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JP2008203059A - 化学分析センサ及び相互作用計測装置 - Google Patents

化学分析センサ及び相互作用計測装置 Download PDF

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JP2008203059A JP2007038814A JP2007038814A JP2008203059A JP 2008203059 A JP2008203059 A JP 2008203059A JP 2007038814 A JP2007038814 A JP 2007038814A JP 2007038814 A JP2007038814 A JP 2007038814A JP 2008203059 A JP2008203059 A JP 2008203059A
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Abstract

【課題】極微量の試料に対して所望の計測を適切に行う。
【解決手段】化学分析センサ1aを、本体部21と、本体部21から突出する突出部22と、突出部22の先端部に設けられた検出部23と、先端部に対して所定間隔を置いた位置で先端部を取り囲む枠状部材24とを備えて構成し、先端部と、先端部に対向する枠状部材24の内縁部(枠側親水性領域24b)とは、親水性を有し、枠状部材24の外縁部(枠側疎水性領域24a)は撥水性を有し、所定間隔を、先端部と枠状部材24との間に所望の液滴を保持可能な距離とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、化学分析センサ、及び該化学分析センサを有する相互作用計測装置に関するものである。
従来、液層における化学反応を計測するシステムのセンサとして、例えば水晶振動子の振動部分の振動周波数あるいはインピーダンス変化に基づき溶液中に微量に存在する物質の定量を行うQCMセンサ(例えば、特許文献1参照)等が知られている。
特開2006−78181号公報
しかしながら、上述した従来技術に係るQCMセンサでは、試料溶液内に電極全体を浸漬させる必要があり、必要とされる試料溶液の溶液量を低減することが困難であり、例えば生体試料のタンパク質や糖鎖等の極微量の試料に対して所望の解析を適切に行うことが困難であるという問題が生じる。
また、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法により、微量の遺伝子を増幅して定量する際においても、プラズモンが発生しうる反応容量が必要であり、必要とされる試料溶液の溶液量を低減することが困難である。
また、液層における化学反応を計測するシステムのセンサとして、例えばマイクロカンチレバーシステムを用いてカンチレバー表面への吸着による応力変化を検出する際においても、カンチレバーを試料溶液内に浸漬させる必要があり、必要とされる試料溶液の溶液量を低減することが困難であるという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、極微量の試料に対して所望の計測を適切に行うことが可能な化学分析センサ、及び該化学分析センサを有する相互作用計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の化学分析センサは、本体部(例えば、実施の形態での本体部21)と、前記本体部から突出する突出部(例えば、実施の形態での突出部22)と、前記突出部の先端部に設けられた検出部(例えば、実施の形態での検出部23)と、前記先端部に対して所定間隔を置いた位置で前記先端部を取り囲む枠状部材(例えば、実施の形態での枠状部材24)とを備え、前記先端部と、前記先端部に対向する前記枠状部材の内縁部(例えば、実施の形態での枠側親水性領域24b)とは、親水性を有し、前記枠状部材の外縁部(例えば、実施の形態での枠側疎水性領域24a)は撥水性を有し、前記所定間隔は、前記先端部と前記枠状部材との間に所望の液滴を保持可能な距離である。
この発明の化学分析センサによれば、検出部が設けられた突出部の先端部は枠状部材によって取り囲まれ、この先端部と枠状部材との間に所望の液滴を表面張力により保持可能であることから、過剰な試料溶液を必要とせずに、微量の液滴だけで所望の化学反応を発生させることができ、所望の計測を適切かつ精度良く行うことができる。
さらに、本発明の化学分析センサでは、前記先端部は、前記枠状部材の前記内縁部に対向する曲面状の対向面を有し、前記枠状部材の前記内縁部は、前記先端部に対向する曲面状の枠側対向面を有する。
この発明の化学分析センサによれば、先端部および枠状部材は曲面状の対向面および枠側対向面を有することから、例えば屈曲した表面を有する場合に比べて、先端部と枠状部材との間に所望の液滴を表面張力により保持し易くなり、より一層、必要とされる試料溶液の量を低減させることができる。
また、本発明の化学分析センサは、本体部(例えば、実施の形態での本体部21)と、前記本体部から突出する突出部(例えば、実施の形態での突出部22)と、前記突出部の先端部に設けられた検出部(例えば、実施の形態での検出部23)と、前記先端部に対して所定間隔を置いた位置で前記先端部に対向する板状部材(例えば、実施の形態での板状部材25)とを備え、前記先端部と、前記先端部に対向する前記板状部材の央部(例えば、実施の形態での板側親水性領域25b)とは、親水性を有し、前記板状部材の前記央部を取り囲む周縁部(例えば、実施の形態での板側疎水性領域25a)は撥水性を有し、前記所定間隔は、前記先端部と前記板状部材との間に所望の液滴を保持可能な距離である。
この発明の化学分析センサによれば、検出部が設けられた突出部の先端部には板状部材が対向配置され、この先端部と板状部材との間に所望の液滴を表面張力により保持可能であることから、過剰な試料溶液を必要とせずに、微量の液滴だけで所望の化学反応を発生させることができ、所望の計測を適切かつ精度良く行うことができる。
さらに、本発明の化学分析センサでは、前記板状部材は、所定方向の両側から前記先端部を挟みこむ第1板状部材および第2板状部材を備え、前記第1板状部材と前記第2板状部材との間の間隔は、前記第1板状部材と前記第2板状部材との間に所望の液滴を保持可能な距離である。
この発明の化学分析センサによれば、検出部が設けられた突出部の先端部を両側から挟みこむ第1および第2板状部材間に所望の液滴を表面張力により保持可能であることから、過剰な試料溶液を必要とせずに、微量の液滴だけで所望の化学反応を発生させることができ、所望の計測を適切かつ精度良く行うことができる。
さらに、本発明の化学分析センサでは、前記先端部は、前記板状部材の前記央部に対向する曲面状の対向面を有し、前記板状部材の前記央部は、前記先端部に対向する曲面状の板側対向面を有する。
この発明の化学分析センサによれば、先端部および板状部材の央部は曲面状の対向面および板側対向面を有することから、例えば屈曲した表面を有する場合に比べて、先端部と板状部材との間、あるいは、第1および第2板状部材間に所望の液滴を表面張力により保持し易くなり、より一層、必要とされる試料溶液の量を低減させることができる。
また、本発明の相互作用計測装置は、上記本発明の何れか1つの化学分析センサと、前記先端部に対向配置された試料を載置するステージ(例えば、実施の形態での第1プレートPa、第2プレートPb)と、前記先端部と前記ステージとを相対的に移動させる移動手段(例えば、実施の形態でのシステム駆動部15)と、前記検出部による所定状態量の検出結果に基づいて、前記試料の状態に係るデータを取得する制御手段(例えば、実施の形態での制御部14)とを備える。
この発明の相互作用計測装置によれば、化学分析センサによって過剰な試料溶液を必要とせずに、微量の液滴だけで所望の化学反応を発生させることができ、所望の計測を適切かつ精度良く行うことができることから、極微量の試料の状態に係るデータを適切に取得することができる。
本発明の化学分析センサによれば、過剰な試料溶液を必要とせずに、微量の液滴だけで所望の化学反応を発生させることができ、所望の計測を適切かつ精度良く行うことができる。
また、本発明の相互作用計測装置によれば、極微量の試料の状態に係るデータを適切に取得することができる。
測定結果の信頼性を向上することができる。
以下、本発明の化学分析センサ及び相互作用計測装置の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施形態による化学分析センサ1aを有する相互作用計測装置1は、例えば極微量の試料溶液に対する各種相互作用を計測するものであって、例えば図1に示すように、化学分析センサ1aと、ブリッジバランス部11と、信号増幅部12と、信号処理部13と、制御部14と、システム駆動部15と、センサ駆動部16とを備えて構成されている。
化学分析センサ1aは、いわゆるマイクロカンチレバー等のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサであって、例えば図2(a),(b)に示すように、本体部21と、本体部21から突出する突出部22と、突出部22の先端部に設けられた検出部23と、突出部22の先端部に対して所定間隔を置いた位置で先端部を取り囲む枠状部材24とを備えて構成されている。
本体部21および突出部22および枠状部材24は、例えばシリコン支持層および酸化層およびシリコン活性層の3層を熱的に貼り合わせたSOI基板等から形成されている。
突出部22は、例えば平板状に形成され、先端部を本体部21から突出させた状態で自由端とし、基端部が本体部21に片持ち状態に固定されている。
なお、突出部22と本体部21との接合部には、例えば応力が集中する応力集中部として機能するように開口(図示略)が形成され、突出部22の基端側が、先端側に比べて、より屈曲して撓み易くなっている。そして、この開口の周辺には、突出部22の撓み量に応じて抵抗値が変化する歪み検出素子であると共に、突出部22の先端部を所定方向に所定の共振周波数で微小振動させる加振源であるピエゾ抵抗素子(図示略)が設けられている。このピエゾ抵抗素子は、例えばSOI基板にイオン注入法や拡散法等により不純物が注入されて形成されている。
突出部22の表面は、試料溶液を撥水するセンサ側疎水性領域22aと、試料溶液との親和性を促進するセンサ側親水性領域22bとからなり、センサ側親水性領域22bは突出部22の先端部に設けられ、センサ側親水性領域22bは検出部23に隣接し、センサ側疎水性領域22aは検出部23に隣接しないようにして設けられている。
枠状部材24は、例えば平板状の突出部22の各側面を取り囲む平板枠状に形成され、突出部22の各側面に対して所定間隔を置いて対向する内面を有し、先端部を本体部21から突出させた状態で自由端とし、基端部が本体部21に片持ち状態に固定されている。
枠状部材24の表面は、試料溶液を撥水する枠側疎水性領域24aと、試料溶液との親和性を促進する枠側親水性領域24bとからなり、枠側親水性領域24bは、突出部22の先端部、つまり検出部23が隣接配置された突出部22のセンサ側親水性領域22bを取り囲むようにして、枠状部材24の先端部の内縁部に設けられている。さらに、枠側疎水性領域24aは、枠側親水性領域24bを取り囲むようにして設けられている。
そして、突出部22の先端部と枠状部材24との間の所定間隔は、突出部22の先端部と枠状部材24との間に試料溶液の液滴を表面張力により保持可能な距離に設定されている。
ブリッジバランス部11は、化学分析センサ1aに設けられた歪み検出素子としての複数のピエゾ抵抗素子(図示略)をブリッジ接続したブリッジ回路を備え、所定のバイアス電圧が印加されることで、各ピエゾ抵抗素子の抵抗値、つまり化学分析センサ1aの突出部22の撓みに伴いピエゾ抵抗素子に生じる歪に応じてレベル変化する電気的信号(出力電圧)を出力する。
信号増幅部12は、ブリッジバランス部11から出力された出力電圧に対して、所定のフィルタ処理および増幅処理を行う。
信号処理部13は、信号増幅部12から出力される信号に基づいて、例えば化学分析センサ1aの検出部23で生じた相互作用反応に起因する力学的状態量(例えば、反応物質の応力変化や重量変化等)を検出する。
制御部14は、例えば信号処理部13での力学的状態量の検出結果に基づき、反応物質の構造解析等を行う。
例えば、制御部14は、化学分析センサ1aにより静的な状態で検出を行う場合には、化学分析センサ1aの突出部22の先端部に所定の反応物質が付着したことによる微小重量の変化を、化学分析センサ1aの突出部22の撓みの変化量により検出し、所定の反応物質を識別すると共に、各種の分析や解析等を行う。
また、制御部14は、化学分析センサ1aにより動的な状態で検出を行う場合には、化学分析センサ1aに設けられた加振源としてのピエゾ抵抗素子(図示略)により、化学分析センサ1aを所定の共振周波数で微小振動させる。そして、化学分析センサ1aの突出部22の先端部に所定の反応物質が付着したことによる微小重量の変化に伴う化学分析センサ1aの振動状態(例えば、共振周波数等)の変化を検出し、より高精度に、所定の反応物質を識別すると共に、各種の分析や解析等を行う。
システム駆動部15は、例えば制御部14から出力される制御指令により駆動される電動モータMを備え、化学分析センサ1aを水平方向(例えば、X方向およびY方向)および鉛直方向(例えば、Z方向)に移動させることで、例えば化学分析センサ1aの突出部22の先端部を、各プレートPa,PbのウェルPa(1),…,Pa(n)、Pb(1),…,Pb(n)に対して所定位置に位置合わせをしたり、各ウェルPa(1),…,Pa(n)、Pb(1),…,Pb(n)内に貯留された溶液に浸漬させる。
センサ駆動部16は、例えば制御部14から出力される制御指令により化学分析センサ1aに設けられた加振源としてのピエゾ抵抗素子(図示略)を所定方向に所定の共振周波数で微小振動させる。
本実施の形態による化学分析センサ1aを有する相互作用計測装置1は上記構成を備えており、次に、この相互作用計測装置1の動作、例えば化学分析センサ1aにより、DNAやタンパク質の生体分子や細胞等の生体試料の形態観察および機能解析を行う動作について説明する。
以下に、例えばタンパク質の生体分子を選択的に化学分析センサ1aの検出部23に固定して、形態観察および機能解析を行う一例について説明する。
先ず、ステップS01においては、化学分析センサ1aの突出部22に設けられた検出部23を含む所定の反応部位の表面上に、例えばSiOまたはTiO、あるいは、Au等を蒸着する表面処理をおこなう。
次に、ステップS02においては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(γ−APTES)およびグルタルアルデヒドの溶液、あるいは、例えばチオール化合物やジスルフィド化合物(例えば、Dithiobis(succinimidyl undecanoate)等)の溶液を貯留する第1プレートPaの各ウェルPa(1),…,Pa(n)まで化学分析センサ1aを移動させる。
そして、ステップS03においては、例えばSiOまたはTiOが蒸着された化学分析センサ1aの突出部22の所定の反応部位を、第1プレートPaの各ウェルPa(1),…,Pa(n)に貯留されたγ−アミノプロピルトリエトキシシランおよびグルタルアルデヒドの溶液内に浸漬し、例えばAuが蒸着された化学分析センサ1aの突出部22の所定の反応部位を、第1プレートPaの各ウェルPa(1),…,Pa(n)に貯留されたチオール化合物やジスルフィド化合物の溶液内に浸漬し、化学分析センサ1aの突出部22の所定の反応部位に、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシランおよびグルタルアルデヒド、あるいは、例えばチオール化合物やジスルフィド化合物を吸着させる。
次に、ステップS04においては、所望のタンパク質の生体分子を含む反応溶液が貯留された第2プレートPbの各ウェルPb(1),…,Pb(n)まで化学分析センサ1aを移動させる。
そして、ステップS05においては、化学分析センサ1aの突出部22の所定の反応部位を、第2プレートPbの各ウェルPb(1),…,Pb(n)に貯留された所望のタンパク質の生体分子を含む反応溶液に浸漬し、化学分析センサ1aの突出部22の所定の反応部位に所望の生体分子を選択的に固定する。このとき、各ウェルPb(1),…,Pb(n)内には、少なくとも化学分析センサ1aの突出部22の先端部と枠状部材24との間に反応溶液が表面張力によって液滴として保持されるだけの溶液量が貯留されていればよい。
なお、このステップS04およびステップS05においては、所望のタンパク質の生体分子を含む反応溶液が貯留された第2プレートPbの各ウェルPb(1),…,Pb(n)に化学分析センサ1aの突出部22の所定の反応部位を浸漬する代わりに、例えばマイクロピペットまたは分注器に所望のタンパク質の生体分子を含む反応溶液を貯留し、少なくとも化学分析センサ1aの突出部22の先端部と枠状部材24との間に反応溶液が表面張力によって液滴として保持されるだけの溶液量を、マイクロピペットまたは分注器から化学分析センサ1aの突出部22の所定の反応部位に供給してもよい。
そして、ステップS06においては、化学分析センサ1aの突出部22の所定の反応部位に所望のタンパク質の生体分子が付着したことによる微小重量の変化を、化学分析センサ1aの突出部22の撓みの変化量により検出し、所望の生体分子を識別すると共に、各種の分析や解析等を行い、一連の処理を終了する。なお、上述した各ステップ間には、必要に応じて、残渣を除去するための洗浄工程が含まれうる。
上述したように、この実施の形態に係る化学分析センサ1aによれば、検出部23が設けられた突出部22の先端部は枠状部材24によって取り囲まれ、この先端部と枠状部材24との間に所望の液滴を表面張力により保持可能であることから、過剰な試料溶液を必要とせずに、微量の液滴だけで所望の化学反応および相互作用を発生させることができ、所望の計測を適切かつ精度良く行うことができる。
さらに、この実施の形態に係る化学分析センサ1aを有する相互作用計測装置1によれば、化学分析センサ1aによって過剰な試料溶液を必要とせずに、微量の液滴だけで所望の化学反応および相互作用を発生させることができ、所望の計測を適切かつ精度良く行うことができることから、装置構成が複雑化することを防止しつつ、生体試料等の極微量の試料の状態に係るデータを適切に取得することができる。
なお、上述した実施の形態においては、化学分析センサ1aの枠状部材24は平板状の突出部22の各側面を取り囲むようにして、例えば図2(a),(b)に示す上下方向(つまり、Y方向)での位置が同等とされているが、これに限定されず、例えば図3(a),(b)に示す上述した実施形態の第1変形例に係る化学分析センサ1aのように、上下方向(つまり、Y方向)において枠状部材24が突出部22の位置からずれた位置に配置されてもよい。
なお、上述した実施の形態においては、化学分析センサ1aの突出部22の先端部は略長方形平板状とされ、枠状部材24は突出部22の各側面に対して所定間隔を置いて対向する屈曲した内面を有するとしたが、これに限定されず、例えば図4(a),(b)に示す上述した実施形態の第2変形例に係る化学分析センサ1aのように、化学分析センサ1aの突出部22の先端部は、例えば略円形平板状等とされ、枠状部材24の内縁部に対向する曲面状の側面を有し、枠状部材24の内縁部は曲面状の内面を有してもよい。
この第2変形例に係る化学分析センサ1aによれば、化学分析センサ1aの突出部22の先端部および枠状部材24は屈曲した部位の代わりに湾曲した部位を有することから、化学分析センサ1aの突出部22の先端部と枠状部材24との間に反応溶液が表面張力によって液滴として保持され易くなり、必要とされる反応溶液の溶液量を低減することができる。
なお、上述した実施の形態においては、化学分析センサ1aは、突出部22の先端部に対して所定間隔を置いた位置で先端部を取り囲む枠状部材24を備えるとしたが、これに限定されず、例えば図5(a),(b)および図6に示す上述した実施形態の第3変形例に係る化学分析センサ1aのように、枠状部材24の代わりに、突出部22の先端部に対して所定間隔を置いて対向配置される板状部材25を備えてもよい。
この板状部材25は、例えば図5(a),(b)または図6に示すように平板状の突出部22に対して、上下方向(つまり、Y方向)に所定間隔を置いて対向配置され、先端部を本体部21から突出させた状態で自由端とし、基端部が本体部21に片持ち状態に固定されている。
板状部材25の表面、特に突出部22に対向する対向面は、試料溶液を撥水する板側疎水性領域25aと、試料溶液との親和性を促進する板側親水性領域25bとからなり、板側親水性領域25bは、上下方向(つまり、Y方向)から見て、突出部22の先端部、つまり検出部23が隣接配置された突出部22のセンサ側親水性領域22bを含むようにして、センサ側親水性領域22bよりも大きく形成されている。さらに、板側疎水性領域25aは、板側親水性領域25bを取り囲むようにして設けられている。
そして、突出部22の先端部と板状部材25との間の所定間隔は、突出部22の先端部と板状部材25との間に試料溶液の液滴を表面張力により保持可能な距離に設定されている。
なお、この第3変形例においては、化学分析センサ1aの突出部22の先端部は、板状部材25の板側親水性領域25bに対向する曲面状の対向面を有し、板状部材25の板側親水性領域25bは、突出部22の先端部に対向する曲面状とされてもよい。この場合には、化学分析センサ1aの突出部22の先端部と板状部材25との間に反応溶液が表面張力によって液滴として保持され易くなり、必要とされる反応溶液の溶液量を低減することができる。
また、この第3変形例においては、単一の板状部材25を備えるとしたが、これに限定されず、例えば図7に示す上述した実施形態の第4変形例に係る化学分析センサ1aのように、突出部22の先端部に対して所定間隔を置いて、所定方向(例えば、上下方向つまり、Y方向)の両側から突出部22の先端部を挟み込む1対の板状部材25、25を備えてもよい。
この第4変形例においては、1対の板状部材25、25の板側親水性領域25b,25bによって突出部22の先端部が所定方向の両側から挟みこまれ、1対の板状部材25、25間の間隔は、1対の板状部材25、25間に試料溶液の液滴を表面張力により保持可能な距離であればよい。
なお、上述した実施の形態において、化学分析センサ1aは単一の突出部22を備えるとしたが、これに限定されず、例えば図8に示す上述した実施形態の第5変形例に係る化学分析センサ1aのように、本体部21から突出する複数の突出部22,…,22と、各突出部22の先端部に設けられた検出部23と、各突出部22の先端部に対して所定間隔を置いた位置で先端部を取り囲む枠状部材24とを備えて構成されてもよい。
この第5変形例に係る化学分析センサ1aによれば、例えば図9に示すように、複数の各検出部23に同一の物質を吸着させた状態で、各検出部23毎に異なる反応溶液が貯留された第2プレートPbの各ウェルPb(1),…,Pb(n)に各突出部22の先端部を浸漬してもよいし、例えば図10に示すように、複数の各検出部23毎に異なる物質を吸着させた状態で、各検出部23毎に同一の反応溶液が貯留された第2プレートPbの各ウェルPb(1),…,Pb(n)に各突出部22の先端部を浸漬してもよい。
本発明の実施形態に係る化学分析センサを有する相互作用計測装置の構成図である。 図2(a)および図2(b)は、本発明の実施形態に係る化学分析センサの構成を示す側面図および平面図である。 図3(a)および図3(b)は、本発明の実施形態の第1変形例に係る化学分析センサの構成を示す側面図である。 図4(a)および図4(b)は、本発明の実施形態の第2変形例に係る化学分析センサの構成を示す側面図および平面図である。 図5(a)および図5(b)は、本発明の実施形態の第3変形例に係る化学分析センサの構成を示す側面図および平面図である。 本発明の実施形態の第3変形例に係る化学分析センサの構成を示す側面図である。 本発明の実施形態の第4変形例に係る化学分析センサの構成を示す側面図である。 本発明の実施形態の第5変形例に係る化学分析センサの構成を示す平面図である。 本発明の実施形態の第5変形例に係る化学分析センサを用いた相互作用計測の動作を示す図である。 本発明の実施形態の第5変形例に係る化学分析センサを用いた相互作用計測の動作を示す図である。
符号の説明
14制御部(制御手段) 15システム駆動部(移動手段) 21本体部 22突出部 23検出部 24枠状部材 24a枠側疎水性領域(外縁部) 24b枠側親水性領域(内縁部) 25板状部材 25a板側疎水性領域(周縁部) 25b板側親水性領域(央部)

Claims (6)

  1. 本体部と、前記本体部から突出する突出部と、
    前記突出部の先端部に設けられた検出部と、
    前記先端部に対して所定間隔を置いた位置で前記先端部を取り囲む枠状部材とを備え、
    前記先端部と、前記先端部に対向する前記枠状部材の内縁部とは、親水性を有し、
    前記枠状部材の外縁部は撥水性を有し、
    前記所定間隔は、前記先端部と前記枠状部材との間に所望の液滴を保持可能な距離であることを特徴とする化学分析センサ。
  2. 前記先端部は、前記枠状部材の前記内縁部に対向する曲面状の対向面を有し、前記枠状部材の前記内縁部は、前記先端部に対向する曲面状の枠側対向面を有することを特徴とする請求項1に記載の化学分析センサ。
  3. 本体部と、前記本体部から突出する突出部と、
    前記突出部の先端部に設けられた検出部と、
    前記先端部に対して所定間隔を置いた位置で前記先端部に対向する板状部材とを備え、
    前記先端部と、前記先端部に対向する前記板状部材の央部とは、親水性を有し、
    前記板状部材の前記央部を取り囲む周縁部は撥水性を有し、
    前記所定間隔は、前記先端部と前記板状部材との間に所望の液滴を保持可能な距離であることを特徴とする化学分析センサ。
  4. 前記板状部材は、所定方向の両側から前記先端部を挟みこむ第1板状部材および第2板状部材を備え、
    前記第1板状部材と前記第2板状部材との間の間隔は、前記第1板状部材と前記第2板状部材との間に所望の液滴を保持可能な距離であることを特徴とする請求項3に記載の化学分析センサ。
  5. 前記先端部は、前記板状部材の前記央部に対向する曲面状の対向面を有し、前記板状部材の前記央部は、前記先端部に対向する曲面状の板側対向面を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の化学分析センサ。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1つに記載の化学分析センサと、
    前記先端部に対向配置された試料を載置するステージと、
    前記先端部と前記ステージとを相対的に移動させる移動手段と、
    前記検出部による所定状態量の検出結果に基づいて、前記試料の状態に係るデータを取得する制御手段とを備えることを特徴とする相互作用計測装置。
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