JP2008286528A - マイクロナイフとマイクロナイフ製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 切断刃がマイクロマシニングエ程によって製造された結晶性材質からなることを特徴とするもの。
又、シリコン基板の裏表より切断刃の厚さに対応するだけエッチングし、シリコン基板の掘り込まれた部分に切断刃の厚さに対応する深さの溝を形成し、溝の深さにより最終品の刃の厚みを調整し、その後、前記シリコン基板の裏面よりエッチングするようにしたもの。
【選択図】 図1
Description
まず、細胞105の直径は一般的に数μmから数百μm程度である。例えば、牛等の未受精卵子の直径は120μm程度である。これに対して従来の金属を加工・研磨した金属製のナイフ101の場合には、その厚みが細胞105の径に比べ同等か或いはそれより厚くなっている。そのため、顕微鏡下で切断しようとしても細胞105の切断位置を特定することができないという問題があった。
又、細胞105に含まれる組織・核・DNA等の切り出しを行う場合、できるだけ組織・核・DNA等を破壊することがないように透明帯を切断する必要がある。その為には十分鋭角な刃先である必要があり、且つ、組織・核・DNA等を正確に分離するために透明帯の蛋白質が刃先へ付着することを防止する必要がある。しかしながら従来のナイフ101ではそのようなことは不可能であった。
又、請求項2によるマイクロナイフは、請求項1記載のマイクロナイフにおいて、上記切断刃と支持体は一連のマイクロマシニング工程によって一体に成形されたものであることを特徴とするものである。
又、請求項3によるマイクロナイフは、請求項1記載のマイクロナイフにおいて、上記切断刃の刃先半径が200nm以下であることを特徴とするものである。
又、請求項4によるマイクロナイフは、請求項1記載のマイクロナイフにおいて、上記切断刃の刃先は酸化処理により、アモルフォス化されていることを特徴とするものである。
又、請求項5によるマイクロナイフは、請求項1記載のマイクロナイフにおいて、上記切断刃が単結晶シリコン製であることを特徴とするものである。
又、請求項6によるマイクロナイフは、請求項1記載のマイクロナイフにおいて、細胞や組織等の生体を切断する生体切断用であることを特徴とするものである。
又、請求項7によるマイクロナイフは、請求項1記載のマイクロナイフにおいて、上記切断刃の刃先が結晶方位により形成されたものであることを特徴とするものである。
又、請求項8によるマイクロナイフは、シリコン基板の裏表より切断刃の厚さに対応するだけエッチングし、シリコン基板の堀り込まれた部分に切断刃の厚さに対応する深さの溝を形成し、溝の深さにより最終品の刃の厚みを調整し、その後、前記シリコン基板の裏面よりエッチングすることを特徴とするものである。
又、請求項2によるマイクロナイフによると、請求項1記載のマイクロナイフにおいて、上記切断刃と支持体は一連のマイクロマシニング工程によって一体に成形されたものであるので、切断刃を支持体に固定するために特別の作業や構造物を必要としないという利点がある。
又、請求項3によるマイクロナイフによると、請求項1記載のマイクロナイフにおいて、上記切断刃の刃先半径が200nm以下であるので、光学顕微鏡下で切断作業を行うとき、マイクロナイフの影ができず、影により作業が妨げられることがない。
又、請求項4によるマイクロナイフによると、請求項1記載のマイクロナイフにおいて、上記切断刃の刃先は酸化処理によりアモルフォス化されているので、蛋白質の癒着を防止することができ、顕微鏡下で切断作業を行うときに、良好に操作することができる。
又、請求項5によるマイクロナイフによると、請求項1記載のマイクロナイフにおいて、上記切断刃が単結晶シリコン製であるので、上記切断刃の刃先は酸化処理によりアモルフォス化されているので、刃先端を非常に鋭角にすることができ、細胞や組織等を容易に切断することができる。
又、請求項6によるマイクロナイフによると、請求項1記載のマイクロナイフにおいて、細胞や組織等の生体を切断する生体切断用であるので、生体切断に優れた効果を発揮する。
又、請求項7によるマイクロナイフによると、請求項1記載のマイクロナイフにおいて、上記切断刃の刃先が結晶方位により形成されたものであるので、鋭利なマイクロナイフを容易に得ることができる。
又、請求項8によるマイクロナイフ製造方法によると、シリコン基板の裏表より切断刃の厚さに対応するだけエッチングし、シリコン基板の堀り込まれた部分に切断刃の厚さに対応する深さの溝を形成し、溝の深さにより最終品の刃の厚みを調整し、その後、前記シリコン基板の裏面よりエッチングし、マイクロナイフとして構成されるので、微細なマイクロナイフをシリコン基板から一度に多数枚製造することができる。
尚、上記保持具7の材質は、上記支持体5と接合できるものであれば何でもよい。
まず、マイクロナイフ1がマイクロマシニング工程によって製造された結晶性材質、その中でも特に単結晶シリコン材料から構成されているので、その刃厚を容易に薄くすることができ、強度のある切断刃とすることができる。それによって、細胞23を破損させることなく、又、蛋白質の癒着が生じることもなく、容易に切断することができるものである。
又、一度に多数のマイクロナイフ1を得ることができる。
又、上記マイクロナイフ1において、上記切断刃3と支持体5は一連のマイクロマシニング工程によって一体に成形されたものであるので、切断刃3を支持体5に固定するために特別の作業を必要としない。
又、本実施の形態によるマイクロナイフ1においては、上記切断刃3の刃先半径は200nm以下であるので、切断刃3を容易に薄くすることができる。そして、光学顕微鏡下で切断作業を行うとき、マイクロナイフ1の影ができず、影により作業が妨げられることがない。
又、本実施の形態によるマイクロナイフ1においては、切断刃3の刃先は酸化処理によりアモルフォス化されているので、酸化処理をすることにより刃先端を非常に鋭角にすることができる。
又、蛋白質の癒着を防止することができ、顕微鏡下で切断作業を行うときに、良好に操作することができる。
又、本実施の形態によるマイクロナイフ1は、切断刃3の刃先が結晶方位により形成されたものであるので、鋭利なマイクロナイフを容易に得ることができる。
又、本実施の形態の場合には、シリコン基板の裏表より切断刃の厚さに対応するだけエッチングし、シリコン基板の堀り込まれた部分に切断刃3の厚さに対応する深さの溝を形成し、溝の深さにより最終品の刃の厚みを調整し、その後、前記シリコン基板の裏面よりエッチングし、マイクロナイフを形成するようにしているので、微細なマイクロナイフ1を1枚のシリコン基板から一度に多数製造することができる。
但し、この場合は、図5に示すように、マイクロナイフ1によって細胞23を切断しようとした場合に、切断不良により細胞23内の組織30がはみ出したり飛び出てしまうことがある。
これに対して、前記第1の実施の形態の場合のように、マイクロナイフ1を製造する段階で再酸化処理を行った場合には、そのような切断不良を確実に防止することができる。
その他の構成は前記第1の実施の形態の場合と同様であり、同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
したがって、この場合も前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができる。
まず、マイクロナイフの形状、大きさについてはこれを特に限定するものではない。
前記第1、第2の実施の形態の場合には、切断刃3と支持体5を一体化させた構成を例に挙げて説明したが、別体の場合も考えられる。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
3 切断刃
5 支持体
7 保持具
11 酸化皮膜
11´ 再酸化皮膜
13 パターンマスク
13´ 裏面パターンマスク
15 シリコン基板
16 ポジ型レジスト
21 マニュピレータハンド
23 胚細胞
25 シャーレ
27 スポット
29 対物レンズ
30 細胞組織
Claims (8)
- 切断刃がマイクロマシニング工程によって製造された結晶性材質からなることを特徴とするマイクロナイフ。
- 請求項1記載のマイクロナイフにおいて、
上記切断刃と支持体は一連のマイクロマシニング工程によって一体に成形されたものであることを特徴とするマイクロナイフ。 - 請求項1記載のマイクロナイフにおいて、
上記切断刃の刃先半径が200nm以下であることを特徴とするマイクロナイフ。 - 請求項1記載のマイクロナイフにおいて、
上記切断刃の刃先は酸化処理によりアモルフォス化されていることを特徴とするマイクロナイフ。 - 請求項1記載のマイクロナイフにおいて、
上記切断刃が単結晶シリコン製であることを特徴とするマイクロナイフ。 - 請求項1記載のマイクロナイフにおいて、
細胞や組織等の生体を切断する生体切断用であることを特徴とするマイクロナイフ。 - 請求項1記載のマイクロナイフにおいて、
上記切断刃の刃先が結晶方位により形成されたものであることを特徴とするマイクロナイフ。 - シリコン基板の裏表より切断刃の厚さに対応するだけエッチングし、シリコン基板の掘り込まれた部分に切断刃の厚さに対応する深さの溝を形成し、溝の深さにより最終品の刃の厚みを調整し、その後、前記シリコン基板の裏面よりエッチングすることを特徴とするマイクロナイフの製造方法。
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