JP2008224872A - 膜の剥離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】感光性組成物を基板上に塗布し、硬化させて得られた硬化物からなる膜を基板から剥離する方法であって、硬化物からなる膜を基板から容易に剥離することができ、基板を再利用することを可能とする膜の剥離方法を提供する。
【解決手段】アルコキシシランの縮合物(A)と、刺激により活性化し、アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させる第1の刺激剤(B)と、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激とは異なる刺激により活性化する第2の刺激剤(C)とを含む感光性組成物1を基板2上に塗布した後に、該感光性組成物1に第1の刺激剤(B)を活性化する刺激を与えることにより、感光性組成物を硬化させて得られた硬化物からなる膜1Cに、第2の刺激剤(C)を活性化する刺激を与えて、硬化物からなる膜1Cを基板2から剥離する、膜1Cの剥離方法。
【選択図】図2
【解決手段】アルコキシシランの縮合物(A)と、刺激により活性化し、アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させる第1の刺激剤(B)と、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激とは異なる刺激により活性化する第2の刺激剤(C)とを含む感光性組成物1を基板2上に塗布した後に、該感光性組成物1に第1の刺激剤(B)を活性化する刺激を与えることにより、感光性組成物を硬化させて得られた硬化物からなる膜1Cに、第2の刺激剤(C)を活性化する刺激を与えて、硬化物からなる膜1Cを基板2から剥離する、膜1Cの剥離方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、感光性組成物を硬化させて得られた膜を基板から剥離する方法であって、より詳細には、アルコキシシランの縮合物を含む感光性組成物を基板上に塗布し、感光性組成物を硬化させて得られた硬化物からなる膜の剥離方法に関する。
半導体などの電子デバイスの製造に際しては、パッシベーション膜やゲート絶縁膜などが、微細パターン形成法により構成されている。これらの膜の材料としては、例えばアルコキシシランの縮合物などを含む感光性樹脂組成物が用いられている。
下記の特許文献1には、微細パターン形成に用いられる感光性樹脂組成物の一例として、(1)アルカリ可溶性シロキサンポリマー、(2)光によって反応促進剤を発生する化合物、および(3)溶剤を主成分として含む感光性樹脂組成物が開示されている。上記(1)アルカリ可溶性シロキサンポリマーは、アルコキシシランに水および触媒を加えて加水分解縮合させて得られた反応溶液から、水および触媒を除去することにより得られている。
特許文献1に記載のパターン形成方法では、先ず、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層を基板上に形成する。次に、マスクを介して該感光性樹脂組成物層を露光する。それによって、露光部ではアルコキシシランの縮合物の架橋反応が進行し、感光性樹脂組成物層が硬化する。未露光部では硬化は進行しない。しかる後、現像液を用いて現像することにより、未露光部の感光性樹脂組成物層が除去される。それによって、感光性組成物の硬化物膜からなるパターンが得られていた。
特開平06−148895号公報
ところで、特許文献1に記載の方法により硬化物膜からなるパターンを構成した場合に、特にパターンの微細化が求められる場合に、所望とする形状のパターンを得られないことがあった。
所望の形状のパターンが得られなかった場合には、そのパターンは基板ごと廃棄しなければならなかった。そのため、コストが高くつくという問題があった。あるいは、パターンを基板から剥離する必要がある。ところが、従来、パターンを構成している硬化物膜を基板から剥離するには、例えば膜を形成する際に用いた比較的弱い酸もしくはアルカリ溶液などの現像液等を用いたとしても、硬化物膜を基板から剥離することはできない。よって、例えば比較的強い酸もしくはアルカリ溶液、又は有機溶剤等が用いられていた。このような液を用いなければならなかったため、作業環境が悪化し、かつ環境負荷が大きくならざるを得なかった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、アルコキシシランの縮合物を含む感光性組成物を基板上に塗布し、感光性組成物を硬化させて得られた硬化物からなる膜を基板から剥離する方法であって、硬化物からなる膜を基板から容易に剥離することができ、基板を再利用することを可能とする膜の剥離方法を提供することにある。
本発明は、アルコキシシランの縮合物(A)と、刺激により活性化し、アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させる第1の刺激剤(B)と、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激とは異なる刺激により活性化する第2の刺激剤(C)とを含む感光性組成物を基板上に塗布した後に、基板上に塗布された感光性組成物に、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激を与えることにより、感光性組成物を硬化させて得られた硬化物からなる膜を基板から剥離する方法であって、硬化物からなる膜に、第2の刺激剤(C)を活性化する刺激を与えて、硬化物からなる膜を基板から剥離することを特徴とする。
本発明に係る膜の剥離方法のある特定の局面では、第1の刺激剤(B)が、活性エネルギー線の照射もしくは熱処理により活性化する刺激剤であって、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激が、活性エネルギー線もしくは熱である。
本発明に係る膜の剥離方法の他の特定の局面では、第1の刺激剤(B)が、活性エネルギー線の照射により活性化する刺激剤であって、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激が活性エネルギー線である。
本発明に係る膜の剥離方法のさらに他の特定の局面では、第1の刺激剤(B)は、光酸発生剤または光塩基発生剤である。
本発明に係る膜の剥離方法の別の特定の局面では、第2の刺激剤(C)が、活性エネルギー線の照射もしくは熱処理により活性化する刺激剤であって、第2の刺激剤(C)を活性化する刺激が、活性エネルギー線もしくは熱である。
本発明に係る膜の剥離方法の別の特定の局面では、第2の刺激剤(C)は、刺激が与えられると強酸を発生する刺激剤である。
本発明に係る膜の剥離方法のさらに別の特定の局面では、第2の刺激剤(C)は、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激により活性化しない刺激剤である。
本発明に係る膜の剥離方法では、第1の刺激剤(B)と第2の刺激剤(C)とを含む感光性組成物を基板上に塗布し、次に、感光性組成物に第1の刺激剤(B)を活性化する刺激を与えることにより、感光性組成物を硬化させて得られた硬化物からなる膜が形成されているので、硬化物からなる膜には、第2の刺激剤(C)が含まれている。よって、硬化物からなる膜に、例えば活性エネルギー線や熱などの第2の刺激剤(C)を活性化する刺激を与えて、硬化物からなる膜を基板から剥離することができる。よって、基板を再利用することができ、コストを低減することができる。
また、第2の刺激剤(C)を工夫することにより、比較的強い酸溶液や比較的強いアルカリ溶液、又は有機溶剤等を用いなくても、硬化物からなる膜を基板から剥離することができる。すなわち、例えば、膜を形成する際に用いた比較的弱い酸溶液や比較的弱いアルカリ溶液などの現像液等を用いて、膜を基板から剥離することができる。よって、作業環境の悪化を防止でき、さらに廃液による環境負荷を低減することができる。
第1の刺激剤(B)が、活性エネルギー線の照射もしくは熱処理により活性化する刺激剤であって、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激が、活性エネルギー線もしくは熱である場合には、活性エネルギー線の照射もしくは熱処理により、基板上に膜をより一層容易に形成することができる。
第1の刺激剤(B)が、活性エネルギー線の照射により活性化する刺激剤であって、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激が活性エネルギー線である場合には、マスク等を用いて感光性組成物に選択的に活性エネルギー線を照射することにより、所望とするパターン形状の硬化物からなる膜を容易に形成することができる。
第1の刺激剤(B)が、光酸発生剤または光塩基発生剤である場合には、活性エネルギー線を照射するだけで、酸または塩基を発生させることができる。よって、膜の形成を容易に行うことができる。
第2の刺激剤(C)が、活性エネルギー線の照射もしくは熱処理により活性化する刺激剤であって、第2の刺激剤(C)を活性化する刺激が、活性エネルギー線もしくは熱である場合には、活性エネルギー線を照射することもしくは熱処理を施すことにより、膜を基板からより一層容易に剥離することが可能となる。
第2の刺激剤(C)が、刺激が与えられると強酸を発生する刺激剤である場合には、膜を基板からさらに一層効果的に剥離することができる。
第2の刺激剤(C)が、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激により活性化しない場合には、感光性組成物に第1の刺激剤(B)を活性化する刺激を与えたときに、第2の刺激剤(C)が活性化し、感光性組成物の硬化を阻害することがない。また、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激により第2の刺激剤(C)が消費されないので、硬化物膜に第2の刺激剤(C)を活性化する刺激を与えて、硬化物膜を基板からより一層確実に剥離することができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本願発明者らは、上記課題を達成するために、アルコキシシランの縮合物(A)を含む感光性組成物を硬化させて得られた硬化物からなる膜を基板から剥離する方法について鋭意検討した結果、膜を構成する感光性組成物に、アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させる第1の刺激剤(B)と、第2の刺激剤(C)とを含有させることによって、感光性組成物に第1の刺激剤(B)を活性化する刺激を与えて硬化物からなる膜を得た後、該硬化物からなる膜に第2の刺激剤(C)を活性化する刺激を与えて、硬化物からなる膜を基板から容易に剥離し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明では、基板上の硬化物からなる膜を構成するのに、アルコキシシランの縮合物(A)と、刺激により活性化し、アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させる第1の刺激剤(B)と、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激とは異なる刺激により活性化する第2の刺激剤(C)とを含む感光性組成物が用いられる。
上記アルコキシシランの縮合物(A)は、アルコキシシランを縮合させて得られた縮合物からなる。アルコキシシランの縮合物(A)は、少なくとも1種含まれており、従って2種以上のアルコキシシランの縮合物(A)が含まれていてもよい。
上記アルコキシシランの縮合物(A)として、下記式(a)で表されるアルコキシシランを縮合させて得られたアルコキシシランの縮合物を用いることが好ましい。
Si(R1)p(R2)q(R3)4−p−q・・・式(a)
上述した式(a)中、R1は水素又は炭素数が1〜30である非加水分解性の有機基を表し、R2はアルコキシ基を表し、R3はアルコキシ基以外の加水分解性基を表し、pは0〜3の整数を表し、qは1〜4の整数を表し、p+q≦4である。pが2又は3であるとき、複数のR1は同一であってもよく異なっていてもよい。qが2〜4であるとき、複数のR2は同一であってもよく異なっていてもよい。p+q≦2であるとき、複数のR3は同一であってもよく異なっていてもよい。
上述した式(a)中、R1は水素又は炭素数が1〜30である非加水分解性の有機基を表し、R2はアルコキシ基を表し、R3はアルコキシ基以外の加水分解性基を表し、pは0〜3の整数を表し、qは1〜4の整数を表し、p+q≦4である。pが2又は3であるとき、複数のR1は同一であってもよく異なっていてもよい。qが2〜4であるとき、複数のR2は同一であってもよく異なっていてもよい。p+q≦2であるとき、複数のR3は同一であってもよく異なっていてもよい。
上記アルコキシ基R2及びアルコキシ基以外の加水分解性基R3は、通常、過剰の水の共存下、無触媒で、室温(25℃)〜100℃の温度範囲内で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基、またはさらに縮合してシロキサン結合を形成することができる基である。
上記アルコキシ基R2としては、特に限定されないが、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。
上記アルコキシ基以外の加水分解性基R3としては、特に限定されないが、具体的には、塩素、臭素等のハロゲノ基、アミノ基、ヒドロキシル基又はカルボキシル基等が挙げられる。
上記非加水分解性の有機基R1としては、特に限定されないが、加水分解を起こし難く、安定な疎水基である炭素数1〜30の有機基が挙げられる。安定な疎水基である炭素数1〜30の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ペンチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基及びエイコシル基等の炭素数1〜30のアルキル基、アルキル基のフッ素化物、塩素化物、臭素化物等のハロゲン化アルキル基(例えば、3−クロロプロピル基、6−クロロプロピル基、6−クロロヘキシル基および、6,6,6−トリフルオロヘキシル基等)、ハロゲン置換ベンジル基等の芳香族置換アルキル基(例えば、ベンジル基、4−クロロベンジル基及び4−ブロモベンジル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、メシチル基、ナフチル基等)、ビニル基やエポキシ基を含む有機基、アミノ基を含む有機基、チオール基を含む有機基等が挙げられる。
上記アルコキシシランの具体例としては、例えば、トリフェニルエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、エチルジメチルメトキシシラン、メチルジエチルメトキシシラン、エチルジメチルエトキシシラン、メチルジエチルエトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジエチルメトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、フェニルジエチルエトキシシラン、メチルジフェニルメトキシシラン、エチルジフェニルメトキシシラン、メチルジフェニルエトキシシラン、エチルジフェニルエトキシシラン、tert−ブトキシトリメチルシラン、ブトキシトリメチルシラン、ジメチルエトキシシラン、メトキシジメチルビニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、ジフェニルジエトキシラン、フェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジアセトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジエトキシメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチル−トリ−n−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチル−トリ−n−プロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピル−トリ−n−プロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリプロポキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリプロポキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリプロポキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリプロポキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリプロポキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリプロポキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリプロポキシシラン、エイコシルデシルトリメトキシシラン、エイコシルトリエトキシシラン、エイコシルトリプロポキシシラン、6−クロロヘキシルトリメトキシシラン、6,6,6−トリフルオロヘキシルトリメトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、4−クロロベンジルトリメトキシシラン、4−ブロモベンジルトリ−n−プロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、N−β−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、トリ−n−プロポキシシラン、トリアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラアセトキシシラン等が挙げられる。これらのアルコキシシランを縮合させて得られたアルコキシシランの縮合物がより好ましく用いられる。アルコキシシランの縮合物を構成するに際しては、少なくとも1種のアルコキシシランが用いられていればよく、従って2種以上のアルコキシシランが用いられていてもよい。
上記感光性組成物は、上記アルコキシシランの縮合物(A)に加えて、刺激により活性化し、アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させる第1の刺激剤(B)をさらに含有する。感光性組成物が第1の刺激剤(B)を含むことによって、感光性組成物に第1の刺激剤(B)を活性化する刺激を与えると、Si−O−Si結合を生成しつつ、アルコキシシランの縮合物(A)の架橋が進行し、感光性組成物が硬化する。基板上の感光性組成物を硬化させることにより、基板上に硬化物からなる膜を形成することができる。
上記第1の刺激剤(B)としては、特に限定されず、刺激により活性化し、アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させるものであれば用いることができる。
活性エネルギー線を照射、もしくは熱処理によりアルコキシシランの縮合物(A)を容易に架橋させることができるので、第1の刺激剤(B)は、活性エネルギー線の照射もしくは熱処理により活性化する刺激剤であることが好ましい。マスク等を用いて感光性組成物に選択的に活性エネルギー線を照射することにより、所望とするパターン形状の硬化物からなる膜を容易に形成することができるので、第1の刺激剤(B)は、活性エネルギー線の照射により活性化する刺激剤であることがより好ましい。
なお、第1の刺激剤(B)が、活性エネルギー線の照射により活性化する刺激剤である場合には、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激は活性エネルギー線であり、熱処理により活性化する刺激剤である場合には、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激は熱である。
上記第1の刺激剤(B)としては、活性エネルギー線の照射により活性化する光酸発生剤または光塩基発生剤が好ましく用いられる。光酸発生剤または光塩基発生剤を含む感光性組成物に、マスク等を用いて活性エネルギー線を選択的に照射することにより、露光部の感光性組成物を硬化させることができる。第1の刺激剤(B)として、熱処理により活性化する熱酸発生剤または熱塩基発生剤を用いてもよい。
上記光酸発生剤としては、特に限定されないが、例えば、オニウム塩などが挙げられる。より具体的には、ジアゾニウム、ホスホニウム、及びヨードニウムのBF4 −、PF6 −、SBF6 −、ClO4 −などの塩や、その他、有機ハロゲン化合物、有機金属、及び有機ハロゲン化物などが挙げられる。
上記光酸発生剤としては、特に限定されないが、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンアンチモナート、トリフェニルスルホニウムベンゾスルホナート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジシクロヘキシルスルホニルシクロヘキサノン、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート等のスルホニウム塩化合物、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート等のヨードニウム塩、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホナート等が挙げられる。光酸発生剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光酸発生剤として、より反応性の高いオニウム塩、ジアゾニウム塩、及びスルホン酸エステルからなる群から選択した少なくとも1種の化合物がより好ましく用いられる。
なお、365nmの波長の活性エネルギー線(i線)により活性化する光酸発生剤の市販品としては、チバスペシャリティケミカルズ社製の商品名「IC819」や、ADEKA社製の商品名「SP172」等が挙げられる。また、436nmの波長の活性エネルギー線(g線)により活性化する光酸発生剤としては、チバスペシャリティケミカルズ社製の商品名「PAG103」、「PAG108」、「PAG121」等が挙げられる。
上記光塩基発生剤としては、特に限定されないが、例えばコバルトアミン錯体、o−アシルオキシム、カルバミン酸誘導体、ホルムアミド誘導体、第4級アンモニウム塩、トシルアミン、カルバメート、アミンイミド化合物などを挙げることができる。具体的には、2−ニトロベンジルカルバメート、2,5−ジニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、N−シクロヘキシル−4−メチルフェニルスルホンアミド、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル−N−イソプロピルカルバメート等が挙げられる。光塩基発生剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光塩基発生剤として、好ましくは、活性エネルギー線の照射により塩基を発生するアミンイミド化合物が好適に用いられる。このようなアミンイミド化合物については、活性エネルギー線が照射された際に塩基を発生する限り特に限定されない。このようなアミンイミド化合物としては、例えば、下記の一般式(2)または(3)で表される化合物が挙げられる。
上述した式(2)及び(3)において、R1、R2、R3は独立に水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキリデン基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数4〜8のシクロアルケニル基、炭素数7〜12のフェノキシアルキル基、フェニル基、電子供与性基及び/または電子吸引性基が置換したフェニル基、ベンジル基、電子供与性基及び/または電子吸引性基が置換したベンジル基等が挙げられる。炭素数1〜8のアルキル基としては、直鎖上のアルキル基の他に、置換基を有するアルキル基、例えばイソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等も含む。これらの置換基の中で、合成の簡便性、アミンイミドの溶解性等の点から、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のシクロアルキル基、炭素数7〜12のフェノキシアルキル基が好ましい。また、R4は独立に炭素数1〜5のアルキル基、水酸基、炭素数4〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基を表す。上記一般式(2)中のAr1は芳香族基であり、このようなアミンイミド化合物は、例えば特開2003−35949号に開示されているように、本願出願前において知られており、かつ一般的に入手可能である。上記一般式(3)中、Ar2は芳香族基である。
上記アミンイミド化合物は、活性エネルギー線が照射された際に、1級もしくは2級アミンを発生する化合物に比べて、塩基発生効率が高い。従って、アミンイミド化合物を含むことが、露光時間の短縮、ひいては製造工程の短縮を図ることができるので、望ましい。
これらの感光剤である光酸発生剤及び光塩基発生剤に加え、より感度を高めるために、さらに増感剤を加えてもよい。
上記増感剤としては、特に限定されず、具体的には、ベンゾフェノン、p,p′−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p′−テトラエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフェニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアンスラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3′−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)及びコロネン等が挙げられ、好ましく用いられる。
上記熱酸発生剤としては、特に限定されないが、例えばオニウム塩等が挙げられ、好ましく用いられる。
上記熱酸発生剤は、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩及びアルソニウム塩からなる群から選択された少なくとも1種の化合物がより好ましい。
上記熱酸発生剤の例としては、ジアゾニウム塩(S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に明記)、アンモニウム塩(米国特許第4 069055号、同4069056号、同再発行27992号の各明細書および特開平4 −365049号公報に明記)、ホスホニウム塩(D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad,Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4069055号、同4069056号の各明細書に明記)、ヨードニウム塩(J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.& Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許104143号、米国特許第339049号、同410201号の各明細書、特開平2−150848号、同2−296514号の各公報に明記)、スルホニウム塩(J.V.Crivello et al, Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al, J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al, PolymerBull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al, Macromorecules,14(5),1141 (1981)、J.V.Crivel.lo et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許370693号、同3902114号、同233567号、同297443号、同297442号、米国特許第4933377号、同161811号、同410201号、同339049号、同4760013号、同4734444号、同2833827号、独国特許第2904626号、同3604580号、同3604581号の各明細書に明記、セレノニウム塩(J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に明記)、およびアルソニウム塩(C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に明記) が挙げられる。オニウム塩の対アニオンの例としては、BF4 −、CF3SO3 −、C4F9SO3 −、C8F17SO3 −およびCH3SO3 −などが挙げられる。これらの熱酸発生剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱塩基発生剤としては、特に限定されないが、例えばジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類及び芳香族アミン類等が挙げられ、好ましく用いられる。これらの熱塩基発生剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記第1の刺激剤(B)の含有割合は、アルコキシシランの縮合物(A)100重量部に対して、0.05〜50重量部の範囲であることが望ましい。第1の刺激剤(B)が0.05重量部未満であると、アルコキシシランの縮合物(A)を充分に架橋することができないことがあり、硬化物からなる膜の形成が困難なことがある。第1の刺激剤(B)が50重量部を超えると、感光性組成物を基板上に均一に塗布することが困難となり、さらに現像後に残渣が生じることがある。
感光性組成物は、上記第1の刺激剤(B)に加えて、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激とは異なる刺激により活性化する第2の刺激剤(C)をさらに含有する。
感光性組成物は第2の刺激剤(C)を含むので、感光性組成物を硬化して得られた硬化物からなる膜には、第2の刺激剤が含まれている。感光性組成物を硬化させて得られた硬化物からなる膜に、第2の刺激剤(C)を活性化する刺激を与えて、硬化物からなる膜を基板から剥離することができる。
上記第2の刺激剤(C)としては、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激とは異なる刺激により活性化するものであれば特に限定されず、第1の刺激剤(B)として挙げた前述の光酸発生剤、光塩基発生剤、熱酸発生剤又は熱塩基発生剤等を、第1の刺激剤(B)と適宜組合せて用いることができる。
活性エネルギー線の照射、もしくは熱処理により膜を基板から容易に剥離することができるので、上記第2の刺激剤(C)は、活性エネルギー線の照射もしくは熱処理により活性化する刺激剤であることが好ましい。なお、第2の刺激剤(C)が、活性エネルギー線の照射により活性化する刺激剤である場合には、第2の刺激剤(C)を活性化する刺激は活性エネルギー線であり、熱処理により活性化する刺激剤である場合には、第2の刺激剤(C)を活性化する刺激は熱である。
上記第2の刺激剤(C)は、刺激が与えられると強酸を発生する刺激剤であることが好ましく、活性エネルギー線の照射により強酸を発生する刺激剤であることがより好ましい。活性エネルギー線の照射により強酸を発生するので、第2の刺激剤(C)は、下記式(1)で表される化合物がより好ましい。
上述した式(1)中、X−はPF-6 −またはSbF6 −を表し、R1、R2及びR3は水素、ハロゲン、あるいは酸素、ハロゲン、窒素、硫黄またはフッ素を含んでも良い炭化水素基を表し、R1、R2及びR3は同一でも異なっても良く、R1及びR2の位置も限定されない。
上述した式(1)中、R1、R2及びR3の具体例としては、例えば、水素、ハロゲン、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、アシル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、ポリオキシアルキレン基およびエステル基からなる群から選ばれた基が挙げられ、第2の刺激剤(C)としてR1、R2及びR3がこれらの基からなる化合物がさらに好ましく用いられる。なお、R1、R2及びR3がこれらの基からなる場合には、R1、R2及びR3は同一でも異なってもよい。
上述した式(1)で表される化合物の市販品としては、ADEKA社製の商品名「SP−150」、「SP−170」、「SP−152」、「SP−172」等が挙げられる。
第2の刺激剤(C)は、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激により活性化しないことが好ましい。第1の刺激剤(B)を活性化する刺激により活性化しない刺激剤を用いると、感光性組成物に第1の刺激剤(B)を活性化する刺激を与えた際に、第2の刺激剤(C)が感光性組成物の硬化を阻害することがない。また、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激により第2の刺激剤(C)が消費されないので、硬化物膜の剥離性も高められる。
感光性組成物は、アルコキシシランの縮合物(A)100重量部に対し、第2の刺激剤(C)を0.2〜15重量部の割合で含むことが好ましい。第2の刺激剤(C)が0.2重量部未満であると、硬化物からなる膜の剥離性に劣ることがあり、15重量部を超えると、硬化物膜において過剰な第2の刺激剤(C)に起因する残渣が生じ易くなる。
感光性組成物には、上述した各成分の他に適宜の溶剤が添加され得る。溶剤を添加することにより、容易に塗布し得る感光性組成物を提供することができる。
上記溶剤としては、アルコキシシランの縮合物(A)を溶解し得る限り、特に限定されないが、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、スチレン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物;シクロヘキサン、シクロヘキセン、ジペンテン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、イソノナン、n−デカン、イソデカン、テトラヒドロナフタレン、スクワランなどの飽和または不飽和炭化水素化合物;ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン;ジプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、酢酸ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸イソアミル、ステアリン酸ブチルなどのエステル類などが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記溶剤の配合割合は、例えば基板上に感光性組成物を塗工し、膜を形成する際に、均一に塗工されるように適宜選択すればよい。好ましくは、感光性組成物の濃度は、固形分濃度で、0.5〜60重量%、より好ましくは、2〜40重量%程度とされる。
感光性組成物には、必要に応じて、他の添加剤をさらに添加してもよい。このような添加剤としては、充填剤、顔料、染料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、可塑剤、可塑促進剤、タレ防止剤などが挙げられる。
本発明では、感光性組成物を基板上に塗布した後に、該感光性組成物を硬化させて得られた硬化物からなる膜を基板から剥離する。図1に、上述した感光性組成物を用いた膜の製造フローの一例を概略構成図で示す。
図1に示すように、基板上に硬化物からなる膜を形成する際は、例えば基板上に感光性組成物を塗布する工程、感光性組成物を硬化させる工程、感光性組成物を現像し、硬化物からなる膜を得る工程が、この順で行われる。
上記基板上に感光性組成物を塗布する工程では、特に限定されないが、図2(a)に示すように、例えば感光性組成物1が基板2上に所定の厚みに塗布される。この場合の具体的な方法としては、一般的な塗工方法を用いることができ、例えば、浸漬塗工、ロール塗工、バー塗工、刷毛塗工、スプレー塗工、スピン塗工、押出塗工、グラビア塗工などを使用することができる。感光性組成物が塗工される基板としては、シリコン基板、ガラス基板、金属板、プラスチックス板などが用途に応じて用いられる。基板2上に塗布される感光性組成物の厚さは、用途によって異なるが、10nm〜10μmが目安となる。
次に、図2(b)に示すように、第1の刺激剤(B)を活性化する刺激を与えて、第1の刺激剤(B)の作用によりアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて、感光性組成物1を硬化させる。なお、第1の刺激剤(B)が活性エネルギー線の照射により活性化する刺激剤である場合には、形成するパターンに応じて選択的に活性エネルギー線を照射することができる。
例えば、フォトマスク3等を用いて、感光性組成物1に選択的に第1の刺激剤(B)を活性化する活性エネルギー線を照射することにより、露光部においてアルコキシシランの縮合物(A)が架橋し、感光性組成物1が硬化する。露光部の感光性組成物1が硬化すると、硬化物からなる膜1Aが形成され、現像液に不溶になる。他方、活性エネルギー線が照射されていない未露光部の感光性組成物1Bは、現像液に可溶である。フォトマスク3としては、市販されている一般的なものを用いればよい。
第1の刺激剤(B)を活性化するための活性エネルギー線を照射するための光源としては、特に限定されないが、超高圧水銀灯、Deep UV ランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、エキシマレーザーなどを使用することができる。これらの光源は、第1の刺激剤(B)又は増感剤の感光波長に応じて適宜選択される。活性エネルギー線としては、例えば、紫外線や可視光線または放射線などが挙げられる。
第1の刺激剤(B)を活性化させるための活性エネルギー線の照射エネルギーは、所望とする膜厚や第1の刺激剤(B)又は増感剤の種類にもよるが、一般に、10〜3000mJ/cm2の範囲である。10mJ/cm2よりも小さいと、アルコキシシランの縮合物(A)が十分に架橋しないことがあり、3000mJ/cm2より大きいと、露光時間が長くなるおそれがあり、硬化物からなる膜の時間あたりの製造効率が低下するおそれがある。
一方、第1の刺激剤(B)が熱処理により活性化する刺激剤である場合には、熱処理は、所望とする膜厚や第1の刺激剤(B)又は増感剤の種類にもよるが、一般に、50〜150℃で、0.1〜30分間行われる。温度が低すぎたり、熱処理時間が短すぎると、アルコキシシランの縮合物(A)が充分に架橋しないことがあり、温度が高すぎたり、熱処理時間が長すぎると、硬化物からなる膜の時間あたりの製造効率が低下するおそれがある。
感光性組成物に第1の刺激剤(B)を活性化する刺激を与えた後に、図2(c)に示すように、感光性組成物1を現像液で現像し、未露光部の感光性組成物1Bを除去することにより、硬化物からなる膜1Cを得る。
現像液で現像することにより、未露光部の感光性組成物1Bが現像液に溶解して除去され、露光部の硬化物からなる膜1Aが基板2上に残る。その結果、パターン形状の膜1Cが得られる。このパターンは、未露光部の感光性組成物1Bが除去されることから、ネガ型パターンといわれるものであり、ネガ型の感光性組成物を用いている。
ここで、現像とは、アルカリ水溶液等の現像液に露光部の硬化物からなる膜や未露光部の感光性組成物を浸漬する操作の他、これらの表面を現像液で洗い流す操作、あるいは現像液をこれらの表面に噴射する操作など、現像液で感光性組成物を処理する様々な操作を含むものとする。
なお、現像液とは、感光性組成物に第1の刺激剤(B)を活性化する刺激を与えた後に、未露光部の感光性組成物等を溶解する液である。上記ネガ型パターンの形成では、露光部の硬化物からなる膜は、現像液に溶解しない。現像液としては、アルカリ水溶液に限らず、酸水溶液や各種溶媒を用いてもよい。溶媒としては、上述した各種溶媒が挙げられる。酸性水溶液としては、シュウ酸、ギ酸、酢酸等が挙げられる。
現像液としては、防爆設備が不要であり、腐蝕等による設備負担も少ないので、アルカリ水溶液が好ましく用いられる。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、珪酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ水溶液が挙げられる。現像に要する時間は、感光性組成物の厚みや溶剤の種類にもよるが、効率良く現像でき製造効率が高められるため、10秒〜5分の範囲が好ましい。現像後に膜を蒸留水で洗浄し、膜上に残存しているアルカリ水溶液等の現像液を除去することが好ましい。
図1に示すように、現像し、硬化物からなる膜を得た後に、膜が所望とするパターン形状を有する場合等には、膜をそのまま使用することができる。他方、所望とする形状の硬化物からなる膜が得られず、基板上の膜を剥離したい場合等に、硬化物からなる膜が剥離される。膜を基板から剥離することにより、基板を再利用することができる。
図2(d)に示すように、硬化物からなる膜1Cに第2の刺激剤(C)を活性化する刺激を与えて、硬化物からなる膜1Cを基板2から剥離する。
本発明では、硬化物からなる膜1Cを基板2から剥離するのに、硬化物からなる膜1Cに第2の刺激剤(C)を活性化する刺激を与えている。硬化物からなる膜1Cに第2の刺激剤(C)を活性化する刺激を与えて、また必要に応じて例えば物理的な力を与えたり、液に浸漬させるだけで、硬化物からなる膜1Cを基板2から容易に剥離することができる。
第2の刺激剤(C)を工夫することにより、比較的強い酸溶液や比較的強いアルカリ溶液、又は有機溶剤等を用いることなく、硬化物膜1Cを基板2から剥離することができる。例えば、硬化物膜1Cを形成する際に用いた比較的弱い酸溶液や比較的弱いアルカリ溶液などの現像液等を用いて、硬化物膜1Cを基板2から剥離することができる。具体的には、硬化物膜1Cを形成する際に用いた現像液を用いることができる。よって、作業環境の悪化を防止でき、廃液による環境負荷を低減することができる。
硬化物からなる膜1Cを基板2から剥離する際には、比較的弱い酸溶液や比較的弱いアルカリ溶液を用いることが好ましい。このような液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、珪酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、シュウ酸、ギ酸、酢酸等が挙げられ、特にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が好ましく用いられる。
第2の刺激剤(C)を活性化するための活性エネルギー線を照射するための光源としては、特に限定されないが、超高圧水銀灯、Deep UV ランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、エキシマレーザーなどを使用することができる。これらの光源は、第2の刺激剤(C)の感光波長に応じて適宜選択される。
第2の刺激剤(C)を活性化するための活性エネルギー線の照射エネルギーは、膜の厚み等にもよるが、一般に、10〜3000mJ/cm2の範囲である。10mJ/cm2よりも小さいと、膜の剥離性に劣ることがあり、3000mJ/cm2より大きいと露光時間が長すぎることがあり、硬化物膜の剥離効率が低下するおそれがある。
一方、第2の刺激剤(C)が熱処理により活性化する刺激剤である場合には、熱処理は、膜の厚み等にもよるが、一般に、50〜250℃で、0.1〜30分間行われる。温度が低すぎたり、熱処理時間が短すぎると、膜の剥離性に劣ることがあり、温度が高すぎたり、熱処理時間が長すぎると、硬化物膜の剥離効率が低下するおそれがある。
図1,2を用いて、所望とする形状の硬化物からなる膜が得られずに、基板上の膜を剥離したい場合等に硬化物からなる膜を剥離する一例を説明したが、本発明に係る膜の剥離方法は、例えば回路パターンの形成に対応してレジストパターンを形成した後に、レジストパターンの非パターン部をエッチングして回路パターンを形成する場合等にも適用することができる。
例えば、シリコン基板等の基板12上に、感光性組成物11を塗布する(図3(a))。次に、フォトマスク13を介して感光性組成物11に第1の刺激剤(B)を活性化する刺激を与えて、露光部の感光性組成物11を硬化させる。露光部の感光性組成物11が硬化すると、硬化物からなる膜1Aが形成され、現像液に不溶になる。一方、未露光部の感光性組成物11Bは現像液に可溶である(図3(b))。しかる後、現像液で現像し、硬化物からなる膜11Cを得、レジストパターンを形成する(図3(c))。次に、レジストパターンの非パターン部である膜11C間をエッチングして回路パターン14を形成する(図3(d))。回路パターン14を形成した後、膜11Cに第2の刺激剤(C)を活性化する刺激を与えて、膜11Cを基板12Aから剥離する(図3(e))。
なお、上記感光性組成物は、様々な装置において、膜を形成するのに用いられるが、例えば電子機器の絶縁保護膜として上記感光性組成物を硬化させて得られた硬化物からなる膜が用いられる。このような電子機器の絶縁保護膜の例としては、例えば、液晶表示素子において、薄膜トランジスタ(TFT)を保護するためのTFT保護膜や、カラーフィルタにおいてフィルタを保護する保護膜などが挙げられる。また、上記硬化物からなる膜は、半導体素子の層間絶縁膜、あるいはパッシベーション膜としても用いられる。さらに、上記感光性組成物を硬化させて得られた硬化物からなる膜は、例えば、有機EL素子のTFT保護膜、ICチップの層間保護膜、センサの絶縁層などの様々な電子機器用絶縁保護膜としても広く用いられる。
以下、本発明の実施例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(使用した材料)
〔アルコキシシランの縮合物(A)〕
冷却管をつけた100mlのフラスコにフェニルトリエトキシシラン5g、トリエトキシシラン10g、シュウ酸0.5g、水5ml及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50mlを加えた。半円形型のメカニカルスターラーを用いて溶液を撹拌し、マントルヒーターで70℃・6時間反応させた。次いでエバポレーターを用いて水との縮合反応で生成したエタノールと残留水とを除去した。反応終了後、フラスコを室温になるまで放置し、アルコキシシランの縮合物(A)を調製した。
〔アルコキシシランの縮合物(A)〕
冷却管をつけた100mlのフラスコにフェニルトリエトキシシラン5g、トリエトキシシラン10g、シュウ酸0.5g、水5ml及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50mlを加えた。半円形型のメカニカルスターラーを用いて溶液を撹拌し、マントルヒーターで70℃・6時間反応させた。次いでエバポレーターを用いて水との縮合反応で生成したエタノールと残留水とを除去した。反応終了後、フラスコを室温になるまで放置し、アルコキシシランの縮合物(A)を調製した。
〔第1の刺激剤(B)及び第2の刺激剤(C)〕
PAG103(光酸発生剤、チバスペシャリティケミカルズ社製)
SP172(光酸発生剤、ADEKA社製)
IC819(光酸発生剤、チバスペシャリティケミカルズ社製)
CGI PNBT(熱酸発生剤、チバスペシャリティケミカルズ社製)
シクロヘキシル−p−トルエンスルフォネート(熱酸発生剤、ランカスター社製)
PAG103(光酸発生剤、チバスペシャリティケミカルズ社製)
SP172(光酸発生剤、ADEKA社製)
IC819(光酸発生剤、チバスペシャリティケミカルズ社製)
CGI PNBT(熱酸発生剤、チバスペシャリティケミカルズ社製)
シクロヘキシル−p−トルエンスルフォネート(熱酸発生剤、ランカスター社製)
(実施例1)
(1)感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)100重量部と、第1の刺激剤(B)としてのPAG103 1重量部と、第2の刺激剤(C)としてのSP172 3重量部とを混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、感光性組成物を調製した。
(1)感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)100重量部と、第1の刺激剤(B)としてのPAG103 1重量部と、第2の刺激剤(C)としてのSP172 3重量部とを混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、感光性組成物を調製した。
(2)膜の形成及び剥離
表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用意し、このガラス基板上に上記感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、80℃の熱風オーブンで乾燥させ塗膜を形成した。
表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用意し、このガラス基板上に上記感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、80℃の熱風オーブンで乾燥させ塗膜を形成した。
次に、所定のパターンを有するフォトマスクを介して第1の刺激剤(B)を活性化するために、塗膜に、活性エネルギー線としてg線を、照射エネルギー200mJ/cm2となるように、強度100mW/cm2で2秒間照射した。その後、100℃3分間熱風オーブンで加熱することにより、露光部においてアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて、感光性組成物を硬化させた。
次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液に、塗膜を浸漬して現像し、基板上に硬化物からなる膜L1を形成した。
次に、第2の刺激剤(C)を活性化するために、硬化物膜L1に、活性エネルギー線としてi線を、照射エネルギー2000mJ/cm2となるように、強度100mW/cm2で20秒間照射した。しかる後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液を用いて硬化物膜L1の剥離を試みた。
(実施例2)
(1)感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)100重量部と、第1の刺激剤(B)としてのPAG103 1重量部と、第2の刺激剤(C)としてのIC819 3重量部とを混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、感光性組成物を調製した。
(1)感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)100重量部と、第1の刺激剤(B)としてのPAG103 1重量部と、第2の刺激剤(C)としてのIC819 3重量部とを混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、感光性組成物を調製した。
(2)膜の形成及び剥離
表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用意し、このガラス基板上に上記感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、80℃の熱風オーブンで乾燥させ塗膜を形成した。
表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用意し、このガラス基板上に上記感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、80℃の熱風オーブンで乾燥させ塗膜を形成した。
次に、所定のパターンを有するフォトマスクを介して第1の刺激剤(B)を活性化するために、塗膜に、活性エネルギー線としてg線を、照射エネルギー200mJ/cm2となるように、強度100mW/cm2で2秒間照射した。その後、100℃3分間熱風オーブンで加熱することにより、露光部においてアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて、感光性組成物を硬化させた。
次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液に、塗膜を浸漬して現像し、基板上に硬化物からなる膜L2を形成した。
次に、第2の刺激剤(C)を活性化するために、硬化物膜L2に、活性エネルギー線としてi線を、照射エネルギー1000mJ/cm2となるように、強度100mW/cm2で10秒間照射した。しかる後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液を用いて硬化物膜L2の剥離を試みた。
(実施例3)
(1)感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)100重量部と、第1の刺激剤(B)としてのSP172 2重量部と、第2の刺激剤(C)としてのCGI PNBT 1重量部とを混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、感光性組成物を調製した。
(1)感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)100重量部と、第1の刺激剤(B)としてのSP172 2重量部と、第2の刺激剤(C)としてのCGI PNBT 1重量部とを混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、感光性組成物を調製した。
(2)膜の形成及び剥離
表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用意し、このガラス基板上に上記感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、80℃の熱風オーブンで乾燥させ塗膜を形成した。
表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用意し、このガラス基板上に上記感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、80℃の熱風オーブンで乾燥させ塗膜を形成した。
次に、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、塗膜に、第1の刺激剤(B)を活性化する活性エネルギー線としてi線を、照射エネルギー200mJ/cm2となるように、強度100mW/cm2で2秒間照射した。その後、100℃3分間熱風オーブンで加熱することにより、露光部においてアルコキシシランの縮合物(A)を架橋させて、感光性組成物を硬化させた。
次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液に、塗膜を浸漬して現像し、基板上に硬化物からなる膜L3を形成した。
次に、第2の刺激剤(C)を活性化するために、硬化物膜L3を、200℃で10分間、熱処理した。しかる後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液を用いて硬化物膜L3の剥離を試みた。
(実施例4)
(1)感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)100重量部と、第1の刺激剤(B)としてのシクロヘキシル−p−トルエンスルフォネート 2重量部と、第2の刺激剤(C)としてのSP172 3重量部とを混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、感光性組成物を調製した。
(1)感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)100重量部と、第1の刺激剤(B)としてのシクロヘキシル−p−トルエンスルフォネート 2重量部と、第2の刺激剤(C)としてのSP172 3重量部とを混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、感光性組成物を調製した。
(2)膜の形成及び剥離
表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用意し、このガラス基板上に上記感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、80℃の熱風オーブンで乾燥させ塗膜を形成した。
表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用意し、このガラス基板上に上記感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、80℃の熱風オーブンで乾燥させ塗膜を形成した。
次に、第1の刺激剤(B)を活性化するために、塗膜を、100℃で3分間、熱処理し、基板上に硬化物からなる膜L4を形成した。
次に、第2の刺激剤(C)を活性化するために、硬化物膜L4に、活性エネルギー線としてi線を、照射エネルギー2000mJ/cm2となるように、強度100mW/cm2で20秒間照射した。しかる後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液を用いて硬化物膜L4の剥離を試みた。
(実施例5)
(1)感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)100重量部と、第1の刺激剤(B)としてのシクロヘキシル−p−トルエンスルフォネート 2重量部と、第2の刺激剤(C)としてのCGI PNBT 2重量部とを混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、感光性組成物を調製した。
(1)感光性組成物の調製
上記アルコキシシランの縮合物(A)100重量部と、第1の刺激剤(B)としてのシクロヘキシル−p−トルエンスルフォネート 2重量部と、第2の刺激剤(C)としてのCGI PNBT 2重量部とを混合した後、溶剤であるテトラヒドロフラン500重量部に溶解させ、感光性組成物を調製した。
(2)膜の形成及び剥離
表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用意し、このガラス基板上に上記感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、80℃の熱風オーブンで乾燥させ塗膜を形成した。
表層にアルミニウムが蒸着されたガラス基板を用意し、このガラス基板上に上記感光性組成物を回転数1500rpmでスピン塗工した。塗工後、80℃の熱風オーブンで乾燥させ塗膜を形成した。
次に、第1の刺激剤(B)を活性化するために、塗膜を、100℃で3分間、熱処理し、基板上に硬化物からなる膜L5を形成した。
次に、第2の刺激剤(C)を活性化するために、硬化物膜L5を、200℃で10分間、熱処理した。しかる後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38%水溶液を用いて硬化物膜L5の剥離を試みた。
(実施例の評価)
上記のようにして硬化物膜の剥離したときの膜の剥離状態を評価した。
上記のようにして硬化物膜の剥離したときの膜の剥離状態を評価した。
結果を下記表1に示す。
1…感光性組成物
1A…露光部の硬化物からなる膜
1B…未露光部の感光性組成物
1C…硬化物からなる膜
2…基板
3…フォトマスク
11…感光性組成物
11A…露光部の硬化物からなる膜
11B…未露光部の感光性組成物
11C…硬化物からなる膜
12…基板
13…フォトマスク
14…回路パターン
1A…露光部の硬化物からなる膜
1B…未露光部の感光性組成物
1C…硬化物からなる膜
2…基板
3…フォトマスク
11…感光性組成物
11A…露光部の硬化物からなる膜
11B…未露光部の感光性組成物
11C…硬化物からなる膜
12…基板
13…フォトマスク
14…回路パターン
Claims (7)
- アルコキシシランの縮合物(A)と、刺激により活性化し、前記アルコキシシランの縮合物(A)を架橋させる第1の刺激剤(B)と、前記第1の刺激剤(B)を活性化する刺激とは異なる刺激により活性化する第2の刺激剤(C)とを含む感光性組成物を基板上に塗布した後に、前記基板上に塗布された前記感光性組成物に、前記第1の刺激剤(B)を活性化する刺激を与えることにより、前記感光性組成物を硬化させて得られた硬化物からなる膜を前記基板から剥離する方法であって、
前記硬化物からなる膜に、前記第2の刺激剤(C)を活性化する刺激を与えて、前記硬化物からなる膜を前記基板から剥離することを特徴とする、膜の剥離方法。 - 前記第1の刺激剤(B)が、活性エネルギー線の照射もしくは熱処理により活性化する刺激剤であって、前記第1の刺激剤(B)を活性化する刺激が、活性エネルギー線もしくは熱であることを特徴とする、請求項1に記載の膜の剥離方法。
- 前記第1の刺激剤(B)が、活性エネルギー線の照射により活性化する刺激剤であって、前記第1の刺激剤(B)を活性化する刺激が活性エネルギー線である、請求項1または2に記載の膜の剥離方法。
- 前記第1の刺激剤(B)が、光酸発生剤または光塩基発生剤である、請求項3に記載の膜の剥離方法。
- 前記第2の刺激剤(C)が、活性エネルギー線の照射もしくは熱処理により活性化する刺激剤であって、前記第2の刺激剤(C)を活性化する刺激が、活性エネルギー線もしくは熱であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の膜の剥離法方法。
- 前記第2の刺激剤(C)が、前記刺激が与えられると強酸を発生する刺激剤である、請求項5に記載の膜の剥離方法。
- 前記第2の刺激剤(C)が、前記第1の刺激剤(B)を活性化する刺激により活性化しないことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の膜の剥離方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007060490A JP2008224872A (ja) | 2007-03-09 | 2007-03-09 | 膜の剥離方法 |
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WO2021065951A1 (ja) * | 2019-09-30 | 2021-04-08 | 太陽インキ製造株式会社 | 配線基板用基材の再利用方法 |
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2007
- 2007-03-09 JP JP2007060490A patent/JP2008224872A/ja active Pending
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