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JP2008281437A - 使用済燃料キャスクの燃料収納構造 - Google Patents

使用済燃料キャスクの燃料収納構造 Download PDF

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JP2008281437A JP2007125845A JP2007125845A JP2008281437A JP 2008281437 A JP2008281437 A JP 2008281437A JP 2007125845 A JP2007125845 A JP 2007125845A JP 2007125845 A JP2007125845 A JP 2007125845A JP 2008281437 A JP2008281437 A JP 2008281437A
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真 佐藤
Shunichi Hatano
俊一 羽田野
Hiroshi Hirayama
浩 平山
Masakazu Jinbo
雅一 神保
Yasushi Hattori
靖 服部
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Abstract

【課題】キャスク容器内に配置される格子組立体およびこれをキャスク容器内に保持する格子組立体支持部材について構成材の物量低減、構成簡素化および製作容易化等を図り、強度および性能を低コストで得る。
【解決手段】燃料収納具1が、ボロン添加ステンレス鋼製板およびアルミニウム合金製板を用いた枠板を縦横に交差させて構成した格子組立体2と、この格子組立体を外側から支持する格子組立体支持部材3と、格子組立体の軸方向両端部に配置されて格子組立体を支持する格子組立体端部支持板6,7と、格子組立体の外周縁側に配置されて格子組立体端部支持板同士を接続する複数の耐食性鋼材製接続部材8と、これらの接続部材に支持されて格子組立体の外周縁に接する複数のアルミニウム合金製伝熱ブロック9とを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は原子炉で使用された使用済燃料を遮蔽および未臨界状態で収納するための使用済燃料キャスクの燃料収納構造に係り、特に構成材の物量低減、構成簡素化および製作容易化等を図った使用済燃料キャスクの燃料収納構造に関する。
原子炉で使用された使用済燃料の運搬および貯蔵等には、放射線遮蔽機能を有する筒状の使用済燃料キャスクが適用される。この使用済燃料用キャスクには、その用途に応じて全使用期間を通じての構造健全性や内部雰囲気の密封性を確保するとともに、その燃料収納構造により使用済燃料装荷時の未臨界性の確保や、崩壊熱による燃料の過熱による破損に至らないよう伝熱性を確保する必要がある。
図8は、使用済燃料キャスクの一例を示す概略断面図である。図8に示すように、使用済燃料キャスク101は円筒状のキャスク容器102を備えており、このキャスク容器102は鋼製の外筒102a、遮蔽材製の内筒102bおよび蓋102c等により密封構造とされている。このキャスク容器102内には図8に仮想線で示すように、使用済燃料キャスク用燃料収納具103が配置され、この燃料収納具103に形成された格子状の保持部に複数本の燃料が個々に収納保持される。
使用済燃料キャスクの燃料収納構造についての提案としては、キャスク容器内に複数本の角筒材を収納し、これら角筒材の外面同士を互いに合わせて積層配置することにより角筒集合体を構成し、この角筒集合体の外周部を割筒状のサポート部材によって覆うことにより固定する構成のものがある(例えば、特許文献1参照)。この技術においては、角筒材集合体の上面にそれぞれ挿入口を有する上板を取付けるとともに、下面に底板を取付け、角筒材に角筒集合体の下面に取付けられた底板とを備えている。
特開平9−159796号公報
上述した従来技術における使用済燃料キャスクの燃料収納構造においては、実機適用に当たって重量制限があるため、ほとんどの部材をボロン添加アルミニウムを含むアルミニウム合金等の軽合金で製作する必要があり、材料費が高コストであるため、材料費の削減が課題であった。
また、従来技術においては、格子組立体とキャスク容器との間の空間をすべてサポート部材で満たすことにより、格子組立の形状を保持する機能および燃料収納具とキャスク容器との間の伝熱性能確保の機能を兼用する構成となっていた。この構成では前記空間内に隙間なくサポート部材を配置することから多くの物量が必要であり、この点からも材料費が高コスト化していた。
一方、高残留出力で大型の使用済燃料を原子炉から取出した後には、冷却期間を短期間として取り扱うための要求が高まるとともに、内部温度の上昇や荷重の増大に耐え得る燃料体の収納構造が求められている。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、キャスク容器内に配置される格子組立体およびこれをキャスク容器内に保持する格子組立体支持部材について、構成材の物量低減、構成簡素化および製作容易化等を図り、要求される強度および性能を低コストで得ることができる使用済燃料キャスクの燃料収納構造を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明では、筒状のキャスク容器内に配置される燃料収納具の格子状空間内に、使用済燃料をそれぞれ軸方向に沿って収納する使用済燃料キャスクの燃料収納構造であって、前記燃料収納具は、ボロン添加ステンレス鋼製板およびアルミニウム合金製板を用いた枠板を縦横に交差させて構成した格子組立体と、この格子組立体を外側から支持する格子組立体支持部材とを備え、前記格子組立体支持部材は、前記格子組立体の軸方向両端部に配置されて前記格子組立体を支持する格子組立体端部支持板と、前記格子組立体の外周縁側に配置されて前記格子組立体端部支持板同士を接続する複数の耐食性鋼材製接続部材と、これらの接続部材に支持されて前記格子組立体の外周縁に接する複数のアルミニウム合金製伝熱ブロックとを有することを特徴とする使用済燃料キャスクの燃料収納構造を提供する。
本発明によれば、使用済燃料を収納保持する手段を、ボロン添加ステンレス鋼製板およびアルミニウム合金製板を用いて縦横に交差させた格子組立体としたことにより、簡易かつ組立の容易な構成として一体化することができるとともに、この格子組立体を外側から支持してキャスク容器内に支持する手段を、格子組立体の軸方向両端部に対向配置された格子組立体端部支持板、これらの格子組立体端部支持板間に連結されて格子組立体の周囲に配置された接続部材、これらの接続部材に支持されて格子組立体の外縁に接するアルミニウム合金製の伝熱ブロックにより構成したことにより、格子組立体とキャスク容器との間の空間に構成部材を満たす必要が無く、物量を大幅に削減することが可能となり、低コストの燃料収納具を提供することができる。
また、格子組立体の形状を保持するための格子形状保持機能については、格子組立体自体を構成するボロン添加ステンレス鋼板製の枠板と、格子組立体支持部材を構成する耐食性鋼材製の格子組立体端部支持板と、格子組立体の外周縁側に配置されて格子組立体端部支持板同士を接続する複数の耐食性鋼材製接続部材とにより担保させ、一方、燃料収納具とキャスク容器との間の伝熱性能を確保するための伝熱性能確保機能を伝熱ブロックにより担保させる構成としている。このように、格子組立体の格子形状保持機能と、燃料収納具・キャスク容器間の伝熱性能確保機能とを、互いに分割して担保させることによって、構成材の物量低減、構成簡素化および製作容易化等を図り、要求される強度および性能を低コストで得ることができる。
以下、本発明に係る使用済燃料キャスクの燃料収納構造の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に適用する使用済燃料キャスクの燃料収納具を一部断面として示す全体側面図である。図2は図1のA−A線に沿う横断面図であり、図3は図2の一部を拡大して示す拡大断面図である。図4は図1のB−B線に沿う横断面図で、図2と異なる部位の断面構成を示している。図5は図2に示した格子組立体の構成部材を示す分解斜視図である。図6は本実施形態による燃料収納具をキャスク容器に収納した状態を示す横断面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態の燃料収納具1は燃料収納空間を区画するための格子組立体2と、この格子組立体2を外側から支持する格子組立体支持部材3とを備え、全体として使用済燃料キャスク(図8参照)の内面形状に対応する円筒状をなす構成とされている。なお、図1には円筒状の燃料収納具1の軸心を垂直方向に向けた配置で示してあり、以下この方向(図1のz方向)を垂直方向、これと直交する方向(図1,図2のx,y方向)を水平方向として説明する。
図1および図2において、格子組立体2は複数枚の幅広な枠板(以下、「大型板枠」という。)4を一定の間隔で一方向(図2のy方向)に平行に配置し、これらの大型板枠4の板面と直交する方向(図2のx方向)に複数枚の幅狭な枠板(以下、「小型板枠」という。)5を交差させて配置した組立体として構成されている。
大型板枠4のうち、燃料収納具1の中央位置に配置されるものは、燃料収納具1の直径に近い最も大幅な幅寸法を有している。また、燃料収納具1の周辺側に配置される各大型板枠4の幅寸法は、周辺に配置されるに従って順次に小さくなっている。これに対し、小型板枠5の幅は全て大型板枠4の間隔寸法と同一となっている。大型板枠4および小型板枠5の軸方向長さ(図1のz方向の長さ)は、使用済燃料を収容し得る長さに設定されている。この構成により、図1および図2に示すように、格子組立体2には平面視で正方形状をなす複数の燃料収納室100が大型板枠4と小型板枠5とにより区分して形成されている。
図3には、格子組立体2の構成を詳細に示してある。図3に示すように、本実施形態では、格子組立体2を構成する大型板枠4および小型板枠5が、この格子組立体2の周辺に配置されているものを除き、全てボロン添加ステンレス鋼板(BSUS板)とアルミニウム合金板(Al合金板)との重合枠板により構成されている。ボロン(B)は中性子吸収材であり、ステンレス鋼(SUS)は剛性材である。したがって、ボロン添加ステンレス鋼板は格子内に収納される使用済燃料が臨界となることを防止する機能を発揮するとともに、強度保持機能を発揮することができる。また、アルミニウム合金(Al合金)は伝熱機能を有し、格子の伝熱パスを確保する機能を有する。
以下の説明においては、大型板枠4を構成するボロン添加ステンレス鋼板を「ボロン添加ステンレス鋼板(大)12」と称し、アルミニウム合金板を「アルミニウム合金板(大)」13と称する。また、小型板枠5を構成するボロン添加ステンレス鋼板を「ボロン添加ステンレス鋼板(小)14」と称し、アルミニウム合金板を「アルミニウム合金板(小)15」と称する。
図3において、格子組立体2の大型板枠4を構成するボロン添加ステンレス鋼板(大)12は、枠周辺側の一部を除き、平行に近接配置した2枚ずつの重合枠板を1組として配列してある。これら2枚1組の大型板枠4は、それぞれ燃料収納室100に面する側にボロン添加ステンレス鋼板(大)12を向けた配置とし、重合枠板同士が対向する裏面側にはアルミニウム合金板(大)13を向けた配置としてある。枠周辺側の大型板枠4(4a)はボロン添加ステンレス鋼板(大)12の単体枠板としてある。
同様に、小型板枠5を構成するボロン添加ステンレス鋼板(小)14およびアルミニウム合金板(小)15についても枠周辺側の一部を除いて互いに接近した2枚ずつの重合枠板を1組として配列してあり、それぞれ燃料収納室100に面する側にボロン添加ステンレス鋼板(小)14を向け、重合枠板同士が対向する裏面側にはアルミニウム合金板(小)15を向けた配置としてある。枠周辺側の小型板枠5(5a)はボロン添加ステンレス鋼板(小)14の単体板枠としてある。以上の構成により、中性子吸収材であるボロン添加ステンレス鋼板(大)12およびボロン添加ステンレス鋼板(小)14が使用済燃料側に配置され、格子組立体2の形状が保持される。
また、2枚1組の互いに接近した大型板枠4同士の間には、垂直な格子間縦部材20が大型板枠4と同一高さで組立てられるとともに、水平な格子間横部材30が上下方向に一定間隔をあけて組立てられている。これらの格子間縦部材20および格子間横部材30はアルミニウム合金等により構成してあり、ボロン添加ステンレス鋼板(大)12、アルミニウム合金板(大)13、ボロン添加ステンレス鋼板(小)14およびアルミニウム合金板(小)15により構成される燃料収納室100同士の間のスペースに、燃料収納室100間の隙間寸法を保って未臨界性を担保することを可能としている。
図5には、大型板枠4を構成する1対のボロン添加ステンレス鋼板(大)12およびアルミニウム合金板(大)13と、小型板枠5を構成する1対のボロン添加ステンレス鋼板(小)14およびアルミニウム合金板(小)15と、格子間縦部材20および格子間横部材30とがそれぞれ分解状態で示されている。
大型板枠4を構成するボロン添加ステンレス鋼板(大)12およびアルミニウム合金板(大)13の板面には、互いに重合する位置に縦溝状の孔21,22がそれぞれ穿設されている。また、これらの孔21,22に対応する配置で、小型板枠5を構成するボロン添加ステンレス鋼板(小)14およびアルミニウム合金板(小)15の縁部の互いに重合する位置に、凸部23,24が形成されている。そして、これらの凸部23,24を孔21,22に嵌合して連結することにより、大型板枠4と小型板枠5とが組合い、図1〜図3に示すように、複数の燃料格納部を有する格子組立体2が形成される。
また、格子間縦部材20および格子間横部材30の互いに向合う側縁部には、それぞれ噛合い溝20a,30aが形成されており、これらの噛合い溝20a,30aを介して格子間縦部材20と格子間横部材30とを縦横に十文字状に交差させて噛み合せることができるようになっている。また、格子間縦部材20の両側縁には凸部26が形成される一方、大型枠板4を構成するボロン添加ステンレス鋼板(大)12およびアルミニウム合金板(大)13には格子間縦部材20の凸部26を挿入できる孔27,28が形成されている。そこで、噛合い溝20a,30aを介して互いに噛合せて十文字状に組合せた格子間縦部材20と格子間横部材30とを、ボロン添加ステンレス鋼板(大)12およびアルミニウム合金板(大)13からなる1組の大型枠板4間に配置するとともに、凸部26をボロン添加ステンレス鋼板(大)12およびアルミニウム合金板(大)13の孔27,28に挿入することにより、図5aの右側に組立状態を示したように、噛合い溝20a,30aに噛合い用凸部26を挿入することによって、大型板枠4間に格子間縦部材20と格子間横部材30とを挿入させて配置させることができる。そして、大型板枠4間に一定の間隙を形成することができる。なお、図5には図示省略しているが、1対のボロン添加ステンレス鋼板(小)14およびアルミニウム合金板(小)15についても、ボロン添加ステンレス鋼板(大)12およびアルミニウム合金板(大)13と同様の構成を採用して、2枚1組の小型枠板5間にも格子間縦部材および格子間横部材を組込むことができる。図3には、小型枠板5間に格子間横部材30を配置した構成を示している。
次に、格子組立体支持部材3の構成を説明する。
図1〜図3に示すように、格子組立体支持部材3は、格子組立体2の軸方向両端部に配置されて格子組立体2を支持する耐食性鋼材製の格子組立体端部支持板としての上部支持板6および下部支持板7と、格子組立体2の外周縁側に配置されて上部支持板6および下部支持板7同士を接続する複数の耐食性鋼材製接続部材8とを備えている。
上部支持板6は格子組立体2の上端部の上側に配置された例えば略円板状のものであり、格子組立体2の燃料収納室100に連通する開口孔を有し、使用済燃料の挿抜を可能としている。この上部支持板6の周縁部には上方に向って立上る枠部6aが設けられている。また、下部支持板7は格子組立体2の下端部の下側に配置された例えば略円板状に組合された複数部材からなり、使用済燃料の挿入端部を支持することができる構成となっている。
接続部材8は棒状またはパイプ状(図示の例ではパイプ状)のものであり、図2〜図4に示すように、格子組立体2の外周部における大型板枠4および小型板枠5の表面に沿って複数本配置され、上下方向に延在している。そして、各接続部材8の上下端部が上部支持板6および下部支持板7に図示省略の止具等により連結されている。
これらの接続部材8には、格子組立体2の外周縁に接する複数のアルミニウム合金製伝熱ブロック9がそれぞれ支持されている。これらの伝熱ブロック9は例えば中空多角形状の縦長なブロック体であり、軸方向に一定長を有し、例えば複数体が積層された構成となっている。そして、これらの伝熱ブロック9は格子組立体2の外面に形成された外側縦面である平坦面、角隅部等に対応した側面を有しており、伝熱ブロック9内の空間内に挿入された接続部材8により、伝熱ブロック9がそれぞれ格子組立体2の外周縁の多くの面に密着状態で接触している。このように、接続部材8は、それぞれ伝熱ブロック9を格子組立体2に固定する固定手段を兼用している。
また、図1および図4に示すように、格子組立体支持部材3は、接続部材8に鍔状に取付けられて格子組立体2の外周面を周方向に沿って支持する複数の耐食性材鋼材製の水平支持部材11と、これらの水平支持部材11間に交差配置で保持され格子組立体2の外周面を軸方向に沿って支持する複数の耐食性材鋼材製の縦支持部材10とを備えている。
水平支持部材11は、それぞれ平面視において伝熱ブロック9と略同一形状とされており、図1に示すように、格子組立体2の軸方向において伝熱ブロック9と交互に配置されている。また、縦支持部材10は図2〜図4に示すように、例えば格子組立体2の外周縁に配置された各大型枠板4および各小型枠板5の略幅方向中間位置から突出する形で設けられている。
このように、格子組立体2の外周部に配置される複数の枠板4,5には、これらの枠板4,5の板面から略直角に外向きに突出する縦支持部材10が設けられ、これらの縦支持部材10は格子組立体2の軸方向全体に亘って延在している。また、各縦支持部材10には、鍔状をなす複数枚の水平支持部材11が格子組立体2の軸方向に沿って一定の間隔をあけて設けられている。そして、格子組立体2の外周には伝熱ブロック9が接続部材8に支持されて、格子組立体2の外縁に押し付けられている。
図6は、このように構成された本実施形態において、燃料収納具1の回転防止と格子組立体2の過大変形を防止するために、キャスク容器102に近接する格子組立体2の角部(a部)および格子組立体支持部材3における縦支持部材10のキャスク容器102に近接する側(b部)を、キャスク容器102に強固に取付け、もしくは成型加工により形成した同数の固定部材50により支持する構造を示している。
このような本実施形態の構成によれば、燃料収納具1を支持するにあたり、種々の方向から受ける荷重を分散することができるので、燃料収納に対する信頼性を高めることが可能である。
また、本実施形態によれば、格子組立体支持部材3が、燃料装荷を妨げない開口を設けた上部支持板6と、ボロン添加ステンレス鋼版およびアルミニウム合金板で構成された格子組立体2を保持する下部支持板7と、これらを繋ぐパイプ状もしくは棒状の接続部材8と、この縦接続部材8に取付けられた格子組立体2の外周を支持する複数の縦支持部材10およびこの縦支持部材10に取付けられた水平支持部材11により構成されている。
また、格子組立体支持部材3に使用する材料は、例えばステンレス鋼、低合金鋼や耐食性皮膜を施した鋼で構成している。このため、燃料収納具1を構成するにあたり、必要な高温強度や耐食性を保つとともに、高価なアルミ合金の使用量を大幅に削減することができるため、低コストの燃料収納具1を提供することができる。
そして、本実施形態によれば、ボロン添加ステンレス鋼版(小)14およびアルミニウム合金板(小)15の凸部23,24と、ボロン添加ステンレス鋼版(大)3およびアルミニウム合金板(大)13の孔27,28との組合せによって、それぞれが互いに結合される。また、格子間縦支持部材20の凸部26はボロン添加ステンレス鋼版(大)12もしくはアルミニウム合金板(大)13に設けられた孔27,28と組合される。格子間横断部材30は、格子間縦支持部材20と噛合せにより組合される。さらに、このようにして組合された格子組立体2の全体を格子組立体支持部材3により拘束することによって燃料収納具1を構成する。
本実施形態によれば、格子組立体2を構成するあたり、溶接等による特別の固定手段を必要としないため、物量および組立工数を大幅に削減することが可能であり、低コストの燃料収納具1を提供することができる。
なお、上述した組合せ部および噛合せ部については、必要に応じて溶接および機械的締付等による手段を用いて固定することは許容される。
本実施形態によれば、ボロン添加ステンレス鋼版(小)12とアルミニウム合金板(大)13、ボロン添加ステンレス鋼版(小)14とアルミニウム合金板(小)15との組合せ、および格子間縦支持部材20と格子間横断部材30の組合せにより、格子組立体2を構成し、使用済燃料収納部を形成することができる。この構成により、ボロン添加ステンレス鋼版(大)12、ボロン添加ステンレス鋼版(小)14、縦支持部材10および水平支持部材11によって格子組立体2の強度を確保し、また、格子組立体支持部材3により格子組立体2の全体の形状を保持している。
また、ボロン添加ステンレス鋼版(小)12およびボロン添加ステンレス鋼版(小)14はボロンを含有している中性子吸収材であり、前述の方法により燃料収納室100間の寸法および格子組立体2の形状が保持されているため、燃料収納室100に収納された使用済燃料が臨界となることを防止することができる。
また、アルミニウム合金板(大)13、アルミニウム合金板(小)15、ボロン添加ステンレス鋼版(小)12、ボロン添加ステンレス鋼版(小)14、格子間縦支持部材20および格子間横断部材30をそれぞれ組合せて構成される格子組立体2は、これらの部材によりその内部の伝熱パスを確保することができる。また、格子組立体2の外周に設置されて格子組立体支持部材3の接続部材8により支持され、格子組立体2の外縁に押し付けられた伝熱ブロック9により、格子組立体2とキャスク容器102との間の伝熱パスを確保することができ、使用済燃料が発生する崩壊熱を外部に放熱することができる。
すなわち、使用済燃料を収納保持する手段を、ボロン添加ステンレス鋼製板およびアルミニウム合金製板を用いて縦横に交差させた格子組立体2としたことにより、簡易かつ組立の容易な構成として一体化することができるとともに、この格子組立体2を外側から支持してキャスク容器102内に支持する手段を、格子組立体2の軸方向両端部に対向配置された格子組立体端部支持板6,7、これらの格子組立体端部支持板6,7間に連結されて格子組立体2の周囲に配置された接続部材8、これらの接続部材8に支持されて格子組立体2の外縁に接するアルミニウム合金製の伝熱ブロック9により構成したことにより、格子組立体2とキャスク容器102との間の空間に構成部材を満たす必要が無く、物量を大幅に削減することが可能となり、低コストの燃料収納具1を提供することができる。
また、格子組立体2の形状を保持するための格子形状保持機能については、格子組立体自体を構成するボロン添加ステンレス鋼板製の枠板4,5と、格子組立体支持部材3を構成する耐食性鋼材製の格子組立体端部支持板6,7と、格子組立体2の外周縁側に配置されて格子組立体端部支持板同士を接続する複数の耐食性鋼材製接続部材8とにより担保させ、一方、燃料収納具1とキャスク容器102との間の伝熱性能を確保するための伝熱性能確保機能を伝熱ブロック9により担保させる構成としたことにより、格子組立体の格子形状保持機能と、燃料収納具・キャスク容器間の伝熱性能確保機能とを、互いに分割して担保させることができ、構成材の物量低減、構成簡素化および製作容易化等を図り、要求される強度および性能を低コストで得ることができる。
なお、以上の実施形態では、格子組立体2をボロン添加ステンレス鋼製板12,14とアルミニウム合金製板13,15とを重ね合わせた重合枠板同士を交差させて構成したが、本発明はこのような構成に限られない。
例えば、図7に示したように、重合枠板の一部をボロン添加ステンレス鋼製板のみからなる単板枠板17に置換えて構成することも可能である。すなわち、格子組立体2に収納される使用済燃料の発熱量に見合う放熱量を得られるように、詳細な伝熱計算を実施することにより、前記実施形態で適用したアルミニウム合金板(大)13とアルミニウム合金板(小)15の配備数量を削減することができ、さらに低コストの燃料収納具1を提供することができる。
本発明の一実施形態に適用する燃料収納具を一部断面にて示す全体側面図。 図1のA−A線に沿う横断面図。 図2の一部を拡大して示す拡大断面図。 図1のB−B線に沿う横断面図。 図2に示した格子組立体の構成部材を示す分解斜視図。 前記燃料収納具のキャスク容器への収納状態を示す横断面図。 本発明の他の実施形態を示す拡大断面図。 使用済燃料キャスクの一例を示す概略断面図。
符号の説明
1‥燃料収納具、2‥格子組立体、3‥格子組立体支持部材、4‥大型板枠、5‥小型板枠、6‥格子組立体端部支持板(上部支持板)、7‥格子組立体端部支持板(下部支持板)、8‥接続部材、9‥伝熱ブロック、10‥縦支持部材、11‥水平支持部材、12‥ボロン添加ステンレス鋼版(小)、13‥アルミニウム合金板(大)、14‥ボロン添加ステンレス鋼版(小)、15‥アルミニウム合金板(小)、17‥単板枠板、20‥格子間縦支持部材、21,22,27,28‥孔、23,24,26‥凸部、30‥格子間横断部材、100‥燃料収納室、101‥使用済燃料キャスク、102‥キャスク容器、102a‥外筒、102b‥内筒、102c‥蓋、103‥燃料収納具。

Claims (4)

  1. 筒状のキャスク容器内に配置される燃料収納具の格子状空間内に、使用済燃料をそれぞれ軸方向に沿って収納する使用済燃料キャスクの燃料収納構造であって、前記燃料収納具は、ボロン添加ステンレス鋼製板およびアルミニウム合金製板を用いた枠板を縦横に交差させて構成した格子組立体と、この格子組立体を外側から支持する格子組立体支持部材とを備え、前記格子組立体支持部材は、前記格子組立体の軸方向両端部に配置されて前記格子組立体を支持する耐食性鋼材製の格子組立体端部支持板と、前記格子組立体の外周縁側に配置されて前記格子組立体端部支持板同士を接続する複数の耐食性鋼材製接続部材と、これらの接続部材に支持されて前記格子組立体の外周縁に接する複数のアルミニウム合金製伝熱ブロックとを有することを特徴とする使用済燃料キャスクの燃料収納構造。
  2. 前記格子組立体は、ボロン添加ステンレス鋼製板とアルミニウム合金製板とを重ね合わせた重合枠板同士を交差させ、または前記重合枠板の一部を前記ボロン添加ステンレス鋼製板のみからなる単板枠板に置換えて構成した請求項1記載の使用済燃料キャスクの燃料収納構造。
  3. 前記格子組立体支持部材は、前記接続部材に鍔状に取付けられて前記格子組立体の外周面を周方向に沿って支持する複数の耐食性材鋼材製の水平支持部材と、これらの水平支持部材間に交差配置で保持され前記格子組立体の外周面を軸方向に沿って支持する複数の耐食性材鋼材製の縦支持部材とを備えた請求項1または2記載の使用済燃料キャスクの燃料収納構造。
  4. 前記格子組立体支持部材の外周面側の形状と、前記キャスク容器の内周面側の形状とを一致させ、これらの一致した形状部分により、前記格子組立体支持部材を前記キャスク内に位置決め支持させる構成とした請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の使用済燃料キャスクの燃料収納構造。
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