本発明の他の態様、目的、および利点は、次の詳細な説明から明白になる。
本発明のスキャニング・ビーム・システムには、一般に、スキャニング・ビーム・デバイスと、そのスキャニング・ビーム・デバイスを制御するベース・ステーションとが含まれる。本発明のスキャニング・ビーム・デバイスは、さまざまな形をとることができるが、通常は、堅いまたは柔軟な内視鏡、カテーテル、ファイバスコープ、顕微鏡、ボロスコープ、バー・コード・リーダー、イメージ・ディスプレイ、またはイメージを生成するか目標区域のイメージを獲得する他のデバイスの形である。本発明のスキャニング・ビーム・デバイスは、使用を限定されたデバイス(たとえば、使い捨てデバイス)または複数回使用デバイスとすることができる。デバイスが、医療用である場合に、スキャニング・ビーム・デバイスは、一般に、滅菌であり、滅菌可能であるまたは使用のための密封パッケージで供給されるのいずれかである。
本発明のスキャニング・ビーム・デバイスには、光のビームを目標区域にスキャンするスキャニング要素が含まれる。このスキャニング要素には、好ましくは、単一の片持ちにされた光ファイバが含まれるが、他の実施形態では、このスキャニング要素が、微小電気機械システム(MEMS)などのミラー、検流計、ポリゴン、互いに関して相対的に移動される複数の光学要素、または類似のものの形をとることができる。残りの議論は、身体内の目標部位のイメージを獲得するのに使用される柔軟なスキャニング・ファイバ内視鏡に焦点を合わせるが、本発明が、他の前述のデバイスをも含むことを諒解されたい。
図1に、本発明に含まれるスキャニング・ビーム・システム10を概略的に示す。スキャニング・ビーム・システム10には、ベース・ステーション12とスキャニング・ビーム・デバイス14が含まれる。スキャニング・ビーム・デバイス14には、ベース・ステーション上の入力インターフェース18と嵌合するように構成されたコネクタ部材16が含まれる。入力インターフェース18へのコネクタ部材16の結合によって、ベース・ステーション12の要素とスキャニング・ビーム・デバイス14の対応する要素との間の電力経路、駆動経路、検出器経路、照明経路、および/またはデータ通信経路が作成される。ベース・ステーション12上の入力インターフェース18は、異なる特性を有する複数の異なる互換のスキャニング・ビーム・デバイス14を受け、操作するように構成することができる。スキャニング・ビーム・デバイスの異なるモデルを利用できることは、オペレータに、イメージ獲得であれイメージ表示であれ、特定の手順の必要を最もよく満足するデバイスを使用する能力を与える。
本発明のベース・ステーション12には、通常、コントローラ20が含まれ、このコントローラ20は、スキャニング・ビーム・デバイス14の作動やイメージの生成を制御できるゲート・アレイ(図示せず)を含めることができる、1つもしくは複数のマイクロプロセッサおよび/または1つもしくは複数の専用エレクトロニクス回路を有する。コントローラ20には、スキャナ駆動エレクトロニクス、検出器増幅器、A/Dコンバータ(図示せず)も含めることができる。コントローラ20内のプロセッサは、メモリ24に保管されたソフトウェア・モジュールから命令を受け取ることができる。当業者が諒解するように、本発明の方法は、ソフトウェア・モジュールによっておよび/またはコントローラ内のエレクトロニクス・ハードウェアによって実行することができる。
コントローラ20は、通信バス(図示せず)を介して、ベース・ステーション12内の複数の要素と通信する。図1の単純化された構成では、通信バスは、コントローラ20、電源22、メモリ24、ユーザ・インターフェース26、光源28、1つまたは複数のディスプレイ30、較正チャンバ33内の感光性位置センサ31の間の電気通信を可能にする。任意選択として、スキャニング・ビーム・デバイス14に検出アセンブリが含まれる場合に、ベース・ステーション12に、別々のイメージ・ストレージ・デバイス32を含めることができる。代替実施形態では、イメージ・ストレージ・デバイス32を、単純にメモリ24内の1モジュールとすることができる。諒解できるとおり、本発明のベース・ステーション12は、変化させることができ、より少数またはより多数のモジュールを含めることができる。参照を簡単にするために、ベース・ステーションの他の普通の要素、たとえば、増幅器、D/Aコンバータ、A/Dコンバータ、類似のものは、図示されていないが、当業者は、本発明のコントローラにそのような要素を含めることができることを認めるであろう。
光源28は、光の連続ストリーム、変調された光、または光パルスのストリームを発するように構成される。ベース・ステーション12に、異なる照明能力を有する異なるスキャニング・ビーム・デバイスを操作できるようにするために、複数の異なる光源28を含めることができる。光源28には、赤光源、青光源、緑光源(本明細書では集合的に「RGB光源」と称する)、IR光源、UV光源、および/または高輝度レーザー源(通常は治療スキャニング・ビーム・デバイス用)のうちの1つまたは複数を含めることができる。光源28自体は、第1モード(たとえば、連続ストリーム)と第2モード(たとえば、光パルスのストリーム)との間で切替可能になるように構成することができる。コントローラ20によって利用可とされる光源28は、接続されたスキャニング・ビーム・デバイス14の能力とメモリ24または76に保管された制御ルーチンの能力に依存する。参照を簡単にするために、光源内の他の普通の要素は、図示されていない。たとえば、RGB光源が使用される場合に、光源に、光が導波路38に入る前に異なる周波数の光を組み合わせるコンバイナを含めることができる。
メモリ24は、ベース・ステーションと、そのベース・ステーション12に互換性のあるさまざまなスキャニング・ファイバ・デバイス14とを操作するソフトウェア・モジュールやアルゴリズムを保管するのに使用される。スキャニング・ビーム・デバイス14を制御するのにコントローラ20によって使用されるソフトウェアは、通常、接続されたデバイスの動作パラメータ(たとえば、共振周波数、電圧限度、ズーム能力、カラー能力など)と一致するように構成可能である。上で注記したように、メモリ24は、スキャニング・ビーム・デバイスの検出器44から受け取られたイメージ・データを保管するのにも使用することができる。
ユーザ・インターフェース26には、ベース・ステーションとスキャニング・ビーム・デバイス14のオペレータ・コントロールが含まれる。ユーザ・インターフェース26には、キーボード、ボタン、スイッチ、ジョイスティック、マウス、タッチスクリーン、その他の類似のものを含めることができる。ユーザ・インターフェース26は、ベース・ステーション12に結合されたスキャニング・ビーム・デバイスの能力に合わせるためにコントローラ20によって構成可能とすることができる。
本発明のスキャニング・ビーム・デバイス14には、通常、光のビームを目標区域36上でスキャンするスキャニング要素34が含まれる。導波路38は、照明を光源28からスキャニング要素34に送る。駆動アセンブリ40は、スキャニング要素34に結合され、コントローラ20から受け取られた駆動信号に従ってスキャニング要素34をスキャンするように適合される。駆動アセンブリ40は、通常、スキャニング要素34をその共振周波数でまたはその近くで1次元または2次元で(たとえば、通常は、共振周波数からQ係数以内で、図1Aを参照されたい)駆動させる。諒解できるとおり、スキャニング要素34は、実質的に共振周波数で駆動される必要はないが、スキャニング要素がその共振周波数でスキャンされない場合には、より大量のエネルギが、スキャンに関する所望の角変位をもたらすのに必要である。
図2に示されているように、駆動アセンブリ40によって駆動される時に、スキャニング要素34は、照明のビーム41をスキャンさせ、目標区域36上にスポットを形成する(この「スポット」を、本明細書では「照明スポット42」と称する)。スキャンされた照明スポット42を使用して、目標区域36上にイメージを作成することができ、あるいは、目標区域36から反射された、スキャンされた照明スポット42からの光を、検出アセンブリ44によって取り込むことができ、この集められた光を使用して、目標区域36のリアル・タイム・イメージを生成することができる。
図2、3に示されているように、好ましい実施形態では、スキャニング要素34は、片持ちにされた光ファイバの形である。本発明の光ファイバ50は、所望の寸法と断面形状を有する。光ファイバ50は、デバイスの所望の特性に応じて、対称断面プロファイルまたは非対称断面プロファイルを有することができる。丸い断面を有する光ファイバ50は、すべての2つの直交軸に関して実質的に同一の共振特性を有するが、非対称断面(たとえば、楕円)を有する光ファイバは、主軸と副軸に関して異なる共振周波数を有する。それに加えてまたはその代わりに、光ファイバ50を先細りにすることができる。この先細りは、線形または非線形とすることができる。諒解できるとおり、先細りのタイプは、光ファイバの軸に関する異なるスキャニング・パラメータを達成する。
光ファイバ50には、近位部分52と、遠位チップ56を含む遠位部分54とが含まれる。光源28からの光は、ほとんどの実施形態で光ファイバの近位部分52である導波路38に入り、遠位チップ56から出る。光ファイバ50は、通常は、片持ちにされるために、光ファイバの少なくとも1つの点に沿って固定される。遠位部分54は、スキャニング要素として働くために、自由に偏向することができる。光ファイバの遠位部分54の偏向を達成するために、光ファイバ50は、駆動アセンブリ40に結合される。1つの好ましい実施形態では、駆動アセンブリは、光ファイバを2次元で偏向させることができる圧電アセンブリである。好ましいドライブ・アセンブリは、圧電アセンブリであるが、代替実施形態では、駆動アセンブリ40に、永久磁石、電磁石、静電気駆動機構、音波駆動機構、電気機械駆動機構、または類似のものを含めることができる。
コントローラ20からの駆動信号は、駆動アセンブリ40に電力を送る。駆動信号の電流と電圧は、圧電駆動アセンブリに、光ファイバ50の遠位チップ56を少なくとも1つの次元(好ましくは2次元)で所望のスキャン・パターンで偏向させる。さまざまな異なるスキャン・パターンを、駆動信号によって実施することができる。本発明に含まれる1つの好ましい2Dスキャン・パターンは、螺旋スキャン・パターンである。この螺旋スキャン・パターンは、振幅変調される水平正弦波振動駆動信号と垂直正弦波駆動信号とを同期化することによって作成される。通常、水平駆動信号と垂直駆動信号は、それらの間の90°位相シフトを伴って駆動される。諒解できるとおり、この螺旋スキャン・パターンは、スキャン・パターンの1つの例にすぎず、回転プロペラ・スキャン・パターン、ラスタ・スキャン・パターン、直線パターン、その他の類似のものなどの他のスキャン・パターンを、本発明によって使用して、目標区域上で照明スポットをスキャンすることができる。
遠位部分54を、さまざまな異なる周波数で駆動することができるが、光ファイバの遠位チップ56の偏向は、通常、実質的に、光ファイバの片持ちにされた部分54の機械的なまたは振動の共振周波数(または共振周波数の高調波)で実行される。諒解できるとおり、望まれる場合に、光ファイバ50を、非共振周波数で駆動することもできるが、通常は共振周波数からQ係数以内で駆動される。諒解できるとおり、光ファイバ50と駆動アセンブリ40との間の接続の点や光ファイバ50の他の物理的プロパティは、光ファイバ50を共振でまたはその近くで駆動するのに必要な駆動信号の周波数に影響する。したがって、すべての製造変動は、同一モデル・タイプに関するものであっても、通常、光ファイバの遠位部分54の共振周波数などの、デバイスの特性の変動を引き起こす。
図3に、本発明の柔軟なファイバ・スキャニング内視鏡/カテーテル14’の特定の実施形態を示す。図示の実施形態では、ファイバ・スキャニング内視鏡/カテーテル・デバイス14’に、スキャンニング・ビーム・デバイスの構成要素を収納する柔軟で実質的に円筒形の本体60が含まれる。駆動アセンブリ40は、光ファイバ50の一部の周囲に結合され、1つまたは複数のカラー61によって本体から離された、円筒形圧電圧電セラミック駆動アセンブリの形である。圧電駆動アセンブリ40は、通常、光ファイバを少なくとも2つの次元で共振させるように構成される。駆動アセンブリ40は、リード62を介してコントローラ20内の駆動エレクトロニクスから供給される駆動信号によって駆動される。1つの構成で、駆動アセンブリ40には、5本のリードすなわち、+xリード、−xリード、+yリード、−yリード、接地リードが含まれる。
検出アセンブリ44には、ハウジング60内またはハウジング60上に位置決めされた1つまたは複数の検出器を含めることができる。検出アセンブリ44には、リード64を介してコントローラ20の検出回路またはコントローラ20の別の部分と通信する1つまたは複数の検出器が含まれる。検出器は、本体60上または本体60内のどこにでも配置することができ、目標区域36から反射された後方散乱された光を取り込むために光ファイバ50の遠位部分54に近接して位置決めすることができる。図示の実施形態では、検出器は、ハウジング60の遠位端に位置決めされる。
検出アセンブリ44に、目標区域から反射された光を受け取るさまざまな異なる検出器タイプを含めることができる。たとえば、本体60内の検出器アセンブリに、リード64を介してベース・ステーション12に伝えられる電気信号を作る光検出器(フォトデテクターなど)を含めることができる。代替案では、検出アセンブリ44に、目標区域から反射された光をベース・ステーション12内の光検波器に透過させる1つまたは複数のコレクタ・ファイバ(図示せず)を含めることができる。
検出器は、光ファイバ50に対して相対的に静止したものとすることができ、あるいは、検出器を、光ファイバ50の一部とすることができる。検出器応答は、コントローラを介して駆動信号に同期化され、所与の時点に照明スポット42に対応する目標区域36の小さい部分の明るさを判定するのに使用される。目標区域36から反射された光を、検出アセンブリ44によって集めることができ、その光自体(コレクタ・ファイバを介して)または集められた光に対応する電気信号(光検波器を介して)を、処理のためにコントローラ20および/またはメモリ24(もしくはイメージ・ストレージ・デバイス32)に送り返すことができる。
理論的には、モノクロームすなわち白黒のイメージを生成するために後方散乱された光を取り込むのには、単一の光検出器だけが必要である。フル・カラー・イメージを生成するためには、3つの光検出器を使用することになる。光検出器のそれぞれを、異なる色をフィルタリングする(たとえば、青、緑、または赤の光透過)ように構成することができる。そのような検出器を、本明細書ではRGB検出器と称する。シリコン・ベースの半導体フォトダイオード(Si−PINタイプなど)が、その高い感度、低いコスト、小さいサイズ、高い速度、頑丈さのゆえに、可視光や近IR光の検出に有用である。InGaAs材料フォトダイオードなどのフォトダイオードは、IR光検出を使用する本発明の実施形態に有用である。本統合光スキャニング技法の解像度は、光検出器のサイズと個数に依存しないので、望まれる場合に、光検出器を、信号レベルの向上と信号レベル間の弁別のために、光ファイバ50の遠位端に近接する使用可能な空間のほとんどまたはすべてに配置することができる。
図3に示されているように、本発明のスキャニング・ファイバ・デバイス14に、イメージング光の焦点を合わせるために1つまたは複数のレンズ70を含めて、よりよい解像度と改善されたFOVを実現することができる。一実施形態で、1つまたは複数のレンズは、ハウジングの遠位端に配置される。これらのレンズは、ハウジングに固定して結合することができ、あるいは、これらのレンズは、ハウジング内で互いに関して相対的に可動とすることができる。他の実施形態では、レンズ70は、光ファイバの遠位端56に結合され、光ファイバの遠位端56と共に移動し、方位を変更する。レンズの任意の組合せを、本発明のデバイス内で使用して、スキャニング・ファイバ・デバイスの光学プロパティをもたらすか調整することができる。たとえば、レンズを使用して、焦点面を調整する、光を視準する、FOVを変更する、解像度を変更するなどを行うことができる。
諒解できるとおり、スキャニング・ビーム・デバイス14’のレンズの異なる組合せは、達成可能な視野(FOV)に影響する。しかし、本発明のスキャニング・ビーム・デバイス14は、一般に、5kHzスキャン周波数で約1°と約90°との間のFOVを有する直線スキャン・パターンを実現することができる。円形2Dスキャン・パターンについて、本発明は、約1°と約90°との間のFOVを実現することができる。諒解できるとおり、レンズ70のタイプ、レンズ70の位置、光ファイバの寸法、駆動/作動アセンブリ、スキャニング・ファイバ・デバイスの他の動作パラメータの変動は、このデバイスの視野と他の特性を変更する。
図3に示されているように、圧電駆動アセンブリ40からのリード62、検出器(またはコレクタ・ファイバの近位端)からのリード64、導波路38は、近位に、遠位円筒形ハウジング60から柔軟なケーブル74内に延びる。リード62、64と導波路38の近位端は、ケーブル74の近位端に配置されたコネクタ部材16内に延びる。コネクタ部材16が、ベース・ステーション上のインターフェース18と嵌合される時に、リード62、64と導波路38との適当な接続が行われて、それぞれベース・ステーション12とスキャニング・ビーム・デバイス14’との間の電力経路、検出器経路、データ経路、照明経路、他の通信経路が作成される。
図2、3には示されていないが、本発明のスキャニング・ビーム・デバイス14のハウジング60には、任意選択で、ハウジングを体内管腔を介して目標区域に進める能力を改善するために、偏向可能遠位チップ部分を含めることができる。ハウジング60の遠位チップ部分を偏向させる機構には、遠位チップを作動させる1つまたは複数のワイヤまたは電気的手段を含めることができる。そのような偏向機構(または偏向機構へのリード)も、ハウジング60、柔軟なケーブル74を介してコネクタ部材16まで延びることができる。
本発明のデバイスは、デバイスによって変化する複数の異なる特性を有する。特定の手順に使用されるデバイスのタイプは、通常、イメージング手順の要件に依存する。たとえば、より小さい体内管腔には、より小さいハウジングとケーブルが必要になる。したがって、検出器、レンズ、ハウジングのサイズ、個数、タイプ、さらには最大偏向が、より大きいスキャニング・ビーム・デバイスと異なる可能性が高い。異なるスキャニング・ビーム・デバイス14の能力と構成要素の相違は、特定のデバイス14について、駆動信号の生成、イメージの構築などを行う異なる制御ルーチンを必要とする。正しい制御ルーチンが、選択されたカンニング・ビーム・デバイス14に使用されない場合に、ベース・ステーションは、そのスキャニング・ファイバ・デバイス14を正しく操作することができず、スキャニング・ファイバ・デバイスのすべての能力を使用できない場合がある。
ベース・ステーション12とスキャニング・ファイバ・デバイス14を正しく操作する能力を与えるために、不揮発性メモリなどのメモリ76を、本発明の異なるスキャニング・ビーム・デバイス14のそれぞれに組み込むことができる。メモリ76は、さまざまな形をとることができるが、通常は不揮発性メモリである。不揮発性メモリには、フラッシュ・メモリ、EEPROM、不揮発性RAM、バッテリ・バックアップRAM、磁気データ・ストレージ、EPROM、PROM、ROM、または類似のものが含まれるが、これらに限定はされない。
不揮発性メモリ76は、スキャニング・ファイバ・デバイス14のどこにでも配置することができる。たとえば、図3に示されているように、メモリ76を、コネクタ部材に組み込むことができる。代替案では、このメモリを、ハウジング60の一部に、またはケーブル74の任意の部分に組み込むことができる。
インターフェース18とのコネクタ部材16の接続の際に、電源22からの電力が、コントローラ20と不揮発性メモリ76との間のデータ経路を作成するために、メモリ76にエネルギを与える。諒解できるとおり、インターフェース18とのコネクタ部材16の接続は、下で説明するように、他の接続も作成する。
ベース・ステーション12の構成に応じて、メモリ76に、さまざまな異なるデータを含めることができる。たとえば、最も単純な実施形態では、一意識別子をメモリ76に保管することができる。一意識別子は、ルック・アップ・テーブルからのデータの一部分を参照することができ、ルック・アップ・テーブルのデータのその部分には、スキャニング・ファイバ・デバイスの関連パラメトリック・データが含まれる。一意識別子は、任意の識別する要素とすることができるが、通常は、デバイスの一意の通し番号である。ベース・ステーションへのデバイス14の接続時に、メモリ76から一意識別子を読み取るように、コントローラ20をプログラムすることができる。まず、コントローラは、メモリ76からの一意識別子を識別子のデータベースと比較して、その識別子が許容可能であり、ベース・ステーションと互換であるかどうかを判定する。一意識別子がルック・アップ・テーブル内で見つかる場合には、その後、ルック・アップ・テーブルまたはデータベースにアクセスし、そこからパラメトリック・データを読み取って、デバイス14の制御ルーチンを生成し、構成するように、コントローラ20をプログラムすることができる。
一意識別子(および一意識別子に関連する関連する動作パラメータ)のデータベースは、メモリ76またはメモリ24にローカルに保管することができ、あるいは、リモート・サーバに保管することができる。ベース・ステーション12は、ネットワーク接続(図示せず)を有することができ、その結果、コントローラ20が、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、またはインターネットなどのネットワークを介してこのデータベースにアクセスできるようになる。メモリ24に一意識別子のデータベースが含まれる場合であっても、ネットワーク接続を使用して、メモリ24に保管されたデータベースを更新することができる。有利なことに、新しいデバイスが製造される時に、製造業者は、新しいデバイス識別子および関連するパラメトリック・データを含むように、このデータベースを更新することができる。
一意識別子に加えてまたは一意識別子の代替案として、デバイスのパラメトリック・データをメモリ76に含めることができる。デバイスが互換であると判定される時に、コントローラは、メモリ76上のパラメトリック・データを使用して制御ルーチンを生成するか再構成することができる。ベース・ステーションへのデバイス14の接続時にメモリ76からパラメトリック・データをダウンロードし、そのパラメトリック・データをメモリ24に一時的に(または永久的に)保管するように、コントローラ20をプログラムすることができる。このパラメトリック・データを、アルゴリズムに入力することができ、デバイス14の制御ルーチンを、コントローラ20によって生成することができる。
メモリ76または24でパラメトリック・データを供給することは、複数の利点を有する。第1に、すべてのパラメトリック・データをメモリに保管させることによって、製造公差を緩和することができる。特定のモデルのすべてのデバイスが特定の特性(たとえば、共振周波数)と一致することを要求するのではなく、本発明のデバイスを、ゆるめられた公差を使用して製造することができる。特性が所定の判断基準に一致するか否かを判定するために、製造されたデバイスをテストする(および、潜在的に、デバイスがその判断基準を満足するまでデバイスを再製造する)のではなく、デバイスをテストして、共振周波数を判定することができ、デバイス固有データをメモリ76に保管することができる。その後、コントローラは、このデバイス固有データを使用して、デバイスの共振周波数と実質的に一致する制御ルーチンを生成することができる。第2に、デバイス14内にメモリ76を有することは、各イメージング手順を実行する前のセットアップ時間を減らす。というのは、スキャニング・ファイバ・デバイスの特定のパラメータに、ベース・ステーション12のコントローラ20によって自動的にアクセスできるからである。時間のかかるフル較正セットアップ・ルーチンを実行してデバイスのパラメータと能力を判定するのではなく、より短い較正ルーチンを実行することができ、これによって、手順の全体的な時間が減る。
もう1つの代替案として、パラメトリック・データを含めるのではなく、メモリ76に、デバイス14を操作する実際の制御ルーチン(たとえば、駆動信号、スキャン・パターンなど)を含めることができる。製造中に、デバイスのパラメトリック・データをアルゴリズムに入力して、制御ルーチンを生成することができる。その後、その制御ルーチンを、メモリ76に保管することができ、その制御ルーチンは、ベース・ステーション12に接続された時にコントローラ20によってアクセスされる。望まれる場合に、複数の制御ルーチンをメモリ76に保管することができる。異なる制御ルーチンのそれぞれは、特定の環境条件など、特定の情況に対応するはずである。
メモリ76内のパラメトリック・データのタイプは、ベース・ステーションとデバイスの能力に依存して変化するが、以下は、このメモリに置き、デバイスの制御ルーチンを生成するためにコントローラによって使用できるパラメトリック・データの非限定的なリストである:通し番号、モデル・タイプ、製造日、満了日、駆動アセンブリ特性(たとえば、駆動アセンブリのタイプ、電流限度、電圧限度など)、検出アセンブリ特性(たとえば、検出器のタイプ、検出器の個数、ステレオ能力、カラー能力、検出器応答)、光ファイバ特性(たとえば、材料、直径、長さ、リアル・タイム制御用のパラメトリック・データ)、デバイスの共振周波数、デバイスの共振周波数範囲、ハウジング特性(たとえば、偏向可能遠位チップ、直径、長さ、柔軟性など)、イメージング特性(たとえば、レンズ・パラメータ、レンズの個数、レンズのタイプ、フォーカス能力、ズーム能力)、イメージ訂正(たとえば、歪み訂正、カラー訂正など)、解像度、ディスプレイ・セットアップ情報、治療能力、余分なチャネル、曲げパラメータ、その他の類似のもの。
上にリストされたデータの一部が、コントローラによってどのように利用されるかのいくつかの例を、これから説明する。データの任意の組合せをメモリ76に保管することができ、本明細書で説明するパラメトリック・データまたは制御ルーチンのすべての組合せが、本発明に含まれることを諒解されたい。
1つの構成で、ベース・ステーション12内にオペレータ・コントロールを構成するために、メモリ76上のデータを使用することができる。このデータは、スキャニング・ビーム・デバイスの能力を示すことができ、ユーザ・インターフェース26上のさまざまなオペレータ・コントロールを使用不能するか使用可能にする。
もう1つの構成では、メモリ76に保管されるパラメトリック・データに、光ファイバ50の共振周波数を含めることができる。コントローラ20は、この共振周波数情報を読み取り、それに従って、この共振周波数と一致するように駆動信号と制御ルーチンを再構成することができる。
他の構成では、メモリ76に保管されたパラメトリック・データを使用して、光ファイバ50の共振周波数を判定するための検索範囲を確立することができる。共振周波数は、温度、製造日からの時間などに伴って変化し得るので、メモリ76に、検索の範囲、たとえばXkHz±YkHzを保管することが望ましいであろう。その結果、デバイス14をベース・ステーション12に接続した後に、制御モジュール20は、デバイスの共振周波数を判定するのに、周波数XkHz±YkHz内でそのデバイスを較正するだけになる。周波数の範囲全体を検索するのではなく、較正は、限られた範囲を検索する。その結果、セットアップ時間と較正のステップ数が減る。
メモリ76を使用して、デバイス14の使用を追跡し、制限することができる。メモリ76は、使い捨てデバイスと再利用可能デバイスとの両方に有用である。1つの構成で、メモリ76に、製造日および/または満了日を含めることができる。コントローラ20は、その製造日および/または満了日を読み取ることができ、製造日から所定の長さの時間が経過している場合、または満了日を過ぎている場合には、コントローラがそのデバイスを使用できなくすることができる。
それに加えてまたはその代わりに、メモリ76に、デバイスに関する使用限度を含めることができる。使用限度には、デバイスを使用できる時間の最大の長さ、デバイスをベース・ステーションに結合できる最大の回数、手順の最大回数、または類似のものを含めることができる。そのような実施形態では、コントローラ20は、メモリ76の使用中および/または使用後にメモリ76に書き込むことができる。たとえば、デバイスの使用歴をメモリ76に書き込んで、使用の日付、使用の時刻、デバイスがベース・ステーションに結合された回数、または類似のものを含めることができる。使い捨てデバイスについて、コントローラは、最初の使用の後に、その使い捨てデバイスの後続使用を妨げるはずのデータをメモリ76に書き込むことができる。ベース・ステーションへのデバイス14の再結合の際に、コントローラは、メモリ76上の使用歴を使用限度と比較する。使用歴が使用限度と一致するかこれを超える場合に、コントローラは、そのデバイス14を用いて後続手順が実行されないようにする。
メモリ76に使用データを書き込むことに加えて、コントローラ20は、目標区域のイメージング中またはその後に、メモリ76に追加データを書き込むことができる。たとえば、メモリ76に書き込まれるデータに、デバイスがどれほど長く使用されたか、デバイスのパフォーマンスの質、イメージ構築用の変更されたルック・アップ・テーブル、または類似のもの、デバイスについて計算された共振周波数、または類似のものを含めることができる。その後、メモリ76へのデータの書込は、そのデバイスを用いる後の手順に使用することができる。代替案では、メモリ76に書き込まれたデータを使用して、後の使用におけるデバイスの使用の効率を改善することができる。たとえば、デバイスのパフォーマンスの質が悪い場合に、デバイスが較正チャンバ33内でテストされ、再較正されるまで、コントローラがそのデバイスをもう一度使用するのを防ぐことができる。
図4に、本発明のシステム10によって実行できる構成ルーチンの1つの例を示す。諒解できるとおり、図示のルーチンは、単に例であり、より少数またはより多数のステップを含む他の構成ルーチンを実施することができる。
本発明のセットアップ手順では、デバイス14を、較正されるベース・ステーション12の較正チャンバ33内に置くことができる。ステップ100で、ユーザが、ベース・ステーション12の電源スイッチをアクティブ化し、コネクタ部材16をベース・ステーション12のインターフェース18に接続する。ステップ102で、電力が、ベース・ステーション12からコネクタ部材16に配送されて、メモリ76とベース・ステーションのコントローラ20との間のデータ経路が作成される。ステップ104で、コントローラ20が、メモリ76を読み取って、デバイスを識別し、接続されたデバイスがベース・ステーションに対して互換であるかどうかを判定する。デバイスがベース・ステーションと互換であるかどうかの判定は、当技術分野で既知の任意の方法を使用して実行することができる。通常、SFDとベース・ステーションとの互換性は、通し番号またはモデル番号など、一意のデバイス識別子を介して判定される。一意識別子を、コントローラにダウンロードし、特定のベース・ステーション12と互換であるすべての識別子のルック・アップ・テーブルまたはデータベースと比較することができる。未知のまたは承認されていないスキャニング・ファイバ・デバイスがベース・ステーションに接続されるのを防ぐことによって、患者に対する安全手段がもたらされる。
デバイス14がベース・ステーションと非互換であると判定される場合には、コントローラ20は、エラー・メッセージを生成し、ディスプレイ30に表示するか、他の形でデバイスの非互換性を示し(たとえば、可聴ビープ音)、構成ルーチンは終了する。デバイスがベース・ステーションと互換であると判定される場合には、コントローラは、この構成ルーチンを継続し、追加データをメモリ76または24から読み取る。諒解できるとおり、メモリ76が一意識別子だけを有する場合には、コントローラは、デバイス14の一意識別子に関連する追加データ(たとえば、ルック・アップ・テーブルからのパラメトリック・データ)をメモリ24から読み取る。メモリ76に一意識別子とパラメトリック・データとの両方が含まれる実施形態では、コントローラ20は、追加データ(たとえば、パラメトリック・データ)をメモリ76から読み取る。
ステップ106で、コントローラは、デバイスの製造日および/または満了日を判定し、その日付を実際の日付と比較する。製造日から所定の長さの時間を過ぎている場合、または構成ルーチンの日付が満了日を過ぎている場合には、コントローラは、デバイスが満了したかその使用限度を超えていることを示すエラー信号を生成し、表示する。
ステップ108で、コントローラ20は、メモリ76からデバイス・パラメータを読み取る。通常、メモリ76(またはメモリ24内のルック・アップ・テーブル)に含まれるパラメータは、デバイスの共振周波数またはデバイスの共振周波数「範囲」である。共振周波数範囲が供給される場合に、コントローラ20は、共振周波数範囲内の駆動信号を駆動アセンブリ40に送り、感光性位置センサ31は、デバイス14から発する照明スポットを追跡し、センサ44からの信号に基づいて、コントローラは、そのデバイスの共振周波数であるとコントローラが判定する周波数を自動的に選択することができる。
コントローラ20は、最大電圧限度などの駆動アセンブリ40の特性、ズーム能力、異なる電圧に関連するFOV、デバイスのフォーカス能力、その他の類似のものなどを判定することもできる。
光ファイバとハウジング60の特性も、メモリに保管することができる。これらの特性は、断面寸法、長さ、柔軟性、材料、ハウジングの遠位部分の偏向可能性、または類似のものの任意の組合せを与えることができる。そのような情報を使用して、情報の表示、光制御、または類似のものを変更することができる。
検出アセンブリの特性も、メモリ内で供給することができる。検出アセンブリ特性は、検出器のカラー能力、検出器の個数、検出器のステレオ能力、検出器の位置、または類似のものに関する情報を与えることができる。
メモリに、任意選択として、イメージ再構築のルック・アップ・テーブルまたはアルゴリズムを含めることができる。このテーブルまたはアルゴリズムを使用して、本発明のデバイス14によって表示されるか獲得されるイメージを再マッピングすることができる。代替案では、このテーブルまたはアルゴリズムを使用して、光ファイバをスキャンするのに使用される駆動信号を再マッピングすることができる。このルック・アップ・テーブルとアルゴリズムのより完全な説明は、本願と同時に出願された、本願の所有者が所有する米国特許出願第___号(弁理士整理番号第16336−003000US号)、名称「Remapping Methods to Reduce Distortions in Images」にあり、この特許出願の開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれている。
ステップ110で、パラメトリック・データを使用して、スキャニング手順中にデバイス14とベース・ステーション12を操作するのに使用される制御ルーチンを生成するか再構成する。コントローラが、メモリからのパラメトリック・データを処理し、デバイスのためにカスタマイズされた制御ルーチンを生成し終えた後に、コントローラは、構成ルーチンが完了したことと、デバイスが使用の準備ができていることとを示す、オペレータへのメッセージを生成する。その後、デバイスを、較正チャンバ33から取り外し、目標区域に近接して位置決めする。最小限に侵襲性の医療処置での使用のために、デバイスを、普通の方法を使用して、体内管腔を介して目標区域に進める。イメージのピクセルを、任意選択として一時的にメモリに保管し、イメージ再構築アルゴリズムが、目標区域のイメージを生成するためや、色とイメージひずみを訂正するために適用される。その後、このイメージが、ディスプレイに送られ、任意選択として、メモリ内に永久的に取り込むことができる。
有利なことに、スキャニング・ビーム・デバイス14内のメモリ76上のデータは、デバイスのセットアップ時間を短縮し、ベース・ステーション12が接続されたスキャニング・ファイバ・デバイス14を正しく操作することを可能にすると同時に、スキャニング・ファイバ・デバイスの共振周波数、スキャニング・ファイバの直径などが何であるかに関わりなく、さまざまな他のスキャニング・ビーム・デバイスを操作する能力を与える。さらに、メモリ76は、ベース・ステーションがすべての互換デバイス14を正しく操作することを可能にするので、製造公差を緩和することができ、製造プロセスをより単純にすることができ、製造の全体的なコストを減らすことができる。その結果、スキャニング・ビーム・デバイスの製造と使用に関連する全体的なコストが、劇的に減らされる。
本明細書で説明した例と実施形態が、例示のみのためであることと、それに関したさまざまな修正または変更が、当業者に提案され、本願の趣旨と範囲さらには添付の特許請求の範囲の中に含まれなければならないこととを理解されたい。たとえば、他の実施形態で、本発明のデバイスは、分光光度計、スペクトル・アナライザ、熱検出器、または類似のものなどの追加要素を有することができる。多数の異なる組合せが可能であり、そのような組合せは、本発明の一部と考えられる。