JP2008211345A - 無線中継装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電波状況に応じて通信速度を変化する適応変調方式の移動通信の基地局と端末局との間に介在されて弱電界地域を通信エリアとして補うために使用される無線中継装置において、基地局から端末局までのトータルでの通信速度を向上させる。
【解決手段】該無線中継装置11からの距離が近い端末局2側に用いるアンテナ15を通常ゲインとする場合、距離が遠い基地局1側に用いるアンテナ13を高ゲインとする。したがって、基地局1からの受信レベルと端末局2からの受信レベルとに差があっても、その差を緩和し、基地局1から端末局2までのトータルでの通信速度を向上させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】該無線中継装置11からの距離が近い端末局2側に用いるアンテナ15を通常ゲインとする場合、距離が遠い基地局1側に用いるアンテナ13を高ゲインとする。したがって、基地局1からの受信レベルと端末局2からの受信レベルとに差があっても、その差を緩和し、基地局1から端末局2までのトータルでの通信速度を向上させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、移動通信の基地局と端末局との間に介在されて弱電界地域を通信エリアとして補うために使用される無線中継装置に関し、特に電波状況に応じて通信速度を変化する適応変調方式のものに関する。
たとえばPHS(Personal Handyphone System)システムにおける前記適応変調方式では、特許文献1などで示されるように、電波状況に応じて変調方式が切換えられ、通信速度が変化される。具体的には、図6で示すように、電波状況が最も悪い状態には、低受信レベルでも通信誤りの少ない低速変調方式であるBPSK、良くなる程に、QPSK、8PSK、16QAM、32QAMの順で変調方式が切換えられ、16QAMでは192kbit/sec、最も良好な32QAMでは960kbit/sec(共に物理レート)の通信速度となっている。なお、通常、変調方式の決定は、受信レベルだけでなく、受信BERや変調精度などの受信品質の尺度も用いられるが、受信品質は受信レベルの高低が主要因となるため、ここでは受信レベルをもとに変調方式を決定する例で説明している。
特開2004−349874号公報
上述のような適応変調方式の無線通信システムで通信の中継を行う場合、対基地局(上り)側と対端末局(下り)側とで前記電波状況が異なると、上りと下とりで通信速度が一致しなくなることが起こり得る。このような場合、たとえば、上りがQPSK、下りがBPSKであった場合、上りをBPSKに切換えるというように、通常、高速変調方式で通信している方の変調方式を、低速変調方式に切換えて通信が行われる。このため、一方で高い受信レベルが得られ、高速通信が可能であったとしても、低速側がボトルネックとなって通信速度の向上を図れないという問題がある。
本発明の目的は、基地局から端末局までのトータルでの通信速度を向上させることができる無線中継装置を提供することである。
本発明の無線中継装置は、通信速度可変で移動通信を行う基地局と端末局との間に介在され、前記基地局および端末局のそれぞれと通信を行う第1および第2の2つの無線通信手段を備える無線中継装置において、前記第1の無線通信手段または第2の無線通信手段の一方に、他方よりも高ゲインの無線通信手段を使用することを特徴とする。
上記の構成によれば、電波状況に応じて通信速度を変化する適応変調方式の移動通信の基地局と端末局との間に介在されて弱電界地域を通信エリアとして補うために使用され、前記基地局および端末局のそれぞれと通信を行うアンテナを含む第1および第2の無線通信手段を備え、前記基地局(または端末局)からの無線信号を受信し復調した後に、送信信号を再作成して前記端末局(または基地局)へ向けて送信する無線中継装置において、前記第1の無線通信手段または第2の無線通信手段の一方に、高ゲインアンテナを用いたり、高ゲインアンプを用いたりして、他方の通常ゲインの無線通信手段よりも高ゲインの無線通信手段を使用する。
したがって、基地局からの受信レベルと端末局からの受信レベルとに差があっても、受信レベルの低い方の局に対しては高ゲインの無線通信手段で対応するようにして(該無線中継装置をそのような向きに設置するなどして)、前記適応変調方式での通信速度の差を緩和することが可能となり(基地局用、端末局用双方の無線通信手段で常に高い受信レベルが得られるようになり)、基地局から端末局までのトータルでの通信速度を向上させることができる。
また、本発明の無線中継装置は、前記高ゲインの無線通信手段を、基地局向けで使用することを特徴とする。
上記の構成によれば、前記高ゲインアンテナや高ゲインアンプを基地局との間の通信で使用し、端末局との間の通信には通常ゲインのアンテナおよびアンプを用いる。
したがって、屋内への中継などでは、通常は該無線中継装置に端末局が圧倒的に近く、基地局が遙かに遠いので、それに適応することができる。
さらにまた、本発明の無線中継装置では、前記2つの無線通信手段はそれぞれアンテナに無線通信回路を備えて成り、一方のアンテナが高ゲインアンテナから成ることで前記高ゲインの無線通信手段が実現され、前記2つの無線通信回路は基地局向けと端末局向けとに予めそれぞれ対応しており、2つのアンテナと2つの無線通信回路との関係を相互に入換えることができる切換え手段と、前記基地局と端末局とのそれぞれの受信レベルに応じて前記切換え手段を制御し、前記高ゲインアンテナを基地局用と端末局用との何れの無線通信回路に接続するかを決定する制御手段とをさらに備えること特徴とする。
上記の構成によれば、前記2つの無線通信手段がそれぞれアンテナに無線通信回路を備えて成る場合、基地局から送信される同期信号を復調して内部クロックを生成し、また再送信信号のタイミングの制御などを行うにあたって、前記2つの無線通信回路を基地局向けと端末局向けとに予めそれぞれ対応付けておく(すなわち、基地局からの信号に基づいて前記内部クロックを生成する基地局側の無線通信回路をマスターとし、端末局側の無線通信回路をスレーブとする)とともに、前記高ゲインの無線通信手段を実現する高ゲインアンテナと、通常ゲインの無線通信手段を実現する通常ゲインアンテナとを切換え手段によって前記2つの無線通信回路に対して任意に入換えられるようにしておき、制御手段が、基地局と端末局とのそれぞれの受信レベルに応じて、どのアンテナをどの局に対応付けるかを決定し、切換え手段の切換えを行う。
したがって、前記のように予めデフォルトとして設定した状態が実際の設置環境に適合していない場合に高ゲインアンテナを端末局用の無線通信回路に切換えるようなことができ、前記実際の設置環境により適合させることができる。
また、本発明の無線中継装置では、前記制御手段は、前記受信レベルの平均値から、2つのアンテナと2つの無線通信回路との接続態様を決定すること特徴とする。
上記の構成によれば、一定回数や一定時間の通信による受信レベルの平均値から、アンテナと無線通信回路との組合わせの選択を行うので、選択精度を高めることができる。
さらにまた、本発明の無線中継装置では、前記制御手段は、待ち受け中に基地局から受信する制御チャネルの受信レベルが予め定める値以上である場合に、前記切換え手段に、前記高ゲインアンテナを端末局向け無線通信回路に接続させることを特徴とする。
上記の構成によれば、端末局および基地局共に制御チャネルでの信号のやり取りは所定周期で行っているけれども、端末局からの正確な受信レベルは、実際に該端末局が発着信して、通話チャネルでの信号をやり取りしてみないと分らない。そこで、相互の位置関係の変化が殆ど無く、前記受信レベルが安定している基地局との間は、前記制御チャネルの受信レベルから電波状況を推定し、予め定める値以上である場合に、該基地局向け無線通信回路に通常ゲインのアンテナを接続し、前記高ゲインのアンテナを、電波状況がどのようになるか分らない端末局向けの無線通信回路に接続しておく。
したがって、実際に発着信を開始した端末局との間の電波状況が悪くても、可能な限り、基地局から端末局までのトータルでの通信速度を向上させることができる。
また、本発明の無線中継装置では、前記制御手段は、前記端末局の発着信時に、少なくとも該端末局の通話チャネルの受信レベルを含めて、前記2つのアンテナと2つの無線通信回路との接続態様を決定することを特徴とする。
上記の構成によれば、上述のように基地局とは制御チャネルの受信レベルからアンテナの切換え判定を行っていても、端末局が発着信すると、それによる該端末局の通話チャネルの受信レベルを含めて、たとえば高い方を通常ゲインアンテナに接続するなど、前記2つのアンテナと2つの無線通信回路との接続態様を決定する。
したがって、実際に発着信を開始した端末局の通話チャネルの受信レベルを反映してアンテナ選択を行うので、より正確な選択を行うことができる。
さらにまた、本発明の無線中継装置では、前記制御手段は、前記端末局の通話チャネルに対する受信レベルの閾値および前記基地局の通話チャネルに対する受信レベルの閾値を有し、その閾値以下である方に前記高ゲインアンテナを使用し、かつ前記2つの閾値の少なくとも一方が任意に設定可能であることを特徴とする。
上記の構成によれば、基地局側と端末局側とのどちらに高ゲインアンテナを使用するかを判定するにあたって、基地局用と端末局用との2つの閾値の少なくとも一方を調整可能とすることで、実際の電波状況により適応させることができる。
また、本発明の無線中継装置では、前記制御手段は、中継を行った端末局の端末IDと、その端末局に対して選択したアンテナの種類とを相互に対応付けて記憶し、再度、同一の端末IDを持つ端末局の中継を行う際には、記憶している種類のアンテナを端末局用に選択することを特徴とする。
上記の構成によれば、中継を行った端末局に対しては、過去の実績を尊重し、どちらのアンテナを使用したのかを、端末IDに対応付けて記憶しておき、同一の端末局の発着信ときには、前記受信レベルからアンテナを選択するのではなく、その過去の実績に基づいてから選択する。
したがって、パケット通信のように通話チャネルの切断と再接続とを繰返す場合に特に好適に、アンテナ選択を速やかに行うことができる。
さらにまた、本発明の無線中継装置では、前記制御手段は、中継を終了する際のシーケンスが通常の終話シーケンスでない場合には、前記端末IDおよびアンテナの種類の記憶を行わないことを特徴とする。
上記の構成によれば、前記のように端末IDおよびアンテナの種類の記憶を行うにあたって、中継の終了の仕方が正常でなかった、すなわち通話チャネルでの通信は続いているものの、受信レベルの低下などで中継を終了した場合には、前記記憶を行わないようにする。
したがって、中継が上手く行かなかった場合の端末局とアンテナの種類との対応を無視することで、再度、同一の端末IDを持つ端末局の中継を行う際に、間違ったアンテナ選択を行う可能性を低くすることができる。
また、本発明の無線中継装置では、前記制御手段は、記憶している端末IDおよびアンテナの種類を、予め定める期間経過後に消去することを特徴とする。
上記の構成によれば、或る程度の長い時間が経過すれば、端末局の位置が大きく変わっている可能性があり、過去の選択の態様を記憶している価値は低くなるので、記憶を消去する。
したがって、アンテナ選択に与える影響を小さくしつつ、必要な記憶容量を小さくすることができる。
さらにまた、本発明の無線中継装置では、前記2つの無線通信回路は前記通信速度が可変で、かつTDMA方式で無線通信を行い、前記制御手段は、前記切換え手段におけるアンテナ切換えをスロット毎に行い、基地局向け通信と端末局向け通信とが同一スロットを使用しない場合には、前記切換え手段に、前記基地局用と端末局用との両方の無線通信回路を高ゲインアンテナに接続させることを特徴とする。
上記の構成によれば、基地局と端末局との間の中継を行うにあたって、TDMA方式で無線通信を行う場合には、基地局向け通信と端末局向け通信とで同一のスロットを使用しないとき、それら基地局と端末局との両方の通信に、同じ無線通信回路およびアンテナを使用することができる。ここで、基地局と通信を行う場合は基地局側にスロット選択の権利があり、端末局と通信を行う場合は該無線中継装置側にスロット選択の権利がある。そこで制御手段は、新たに発着信する端末局に対して、基地局向けおよび他の端末局との間で使用していないスロットがあればそのスロットを割当て、前記切換え手段に、高ゲインアンテナを時分割で基地局用の無線通信回路と端末局用の無線通信回路とに接続させる。
したがって、基地局からの受信レベルおよび端末局からの受信レベルの一層の改善を期待できる。
また、本発明の無線中継装置では、前記制御手段は、基地局から新たに割当てられたスロットが高ゲインアンテナを既に使用しているスロットであり、他に使用していない空きスロットが有る場合には、そのスロット割当てを拒否し、異なるスロットを再度割当てるよう基地局に要求することを特徴とする。
上記の構成によれば、基地局との通信では上述のように基地局側にスロット選択の権利があり、そこで制御手段は、基地局から一旦割当てられたスロットが高ゲインアンテナを既に使用しているスロットであり、他に使用していない空きスロットが有る場合には、そのスロット割当てを拒否して異なるスロットを再度割当ててもらい、その空きスロットが割当てられるようにする。
したがって、極力高ゲインアンテナを使用することができる。
本発明の無線中継装置は、以上のように、電波状況に応じて通信速度を変化する適応変調方式の移動通信の基地局と端末局との間に介在されて弱電界地域を通信エリアとして補うために使用され、前記基地局および端末局のそれぞれと通信を行うアンテナを含む第1および第2の無線通信手段を備える無線中継装置において、前記第1の無線通信手段または第2の無線通信手段の一方に、高ゲインアンテナを用いたり、高ゲインアンプを用いたりして、他方の通常ゲインの無線通信手段よりも高ゲインの無線通信手段を使用する。
それゆえ、基地局からの受信レベルと端末局からの受信レベルとに差があっても、受信レベルの低い方の局に対しては高ゲインの無線通信手段で対応するようにして前記適応変調方式での通信速度の差を緩和することが可能となり、基地局から端末局までのトータルでの通信速度を向上させることができる。
また、本発明の無線中継装置は、以上のように、前記高ゲインアンテナや高ゲインアンプを基地局との間の通信で使用し、端末局との間の通信には通常ゲインのアンテナおよびアンプを用いる。
それゆえ、屋内への中継などでは、通常は該無線中継装置に端末局が圧倒的に近く、基地局が遙かに遠いので、それに適応することができる。
さらにまた、本発明の無線中継装置は、以上のように、前記2つの無線通信手段がそれぞれアンテナに無線通信回路を備えて成る場合、基地局から送信される同期信号を復調して内部クロックを生成し、また再送信信号のタイミングの制御などを行うにあたって、前記2つの無線通信回路を基地局向けと端末局向けとに予めそれぞれ対応付けておくとともに、前記高ゲインの無線通信手段を実現する高ゲインアンテナと、通常ゲインの無線通信手段を実現する通常ゲインアンテナとを切換え手段によって前記2つの無線通信回路に対して任意に入換えられるようにしておき、制御手段が、基地局と端末局とのそれぞれの受信レベルに応じて、どのアンテナをどの局に対応付けるかを決定し、切換え手段の切換えを行う。
それゆえ、予めデフォルトとして設定した状態が実際の設置環境に適合していない場合に変更することができ、前記実際の設置環境により適合させることができる。
また、本発明の無線中継装置は、以上のように、一定回数や一定時間の通信による受信レベルの平均値から、アンテナと無線通信回路との組合わせの選択を行う。
それゆえ、選択精度を高めることができる。
さらにまた、本発明の無線中継装置は、以上のように、相互の位置関係の変化が殆ど無く、受信レベルが安定している基地局との間は、制御チャネルの受信レベルから電波状況を推定し、予め定める値以上である場合に、該基地局向け無線通信回路に通常ゲインのアンテナを接続し、前記高ゲインのアンテナを、電波状況がどのようになるか分らない端末局向けの無線通信回路に接続しておく。
それゆえ、実際に発着信を開始した端末局との間の電波状況が悪くても、可能な限り、基地局から端末局までのトータルでの通信速度を向上させることができる。
また、本発明の無線中継装置は、以上のように、基地局とは制御チャネルの受信レベルからアンテナの切換え判定を行っていても、端末局が発着信すると、それによる該端末局の通話チャネルの受信レベルを含めて、たとえば高い方を通常ゲインアンテナに接続するなど、前記2つのアンテナと2つの無線通信回路との接続態様を決定する。
それゆえ、実際に発着信を開始した端末局の通話チャネルの受信レベルを反映してアンテナ選択を行うので、より正確な選択を行うことができる。
さらにまた、本発明の無線中継装置は、以上のように、基地局側と端末局側とのどちらに高ゲインアンテナを使用するかを判定するにあたって、基地局用と端末局用との2つの閾値の少なくとも一方を調整可能とする。
それゆえ、実際の電波状況により適応させることができる。
また、本発明の無線中継装置は、以上のように、中継を行った端末局に対しては、過去の実績を尊重し、どちらのアンテナを使用したのかを、端末IDに対応付けて記憶しておき、同一の端末局の発着信ときには、前記受信レベルからアンテナを選択するのではなく、その過去の実績に基づいてから選択する。
それゆえ、パケット通信のように通話チャネルの切断と再接続とを繰返す場合に特に好適に、アンテナ選択を速やかに行うことができる。
さらにまた、本発明の無線中継装置は、以上のように、前記のように端末IDおよびアンテナの種類の記憶を行うにあたって、中継の終了の仕方が正常でなかった場合には、前記記憶を行わないようにする。
それゆえ、中継が上手く行かなかった場合の端末局とアンテナの種類との対応を無視することで、再度、同一の端末IDを持つ端末局の中継を行う際に、間違ったアンテナ選択を行う可能性を低くすることができる。
また、本発明の無線中継装置は、以上のように、或る程度の長い時間が経過すれば、端末局の位置が大きく変わっている可能性があり、過去の選択の態様を記憶している価値は低くなるので、記憶を消去する。
それゆえ、アンテナ選択に与える影響を小さくしつつ、必要な記憶容量を小さくすることができる。
さらにまた、本発明の無線中継装置は、以上のように、基地局と端末局との間の中継を行うにあたって、TDMA方式で無線通信を行う場合で、基地局向け通信と端末局向け通信とで同一のスロットを使用しないときには、それら基地局と端末局との両方の通信に、同じ無線通信回路およびアンテナを使用する。
それゆえ、基地局からの受信レベルおよび端末局からの受信レベルの一層の改善を期待できる。
また、本発明の無線中継装置は、以上のように、基地局から一旦割当てられたスロットが高ゲインアンテナを既に使用しているスロットであり、他に使用していない空きスロットが有る場合には、そのスロット割当てを拒否して異なるスロットを再度割当ててもらい、その空きスロットが割当てられるようにする。
それゆえ、極力高ゲインアンテナを使用することができる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の第1の形態に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。この移動通信システムは、1または複数の基地局1と、1または複数の端末局2(図1の例では図面の簡略化のために共に1つずつしか図示していない)と、それらの間に介在されて弱電界地域を通信エリアとして補うために使用される無線中継装置11とを備えて構成される。前記基地局1は、電話やデータ通信の図示しないネットワークに接続されている。そして、この移動通信システムでは、前記図6で示すように、電波状況に応じて変調方式を切換えることで、通信速度可変で移動通信を行う適応変調方式の移動通信システムである。
図1は、本発明の実施の第1の形態に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。この移動通信システムは、1または複数の基地局1と、1または複数の端末局2(図1の例では図面の簡略化のために共に1つずつしか図示していない)と、それらの間に介在されて弱電界地域を通信エリアとして補うために使用される無線中継装置11とを備えて構成される。前記基地局1は、電話やデータ通信の図示しないネットワークに接続されている。そして、この移動通信システムでは、前記図6で示すように、電波状況に応じて変調方式を切換えることで、通信速度可変で移動通信を行う適応変調方式の移動通信システムである。
無線中継装置11は、第1の無線通信手段を構成する基地局1側の無線通信回路12およびアンテナ13と、第2の無線通信手段を構成する端末局2側の無線通信回路14およびアンテナ15とを備えて構成され、前記基地局1(または端末局2)からの無線信号を受信し復調した後に、送信信号を再作成して前記端末局2(または基地局1)へ向けて再送信することで中継動作を行う。そして、無線通信回路12は、基地局1からの制御信号を受信し、クロックを復調して、送受信のタイムスロットを規定するなどの該無線中継装置11内のタイミングを制御するマスター側の無線通信回路として機能し、無線通信回路14はそのクロックに応答して動作するスレーブ側の無線通信回路として機能する。
なお、無線通信回路12,14には、受信レベルを測定することができる測定部が設けられており、その測定結果に応答して、上述のように前記図6で示す各変調方式の内、基地局1側の受信レベルに対応した変調方式と、端末局2側の受信レベルに対応した変調方式との通信速度が遅い方の変調方式を共通に採用するようになっている。たとえば、基地局1向けのアンテナ13での受信レベルがa〜cの範囲で、端末局2向けのアンテナ15での受信レベルがb〜cの範囲であれば、基地局1との通信はQPSK、端末局2との通信は8PSKとなるが、上述のように上りと下りとの通信速度を合わせるため、端末局2との通信をQPSKに落とす。
注目すべきは、本実施の形態では、前記アンテナ13,15の一方に高ゲインアンテナを用いたり、無線通信回路12,14の一方に高ゲインアンプを用いたりして、一方の無線通信手段を他方の通常ゲインの無線通信手段よりも高ゲインとすることである。図1の例では、アンテナ13に高ゲインアンテナを用いており、かつそれを基地局1向けで使用している。
したがって、上述のように基地局1からの受信レベルと端末局2からの受信レベルとに差があっても、受信レベルの低い方の局に対しては高ゲインの無線通信手段で対応するようにして(該無線中継装置11をそのような向きに設置するなどして)、前記適応変調方式での通信速度の差を緩和することが可能となり(基地局1用、端末局2用双方の無線通信手段で常に高い受信レベルが得られるようになり)、基地局1から端末局1までのトータルでの通信速度を向上させることができる。
また、屋内への中継などでは、通常は該無線中継装置11は、端末局2が圧倒的に近く、基地局1が遙かに遠く、基地局1からの電波が届きにくいエリアに設置されるので、前記のように前記高ゲインアンテナ13を基地局1との間の通信で使用し、端末局2との間の通信には通常ゲインのアンテナ15を用いることで、予めデフォルトとしてそのような設置環境に適応することができる。
[実施の形態2]
図2は、本発明の実施の第2の形態に係る無線中継装置21の構成を示すブロック図である。この無線中継装置21は、前述の無線中継装置11に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この無線中継装置21では、マスター側となる無線通信回路12と、スレーブ側となる無線通信回路14とに対して、高ゲインアンテナ13と通常ゲインアンテナ15との関係を相互に入換え可能となっていることである。
図2は、本発明の実施の第2の形態に係る無線中継装置21の構成を示すブロック図である。この無線中継装置21は、前述の無線中継装置11に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この無線中継装置21では、マスター側となる無線通信回路12と、スレーブ側となる無線通信回路14とに対して、高ゲインアンテナ13と通常ゲインアンテナ15との関係を相互に入換え可能となっていることである。
具体的には、各アンテナ13,15および無線通信回路12,14は、切換え手段である切換えスイッチ22に接続されて接続態様が相互に入換え可能となっている。一方、各無線通信回路12,14では前述のようにその時点で接続されているアンテナ13,15の受信レベルが得られており、その情報が制御手段である切換え判定回路23に入力される。該切換え判定回路23は、現在のアンテナ12,14の接続態様による受信レベルに、高ゲインアンテナ13と通常ゲインアンテナ15とのゲイン差分を考慮して、接続態様を入換えるべきか否か、すなわちどのアンテナをどの局に対応付けるかを決定し、切換えた方がよい場合にはスイッチ22の切換えを行う。
したがって、前記のように予めデフォルトとして設定した状態が実際の設置環境に適合していない場合に、高ゲインアンテナ13を端末局2用の無線通信回路14に切換えるようなことができ、前記実際の設置環境により適合させることができる。
[実施の形態3]
本発明の実施の第3の形態に係る無線中継装置は、前述の図2で示す無線中継装置21の構成を用いることができ、その説明を省略する。注目すべきは、本実施の形態では、前記切換え判定回路23は、その切換え判定を、一定回数や一定時間の通信による受信レベルの平均値から行うことである。
本発明の実施の第3の形態に係る無線中継装置は、前述の図2で示す無線中継装置21の構成を用いることができ、その説明を省略する。注目すべきは、本実施の形態では、前記切換え判定回路23は、その切換え判定を、一定回数や一定時間の通信による受信レベルの平均値から行うことである。
したがって、フェージングによる受信レベル変動の影響を小さくでき、アンテナ13,15の選択精度を高めることができる。
[実施の形態4]
本発明の実施の第4の形態に係る無線中継装置も、前述の図2で示す無線中継装置21の構成を用いることができ、その説明を省略する。注目すべきは、本実施の形態では、前記PHSのようなTDMA方式を用いる無線通信システムにおいて、前記切換え判定回路23は、待ち受け中に基地局1から受信する制御チャネルの受信レベルが予め定める値以上である場合に、前記切換えスイッチ22に、前記高ゲインアンテナ13を端末局1向けの無線通信回路14に接続させることである。
本発明の実施の第4の形態に係る無線中継装置も、前述の図2で示す無線中継装置21の構成を用いることができ、その説明を省略する。注目すべきは、本実施の形態では、前記PHSのようなTDMA方式を用いる無線通信システムにおいて、前記切換え判定回路23は、待ち受け中に基地局1から受信する制御チャネルの受信レベルが予め定める値以上である場合に、前記切換えスイッチ22に、前記高ゲインアンテナ13を端末局1向けの無線通信回路14に接続させることである。
すなわち、端末局2および基地局1共に制御チャネルでの信号のやり取りは所定周期で行っているけれども、端末局2からの正確な受信レベルは、実際に該端末局2が発着信して、通話チャネルでの信号をやり取りしてみないと分らない。一方、相互の位置関係の変化が殆ど無く、前記受信レベルが安定している基地局1との間は、前記制御チャネルの受信レベルから電波状況を推定することができる。そこで、マスター側の無線通信回路12は、一定間隔で基地局1からの制御チャネルを受信することで、自局宛の通信の有無等の必要な情報の取得を行うとともに、この際の制御チャネルの受信レベルを通常ゲインアンテナ15を用いて測定し、図6のdレベル、すなわち最高の通信速度が得られるレベルよりも高い場合には、切換え判定回路23に、基地局1用のアンテナに該通常ゲインアンテナ15を使用させる。
こうして基地局1側との電波状況が良好な場合に、該基地局1向け無線通信回路12に通常ゲインアンテナ15を接続し、高ゲインアンテナ13を、電波状況がどのようになるか分らない端末局2向けの無線通信回路14に接続しておくことによって、端末局2が発着信し、通信の中継を開始した際に端末局2との間の電波状況が悪くても、通常ゲインアンテナ15が通信速度のボトルネックとなることはなく、基地局1から端末局2までのトータルでの通信速度を向上させることができる。
なお、中継を行っておらず、前記制御チャネル受信に高ゲインアンテナ13を用いている場合でも、高ゲインアンテナ13と通常ゲインアンテナ15とのゲイン差分を補正して、図6のdレベル以上の場合に、通常ゲインアンテナ15を使用するようにすればよい。
[実施の形態5]
本発明の実施の第5の形態に係る無線中継装置も、前述の図2で示す無線中継装置21の構成を用いることができる。注目すべきは、本実施の形態では、前記PHSのようなTDMA方式を用いる無線通信システムにおいて、前記切換え判定回路23は、前記端末局2の発着信時に、少なくとも該端末局2の通話チャネルの受信レベルを含めて、前記2つのアンテナ13,15と2つの無線通信回路12,14との接続態様を決定することである。
本発明の実施の第5の形態に係る無線中継装置も、前述の図2で示す無線中継装置21の構成を用いることができる。注目すべきは、本実施の形態では、前記PHSのようなTDMA方式を用いる無線通信システムにおいて、前記切換え判定回路23は、前記端末局2の発着信時に、少なくとも該端末局2の通話チャネルの受信レベルを含めて、前記2つのアンテナ13,15と2つの無線通信回路12,14との接続態様を決定することである。
具体的には該無線中継装置21が中継を開始する際に、基地局1と端末局2との両方の制御チャネルまたは通話チャネルの受信レベルを、それぞれ任意のアンテナ組合わせで測定し、基地局1用と端末局2用とのどちらか一方が図6のdレベル、すなわち最高の通信速度が得られるレベルよりも大きい場合には、切換え判定回路23は、そのdレベルを超えた方を通常ゲインアンテナ15とするようにする。なお、判定にあたっては、前述のようにアンテナ13,15間のゲイン差の補正が行われる。また、前述の第4の実施の形態のように、中継開始前は、基地局1からの制御チャネルの受信レベルから予めアンテナの切換え判定を行っていることが好ましい。
したがって、実際に発着信を開始した端末局2の通話チャネルの受信レベルを反映してアンテナ13,15の選択を行うので、より正確な選択を行うことができる。
[実施の形態6]
本発明の実施の第6の形態に係る無線中継装置も、前述の図2で示す無線中継装置21の構成を用いることができ、第5の実施形態に類似している。前記切換え判定回路23は、前記端末局2の発着信時に、基地局1側と端末局2側とのどちらに高ゲインアンテナ13を使用するかを判定するにあたって、端末局2の通話チャネルに対する受信レベルの閾値および基地局1の通話チャネルに対する受信レベルの閾値をそれぞれ有し、その閾値以下である方に前記高ゲインアンテナ13を使用し、かつ前記2つの閾値の少なくとも一方が任意に設定可能であることである。
本発明の実施の第6の形態に係る無線中継装置も、前述の図2で示す無線中継装置21の構成を用いることができ、第5の実施形態に類似している。前記切換え判定回路23は、前記端末局2の発着信時に、基地局1側と端末局2側とのどちらに高ゲインアンテナ13を使用するかを判定するにあたって、端末局2の通話チャネルに対する受信レベルの閾値および基地局1の通話チャネルに対する受信レベルの閾値をそれぞれ有し、その閾値以下である方に前記高ゲインアンテナ13を使用し、かつ前記2つの閾値の少なくとも一方が任意に設定可能であることである。
一般に無線通信の場合、基地局1および無線中継装置21は共に固定設置され、端末局2のみが移動するので、基地局1と無線中継装置21との間に比べ、端末局2と無線中継装置21との間の方がフェージングが大きくなり、受信レベル変動が大きい。そこで、端末局2用の閾値を(d+10)dB、基地局1用の閾値を(d)dBとすれば、前記レベル変動による変調方式(通信速度)の切換えや、アンテナ13,15の切換えが頻繁に生じる(ハンチング)ことを防止することができる。これによって、実際の電波状況により適応させることができる。
[実施の形態7]
図3は、本発明の実施の第7の形態に係る無線中継装置31の構成を示すブロック図である。この無線中継装置31は、前述の無線中継装置21に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この無線中継装置31では、無線中継の際に前記の第2〜第6の実施形態のいずれかでアンテナ切換えを行い、切換え判定回路33は、端末局2側の無線通信回路34が中継を行った端末局2の端末IDを記憶回路32に送信させ、また自身からその端末局2に対して選択したアンテナの種類を送信してそれらを相互に対応付けて記憶させておき、新たに中継を行う際に取得した端末IDが前記記憶回路32に記憶されているものであれば、その端末IDに対応付けて記憶されている種類のアンテナを再度端末局2用に選択し、中継を開始することである。
図3は、本発明の実施の第7の形態に係る無線中継装置31の構成を示すブロック図である。この無線中継装置31は、前述の無線中継装置21に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この無線中継装置31では、無線中継の際に前記の第2〜第6の実施形態のいずれかでアンテナ切換えを行い、切換え判定回路33は、端末局2側の無線通信回路34が中継を行った端末局2の端末IDを記憶回路32に送信させ、また自身からその端末局2に対して選択したアンテナの種類を送信してそれらを相互に対応付けて記憶させておき、新たに中継を行う際に取得した端末IDが前記記憶回路32に記憶されているものであれば、その端末IDに対応付けて記憶されている種類のアンテナを再度端末局2用に選択し、中継を開始することである。
すなわち、中継を行った端末局に対しては、過去の実績を尊重し、アンテナ13,13のどちらを使用したのかを端末IDに対応付けて記憶回路32に記憶しておき、同一の端末局の発着信ときには、前記受信レベルからアンテナ13,15を選択するのではなく、その過去の実績に基づいてから選択する。
したがって、パケット通信のように通話チャネルの切断と再接続とを繰返す場合に特に好適に、アンテナ選択を速やかに行うことができる。また、本実施の形態は、端末局2固定設置されて使用される端末の場合に、特に有効となる。
[実施の形態8]
本発明の実施の第8の形態に係る無線中継装置も、前述の図3で示す無線中継装置31の構成を用いることができる。注目すべきは、本実施の形態では、前記切換え判定回路33は、中継を終了する際のシーケンスが通常の終話シーケンスでない場合には、前記記憶回路32に、前記端末IDおよびアンテナの種類の記憶を行わせないことである。
本発明の実施の第8の形態に係る無線中継装置も、前述の図3で示す無線中継装置31の構成を用いることができる。注目すべきは、本実施の形態では、前記切換え判定回路33は、中継を終了する際のシーケンスが通常の終話シーケンスでない場合には、前記記憶回路32に、前記端末IDおよびアンテナの種類の記憶を行わせないことである。
具体的には、終話操作やハンドオーバなどによる正常な通信の終了時には記憶を行わせ、通話チャネルでの通信は続いているものの、受信レベルの低下などの電波環境の変化によって中継を終了した場合には、前記記憶を行わないようにする。
したがって、中継が上手く行かなかった場合の端末局とアンテナの種類との対応を無視することで、再度、同一の端末IDを持つ端末局の中継を行う際に、間違ったアンテナ選択を行う可能性を低くすることができる。
[実施の形態9]
本発明の実施の第9の形態に係る無線中継装置も、前述の図3で示す無線中継装置31の構成を用いることができる。注目すべきは、本実施の形態では、前記切換え判定回路33は、前記記憶回路32の記憶内容を、記憶から予め定める期間経過後に消去することである。これは、固定設置された端末局であっても、或る程度の長い時間が経過すれば、設置場所が移動したり、電波環境が変化したりして、前回記憶したアンテナの組合わせが最適でなくなる可能性があり、過去の選択の態様を記憶している価値は低くなるためである。前記予め定める期間は、端末局2の種類や無線システムの特性に合わせて決定されればよいが、たとえば固定設置される端末局が多いシステムでは24時間〜1週間程度の長期間でよく、端末局が頻繁に移動するようなシステムでは数秒〜数分でよい。また、PHSのパケット通信時に行われる一時的な中継終了の場合であれば、数秒程度でよい。
本発明の実施の第9の形態に係る無線中継装置も、前述の図3で示す無線中継装置31の構成を用いることができる。注目すべきは、本実施の形態では、前記切換え判定回路33は、前記記憶回路32の記憶内容を、記憶から予め定める期間経過後に消去することである。これは、固定設置された端末局であっても、或る程度の長い時間が経過すれば、設置場所が移動したり、電波環境が変化したりして、前回記憶したアンテナの組合わせが最適でなくなる可能性があり、過去の選択の態様を記憶している価値は低くなるためである。前記予め定める期間は、端末局2の種類や無線システムの特性に合わせて決定されればよいが、たとえば固定設置される端末局が多いシステムでは24時間〜1週間程度の長期間でよく、端末局が頻繁に移動するようなシステムでは数秒〜数分でよい。また、PHSのパケット通信時に行われる一時的な中継終了の場合であれば、数秒程度でよい。
したがって、中継開始時の通信速度の不所望な低下を防ぐことができるとともに、アンテナ選択に与える影響を小さくしつつ、記憶回路32に必要な記憶容量を小さくすることができる。
[実施の形態10]
本発明の実施の第10の形態に係る無線中継装置は、前述の図2で示す無線中継装置21の構成を用いることができる。注目すべきは、本実施の形態では、前記2つの無線通信回路12,14は前記通信速度が可変で、かつTDMA方式で無線通信を行い、前記切換え判定回路23は、前記切換えスイッチ22におけるアンテナ切換えをスロット毎に行い、基地局1向け通信と端末局2向け通信とが同一スロットを使用しない場合には、前記切換えスイッチ22に、前記基地局1用と端末局2用との両方の無線通信回路12,14を高ゲインアンテナ13に接続させることである。
本発明の実施の第10の形態に係る無線中継装置は、前述の図2で示す無線中継装置21の構成を用いることができる。注目すべきは、本実施の形態では、前記2つの無線通信回路12,14は前記通信速度が可変で、かつTDMA方式で無線通信を行い、前記切換え判定回路23は、前記切換えスイッチ22におけるアンテナ切換えをスロット毎に行い、基地局1向け通信と端末局2向け通信とが同一スロットを使用しない場合には、前記切換えスイッチ22に、前記基地局1用と端末局2用との両方の無線通信回路12,14を高ゲインアンテナ13に接続させることである。
図4は、本実施の形態で1回線の中継を行う場合のスロット構成を表した図である。1フレーム625μsec当り、この図4で示すように、8つスロット1〜8に分割されており、前半のスロット1〜4が下りチャネル用であり、後半のスロット5〜8が上りチャネル用である。そして、通常、無線通信回路12は、スロット1を基地局1からの制御チャネルの受信用に使用している。このため、1回線の中継を行う場合、下りの通話チャネルはスロット2で基地局1から送られる。
ここで、基地局1と通信を行う場合は基地局1側にスロット選択の権利があり、端末局2と通信を行う場合は該無線中継装置21側にスロット選択の権利がある。そこで、前記切換え判定回路23は、新たに発着信する端末局に対して、基地局1向けおよび他の端末局2との間で使用していないスロットがあればそのスロットで通信を行うように端末局2用の無線通信回路14のスロット割当てを行うとともに、前記切換えスイッチ22に、高ゲインアンテナ13を、時分割で基地局1用の無線通信回路12と端末局2用の無線通信回路14とに接続させる。したがって、図4の例では、前記切換え判定回路23は、端末局2側の無線通信回路14に、スロット3または4(図4の例では3)で端末局2に中継を行わせる。これに応答して、上りの通話チャネルは同じ3スロット目のスロット7で端末局2から送られ、無線通信回路12は下りと同じ2スロット目のスロット6で基地局1に中継を行う。
このように構成することで、図4の場合、スロット1,2、6では基地局1側の無線通信回路12は動作をしているが、端末局2側の無線通信回路14は何も動作しておらず、またスロット3、7では端末局2側の無線通信回路14は動作をしているが、基地局1側の無線通信回路12は何も動作しておらず、何れのスロット1,2,3,6,7にも高ゲインアンテナ13を用いることができる。
したがって、高ゲインアンテナ13を使用する機会が多くなり、基地局1からの受信レベルおよび端末局2からの受信レベルの一層の改善を期待できる。
[実施の形態11]
本発明の実施の第11の形態に係る無線中継装置は、前述の図2で示す無線中継装置21の構成を用いることができ、図4で示す中継動作に類似している。注目すべきは、本実施の形態では、図5で示すように、前記切換え判定回路23は、基地局1から新たに割当てられたスロットが高ゲインアンテナ13を既に使用しているスロットであり、他に使用していない空きスロットが有る場合には、そのスロット割当てを拒否し、異なるスロットを再度割当てるよう、無線通信回路12から基地局1に要求させることである。
本発明の実施の第11の形態に係る無線中継装置は、前述の図2で示す無線中継装置21の構成を用いることができ、図4で示す中継動作に類似している。注目すべきは、本実施の形態では、図5で示すように、前記切換え判定回路23は、基地局1から新たに割当てられたスロットが高ゲインアンテナ13を既に使用しているスロットであり、他に使用していない空きスロットが有る場合には、そのスロット割当てを拒否し、異なるスロットを再度割当てるよう、無線通信回路12から基地局1に要求させることである。
図5の例では、1回線目の端末局のために、スロット2,6を使用して基地局1との間の通信を行い、スロット3,7を使用して端末局2との通信を行っている状況で、2回線目の端末局の発着信が発生している。この場合、基地局1は、自身は空きスロットと認識しているスロット3または4を指定するが、図5で示すように既に使用されているスロット3が指定されると、切換え判定回路23は、そのスロット割当てを拒否して異なるスロットを再度割当ててもらい、空きスロット4が割当てられるようにする。空きスロット4が割当てられると、データ量の少ない制御チャネルのスロット1の受信を通常ゲインアンテナ15で行うようにし、該スロット1で高ゲインアンテナ13を端末局2側への送信に使用する。
このように構成することで、極力高ゲインアンテナ13を通話チャネルに使用することができる。
ここで、特許第3281193号公報には、パッシブ(受動型)の無線中継装置ではあるものの、基地局側には指向性のある高ゲインのアンテナを対向させ、端末局側には指向性の緩い低ゲインのアンテナを対向させることが記載されているが、それは単に上述のように基地局が遠く、端末局が近くにあるためと思われるだけで、本件のように通信速度が可変でなく、基地局から端末局までのトータルでの通信速度を考慮したものではない。
1 基地局
2 端末局
11,21,31 無線中継装置
12,14,34 無線通信回路
13 高ゲインアンテナ
15 通常ゲインアンテナ
22 切換えスイッチ
23,33 切換え判定回路
32 記憶回路
2 端末局
11,21,31 無線中継装置
12,14,34 無線通信回路
13 高ゲインアンテナ
15 通常ゲインアンテナ
22 切換えスイッチ
23,33 切換え判定回路
32 記憶回路
Claims (12)
- 通信速度可変で移動通信を行う基地局と端末局との間に介在され、前記基地局および端末局のそれぞれと通信を行う第1および第2の2つの無線通信手段を備える無線中継装置において、
前記第1の無線通信手段または第2の無線通信手段の一方に、他方よりも高ゲインの無線通信手段を使用することを特徴とする無線中継装置。 - 前記高ゲインの無線通信手段を、基地局向けで使用することを特徴とする請求項1記載の無線中継装置。
- 前記2つの無線通信手段はそれぞれアンテナに無線通信回路を備えて成り、一方のアンテナが高ゲインアンテナから成ることで前記高ゲインの無線通信手段が実現され、前記2つの無線通信回路は基地局向けと端末局向けとに予めそれぞれ対応しており、
2つのアンテナと2つの無線通信回路との関係を相互に入換えることができる切換え手段と、
前記基地局と端末局とのそれぞれの受信レベルに応じて前記切換え手段を制御し、前記高ゲインアンテナを基地局用と端末局用との何れの無線通信回路に接続するかを決定する制御手段とをさらに備えること特徴とする請求項1記載の無線中継装置。 - 前記制御手段は、前記受信レベルの平均値から、2つのアンテナと2つの無線通信回路との接続態様を決定すること特徴とする請求項3記載の無線中継装置。
- 前記制御手段は、待ち受け中に基地局から受信する制御チャネルの受信レベルが予め定める値以上である場合に、前記切換え手段に、前記高ゲインアンテナを端末局向け無線通信回路に接続させることを特徴とする請求項3または4記載の無線中継装置。
- 前記制御手段は、前記端末局の発着信時に、少なくとも該端末局の通話チャネルの受信レベルを含めて、前記2つのアンテナと2つの無線通信回路との接続態様を決定することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の無線中継装置。
- 前記制御手段は、前記端末局の通話チャネルに対する受信レベルの閾値および前記基地局の通話チャネルに対する受信レベルの閾値を有し、その閾値以下である方に前記高ゲインアンテナを使用し、かつ前記2つの閾値の少なくとも一方が任意に設定可能であることを特徴とする請求項6記載の無線中継装置。
- 前記制御手段は、中継を行った端末局の端末IDと、その端末局に対して選択したアンテナの種類とを相互に対応付けて記憶し、再度、同一の端末IDを持つ端末局の中継を行う際には、記憶している種類のアンテナを端末局用に選択することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の無線中継装置。
- 前記制御手段は、中継を終了する際のシーケンスが通常の終話シーケンスでない場合には、前記端末IDおよびアンテナの種類の記憶を行わないことを特徴とする請求項8記載の無線中継装置。
- 前記制御手段は、記憶している端末IDおよびアンテナの種類を、予め定める期間経過後に消去することを特徴とする請求項8または9記載の無線中継装置。
- 前記2つの無線通信回路は前記通信速度が可変で、かつTDMA方式で無線通信を行い、
前記制御手段は、前記切換え手段におけるアンテナ切換えをスロット毎に行い、基地局向け通信と端末局向け通信とが同一スロットを使用しない場合には、前記切換え手段に、前記基地局用と端末局用との両方の無線通信回路を高ゲインアンテナに接続させることを特徴とする請求項3記載の無線中継装置。 - 前記制御手段は、基地局から新たに割当てられたスロットが高ゲインアンテナを既に使用しているスロットであり、他に使用していない空きスロットが有る場合には、そのスロット割当てを拒否し、異なるスロットを再度割当てるよう基地局に要求することを特徴とする請求項11記載の無線中継装置。
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2007
- 2007-02-23 JP JP2007044111A patent/JP2008211345A/ja active Pending
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