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JP2008543311A - 増幅反応に対する試料の正規化 - Google Patents

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Abstract

本発明は、gDNAの量または細胞溶解物が由来する細胞の数を決定するためのオリゴヌクレオチドプライマー、組成物、方法、およびキットを提供する。本発明は、目的の生物のゲノム内の固有なゲノム配列の検出と増幅に基づいて、試料中のゲノム核酸の量を決定する。本発明を使用して、特定の細胞、細胞型、または生物からの試料を正規化することができ、複数の試料にわたる遺伝子発現の比較のための正確な基礎を提供することができる。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2005年6月15日に出願された米国特許出願第11/152,775号の出願日の利益を享受し、主張する。上記米国特許の全開示を、参照により全体として本明細書に組み込む。
[発明の分野]
本発明は分子生物学の分野に関する。より具体的には、本発明は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術などによる核酸の増幅のために用意された出発材料の量を定量し、正規化することに関する。
[関連技術の説明]
核酸の増幅は、現在、標的配列の分析のための常法であり、標的配列にはゲノムまたはサブゲノム配列および発現遺伝子の配列が含まれる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)がそのような分析を可能にした。実際、多数のPCR技術が種々の核酸の分析用に現在利用することができる。種々の核酸には、ゲノムDNAまたはrRNAなどの安定な核酸または安定に発現する核酸、ならびにmRNAおよび短い制御RNA(例えば、miRNA、siRNA)などの不安定な核酸または一過性の核酸が含まれる。発現した核酸の分析は、生物、組織、ならびに疾病および疾患の進展を研究するのに重要な手段となっており、そのためのPCR技術、例えば、逆転写酵素PCR(RT−PCR)などが発達して、そのような分析が可能となった。
RT−PCRは、試料中のmRNAレベルを分析するために選択する方法である。RT−PCRでは、最初にmRANAを逆転写酵素によりcDNAに複製する。次いで、PCR反応をセットアップする。PCR反応には、少なくとも1つの耐熱性ポリメラーゼ(Taqポリメラーゼなど)、目的のmRNAのための特異的プライマー、デオキシヌクレオチド、および所望される任意の塩または他の成分が含まれる。場合によっては、鋳型mRNAが最初のcDNA鎖合成の間に、またはPCR反応の間に分解される。最初の鎖合成の後、cDNAを加熱により変成させ、二つの鎖に分離する。試料を約50℃から60℃に冷却する。この冷却の間に、特異的なプライマーが標的cDNA上の相補的配列に特異的にハイブリダイズする。標的cDNAの増幅は、約72℃での耐熱性ポリメラーゼによるプライマーの伸長によって達成される。プライマーの伸長後、得られた混合物を約90℃より高温で加熱し、二本鎖生成物を変性させる。プライマーアニーリングと伸長の過程を繰り返す。アニーリング、伸長、および変性のサイクルを、少なくとも検出可能な生成物量が生成するまで実施する。通常、25から35サイクルが実施される。この方法では、標的mRNAの増幅が必要となり、この増幅は配列にエラーを持ち込む可能性があり、標的mRNAの元の量の定量化を困難にさせるものであるが、RT−PCRはmRNAを検出する他の方法、例えばノーザンブロット法、およびRNaseプロテクション法などよりも感度が高い。
発現された核酸の分析を実施する際には、通常、他の核酸に比較して該核酸の発現レベルまたは発現量を理解していることが重要である。この要望は、多くの細胞機能が特定の遺伝子あるいは遺伝子群の遺伝子発現レベルまたは遺伝子発現レベルの変化によって制御されているという認識を反映している。したがって、転写レベルの定量化は、生物学的状態、すなわち転写レベルが細胞維持の基礎レベルにあるのか、または疾患状態にあるのかを理解するのに多くの場合重要である。核酸レベルの定量化は、動物またはヒトの食料源となる試料を含め、試料の汚染を検出する時にも重要である。例えば、動物またはヒトの食料中の感染性微生物あるいは他の危険な微生物の存在を調べる際には、試料中に存在する微生物量を知ることが多くの場合重要である。汚染量を知ることにより、食料生産者および政府規制官庁は、食料が供給プロセスに入る前に食料の安全性に関して決断を下すことができる。しかし、基本的なRT−PCR手順では、他の試料のmRNAに比較して目的試料のmRNAの本来の発現レベルあるいは相対的存在量について正確な結論を引き出すことができない。
リアルタイム定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(QRT−PCR)は、試料中の目的のmRNA量をリアルタイムで決定するのに有用であることが示されている。mRNAレベルを定量することに関して、RT−PCRの欠点に対する取り組みが進んだ。QRT−PCRは、mRNAを検出し、定量化するために現在利用できる最も感度のよい方法であり、マイクロアレイなどの遺伝子発現を測定する他の方法による結果の妥当性を見るために選択する方法となっている。
QRT−PCRは、Taqポリメラーゼを含む特定のポリメラーゼが、それらのポリメラーゼ活性に加えて、5’−3’エキソヌクレアーゼ活性を有するとの発見によって最初に可能になった。この活性は、溶液中あるいは構成ヌクレオチドに消化される場合に、その蛍光が変わるプローブ(すなわち、TaqMan(登録商標)(Applied Biosystems,Foster City,CA)プローブ)を設計するのに最初用いられた。それ以来、他のプローブおよびプライマーは、標的核酸への結合に応じて蛍光変化する利点を活用するように設計された。これらのプローブおよびプライマーの蛍光変化は、標的mRNAの増幅を追跡し、mRNAレベルを定量するのにリアルタイムで利用することができる。例えば、TaqMan(登録商標)、Scorpions、およびMolecular Beaconsは、核酸に結合したとき、あるいは溶液中で遊離しているときに異なる蛍光レベルを示す。TaqMan(登録商標)プローブ、Scorpions、およびMolecular Beaconsは、同一分子上に蛍光部分とクエンチャーの両方を含む。TaqMan(登録商標)プローブは、ポリメラーゼによる分解に依存して検出可能なシグナルを生成するのに対して、ScorpionsおよびMolecular Beaconsは、ヘアピン構造が開くことに依存して検出可能なシグナルを与える。さらに具体的には、TaqMan(登録商標)プローブに関しては、そのプローブが変化していない場合、そのクエンチャーは蛍光ラベルにより生成されるシグナルを消光する。しかし、そのプローブが標的配列と結合して、続いてTaqポリメラーゼ等のポリメラーゼが有する5’−3’エキソヌクレアーゼ活性により消化されると、蛍光部分がクエンチャー部分から解離し、生成した標的核酸量に比例する検出可能なシグナルが生成して、そのシグナルをモニターすることができる。TaqMan(登録商標)プローブと同様に、Scorpionプローブは蛍光部分とクエンチャー部分の両方を単一プローブ上に含む。しかし、TaqMan(登録商標)プローブと異なり、Scorpionsは増幅反応の間に分解されない。むしろ、Scorpionsは増幅反応に対するプライマーとして設計されている。Scorpionプライマーは溶液中でヘアピン構造を形成するように設計されている。その結果、蛍光部分とクエンチャー部分は接近する。このプライマーが標的核酸と結合すると、ヘアピン構造はアンフォールドされ、検出可能な蛍光を放出する蛍光部分から十分離れた距離にクエンチャー部分が移動する。Molecular Beaconsシステムでは、標的核酸に結合するヘアピンプローブが用意される。結合すると、ヘアピンがアンフォールドし、検出可能なシグナルの生成が可能になる。TaqMan(登録商標)プローブと異なり、このプローブは標的配列の増幅で分解されない。さらに、Scorpionsと異なり、Molecular Beaconプローブは、最終産物に組み込まれない。SYBR(登録商標)Green(Molecular Probes,Eugene,OR)システムは、リアルタイムでPCR産物を検出し、定量する簡単でかつ費用効率がよい方法である。SYBR(登録商標)Green色素は、配列非特異的に二本鎖核酸に結合する。したがって、一本鎖鋳型(例えば、mRNA)から生成される二本鎖生成物の検出と定量に用いることができる。Sunrise(商標)プライマーやamplifluorプローブ、およびDNAzymesなどの他の検出可能なプローブやプライマーは、増幅産物の定量的検出に用いられている。
マルチプレックスPCR反応は、現在一般的である。マルチプレックス解析により、実験者が複数のプローブまたはプライマーを用いて1回の反応で2つ以上の異なる標的を測定することができる。これらのプローブまたはプライマーはそれぞれ、それら自体の標的に特異的であり、(他のプローブと比較したとき)独自の波長で発する蛍光部分を含む。マルチプレックス解析は、TaqMan(登録商標)プローブ,Molecular Beacons,およびScorpionsで可能である。非特異的な結合特性により、SYBR(登録商標)Greenは、マルチプレックス解析には適していない。
QRT−PCR反応でのmRNAなどの標的核酸の初期量を定量することは、疾病もしくは疾患、組織の発達、または感染もしくは毒素産生の過程での特定の遺伝子の役割について結論を引き出すのに決定的な意味をもつ。しかし、PCRの標的核酸を定量する現在の方法は、複数の試料にわたって妥当な結論を引き出すのに要求される正確さと再現性を欠いている。これらの技術の欠点は、出発材料の量、あるいはPCR反応の分析に対する対照として用いられるmRNAの選択でのわずかな相違に主として起因する。
より具体的には、QRT−PCR反応などのPCR反応の定量には、通常、二方法のうちの一つが用いられる。すなわち、検量線との比較またはCt値の比較のいずれかである。最初の方法では、特定のmRNAの増幅産物についての検量線を、予め選択された一連の異なる既知量の核酸の増幅に基づいて作成する。次いで、標的核酸で実施した反応の増幅結果を検量線と比較して定量する。この量から、初期試料中の標的量を推定することができる。検量線用のソース(source)としてmRNAを用いるのが好まれている一方で、mRNAの安定性はこのような検量線の妥当性に影響を与えることが知られており、この問題を克服するか、または最小限に抑えるのは難しいことが判っている。検量線のソースとしてmRNAを用いることに関連したこの問題を回避するために、研究者は検量線の作成にDNAを用いた。DNAの使用は、mRNAの使用と関連した問題を克服するが、この問題を回避するということがさらに別の問題を生み出すのが実際である。すなわち、DNA鋳型が比較的安定であり、DNAの増幅が最初の鎖合成段階(これは、非効率的であり、試料または調製物により変動する)を必要としないため、DNAソースから生成される検量線は試験試料中のmRNA量に多くの場合正確に相関しない。
PCR産物を定量するためのCt比較法では、ハウスキーピング遺伝子の発現が、標的核酸の増幅を比較するための標準として用いられる。この方法では、多くの場合、二つの異なった条件下での標的核酸の発現が比較され、発現パターンの変化が測定される。この方法は、RNAの不安定性または古典的な検量線法を用いるときに見られる対照としてのDNAの使用と関連した問題を回避するが、全ての試験試料で同じレベルまたはほとんど同じレベルで発現し、標的核酸と同じ効率または本質的に同じ効率で増幅可能なハウスキーピング遺伝子の選択が要求される。多くの場合、この選択過程は面倒であり、時間のかかるものとなっている。時として、適切なハウスキーピング遺伝子を見つけられず、古典的な検量線法を代わりに用いなければならない場合がある。
最近、PCR産物を定量し、試料中の標的核酸量を決定することを目指して、標的配列と同じPCR反応混合物中で増幅される対照を用いる試みがなされている。これらの対照は、多くの場合、ハウスキーピング遺伝子の転写産物またはrRNA種である。対照を反応混合物に加え、標的核酸とともに増幅する。両方に特異的な蛍光プローブを混合物に入れ、二つの増幅曲線を得る。次いで、対照に対する標的核酸の相対的発現を決定する。この技術を用いて、同じタイプの複数の試料(例えば、生物の発達または疾病もしくは疾患の進行の異なる時点で採取された試料)、または複数の異なるタイプの試料を、同じ対照に戻って参照することで、特定の標的の発現について比較することができる。増幅反応に対照を加えることは、発現レベルを定量する他の方法に対する有用な別法にも、また複数試料にわたってPCR反応を正規化する有用な方法にもなり得るが、増幅反応の混合物中、または元の試料中に存在する材料の絶対量を決定することはできない。むしろ、その結果は、定性的または半定量的であり、ある核酸(例えば、標的)の量を別の核酸(例えば、対照)と比較して推定するに過ぎない。
現況技術を見ると、PCR産物、およびPCR反応のソース材料の量を定量する、新しく、より正確で、かつ再現性のある方法が必要であることは明白である。特に、研究者、臨床医、およびその他の人々が細胞溶解物を含む試料中の細胞数または組織量を評価することを可能にする方法およびプライマーが必要である。この方法は、各種試料タイプに適用でき、多数の標的核酸増幅反応および標的に対して妥当である、再現性かつ信頼性のある標準に基づくものであることが好ましい。
本発明は、核酸増幅反応の出発材料の量を決定するための、および複数試料にわたって出発材料の量を正規化して増幅産物の正確な比較を可能にするためのプライマー、組成物、方法、およびキットを提供することにより当分野でのニーズに応じるものである。増幅産物を定量し、試料を正規化する現在の市販技術は、異なる試料中で必ずしも同量存在するとは限らない核酸の増幅および検出に基づいており、したがって、多くの場合不正確な基準を与える。本発明は、試料中のゲノム核酸量の正確な定量に使用するためのプライマー、方法、および固有な標的ゲノム核酸配列を提供することにより当分野におけるこの欠陥を克服する。この核酸量は、実施形態では、検量線と比較し、核酸が由来した細胞の数を決定できる量、または核酸の相対的な定量のために別の試料と比較できる量である。
種々の遺伝子発現分析技術(マイクロアレイ、PCR、QPCR、およびQRT−PCR)では、核酸の単離が必要とされる。米国特許出願第11/152,773号で開示された固有な溶解緩衝液組成を用いると、RNAを単離せずにQRT−PCRを実施することが可能である。この方法は、細胞の溶解および既知量の細胞を含有する試料からのmRNAの増幅のために当初開発された。未知の細胞数の組織および細胞溶解物に対して、この方法は溶解物中の細胞数または組織量を評価するように改変された。細胞溶解物は、RNA、DNA、タンパク質等を含めて、全ての細胞成分を含有するので、本発明者らは、変動が最小の成分を標準として用いるべきであると結論した。したがって、試料中にあるゲノムDNA量をこの目的のために用いるべきであると結論した。すなわち、本発明者らは、QRT−PCR反応などのPCR反応用の適切な内部対照はゲノムDNAであると気づいた。ゲノムDNAは、それぞれの特定の細胞型または組織型に既知の有限量で存在するだけでなく、比較的安定でもある。PCR試料の定量化および正規化のための内部標準としてゲノムDNAを使用することは、既知配列の外来の核酸を反応混合物へ添加すること等によりPCR反応の「内部」対照を与える当分野での他の試みとは概念的に著しく異なる。
定義上、原核生物あるいは真核生物のあらゆる種は、特定の大きさの安定なゲノムを有する。例えば、ヒトゲノムは23対の染色体を含む2倍体であり、各対は実質上同一の配列を含む。ヒトには22対の常染色体と1対の性染色体(XおよびY)がある。各染色体内の多数の定義できる配列は、(ヒト染色体または他の生物からのゲノムもしくはゲノムの一部にかかわらず)その染色体上または他の染色体上にある他の配列と同一であることは周知である。しかし、各染色体上(その生物の染色体が1つだけであれば、ゲノム上)の固有な配列は同定することができる。本発明は、それらの固有な配列を利用して試料中にあるゲノムDNAを最適に定量化するための標準を提供する。試料中にあるゲノムDNAの定量化により、複数試料または組織にわたっても検査した試料の量(例えば、mRNA発現について分析された細胞の数)を正規化することができるだけでなく、その試料中の標的核酸種(例えば、特定のmRNA)の量を決定する手段も提供することができる。
本発明の例示的な実施形態は、ヒトの配列に関する。しかし、本発明の概念および教示は、ゲノム内に1つまたは複数の固有な配列を有するありとあらゆる生物に適用できることを理解すべきである。本発明の例示的な実施形態では、固有なヒトゲノムDNA配列を、各ヒト染色体上で同定した。これらの固有な配列を増幅するようにPCRプライマーを設計し、合成した。これらのPCRプライマーおよび既知量のヒトゲノムDNAを用いて、Ct値を既知のゲノムDNA量と関係づける検量線を作成した。次いで、未知量のゲノムDNAを含有する試料に対するCt値を、QRT−PCR分析等の分析のために用意された試料中のゲノムDNA量を確定する検量線からのCt値と比較することができる。この対照QPCR反応をQRT−PCRと同時に(1つか2つの試験管による反応形態のいずれかで)実施することにより、増幅されている核酸量を正規化することができる。あるいは、既知の固有なDNA配列を含む既知の同一性のある試料を相対的な標準として用いてもよい。この相対的な標準に対して、他の試料、すなわちmRNAなどの選ばれた核酸を比較して、2つ以上の試料または発現産物の半定量的または定性的比較を行うことができる。
第一の態様では、本発明は、目的の細胞のゲノム中にある固有なゲノム配列を増幅し、検出するための核酸を提供する。実施形態では、固有なゲノム配列は目的の細胞の1つまたは複数の染色体上に存在する。標的固有ゲノム配列の増幅が実施できるようにプライマーは対で提供されるのが好ましい。本発明では、固有なゲノム配列の全部または一部を増幅する、および好ましくは検出する任意のプライマーまたはプローブ、プライマー対、あるいはプライマー/プローブの組合せを考えている。細胞の様々な染色体上の固有な配列に特異的なプライマーを提供することができ、それらの細胞には各種の哺乳類、鳥類、両性類、爬虫類、昆虫、菌類(酵母等)、植物、および原核生物(古細菌を含む)由来の細胞が含まれる。
第二の態様では、本発明は、本発明の1つまたは複数のプライマー、あるいはそのプライマーの1つまたは複数の増幅産物を含む組成物を提供する。上記組成物は、液体(例えば、原液または増幅反応物)または固体(例えば、凍結乾燥精製プライマー)であってもよく、任意の量または濃度のプライマーを含むことができる。例示的な実施形態では、上記組成物は、PCR法(例えば、RT−PCRまたはQRT−PCR)を実施するのに必要な成分等の核酸増幅に必要な成分の一部または全部を含む。
第三の態様では、本発明は、増幅反応で用意される試料量を定量する方法を提供する。一般に本方法は、ゲノム核酸を含有する試験試料を用意すること、上記ゲノム核酸中の1つまたは複数の固有なゲノム配列を増幅すること、および増幅プロフィール(例えば、Ct値)を既知数の細胞(original cell)からの参照試料で実施した反応から得られる増幅プロフィールの検量線と比較し、試験試料のゲノム核酸が由来した細胞の数を決定することを含む。実施形態では、本方法は、目的の核酸配列(すなわち、標的発現配列)に特異的なプライマーとともに増幅反応を実施することをさらに含む。本方法によれば、標的発現配列を増幅する場合、それらの増幅プロフィールを、各試料を得た初期細胞の数に基づいて試料間の出発標的発現配列の量を正規化することにより他の試料の増殖プロフィールと正確に比較することができる。
本発明によれば、DNAを遺伝子発現(例えば、RNA)の相対または比較定量のためのノーマライザー(normalizer)としても用いることができる。未知の(または異なる)投入材料を有する2つ以上の試料中の遺伝子発現レベルを比較するために、DNAを(B2M、GAPDHのような)ハウスキーピング遺伝子の代わりに、またはハウスキーピング遺伝子に加えて、内部ノーマライザーとして用いることができる。QPCR反応(DNA)から得られるCt値は、QRT−PCR反応から得られるCt値の正規化のために用いることができる(例として図30を参照。より詳細は以下に記載)。
第四の態様では、本発明はキットを提供する。 一般に本キットは、本発明の方法を実施するのに必要な成分の一部または全部を含有する。したがって、例えば、本キットが本発明の1つまたは複数のプライマーあるいは1つまたは複数の組成物を含有している場合もある。同様に、本キットが、固有なゲノム配列の増幅、または標的発現配列の増幅のための複数のプライマーもしくはプライマーセットを含有している場合もある。好ましい実施形態では、本発明のキットは予め選択されたゲノムの固有なゲノム配列の一部または全部を増幅する任意のプライマー対を含む。
本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明のいくつかの実施形態を図示し、記載の説明とともに、本発明の実施形態の特定の原理または詳細を説明する役割を果たすものである。
本発明の様々な例示的な実施形態について、これから詳細に参照することにする。以下の詳細な記述は、本発明の様々な例示的な実施形態により十分な説明を与えるものであって、本発明の範囲を限定することを決して意図するものではない。
本発明は、核酸増幅反応の出発材料の量を決定するための、および複数試料にわたって出発材料の量を正規化して増幅産物の正確な比較を可能にするためのプライマー、組成物、方法、およびキットを提供する。特に、本発明は、細胞溶解物が由来した細胞の数または組織の量を決定するためのプライマー、組成物、方法、およびキットを提供する。本発明は、細胞数または単離された核酸もしくは部分的に単離された核酸を含む試料中の核酸量を評価するのにも有用であり得る。さらに、本発明は、mRNAの正規化のために、および染色体分析のために用いることができる。試料の正規化のための現在の市販技術は、試験される異なる試料中に必ずしも同量あるとは限らない核酸の増幅と検出に基づいており、したがって、多くの場合、不正確な結果を与える。本発明は、試料中のゲノム核酸量の正確な定量に使用するためのプライマー、方法、および固有な標的ゲノム核酸配列を提供することにより当分野におけるこの欠陥を克服する。この核酸量は、核酸が由来した細胞の数を決定するために検量線と比較することができる。特定の増幅産物を生成する細胞の総数の知見があると、異なった試料間の様々な発現産物の相対的な存在量を高い確実性をもって決定することができる。
第一の態様では、本発明は核酸を提供する。一般に、この核酸は、目的の細胞のゲノム内にある固有なゲノム配列を増幅し、検出するためのプライマーおよびプローブであり、もしくは生物のゲノム内にある固有な配列を含む核酸である。プライマーには一般に、2つのタイプがある。すなわち、特定の細胞のゲノム中にある固有なゲノム配列に特異的であり、それらの固有なゲノム配列を増幅するのに用いることができるプライマー、および固有なゲノム配列以外の標的配列(例えば、目的のmRNA種)に特異的なプライマーである。プローブは一般に、固有なゲノム配列または固有なゲノム配列以外の標的配列を同定するように設計され、通常、上記の固有なゲノム配列の増幅のためのプライマーと併せて、または上記の標的配列のためのプライマーと併せて設計される。対照的に、固有なゲノム配列を含む核酸は、予め形成されたユニットとして与えられるか、または本発明のプライマーおよび方法を用いて合成されるいずれかの比較的長い核酸である。上記のような予め形成された核酸は、固有なゲノム配列を特異的に増幅する増幅反応の対照として用いることができる。一方、本発明の方法の実施中に合成されるこれらのタイプの核酸は、反応物中、または反応材料が由来した試料中の細胞材料の量を決定するのに用いることができる。
1つの染色体のみを有する生物に適用する場合は、固有なゲノム配列用のプライマーはその染色体上の1つまたは複数の固有な配列に特異的であるように設計する。複数の固有な配列がある場合には、その染色体上の異なる固有な配列それぞれについて特異的な異なるプライマーを設計する。複数の染色体を有する生物に適用する場合は、1つまたは複数の各染色体上の1つまたは複数の固有な配列に特異的であるようにプライマーを設計する。1つより多くの固有な配列がある場合には、選択された各染色体上の異なる固有な配列それぞれに特異的な異なるプライマーを設計する。したがって、2つ以上の染色体を含有する生物については、2つ以上のプライマー、好ましくは2セット以上のプライマー(少なくとも二つのプライマー、上流および下流プライマーを含むセット)を設計することができる。各プライマーまたはプライマーセットを異なる固有なゲノム配列を増幅するために設計する。実施形態では、異なるプライマーセットを異なる染色体上の異なる固有なゲノム配列について設計する(例えば、染色体1上の固有な配列について1つのプライマーセット、染色体2上の異なる固有な配列について別のプライマーセット等)。
PCRプライマーの設計についての標準的な手順および検討によって、標的配列(例えば、目的のmRNA配列)の増幅のためのプライマーを標的配列の配列に基づいて設計することができる。そのようなプライマーの設計および合成は当業者の能力の十分範囲内にあり、その詳細をここで述べる必要はない。
プライマーは、固有なゲノム配列または標的配列の増幅のためのプライマーとしても、増幅反応の検出および/またはモニタリングのためのシグナルの発生源としても機能し得ることに注目すべきである。したがって、ある実施形態ではプライマーは標識化されないが、別の実施形態では蛍光部分などでプライマーは標識化される。標識化プライマーは、Scorpions,Molecular Beacons,Sunrise プライマーなどのQPCR反応に通常使用されるものを含めて、いずれのタイプでもよい。
プローブがプライマーに加えて提供される場合もある。固有なゲノム配列の増幅の検出に用いることができるプローブ(例えば、TaqMan(登録商標)プローブ)は、2つの増幅プライマー間の配列、好ましくは一方のプライマー結合部位の5から15塩基内の配列にハイブリダイズするように設計することができる。そのようなプローブの設計と合成は、当業者の能力の十分範囲内にあり、その詳細をここで述べる必要はない。通常、プローブは、固有なゲノム配列の増幅か、標的配列の増幅かにかかわらず、特定の増幅反応に対するプライマーまたはプライマーセットと併せて反応混合物中に存在する。しかし、プローブは、反応混合物のプライマーまたは他の成分とは分離して、別個の成分として提供される場合もある。
PCR反応で使用するためのプライマーおよびプローブ用の典型的な大きさを有するようにプライマーおよびプローブを設計する。一般に、プライマーは比較的短い(約7から40塩基長)オリゴヌクレオチドであるが、それに対してプローブは、(例えば、TaqMan(登録商標)プローブ)は約30から約150塩基長である。生物のゲノム内の固有な配列の同定または標的核酸上の適切な配列の同定と、それらの配列を増幅および/または検出するための短いオリゴヌクレオチドの設計と、そのオリゴヌクレオチドの合成とを含む工程を考慮してプライマーおよびプローブを設計する。オリゴヌクレオチオドの合成プロトコールは当業者には一般に周知である。任意の適切なプロトコールが本発明のプライマーおよびプローブの合成に使用できる。
好ましくは、プライマーは標的の固有なゲノム配列の増幅が実施できるように対で提供される。プライマーはPCRプライマーに関する標準的な検討で設計することができる。プローブを用いる場合は、そのプローブは、QPCRプローブに関する標準的な検討で設計することができる。QPCRプローブには、これらに限定されないが、以下のものが含まれる。すなわち、C含量がG含量より高いもの、および5’末端がGでないものである。加えて、プライマーとプローブをともに用いる場合には、以下の追加の特徴を、プライマーとプローブを設計するとき考慮に入れることができる。すなわち、プローブの融解温度はプライマーの融解温度より高く、一つのプライマーの3’末端とプローブの5’末端との間の距離は8ヌクレオチドより短い。もちろん、プライマーとプローブについての様々な検討および特徴は、特定のプライマーおよびプローブには当てはまるが、他のものではそうではない。当業者はこれらの検討および特徴を十分承知しており、それらの間から選択して、過度の、または過剰な実験をせずに本発明による適切なプライマーおよびプローブを与えることができる。
本発明によるプライマーは、通常、固有なゲノム配列を増幅するのに対で用いる。したがって、本発明の実施形態によれば、生物由来の固有なゲノム配列を増幅するいずれのプライマー対も本発明での使用に適しており、特に、本発明の方法での使用において適している(以下に詳細に記載)。極めて多数の生物におけるゲノム配列のかなりの部分または全体が公知である以上、多数のプライマー対が過度の実験をせずに当業者により考案され得る。本発明の背景内では、いずれの特定のプライマーについても正確な配列は重要ではない。むしろ、本発明の概念は、固有なゲノム配列に特異的ないずれのプライマーにも適用できる。
したがって、実施形態では、以下の配列を含む本明細書で開示した配列のいずれかに見出される配列を含むプライマー、または本明細書で開示した配列のいずれかに相補的なプライマーは、本発明での使用に適している。
ヒト染色体3:
Figure 2008543311
ヒト染色体5:
Figure 2008543311
ヒト染色体8:
Figure 2008543311
ヒト染色体9:
Figure 2008543311
ヒト染色体15:
Figure 2008543311
ヒト染色体20:
Figure 2008543311
当然ながら、本発明によれば、プライマー用の多数の他の配列を同定し、用いることが可能であり、具体的な配列をここで開示する必要もない。認識すべき重要な考え方は、任意の生物由来の固有なゲノム配列を増幅し、好ましくは検出するのに用いることができる任意のプライマー対(またはそれ以上のプライマー対)が本発明により使用できることであり、本発明はいかなる特定の特異的プライマーまたはプライマー対にも限定されるとは考えられず、また限定されると考えるべきでもない。
任意の細胞型のゲノム内にある固有な配列に特異的なプライマーが提供される。プライマーおよびプローブを設計できる細胞には、各種の哺乳類、鳥類、両性類、爬虫類、昆虫、菌類、および原核生物由来の細胞が含まれる。実際、ウイルスゲノム、特に宿主細胞ゲノムに既知の数で組み込まれているウイルスゲノム内の固有な配列は、プライマーおよびプローブの設計に用いることができる。以下に記載されるように、本発明の方法は、いずれの細胞または組織由来の試料への使用にも適しており、本明細書に列挙のソースに限定されない。
生物ゲノム内の固有な配列の同定は、様々な方法で行うことができる。多数の生物の完全な、または実質上完全なゲノム配列は、公的にまたは民間業者をとおして現在入手でき、これらのいずれもが固有なゲノム領域の同定、および固有な配列を検出するためのプライマーおよびプローブの設計に用いることができる。ある特定の実施形態では、コンピュータにより特定のゲノムの全配列をスクリーニングして、固有な配列を有する領域を同定することができる。これらの固有なゲノム配列内の適切なサブ配列をコンピュータ分析により同定し、固有なゲノム配列の増幅のための条件にあったプライマーおよびプローブ配列を提供することができる。さらに、生物の特定のゲノム領域がその生物のゲノムのコンテクスト内で固有であることは、実験により発見されているか、実験により発見され得る。このような実験的に同定される領域は、プライマーおよびプローブの設計にも用いることができる。要求はされないが、プライマー対およびプローブは、ゲノム配列を増幅する際の特異性および効率について試験することができる。非限定の例示的プライマー配列の中で、6配列を現時点で注目することができる。

ヒト染色体3に関して(プライマーセット26)
上流− GGTGAAGATAATGAAAGTCATTGGTAT
下流− TAACAGTAAGAGCATACTGGCAGAAAC

ヒト染色体5に関して(プライマーセット18)
上流− ACACACATAGTGGTTTATGAAGAACCT
下流− TAATATATAGTCTGTTGGCCTCAGTCA

ヒト染色体8に関して(プライマーセット9)
配列番号17および18

ヒト染色体9に関して(プライマーセット10)
配列番号19および20

ヒト染色体15に関して(プライマーセット3)
配列番号5および6

ヒト染色体20に関して(プライマーセット2)
配列番号3および4
本発明のプライマーの一つの特徴は、それらのプライマーが分析する細胞ゲノム内の固有な配列に特異的なことである。したがって、上記プライマー、場合によってはその上にプローブも使用することにより生成する増幅プロフィールは、元ソース細胞当たり、(ソース細胞がその配列について半数体の場合)1つのコピーに、または(ソース細胞がその配列について2倍体の場合)2つのコピーに遡って関係づけられることが知られている。このようにして、プライマーおよびプローブは、既知量の細胞のソース材料の検量線を生成するだけでなく、細胞数が未知の細胞から由来する試料の正規化と定量化のための内部対照としても用いることができる。同様に、それらは、細胞の染色体分析に用いることができる。標的配列(例えば、mRNA)の増幅と併せて用いる場合、プライマーおよび任意に選択されるプローブにより、増幅される出発材料の量を決定し、実験者が細胞型、組織型、および試料採取時間において多岐にわたる試料の正規化を可能にする迅速で信頼性・再現性のある方法を提供することができる。実際において、プライマーおよび任意に選択されるプローブは、特定の標的配列の存在および量を試験するための、細胞または細胞溶解物を含むがこれに限定されるものではない任意のタイプの試料の内部対照を提供し、実験者が初期試料中の細胞材料の量に関して、および他の配列についての、あるいは他の組織にある同じ配列についての、あるいは生物の発達、疾病もしくは疾患、または治療計画の進行中の各時点での同じ配列についての1つまたは複数の標的配列の相対量に関して結論を引き出すことを可能にする。
本発明によれば、プライマーおよびプローブは、細胞ゲノム上の1つまたは複数の固有な配列に特異的であるように設計することができる。いくつかの実施形態では、複数のプライマーセットまたはプライマーおよびプローブセットが提供される。その場合、プライマーセットまたはプライマーおよびプローブセットのそれぞれは、ソース細胞のゲノム内の異なる固有な配列に特異的である。例えば、ある実施形態では、各プライマーセットがただ1つの染色体上にある固有な配列に特異的である2つのプライマーを含む2つ以上のプライマーセット、および各プライマーセットがソース細胞のゲノム内の異なる染色体に特異的である2つ以上のプライマーセットが提供される。したがって、ある実施形態では、ヒト染色体9上の固有な配列に特異的なプライマーセットとヒト染色体20上の固有な配列に特異的なプライマーセットの両方が提供される。他の実施形態では、ヒト染色体15上の固有な配列に特異的な追加のプライマーセットが提供される。当業者は、プライマーセットの様々な他の組合せをすぐに思いつくことができる。したがって、プライマーセットならびにプライマーおよびプローブセットのそれぞれの置換をここで具体的に記載する必要はない。当業者が、2つ以上のプライマーセットまたはプライマーとプローブセットのあらゆる組合せが本発明によって想定されることを認識することで十分である。
以下の表1に、特定のヒト染色体からの固有な配列の増幅に使用するための例示的なプライマーセットを列挙する。これらの特定の配列は、本発明にしたがって用いることができるプライマーの例として記載されており、ヒト細胞用のプライマー配列の完全なまたは唯一のリストを意図したものではない。
表1:SYBR(登録商標)Green Dyeを用いる、ヒト染色体のためのオリゴヌクレオチドプライマー配列
Figure 2008543311
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以下の表2に、特定のヒト染色体からの増幅された固有な配列を検出するのに使用するための例示的なプライマーおよびプローブを列挙する。これらのプライマーおよびプローブはTaqMan(登録商標)アッセイに用いることができる。表1および表2の特定の配列は、本発明にしたがって用いることができるプライマーおよびプローブの例として記載されており、ヒト細胞用のプライマーおよびプローブ配列の完全なまたは唯一のリストを意図したものではない。
表2:TaqMan(登録商標)アッセイを用いる、固有なヒトゲノム配列の検出および増幅のためのプライマーおよびプローブ
Figure 2008543311
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第二の態様では、本発明は、1つまたは複数の核酸を含む組成物を提供する。通常、上記組成物は、本発明の1つまたは複数のプライマーまたはプローブ、あるいは上記プライマーの増幅産物の配列を含む1つまたは複数の核酸を含む。上記組成物は、当業者に公知の任意の組成でよいが、通常、上記組成物は、精製されたプライマーおよび/またはプローブ、固有なゲノム配列を含む精製された核酸、あるいはQRT−PCR反応混合物などの増幅反応混合物を含む。
一般に、上記組成物は、本発明の方法の少なくとも1つの実施形態を実施するのに有用である、または本発明の方法の少なくとも1つの実施形態の実施により生成される1つまたは複数の成分を含む。したがって、上記組成物は液体または固体であってもよく、任意の量または濃度の核酸を含むことができる。そのように限定はされないが、通常、本発明の液体組成物は、本発明の1つまたは複数の核酸(例えば、プライマー、プローブ、増幅産物、増幅基質)を含む溶液あるいは混合物等の水溶性組成物である。液体組成物は、唯一の成分として、または水に加えて、1つまたは複数の有機溶媒を含んでもよい。さらに、液体組成物は、ROXのような参照色素などの色素、またはシグナル生成系の他の成分を含んでもよい。これらは、通常、固有なゲノム配列か標的配列(例えば、mRNA)のいずれかの増幅産物の存在を検出するのに用いられる。
さらに、上記組成物は、これに限定されるものではないが、反応容器(例えば、マイクロチューブ、PCRチューブ、プラスチック製マルチウェルプレート、マイクロアレイ)、バイアル、アンプル、ボトル、バッグ等を含む任意の適切な環境中に置かれてよい。組成物が本発明による単一物質を含む状況では、上記組成物は、通常、水もしくは水溶液、1つもしくは複数の塩、緩衝剤、および/または生物材料などのいくつかの他の物質を含む。本発明の組成物は、本発明の1つまたは複数の他の成分を、任意の比または形態で含み得る。同様に、それらの組成物は、標的核酸もしくは固有なゲノム配列またはその両方の増幅に必要な試薬または分子の一部もしくは全部を含み得る。したがって、上記組成物は、ATP、マグネシウム塩またはマンガン塩、ヌクレオシド三リン酸などを含んでもよい。それらの組成物はまた、マグネシウム塩またはマンガン塩、ヌクレオシド三リン酸などを含んでもよい。それらの組成物はまた、本発明の標識核酸に由来するシグナルの生成に必要な成分の一部または全部を含んでもよい。
本発明の組成物は、1つまたは複数のプライマーオリゴヌクレオチドを含んでもよい。プライマーは、任意のコピー数、任意の量、または任意の濃度での本発明によるいずれのプライマーでもよい。通常、プライマーは、1つまたは複数の固有なゲノム配列の増幅のためのプライマーである。プライマーは、精製されたまたは部分的に精製された状態でのように組成物の主要成分として提供されてもよく、または微量成分であってもよい。実験者は、その時点で想定される特定の使用に基づいて適切な量および濃度を容易に決定することができる。組成物が、プライマーの凍結乾燥粉末またはプライマーの原液でのように、精製プライマーを主要成分として含む場合、その量は比較的多く、マイクログラム(μg)のオーダーであり得る。対照的に、組成物が、PCR反応でのように、固有なゲノム配列、標的配列、またはその両方の増幅用の反応混合物である場合、その量は比較的少なく、ピコグラム(pg)またはナノグラム(ng)のオーダーであり得る。
したがって、本発明による組成物は1つのプライマーだけを含む場合もある。一方、組成物が2つ以上のプライマーを含む場合もあり、それぞれのプライマーは、上記組成物中の他の全てのプライマーとは異なる配列を有するか、または異なる標識もしくは標識能力を有する。本発明の組成物の非限定な例には、1つまたは複数のプライマー、およびその試料が由来した細胞のゲノム中に存在する固有な配列を含有する、または含有すると思われる試料を含む組成物が含まれる。ある実施形態では、組成物は目的のmRNA等の目的の標的核酸も含む。ある実施形態では、組成物は固有なゲノム配列の増幅を検出するためのプローブも含む。ある実施形態では、目的のmRNAの増幅を検出するためのプローブも含む。他の非限定な例では、予め選択された固有なゲノム配列を特異的に増幅する1つまたは複数のプライマー、予め選択された固有なゲノム配列および目的のmRNAを含有する、または含有すると思われる試料、ならびに目的のmRNAまたは目的のmRNA内に見出される配列を特異的に増幅する1つまたは複数のプライマーが含まれる。しかし、他の非限定な例には、上記に列挙された1つまたは複数の成分および少なくとも1つのポリメラーゼを含む組成物が含まれる。このポリメラーゼは、適切な条件下で上記組成物中のプライマーの少なくとも1つの重合を触媒し、ポリヌクレオチドを形成することができる。ある実施形態では、組成物は少なくとも1つの逆転写酵素を含む。ある実施形態では、組成物は少なくとも1つの耐熱性DNAポリメラーゼを含む。特定の実施形態では、組成物は2つの耐熱性DNAポリメラーゼを含む。ある実施形態では、組成物は少なくとも1つの逆転写酵素と少なくとも1つの耐熱性DNAポリメラーゼをともに含む。ある実施形態では、組成物は標識システムの標識または構成物を含む。
したがって、実施形態では、組成物は少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを含み、これらのプライマーの各々は、配列番号1から配列番号20、配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号27、および配列番号29のいずれかの配列、本明細書で開示された別の配列もしくはその相補配列、または本明細書で開示された配列の一部もしくはその相補配列を含む配列を有する。例えば、組成物は、配列番号1を含む配列を有するプライマーおよび配列番号2を含む配列を有するプライマーを含むことができる。組成物は、配列番号3を含む配列を有するプライマーおよび配列番号4を含む配列を有するプライマー、配列番号5および配列番号6、配列番号7および配列番号8、配列番号9および配列番号10、配列番号11および配列番号12、配列番号13および配列番号14、配列番号15および配列番号16、配列番号17および配列番号18、配列番号19および配列番号20、またはこれらのプライマーセットの2つ以上の組合せを含むことができる。同様に、組成物は、配列番号1および配列番号21、配列番号3および配列番号23、配列番号5および配列番号25、配列番号7および配列番号27、配列番号9および配列番号29、配列番号11および配列番号31、配列番号13および配列番号33、配列番号15および配列番号35、配列番号17および配列番号37、配列番号19および配列番号39を含む配列を有するプライマー、またはこれらのプライマーセットの2つ以上の組合せを含むことができる。しかも、組成物は、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、または配列番号40などの表2に記載されているものなどの1つまたは複数のプローブをさらに含んでもよい。
本発明の組成物は、2つのプライマーの増幅産物を含んでもよい。上記増幅産物は、精製されたまたは部分的に精製された形で与えられたときのように、組成物の主要物質として与えられてもよく、または組成物中の微量物質として存在していてもよい。本発明の組成物中の各プライマーと同様に、増幅産物は、組成物中に任意のコピー数、任意の量、または任意の濃度で与えられ得る。好都合な量は、増幅産物を利用するそれぞれの特定の目的のために、実験者が容易に確認できる。本発明の組成物の非限定な例では、増幅産物および1つまたは複数のプライマーを含む組成物が含まれる。他の非限定な例には、増幅産物、および予め選択された固有な配列を含むゲノム、目的のmRNAまたはその両方を含有する、または含有すると思われる試料を含む組成物が含まれる。さらに組成物の他の非限定な例は、増幅産物および少なくとも1つの増幅プライマーを含む。加えて、本発明の組成物の他の非限定な例は、増幅産物、少なくとも1つの増幅プライマー、および少なくとも1つのポリメラーゼを含む。
固有なゲノム配列中にある配列を含む核酸を含む組成物は、多くの場合、増幅反応中の固有なゲノム配列の増幅の結果として上記核酸を含む組成物であると想定されるが、固有なゲノム配列を含む予め形成された核酸を与えることによって上記組成物が作製される場合もあることに留意すべきである。そのような状況では、予め形成された核酸は、通常、固有なゲノム配列の存在に対する陽性対照等の1つまたは複数の反応に対する対照として与えられる。しかし、予め形成された核酸は、細胞ゲノムからの正規の固有なゲノム配列の増幅に対する競合相手として、または実験者によって選ばれた任意の他の理由により加えられる場合もある。
ある実施形態では、組成物は、少なくともある程度まで核酸を単離または精製するのに、または核酸を検出するのに適切なアガロース、ポリアクリルアミド、または幾つかの他のポリマー材料を含む。ある実施形態では、組成物は、核酸が結合し得るナイロン、ニトロセルロース、または幾つかの他の固体支持体を含む。幾つかの実施形態では、組成物は、標識システムの少なくとも1つの標識または構成物を含む。2つ以上の異なる増幅産物が、単独の組成物に存在してもよい。
本発明の組成物は、1つまたは複数の核酸ポリメラーゼを含むことができる。上記ポリメラーゼは、ヌクレオチド塩基の組込みのための鋳型として核酸鎖を用いてプライマーから核酸分子を重合化するのに有用であることが当業者に公知の任意のポリメラーゼであり得る。したがって、上記ポリメラーゼは、例えば、Maloneyマウス白血病ウイルス(MMLV)もしくはトリmyoblastosisウイルス(AMV)から単離されたまたは由来したものなどの逆転写酵素、TaqDNAポリメラーゼ、PfuDNAポリメラーゼ、PfxDNAポリメラーゼ、TliDNAポリメラーゼ、TflDNAポリメラーゼ、Klenow、T4DNAポリメラーゼ、T3RNAポリメラーゼ、T7RNAポリメラーゼ、およびSP6RNAポリメラーゼ、またはそれらの2つ以上の組合せであってもよい。
例示的な実施形態では、組成物は、PCR技術(例えば、RT−PCRまたはQRT−PCR)を実施するのに必要な成分等の核酸増幅に必要な成分の一部または全部を含む。したがって、ある実施形態では、組成物は、Tris−HCl(例えば、約50mM、pH8.3)、KCl(例えば、約75mM)、MgCl2(例えば、約3mM)、dNTPs(例えば、各々約800μg)、オリゴ(dT18)またはランダムプライマー(例えば、約1μg)、ポリアデニル化RNA(例えば,約5μg)、および逆転写酵素を、約25μlまたは約50μl等の標準的な反応容量中に含む。他の実施形態では、組成物は、Tris−HCl(例えば、約10、pH8.8)、KCl(例えば、約50mM)、MgCl2(例えば、約1〜5mM)、および1つまたは複数の耐熱性ポリメラーゼを含む。
第3の態様では、本発明は増幅反応中に与えられる試料の量を定量化する方法を提供する。一般に、本方法は、ゲノム核酸を含有する試験試料を用意すること、上記ゲノム核酸中にある1つまたは複数の固有なゲノム配列を増幅すること、上記増幅プロフィールを上記ゲノム核酸が由来する型の既知数の細胞からの参照試料で実施された反応から得られる増幅プロフィールの検量線と比較すること、および試験試料のゲノム核酸が由来した細胞の数を決定することを含む。本発明の方法は、分析される核酸が由来する細胞の既知量のような出発材料の既知量に遡って増幅プロフィールを関連づけるのに用いることができるQPCR反応に対する対照を提供する。本方法は、安定した既知の量の固有なゲノム配列、すなわち試験される試料に固有の配列の定量化に基づいており、当分野で現在入手可能な対照と比較してQPCR反応の改良された定量化を提供する。本方法はまた、高度に正確であり、繰り返し可能で再現性もある。これらの特徴は、現在入手可能な対照の多くで欠けている点である。さらに、本方法は、当分野で現在入手可能な多くの対照より、特に対照配列として外因性の配列の添加に依存する場合より実施するのに複雑さは少ない。
本発明の方法によれば、用意することとは、記載された物質、この場合は試験試料を特定の環境に存在するようにさせる任意の行為であり得る。試験試料の用意に関して大まかに言えば、本方法での使用(本明細書で用いられる「アッセイ」という用語に時として交換可能)のために適した形態で目的の試験試料を実験者が入手し、所有するようにする任意の行為であり得る。当業者はこの結果を得ることができる多数の行為を知っている。さらに、非限定な例が本開示により与えられる。例えば、用意することとは、細胞を入手して、細胞溶解物を作製するためにそれらの細胞を溶解することであり得る。細胞の入手は、これらに限定されないが、1)人工培地または宿主生物で細胞を増殖または培養すること、2)多細胞生物から細胞を取り出すこと(例えば、血液細胞、肝細胞、神経細胞等を取り出すこと)、3)細胞を増殖もしくは培養した、または多細胞生物から細胞を取り出した他者から細胞を受取ること、4)いずれかのソースから新鮮細胞を受取ること、および5)いずれかのソースから凍結細胞を受取ることを含む、幾つもの活動により可能である。
用意する行為には、細胞溶解物を作製するための細胞の溶解も含まれることが好ましい。真核細胞および原核細胞の溶解のための多数の手法が当分野では公知であり、任意の適切な手法を用い得る。真核細胞の溶解に特に有用な手法は、ワンステップ溶解および増幅緩衝液の使用を含み、これらの緩衝液には多様な製造業者から市販品として入手可能なもの、および米国特許出願第11/152,773号に開示されたものなどがある。
試験試料を用意することに関して、特にというより一般的な意味において、用意することの中に、2つ以上の物質を一緒に混合して組成物または混合物を作製することを含めることができる。また、それには自然環境からまたは由来する環境から物質または組成物を単離することも含まれる。同様に、用意することには、供給業者または製造業者からの精製されたまたは部分的に精製された形で物質または組成物を入手することも含まれる。さらに、用意することには、目的のmRNAを含有すると思われる試料を入手すること、本方法での使用のために一部分を取り出すこと、および本方法で用いられる部分とは別の容器に試料の残存量を保持することが含まれ得る。試料の残存部分の一部または全部は、これらに限定されることはないが、同一反応を実施して特定の試料に対する本方法の再現性を確認すること、および試験試料が由来した細胞中で発現すると思われる核酸等の標的核酸について増幅反応を実施することを含めて、幾つもの目的に用いることができる。
本方法では、試験試料は、目的の細胞のゲノム核酸を含む、または含むと思われる任意の物質である。ゲノム核酸は、通常、細胞DNAであるが、ウイルスDNAまたはRNAである場合もある。ゲノム核酸は、原核生物の単一の染色体のように単一分子であってもよく、あるいは真核生物中の複数染色体(例えば、同じ染色体の2つ以上のコピー、あるいは2つ以上の異なる染色体の1つまたは複数のコピー)、または原核生物もしくは真核生物中の1つもしくは複数の染色体および1つもしくは複数の安定な染色体外分子等の複数の分子であってもよい。したがって、試験試料は、細胞、細胞溶解物、またはその二つの組合せを含むものであってもよい。同様に、試験試料は、細胞またはウイルス、もしくは細胞とウイルスの混合物に由来する単離されたまたは(ある程度まで)精製された核酸を含んでもよい。
試験試料は、いずれの生物から由来してもよい。多くの場合、試験試料は、これに限定はされないが、ヒトを含む哺乳類からの細胞および組織から由来する。いずれの哺乳類細胞または組織も、試験試料用のソースとして使用するのに適している。さらに、いずれのヒト細胞または組織も、試験試料用のソースとして使用するのに適している。実際、これらの細胞には、血液細胞、神経細胞、筋細胞、心臓細胞、腎細胞、肝細胞、骨細胞、および器官または組織からの任意のその他の細胞も含まれる。さらに、細胞は、これらに限定されないが、線維芽細胞、神経芽細胞、白血球などを含むいずれの型であってもよい。加えて、生物のいずれの分化状態からの細胞でもよく、疾病または疾患のいずれのステージからの細胞でもよい。したがって、細胞は、胚細胞、成熟細胞、がん細胞(または、別の言い方で腫瘍細胞)、初代細胞、または株化細胞(例えば、ヒト肝細胞、ヒトケラチノサイト、ヒト臍静脈内皮細胞、ヒト微小血管内皮細胞、ヒト線維芽細胞、ラット肝細胞、マウス肝細胞、ラット肝星細胞、クッパー細胞、ヒト大動脈平滑筋細胞、ヒト気管支上皮細胞、Bリンパ腫細胞株、A549、BHK、C2C12筋芽細胞、CHO、Cos−1、Cos−7、HEK293、HeLa、HepG2、Jurkat、HT−29、MCF−7、NIH3T3、NDCK、PC−12、K−562)、および医学的または科学的に興味のある他の細胞でもよい。
本発明の方法によれば、増幅行為には、固有なゲノム配列を含む組成物中の1つまたは複数の予め選択された核酸配列のコピー数を増加させる任意のインビトロ技術が含まれる。ある実施形態では、上記技術は、少なくとも1つの予め選択された目的の標的核酸のコピー数を増加させることをさらに含む。上記標的核酸は、必ずではないが、通常、目的のmRNA(またはそれに対応するcDNA)である。本方法が固有なゲノム配列と目的の標的配列の両方を増幅することを含む場合、それぞれの増幅は、他のもの全てから分離した反応混合物中、または他の増幅反応の1つ、一部、もしくは全てと共通した反応混合物中で実施することができる。
現在、目的の核酸を増幅する最も一般的で強力なインビトロ技術はPCRである。オリジナルPCR技術の変法が、核酸がDNAかRNAか、試料中の核酸濃度、リアルタイムで増幅をモニターする必要性などを含めて、標的核酸の異なる特徴を利用するように発展してきた。当分野で実施されるいずれの適切なPCR技術も、固有なゲノム配列、標的配列、またはその両方の増幅を達成する方法として想定されている。特に、QRT−PCRを含むQPCR技術は、本方法による増幅技術として想定される。
ある実施形態では、本発明の方法は、1つまたは複数の固有なゲノム配列の増幅結果を検量線と比較することを含む。したがって、本発明は、ある実施形態では、検量線の作成を含む。検量線は、既知量の出発材料(例えば、細胞数が既知の溶解物からの固有なゲノム配列)を増幅し、グラフ上に増幅反応の結果をプロットして作成することができる。各々が異なる数の細胞から由来する複数の試料から固有なゲノム配列を増幅して検量線を作成することが好ましい。当業者は、QPCR反応の定量化のためのものも含めて検量線作成のための技術をよく知っており、適切ないずれの技術も本方法で使用するための検量線の作成に用いることができる。
検量線は、試験試料が由来する同じ細胞型または組織からの細胞材料により作成することが好ましい。例えば、検量線は、試験試料が由来する試料の一部から作成することができる。同様に、検量線は、試験試料が由来した細胞より早期に得られた同じ細胞の培養物から作成することもできる。検量線は、同じ細胞型(細胞が多細胞生物由来の場合)または同じ種もしくは株(細胞が単細胞生物由来の場合)の細胞から作成するのが好ましい。しかし、生物は組織型、細胞型、および株間で非常に高いレベルのゲノム同一性を有しているので、検量線は試験試料のソースとして役立つ同じ種のいずれの細胞から作成してもよい。したがって、細胞型または組織型にかかわらず、いずれのヒト細胞も、ヒト細胞由来のいずれの試験試料に対しても検量線用のソースとして用いてもよい。もちろん、検量線用のソース細胞または試験試料用のソース細胞が、いずれかの試料中の固有なゲノム配列のコピー数に影響を与える遺伝子重複を有することが知られている場合、適切な補正をすべきである。さらに、いずれかの細胞がいずれかの試料のコピー数に影響を与える遺伝子欠失を有する場合、新しい細胞または異なるプライマーもしくはプライマーセットを検量線または試験試料に用いるべきである。配列コピー数の変動は、検量線の作成、および腫瘍、癌、異常増殖等の細胞または染色体の再配列、重複、欠失などを含む遺伝性疾患に関連する細胞からの試験試料のアッセイにおいて考慮すべき重要な事項であり得る。検量線作成のために用いられる細胞の数は、FACS計測、光散乱(例えば、OD読取)等の任意の適切な方法で測定することができる。そのような技術は、当業者には周知であり、ここで詳細に述べる必要はない。
他の実施形態では、検量線は必要ない。例えば、ある実施形態では、本方法は、試料中の目的の核酸の半定量的または定性的測定の方法である。それらの実施形態での本発明の方法の実施において、ゲノムDNA、および特に固有な配列は試料間の遺伝子発現の比較のためのノーマライザーとして用いることができる。2つの試料が未知量の細胞、したがって核酸を有する場合には、上記の2つの試料間で共通の固有な配列の増幅は、2つの試料間で固有な配列の増幅プロフィールを比較し、各々を他に対して正規化することによって、目的の核酸(例えば、特定のmRNA種)レベルの相対量を測定することを可能にする。もちろん、この手順は、2つだけではなくさらに多くの複数の試料を正規化するのに用いることができる。正規化は、正規化のための唯一の基準として実施されてもよく、または「ハウスキーピング遺伝子」の発現の比較などの他の正規化手法と併せて実施されてもよい。
上記の本発明の記載で明らかなように、ある実施形態では、本方法は、目的の核酸配列(標的発現配列)に特異的なプライマーによる増幅反応を実施することをさらに含む。すなわち、本方法は、1つまたは複数の標的発現配列を増幅することをさらに含み得る。本方法が標的発現配列の増幅を含む場合、2つの増幅反応(固有なゲノム配列および標的発現配列)は、同じ反応混合物で、または2つ以上の別の反応混合物で実施することができる。別々の反応混合物で実施する場合、反応混合物は、組成および処理の両方で可能な限りお互いに類似していることが好ましい。例えば、反応混合物間の唯一の相違は固有なゲノム配列または標的発現配列のいずれかに特異的なプライマーの有無であり、かつその2つの反応混合物は同一に処理されることが好ましい。
本方法によれば、標的発現配列を増幅する場合、それらの増幅プロフィールは、試料間の標的発現配列の初期量を正規化することによって、同じまたは他の試料からの類似したまたは異なった標的発現配列の増幅プロフィールと正確に比較することが可能である。このことは、各サンプルを得た元の細胞の数を正規化することにより達成できる。異なる試料を正規化するために固有なゲノム核酸配列を用いることは、異なる細胞種の試料間、および異なる時期にもしくは異なるソース(例えば、がん患者と健常人)から採取した同じ細胞型の試料間の標的配列の発現レベルを比較するための強力で正確な方法を提供する。この方法は、細胞種間および成長段階間のハウスキーピング遺伝子の発現変動、異なる核酸配列間の増幅効率の相違、および当分野で現在実施されている方法の他の欠点に関連した問題を回避する。
他の態様において、本発明はキットを提供する。一般に、本キットは本発明の方法の実施形態を実施するのに必要な成分の一部または全部を含有する。したがって、例えば、本キットは本発明の1つもしくは複数のプライマーまたは1つもしくは複数の組成物を含有することができる。同様に、本キットは、固有なゲノム配列の増幅用または標的発現配列の増幅用の複数のプライマーまたはプライマーセットを含有していてもよい。通常の実施形態では、キットは本発明の核酸を含有する少なくとも1つの容器を含む。種々の個別の実施形態では、本キットは本発明の方法の少なくとも1つの実施形態を実施するのに必要な核酸の全部を含む。
キットは一般に、本発明の1つまたは複数の核酸もしくは組成物、あるいは本発明の方法の少なくとも1つの実施形態を実施するのに有用な1つまたは複数の物質を含有する1つまたは複数の容器を含むパッケージとして定義される。本キット自体は、任意の適切な材料から作製され得る。その材料には、これらに限定されないが、生物試料、研究試薬もしくは物質をパッケージし、保存するのに有用であると知られている厚紙、金属、ガラス、プラスチック、または幾つかの他の高分子材料が含まれる。本キットは、1つまたは複数の容器を保持するように設計され、そのような容器の各々は、本発明の1つまたは複数の核酸、組成物または試料を保持するように設計され得る。上記容器は任意の適切な材料から作製され得る。その材料には、これらに限定されないが、ガラス、金属、プラスチック、または幾つかの他の適切な高分子材料が含まれる。各々の容器は、材料、形、および大きさについて独立に選択され得る。容器の非限定な例は、チューブ(例えば、マイクロチューブ)、バイアル、アンプル、ボトル、ジャー、バッグなどを含む。各々の容器は、押し上げ式のふたまたはねじ式のふたなどの永久シールまたは再閉鎖可能なシールで密閉可能である。本キット内の1つまたは複数の容器は、キット内に含まれる前後に消毒することができる。
本発明のキットは、滅菌水または滅菌水溶液、本発明の方法に含まれる種々の反応を実施するための緩衝液、および/または増幅産物を検出するための試薬などの本発明の方法を実施するのに有用な1つまたは複数の他の成分または物質を含むことができる。したがって、ある実施形態では、本キットは固有なゲノム配列、標的発現配列、またはその両方の増幅用の1つまたは複数のポリメラーゼを含む。本キットはまた、本発明の実施形態に従った増幅を実施するための成分、試薬、および必需品の一部または全部を含むことも可能である。ある実施形態では、本キットは、これに限定されないが、QRT−PCRを含むQPCR技術を実施するのに必要な試薬の一部または全部を含む。
特定の実施形態では、本キットは、本発明の方法の実施について記載した印刷物を含む。ある実施形態では、本キットは、1つまたは複数の生物(例えば、ヒト)、細胞型(例えば、白血球)、または特定の細胞(例えば、HeLa細胞)に対する印刷された検量線を含む。
例えば、本発明によるキットは、目的の細胞の固有なゲノム配列の増幅用の1つまたは複数のプライマーを含有する容器を含んでもよい。ある実施形態では、プライマーは、配列番号1から配列番号20、または本明細書で開示する任意の他の配列によって定義される配列を含む1つまたは複数のプライマーであり得る。1つより多くのプライマーが特定のキットで提供される場合、それらのプライマーを、別々の容器(例えば、各々の容器に1つまたは複数のプライマー)に、または全てを1つの容器に入れて提供してもよい。さらに、単一のキットが複数の容器を含んでもよく、各々の容器は独立して本発明の1つまたは複数のプライマーを含有する。好ましい実施形態では、各々の容器は、試料中の少なくとも1つの目的の固有なゲノム配列(存在すれば)を増幅するための十分な数のプライマーを含有する。したがって、ある実施形態では、本キット中の1つまたは複数の容器は、2つのプライマーを含み、その両方とも特定の固有なゲノム配列に特異的である。各キットに提供される各プライマーの量は、本発明の方法の少なくとも1つの実施形態の実施に適切なまたは使いやすい任意の量であってよい。したがって、各プライマーは、ピコグラム範囲からミリグラム範囲またはそれを超えた範囲の量で、独立して提供されてもよい。通常、プライマーは、本発明の方法で使用する前の希釈のためにマイクログラム範囲で、または本発明の方法で直接使用するためにナノグラムからピコグラム量で本キット中に提供される。
本発明のキットは、目的の標的発現配列等の目的の核酸の増幅用の少なくとも1つのプライマーを含むことができる。そのようなキットでは、プライマーは、固有なゲノム配列の増幅用のプライマーと同様な方法で提供される。すなわち、それらのプライマーは、容器ごとに同一性や量を任意に置換して、またキット当たり任意の数の容器中に提供されてもよい。
本発明のキットはまた、1つまたは複数の固有なゲノム配列あるいは1つまたは複数の標的配列(例えば、mRNA種)の増幅を検出するための1つまたは複数のプローブを含んでもよい。キットに含まれるプローブの特異性は、固有なゲノム配列の増幅用のキットに提供されるプライマーと併せて考慮して、かつ/または目的の標的配列の増幅用のキットに提供されるプライマーと併せて考慮して与えられることが好ましい。
本キットの特定の実施形態では、1つまたは複数のポリメラーゼが提供される。通常、ポリメラーゼはPCR反応の核酸鋳型をコピーすることができるポリメラーゼである。非限定的で例示的な適切なポリメラーゼは上述されており、逆転写酵素と耐熱性DNAポリメラーゼもともに含まれている。本キットでは、各ポリメラーゼがそれ自体の容器に提供されてもよく、または複数のポリメラーゼが単一の容器に提供されてもよい。容器は本発明の方法の1つまたは複数の実施形態を実施するのに有用な他の成分(例えば、塩、緩衝液)を含むことができる。
本発明のキットの特定の手配では、QPCR反応を実施するのに必要な試薬の一部または全部を含む。ある実施形態では、QRT−PCR反応を実施するのに必要な試薬の一部または全部をキット中に含む。容器中の成分の任意の適切な配置が本発明によって想定されており、実験者はキットの特定の使用目的のそれぞれに対して最も望ましい配置を決定することができる。
本キットの例示的な実施形態では、キットは細胞溶解およびそのような溶解により細胞から遊離する核酸の増幅の両方で使用するのに適した緩衝液を含む。種々の「ワンステップ」溶解および増幅緩衝液は当分野で公知であり、これらはいずれも本発明のキットに含まれ得る。加えて、新規のワンステップ溶解および増幅緩衝液が米国出願第11/152/773号に開示されている。この緩衝液が、1つまたは複数の容器で本発明のキット中に提供されると有利であり得る。各容器中には任意の適切な容量の緩衝液を提供してよい。
本発明のプライマーおよび/またはプローブが含まれ得るキットの非限定な例を以下に示す。すなわち、Stratageneで販売されているAbsolutely mRNA(商標)Isolation Kit(カタログ番号400806)などのmRNA単離キット、Stratageneで販売されているStrataScript QPCR cDNA Synthesis Kit(カタログ番号600554)などのQPCR cDNA合成キット、Stratageneで販売されているBrilliant(登録商標)SYBR(登録商標)Green QPCR Master Mix Kit(カタログ番号600548)などのQPCR試薬および/または緩衝液を含むキット、Stratageneで販売されているBrilliant(登録商標)SYBR(登録商標)Green QRT−PCR Master Mix Kit(カタログ番号600552)などの1ステップQRT−PCRのためのQRT−PCR試薬および/または緩衝液を含むキット、およびStratageneで販売されているBrilliant(登録商標)SYBR(登録商標)Green QRT−PCR Master Mix Kitなどの2ステップQRT−PCRのためのQRT−PCR試薬および/または緩衝液を含むキットである。
[実施例]
本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、以下の実施例は、本発明を純粋に例示的に示すことを意図しており、本発明を限定するものと決して解釈すべきではない。
<固有なヒトゲノム配列の同定>
標的核酸の増幅用の、および各試料にわたり増幅される材料の正規化用の内部対照を与えるために、ヒトゲノム内の固有な配列を同定し、プライマーセットを設計してそれらの固有な配列を増幅した。
ヒトゲノム、UCSC Build hg17をヒトの固有なゲノム配列のソースとして用いた。繰り返し構造のない600ヌクレオチドの15断片を、染色体XおよびYを除いた各染色体上で選択した。315の選択断片の各々を、blastn(Altschul et al.,1990)を用いてヒトゲノム全体に対してアラインした。アライメント解析は、1e−10以下のe値を有する単一ゲノム領域に一致する237配列を明らかにした。固有なヒトゲノム配列の増幅用のプライマーおよびプローブの設計のために、これら237の配列を用いた。
プライマーおよびプローブの融解温度として、それぞれ60℃および70℃の温度が要請された。さらに、プローブ設計には以下のパラメータがあった。1)「C」含量は「G」含量より高くなければならない。2)プローブの5’末端は「G」であってはならない。および3)上流プライマーの3’末端とプローブの5’末端の間の距離は8ヌクレオチドを超えてはならない。プローブは、TaqMan(登録商標)アッセイを含むアッセイのためのプライマーとともに用いた。
プライマーおよびプローブは、primer3−1.0.0プログラム(RozenおよびSkaletsky,2000)を用いて設計した。2つのセットのプライマーまたはプライマー/プローブ組合せを設計した。第1回目では、2つのプライマーと1つのプローブの106通りの組合せを作製した。増幅産物のSYBR(登録商標)Green色素検出に対して好まれる単位複製配列の長さは、TaqMan(登録商標)に対するものよりかなり長いので(例えば、TaqMan(登録商標)に対しては約80〜100bpであるのに比較してSYBR(登録商標)Green色素に対しては約200bp)、第2回目の設計では、SYBR(登録商標)Green色素を用いる(すなわち、プローブなしでの)QPCR反応で使用するための新しい下流プライマーを作製した。同じ上流プライマーを両タイプの検出アッセイに用いた。第2回目の設計では、60セットのプライマーを設計した。10の異なるヒト染色体に対する10のプライマーセットを上記の表1に示した。上記の表2には、例示的な対応するプローブを示した。
<ヒト細胞株に対する増幅プロット、解離曲線、および検量線の作成>
上記表1に開示したプライマー対を用いて、ヒトHeLa細胞株のゲノム中の固有なゲノム配列の増幅プロフィールを作成した。さらに、試料中にあるゲノムDNA量に対してプライマーセット10(配列番号19および配列番号20)によって検出される固有なヒトゲノム配列の増殖プロフィールをプロットした検量線を作成した。Brilliant(登録商標)SYBR(登録商標)Green QPCR Master Mixとともに提供される使用説明書に従って、StratageneからのMX3000Pサーモサイクラー、Brilliant(登録商標)SYBR(登録商標)Green QPCR Master Mix(Stratagene カタログ番号600548)、およびHeLaゲノムDNA(増幅反応当たり10ng、1ng、0.1ng、および0.01ng)を用いて、QPCR反応を実施し、モニターした。簡潔にいえば、増殖反応は、以下の成分と量(全容量25μl)を含んでいた。すなわち、gDNAを5μl、2X Master Mixを12.5μl、各プライマー(15μM)0.125μl、および希釈(1:500)ROX参照色素 0.375μlである。PCR増幅を以下のように実施した。95℃で10分間を1サイクルと、95℃で30秒間、60℃で1分間、および72℃で1分間からなる40サイクルである。
増幅に続いて、増幅産物の解離プロフィールを作成して、増幅産物の純度を確認し、増幅産物の同一性の指標を得た。解離曲線は以下のように作成した。解離曲線を作成する前に、増幅反応物を95℃で1分間インキュベートし、PCR産物を変性させた。次いで、温度を55℃まで下降させた。そのあと、解離曲線のために、温度を毎秒0.2℃の割合で55℃から95℃まで上昇させた。55℃から95℃までの上昇の間、蛍光データを連続的に収集した。解離曲線を図1B、2B、3B、4B、および5Bに示す。
選択されたプライマーセットに対する増幅プロットおよび対応する解離曲線を図1Aから5Bに示す。さらに、プライマーセット10(配列番号19および配列番号20)を用いたHeLaのgDNAの増幅に対する検量線を図5Cに示す。この検量線は、反応でのCtをHeLaのgDNAの初期量に対してプロットしたものである。上記表1に示した10のプライマーセットを用いた増幅を表す「鋳型なし」の対照増幅プロットを図6に示す。より具体的には、図1Aと1Bはプライマーセット2(配列番号3および配列番号4)を用いたHeLaのgDNAの増幅および増幅産物の解離を示す。図2Aと2Bはプライマーセット3(配列番号5および配列番号6)を用いたHeLaのgDNAの増幅および増幅産物の解離を示す。図3Aと3Bはプライマーセット8(配列番号15および配列番号16)を用いたHeLaのgDNAの増幅および増幅産物の解離を示す。図4Aと4Bはプライマーセット9(配列番号17および配列番号18)を用いたHeLaのgDNAの増幅および増幅産物の解離を示す。図5Aと5Bはプライマーセット10(配列番号19および配列番号20)を用いたHeLaのgDNAの増幅および増幅産物の解離を示す。図5Cは、図5Aで示したデータから作成した検量線を表す。この図では、増幅反応でのCtをHeLaのgDNA量に対してプロットしている。
増幅プロットから分かるように、ゲノムHeLa DNA中の固有な配列に特異的なプライマーセットは、0.01ng以下の少量のgDNAからHeLaゲノムDNAを増幅するのに用いることができる。対応する解離プロットは、各プライマーセットについての増幅がgDNA上の単一のヌクレオチド配列に特異的であったことを示す。さらに、図5Cに提示の検量線は、Ct値で評価すると、少なくとも3桁、0.01ng未満から10ng以上にわたって直線的であることを示す。
図6は、上記表1に開示された10のプライマーセットのいずれに関してもプライマー二量体形成および増幅が観察されないことを示す。より具体的には、検出した増幅産物が標的配列の特異的な増幅によるものか、またはプライマー二量体の増幅によるものかを決定するために、上記に開示されたものと同じ反応条件であるが標的鋳型を含まないPCR反応を実施した。その結果は、増幅は起こらなかったことを示し、試験した10のプライマーセットはいずれもプライマー二量体を増幅しないことを示す。このことは、図1B、2B、3B、4B、および5Bで示す解離曲線と一致している。
一般的に、図1Aから6は、gDNAをQPCR反応の対照として用いることができることを示す。さらに、gDNAは、増幅対出発材料量の頑強な検量線を生み出す。増幅されるgDNA配列のコピー数は細胞当たりで知られているので、未知量のヒト細胞を含有する試料を正規化するのに増幅プロフィールおよび検量線を用いることができる。さらに、すべてのプライマーセットはある程度まで1つまたは複数の細胞型で働くけれども、プライマーセット2および10は複数の細胞型にわたってよく働くことがデータにより示される。
<異なるgDNA試料についてのプライマー性能の評価>
プライマーセットが異なるヒト細胞型からの固有なgDNA配列の増幅に適しているかどうかを決定するために、表1にある10のプライマーセットを用いた。そのために、8つのヒト細胞型(A2058、SW872、HepG2、U937、RPMI8226、NTERA,ClontechからのヒトgDNA、およびPromegaからのヒトgDNA)を選択し、10のプライマーセットを10の別々の増幅反応に用いた。10の増幅反応から10の対応する解離曲線を作成した。各増幅反応に対して1ngのgDNAを用いたことを除いて、上記に概説した試薬、手順、および器具を用いて、増幅反応を実施し、解離曲線を得た。図7Aから16Bに増幅プロットおよび解離曲線を示す。
より具体的には、図7Aはプライマーセット#1(配列番号1および配列番号2)を用いた8つの細胞型に対する増幅プロファイルを表す。図8Aはプライマーセット#2(配列番号3および配列番号4)を用いた8つの細胞型に対する増幅プロファイルを表す。図9Aはプライマーセット#3(配列番号5および配列番号6)を用いた8つの細胞型に対する増幅プロファイルを表す。図10Aはプライマーセット#4(配列番号7および配列番号8)を用いた8つの細胞型に対する増幅プロファイルを表す。図11Aはプライマーセット#5(配列番号9および配列番号10)を用いた8つの細胞型に対する増幅プロファイルを表す。図12Aはプライマーセット#6(配列番号11および配列番号12)を用いた8つの細胞型に対する増幅プロファイルを表す。図13Aはプライマーセット#7(配列番号13および配列番号14)を用いた8つの細胞型に対する増幅プロファイルを表す。図14Aはプライマーセット#8(配列番号15および配列番号16)を用いた8つの細胞型に対する増幅プロファイルを表す。図15Aはプライマーセット#9(配列番号17および配列番号18)を用いた8つの細胞型に対する増幅プロファイルを表す。図16Aはプライマーセット#10(配列番号19および配列番号20)を用いた8つの細胞型に対する増幅プロファイルを表す。図7B、8B、9B、10B、11B、12B、13B、14B、15B、および16Bにそれぞれ対応する解離曲線を示す。
図7Aから16Bに示した結果は、10のプライマーセットすべてが少なくとも1つの細胞型からのヒトゲノムDNA中の固有なゲノム配列を定量的に増幅することを表す。実際、プライマーセット2および10は、複数の細胞型からのヒトゲノムDNA中の固有なゲノム配列を定量的に増幅する。すなわち、プライマーセット2および10は、試験をした8つの細胞型の間で極めて再現性のあるCt値を与える。このことは、幾つかのプライマーセットについては単一の検量線を複数の細胞型にわたって用いることができ、一方、他のプライマーセットについては1つまたは複数の異なる細胞型に対して検量線を作成する必要があり得ることを示す。
したがって、本発明は、目的のゲノム中の固有な配列の増幅に基づいて、ゲノム核酸の増幅および定量化のための、プライマー、組成物、方法、およびキットの頑強なシステムを提供する。このようにして、本発明は、増幅反応の出発材料(例えば、細胞溶解物)の量を正規化する強力で、正確かつ頑強なシステムを提供する。このシステムは、それらの出発材料中の目的の標的配列(例えば、目的のmRNA)のレベルを極めて正確に定量化することができる。
<2つの異なるワンステップ溶解および増幅緩衝液を用いるプライマーセットについての、gDNAの増幅効率の比較>
「ワンステップ」溶解および増幅緩衝液と併せた本発明のプライマーの効率を決定するために、プライマーセット#10(配列番号19および配列番号20)を用いて、HeLa細胞からのgDNAを2つの異なる緩衝液を使用して増幅した。緩衝液は、市販のCells to Signal II(商標)(Ambion;www.ambion.com)、および参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第11/152,773号に記載の発明による緩衝液であった。本実験に用いられた、この特許出願に開示の本発明に従う特定の緩衝液は、5mMのTCEP(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン)および1%Triton X−100、pH2.5を含んでいた。
最初に、40pg、200pg、1ng、および5ngのDNAを用いた増幅プロットから、HeLaのgDNAの検量線を作成した。増幅は実施例1で記載の条件下で実施した。図17Aに反応の増幅プロットを示す。図17Bに増幅プロットからの検量線を示す。これらの図から分かるように、gDNAの増幅は、使用された濃度に沿って堅調であり、その結果、直線性のある検量線が得られた。
2つの「ワンステップ」緩衝液と異なる細胞数に相当する細胞溶解物とを併せて使用したときのプライマーセットの効率を決定するために、追加の増幅反応を実施した。増幅反応は、ワンステップ緩衝液中に細胞溶解物3μlか、ワンステップ緩衝液中に細胞溶解物5μlのいずれかを含んでいた。細胞溶解物試料に相当する細胞数は、4.8細胞から1,000細胞の範囲にあった。図18Aから21に増幅反応の結果を示す。
より具体的には、図18Aは、5mMのTCEP、1%のTriton X−100、pH2.5を含む緩衝液中で作製した細胞溶解物の増幅プロットを示す。これらのプロットは、4.8細胞、24細胞、120細胞、および600細胞からの細胞溶解物の増幅を表す。図18Bは、図18Aと同量の細胞溶解物(したがって、同量の細胞)であるが、Ambion Cells To Signal II(商標)緩衝液を用いて実施された増幅のプロットを表す。図19Aは、5mMのTCEP、1%のTriton X−100、pH2.5を含む緩衝液中で作製した細胞溶解物の増幅プロットを示す。これらのプロットは、8細胞、40細胞、200細胞、および1,000細胞からの細胞溶解物の増幅を表す。図19Bは、図19Aと同量の細胞溶解物(したがって、同量の細胞)であるが、Ambion Cells To Signal II(商標)緩衝液を用いて実施された増幅のプロットを表す。図20Aは、図18Aおよび18Bに提示したデータから作成した検量線を表す。図20Bは、図19Aおよび19Bに提示したデータから作成した検量線を表す。図21は、図18Aから20Bに提示したデータをまとめたものである。
これらの図に示す結果は、これらの2つの緩衝液でのgDNAの増幅が本発明のプライマーセットを用いて達成できることを示す。この結果はまた、精製gDNAとして与えられても、また2つの「ワンステップ」緩衝液を用いた細胞融解から生成した細胞融解物として与えられても、そのゲノム核酸の量に対して増幅プロフィールは直線的に変化することを指摘する。さらに、このデータは、細胞溶解物が得られた細胞の量を、本発明のプライマー、組成物、方法、およびキットを用いて決定し得ることを示す。したがって、細胞試料は出発材料の量に対して正規化することができ、様々な核酸標的(例えば、発現産物)の絶対量または相対量に関して、妥当性のある、正確な結論を引き出すことが可能である。
<本発明のプライマーおよびTaqMan(登録商標)プライマー/プローブセットについての、QRT−PCRおよびQPCR増幅の比較>
本発明のプライマーセットの応用性をさらに示すために、標的配列のTaqMan(登録商標)増幅と併せてgDNA濃度を追跡するのにプライマーセット10(配列番号19および配列番号20)を用いた。さらに具体的には、5mMのTCEP、1%のTriton X−100、pH2.5を含む緩衝液(「Stratagene Buffer」)か、Ambion「Cells−to−Signal」キットで提供される緩衝液かのいずれかの5μlを用いて、種々の量のHeLa細胞(1000細胞、400細胞、30細胞、8細胞)を溶解した。SYBR(登録商標)Green検出システムを用いて各試料中のgDNA濃度を評価するのにプライマーセット10を用いた。1−ステップQRT−PCRプロトコールでのAmbionのGAP TaqMan(登録商標)プライマー/プローブセットを用いて、同じ試料中のmRNA上の標的配列を検出した。増幅反応の結果を図22に示す。この図では、種々の増幅曲線についてのCt値を初期試料中の細胞数に対してプロットしている。
図22から分かるように、本発明のプライマーセットは、細胞溶解物のような複雑な混合物中の固有なgDNA配列を定量的に検出するのに用いることができる。さらに、このプライマーセットは、2つの異なる溶解緩衝液で機能できる。プライマーは、細胞溶解物中にあるgDNAを定量的に検出し、試料を比較して分析された核酸の量、したがって出発材料の初期量(例えば、細胞数)を試料間で正規化することができる便利な、内在性のベンチマークを提供する。
<HeLa細胞溶解物に関するQPCR増幅>
10,000細胞/μl濃度のHeLa細胞を、5mMのTCEPおよび1%のTriton X−100、pH2.5を含む緩衝液中で溶解した。細胞を緩衝液中で溶解後、2倍希釈系列をTE緩衝液(pH7.0)で作製して、1μlの各希釈液を25μlの反応容量でのQPCRまたはQRT−PCRに用いた。
Mx3000P Real−Time PCR System(Stratagene)上でBrilliant(登録商標)SYBR(登録商標)Green QPCR Master Mix(Stratageneカタログ番号600548)およびDNA特異的プライマーセット10(配列番号19および配列番号20)を用いて、QPCRを実施した。PCR増幅を以下のように実施した。すなわち、95℃で10分間の1サイクル、95℃で15秒間と60℃で1分間からなる40サイクルである。
プライマーセット10(配列番号19および配列番号20)を用いたHeLaのgDNA増幅の検量線、すなわち反応でのCtに対するHeLaのgDNAの初期量(相対数)のプロットを図23(上部)に示す。図23に提示した検量線は、増幅反応が、Ct値によって評価されるとき、少なくとも3桁、細胞数1以下から1000以上にわたって直線的であることを示す。増幅プロットを図23(下部)に示す。図23の検量線は、約84%の効率を有する直線的な増幅を実証する。
<HeLa細胞溶解物に関するQRT−PCR増幅>
10,000細胞/μl濃度のHeLa細胞を実施例6に記載の緩衝液中で溶解した。Brilliant(登録商標)QRT−PCR Master MixおよびRNA特異的B2M TaqMan(登録商標)プライマーおよびプローブ(Assay on Demand,ABI)を用いて、Mx3000P Real−Time PCR System(Stratagene)上でワンステップQRT−PCRプロトコールによってQRT−PCRを実施した。PCR増幅を以下のように実施した。すわわち、50℃で30分間の1サイクル、95℃で10分間の1サイクル、95℃で15秒間と60℃で1分間からなる40サイクルである。
RNA特異的B2M TaqMan(登録商標)プライマーおよびプローブを用いたB2M mRNA増幅の検量線を図24(上部)に示す。この検量線は、増幅反応が、Ct値によって評価されるとき、少なくとも3桁、細胞数1以下から1000以上にわたって直線的であることを示す。増幅プロットを図24(下部)に示す。図24の検量線は、約91%の効率を有する直線的な増幅を実証する。
図25は実施例6および7のまとめを示し、HeLa細胞溶解物の2倍連続希釈後の増幅反応を比較する。QPCRでのDNA特異的プライマーセット10(配列番号19および配列番号20)(上部の曲線)ならびにワンステップQRT−PCRでのRNA特異的B2M TaqMan(登録商標)プライマーおよびプローブ(下部の曲線)による増幅反応をCt値で評価した。Ctデータは図25の挿入図に表形式でも提示している。図25に提示のデータは、反応当たりの細胞数に依存してDNA量とRNA量との間に非常に良好な相関があることを示す。
<ヒト肝溶解物に関するQPCR増幅>
ヒト肝組織を上記実施例に記載の緩衝液中でホモジナイズした。細胞を緩衝液中でホモジナイズした後、10希釈系列をその緩衝液で作製し、1μlの各希釈液を25μlの反応容量でのQPCRまたはQRT−PCRに用いた。
Mx3000P Real−Time PCR System(Stratagene)上でBrilliant(登録商標)SYBR(登録商標)Green QPCR Master Mix(Stratageneカタログ番号600548)およびDNA特異的プライマーセット10(配列番号19および配列番号20)を用いて、QPCRを実施した。PCR増幅を以下のように実施した。すなわち、95℃で10分間の1サイクル、95℃で15秒間と60℃で1分間からなる40サイクルである。
プライマーセット10(配列番号19および配列番号20)を用いたヒト肝組織溶解物の増幅の検量線を図26(上部)に示す。この検量線は、反応での肝溶解物の初期量(相対数)に対するCtのプロットである。図26に提示の検量線は、増幅反応が、Ct値によって評価されるとき、少なくとも3桁にわたって直線性があることを示す。増幅プロットを図26(下部)に示す。図26の検量線は、約116%の効率を有する直線的な増幅を実証する。
<ヒト肝溶解物に関するQRT−PCR増幅>
ヒト肝組織を上記記載の緩衝液中でホモジナイズした。Brilliant(登録商標)QRT−PCR Master MixおよびRNA特異的B2M TaqMan(登録商標)プライマーおよびプローブ(Assay on Demand,ABI)を用いて、Mx3000P Real−Time PCR System(Stratagene)上でワンステップQRT−PCRプロトコールによってQRT−PCRを実施した。PCR増幅を以下のように実施した。すなわち、50℃で30分間の1サイクル、95℃で10分間の1サイクル、95℃で15秒間と60℃で1分間からなる40サイクルである。
RNA特異的B2M TaqMan(登録商標)プライマーおよびプローブを用いたヒト肝組織溶解物の増幅の検量線を図27(上部)に示す。この検量線は、増幅反応が、Ct値で評価されるとき、少なくとも3桁、初期量0.01ng以下から10ng以上にわたって直線的であることを示す。増幅プロットを図27(下部)に示す。図27の検量線は、約118%の効率を有する直線的な増幅を実証する。
図28は実施例8および9のまとめを示し、ヒト肝組織溶解物の10倍連続希釈後の増幅反応を比較する。QPCRでのDNA特異的プライマーセット10(配列番号19および配列番号20)(上部の曲線)ならびにワンステップQRT−PCRでのRNA特異的B2M TaqMan(登録商標)プライマーおよびプローブ(下部の曲線)による増幅反応をCt値で評価した。Ctデータは図28の挿入図に表形式でも提示している。図28に提示のデータは、DNA量とRNA量との間に良好な相関があることを示す。
<HeLa細胞溶解物に関するQPCRおよびQRT−PCR増幅>
異なる濃度のHeLa細胞を上記緩衝液中で溶解した。細胞濃度は、約100、20、4、または0.8細胞/μlであった。
Mx3000P Real−Time PCR System(Stratagene)上でBrilliant(登録商標)SYBR(登録商標)Green QPCR Master Mix(Stratageneカタログ番号600548)およびDNA特異的プライマーセット10(配列番号19および配列番号20)を用いて、QPCRを実施した。QPCR増幅は以下のように実施した。すなわち、95℃で10分間の1サイクル、95℃で15秒間と60℃で1分間からなる40サイクルである。Brilliant(登録商標)QRT−PCR Master MixおよびTaqMan(登録商標)プライマーおよびプローブ(BAX、USP7、およびB2M;Assay on Demand,ABI)を用いて、Mx3000P Real−Time PCR System(Stratagene)上でワンステップQRT−PCRプロトコールによってQRT−PCRを実施した。QRT−PCR増幅を以下のように実施した。すなわち、50℃で30分間の1サイクル、95℃で10分間の1サイクル、95℃で15秒間と55℃で1分間からなる40サイクルである。
図29は、この実施例で用いられた4つの異なる細胞濃度での増幅反応を比較する。増幅反応を細胞数(μl当たりの細胞)の関数としてのCt値によって評価し、QPCRでのDNA特異的プライマーセット10(配列番号19および配列番号20)をワンステップQRT−PCRでのBAX、USP7、およびB2M RNA特異的TaqMan(登録商標)プライマーおよびプローブと比較した。図29は、反応当たりの細胞数に依存したDNA量とRNA量との間に非常に良好な相関があることを実証する。
<ノーマライザーとしてB2MまたはDNAを用いたHeLa細胞でのBAX遺伝子発現の比較定量化>
QPCRおよびQRT−PCRを、100個のHeLa細胞を含む試料1および20個のHeLa細胞を含む試料2に対して、実施例10に記載のように実施した。BAXの遺伝子発現を試料1と2で比較した。増幅反応をCt値で評価した。BAX増幅について、Ct値は100個の細胞に対して約28.9、20個の細胞に対して約31.0であった(図30に示す)。ノーマライザーは、QPCRでのDNA特異的プライマーセット10(配列番号19および配列番号20)か、ワンステップQRT−PCRでのRNA特異的B2M TaqMan(登録商標)プライマーおよびプローブかのいずれかを含んでいた。両方の細胞濃度での2つのノーマライザーについてのCt値を図30に示す。ノーマライザーとしてDNAかB2Mかのいずれかを用いてΔΔCtを計算し、同様な結果を得た(それぞれのΔΔCtは0.03と0.04)。
この実施例でのデータは、単一コピーのgDNAが遺伝子発現の比較定量分析でノーマライザーとして有効に用い得ることを実証する。
種々の変更形態および変形形態が本発明の範囲または精神から逸脱することなくなされ得ることは、当業者には明らかである。本発明の他の実施形態は、本発明の明細書と実践の検討から当業者には明らかである。本明細書の特定の開示は例示的にすぎないものと解釈されるべきであり、本発明の真の範囲と精神は上記の特許請求の範囲に示されている。
10ng gDNAから0.01ng gDNAまでの10倍希釈系列における、プライマーセット#2を用いたHeLaのgDNAの増幅プロットを示す図である。 図1Aからの増幅産物の解離曲線を示す図である。 10ng gDNAから0.01ng gDNAまでの10倍希釈系列における、プライマーセット#3を用いたHeLaのgDNAの増幅プロットを示す図である。 図2Aからの増幅産物の解離曲線を示す図である。 10ng gDNAから0.01ng gDNAまでの10倍希釈系列における、プライマーセット#8を用いたHeLaのgDNAの増幅プロットを示す図である。 図3Aからの増幅産物の解離曲線を示す図である。 10ng gDNAから0.01ng gDNAまでの10倍希釈系列における、プライマーセット#9を用いたHeLaのgDNAの増幅プロットを示す図である。 図4Aからの増幅産物の解離曲線を示す図である。 10ng gDNAから0.01ng gDNAまでの10倍希釈系列における、プライマーセット#10を用いたHeLaのgDNAの増幅プロットを示す図である。 図5Aからの増幅産物の解離曲線を示す図である。 固有な配列の増幅用の10種のプライマーセットの増幅反応の無鋳型対照(NTC)を示す図である。プライマー二量体増幅は観察されなかった。 プライマーセット#1(配列番号1および配列番号2)を用いた8種のヒト細胞型のgDNA試料(各々1ng)についての増幅プロフィールを示す図である。 図7Aで示す増幅反応で生成した増幅産物の解離曲線を示す図である。 プライマーセット#2(配列番号3および配列番号4)を用いた8種のヒト細胞型のgDNA試料(各々1ng)についての増幅プロフィールを示す図である。 図8Aで示す増幅反応で生成した増幅産物の解離曲線を示す図である。 プライマーセット#3(配列番号5および配列番号6)を用いた8種のヒト細胞型のgDNA試料(各々1ng)についての増幅プロフィールを示す図である。 図9Aで示す増幅反応で生成した増幅産物の解離曲線を示す図である。 プライマーセット#4(配列番号7および配列番号8)を用いた8種のヒト細胞型のgDNA試料(各々1ng)についての増幅プロフィールを示す図である。 図10Aで示す増幅反応で生成した増幅産物の解離曲線を示す図である。 プライマーセット#5(配列番号9および配列番号10)を用いた8種のヒト細胞型のgDNA試料(各々1ng)についての増幅プロフィールを示す図である。 図11Aで示す増幅反応で生成した増幅産物の解離曲線を示す図である。 プライマーセット#6(配列番号11および配列番号12)を用いた8種のヒト細胞型のgDNA試料(各々1ng)についての増幅プロフィールを示す図である。 図12Aで示す増幅反応で生成した増幅産物の解離曲線を示す図である。 プライマーセット#7(配列番号13および配列番号14)を用いた8種のヒト細胞型のgDNA試料(各々1ng)についての増幅プロフィールを示す図である。 図13Aで示す増幅反応で生成した増幅産物の解離曲線を示す図である。 プライマーセット#8(配列番号15および配列番号16)を用いた8種のヒト細胞型のgDNA試料(各々1ng)についての増幅プロフィールを示す図である。 図14Aで示す増幅反応で生成した増幅産物の解離曲線を示す図である。 プライマーセット#9(配列番号17および配列番号18)を用いた8種のヒト細胞型のgDNA試料(各々1ng)についての増幅プロフィールを示す図である。 図15Aで示す増幅反応で生成した増幅産物の解離曲線を示す図である。 プライマーセット#10(配列番号19および配列番号20)を用いた8種のヒト細胞型のgDNA試料(各々1ng)についての増幅プロフィールを示す図である。 図16Aで示す増幅反応で生成した増幅産物の解離曲線を示す図である。 プライマーセット#10および40pgから5ngのgDNAを用いたHeLaのgDNAの増殖プロットを示す図である。 図17Aのデータから作成した検量線を示す図である。 5mMのTCEP, 1%のTriton X−100を含む、pH2.5の緩衝液中で作製した細胞溶解物の増幅プロットを示す図である。 Ambion Cells To Signal II(登録商標)緩衝液中で作製した細胞溶解物の増幅プロットを示す図である。 5mMのTCEP, 1%のTriton X−100を含む、pH2.5の緩衝液中で作製した細胞溶解物の増幅プロットを示す図である。 Ambion Cells To Signal II(登録商標)緩衝液中で作製した細胞溶解物の増幅プロットを示す図である。 図18Aおよび図18Bで提示したデータから作成した検量線を示す図である。 図19Aおよび図19Bで提示したデータから作成した検量線を示す図である。 図18Aから図20Bで提示したデータをまとめて示す図である。 QPCRおよびQRT−PCRを用いた標的配列の増幅についての検量線を示す図である。 プライマーセット10(配列番号19および配列番号20)および本発明の緩衝液を用いた、HeLa細胞溶解物に関するQPCR増幅についての検量線および増幅プロットを示す図である。 RNA特異的B2M TaqMan(登録商標)プライマーおよびプローブ、ならびに本発明の緩衝液を用いた、HeLa細胞溶解物に関するQRT−PCRについての検量線および増幅プロットを示す図である。 図23および図24で提示したデータをまとめて示す図である。 プライマーセット10(配列番号19および配列番号20)を用いた、ヒト肝臓組織溶解物のQPCR増幅についての検量線および増幅プロットを示す図である。 RNA特異的B2M TaqMan(登録商標)プライマーおよびプローブを用いた、ヒト肝臓組織溶解物のQRT−PCR増幅についての検量線および増幅プロットを示す図である。 図26および図27で提示したデータをまとめて示す図である。 4種類のHeLa細胞濃度でのQPCRおよびQRT−PCR増殖反応を比較する図である。DNA特異的プライマーセット10(配列番号19および配列番号20)を、QPCRではBAX、USP7と比較し、ワンステップQRT−PCRではB2M RNA特異的TaqMan(登録商標)プライマーおよびプローブと比較している。 BAX増幅のためのノーマライザーとしてB2M(QRT−PCR)またはDNA(QPCR)を用いた、HeLa細胞でのBAX遺伝子発現の比較定量化を示す図である。この結果は、単一コピーgDNAが遺伝子発現の比較定量化分析でのノーマライザーとして十分に使用できることを実証する。

Claims (44)

  1. 少なくとも1つの細胞溶解物と、
    少なくとも1つのプライマーと、
    固有なゲノム核酸配列、目的の標的核酸、またはその両方を検出するための少なくとも1つのプローブと、
    PCR反応のための1つまたは複数の成分と
    を含む組成物。
  2. PCR反応のための前記成分が少なくとも1つの耐熱性ポリメラーゼを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. PCR反応のための前記成分が少なくとも1つの逆転写酵素を含む、請求項1に記載の組成物。
  4. 少なくとも1つのプライマーが、配列番号1〜配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、および配列番号39のいずれかから選択される配列を含む単離または精製オリゴヌクレオチドである、請求項1に記載の組成物。
  5. 少なくとも1つのプローブが、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、または配列番号40の配列を含む、請求項1に記載の組成物。
  6. 試験試料が由来する組成物中のgDNA量、存在する細胞数、または細胞濃度を決定する方法であって、
    ゲノム核酸を含む前記試験試料を用意するステップと、
    前記ゲノム核酸中に存在する1つまたは複数の固有なゲノム配列を増幅するステップと、
    前記増幅ゲノム核酸の増幅プロフィールを、既知量のgDNAまたは前記ゲノム核酸が由来する細胞型の既知数の細胞(original cell)からの参照試料で実施される反応より得られる増幅プロフィールの検量線と比較するステップと、
    gDNA量、または前記試験試料のゲノム核酸が由来した細胞の数もしくは細胞の濃度を決定するステップと
    を含む方法。
  7. 前記方法が1つより多くの試料で実施される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記方法により決定されたgDNA量または細胞数または細胞濃度に基づいて前記複数試料を正規化することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記固有なゲノム配列とは異なる、1つまたは複数の目的の標的配列を増幅することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
  10. 単一コピーgDNAが正規化のために用いられる、請求項8または9に記載の方法。
  11. 増幅がQPCR技術を含む、請求項6に記載の方法。
  12. 前記PCR技術がQRT−PCRである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記固有なゲノム配列を増幅するための少なくとも1つのプライマーが、配列番号1〜配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、および配列番号39のいずれかから選択される配列を含むオリゴヌクレオチドである、請求項6に記載の方法。
  14. 1つまたは複数の試験試料から細胞数または細胞濃度を決定するPCR法であって、PCR増幅によって得られた細胞数または細胞濃度を正規化することを含み、正規化に前記ゲノム核酸中に存在する少なくとも1つの固有なゲノム配列を用いるPCR法。
  15. 正規化にDNA特異的プライマーを用いる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記プライマーの少なくとも1つが、配列番号1〜配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、および配列番号39のいずれかから選択される配列を含むオリゴヌクレオチドである、請求項15に記載の方法。
  17. 遺伝子のDNA分子と比較して、前記遺伝子のmRNA分子の数または濃度を評価することをさらに含む、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. QPCRおよびQRT−PCRが同じプレート上で同時に実施される、請求項17に記載の方法。
  19. QPCRおよびQRT−PCRが同じ試薬およびサイクルパラメータを用いて実施される、請求項17に記載の方法。
  20. 細胞の染色体分析をさらに含む、請求項6または14に記載の方法。
  21. 試験試料が由来する組成物中のgDNA量または存在する細胞数または細胞濃度を決定するキットであって、
    少なくとも1つの細胞溶解物と、
    少なくとも1つのプライマーと、
    固有なゲノム核酸配列、目的の標的核酸、またはその両方を検出するための少なくとも1つのプローブと、
    PCR反応のための1つまたは複数の成分と
    を含むキット。
  22. 少なくとも1つのプライマーが、配列番号1〜配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、および配列番号39のいずれかから選択される配列を含む単離または精製オリゴヌクレオチドである、請求項21に記載のキット。
  23. 少なくとも1つのプローブが、配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、または配列番号40の配列を含む、請求項21に記載のキット。
  24. 少なくとも1つのプライマーが、固有なゲノム配列以外の配列である目的の標的配列の増幅のためのオリゴヌクレオチドプライマーである、請求項21に記載のキット。
  25. QPCR反応を実施するのに必要な成分の一部または全部をさらに含む、請求項21に記載のキット。
  26. 少なくとも1つの耐熱性ポリメラーゼを含む、請求項25に記載のキット。
  27. 配列番号1〜配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、および配列番号39のいずれかから選択される配列を含む単離または精製オリゴヌクレオチド。
  28. 請求項27に記載のオリゴヌクレオチドを含む組成物。
  29. PCR反応のための1つまたは複数の成分をさらに含む、請求項28に記載の組成物。
  30. 前記成分が1つまたは複数の耐熱性ポリメラーゼである、請求項29に記載の組成物。
  31. 前記成分が逆転写酵素である、請求項29に記載の組成物。
  32. 1つまたは複数の細胞溶解物をさらに含む、請求項28に記載の組成物。
  33. 固有なゲノム核酸配列、目的の標的核酸、またはその両方を検出するための少なくとも1つのプローブをさらに含む、請求項28に記載の組成物。
  34. 前記プローブが配列番号22、配列番号24、配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、または配列番号40の配列を含む、請求項33に記載の組成物。
  35. 固有なゲノム配列を増幅するための少なくとも1つの単離または精製オリゴヌクレオチドを含むキット。
  36. 配列番号1〜配列番号21、配列番号23、配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、および配列番号39のいずれかから選択される配列を含む、請求項35に記載のキット。
  37. 目的の生物のゲノム中に存在する少なくとも1つの固有なゲノム配列を検出するための少なくとも1つのプローブをさらに含む、請求項35に記載のキット。
  38. 固有なゲノム配列以外の配列である目的の標的配列を増幅するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーをさらに含む、請求項35に記載のキット。
  39. QPCR反応を実施するのに必要な成分の一部または全部をさらに含む、請求項35に記載のキット。
  40. 少なくとも1つの耐熱性ポリメラーゼを含む、請求項38に記載のキット。
  41. 目的の固有なゲノム配列を増幅することができるプライマー対を含み、前記プライマー対のプライマーが目的の前記固有な配列を特異的に増幅するように設計されている組成物。
  42. 前記プライマー対が固有なヒトゲノム配列を増幅する、請求項41に記載の組成物。
  43. 目的の核酸配列を増幅する方法において生物の固有なゲノム配列を増幅する方法であって、
    固有なゲノム配列を増幅することができる少なくとも一対のプライマーを用意するステップと、
    目的の核酸配列の増幅または検出のための少なくとも1つのプローブまたはプライマーを用意するステップと、
    前記固有なゲノム配列を増幅し、かつ目的の前記核酸配列を検出するステップと
    を含む方法。
  44. PCR増幅法を含む、請求項43に記載の方法。
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