JP2008302547A - 感光性粘着樹脂用保護ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも片面に塗布層を有するポリエステルフィルムであって、下記式(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする感光性粘着樹脂用保護ポリエステルフィルム。
CwC≧90 …(1)
ΔCwT≦20 …(2)
(上記式中、CwCは塗布層表面の水滴接触角(°)、ΔCwTは、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと塗布層面とを、圧着力10kg/cm2で10分間、20±2℃、65±5%RHの環境下で圧着したときの、ポリエチレンテレフタレートフィルムの圧着された面の水滴接触角の変化量(°)である)
【選択図】 なし
Description
CwC≧90 …(1)
ΔCwT≦20 …(2)
(上記式中、CwCは塗布層表面の水滴接触角(°)、ΔCwTは、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと塗布層面とを、圧着力10kg/cm2で10分間、20±2℃、65±5%RHの環境下で圧着したときの、ポリエチレンテレフタレートフィルムの圧着された面の水滴接触角の変化量(°)である)
本発明における感光性粘着樹脂用保護ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムは単層構成であっても積層構成であってもよく、例えば、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を超えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定される訳ではない。
フタレート(PET)等が例示される。
一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。
さらに塗布剤に、本発明の主旨を損なわない範囲において、架橋剤を併用することが好ましく、具体例としてはメチロール化またはアルキロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系化合物、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート、シランカップリング剤等が挙げられる。これらの架橋成分はバインダーポリマーとあらかじめ結合していてもよい。
また、塗布層のブロッキング防止、滑り性改良を目的として、不活性粒子を含有してもよく、具体例としてはシリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、有機粒子等が挙げられる。
(上記式中、Wcはフィルムの表面に塗布液を塗布する際、単位時間当たりの塗布により消費される塗布液の量、Wiは乾燥後の塗布幅、Scは単位時間当たりの塗布乾燥されたフィルムの速度、Ccは塗布液中の固形分濃度である)
塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
さらに本発明における感光性粘着樹脂用保護ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ接着層、帯電防止層等の塗布層が設けられていてもよい。
本発明における感光性粘着樹脂用保護ポリエステルフィルムを構成する塗布層は上述の塗布延伸法(インラインコーティング法)によりポリエステルフィルム上に設けられてもよい。
(上記式中、CwCは塗布層表面の水滴接触角(°)を表す)
CwCに関して、好ましくは100°以上である。CwCが90°未満であると、感光性粘着樹脂から保護ポリエステルフィルムを剥がす際、滑らかに剥がれず感光性粘着樹脂表面に剥がし斑が発生し、スクリーン画面の輝度斑につながり好ましくないものとなる。
(上記式中、ΔCwTは塗布層面と圧着したポリエステルフィルムの圧着された面の水滴接触角の変化量である)
(上記式中、CwTbは塗布層面と圧着前のポリエステルフィルム表面の水滴接触角、CwTaは塗布層面と圧着後のポリエステルフィルム表面の水滴接触角である。)
圧着条件は以下のとおりである。
ホリエステルフィルム:厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
圧着力:10kg/cm2
圧着時間:10分
測定温湿度:20±2℃、65±5%RH
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル
1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合
溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
遠心沈降式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所社製SA−CP3型)を使
用して測定した等価球形分布における積算(重量基準)50%の値を平均粒径と
した。
イオン交換水を2μL滴下し、1分後のフィルム表面における水滴接触角をθ/2法により、接触角測定器(協和界面科学株式会社製CA−A型)を使用して測定した。
(株)小坂研究所社製表面粗さ測定器(SE−3F)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその中心線の方向に基準長さ2.5mmの部分を抜き取り、その平均線に平行最大値と最小値の2直線で抜き取り部分を挟んだとき、この2直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定して、その値をマイクロメートル(μm)単位で表したものを抜き取り部分の最大突起高さ(Rt)とした。最大突起高さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の最大高さの平均値で表した。
積層体Aを外径89.0±0.5mmの塩ビ芯に一旦巻き付けた後、巻き戻した
◎:感光性粘着樹脂と保護フィルムとの密着性が非常に優れていて、巻き戻した際にも剥離しないもの
○:感光性粘着樹脂と保護フィルムとの密着性が優れていて、巻き戻した際にも剥離しないもの
△:巻き戻した際、感光性粘着樹脂と保護フィルムとの間で、ごく一部剥離する箇所がある
×:巻き付け時に、感光性粘着樹脂と保護フィルムとの間で剥離するもの
◎:積層体Aから保護フィルムが非常に滑らかに剥がれるもの
○:積層体Aから保護フィルムが滑らかに剥がれるもの
△:積層体Aから保護フィルムが剥がれる際、引き剥がし張力変動が見られ感光性粘着樹脂表面に若干剥がし斑が見られるもの
×:積層体Aから保護フィルムが滑らかに剥がれず、感光性粘着樹脂表面に傷を与えるもの
積層体Aから保護フィルムを剥がした面をレンズアレイに貼り付けたもので評価した。
○:感光性粘着樹脂面とレンズアレイが密着し、容易に剥がすことができないもの
△:感光性粘着樹脂面とレンズアレイを貼り合わせたものをたわませた際、ごく一部で密着不良があるもの
×:感光性粘着樹脂面とレンズアレイとの間で密着不良があるもの
以上の評価項目から、感光性粘着樹脂用保護フィルムとしての性能を5段階で評価した。感光性粘着樹脂用保護フィルムとしては、総合評価「5」のものが最も優れており、総合評価「1」ものが最も劣っている。総合評価「4」以上のものが感光性粘着樹脂用保護フィルムとして使用し得るものである。
〈ポリエステルの製造〉
製造例1(ポリエチレンテレフタレートA1)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノールを留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、エチレングリコールスラリーエチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.03部、平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.01部添加した後、100分で温度を280℃、圧力を15mmHgに達せしめ、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHgとした。4時間後、系内を常圧に戻し、固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートA1を得た。
製造例1において平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.01部添加する代わりに平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.1部添加する以外は製造例1と同様にしてポリエチレンテレフタレートA2を得た。
(化合物例)
・塗布成分R1の合成例
ガラス製反応容器中にパーフルオロアルキル基含有アクリレート(CF3(CF2)nCH2CH2OCOCH=CH2 n=5〜11,nの平均=9)80重量部、アセトアセトキシエチルメタクリレート20重量部、ドデシルメルカプタン0.8重量部、脱酸素した純水354.7重量部、アセトン40.0重量部、C16H33N(CH3)3Cl 1.0重量部、およびC8H17C6H4O(CH2CH2O)nH(n=8)3.0重量部を入れ、アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩0.5重量部を加え、窒素雰囲気下で攪拌しつつ60℃で10時間共重合反応せしめた。得られた共重合体エマルジョンは固形分濃度 20.6重量部であった。以下、この共重合体エマルジョンを塗布成分R1という。
攪拌機、冷却器、滴下ロートをもつ反応容器中に、ポリビニルアルコール(重合度1100、鹸化度98モル%)10重量部を脱水したキシレン50重量部中に分散させる。還流温度でオクタデシルイソシアネート67重量部と触媒(ジラウリン酸ジブチル錫)0.01重量部を加え、ポリビニルアルコールと反応させる。反応の進行に伴い、ポリビニルアルコールの粉末が減少していくが、該粉末が消失してからさらに2時間反応させる。その後、40℃まで冷却し、得られた反応溶液を1000重量部のメタノール中に注いで白色沈殿物を得る。これをメタノール、次いでヘキサンで洗浄し、乾燥して塗布成分R2を調製した。
重合度250、アクリル酸共重合比4モル%からなるエチレン/アクリル酸共重合体
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(花王社製、商品名:ペレックスSS−L)50重量%、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(花王社製、商品名:エマルゲン910)50重量%混合物
ソルビタンモノステアレート
メトキシメチロールメラミン(メチロール化度:5〜6)
塗布成分(R2)145重量部、酸変成ポリオレフィン樹脂30重量部、界面活性剤10重量部、脂肪酸塩1重量部、オクタデシルビニルエーテル15重量部、および水800重量部を混合し、3Lの高圧式乳化機に入れ、120℃で500rpmの低速回転で10分間攪拌し、塗布成分(R2)および酸変成ポリオレフィン樹脂を溶融状態にする。次いで、135℃に昇温し、5000rpmの高速回転で1時間攪拌した後、冷却し塗布成分(R2)の水分散体(WR2)を得た。
製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA1を180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートにまず、95℃で延伸倍率をMD方向に3.6倍延伸し、下記塗布液をバーコート方式により塗布した後、テンターに導き、TD方向に4.3倍の逐次二軸延伸を行った。その後、230℃にて3秒間熱固定し、塗工量(乾燥後)が84(mg/m2)の塗布層が設けられた、厚さ25μmのPETフィルムを得た。
《塗布剤組成》
塗布成分(R1)の乾燥固形分割合:60重量%
ヘキサメトキシメチルメラミン(大日本インキ化学工業製ベッカミン):40重量%
上記塗布成分を水で希釈し、濃度8重量%に塗布液を作成した。
実施例1において、塗布液濃度を5重量%とする以外は実施例1と同様にして、塗工量(乾燥後)が52(mg/m2)のポリエステルフィルムを得た。
実施例1において、塗布剤組成、および塗布液濃度を下記とする以外は実施例1と同様にして、塗工量(乾燥後)が42(mg/m2)のポリエステルフィルムを得た。
《塗布剤組成》
塗布成分(R2)の乾燥固形分割合:75重量%
メトキシメチロールメラミン(メチロール化度:5〜6):25重量%
上記塗布成分を水で希釈し、濃度4重量%に塗布液を作成した。
実施例1において、塗布剤組成、および塗布液濃度を下記とし、TD方向の延伸倍率を3.8倍とする以外は実施例1と同様にして、塗工量(乾燥後)が118(mg/m2)のポリエステルフィルムを得た。
《塗布剤組成》
塗布成分(R2)の乾燥固形分割合:50重量%
メトキシメチロールメラミン(メチロール化度:5〜6):25重量%
酸変成ポリオレフィン樹脂(B1):25重量%
上記塗布成分を水で希釈し、濃度10重量%に塗布液を作成した。
製造例1で製造したポリエチレンテレフタレートA1を180℃で4時間、不活性ガス雰囲気中で乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融し、口金から押出し静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートにまず、95℃で延伸倍率をMD方向に3.6倍延伸し、テンターでTD方向に4.3倍の逐次二軸延伸を行った。その後、230℃にて3秒間熱固定して厚さ25μmのポリエステルフィルムを得た。これを比較例1のフィルムとした。次にポリエステルフィルムに下記塗布剤組成からなる塗布液を塗工量(乾燥後)が54(mg/m2)となるようにリバースグラビアコート方式により塗設し、180℃、5秒間熱処理したポリエステルフィルムを得た。
《離型剤組成》
硬化型シリコーン樹脂(信越化学製:X−62−1387) 10部
ジェリマーAT−M−918(日本純薬製) 10部
トルエン/MEK混合溶媒(混合比率は1:1) 2000部
実施例3において、塗布液濃度を2.5重量%とする以外は実施例3と同様にして、塗工量(乾燥後)が26(mg/m2)のポリエステルフィルムを得た。
実施例1において、塗布剤組成を下記表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
Claims (1)
- 少なくとも片面に塗布層を有するポリエステルフィルムであって、下記式(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする感光性粘着樹脂用保護ポリエステルフィルム。
CwC≧90 …(1)
ΔCwT≦20 …(2)
(上記式中、CwCは塗布層表面の水滴接触角(°)、ΔCwTは、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと塗布層面とを、圧着力10kg/cm2で10分間、20±2℃、65±5%RHの環境下で圧着したときの、ポリエチレンテレフタレートフィルムの圧着された面の水滴接触角の変化量(°)である)
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