JP2008211926A - 電力変換装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の直流電源とモータとの間の経路選択時に電圧差が存在する場合、交流モータの高調波電流の発生を低減するとともに、1つの電源が力行であり、他方の電源が回生であるモードにおいても電流リップルを低減する電力変換装置を提供する。
【解決手段】複数のスイッチを用いて電圧パルス幅の指令値に基づき電圧パルスを生成・合成する手段(44)と、少なくとも当該直流電源からモータへ電流が流れている相のすべてのスイッチがオン状態であるときに、モータから電源の正極へ導通する方向のスイッチを開放し、残りの直流電源を充電するモード0と、少なくとも当該直流電源からモータへ電流が流れている相のスイッチがすべてオン状態であるときに、モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを導通させるモード1とを切り替え、少なくとも1つの直流電源を充電するように複数のスイッチを制御するスイッチ制御手段とを具える。
【選択図】図1
【解決手段】複数のスイッチを用いて電圧パルス幅の指令値に基づき電圧パルスを生成・合成する手段(44)と、少なくとも当該直流電源からモータへ電流が流れている相のすべてのスイッチがオン状態であるときに、モータから電源の正極へ導通する方向のスイッチを開放し、残りの直流電源を充電するモード0と、少なくとも当該直流電源からモータへ電流が流れている相のスイッチがすべてオン状態であるときに、モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを導通させるモード1とを切り替え、少なくとも1つの直流電源を充電するように複数のスイッチを制御するスイッチ制御手段とを具える。
【選択図】図1
Description
本発明は電力変換装置およびその制御方法に関し、特に、経路選択時に電圧差が存在する場合にも、交流モータの高調波電流の発生を低減するとともに、電流リップルを低減する電力変換装置およびその制御方法に関する。
DCDCコンバータを介さずに、燃料電池とバッテリーの組み合わせに限らず、複数の電源電力を利用・配分し、全体の体積・損失を低減可能な電力変換器の制御方法が提案されている(特許文献1を参照されたい)。また、この提案手法において、誘導負荷から電源母線に流れる電流を、いずれかの母線に流すかを選択する制御方法も提案されている(特許文献2を参照されたい)。
特開2006−25520号公報
特開2006−33955号公報
前者の提案手法では、複数の電源電力を配分する際に、電源10a(電流値idc_a)が力行、電源10b(電流値idc_b)が回生しながらモータを運転するモードをとる際に、キャリア周波数成分の電流リップルが増加するという課題があった。図14は、従来の技術における電源10a力行、電源10b回生回生モードの電流波形(電流リップル発生)を示す図である。さらに、後者の提案手法では、電流経路を選択した場合、電圧の異なる正極が各相に接続されるために、高調波が発生するという問題があった。図15は、従来の技術における高調波の発生を示す図である。図15に示すように、図の中央部において高調波の発生が観察される。
そこで、本発明の目的は、複数の直流電源と交流モータとの間の経路選択時に電圧差が存在する場合にも、交流モータの高調波電流の発生を低減するとともに、1つの電源が力行であり、他方の電源が回生であるモードにおいても電流リップルを低減する制御技法(装置および方法)を提供することである。
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による電力変換装置は、
複数の直流電源の出力電圧から交流モータを駆動するための電圧パルスを生成する電力変換装置であって、
複数のスイッチを用いて電圧パルス幅の指令値に基づき前記電圧パルスを生成・合成する手段(電力変換器)と、
前記複数の直流電源の中で電源電圧が他の直流電源より低いか等しい直流電源から前記交流モータへ導通する方向の各相のスイッチにおいて、少なくとも、当該直流電源から前記交流モータへ電流が流れている相のすべてのスイッチがオン状態であるときに、前記交流モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを開放(オフ)し、残りの直流電源を充電するモード0と、前記複数の直流電源の中で電源電圧が他の直流電源より低いか等しい直流電源から前記交流モータへ通流する方向の各相のスイッチにおいて、少なくとも、当該直流電源から前記交流モータへ電流が流れている相のスイッチがすべてオン状態であるときに、前記交流モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを導通させるモード1とを連続的に切り替え、前記複数の直流電源のうちの少なくとも1つの直流電源を充電するように前記複数のスイッチを制御するスイッチ制御手段と、
を具える。
複数の直流電源の出力電圧から交流モータを駆動するための電圧パルスを生成する電力変換装置であって、
複数のスイッチを用いて電圧パルス幅の指令値に基づき前記電圧パルスを生成・合成する手段(電力変換器)と、
前記複数の直流電源の中で電源電圧が他の直流電源より低いか等しい直流電源から前記交流モータへ導通する方向の各相のスイッチにおいて、少なくとも、当該直流電源から前記交流モータへ電流が流れている相のすべてのスイッチがオン状態であるときに、前記交流モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを開放(オフ)し、残りの直流電源を充電するモード0と、前記複数の直流電源の中で電源電圧が他の直流電源より低いか等しい直流電源から前記交流モータへ通流する方向の各相のスイッチにおいて、少なくとも、当該直流電源から前記交流モータへ電流が流れている相のスイッチがすべてオン状態であるときに、前記交流モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを導通させるモード1とを連続的に切り替え、前記複数の直流電源のうちの少なくとも1つの直流電源を充電するように前記複数のスイッチを制御するスイッチ制御手段と、
を具える。
また、第2の発明による電力変換装置は、
前記交流モータから、前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチの開放時間(オフ時間)を規定する開放パルス幅指令値を生成する開放パルス幅指令値生成手段をさらに具え、
前記スイッチ制御手段が、
充電すべき直流電源を選択し、選択された充電すべき直流電源以外の直流電源の充電経路を前記開放パルス幅指令値生成手段により生成された開放パルス幅指令値に応じて前記正極へ導通する方向のスイッチを開放するように制御する、
ことを特徴とする。
前記交流モータから、前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチの開放時間(オフ時間)を規定する開放パルス幅指令値を生成する開放パルス幅指令値生成手段をさらに具え、
前記スイッチ制御手段が、
充電すべき直流電源を選択し、選択された充電すべき直流電源以外の直流電源の充電経路を前記開放パルス幅指令値生成手段により生成された開放パルス幅指令値に応じて前記正極へ導通する方向のスイッチを開放するように制御する、
ことを特徴とする。
また、第3の発明による電力変換装置は、
前記交流モータから、前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチの開放時間(オフ時間)を規定するキャリアを生成するキャリア生成手段と、
前記交流モータから、前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチの開放時間(オフ時間)を規定する開放パルス幅指令値を生成する開放パルス幅指令値生成手段と、をさらに具え、
前記スイッチ制御手段が、
前記キャリア生成手段で生成されたキャリアと、開放パルス幅指令値生成手段で生成された開放パルス幅指令値との比較によって、前記正極へ導通する方向のスイッチの開放時間を決定し、当該決定した開放時間に応じて前記正極へ導通する方向のスイッチを開放するように制御する、
ことを特徴とする。
前記交流モータから、前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチの開放時間(オフ時間)を規定するキャリアを生成するキャリア生成手段と、
前記交流モータから、前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチの開放時間(オフ時間)を規定する開放パルス幅指令値を生成する開放パルス幅指令値生成手段と、をさらに具え、
前記スイッチ制御手段が、
前記キャリア生成手段で生成されたキャリアと、開放パルス幅指令値生成手段で生成された開放パルス幅指令値との比較によって、前記正極へ導通する方向のスイッチの開放時間を決定し、当該決定した開放時間に応じて前記正極へ導通する方向のスイッチを開放するように制御する、
ことを特徴とする。
また、第4の発明による電力変換装置は、
前記複数の直流電源の電圧を検出する電圧検出手段をさらに具え、
前記スイッチ制御手段が、
電圧の低いほうの充電経路にある、前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチを開放するように制御する、
ことを特徴とする。
前記複数の直流電源の電圧を検出する電圧検出手段をさらに具え、
前記スイッチ制御手段が、
電圧の低いほうの充電経路にある、前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチを開放するように制御する、
ことを特徴とする。
また、第5の発明による電力変換装置は、
前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチを開放する時間、および、モータ電流の符号に基づいて、電圧パルス幅指令値を修正する電圧パルス幅指令値修正手段、
をさらに具えることを特徴とする。
前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチを開放する時間、および、モータ電流の符号に基づいて、電圧パルス幅指令値を修正する電圧パルス幅指令値修正手段、
をさらに具えることを特徴とする。
また、第6の発明による電力変換装置は、
前記電圧パルス幅指令値修正手段が、
モータ電流の符号が負である場合のみ、前記電圧パルス幅指令値を修正する、
ことを特徴とする。
前記電圧パルス幅指令値修正手段が、
モータ電流の符号が負である場合のみ、前記電圧パルス幅指令値を修正する、
ことを特徴とする。
また、第7の発明による電力変換装置は、
前記電圧パルス幅指令値修正手段が、
前記交流モータから充電する経路を持たない直流電源の電圧値と、前記交流モータから充電する経路を持つ直流電源の電圧値と、前記正極へ導通する方向のスイッチを開放する時間とに基づき、前記電圧パルス幅指令値を修正する、
ことを特徴とする。
前記電圧パルス幅指令値修正手段が、
前記交流モータから充電する経路を持たない直流電源の電圧値と、前記交流モータから充電する経路を持つ直流電源の電圧値と、前記正極へ導通する方向のスイッチを開放する時間とに基づき、前記電圧パルス幅指令値を修正する、
ことを特徴とする。
また、第8の発明による電力変換装置は、
前記開放パルス幅指令値生成手段が、
(電圧パルス幅指令値の最低値と、前記開放パルス幅指令値生成手段で生成された前記開放パルス幅指令値とを比較し、)前記電圧パルス幅指令値の最低値以下に設定された前記開放パルス幅指令値を生成する、
ことを特徴とする。
前記開放パルス幅指令値生成手段が、
(電圧パルス幅指令値の最低値と、前記開放パルス幅指令値生成手段で生成された前記開放パルス幅指令値とを比較し、)前記電圧パルス幅指令値の最低値以下に設定された前記開放パルス幅指令値を生成する、
ことを特徴とする。
また、第9の発明による電力変換装置は、
前記キャリア生成手段により生成されるキャリアが、三角波である、ことを特徴とする。
また、第10の発明による電力変換装置は、
前記キャリア生成手段により生成されるキャリアが、のこぎり波である、ことを特徴とする。
前記キャリア生成手段により生成されるキャリアが、三角波である、ことを特徴とする。
また、第10の発明による電力変換装置は、
前記キャリア生成手段により生成されるキャリアが、のこぎり波である、ことを特徴とする。
また、第11の発明による電力変換装置は、
前記モータ電流の符号が、モータ電流指令値の符号である、ことを特徴とする。
また、第12の発明による電力変換装置は、
モータ電流を検出する電流計測手段をさらに具え、
前記モータ電流の符号が、前記検出されたモータ電流検出値の符号である、
ことを特徴とする。
前記モータ電流の符号が、モータ電流指令値の符号である、ことを特徴とする。
また、第12の発明による電力変換装置は、
モータ電流を検出する電流計測手段をさらに具え、
前記モータ電流の符号が、前記検出されたモータ電流検出値の符号である、
ことを特徴とする。
また、第13の発明による電力変換装置は、
充電すべき直流電源への充電指令値に基づき、開放パルス幅指令値を調整する手段、をさらに具えることを特徴とする。
充電すべき直流電源への充電指令値に基づき、開放パルス幅指令値を調整する手段、をさらに具えることを特徴とする。
また、第14の発明による電力変換装置は、
少なくともモータ電流値と前記複数の直流電源の電圧値に基づき、前記開放パルス幅指令値を演算する手段、をさらに具えることを特徴とする。
少なくともモータ電流値と前記複数の直流電源の電圧値に基づき、前記開放パルス幅指令値を演算する手段、をさらに具えることを特徴とする。
また、第15の発明による電力変換装置は、
前記開放パルス幅指令値の調整または演算は、予め作成されたマップを参照することにより実行される、ことを特徴とする。
前記開放パルス幅指令値の調整または演算は、予め作成されたマップを参照することにより実行される、ことを特徴とする。
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
例えば、本発明を方法として実現させた第16の発明による電力変換装置の制御方法は、
複数の直流電源の出力電圧から交流モータを駆動するための電圧パルスを生成する電力変換装置の制御方法であって、
複数のスイッチを用いて電圧パルス幅の指令値に基づき前記電圧パルスを生成・合成するステップと、
前記複数の直流電源の中で電源電圧が他の直流電源より低いか等しい直流電源から前記交流モータへ導通する方向の各相のスイッチにおいて、少なくとも、当該直流電源から前記交流モータへ電流が流れている相のすべてのスイッチがオン状態であるときに、前記交流モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを開放(オフ)し、残りの直流電源を充電するモード0と、前記複数の直流電源の中で電源電圧が他の直流電源より低いか等しい直流電源から前記交流モータへ通流する方向の各相のスイッチにおいて、少なくとも、当該直流電源から前記交流モータへ電流が流れている相のスイッチがすべてオン状態であるときに、前記交流モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを導通させるモード1とを連続的に切り替え、前記複数の直流電源のうちの少なくとも1つの直流電源を充電するように前記複数のスイッチを制御するステップと、
を有する。
例えば、本発明を方法として実現させた第16の発明による電力変換装置の制御方法は、
複数の直流電源の出力電圧から交流モータを駆動するための電圧パルスを生成する電力変換装置の制御方法であって、
複数のスイッチを用いて電圧パルス幅の指令値に基づき前記電圧パルスを生成・合成するステップと、
前記複数の直流電源の中で電源電圧が他の直流電源より低いか等しい直流電源から前記交流モータへ導通する方向の各相のスイッチにおいて、少なくとも、当該直流電源から前記交流モータへ電流が流れている相のすべてのスイッチがオン状態であるときに、前記交流モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを開放(オフ)し、残りの直流電源を充電するモード0と、前記複数の直流電源の中で電源電圧が他の直流電源より低いか等しい直流電源から前記交流モータへ通流する方向の各相のスイッチにおいて、少なくとも、当該直流電源から前記交流モータへ電流が流れている相のスイッチがすべてオン状態であるときに、前記交流モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを導通させるモード1とを連続的に切り替え、前記複数の直流電源のうちの少なくとも1つの直流電源を充電するように前記複数のスイッチを制御するステップと、
を有する。
本発明によれば、モード0とモード1を連続的に切り替えて各直流電源を充電して、複数の直流電源の充電電力を制御するように構成することによって、例えば複数の電源の電圧が等しい場合では、ひとつの直流電源からモータへ出力する方向のスイッチがすべてオン状態のときモータ相間電圧はゼロとなり、モータへ余計な電圧を印加することなく複数の直流電源の充放電を制御できる。また、各直流電源の電圧が異なる場合においても、モータへはそれぞれの電源電圧の差電圧が印加される程度で済むため、高調波は小さくて済み、その結果トルクリップルを小さくすることができる。その結果、燃料電池自動車などの複数の電源を持つ車両における電源エネルギーマネジメントができ、バッテリーの充放電コントロールを効率よく行うことができる。さらにモータ電流のキャリア周波数帯域のリップルを低減でき、モータ銅損、鉄損を低減できるため効率の良い運転が可能になる。
さらに、スイッチの連続的な切替によって、出力電圧波形が凸状になるため、急峻な電圧変化により発生するノイズを低減でき、電力変換器の信頼性を向上できる。
さらに、スイッチの連続的な切替によって、出力電圧波形が凸状になるため、急峻な電圧変化により発生するノイズを低減でき、電力変換器の信頼性を向上できる。
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。
<第一の実施例>
図3は、本実施例における電力変換装置の回路図を示している。電源10aの負極と、電源10bの負極が共通負極母線15に接続されている。共通負極母線15とモータ20の各相端子間には、一般的に知られているインバータの下アームと同様に、半導体スイッチ107a,108a,109aとダイオード107b,108b,109bの組が接続される。電源10aの正極母線14と(交流)モータ20の各相端子間とは、双方向の導通を制御可能な半導体スイッチ101a/101b,102a/102b,103a/103bでそれぞれ接続する。また、電源10bの正極母線16とモータ20の各相端子間にも、双方向の導通を制御可能な半導体スイッチ104a/104b,105a/105b,106a/106bをそれぞれ接続する。電源10aの正極母線14と共通負極母線15の間には平滑コンデンサ12を設け、電源10bの正極母線16と共通負極母線15の間にも平滑コンデンサ13を設ける。
<第一の実施例>
図3は、本実施例における電力変換装置の回路図を示している。電源10aの負極と、電源10bの負極が共通負極母線15に接続されている。共通負極母線15とモータ20の各相端子間には、一般的に知られているインバータの下アームと同様に、半導体スイッチ107a,108a,109aとダイオード107b,108b,109bの組が接続される。電源10aの正極母線14と(交流)モータ20の各相端子間とは、双方向の導通を制御可能な半導体スイッチ101a/101b,102a/102b,103a/103bでそれぞれ接続する。また、電源10bの正極母線16とモータ20の各相端子間にも、双方向の導通を制御可能な半導体スイッチ104a/104b,105a/105b,106a/106bをそれぞれ接続する。電源10aの正極母線14と共通負極母線15の間には平滑コンデンサ12を設け、電源10bの正極母線16と共通負極母線15の間にも平滑コンデンサ13を設ける。
電力変換器30は、共通負極母線と電源10aの正極母線と電源10bの正極母線、以上の3つの電位をもとに、モータ20に印加する電圧を生成する直流-交流電力変換器である。各相に設けられた半導体スイッチが、交流モータの各相に出力する電圧を生成するスイッチ手段であり、これらの電位のなかから択一的に接続し、その接続する時間の割合を変化させることで、モータに必要な電圧を供給する。
図2は、本実施例における制御装置40の構成を示すブロック図である。制御装置40は、電力変換器30に接続している。制御装置40からの指令値(パルス幅指令値)に応じて、電力変換器30は、電源部10を構成する電源10a、10bから電力を交流に変換してモータ20に供給している。制御装置40は、トルク制御手段41、電流制御手段42、電力制御・変調率演算手段43、PWMパルス生成手段44、3相/dq変換手段45、dq/3相変換手段46、補正ゲイン演算器47、帰還経路開放指令演算器48を具える。トルク制御手段41は、外部より与えられるトルク指令Te*とモータ回転速度ωから、モータ20のd軸電流の指令値id*とq軸電流の指令値iq*を演算するトルク制御手段である。トルク制御手段41は、予め作成されたトルク指令値Te*、モータ回転数ωを軸としたマップを参照し、d軸、q軸電流目標値id*、iq*を出力する。電流制御手段42では、d軸電流指令値id*、q軸電流指令値iq*とd軸電流値id、q軸電流値iqとから、これらを一致させるための電流制御を行う。この制御によって、三相交流の各相の電圧指令値vu*,vv*,vw*を出力する。
図16は、電流制御手段42の内部構成を示すブロック図である。図に示すように、電流制御手段42は、電流制御部201およびdq/3相変換器202を具える。電流制御部201では、id*、iq*にid、iqが追従するように、それぞれPI制御によるフィードバック制御を行って、d軸電圧指令値vd*、q軸電圧指令値vq*を出力する。id、iqは3相/dq変換器手段45によりU相電流iu、V相電流ivから求められる。dq/3相変換器202は、dq軸電圧を3相電圧指令に変換するdq/3相電圧変換手段であり、dq軸電圧指令値vd*、vq*を入力とし、U相電圧指令値vu*、V相電圧指令値vv*、W相電圧指令値vw*を出力する。
図2の説明に戻るが、電力制御・変調率演算手段43では、電源10aと10bから供給される電力の分配目標値(rto_pa、rto_pb)を用いて、電力制御を行う。電力の分配目標値は、補正電圧値vd_0*,vq_0*が0のときの、電源10aと電源10bの電力の比率を意味しており、電力の分配目標値rto_pa, rto_pbは次の関係をもつ。
rto_pa + rto_pb = 1
このため、一方の電力分配目標値が得られれば、上の関係から、もう一方の電力分配目標値を求めることができる。図2では、電力制御・変調率演算手段43の入力としてrto_paのみを記しており、電力制御・変調率演算手段43内部での演算によって、上式に基づいて、rto_pbを演算する。
rto_pa + rto_pb = 1
このため、一方の電力分配目標値が得られれば、上の関係から、もう一方の電力分配目標値を求めることができる。図2では、電力制御・変調率演算手段43の入力としてrto_paのみを記しており、電力制御・変調率演算手段43内部での演算によって、上式に基づいて、rto_pbを演算する。
図17は、電力制御・変調率演算手段43の内部構成を示すブロック図である。乗算器203では、vu*、vv*、vw*に、それぞれrto_paを乗じて、電源10a側の電圧指令値であるvu_a,vv_a,vw_aを演算する。以下、電源10aから生成する電圧の指令を電源10a分電圧指令、電源10bから生成する電圧の指令を電源10b分電圧指令と記す。
vu_a = vu* ・ rto_pa
vv_a = vv* ・ rto_pa
vw_a = vw* ・ rto_pa
vu_a = vu* ・ rto_pa
vv_a = vv* ・ rto_pa
vw_a = vw* ・ rto_pa
一方、電源10b側の電圧指令値は、モータ電流制御の制御電圧から得られた電圧指令値vu*、vv*、vw*から、電源10a側の電圧指令値値vu_a*、vv_a*、vw_a*を減算器206で減算して求める。
vu_b* = vu* - vu_a*
vv_b* = vv* - vv_a*
vw_b* = vw* - vw_a*
以下の変調率演算とPWMパルス生成の説明は、U相についてのみ行うが、V相、W相についても全く同様の操作を行う。図17の変調率演算手段43aは、それぞれ電源10aの電圧Vdc_a、電源10bの電圧Vdc_bを入力し、正規格化した電圧指令である瞬時変調率指令mu_a*、mu_b*、mv_a*、mv_b*、mw_a*、mw_b*を生成する変調率演算手段である。
vu_b* = vu* - vu_a*
vv_b* = vv* - vv_a*
vw_b* = vw* - vw_a*
以下の変調率演算とPWMパルス生成の説明は、U相についてのみ行うが、V相、W相についても全く同様の操作を行う。図17の変調率演算手段43aは、それぞれ電源10aの電圧Vdc_a、電源10bの電圧Vdc_bを入力し、正規格化した電圧指令である瞬時変調率指令mu_a*、mu_b*、mv_a*、mv_b*、mw_a*、mw_b*を生成する変調率演算手段である。
<変調率演算手段43a>
図に示すにように、電力制御・変調率演算手段43は変調率演算手段43aを具え、43aは乗算器205,206によって構成されている。ここでは、U相の電源10a分電圧指令vu_a*、電源10b分電圧指令vu_b*をそれぞれの直流電圧の半分の値で正規化することで電源10a分瞬時変調率指令mu_a*、電源10b分瞬時変調率指令mu_b*を求める。
mu_a*=vu_a*/(Vdc_a/2)
mu_b*=vu_b*/(Vdc_b/2)
図に示すにように、電力制御・変調率演算手段43は変調率演算手段43aを具え、43aは乗算器205,206によって構成されている。ここでは、U相の電源10a分電圧指令vu_a*、電源10b分電圧指令vu_b*をそれぞれの直流電圧の半分の値で正規化することで電源10a分瞬時変調率指令mu_a*、電源10b分瞬時変調率指令mu_b*を求める。
mu_a*=vu_a*/(Vdc_a/2)
mu_b*=vu_b*/(Vdc_b/2)
<変調率補正手段43b>
図に示すにように、電力制御・変調率演算手段43は変調率補正手段43bを具える。変調率補正手段43bでは、得られた変調率を出力するために、PWM周期の時間幅を配分することと、補正ゲインを乗じて、最終的な変調率指令値の演算を行う。まず、変調率オフセット演算器211で、電源電圧Vdc_a、Vdc_bと、rto_paから、次の変調率オフセットma_offset0, mb_offset0を演算する。ここでrto_pbは、前述の式をもとに演算する。
rto_pb = 1 - rto_pa
得られた変調率オフセットma_offset0, mb_offset0は、加算器209と210とで、それぞれ電源10a分瞬時変調率指令mu_a*、電源10b分瞬時変調率指令mu_b*と加算する。
図に示すにように、電力制御・変調率演算手段43は変調率補正手段43bを具える。変調率補正手段43bでは、得られた変調率を出力するために、PWM周期の時間幅を配分することと、補正ゲインを乗じて、最終的な変調率指令値の演算を行う。まず、変調率オフセット演算器211で、電源電圧Vdc_a、Vdc_bと、rto_paから、次の変調率オフセットma_offset0, mb_offset0を演算する。ここでrto_pbは、前述の式をもとに演算する。
rto_pb = 1 - rto_pa
得られた変調率オフセットma_offset0, mb_offset0は、加算器209と210とで、それぞれ電源10a分瞬時変調率指令mu_a*、電源10b分瞬時変調率指令mu_b*と加算する。
<入力電圧指令修正手段49>
図17における入力電圧指令修正手段49は、モータの還流経路の開放によって発生する出力電圧誤差を補正するための電圧指令値修正手段である。入力電圧指令修正手段49は、電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に各相の電圧指令値修正値Vu_comp、Vv_comp、Vw_compをそれぞれ加算することによって電圧指令値を修正する。電圧指令値修正値は、電圧指令値修正値演算器213によって以下のように演算する。
Vu_comp = 0 (iu ≧ 0)
Vu_comp = (Vdc_b - Vdc_a) * m_R* / 4 (iu < 0)
Vv_comp = 0 (iv ≧ 0)
Vv_comp = (Vdc_b - Vdc_a) * m_R* / 4 (iv < 0)
Vw_comp = 0 (iw ≧ 0)
Vw_comp = (Vdc_b - Vdc_a) * m_R* / 4 (-iu-iv < 0)
ここで、iu、ivは電流検出値を用いても良く、電流指令値を用いても良い。なお、m_R*は還流経路を段階的に開放するための指令値であり、後述する。
図17における入力電圧指令修正手段49は、モータの還流経路の開放によって発生する出力電圧誤差を補正するための電圧指令値修正手段である。入力電圧指令修正手段49は、電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に各相の電圧指令値修正値Vu_comp、Vv_comp、Vw_compをそれぞれ加算することによって電圧指令値を修正する。電圧指令値修正値は、電圧指令値修正値演算器213によって以下のように演算する。
Vu_comp = 0 (iu ≧ 0)
Vu_comp = (Vdc_b - Vdc_a) * m_R* / 4 (iu < 0)
Vv_comp = 0 (iv ≧ 0)
Vv_comp = (Vdc_b - Vdc_a) * m_R* / 4 (iv < 0)
Vw_comp = 0 (iw ≧ 0)
Vw_comp = (Vdc_b - Vdc_a) * m_R* / 4 (-iu-iv < 0)
ここで、iu、ivは電流検出値を用いても良く、電流指令値を用いても良い。なお、m_R*は還流経路を段階的に開放するための指令値であり、後述する。
上記の入力電圧指令修正手段により、モータの電流符号から、モータの電流経路を推定し、出力される電圧パルスの誤差を修正することによって、電圧指令値に相当する適切な電圧パルスをモータに印加することが可能になり、モータ相電流の高調波電流の発生を抑制することが可能になる。この結果、モータの損失の低減でき、本構成を燃料電池電気自動車に適用すれば、燃料電池電気自動車の燃費を向上することができる。また、不要な高調波電流の発生を抑えることで、トルクリプルが低減し、車両の乗り心地が向上する。
さらに、モータ電流の符号が負であるときにのみ、パルス幅の修正を行うことで、モータ電流の符号が正であるときには、不要な修正を行わず、必要な電流状態において、パルス幅の修正によって、高調波電流の発生を抑制することができる。
さらに、モータ電流の符号が負であるときにのみ、パルス幅の修正を行うことで、モータ電流の符号が正であるときには、不要な修正を行わず、必要な電流状態において、パルス幅の修正によって、高調波電流の発生を抑制することができる。
さらに、モータから充電する経路を持たない電源の電源電圧値と、モータから充電する経路を持つ電源の電圧値と、前記開放時間とから、変調率指令値を修正することで、パルス幅の修正を精度良く行うことができ、高調波電流の発生を抑制することができる。さらに、モータ電流の符号の判別にモータ電流指令値を用いることで、モータ電流のノイズに影響されること無く、電流符号の判別を行うことができる。このように、精度良く電流符号の判別を行う事で、パルス幅の修正を精度良く行うことができ、高調波電流の発生を抑制することができる。
さらに、モータ電流の符号の判別に、モータに設けた電流検出手段によって測定されるモータ電流検出値を用いることで、モータ電流の指令値への追従が遅い場合などでも、実際の電流経路に基づいた電流符号の判別を行うことができる。この符号判別を用いて、電流の経路によって生じる出力電圧パルスの誤差に対するパルス幅の修正を行って、高調波電流の発生を抑制することができる。
<PWMパルス生成手段44>
図5にPWMパルス生成手段で用いる三角波を示す。図に示すように、電源10a用キャリアは、電源10aの電圧Vdc_aから電圧パルスを出力するために、各スイッチ(図4のA,B,C,D,E、或いは、図1の半導体スイッチ101a/101b/107a/104a/104bなど)を駆動するPWMパルスを生成するための三角波キャリアであり、同様に、電源10b用キャリアとして三角波を設ける。これら二つの三角波キャリアは、上限+1、下限―1の値をとり、180度の位相差を持つ。なお、本実施例ではキャリアを三角波としているが、図6のような「のこぎり波」を用いても良い。
図5にPWMパルス生成手段で用いる三角波を示す。図に示すように、電源10a用キャリアは、電源10aの電圧Vdc_aから電圧パルスを出力するために、各スイッチ(図4のA,B,C,D,E、或いは、図1の半導体スイッチ101a/101b/107a/104a/104bなど)を駆動するPWMパルスを生成するための三角波キャリアであり、同様に、電源10b用キャリアとして三角波を設ける。これら二つの三角波キャリアは、上限+1、下限―1の値をとり、180度の位相差を持つ。なお、本実施例ではキャリアを三角波としているが、図6のような「のこぎり波」を用いても良い。
図7に、図3からU相のみを抜き出した構成図を示す。ここでは、U相の各スイッチを駆動する駆動信号を、図7をもとに次のようにおく。
駆動信号A:電源10aから出力端子の方向へ導通するスイッチ(101a)の駆動信号
駆動信号B:出力端子から負極の方向へ導通するスイッチ(107a)の駆動信号
駆動信号C:出力端子から電源10aの方向へ導通するスイッチ(101b)の駆動信号
駆動信号D:電源10bから出力端子の方向へ導通するスイッチ(104a)の駆動信号
駆動信号E:出力端子から電源10bの方向へ導通するスイッチ(104b)の駆動信号
駆動信号A:電源10aから出力端子の方向へ導通するスイッチ(101a)の駆動信号
駆動信号B:出力端子から負極の方向へ導通するスイッチ(107a)の駆動信号
駆動信号C:出力端子から電源10aの方向へ導通するスイッチ(101b)の駆動信号
駆動信号D:電源10bから出力端子の方向へ導通するスイッチ(104a)の駆動信号
駆動信号E:出力端子から電源10bの方向へ導通するスイッチ(104b)の駆動信号
まず、電源10aから電圧パルスを出力する際のパルス生成方法について述べる。電源10aからPWMパルスを出力する際に、Aをオンする必要がある。正極と正極の間に電位差があり、Vdc_a>Vdc_bである時、AとEがともにオンすると、正極間を短絡する電流が流れることになる。例えば、同時にAをオンからオフへ、Eをオフからオンへ信号を切り替えた場合に、Aが完全にオフするまでに時間を要するため、Eのオン時と重なり、ともにオンする時間が生じ、短絡電流が流れ、この経路に設置された半導体スイッチの発熱量が増加する。このような発熱の増加を予防するために、駆動信号AとEがともにオフする時間を経過した後に、A、Eをオフからオンへ切り替えるようにする。このように駆動信号に短絡防止時間(デッドタイム)付加したパルス生成を行う。このAとEの駆動信号にデッドタイムを付加するのと同様に、EとCにデッドタイムを付加し、さらに、正極と負極の短絡防止のためには、AとB、EとBにデッドタイムを付加する。
図8に、三角波比較によるAとEのパルス生成を示す。この図8を用いて、AとEの駆動信号にデッドタイムを付加する方法を以下に説明する。デッドタイムを付加した駆動信号生成を行うため、mu_a_c*からデッドタイム分オフセットしたmu_a_c_up*,mu_a_c_down*を次のように求める。
mu_a_c_up* = mu_a_c* + Hd
mu_a_c_down* = mu_a_c* − Hd
ここで、Hdは三角波の振幅(底辺から頂点まで)Htrと周期Ttr、デッドタイムTdから次のように求める。
Hd = 2Td・Htr/Ttr
キャリアとmu_a_c*,mu_a_c_up*,mu_a_c_down*の比較を行って、AとEのスイッチの駆動信号を次のルールに従って求める。
mu_a_c_down* ≧電源10a用キャリア ならば A = オン
mu_a_c* ≦電源10a用キャリア ならば A = オフ
mu_a_c* ≧電源10a用キャリア ならば E = オフ
mu_a_c_up* ≦電源10a用キャリア ならば E = オン
このように、駆動信号を生成することで、AとEの間にはTdのデッドタイムを設けることができ、正極間の短絡を防止することができる。また、電源10bから電圧パルスを出力する際のパルス生成方法は、電源10aの場合と同様であり、次のmu_b_c_up*,mu_b_c_down*を求め、電源10b用キャリアとの比較を行う。図9に、三角波比較によるDとCのパルス生成を示す。
mu_b_c_up* = mu_b_c* + Hd
mu_b_c_down* = mu_b_c* − Hd
mu_a_c_up* = mu_a_c* + Hd
mu_a_c_down* = mu_a_c* − Hd
ここで、Hdは三角波の振幅(底辺から頂点まで)Htrと周期Ttr、デッドタイムTdから次のように求める。
Hd = 2Td・Htr/Ttr
キャリアとmu_a_c*,mu_a_c_up*,mu_a_c_down*の比較を行って、AとEのスイッチの駆動信号を次のルールに従って求める。
mu_a_c_down* ≧電源10a用キャリア ならば A = オン
mu_a_c* ≦電源10a用キャリア ならば A = オフ
mu_a_c* ≧電源10a用キャリア ならば E = オフ
mu_a_c_up* ≦電源10a用キャリア ならば E = オン
このように、駆動信号を生成することで、AとEの間にはTdのデッドタイムを設けることができ、正極間の短絡を防止することができる。また、電源10bから電圧パルスを出力する際のパルス生成方法は、電源10aの場合と同様であり、次のmu_b_c_up*,mu_b_c_down*を求め、電源10b用キャリアとの比較を行う。図9に、三角波比較によるDとCのパルス生成を示す。
mu_b_c_up* = mu_b_c* + Hd
mu_b_c_down* = mu_b_c* − Hd
駆動信号D、Cを次のルールに従って求める。
mu_b_c_down* ≧電源10b用キャリア ならば D = オン
mu_b_c* ≦電源10b用キャリア ならば D = オフ
mu_b_c* ≧電源10b用キャリア ならば C = オフ
mu_b_c_up* ≦電源10b用キャリア ならば C = オン
このようにして、DとCの間にもTdのデッドタイムを設けることができ、正極間の短絡を防止することができる。
mu_b_c_down* ≧電源10b用キャリア ならば D = オン
mu_b_c* ≦電源10b用キャリア ならば D = オフ
mu_b_c* ≧電源10b用キャリア ならば C = オフ
mu_b_c_up* ≦電源10b用キャリア ならば C = オン
このようにして、DとCの間にもTdのデッドタイムを設けることができ、正極間の短絡を防止することができる。
駆動信号Bは、生成された駆動信号EとCのAND(論理積)から生成する。
B=E・C
EはAとの間にデッドタイムが付加した駆動信号であり、CはDとの間にデッドタイムが付加した駆動信号である。このため、BをEとCのANDから生成することで、BとA、BとEにもデッドタイムを生成することができる。図10に、デッドタイムが付加されたパルス生成の例を示す。このようにして生成されたPWMパルスをもとに、電力変換器の各スイッチをオン/オフ駆動し、出力電圧パルスを生成する。周期毎に、電源10aの電圧Vdc_aから生成された電圧パルスと、電源10bの電圧Vdc_bから生成された電圧パルスとの平均をとると、元の3相電圧指令値vu*、vv*、vw*を実現する電圧パルスが生成されていることになる。
B=E・C
EはAとの間にデッドタイムが付加した駆動信号であり、CはDとの間にデッドタイムが付加した駆動信号である。このため、BをEとCのANDから生成することで、BとA、BとEにもデッドタイムを生成することができる。図10に、デッドタイムが付加されたパルス生成の例を示す。このようにして生成されたPWMパルスをもとに、電力変換器の各スイッチをオン/オフ駆動し、出力電圧パルスを生成する。周期毎に、電源10aの電圧Vdc_aから生成された電圧パルスと、電源10bの電圧Vdc_bから生成された電圧パルスとの平均をとると、元の3相電圧指令値vu*、vv*、vw*を実現する電圧パルスが生成されていることになる。
<充電経路の段階的切替>
ここで、図11、12を用いて、モータの還流電流の経路を連続的に開放する方法について述べる。なお、図11、12は、説明を簡単にするためにデッドタイムを示していないが、デッドタイムは考慮されているものとする。図11は、電源10b側の電力の分配目標値が0の状態を示している。図中のA,B,C,D,Eは、図4に示した各スイッチを示す。この状態においては、スイッチD、Eには通流せず、電源10bからの電力分配は行われない。この場合、スイッチングのモード(スイッチ素子の状態)は全部で4種類(モード)あり、図11の上に示したようなスイッチングモード1,2,3,4が現れる。
ここで、図11、12を用いて、モータの還流電流の経路を連続的に開放する方法について述べる。なお、図11、12は、説明を簡単にするためにデッドタイムを示していないが、デッドタイムは考慮されているものとする。図11は、電源10b側の電力の分配目標値が0の状態を示している。図中のA,B,C,D,Eは、図4に示した各スイッチを示す。この状態においては、スイッチD、Eには通流せず、電源10bからの電力分配は行われない。この場合、スイッチングのモード(スイッチ素子の状態)は全部で4種類(モード)あり、図11の上に示したようなスイッチングモード1,2,3,4が現れる。
ここで、図12のように還流経路開放指令m_R*を用いて、電源10aへの還流経路を切り替える。すなわち、以下のようにスイッチングを行う。
Vdc_b ≧ Vdc_a の場合
電源10a用キャリア < m_R* ならば Eをオン、Cをオフ
電源10a用キャリア ≧ m_R* ならば Eをオフ、Cをオン
Vdc_b < Vdc_a の場合
電源10b用キャリア < m_R* ならば Eをオフ、Cをオン
電源10b用キャリア ≧ m_R* ならば Eをオンオン、Cをオフ
このようにスイッチングすることでスイッチングモード0に設定し、モータ電流が負の相において、電圧が高いほうの電源を充電するようにスイッチングする。なお、スイッチEとCの切替時には、モータ電流経路を遮断しないためのオーバーラップタイムを設定する。
Vdc_b ≧ Vdc_a の場合
電源10a用キャリア < m_R* ならば Eをオン、Cをオフ
電源10a用キャリア ≧ m_R* ならば Eをオフ、Cをオン
Vdc_b < Vdc_a の場合
電源10b用キャリア < m_R* ならば Eをオフ、Cをオン
電源10b用キャリア ≧ m_R* ならば Eをオンオン、Cをオフ
このようにスイッチングすることでスイッチングモード0に設定し、モータ電流が負の相において、電圧が高いほうの電源を充電するようにスイッチングする。なお、スイッチEとCの切替時には、モータ電流経路を遮断しないためのオーバーラップタイムを設定する。
また、キャリアにノコギリ波を使う場合は、図13のようなスイッチングとなる。また、還流経路開放指令m_R*は、変調率指令mu_a_c*、変調率指令mv_a_c*、変調率指令mw_a_c*のうち最も小さいもの同じか、小さい値をとるように設定する。
Vb≧Vaにおいて、このように構成した場合における各相の電流の流れ、即ち、各相の電流の流れを示す状態遷移図を図4に示す。スイッチングモード0(Mode_0)においては、モータ電流が正であるU相だけ電源10aが出力し、モータ電流が負の相であるV相、W相から電源10bを充電する。この動作モードによって、電源10aは放電、電源10bは充電される。スイッチングモード0〜5(Mode_1〜Mode_5)では、通常の三相インバータと同様のスイッチングが行われ、モータの各相に必要な電圧が印加される。なお、モータの電流状態は、U相が正、V、W相が負であるが、モータ電流の正、負が入れ替わった場合においても同様である。
さらに、モータ電流が負の相における出力電圧波形を図1に示す。図1(a)に示すように、モータ電流が負の相においては、107aがオフで101b、104bがともにオンである場合、電圧の低いほうの電源10aに電流が流れるため、出力電圧はVdc_aにクランプされる。さらに、この状態から101bをオフとすると、モータ電流は電源10bに流れるため、出力電圧はVdc_bにクランプされる。この結果、出力電圧は図1(b)に示すような凸波形となる。
<充電経路の段階的切替の効果>
このように構成することによって、モード0とモード1を連続的に切り替えて電源を充電するため、複数の電源の充電電力を制御することができる。このように構成することによって、例えば複数の電源の電圧が等しい場合では、ひとつの電源からモータへ出力する方向のスイッチがすべてオン状態のときモータ相間電圧はゼロとなり、モータへ余計な電圧を印加することなく複数の電源の充放電をコントロールできる。また、複数の電源電圧が異なる場合においても、モータへはそれぞれの電源電圧の差電圧が印加される程度で済むため、高調波は小さくて済み、その結果トルクリップルを小さくすることができる。その結果、燃料電池自動車などの複数の電源を持つ車両における電源エネルギーマネジメントができ、バッテリーの充放電コントロールを効率よく行うことができる。さらに、従来の技術の課題であったモータ電流のキャリア周波数帯域のリップルを低減でき、モータ銅損、鉄損を低減できるため効率の良い運転が可能になる。さらに、スイッチの連続的な切替によって、出力電圧波形が凸状になるため、急峻な電圧変化により発生するノイズを低減でき、電力変換器の信頼性を向上できる。さらに、充電する電源以外の電源のへの充電経路をある時間開放することによって、充電する電源の電力をコントロールすることが可能になる。従って、開放時間のコントロールによって容易に複数の電源の充放電をコントロールすることができる。さらに、電源電圧を検出し、電源電圧の低いほうの充電経路を開放する。従って、電源電圧の大小関係が入れ替わった場合においても適切に充電経路の開放を行うことができる。また、キャリアは三角波やノコギリ波といった単純なものであるため、制御装置を安価に構成できる。
このように構成することによって、モード0とモード1を連続的に切り替えて電源を充電するため、複数の電源の充電電力を制御することができる。このように構成することによって、例えば複数の電源の電圧が等しい場合では、ひとつの電源からモータへ出力する方向のスイッチがすべてオン状態のときモータ相間電圧はゼロとなり、モータへ余計な電圧を印加することなく複数の電源の充放電をコントロールできる。また、複数の電源電圧が異なる場合においても、モータへはそれぞれの電源電圧の差電圧が印加される程度で済むため、高調波は小さくて済み、その結果トルクリップルを小さくすることができる。その結果、燃料電池自動車などの複数の電源を持つ車両における電源エネルギーマネジメントができ、バッテリーの充放電コントロールを効率よく行うことができる。さらに、従来の技術の課題であったモータ電流のキャリア周波数帯域のリップルを低減でき、モータ銅損、鉄損を低減できるため効率の良い運転が可能になる。さらに、スイッチの連続的な切替によって、出力電圧波形が凸状になるため、急峻な電圧変化により発生するノイズを低減でき、電力変換器の信頼性を向上できる。さらに、充電する電源以外の電源のへの充電経路をある時間開放することによって、充電する電源の電力をコントロールすることが可能になる。従って、開放時間のコントロールによって容易に複数の電源の充放電をコントロールすることができる。さらに、電源電圧を検出し、電源電圧の低いほうの充電経路を開放する。従って、電源電圧の大小関係が入れ替わった場合においても適切に充電経路の開放を行うことができる。また、キャリアは三角波やノコギリ波といった単純なものであるため、制御装置を安価に構成できる。
図15は、電源10bの配分目標値を負として、電源10bを充電したシミュレーションを行った際のモータ相電流iu、iv、dq軸電流id、iq、電源電流idc_a、idc_bを示している。電源10b充電モードを開始後、モータ高調波を低減する修正を行うことで歪みの少ない電流を出力することができる。
<還流経路開放指令演算部48>
次に、還流経路開放指令演算部48の演算方法と、その効果について説明する。還流経路の段階的切替を行う場合には、前述のように、電源10b側の電力の分配目標値が0あっても、電源10bを充電することが可能になる。すなわち、電力配分目標値と、実際の電力の配分に差が生じる。本構成では、電源10b側の電力量を指令値Pb*どおりにコントロールするために、還流経路開放指令演算部48を用いる。なお、説明はVdc_b≧Vdc_aとして、電源10b側への充電を前提として行うが、電圧の大小関係が変わり、電源10aへの充電をする際にも同様の手法で充電することができる。
次に、還流経路開放指令演算部48の演算方法と、その効果について説明する。還流経路の段階的切替を行う場合には、前述のように、電源10b側の電力の分配目標値が0あっても、電源10bを充電することが可能になる。すなわち、電力配分目標値と、実際の電力の配分に差が生じる。本構成では、電源10b側の電力量を指令値Pb*どおりにコントロールするために、還流経路開放指令演算部48を用いる。なお、説明はVdc_b≧Vdc_aとして、電源10b側への充電を前提として行うが、電圧の大小関係が変わり、電源10aへの充電をする際にも同様の手法で充電することができる。
還流経路開放指令演算部(電力指令生成部)48は、id,iq,Vdc_a, Vdc_b, 電源10bの電力指令値Pb*を入力として、以下の演算を行い、還流経路開放指令m_R*を演算する。この還流経路開放指令演算部48の演算によって、還流経路開放指令を求め、電源10bの電力をコントロールする。また、m_R*をオンラインで計算せず、あらかじめ計算しておき、制御器にマップとして組み込んでもよい。
<電力指令生成部による効果>
還流経路開放指令演算部をこのように構成することによって、電源に必要な電力量に応じて、開放時間を調整することによって、電源の電力指令値どおりの電力量を充電することができる。さらに、前記開放パルス幅指令値をモータ電流と電源電圧から求めるため、モータや電源の出力を検出するセンサなどを用いることがないため、安価な制御装置で構成できる。また、開放パルス幅指令値の演算を予め作成されたマップを参照するだけ行う。従って、演算時間を短縮することができる。本発明の制御をマイコンによって演算する場合には、演算時間の短縮によって、安価なマイコンを利用することができるようになる。
還流経路開放指令演算部をこのように構成することによって、電源に必要な電力量に応じて、開放時間を調整することによって、電源の電力指令値どおりの電力量を充電することができる。さらに、前記開放パルス幅指令値をモータ電流と電源電圧から求めるため、モータや電源の出力を検出するセンサなどを用いることがないため、安価な制御装置で構成できる。また、開放パルス幅指令値の演算を予め作成されたマップを参照するだけ行う。従って、演算時間を短縮することができる。本発明の制御をマイコンによって演算する場合には、演算時間の短縮によって、安価なマイコンを利用することができるようになる。
本発明の利点をまとめると以下のようにになる。まず、本発明によれば、モード0とモード1を連続的に切り替えて各直流電源を充電して、複数の直流電源の充電電力を制御するように構成することによって、例えば複数の電源の電圧が等しい場合では、ひとつの直流電源からモータへ出力する方向のスイッチがすべてオン状態のときモータ相間電圧はゼロとなり、モータへ余計な電圧を印加することなく複数の直流電源の充放電を制御できる。
さらに、本発明の各実施態様(第2〜15の発明)によれば以下のような利点がある。第2の発明によれば、充電する電源以外の電源のへの充電経路を所定の時間開放することによって、充電する電源の電力をコントロールすることが可能になる。従って、開放時間のコントロールによって容易に複数の電源の充放電をコントロールすることができる。また、第3の発明によれば、開放時間は、キャリアと開放パルス幅指令値との比較によって生成する。従って、安価な制御装置で構成することができる。また、第4の発明によれば、電源電圧を検出し、電源電圧の低いほうの充電経路を開放する。従って、電源電圧の大小関係が入れ替わった場合においても適切に充電経路の開放を行うことができる。また、第5の発明によれば、モータの電流符号から、モータの電流経路を推定し、出力される電圧パルスの誤差を修正することによって、電圧指令値に相当する適切な電圧パルスをモータに印加することが可能になり、モータ相電流の高調波電流の発生を抑制することが可能になる。この結果、モータの損失の低減でき、本発明を燃料電池電気自動車に適用すれば、燃料電池電気自動車の燃費を向上することができる。また、不要な高調波電流の発生を抑えることで、トルクリプルが低減し、車両の乗り心地が向上する。
また、第6の発明によれば、モータ電流の符号が負であるときにのみ、パルス幅の修正を行うことで、モータ電流の符号が正であるときには、不要な修正を行わず、必要な電流状態において、パルス幅の修正によって、高調波電流の発生を抑制することができる。
また、第7の発明によれば、モータから充電する経路を持たない電源の電源電圧値と、モータから充電する経路を持つ電源の電圧値と、前記開放時間とから、変調率指令値を修正することで、パルス幅の修正を精度良く行うことができ、高調波電流の発生を抑制することができる。
また、第8の発明によれば、開放パルス幅指令値を出力パルス幅指令値の最低値以下とする。この結果、開放パルス幅が出力パルス幅よりも広くならないため、高調波の原因となる電圧の発生を抑制できるためトルクリップルを低減することができる。また、第9の発明によれば、キャリアを三角波とする。従って、安価な制御装置で構成することができる。第10の発明によれば、キャリアをノコギリ波とする。従って、安価な制御装置で構成することができる。また、第11の発明によれば、モータ電流の符号の判別にモータ電流指令値を用いることで、モータ電流のノイズに影響されること無く、電流符号の判別を行うことができる。このように、精度良く電流符号の判別を行う事で、パルス幅の修正を精度良く行うことができ、高調波電流の発生を抑制することができる。また、第12の発明によれば、モータ電流の符号の判別にモータ電流の検出値を用いることで、モータ電流の指令値への追従が遅い場合などでも、実際の電流経路に基づいた電流符号の判別を行うことができる。この符号判別を用いて、電流の経路によって生じる出力電圧パルスの誤差に対するパルス幅の修正を行って、高調波電流の発生を抑制することができる。
また、第13の発明によれば、電源に必要な電力量に応じて、開放時間を調整することによって、電源の電力指令値どおりの電力量を充電することができる。また、第14の発明によれば、前記開放パルス幅指令値をモータ電流と電源電圧から求めるため、モータや電源の出力を検出するセンサなどを用いることがないため、安価な制御装置で構成できる。また、第15の発明によれば、開放パルス幅指令値の演算を予め作成されたマップを参照するだけ行う。従って、演算時間を短縮することができる。本制御をマイコンなどのプロセッサによって演算する場合には、演算時間の短縮によって、安価なプロセッサを利用することができるようになる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の部材、手段、ステップなどを1つに組み合わせたり或いは分割したりすることが可能である。
101a/101b/107a/104a/104b 半導体スイッチ
102a/102b/108a/105a/105b 半導体スイッチ
103a/103b/109a/106a/106b 半導体スイッチ
107b/180b/109b ダイオード
10a,10b 電源
12,13 平滑コンデンサ
14 正極母線
15 共通負極母線
16 正極母線
20 モータ
30 電力変換器
40 制御装置
41 トルク制御手段
42 電流制御手段
43 電力制御・変調率演算手段
43a 変調率演算手段
43b 変調率補正手段
44 パルス生成手段
45 3相/dq変換手段
46 dq/3相変換手段
47 補正ゲイン演算器
48 帰還経路開放指令演算器
49 入力電圧指令修正手段
A,B,C,D,E スイッチ
201 電流制御部
202 dq/3相変換器
203,205 乗算器
206 減算器
209 加算器
211 変調率オフセット演算器
213 電圧指令値修正値演算器
102a/102b/108a/105a/105b 半導体スイッチ
103a/103b/109a/106a/106b 半導体スイッチ
107b/180b/109b ダイオード
10a,10b 電源
12,13 平滑コンデンサ
14 正極母線
15 共通負極母線
16 正極母線
20 モータ
30 電力変換器
40 制御装置
41 トルク制御手段
42 電流制御手段
43 電力制御・変調率演算手段
43a 変調率演算手段
43b 変調率補正手段
44 パルス生成手段
45 3相/dq変換手段
46 dq/3相変換手段
47 補正ゲイン演算器
48 帰還経路開放指令演算器
49 入力電圧指令修正手段
A,B,C,D,E スイッチ
201 電流制御部
202 dq/3相変換器
203,205 乗算器
206 減算器
209 加算器
211 変調率オフセット演算器
213 電圧指令値修正値演算器
Claims (16)
- 複数の直流電源の出力電圧から交流モータを駆動するための電圧パルスを生成する電力変換装置であって、
複数のスイッチを用いて電圧パルス幅の指令値に基づき前記電圧パルスを生成・合成する手段と、
前記複数の直流電源の中で電源電圧が他の直流電源より低いか等しい直流電源から前記交流モータへ導通する方向の各相のスイッチにおいて、少なくとも当該直流電源から前記交流モータへ電流が流れている相のすべてのスイッチがオン状態であるときに、前記交流モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを開放し、残りの直流電源を充電するモード0と、前記複数の直流電源の中で電源電圧が他の直流電源より低いか等しい直流電源から前記交流モータへ通流する方向の各相のスイッチにおいて、少なくとも、当該直流電源から前記交流モータへ電流が流れている相のスイッチがすべてオン状態であるときに、前記交流モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを導通させるモード1とを連続的に切り替え、前記複数の直流電源のうちの少なくとも1つの直流電源を充電するように前記複数のスイッチを制御するスイッチ制御手段と、
を具える電力変換装置。 - 請求項1に記載の電力変換装置において、
前記交流モータから、前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチの開放時間を規定する開放パルス幅指令値を生成する開放パルス幅指令値生成手段をさらに具え、
前記スイッチ制御手段が、
充電すべき直流電源を選択し、選択された充電すべき直流電源以外の直流電源の充電経路を前記開放パルス幅指令値生成手段により生成された開放パルス幅指令値に応じて前記正極へ導通する方向のスイッチを開放するように制御する、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1に記載の電力変換装置において、
前記交流モータから、前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチの開放時間を規定するキャリアを生成するキャリア生成手段と、
前記交流モータから、前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチの開放時間を規定する開放パルス幅指令値を生成する開放パルス幅指令値生成手段と、をさらに具え、
前記スイッチ制御手段が、
前記キャリア生成手段で生成されたキャリアと、開放パルス幅指令値生成手段で生成された開放パルス幅指令値との比較によって、前記正極へ導通する方向のスイッチの開放時間を決定し、当該決定した開放時間に応じて前記正極へ導通する方向のスイッチを開放するように制御する、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
前記複数の直流電源の電圧を検出する電圧検出手段をさらに具え、
前記スイッチ制御手段が、
電圧の低いほうの充電経路にある、前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチを開放するように制御する、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
前記複数の直流電源の少なくとも1つの正極へ導通する方向のスイッチを開放する時間、および、モータ電流の符号に基づいて、電圧パルス幅指令値を修正する電圧パルス幅指令値修正手段、
をさらに具えることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項5に記載の電力変換装置において、
前記電圧パルス幅指令値修正手段が、
モータ電流の符号が負である場合のみ、前記電圧パルス幅指令値を修正する、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項5または6に記載の電力変換装置において、
前記電圧パルス幅指令値修正手段が、
前記交流モータから充電する経路を持たない直流電源の電圧値と、前記交流モータから充電する経路を持つ直流電源の電圧値と、前記正極へ導通する方向のスイッチを開放する時間とに基づき、前記電圧パルス幅指令値を修正する、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項2または3に記載の電力変換装置において、
前記開放パルス幅指令値生成手段が、
前記電圧パルス幅指令値の最低値以下に設定された前記開放パルス幅指令値を生成する、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項3に記載の電力変換装置において、
前記キャリア生成手段により生成されるキャリアが、三角波である、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項3に記載の電力変換装置において、
前記キャリア生成手段により生成されるキャリアが、のこぎり波である、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項5、6、7いずれか1項に記載の電力変換装置において、
前記モータ電流の符号は、モータ電流指令値の符号である、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項5、6、7いずれか1項に記載の電力変換装置において、
モータ電流を検出する電流計測手段をさらに具え、
前記モータ電流の符号が、前記検出されたモータ電流検出値の符号である、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
充電すべき直流電源への充電指令値に基づき、開放パルス幅指令値を調整する手段、
をさらに具えることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項13に記載の電力変換装置において、
少なくともモータ電流値と前記複数の直流電源の電圧値に基づき、前記開放パルス幅指令値を演算する手段、
をさらに具えることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項13または14に記載の電力変換装置において、
前記開放パルス幅指令値の調整または演算は、予め作成されたマップを参照することにより実行される、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 複数の直流電源の出力電圧から交流モータを駆動するための電圧パルスを生成する電力変換装置の制御方法であって、
複数のスイッチを用いて電圧パルス幅の指令値に基づき前記電圧パルスを生成・合成するステップと、
前記複数の直流電源の中で電源電圧が他の直流電源より低いか等しい直流電源から前記交流モータへ導通する方向の各相のスイッチにおいて、少なくとも、当該直流電源から前記交流モータへ電流が流れている相のすべてのスイッチがオン状態であるときに、前記交流モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを開放し、残りの直流電源を充電するモード0と、前記複数の直流電源の中で電源電圧が他の直流電源より低いか等しい直流電源から前記交流モータへ通流する方向の各相のスイッチにおいて、少なくとも、当該直流電源から前記交流モータへ電流が流れている相のスイッチがすべてオン状態であるときに、前記交流モータから当該直流電源の正極へ導通する方向のスイッチを導通させるモード1とを連続的に切り替え、前記複数の直流電源のうちの少なくとも1つの直流電源を充電するように前記複数のスイッチを制御するステップと、
を有する電力変換装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007047125A JP2008211926A (ja) | 2007-02-27 | 2007-02-27 | 電力変換装置およびその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007047125A JP2008211926A (ja) | 2007-02-27 | 2007-02-27 | 電力変換装置およびその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008211926A true JP2008211926A (ja) | 2008-09-11 |
Family
ID=39787759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007047125A Withdrawn JP2008211926A (ja) | 2007-02-27 | 2007-02-27 | 電力変換装置およびその制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008211926A (ja) |
-
2007
- 2007-02-27 JP JP2007047125A patent/JP2008211926A/ja not_active Withdrawn
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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