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JP2008215900A - 非接触電流計及びその測定補助具 - Google Patents

非接触電流計及びその測定補助具 Download PDF

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JP2008215900A JP2007050958A JP2007050958A JP2008215900A JP 2008215900 A JP2008215900 A JP 2008215900A JP 2007050958 A JP2007050958 A JP 2007050958A JP 2007050958 A JP2007050958 A JP 2007050958A JP 2008215900 A JP2008215900 A JP 2008215900A
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Hiroyuki Sugao
博之 菅生
Takashi Saito
孝志 斎藤
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Abstract

【課題】バッテリなどの電源の配線を取り外すことなく、配線電流を非接触で高精度かつ高感度に測定することができる汎用の非接触電流計を提供する。
【解決手段】大電流レンジのクランプ式電流計2の把持部2aによって測定補助具1の内周をクランプし、かつバッテリ線4をクランプする。これによって、測定補助具1に内蔵されたコイルの内周がクランプされる。なお、図示しないコイルには電池電圧が印加されて所定の電流が流れている。したがって、バッテリ線4に微小な暗電流が流れているとき、把持部2aには暗電流による第1の磁束と測定補助具1による第2の磁束が重畳される。そのため、クランプ式電流計2は、暗電流と、測定補助具1による総合磁束に比例したオフセット電流とが加算されて計測電流を指示する。これにより計測電流とオフセット電流との差分から高いレンジ領域で暗電流を読み取ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流の流れる配線をクランプしてその配線の電流を測定する非接触電流計及び測定補助具に関し、特に、自動車のエンジン停止時のバッテリから流れる微小電流を測定することができる非接触電流計及びその電流計の測定補助具に関する。
従来から、非接触電流計として、リング状のコアの一部を切り欠いてその空隙部分にホール素子を介在させたクランプ式電流計が知られている。この種の非接触電流計は、コアを貫通する配線に直流電流を流すと、そのコアに生じた磁束に比例した電圧がホール素子の両端に発生するので、そのホール素子の両端電圧を検出することで貫通電流を測定することができる。また、非接触電流計を貫通する配線をNターンにすることによってレンジ目盛の1/Nの微小電流まで拡大して読み取ることができる非接触電流計も知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、車両等には多くの電気機器が搭載されているため、エンジンの停止時においてもバッテリから微小電流が流れている。このような微小電流は暗電流と呼ばれていて、一般的な車両では50mA前後の暗電流が流れている。車両業界においては、バッテリ点検の目安としてこのような暗電流を測定する要求が益々高まっている。また、車両等に限らず、屋内配線に流れる漏洩電流や家庭用電気機器の暗電流などの微小電流を測定する要求も益々高くなっている。
特開昭63−210782号公報(第2ページ、図1及び図4)
しかしながら、汎用の非接触電流計は、車両の電気機器などが動作しているときのオルタネータ電流や、エンジンをスタートさせたときのクランキング電流などを測定できるようなレンジになっているので、フルスケールが数十アンペア(例えば、20Aとか100A)のレンジになっている。
一方、電流計の精度及び感度は、その計器のフルスケールに対するパーセントで決められている。例えば、フルスケールが20Aで1級(±1%)の電流計の場合は精度及び感度は0.2A(200mA)であるので、50mAの暗電流を測定することができない。特に、感度が±1%ということは200mA以下の電流ではメータの指針が振れないことを意味するので、当然のことながら50mAの暗電流を測定することはできない。なお、高価な非接触電流計の場合は50mA前後の暗電流を計測することができるが、汎用の非接触電流計に比べて数倍(5倍程度)の価格であるので、汎用の用途に供することはできない。
また、特許文献1に開示された非接触電流計の場合は、微小電流を測定することはできるものの、一旦バッテリ配線を取り外してその配線をNターンにしてから再びバッテリに接続して貫通電流を測定しなければならないので、車載用の各種電気機器のプリセット値が工場設定時のデフォルト値に戻ってしまうなどの不具合が発生する。そのため、非接触電流計で電流値を測定する度に、個々の電気機器ごとにプリセット値を設定し直さなければならない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリなどの電源の配線を取り外すことなく、微小電流を非接触で高精度かつ高感度に測定することができる汎用の非接触電流計及びその電流計の測定補助具を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の非接触電流計は、開放可能なリング状のコアに配線を貫通させて、その配線に流れる電流を測定する非接触電流計であって、前記配線に流れる配線電流を測定するとき、その配線電流と、別に設けた回路によるオフセット電流とを重畳させて前記配線電流を測定するように構成されている。
本発明による非接触電流計の具体的な構成としては、開放可能なリング状のコアに配線を貫通させて、その配線に流れる配線電流を測定するクランプ式電流計と、前記配線とは別に設けたオフセット電流が流れるコイルを有し、そのコイルの内周をコアで貫通された測定補助具とを備えている。これによって、配線に流れる配線電流に対して、測定補助具のコイルによって発生したオフセット電流がレベルシフトされるので、非接触電流計の高いレンジ領域で高精度かつ高感度に配線電流を読み取ることができる。
本発明の非接触電流計によれば、電流の流れる配線と測定補助具のコイルとを並列にクランプして、その配線に流れる配線電流(例えば、暗電流)を測定している。したがって、配線を断にすることなく配線電流を非接触で測定することができると共に、計器の測定レンジをフルスケールに近づけるにつれて高精度かつ高感度に配線電流を読み取ることができる。
《発明の概要》
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態(以下「実施形態」という)に係る非接触電流計について好適な例をあげて説明するが、まず、理解を容易にするために本発明に係る非接触電流計の概要について説明する。
本発明の非接触電流計は、汎用の大電流測定用のクランプ式電流計で配線の配線電流を非接触で測定するとき、電圧の印加されたコイルが巻回された測定補助具を測定対象の配線と共に並列にクランプする。これによって、クランプ式電流計のコア(把持部)には、貫通された配線に流れる配線電流に比例した第1の磁束に対して、測定補助具のコイルからの第2の磁束が加算されて流れる。その結果、測定補助具のコイルの第2の磁束に相当する電流(オフセット電流)が真の配線電流(微小電流)に加算されるので、結果的、非接触電流計は、配線電流(微小電流)に対してコイルの第2の磁束に相当するオフセット電流が底上げされて(つまり、レベルシフトされて)、計測電流として指示されることになる。これによって、非接触電流計のゼロアンペア付近の計器感度による不感帯は回避され、配線電流と測定補助具のオフセット電流が加算されて計測電流として指示させるので、その差分電流を計算することによって配線に流れる微小電流(暗電流)を読み取ることができる。
次に、図面を参照しながら、本発明に係る非接触電流計の幾つかの実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、非接触電流計を自動車のエンジン停止時のバッテリ配線に流れる暗電流を測定する場合を例に挙げて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本実施形態の測定補助具を汎用のクランプ式電流計に取り付けたときの使用状態を示す斜視図、図2は本実施形態の測定補助具を示す外観斜視図、図3は本実施形態の測定補助具を示す回路図、図4は本実施形態の測定補助具の回路動作を示すタイムチャートである。
図1に示すように、本実施形態の非接触電流計3は、測定補助具1と、汎用のクランプ式電流計2とで構成されている。まず、クランプ式電流計2について図1を参照しながら簡単に説明する。このクランプ式電流計2は、例えば、測定レンジが10.0〜100.0Aや20.0〜200.0Aなどの標準的な既存の市販品であり、把持部(コア)2aと本体部2bとを有して構成されている。本体部2bには、電流値を表示するための表示部2c、押圧操作可能に設けられた押圧部2d、測定レンジを切り替えるための切替スイッチ2eなどが設けられている。把持部2aは、U字形(または円形)で、その先端部が分割して形成され、開放可能に動作するように本体部2bに支持されている。本体部2bに設けられた押圧部2dを押圧操作することにより、把持部2aの先端が互いに離間して開放するようになっている。なお、このクランプ式電流計2は、その把持部2aに、自動車のバッテリ(図示せず)に接続されたバッテリ線4(図1参照)を貫通させるようして用いられる。
図2に示すように、クランプ式電流計2に取り付けられる測定補助具1は、四角形状で偏平なケース1aを有し、そのケース1aの中央に上下に貫通する四角形状の貫通穴1bが形成されている。このケース1aの内部には、貫通穴1bを取り囲むようにして巻回されたコイルL1、その他に電池E1などが設けられている。なお、貫通穴1bは、汎用のクランプ式電流計2の把持部2aを挿通できる大きさで形成されている。また、測定補助具1には、押圧可能な操作スイッチSW1、および表示灯LED1が並んで設けられている。なお、本実施形態の測定補助具1は、ケース1aの貫通穴1bに把持部2aを貫通させた状態で用いられる(図1参照)。
図3に示すように、測定補助具1の回路は、例えば100T(ターン)のコイルL1と、コイルL1への通電開始タイミングを決定する、押されたときだけ閉回路になる(モーメンタリ)スイッチSW1と、抵抗R1,R2及びコンデンサC1からなる充放電時定数回路と、コイルL1への通電制御を行うトランジスタFET1と、コイルL1の通電電流を制限する抵抗R3と、トランジスタFET1がOFFしたときにコイルL1のエネルギを循環させるためのフライホイルダイオードD1と、トランジスタFET1がONしてコイルL1に電流が流れているときに点灯する表示灯LED1及び電流制限用の抵抗R4と、測定補助具1の回路電源となる電池E1とによって構成され、これらが前記したケース1aに内蔵されている。なお、図3に示す回路が、本発明の実施形態に係る回路に相当する。また、図1および図2に示す測定補助具1をコンパクトに構成するためには、図3に示す電池E1をアルカリ乾電池などにするよりはボタン電池にする方が望ましい。
次に、図4のタイムチャートを参照しながら図3の回路の動作を説明する。なお、図4の(a)はスイッチSW1の動作波形、(b)はトランジスタFET1のゲートG電圧(つまり、a点の電圧Va)、(c)はトランジスタFET1のドレインD電圧(つまり、b点の電圧Vb)を示している。
電池E1によって例えば3Vの電圧が回路に印加された状態において、時刻t1においてモーメンタリ自動復帰型のスイッチSW1を操作者(測定者)がONすると、抵抗R1とコンデンサC1の充電時定数によってコンデンサC1のa点の電圧Va(つまり、トランジスタFET1のゲートG電圧)が立ち上がり、時刻t2においてトランジスタFET1がONして(つまり、トランジスタFET1のドレイン電圧Vbがゼロに近い電位になり)、コイルL1には約10mAの電流が流れるように抵抗R3を設定する。このとき、表示灯LED1を点灯させる電流(例えば、数mA)が流れるような抵抗R4を設定する。
そして、時刻t1より極めて短かい時間後(例えば、数百mSec〜1Sec後)の時刻t3において操作者(測定者)がスイッチSW1から手を離して当該スイッチSW1をOFFすると、コンデンサC1と抵抗R2の放電時定数によってコンデンサC1のa点の電圧Va(FET1のゲートG電圧)が徐々に低下するが、この間もトランジスタFET1がONし続けて(つまり、トランジスタFET1のドレイン電圧Vbがゼロ電位を維持していて)、コイルL1に電流を流し続けると共に表示灯LED1を継続的に点灯させる。
やがて、例えば約1分後の時刻t4においてコンデンサC1のa点の電圧Va(トランジスタFET1のゲートG電圧)がトランジスタFET1の動作電圧以下に低下すると、トランジスタFET1がOFFして(つまり、トランジスタFET1のドレイン電圧Vbが電池電圧3Vとなって)、コイルL1の電流を遮断させると共に表示灯LED1を消灯させる。つまり、スイッチSW1を僅かな時間だけONさせると時刻t2から時刻t4までの時間(例えば、1分間)の間は継続的にコイルL1に電流を流し続けると共に表示灯LED1を点灯し続ける。
なお、時刻t4においてトランジスタFET1がOFFしたとき、コイルL1に流れていた電流が遮断されてエネルギの行き場がなくなると、コイルL1の両端に高い電圧のノイズが発生してトランジスタFET1などを破損させるおそれがある。そこで、トランジスタFET1がOFFしたときはコイルL1の電流を、フライホイルダイオードD1を介して循環させることによって、コイルL1に発生するノイズを抑えている。
このように構成された測定補助具1の貫通穴1bに把持部2aを挿通して内周をクランプし、さらに把持部2aにバッテリ(図示せず)からの配線(バッテリ線4)を挿通してクランプする(図1参照)。このとき、測定補助具1及びバッテリ線4の電流の向きはいずれの方向でも構わないが、以下の説明では測定補助具1とバッテリ線4の電流の向きは同じであるとする。また、クランプ式電流計2のフルスケールは、20Aであるとする。
例えば、クランプ式電流計2の把持部2aを1T(ターン)で貫通するバッテリ線4に20mAの暗電流(配線電流、微小電流)Iaが流れているとすると、そのクランプ式電流計2の把持部2aには20mA×1T=20mATに相当する第1の磁束が発生する。さらに、測定補助具1の100T(ターン)のコイルL1には図3で示したように10mAの電流が流れているので、クランプ式電流計2の把持部2aには10mA×100T=1000mATに相当する第2の磁束が発生する。つまり、クランプ式電流計2の把持部2aには合計して1020mATに相当する磁束が発生するので、クランプ式電流計2が指示する電流(計測電流)I(表示部2cに表示される電流値)は1020mAを示すことになる。
このとき、測定補助具1によってあらかじめレベルシフトさせるオフセット電流Iは、それぞれの測定補助具ごとに1000mAなどと言うように既知の値として設定できるので、操作者(測定者)は、クランプ式電流計2が指示する計測電流Iが1020mAであれば、暗電流Iaは、Ia=I−I=1020−1000=20mAとして直感的に読み取ることができる。
つまり、クランプ式電流計2によって20mAの暗電流だけを読み取ろうとすると、計器の感度(例えば、1級の感度±1%)による不感帯が200mAであるので、20mAの暗電流を読み取ることができない。しかし、クランプ式電流計2に測定補助具1を付加した非接触電流計3を用いることによって、ゼロアンペア付近を除いた比較的高い領域で暗電流を読み取ることができるので、計器感度の不感帯による読取誤差を除去することが可能となる。このことから、測定補助具1によって計器のフルスケール付近までオフセット電流Iをレベルシフトさせて暗電流Iaを読み取れば、さらに高感度に暗電流Iaを読み取ることができる。
また、計器の精度についてもフルスケール(例えば、20A)に対するパーセントで決められているので、測定補助具1によって高いレンジまでオフセット電流Iをレベルシフトさせて暗電流Iaを読み取れば、一層高精度に暗電流Iaを読み取ることができる。
なお、クランプ式電流計2の把持部2aによってクランプするバッテリ線4の電流の向きと測定補助具1によってクランプする把持部2aの電流の向きとの相対関係は任意であっても構わない。すなわち、測定補助具1によるオフセット電流Iとクランプ式電流計2が指示する計測電流Iの差分の絶対値を暗電流Iaとして読み取ればよいので、クランプ式電流計2の把持部2aがクランプするバッテリ線4や測定補助具1の向きは何れであっても構わないので、非接触電流計3の使い勝手が悪くなるおそれはない。
例えば、測定補助具1によるオフセット電流Iの向きとバッテリ線4に流れる暗電流Iaの向きが異なる場合は、クランプ式電流計2が指示する計測電流Iは、I=1000−20=980mAとなる。このときの暗電流Iaは、Ia=I−I=980−1000=−20mAとなるが、差分電流の絶対値を取って20mAを暗電流Iaとして直感的に読み取ることができる。
図1に示す非接触電流計3の一般的な使い方としては、操作者(測定者)は、クランプ式電流計の電源をオンにし、ゼロアジャストを行った後に、測定補助具1を把持部2aにクランプし(あるいは、測定補助具1を把持部2aにクランプさせた状態で、電源をオンにし、ゼロアジャストを行い)、スイッチSW1を一瞬の間(例えば、1秒間)だけONにする。すると、表示部2cに測定補助具1のコイルL1に流れる電流(オフセット電流)が表示されるので、続いて、バッテリ線4を把持部2aにクランプする。これにより、バッテリ線4に流れる配線電流と測定補助具1に流れるオフセット電流とが加算(重畳)された計測電流Iが表示部2cに表示されるので、現在表示されている計測電流Iから先に表示されたオフセット電流を減算することにより、配線電流(暗電流)が求められる。なお、スイッチSW1をONにすると、表示灯LED1が約1分間点灯するので、その間にバッテリ線4を把持部2aにクランプして暗電流を測定する。
なお、図1に示すような時定数回路及びトランジスタFETなどを設けなくても、図3に示した100T(ターン)のコイルとスイッチと制限抵抗の直列回路のみで構成して、スイッチをONしているときに測定補助具によるオフセット電流Iを流して暗電流Iaを読み取るようにしてもよい。このような回路構成にすることよって時定数回路やトランジスタFETなどの半導体素子が不要となるので、測定補助具1をさらに小型化することができると共に原価低減することができる。
《第2実施形態》
上記の第1実施形態では、測定補助具1の電源として、アルカリ乾電池やボタン電池などを測定補助具1に内蔵する構成としたが、第2実施形態では、クランプ式電流計2に内蔵された電池(図示せず)から測定補助具1の電源を供給するように構成することもできる。このようにすることによって測定補助具1をさらにコンパクトにすることができる。
《第3実施形態》
さらに、第3実施形態では、車両に搭載されたバッテリ(図示せず)から測定補助具1の電源を供給するように構成することもできる。このようにすることにより、測定補助具1のコイルL1に比較的高い電圧を印加することができ、その結果、暗電流Iaをレベルシフトさせるオフセット電流Iの電流値を比較的高くすることができるので、高いレンジ領域で暗電流Iaを読み取ることが可能となる。したがって、より高い精度及び感度で暗電流Iaを読み取ることができる。
《第4実施形態》
上記の第1乃至第3実施形態では、コイルL1を巻回した測定補助具1を用いてオフセット電流Iを発生させて暗電流Iaをレベルシフトさせたが、第4実施形態では、バッテリの暗電流Iaを測定するときには、そのバッテリのプラスとマイナスの端子間にランプなどのダミー負荷を接続して、そのダミー負荷に流れるダミー電流Idをオフセット電流Iとするような構成としてもよい。
図5は、本発明の第4実施形態に適用される非接触電流計による暗電流測定の概念図である。図5に示すように、例えば、12Vのバッテリ5の暗電流Iaを測定するときには、そのバッテリ5のプラスとマイナスの端子間に例えば12w(ワット)のランプ6を接続する。そして、暗電流Iaが流れるバッテリ線(第1の配線)4とランプ6が接続されたランプ配線(第2の配線)8とをペアにして、クランプ式電流計2の把持部2aでクランプする。これによって、ランプ配線8に流れる1Aの電流がオフセット電流Iとなるので、クランプ式電流計2が指示する計測電流Iはオフセット電流Iと暗電流Iaとの和として読み取ることができる。したがって、計器の感度及び精度の高いレンジ領域で暗電流Iaを読み取ることが可能となる。
《第5実施形態》
第5実施形態では、第3実施形態と第4実施形態を組み合わせた構成として、車両に搭載されたバッテリ5から測定補助具1の電源を供給すると共にバッテリ5のプラスとマイナスの端子間にランプ6を接続する。これによって、オフセット電流Iは、ランプ6に流れるダミー電流と測定補助具1によって発生する第2の磁束に相当する電流の和となるので、測定補助具1のコイル巻数を少なくして比較的コンパクトに測定補助具1を構成することができる。
本実施形態の測定補助具を汎用のクランプ式電流計に取り付けたときの使用状態を示す斜視図である。 本実施形態の測定補助具を示す外観斜視図である。 本実施形態の測定補助具を示す回路図である。 本実施形態の測定補助具の回路動作を示すタイムチャートである。 本発明の第4実施形態に適用される非接触電流計による暗電流測定の概念図である。
符号の説明
1 測定補助具
1b 貫通穴
2 クランプ式電流計
2a 把持部(コア)
3 非接触電流計
4 バッテリ線
5 バッテリ
6 ランプ
8 ランプ配線
Ia 配線電流
オフセット電流
計測電流
L1 コイル

Claims (14)

  1. 開放可能なリング状のコアに配線を貫通させて、その配線に流れる電流を測定する非接触電流計であって、
    前記配線に流れる配線電流を測定するとき、その配線電流と、別に設けた回路によるオフセット電流とを重畳させて前記配線電流を測定することを特徴とする非接触電流計。
  2. 開放可能なリング状のコアに配線を貫通させて、その配線に流れる配線電流を測定するクランプ式電流計と、
    前記配線とは別に設けたオフセット電流が流れるコイルを有し、そのコイルの内周を前記コアで貫通された測定補助具と、
    を備えることを特徴とする非接触電流計。
  3. 前記クランプ式電流計は、前記コアに貫通された配線に流れる配線電流と、そのコアに貫通された前記測定補助具によって発生した磁束に相当するオフセット電流との総和電流を計測電流として指示することを特徴とする請求項2に記載の非接触電流計。
  4. 前記クランプ式電流計が前記計測電流を測定するとき、前記オフセット電流は、前記コイルへの通電が開始されてから所定の時間後に遮断されることを特徴とする請求項3に記載の非接触電流計。
  5. 前記コイルへ供給する電源は、前記測定補助具に内蔵された電池であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の非接触電流計。
  6. 前記コイルへ供給する電源は、前記クランプ式電流計に内蔵された電池であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の非接触電流計。
  7. 前記コイルへ供給する電源は、前記配線を接続するバッテリであることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の非接触電流計。
  8. 開放可能なリング状のコアに第1の配線を貫通させて、その第1の配線に流れる配線電流を測定する非接触電流計であって、
    前記第1の配線に流れる配線電流を測定するとき、前記第1の配線と、その第1の配線とは別に設けたオフセット電流が流れる第2の配線とを並列にして前記コアに貫通させ、前記第1の配線に流れる配線電流を測定することを特徴とする非接触電流計。
  9. 前記第2の配線に流れる電流の大きさは、その第2の配線に接続されたダミー負荷によって決定されることを特徴とする請求項8に記載の非接触電流計。
  10. 開放可能なリング状のコアに配線を貫通させて、その配線に流れる配線電流を測定するクランプ式電流計の測定補助具であって、
    前記配線とは別に設けたオフセット電流が流れるコイルを有し、そのコイルの内周を前記コアで貫通させる貫通穴を備え、
    前記配線電流によって前記コアに流れている第1の磁束に対して、前記コイルによって発生した第2の磁束をそのコアに重畳させることを特徴とする測定補助具。
  11. 前記コイルへ通電したとき、所定の時間後に前記コイルへの通電を遮断する遮断機能を備えることを特徴とする請求項10に記載の測定補助具。
  12. 前記コイルへ供給する電源は、自己に内蔵された電池であることを特徴とする請求項10に記載の測定補助具。
  13. 前記コイルへ供給する電源は、前記クランプ式電流計に内蔵された電池であることを特徴とする請求項10に記載の測定補助具。
  14. 前記コイルへ供給する電源は、前記配線を接続するバッテリであることを特徴とする請求項10に記載の測定補助具。
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