学補償するために第4位相差板RF4としてネガティブCプレートを適用することを同時に満足する必要がある。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、スイッチング素子Wがnチャネル薄膜トランジスタで構成された例について説明したが、同様の各種駆動信号を発生できる構成であれば、他の構成であっても良い。
また、上述した実施の形態において、第1位相差板RF1は、液晶フィルム層60のみによって構成することが望ましい。すなわち、実施例においては、第1位相差板RF1は、第2位相差板RF2及び液晶表示パネルLPNの外面(つまりアレイ基板ARを構成する絶縁基板10の外面)に接する液晶フィルム層60によって構成されている。NHフィルムのようなハイブリッド配向した液晶分子を含む液晶フィルム層を備えた位相差板は、ベースフィルム上に配向処理を施し、液晶材料を塗布した後に、液晶分子が所定の配向状態を維持した状態で硬化することによって得られる。ベースフィルムとしてはトリアセテートセルロース(TAC)が広く利用されている。しかしながら、ベースフィルム自身が位相差を有しており、良好な光学補償を実現するためにはこのベースフィルムの位相差も加味して補償する必要がある。そこで、上述した実施例のように、ベースフィルムレスのNHフィルムを適用することにより、簡単に光学補償を実現することができる。
また、第2実施形態において、第2位相差板RF2は第2光学素子OD2に含まれているが、第1光学素子OD1に含まれてもよい。その際は、第2位相差板RF2は第1位相差板RF1と第3位相差板RF3との間に配置され、第2位相差板RF2の位相差値R(RF3)及び遅相軸D3の角度は、第2実施形態と同一である。
また、第2実施形態において、第3位相差板RF3は第1光学素子OD1に含まれているが、第2光学素子OD2に含まれてもよい。その際は、第3位相差板RF3は第2位相差板RF2と第2偏光板2との間に配置され、第3位相差板RF3の遅相軸D3は第2偏光板の吸収軸A2と平行もしくは直交の方向に配置される。
図1は、この発明の一実施の形態に係る液晶表示装置の構成を概略的に示す図である。 図2は、図1に示した液晶表示装置の断面構造を概略的に示す図である。 図3は、図2に示した液晶表示装置に適用可能な第1実施形態の第1光学素子及び第2光学素子の構成を概略的に示す図である。 図4は、図3に示した各位相差板の遅相軸の方位及び各偏光板の吸収軸の方位を説明するための図である。 図5は、図2に示した液晶表示装置に適用可能な第2実施形態の第1光学素子及び第2光学素子の構成を概略的に示す図である。 図6は、偏光板の視野角特性を示す図である。 図7は、図3及び図5に示した第3位相差板のNz係数が異なる液晶表示装置についてコントラスト比の視野角依存性をシミュレーションした結果を示す図である。 図8は、図3及び図5に示した第2光学素子の法線位相差Rthが異なる液晶表示装置についてコントラスト比の視野角依存性をシミュレーションした結果を示す図である。 図9は、ホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層への印加電圧と、残留位相差値との関係を示す図である。 図10は、実施例1において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションした結果を示す図である。 図11は、比較例1において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションした結果を示す図である。 図12は、比較例2において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションした結果を示す図である。 図13は、比較例3において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションした結果を示す図である。 図14は、実施例2において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションした結果を示す図である。 図15は、比較例4において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションした結果を示す図である。 図16は、比較例5において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションした結果を示す図である。 図17は、比較例6において、コントラスト比の視野角依存性をシミュレーションした結果を示す図である。
符号の説明
LPN…液晶表示パネル、AR…アレイ基板、CT…対向基板、LQ…液晶層、OD1…第1光学素子、OD2…第2光学素子、51…第1偏光板、RF1…第1位相差板、RF2…第2位相差板、52…第2偏光板、RF3…第3位相差板、RF4…第4位相差板、BL…バックライトユニット、PX…画素

Claims (7)

  1. 互いに対向して配置された第1基板と第2基板との間にホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層を保持した液晶表示パネルと、
    前記液晶表示パネルの一方の外面に設けられ、第1偏光板と、前記第1偏光板と前記液晶表示パネルとの間に配置されその進相軸及び遅相軸を透過する所定波長の光の間に所定の位相差を与えるとともにネマティック液晶分子を法線方向に沿ってハイブリッド配向した状態で固定化させた第1位相差板と、前記第1偏光板と前記第1位相差板との間に配置され1軸または負の2軸の屈折率異方性を有する第2位相差板と、を有する第1光学素子と、
    前記液晶表示パネルの他方の外面に設けられ、第2偏光板と、前記第2偏光板と前記液晶表示パネルとの間に配置され2軸の屈折率異方性を有する第3位相差板と、前記第3位相差板と前記液晶表示パネルとの間に配置されネガティブCプレート相当の屈折率異方性を有する第4位相差板と、を有する第2光学素子と、を備え、
    前記第1光学素子及び前記液晶表示パネルを透過した光の偏光状態は、前記第2光学素子を透過した光と略同一の楕円率を有する直線偏光であることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 互いに対向して配置された第1基板と第2基板との間にホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層を保持した液晶表示パネルと、
    前記液晶表示パネルの一方の外面に設けられ、第1偏光板と、前記第1偏光板と前記液晶表示パネルとの間に配置されその進相軸及び遅相軸を透過する所定波長の光の間に所定の位相差を与えるとともにネマティック液晶分子を法線方向に沿ってハイブリッド配向した状態で固定化させた第1位相差板と、前記第1偏光板と前記第1位相差板との間に配置され2軸の屈折率異方性を有する第3位相差板と、を有する第1光学素子と、
    前記液晶表示パネルの他方の外面に設けられ、第2偏光板と、前記第2偏光板と前記液晶表示パネルとの間に配置され1軸または負の2軸の屈折率異方性を有する第2位相差板と、前記第2位相差板と前記液晶表示パネルとの間に配置されネガティブCプレート相当の屈折率異方性を有する第4位相差板と、を有する第2光学素子と、を備え、
    前記第1光学素子及び前記液晶表示パネルを透過した光の偏光状態は、前記第2光学素子を透過した光と略同一の楕円率を有する楕円偏光であることを特徴とする液晶表示装置。
  3. 前記第1偏光板の吸収軸と前記第2位相差板の遅相軸とのなす角度が略45度に設定され、
    前記第1位相差板の遅相軸と前記液晶層に含まれる液晶分子のダイレクターとが略平行に設定され、
    前記第1位相差板の遅相軸と前記第2位相差板の遅相軸とのなす角度が略90度に設定され、
    前記第2偏光板の吸収軸と前記第3位相差板の遅相軸とは略直交することを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第2光学素子は、150nm〜170nmの法線位相差Rthを有することを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  5. 前記第1位相差板において、液晶分子の平均傾斜角が35度以上に設定されたことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  6. 前記第3位相差板は、その面内での互いに直交する方位の屈折率をそれぞれnx及びnyとし、その法線方向の屈折率をnzとしたときに、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で与えられるNz係数が0.5に設定されたことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  7. さらに、前記第1光学素子側から前記液晶表示パネルを照明するバックライトユニットを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
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